JP4326306B2 - 制動方法及び制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンチロックブレーキシステム(ABS)の制動機能を有する車両の制動方法及び制動装置に関し、詳しくは、スプリットμ(μは摩擦係数)路面等の左右のμが異なる路面での制動に関する。
従来、急制動等による車輪のロックを防止して安定性能と操舵性能とを確保しつつ車両を制動停止するため、多くの車両にABSと呼ばれるアンチロックブレーキシステム(Anti lock Brake System)の制動機能が装備されている。
このABSは、ほぼ図4に示すように構成され、同図において、1は車両、2FL、2FRは車両1の前輪を形成する左、右の車輪であり、それぞれ、フロント・スピードセンサとしての前輪側の車輪速センサ3FL、3FRが取り付けられている。2RL、2RRは車両1の後輪を形成する左、右の車輪であり、それぞれ、リヤ・スピードセンサとしての後輪側の車輪速センサ3RL、3RRが取り付けられている。
4は車両1のブレーキ液のマスタシリンダであり、ブレーキペダル5の操作が、ブレーキロッド6、ブレーキブースタ7を介して伝わる。8F、8Rはマスタシリンダ4に接続されたブレーキ液の上流側管路、9FL、9FRは車輪2FL、2FRのホイルシリンダ(図示せず)に接続されたのブレーキ液の下流側管路、9RL、9RRは車輪2RL、2RRのホイルシリンダ(図示せず)に接続されたブレーキ液の下流側管路である。
10は上流側管路8F、8Rと下流側管路9FL〜9RRとの間に設けられた周知のABSアクチュエータであり、上流管路8F、8Rと下流側管路9FL〜9RRとの各接続管路及びこれらの管路の開閉制御用の複数のソレノイドバルブ(電磁弁)11、ブレーキ圧制御用のポンプ(図示せず)等が設けられ、車輪速センサ3FL〜3RRの検出車輪速の信号、ブレーキペダル5の操作(踏み込み)の有/無に連動してオン/オフするストップランプスイッチ12の接点信号等の車両1の走行に関連した各種のセンサや接点の信号が入力されるマイクロコンピュータ(ABSコンピュータ)構成のABS・ECU13aにより、設定されたABS制御プログラムにしたがって各ソレノイドバルブ11の開閉、ポンプの発停等を制御する。14はABS・ECU13aによって点灯制御されるウォーニングランプであり、各ソレノイドバルブ11やポンプの故障等が発生したときに点灯又は点滅してABS制御の異常を車両1の車内に報知する。
そして、制動操作が発生してブレーキぺダル5が踏み込まれると、踏み込み量に応じたマスタシリンダ4の操作圧に基づき、各車輪2FL〜2RRのホイルシリンダに大きな制動力が加えられ、各車輪2FL〜2RRが減速して車両1が停止する。
このとき、制動力と路面状態等との関係によって車輪2FL〜2RRがロックしそうになると、ABS・ECU13aが、車両1の車輪速変化等に基づいて制動力を増減調整し、前記のロックを防止する。
ところで、前記の制動力の増減調整は、道路の左、右の路面状態が同じであるものとして、左、右の車輪2FL、2RL、2FR、2RRに均等に施される。
そのため、左又は右の半分は融雪等でぬれているが、残りの右又は左の半分は乾いている路面のような、左右の摩擦係数μが異なるスプリットμ路面等で急制動等が発生した場合、ABSにより左、右の制動力を均等に増減調整しても、ぬれている路面低μ側の車輪が容易にロックしてヨーモーメントが発生し、制動中の車両1が路面低μ側に旋回又はスピンする事態を招来する。
そして、とくに前輪側の車輪2FL又は車輪2FRがロックすると、操舵不能になってステアリングの操作(ハンドル操作)による車両1の方向修正も困難になることから、この対策として、車両1のようなABSの制動機能を有するこの種の車両の制動分野では、ヨ−モーメントリダクション制御の機能を付加し、左、右の摩擦係数μが異なるスプリットμ路面等でABSの急制動等が発生したときに、路面高μ側の車輪の制動量(ブレーキ圧)をステップ状に漸増して目標量に立ち上げるようにし、路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正し、路面高μ側の車輪の制動力を徐々に大きくし、車両1の方向の直進性を維持するようにして車輪2FL、2FRのロックを防止し、ステアリングの操作による車両の方向修正を可能にすることが、よく知られている。
しかしながら、ヨ−モーメントリダクション制御の機能を付加して路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に目標量に漸増すると、車両が停止するまでの制動距離が、この機能を付加しない場合よりかなり長くなるという課題がある。
