JP4326534B2 - 可溶性ldlリセプター - Google Patents
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Description
a. WISH細胞をコンフルーエントになるまで培養し、無血清培地中で30U/mlのINF−ガンマで細胞を誘導し、17時間後に細胞上清を集める;
b. 例えば分子量カットオフが約10,000の膜で限外濾過して、上記上清を約30倍濃縮する;
c. 工程(b)の濃縮した上清を陰イオン交換クロマトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製活性画分を得る;
d. 工程(c)の部分精製画分をハイドロキシアパタイトのクロマトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製画分を得る;
e. 工程(d)の部分精製画分を陰イオンHPLCにかけて抗ウイルス性因子の部分精製画分を得る;
f. 工程(e)の部分精製画分を疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけて抗ウイルス性因子の部分精製画分を得る;そして
g. 工程(f)の部分精製画分を大体中性のpHで逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて部分精製抗ウイルス性因子を得る。次にこの工程を繰り返して均一な抗ウイルス性因子(ヒトWISH細胞に対する水泡性口内炎ウイルス(VSV)による細胞変性作用を阻害する能力により規定される)を得る。
ActinomycetalesBiology")、アカデミアイカイド(Akademiai Kaido)、ブダペスト(Budapest)、ハンガリー、(1986) 43-54)、およびシュードモナス(Pseudomonas)のプラスミッド(ジョン(John, J.F.)ら、(1986) Rev. Infect. Dis. 8:693-704、およびツザキ(Tzaki, K.)(1978) Jpn. J. Bacteriol. 33:729-742)がある。
)、「細胞生物学:総合論文、第3巻:遺伝子発現」("Cell Biology:A Comprehensive Treatise, Vol. 3: Gene Expression")、アカデミックプレス(Adademic Press)、ニューヨーク、563-608(1980))。
IFNで誘導した細胞の上清中の未知の抗ウイルス因子の存在は種々の実験で証明された。
(表1)
表1:IFN作用における抗ウイルス因子の役割
図1 処理(1) 50%CPE 単位/ml(2) 活性%
の列 の希釈倍率
1 INF−α 24 時間、標準測定法 400 1000 100
2 INF−α 24 時間、洗浄 100 250 25
3 INF−α 24 時間、IFNを置換 200 250 25
4 INF−α 24 時間、中和 300 375 37
5 INF−β 24 時間、標準測定法 400 1000 100
6 INF−β 24 時間、洗浄 200 500 50
7 INF−β 24 時間、IFNを置換 400 1000 100
8 INF−β 24 時間、中和 400 1000 100
9 INF−γ 24 時間、標準測定法 800 1000 100
10 INF−γ 24 時間、洗浄 200 250 25
11 INF−γ 24 時間、IFNを置換 400 500 50
12 INF−γ 24 時間、中和 800 1000 100
(1) 標準測定法では、96穴マイクロタイタープレート中のWISH細胞のモノレーヤーに、(列1、5および9)IFNを連続2倍希釈系列で加えた(図1の右から左)。24時間後にVSVを加え、18時間後細胞を固定し染色した。他の場合は、VSVの抗原投与の直前に、洗浄(列2、6および10)、新鮮な培地中のIFNで置換(列3、7および11)または抗IFN中和性抗体の添加(列4、8および12)を行った。
(2) IFN標準物質(列1、5および9)の力価を1000U/mlとした。
スピナーフラスコ中のフィブラセルディスク(Fibracell discs)(ステリリン(Sterilin)、英国)上で、10%胎児牛血清(FCS)を補足したMEMよりなる培地中で、コンフルーエントになるまでヒト羊膜細胞WISH(ATCCCCL−25)を増殖させた。コンフルーエントのところで培地を捨て、ディスクを無血清MEMで数回洗浄した。次に細胞を、蛋白を含まない血清代替物ADC−1(1:50、バイオロジカルインダストリーズ(Biological Industries)、ベイトヘメック(Beit Haemek)、イスラエル)、ヘペス20mM、インスリン0.2μg/mlおよびINF−ガンマ(30U/ml)を補足したMEM(1.3リットル)中でインキュベートした。37℃で17時間インキュベートを続けた。次に培地を集め、遠心分離し(5000×g、15分)、上清を集め、使用するまで短時間(24時間まで)4℃で無菌条件下で保存したか、または−20℃に保存した。蛋白を含まない培地とINF−ガンマをさらに加えることにより、培養細胞を産生のために連続的に使用することができた。
