JP4326389B2 - マルチ型空気調和装置 - Google Patents
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Description
このような空気調和装置には、一式の室外機ユニットに対し、室内機ユニットが一台接続された構成のシングル型と、それぞれ独自の運転制御を可能にした室内機ユニットが複数接続された構成のマルチ型とがある。
このように、複数台の室内機ユニットを備えているマルチ型空気調和装置においては、圧縮機の回転数に依存することなくハイプレッシャ制御を実施し、比較的高温の室内気を吸い込んで暖房運転を行う場合の圧縮機保護が望まれる。
本発明に係るマルチ型空気調和機は、室外機ユニットと、該室外機ユニットに接続されそれぞれ独自の運転制御が可能な複数台の室内機ユニットとを具備してなるマルチ型空気調和装置において、前記室内機ユニットに設けられて室内気の吸い込み温度を検出する室内気吸込温度検出手段と、前記室内機ユニットの室内熱交換器に設けられて二層流部の温度を検出する室内熱交飽和温度検出手段とを具備し、暖房運転時に前記室内熱交飽和温度検出手段の検出値(TIP)と予め定めた設定基準温度とにより圧縮機の高圧制御を行う制御マップを定め、前記設定基準温度として、前記室内気吸込温度検出手段の検出値(TION)が高い場合ほど低い値を選択または設定する複数のハイプレッシャ制御モードを設けたことを特徴とするものである。
この場合の設定基準温度は、室内気吸込温度検出手段で検出した検出値(TION)の領域に応じて異なる複数種類の中から選択するものでもよいし、あるいは、室内気吸込温度検出手段の検出値(TION)に基づいて対応する値を設定可能とした線形のものでもよい。
また、室内気吸込温度検出手段の検出値(TION)が高いほど室内熱交飽和温度検出手段の検出値(TIP)の低い段階で高圧制御を実施するように設定すれば、空調する室内気の温度が高いほど早い段階でハイプレッシャ制御が実施されるので、より確実に圧縮機を保護することができる。
図1は、マルチ型空気調和装置の全体構成例を示す説明図である。このマルチ型空気調和装置は、室外機ユニット10と、同室外機ユニット10に接続された複数台の室内機ユニット20(図示の例では、室内機ユニット20A,20Bの2台)とを具備して構成される。これら室内機ユニット10及び室外機ユニット20は、冷媒を流す冷媒配管30や図示しない電気配線等により接続されている。
なお、図中の各符号に付記されたA,Bは、2つの室内機ユニットを区別して説明する場合にのみ使用するものとする。
なお、上述した室内機ユニット10には、圧縮機11の吸入管センサ11a及び吐出管センサ11bと、室外熱交換器13の液相側に設けられた室外熱交センサ13aと、外気温を検出する外温センサ18とを具備し、それぞれの検出値が室外制御部17に入力されるようになっている。
最初に、暖房運転時の空調作用について、図中に矢印で示した冷媒の流れとともに説明する。なお、暖房運転及び冷房運転は、四方弁12の操作により変化する冷媒の流れ方向に応じて選択切換えされる。
このような暖房運転時において、室内機ユニット20A,20Bの空調負荷が異なる状況で同時に運転する場合、両ユニットに分配される冷媒循環量は、電子膨張弁14A,14Bの開度により調整される。なお、運転停止中の室内機ユニット20については、同ユニットに接続されている電子膨張弁14が全閉または微開とされる。
この冷房運転では、圧縮機11から四方弁12までの冷媒の流れは暖房運転時と同様であるが、四方弁12を出た高温高圧の気相冷媒は室外熱交換器13に導かれ、室外気と熱交換する。この熱交換により、高温高圧の気体冷媒が室外気に熱を与えて凝縮液化し、高温高圧の液冷媒となる。この液冷媒は、電子膨張弁14を通過することで減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、再び冷媒配管30を通り室内機ユニット20の室内熱交換器21に送られる。