そこで、前、後輪のブレーキ圧を検出し、両輪のブレーキ圧の差から車両の方向修正量相当の操舵角を算出し、この操舵角の自動操舵により、制動中の車両のヨーモーメントを抑制して直進性を高めることが提案され、この場合、ヨ−モーメントリダクション制御による制動量の立ち上がりの補正を少なくすることができ、その結果、前記の制動距離が長くなる事態を回避し得る(例えば、特許文献1参照。)。
また、前記のブレーキ圧の検出の代わりに車両のヨー運動を検出し、そのヨー角速度から、前記の方向修正量相当の操舵角を求め、この操舵角の自動操舵により、前記のヨーモーメントの抑制を行うことも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−2081号公報(段落番号[0003]、[0012]、図1) 特開平10−329746号公報(段落番号[0046]〜[0055]、図4、図5)
前記のように前、後輪のブレーキ圧の差から算出した方向修正量相当の操舵角の自動操舵によりヨーモーメントを抑制する場合は、ブレーキ圧を検出する車輪毎の専用の圧力センサを車両に搭載する必要がある。
また、前、後輪のブレーキ圧を検出する代わりに車両のヨー運動を検出してヨーモーメントを抑制する場合は、ヨーモーメントを検出するヨーレートセンサやいわゆる横Gセンサを車両に搭載する必要がある。
そして、安全性とコストの両面を重視する場合、車両に前記の車輪毎の専用の圧力センサやヨーレートセンサ、横Gセンサ等を搭載することなく、ヨ−モーメントリダクション制御が動作しても制動距離が長くならないようにすることが望まれる。
本発明は、車輪毎の圧力センサやヨーレートセンサ、横Gセンサを車両に搭載することなく、安全性とコストの両面を重視した構成で、左右の摩擦係数μが異なるスプリットμ路面等でのABSの制動時、ヨ−モーメントリダクション制御によって車輪のロックを防止しつつ極力短い制動距離で停止し得るようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の制動方法は、ABSの制動機能を有する車両の左、右の車輪速センサの検出車輪速から、前記ABSの制動に基づく前記車両の左、右の減速関連量を検出し、前記両減速関連量の差が路面の左、右の摩擦係数(以下、μという)の差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上になるときに、ヨーモーメントリダクション制御により、前記車両の左、右いずれか路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正し、かつ、前記補正に連動して、前記ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例したトルク量を発生し、ステアリングアシストの制御により、前記発生トルク量で前記車両を前記路面高μ側に振るように自動操舵することを特徴としている(請求項1)。
また、本発明の制動方法は、左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速度であることを特徴とし(請求項2)、左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速状態の時間変化であることも特徴としている(請求項3)。
さらに、本発明の制動方法は、ヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に漸増することを特徴としている(請求項4)。
つぎに、本発明の制動装置は、アンチロックブレーキシステムの制動機能を有する車両に、前記車両の左、右の車輪速センサの検出車輪速から、前記アンチロックブレーキシステムの制動に基づく前記車両の左、右の減速関連量を検出し、該両減速関連量の差を算出する減速状態検出手段と、前記両減速関連量の差が路面の左、右の摩擦係数(以下、μという)の差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上になるときに、ヨーモーメントリダクション制御により、前記車両の左、右いずれか路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正する制動特性調整手段と、前記補正に連動して、前記ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例したトルク量を発生し、ステアリングアシストの制御により、前記発生したトルク量で前記車両を前記路面高μ側に振るように自動操舵するステアリング制御手段とを備えたことを特徴としている(請求項5)。