抗ウイルス性因子はポリエチレングリコール20,000に対して透析するか、または限外濾過により濃縮することができる。上記工程2.1の粗細胞上清(1.5リットル)を分子量カットオフが10,000のポリスルホン膜(PTGCミニタンプレート)を用いてミニタン(Minitan)装置(ミリポア(Millipore)、米国)中で限外濾過して約30倍濃縮した。粗保持物(retentate)をホウ酸ナトリウム緩衝液、20mM、pH8(緩衝液A)で洗浄し、容量を約50mlにした。この物質を直ちに使用するかまたは使用するまで−20℃に保存した。
TSK−DEAEカラム(2.5×33cm、トーソー(Tosoh)、日本)を緩衝液Aで平衡化させた。上記のミニタン工程2.2からの濃縮抗ウイルス性因子を、流速8ml/分でカラムにかけた。次にカラムを緩衝液Aで洗浄し、緩衝液A中の50、100、200および500mMのNaClで段階的に溶出した。12mlの画分を集め生物測定法で測定した。カラムを280nmの吸光度により追跡した(図2)。200mMのNaClで溶出した蛋白のピークは、中和性の抗INF−ガンマモノクローナル抗体No.166−5の存在下で試験した時抗ウイルス活性を有していた。これを集め、YM−10膜(分子量カットオフ10,000、アミコン(Amicon)、米国)の限外濾過により約20mlの容量に濃縮した。この物質を使用するまで−20℃に保存した。
ハイドロキシアパタイトバイオゲルTHPカラム(2.5×4cm、バイオラッド(BioRad)、米国)を水で平衡化させた。工程2.3の濃縮した0.2MのNaClの蛋白ピーク(166mg)を、流速2ml/分でバイオゲルHTPカラムにかけた。カラムを水で洗浄し、15mMのリン酸ナトリウム、pH6.8で溶出した。2mlの画分を集め、抗ウイルス活性を試験した。カラムを280nmの吸光度で追跡した(図3)。抗ウイルス活性は15mMのリン酸ナトリウム溶出液中で見いだされ、これを集め限外濾過により濃縮した。
陰イオン交換HPLCカラム(スーパーホルマンス(Superformance)−TMAE−650S、イー・メルク(E. Merck)、ドイツ)を緩衝液Aであらかじめ平衡化させた。工程2.4からの73mgの蛋白を含有する濃縮したプールを遠心分離(10,000×g、5分)し、上清を流速1ml/分でカラムにかけた。カラムを緩衝液Aで洗浄し、次に緩衝液A中の50、100、200および500mMのNaClで段階的に溶出した。2.5mlの画分を集め、抗ウイルス活性を測定した。カラムを280nmの吸光度で追跡した(図4)。活性は200mMのNaCl画分で溶出した。この画分を集め使用するまで−20℃で保存した。
フェニルセファロースカラム(1.5×6.5cm、ファルマシア(Pharmacia)、スエーデン)を緩衝液A中の1.5MのNaClで平衡化させた。工程2.5の200mMのリン酸ナトリウムの蛋白ピーク(10mg)を1.5MのNaClにし、フェニルセファロースカラムにかけた(1ml/分)。カラムを緩衝液A中1.5MのNaClで洗浄し、非結合ピークを集めた。カラムを緩衝液A中の1MのNaCl、緩衝液Aおよび CH3CN/50%緩衝液Aで段階的に溶出した。抗ウイルス活性は非結合画分(1.5MのNaCl)で得られた。カラムを280nmで追跡した(図5)。
工程2.6の非結合のプールした画分(1.2mg)を、20mMヘペス緩衝液pH7.5であらかじめ平衡化したアクアポアRP300RP−HPLCカラム(4.6×30mm)にかけた。カラムを洗浄し、同じ緩衝液中のアセトニトリル勾配により流速0.5ml/分で溶出した。1mlの画分を集め、抗ウイルス活性を試験した。抗ウイルス活性は14%アセトニトリルで溶出し、蛋白ピークに関連していた。しかしこのピークは隣接するピークから完全に分離はしなかった(図6)。カラムはフルオレスカミンを基礎とするカラム後の反応系により追跡した(スタインとモシェラ(Stein S. and Moschera J.)、1981, Methods in Enzymology, 79:7-16)。
この測定法は、IFN活性を測定するために使用される細胞変性作用(CPE)阻害測定法に類似している(ルービンスタイン(Rubinstein S.)ら、(1981) J. Virol. 37:755-758)。抗ウイルス活性はヒトINF−βのNIH標準物質に対して較正されている。これはまたINF−α標準物質でも較正してあるが、INF−ガンマ(これはこれらの測定条件下ではウイルスから細胞を防御しない)では較正していない。以下の方法が使用される。
抗ウイルス性因子が蛋白であることを証明するために3つの実験を行った。
a. 分子量>10,000。抗ウイルス活性はPEG20,000に対する透析およびカットオフ10,000ダルトンの膜の限外濾過により濃縮できることは、この抗ウイルス性因子が巨大分子であることを示している。
(表2)
表2:抗ウイルス性因子の熱とトリプシンに対する感受性
試料 活性
U/ml %
保存(モノQ)抗ウイルス性因子、一晩、室温 75 100
保存抗ウイルス性因子+トリプシン、一晩、室温 25 33
保存抗ウイルス性因子(モノQ)、室温、10分 65 100
保存抗ウイルス性因子、100℃、10分 0 0
