JP4326131B2 - ガス機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノッキングを起こさずに熱効率の改善を図ることができる複数気筒を備えたマルチインジェクション方式のガス機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機関の燃焼条件によっては、燃料ガスが点火プラグによる所定の着火条件で着火せず、未燃ガスが自着火することによるノッキングが発生することがある。このノッキングは、点火プラグによる点火時期を進角させる(クランク角度がTDC(上死点)となる手前で点火する)ほど発生し易くなる。一方、熱効率は点火時期を進角させる(点火進角させる)ほど良好になる。
【0003】
しかし、熱効率を高めるために点火時期を進角させ過ぎるとノッキングを引き起こしてしまうので、従来は、ノッキングを起こさない範囲で点火進角させていた。複数気筒を備えたガス機関においては、一番ノッキングを起こし易い気筒の点火時期に他の気筒の点火時期を合わせていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、各気筒の燃焼状態を把握し、ノッキングを起こさずに所定以上の熱効率が得られるように点火時期を設定することができるガス機関の制御装置又は制御方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1の発明では、複数気筒を備えたマルチインジェクション方式のガス機関の制御装置において、各気筒の空燃比を設定する空燃比設定手段と、各気筒のノッキングを起こす点火時期を検出する点火時期検出手段と、各気筒の排気温度を検出する排気温度検出手段と、を備えており、前記制御装置が、前記空燃比設定手段により前記各気筒の空燃比の設定値を同じに設定し、その後、前記排気温度検出手段により検出された前記各気筒の排気温度が所定範囲内に収束するように、前記空燃比設定手段により各気筒の空燃比を変更し、その後、前記点火時期検出手段により検出された前記各気筒のノッキングを起こす点火時期が所定範囲内に収束するように、前記空燃比設定手段により前記各気筒の空燃比を変更し、その後、前記排気温度検出手段により検出された各気筒の排気温度の少なくとも1つが所定の第1基準温度以上である場合に、燃焼異常の信号を発信する。
【0006】
請求項2の発明では請求項1の発明において、前記制御装置が、前記各気筒の入口給気温度を検出する温度計と、前記各気筒の出口排気温度を検出する温度計と、を備えており、前記排気温度検出手段が、前記各気筒の排気出口温度から前記各気筒の入口給気温度を減算することにより各気筒の排気温度を算出する。
【0007】
請求項3の発明では請求項2の発明において、前記制御装置が、前記排気温度検出手段により検出された各気筒の排気温度の少なくとも1つが前記第1基準温度以上である場合、かつ、前記第1基準温度以上である前記排気温度における前記入口給気温度が、所定の第2基準温度より大きい場合に、前記燃焼異常の信号に加えて給気温度異常の信号を発信する。
【0008】
請求項4の発明では、複数気筒を備えたマルチインジェクション方式のガス機関の制御方法において、各気筒の空燃比の設定値を同じに設定し、その後、前記各気筒の排気温度が所定範囲内に収束するように、前記各気筒の空燃比を変更し、その後、前記各気筒のノッキングを起こす点火時期が所定範囲内に収束するように、前記各気筒の空燃比を変更し、その後、前記各気筒の排気温度の少なくとも1つが所定の第1基準温度以上である場合に、燃焼異常であると判定する。
【0009】
請求項5の発明では請求項4の発明において、前記各気筒の排気出口温度から前記各気筒の入口給気温度を減算することにより各気筒の排気温度を算出する。
【0010】