また、本発明の車両制動装置は、左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速度であることを特徴とし(請求項6)、左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速状態の時間変化であることも特徴としている(請求項7)。
さらに、本発明の制動装置は、制動特性調整手段のヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に漸増することを特徴としている(請求項8)。
まず、請求項1、5の構成によれば、スプリットμ路面等の左、右のμが異なる路面でのABSの制動により、車両の左又は右の車輪がロックしそうになってヨーモーメントが発生すると、左、右の車輪速センサの検出車輪速から判別した左右の減速関連量の差が、ヨーモーメントの検出しきい値以上になる。このとき、ヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正することができる。同時に、この補正に連動して、前記ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例したトルク量を発生し、制動のステアリングアシスト制御により、発生したトルク量で車両を路面高μ側に振るようにステアリングをパワーアシストし、いわゆるカウンターステアの状態とすることができる。
そのため、ヨーモーメントリダクション制御によるヨーモーメントの抑制と、制動のステアリングアシスト制御による路面高μ側へのカウンターステアでのヨーモーメントの抑制との組み合わせに基づき、車両の直進性を維持しつつヨーモーメントを十分に抑制して車両を自動操舵で制動停止することができる。
この場合、ヨーモーメントリダクション制御による制動の立ち上がりの低減補正量を、ステアリングアシスト制御の自動操舵のカウンターステアによる車両の方向修正に相当する量、少なくすることができるため、ヨーモーメントリダクション制御の動作時間及び補正量を、ステアリングアシスト制御のない場合より少なくして、ABSの制動効果を大きくし、制動距離を短くすることができる。
そして、前記カウンターステアの状態とするためのステアリングアシスト制御の自動操舵のトルク量を、ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例する量して発生したため、車輪毎の専用の圧力センサやヨーレートセンサ、横Gセンサ等の自動操舵の操舵量を設定するセンサを車両に搭載することなく、安全性とコストの両面を重視した新規な構成で、左右の摩擦係数μが異なるスプリットμ路面等でのABSの制動により、車輪のロックを防止しつつ従来より短い制動距離で車両を自動操舵で停止することができ、安全性等を向上することができる。
つぎに、請求項2、6の構成によれば、左、右の減速関連量を、車両の左、右の車輪速の減速度とする具体的な構成で請求項1、5の効果を得ることができ、請求項3、7の構成によれば、左、右の減速関連量を、車両の左、右の車輪速の減速状態の時間変化とする具体的な構成で請求項1、5の効果を得ることができる。
さらに、請求項4、8の構成によれば、路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に漸増することで、その制動の立ち上がりを、路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に低減補正することができ、実用的な構成のヨーモーメントリダクション制御により、請求項1、5の効果を得ることができる。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、その一実施形態について、図1〜図3にしたがって詳述する。
図1は制動装置の構成説明図、図2は図1の一部の詳細な構成説明図、図3は図1の動作説明用のフローチャートである。
<構成>
まず、図1の制動装置の構成について説明する。
図1において、図4と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、13bは車両1のABSアクチュエータ10に図4のABS・ECU13aに代わりに設けられたマイクロコンピュータ(ABSコンピュータ)構成のABS・ECUであり、車輪速センサ3FL〜3RRの検出車輪速の信号、ストップランプスイッチ12の接点信号等の車両1の走行に関連した各種のセンサや接点の信号が入力され、設定されたABS制御プログラムにしたがって動作することにより、図4のABS・ECU13aと同様のABS制御手段を備えるとともに、つぎの(a)〜(c)の手段を備える。