TSK−DEAE工程からの抗ウイルス性因子(0.4ml)を、ほとんど生理的条件下でリン酸緩衝化生理食塩水中でサイズ排除カラム(スーパーローズ12、1×30cm、ファルマシア(Pharmacia))で分画した。カラムをあらかじめ平衡化し、流速0.5ml/分でリン酸緩衝化生理食塩水で溶出した。1mlの画分を集め、各画分について抗ウイルス活性を測定した。カラムを280nmで追跡した(図9)。カラムは分子量マーカーとしてのウシ血清アルブミン(67K)とカルボニックアンヒドラーゼ(carbonic anhydrase)(30K)で較正した。抗ウイルス活性は見かけの分子量40,000のピークで溶出することが見いだされた。しかしこのピークは広めであった。
抗ウイルス性因子はヒトWISH細胞上で活性であることが見いだされた。これはまたウシMDBK細胞および齧歯類L細胞上で活性があることが見いだされた。従ってこの因子は種特異性はないと結論された。
最後のRP−HPLC工程(例2の2.7を参照)からの画分10−12の少量(400μl)をプールし、限外濾過で濃縮し、濃縮物(0.5μg)をモデル475蛋白微量配列解析装置(アプライドバイオシルテムズ(Applied Biosystems)、米国)で微量配列解析をした。この系で同定した得られたN−末端15個のアミノ酸残基の配列を図10に示す。サイクル10のアミノ酸は同定しなかったが、サイクル3のProはあまり自信がなく同定した(ピコモル比で示されている)。
Claims (14)
- 抗ウイルス活性を呈する可溶性低比重リポ蛋白(LDL)リセプター蛋白の製造方法であって、培養液中のWISH細胞をインターフェロン−ガンマで処理し、当該培養液中の処理されたWISH細胞を培養し、当該培養上清を回収し、および、抗ウイルス活性を呈する当該上清画分から当該蛋白を精製することからなる、上記製造方法。
- a)培養液中のヒトWISH細胞をコンフルーエントになるまで培養し、無血清培地中で当該細胞をインターフェロン−ガンマで誘導し、および、培養液上清を採取し;
b)当該上清を、約10,000Daの分子量カットオフ(cut off)の膜での限外濾過等によって濃縮し;
c)工程b)の濃縮した上清を陰イオン交換クロマトグラフィーにかけて、部分精製した蛋白の活性画分を取得し;
d)工程c)からの当該部分精製した活性画分をハイドロキシアパタイトカラムでのクロマトグラフィーにかけて、当該蛋白の部分精製活性画分を取得し;
e)工程d)からの当該部分精製活性画分を陰イオン交換HPLCにかけて、当該蛋白の部分精製活性画分を取得し;
f)工程e)からの当該部分精製活性画分を疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけて、当該蛋白の部分精製活性画分を取得し;
g)工程f)からの当該部分精製活性画分を中性pH付近での逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて、部分精製蛋白を取得し;
h)工程g)を繰り返して、ヒトWISH細胞に対する水疱性口内炎ウイルス(VSV)によって生じる細胞変性作用(CPE)を阻害する能力により規定される均一な蛋白を取得する、
工程よりなる、請求項1記載の方法。 - 工程c)のイオン交換クロマトグラフィーがジエチルアミノエチル(DEAE)陰イオン交換クロマトグラフィーカラムで行われる、請求項2記載の方法。
- 逆相HPLC工程g)が逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムで行われる、請求項2記載の方法。
- 1つまたはそれ以上のクロマトグラフィー工程は、抗LDLリセプターモノクローナル抗体カラムでの免疫親和性クロマトグラフィーで置換される、請求項2記載の方法。
- モノクローナル抗体はC7(ATCC,CRL 1691)であり、当該可溶性リセプターが高いpHで溶出される、請求項5記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって取得される精製蛋白であって、以下に示されるN−末端アミノ酸配列:
ASP−ARG−()−GLU−ARG−ASN−GLU−PHE−GLN−()−GLN−ASP−GLY−LYS:()は特定されていないアミノ酸、
を有し、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって決定された分子量は29,000であり、かつ抗ウイルス活性を示すことができ、
成熟LDLリセプターの可溶性細胞外ドメインに相当する、精製蛋白。 - 蛋白性不純物に対して均一になるまで精製されている、請求項7記載の蛋白。
- 成熟LDLリセプターのリガンド結合ドメインを含む、請求項7または8に記載の蛋白。
- 成熟LDLリセプターのアミノ酸残基4〜292に対応するアミノ酸配列を有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の蛋白。
- 成熟LDLリセプターのアミノ酸残基4〜292に対応するアミノ酸配列を有する可溶性LDLリセプター蛋白をコードするDNA分子。
- 請求項11記載のDNA分子を含む発現ベクター。
- 請求項12記載の発現ベクターで形質転換される細胞株。
- 請求項13記載の形質転換細胞株を培養し、および、可溶性LDLリセプターを分離することよりなる、組換え可溶性LDLリセプターの産生方法。
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