請求項6の発明では請求項5の発明において、前記各気筒の排気温度の少なくとも1つが前記第1基準温度以上である場合、かつ、前記第1基準温度以上である前記排気温度における前記入口給気温度が、所定の第2基準温度より大きい場合に、前記燃焼異常に加えて給気温度異常であると判定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1〜9の発明によるガス機関の制御装置100の系統略図である。ガス機関は第1気筒3a〜第6気筒3fの6気筒を備えている。各気筒のヘッド7a〜7fには、それぞれ吸気ポート21a〜21fと排気ポート22a〜22fが設けてある。図1ではスペースの関係上、第1気筒3aにのみ詳細に符号を付した。符号の数字部分は構成部位を示し、アルファベット部分は各気筒に対応(a=第1気筒,b=第2気筒,・・・,f=第6気筒)するようにした。
【0015】
例えば、第1気筒3aでは、吸気ポートは21a,排気ポートは22aであるが、第2気筒3bでは、吸気ポートは21b,排気ポートは22bというように、同じ気筒を構成する部位には共通のアルファベットを付すようにした。第2気筒3b〜第6気筒3fについては、第1気筒3aと同じ構成なので、以下において第1気筒にのみ着目してその構成を詳細に説明する。
【0016】
第1気筒3aのヘッド7aには吸気ポート21aが設けてある。吸気ポート21aには燃焼室11aと吸気管5aとを連通又は遮断する吸気弁8aが設けてある。吸気弁8aは、図示しない駆動機構により駆動され、燃焼室11aと吸気管5aとを連通または遮断する。
【0017】
吸気管5aには、吸気集合管6を介して過給機2から圧縮空気が供給される。また、吸気ポート5aの途中には、詳しくは図2(吸気管5a及び吸気ポート21aの断面略図)で説明するように、インジェクタ14aが吸気ポート5a内に突出するように設けてある。
【0018】
図1に示すようにインジェクタ14aには、燃料ガス供給管12を介して燃料ガスが供給されている。また、図2に示すように、インジェクタ14aの先端には複数の孔24aが設けてある。この孔24aから吸気管5a内に燃料ガスが噴射され、吸気管5a内で空気と燃料ガスが混合して混合気が生成される。
【0019】
インジェクタ14aは、信号線17を介してCPU1から制御信号を受け、吸気管5a内へ吐出する燃料ガスの量を制御することができるようになっている。この吸気管5a内への燃料ガスの吐出量を増減することにより燃焼室11a内へ供給する混合気の空燃比の変更が可能となっている。
【0020】
また、CPU1から信号線20を介して弁25へも制御信号が送られ、弁25の開度を調整して燃料ガス供給管12内を流れる燃料ガスの量を調整することができるようになっている。
【0021】
吸気管5a内への燃料ガスの吐出量の増減は、例えば弁25の開度を変更して燃料ガス供給管12内の燃料ガスの流量を変更することにより調整することができる。また、CPU1からの制御信号によりインジェクタ14自身を制御し、単位時間あたりの噴射量は変更せずに噴射時間を調整することにより吸気管5a内へ噴射する燃料ガスの噴射量を調整し混合気の空燃比を調整することもできる。
【0022】
吸気管5a内で生成された混合気は、吸気弁8aが開いたときに吸気ポート21aから燃焼室11a内に供給されるようになっている。
【0023】
また、第1気筒3aのヘッド7aには排気ポート22aが設けてある。排気ポート22aには、燃焼室11aと排気管4aとを連通又は遮断する排気弁9aが設けてある。排気弁9aは、図示しない駆動機構により駆動され、燃焼室11aと排気管4aとを連通または遮断する。
【0024】
排気管4aは、排気集合管16を介して過給機2と接続されている。排気弁9aが開き、燃焼室11a内の燃焼ガスが排気ポート22a,排気管4a及び排気集合管16を介して過給機2へ供給される。この燃焼ガス(排気ガス)のエネルギにより過給機2は空気を圧縮して吸気集合管6を介して吸気管5aへ空気を供給している。
【0025】
図1に示すように、排気管4の排気集合管16との接続部分には熱電対からなる温度計15aが設置されている。この温度計15aは、排気管4内を流れる排気ガスの温度を計測する。温度計15aで計測された第1気筒3aの排気ガスの温度は、図1に示すように信号線18を介してCPU1へ入力される。また、図示しない機関回転数検出センサとクランク角度検出センサにより検出された検出信号が図示しない信号線を介してCPU1へ入力される。CPU1は、検出された機関回転数に対応する予め設定した吸気弁8aと排気弁9aの開弁時期及び閉弁時期をもとにインジェクタ14aの噴射期間を制御する。