(a)減速状態検出手段
この手段は、例えば、車両1の前輪側の左、右の車輪速センサ3FL、3FRの検出車輪速の信号から、ABSの制動に基づく車両1の左、右の減速関連量を検出し、両減速関連量の差を算出する。
そして、車両1の左、右の減速関連量は、前輪側の左、右の車輪速センサ3FL、3FRの検出車輪速、又は、前輪側及び後輪側の左、右の車輪速センサ3FL、3RL、3FR、3RRの検出車輪速から検出される量であり、この実施形態にあっては、減速状態検出手段が、車輪速センサ3FL、3FRの検出車輪速の減速方向の微分変化から車両1の左、右の車輪速の減速度を減速関連量として算出する。
(b)制動特性調整手段
この手段は、スプリットμ路面等の左、右のμが異なる路面での車両1の制動により、ヨーモーメントが発生し、減速関連量としての左、右の車輪速の減速度の差が、路面の左、右のμの差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上になるときに、路面の左、右のうちの減速度の大きい一方を路面高μ側、減速度の小さい他方を路面低μ側と認識し、ヨーモーメントリダクション制御により、主に車両1の前輪につき、左、右の車輪2FL、2FRのいずれか路面高μ側の車輪(例えば車輪2FL)の制動の立ち上がりを、路面低μ側の車輪(例えば車輪2FR)の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正する。
この補正の一例は、具体的には、ABSアクチュエータ10の各ソレノイドバルブ11の開閉、ポンプの発停等の制御により、路面低μ側の車輪2FLの制動量は従来のABS制御と同様の左右均等の制動特性で迅速に目標量(規定量)に立ち上げ、路面高μ側の車輪2FRの制動量は設定量ずつステップ状に漸増して目標量(規定量)に立ち上げ、車輪2FRの制動量を徐々に大きくして車輪2FLの制動より遅れて目標量に達するようにすることで実現する。
そして、車輪2FRの制動量の漸増の単位量は、路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりの補正量(遅延量)によって決まり、この補正量は、例えば、実験等によって設定された固定量又はブレーキペダル5の踏み込み量等によって可変設定される量を基本量とし、この基本量に、後述のカウンターステアを考慮した低減係数α(0<α<1)を乗算して形成される。
(c)ステアリング制御情報出力手段
この手段は、車輪速センサ3FL〜3RRの検出車輪速の平均処理等から検出した車両1の車速情報及びヨーモーメントリダクション制御に基づく後述の自動操舵のための付加トルクのトルク量の情報を出力する。
なお、付加トルクのトルク量は、路面高μ側の車輪2FLの制動の立ち上がりの補正量に比例して可変設定される。
つぎに、図1の15は車両1の速度感応型の電動パワーステアリング(Electric Power Steering)(以下、EPSという)機構、16は機構15の制御部を形成するマイクロコンピュータ(EPSコンピュータ)構成のESP・ECUである。
このESP・ECU16はABS・ECU13bと情報をやり取りして設定された操舵プログラムを実行し、ABS・ECU13bの車速、付加トルクの情報及び機構15のトルクセンサ17が検出したステアリングホイール18の操舵トルクから操舵に必要なトルク量を算出し、このトルク量のトルクを発生するように機構15のクラッチ付きのモータ19を駆動し、その回転を、図2に示すように、ステアリングシャフト20の減速機構21、ラック・アンド・ピニオンのステアリングギア22を介して車両1の前輪である車輪2FL、2FRのステアリングリンケージ23に伝え、このリンケージ23の運動により、車輪2FL、2FRの向きを変えて車両1を操舵する。
そして、前記のステアリング制御情報出力手段及びEPS・ECU15により、ステアリング制御手段が形成され、この制御手段は、ヨーモーメントリダクション制御による路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりの補正が発生したときには、その補正量に比例したトルク量の前記付加トルクに基づき、前記補正に連動して、ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例した操舵のトルク量を発生し、このトルク量のステアリングパワーアシストの自動操舵により、車両1を、ヨーモーメントを抑える方向のカウンターステアの操舵状態にして路面高μ側に振り、車両1のヨーモーメントを抑制する。
<動作>
つぎに、前記の構成に基づく図1の装置の動作について、図3のステップS1〜S7の制動処理のフローチャートを参照して説明する。