この気体冷媒は、ヘッダー32,四方弁12及び吸入マフラ16を通過して再び圧縮機11に吸引され、以下同様の過程で状態変化を繰り返しながら、マルチ型空気調和装置の冷凍サイクルを循環する。
このようなハイプレッシャ制御モードは、圧縮機11の実運転回転数が0rps以外(すなわち停止していない)の場合、もしくは空調負荷に応じて室内機ユニット20から出力される指令回転数が0rps以外の場合であって、暖房運転時における室内熱交飽和温度(TIP)が所定値以上の高温となった場合に実施される。
さて、高圧制御の制御マップは、設定基準温度P1〜P3に応じて3つの領域に分類される。
第1の領域は、TIP≧P1の場合であり、指令回転数を制御する領域である。
第2の領域は、TIP≧P2が所定時間(たとえば1分)継続した場合であり、指令回転数を0rpsにして復帰条件が満たされるまで継続する領域である。
第3の領域は、TIP<P3の場合であり、第2の領域で説明した復帰条件となる。
また、TIP<P3の条件が満たされた場合にも、ハイプレッシャ制御の解除運転が実施される。
なお、ハイプレッシャ制御の解除運転は、指令回転数を所定数(たとえば1rps)上昇させ、その回転数で所定時間(たとえば40秒)保持するものである。
図2に示す例では、吸込温度(TION)が24℃以下(TION≦24℃)の場合、P1=56.0℃、P2=62.0℃、P3=48.5℃に設定されている。同様に、吸込温度(TION)が24℃より大きく、かつ27℃以下(24℃<TION≦27℃)の場合、P1=53.0℃、P2=61.0℃、P3=47.5℃に設定され、吸込温度(TION)が27℃より小さい場合、P1=50.0℃、P2=60.0℃、P3=46.5℃に設定されている。この場合の設定基準温度は、吸込温度(TION)の領域に応じて異なる複数種類の中から選択するものであるが、吸込温度(TION)に基づいて対応する値を設定可能とした線形(吸込温度と設定基準温度との関係を示すグラフ等)のものでもよい。
また、このハイプレッシャ制御は、室内熱交飽和温度(TIP)及び室内気の吸込温度(TION)によって実施されるので、圧縮機11の回転数が直接関与するようなことはなく、従って、複数台の室内機ユニット20が異なる暖房負荷のもとで暖房運転を実施する場合にも有効なハイプレッシャ制御を実施できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば室内気ユニット20が3台以上の場合にも適用可能であるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14A,14B 電子膨張弁
20A,20B 室内機ユニット
21A,21B 室内熱交換器
23A,23B 二相流部温度センサ(室内熱交飽和温度検出手段)
25A,25B 室内気吸込温度センサ(室内気吸込温度検出手段)
Claims (2)
- 室外機ユニットと、該室外機ユニットに接続されそれぞれ独自の運転制御が可能な複数台の室内機ユニットとを具備してなるマルチ型空気調和装置において、
前記室内機ユニットに設けられて室内気の吸い込み温度を検出する室内気吸込温度検出手段と、
前記室内機ユニットの室内熱交換器に設けられて二層流部の温度を検出する室内熱交飽和温度検出手段とを具備し、
暖房運転時に前記室内熱交飽和温度検出手段の検出値(TIP)と予め定めた設定基準温度とにより圧縮機の高圧制御を行う制御マップを定め、
前記設定基準温度として、前記室内気吸込温度検出手段の検出値(TION)が高い場合ほど低い値を選択または設定する複数のハイプレッシャ制御モードを設けたことを特徴とするマルチ型空気調和装置。 - 前記制御マップは、前記室内気吸込温度検出手段の検出値(TION)が高いほど前記室内熱交飽和温度検出手段の検出値(TIP)の低い段階で高圧制御を実施するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチ型空気調和装置。
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