なお、説明を簡単にする等のため、以下においては、前輪側の車輪2FL、2FRの制動のみについて説明するが、後輪側の車輪2FL、2FRも同様に制動してもよい。
そして、車両1の走行中はABS・ESU13bが設定されたABSの制動プログラムを実行し、図3のステップS1により制動操作の発生を監視し、ブレーキペダル5が踏まれて車両1の制動操作が発生すると、ストップランプスイッチ12の接点信号に基づいてABS・ECU13bがその発生を検出する。
このとき、図3のステップS2のABS制御処理により、従来のABS・ECU13aと同様、例えば、車輪速センサ3FL、3FRの検出車輪速の信号から、車輪2FL、2FRの車輪速の微分変化の減速度を検出監視し、この検出監視の結果に応じた制動制御特性を、予め記憶した複数の制動制御特性から選択し、選択した特性にしたっがて、車輪2FL、2FRがロックしないように左の車輪2FLと右の車輪2FRとに左右均等に制動力をかける各ソレノイドバルブ11の開閉、ポンプの発停等の制御信号を形成する。
そして、左、右のμが異ならない通常路面等での制動時は、図3のステップS3、S4を介してステップS2に戻るループの制御により、ステップS2で形成した制御信号に基づき、ABSアクチュエータ10の各ソレノイドバルブ11の開閉、ポンプの発停等が制御され、左の車輪2FLと右の車輪2FRとに左右均等に制動力が加わり、車両1が従来と同様のABS制御の制動で停止する。
つぎに、図3のステップS3で減速状態検出手段が動作し、車輪速センサ3FL、3FRの検出車輪速の信号から検出した車両1の左、右の減速度の差が予め設定された路面の左、右のμの差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上か否かを判断する。
そして、スプリットμ路面等の左、右のμが異なる路面でABSの制動によりヨーモーメントが発生し、車両1の左、右の減速度の差がヨーモーメントの検出しきい値以上になると、ステップS3からステップS5の制御特性調整処理に移行して制動特性調整手段が動作する。
このとき、車輪2FLを路面高μ側の車輪、車輪2FRを路面低μ側の車輪と認識すると、ステップS2のABS制御処理で形成した路面高μ側の車輪2FRの制動の制御信号につき、制動量を設定量ずつステップ状に漸増し、目標量に立ち上げる制御信号に補正する。
そのため、スプリットμ路面等の左、右のμが異なる路面での制動時は、路面高μ側の車輪2FRの制動量が設定量ずつステップ状に漸増して目標量(設定量)に立ち上がり、車輪2FRの制動力が車輪2FLの制動力より遅れて徐々に大きくなることから、車輪2FLのロックが防止されてヨーモーメントが抑制される。
つぎに、ステップS6のステアリング制御情報出力処理によりステアリング制御情報出力手段が動作し、車両1の車速の情報及び後述の自動操舵のための付加トルクのトルク量の情報を形成してEPS・ECU16に出力する。
そして、ステアリングホイール18が操作されなくても、付加トルクのトルク量の情報に基づくステアリングアシスト制御により、EPS・ECU16がEPS機構15を自動的に駆動し、ヨーモーメントリダクション制御の補正に連動して、その補正量に比例したステアリングパワーアシストの自動操舵を行う。
この自動操舵により、車両1がヨーモーメントを抑える方向のカウンターステアで路面高μ側に振られ、車両1のヨーモーメントがさらに抑制される。
そして、ブレーキペダル5が踏まれて制動が継続する間は、車両1が停止するまでステップ6からステップS7を介してステップS2に戻り、ステップS2から処理がくり返される。
したがって、ヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりが路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正されて車両1のヨーモーメントが抑制される。しかも、付加トルクのトルク量の情報に基づくステアリングアシスト制御のヨーモーメントを抑える方向のカウンターステアにより、車両1が路面高μ側に振られて車両1のヨーモーメントがさらに抑制される。そのため、スプリットμ路面等の左、右のμが異なる路面での制動時、ヨーモーメントリダクション制御による制動力の低減補正の時間及び量を、ステアリングアシスト制御を行わない場合より小さくして車両1のヨーモーメントを十分に抑制し、安全に車両1を制動停止することができる。
そして、ステアリングアシスト制御のカウンタステアの自動操舵量を、ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例した量としたため、車輪毎の専用の圧力センサやヨーレートセンサ、横Gセンサ等の自動操舵の操舵量を設定するセンサを車両1に搭載することなく、安全性とコストの両面を重視した新規な構成で、左右の摩擦係数μが異なるスプリットμ路面等でのABSの制動により、車輪2FL〜2RRのロックを防止しつつ従来より短い制動距離で車両1を自動操舵で停止することができ、安全性等を向上することができる。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、減速関連量の情報は左、右の車輪速の減速度に限られるもでなく、車輪速センサ3FL〜3RRの検出車輪速の信号に基づく、種々の情報であってよく、例えば、左、右の車輪速の減速状態の時間変化であってもよい。
ところで、車両1の装備部品数を少なくするため、車輪速センサ3FL〜3RR等は追従走行制御等の他の制御のセンサ等に兼用する場合にも適用することができる。
一実施形態の制動装置の構成説明図である。 図1の一部の詳細な構成説明図である。 図1の動作説明用のフローチャートである。 従来例の構成説明図である。
符号の説明
1 車両
2FL〜2RR 車輪
3FL〜3RR 車輪速センサ
10 ABSアクチュエータ
13b ABS・ECU
15 EPS機構
16 EPS・ECU

Claims (8)

  1. アンチロックブレーキシステムの制動機能を有する車両の左、右の車輪速センサの検出車輪速から、前記アンチロックブレーキシステムの制動に基づく前記車両の左、右の減速関連量を検出し、
    前記両減速関連量の差が路面の左、右の摩擦係数(以下、μという)の差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上になるときに、
    ヨーモーメントリダクション制御により、前記車両の左、右いずれか路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正し、
    かつ、前記補正に連動して、前記ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例したトルク量を発生し、ステアリングアシストの制御により、前記発生したトルク量で前記車両を前記路面高μ側に振るように自動操舵することを特徴とする制動方法。
  2. 左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速度であることを特徴とする請求項1に記載の制動方法。
  3. 左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速状態の時間変化であることを特徴とする請求項1に記載の制動方法。
  4. ヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に漸増することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制動方法。
  5. アンチロックブレーキシステムの制動機能を有する車両に、
    前記車両の左、右の車輪速センサの検出車輪速から、前記アンチロックブレーキシステムの制動に基づく前記車両の左、右の減速関連量を検出し、該両減速関連量の差を算出する減速状態検出手段と、
    前記両減速関連量の差が路面の左、右の摩擦係数(以下、μという)の差に基づくヨーモーメントの検出しきい値以上になるときに、ヨーモーメントリダクション制御により、前記車両の左、右いずれか路面高μ側の車輪の制動の立ち上がりを路面低μ側の車輪の制動の立ち上がりより緩やかな特性に補正する制動特性調整手段と、
    前記補正に連動して、前記ヨーモーメントリダクション制御の補正量に比例したトルク量を発生し、ステアリングアシストの制御により、前記発生したトルク量で前記車両を前記路面高μ側に振るように自動操舵するステアリング制御手段とを備えたことを特徴とする制動装置。
  6. 左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速度であることを特徴とする請求項5に記載の制動装置。
  7. 左、右の減速関連量が、車両の左、右の車輪速の減速状態の時間変化であることを特徴とする請求項5に記載の制動装置。
  8. 制動特性調整手段のヨーモーメントリダクション制御により、路面高μ側の車輪の制動量をステップ状に漸増することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の制動装置。
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