【0026】
また、第1気筒3aにはノッキングセンサ13aが設置されている。図1ではノッキングセンサ13aに接続された信号線(信号線19)が紙面の都合で途切れているが、ノッキングセンサ13aとCPU1とは、信号線19により接続されており、ノッキングセンサ13aで検出した検出信号は信号線19を介してCPU1へ入力されるようになっている。
【0027】
CPU1には信号線18を介して各気筒の排気の温度情報が入力され、また、信号線19を介して各気筒のノッキング情報が入力される。また、CPU1は信号線17を介して各気筒のインジェクタ14a〜14fへ制御信号を送り、吸気管5a〜5f内への燃料ガスの噴射量を調整する。さらにCPU1は信号線20を介して弁25へ制御信号を送り、弁25の開度を調整することにより燃料ガス供給管12内を流れる燃料ガスの量を調整する。
【0028】
第1気筒3aには、着火装置23aが設けてある。着火装置23aは、内部に副室26aと点火プラグ27aとを備えている。点火プラグ27aにより副室26a内の燃料ガスに着火すると、火炎ジェットが噴孔28aから燃焼室11a(主室)内へ噴出し、燃焼室11a内で混合気の燃焼が行われる。
【0029】
CPU1には、予め実験により求められた種々のデータを記憶したメモリ30が設けてある。CPU1は、このメモリ30に記憶されたデータと入力された(検出された)信号が示すデータとを比較し、予め設定したパターンにしたがって各種の制御を行う。
【0030】
ここで、各気筒(第1気筒3a〜第6気筒3f)は同等の機能を備えているが、燃焼室11a〜11f(図1では第1気筒3aにのみ符号を付してある。)内のそれぞれの空燃比をCPU1の制御により同一になるように、例えばインジェクタ14a〜14fの噴射期間を同一に設定しても、インジェクタの燃料噴射のばらつきと燃焼室11a〜11fの給気温度差や冷却効率等の個体差により差異が生じる。これは従来から抱えている問題であるが、このような状況においても本発明では以下のようにしてノッキングを起こさずに点火進角させ各気筒の燃焼効率(熱効率)の向上を図っている。ガス機関の制御装置100は、以上のように構成する。
【0031】
(請求項1の発明の実施例)
図3は、請求項1の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。ガス機関の始動と負荷投入にともない、CPU1(図1)は各気筒に備えたインジェクタ14a〜14f(空燃比設定手段)へ制御信号を送り、第1気筒3a〜第6気筒3fの全気筒の空燃比の設定値を揃える。
【0032】
次に、各気筒の点火時期をノッキングを起こすまで1気筒ずつ変更(進角)させる。ノッキングはノッキングセンサ13a〜13fで検出し、ノッキングを起こした気筒に設置したノッキングセンサ(13a〜13fのいずれか)は、ノッキング検出信号をCPU1へ伝達し、CPU1はノッキングを起こす閾値の点火時期をノッキング限界値として各気筒毎にノッキング限界値をメモリ30に記憶させる。ノッキングする点火時期は、各気筒の筒内圧から判断することもできる。
【0033】
このノッキング限界値が各気筒間で大きくばらついていると、各気筒とも点火進角させかつ各気筒の点火時期を同一に設定して機関を運転しようとするとき、ある気筒(例えば第6気筒3f)に関しては点火時期を大きく進角することができても、また別の気筒(例えば第1気筒3a)に関しては点火時期をほとんど進角することができない場合がある。点火時期は進角させるほど熱効率が向上するので、ノッキングを起こさない範囲で可能な限り進角させるべきである。
【0034】
そこで熱効率が高くなるようにインジェクタ14a〜14fの燃料噴射期間を調整し、各気筒の空燃比を変化させて各気筒のノッキング限界値(ノッキングを起こす点火時期)を所定の範囲内に収め、各気筒ともにノッキングを起こさない点火時期を設定する。
【0035】
図9は、点火時期のノッキング限界値を所定の範囲内に収束するように補正する前の第2,第3,第5及び第6気筒の点火時期と熱効率の関係を示すグラフである。第3気筒は点火時期が11°bTDC(上死点よりも11°手前・以下では単に11°と記す。)でノッキング限界に達っし、点火時期が11°を越えるとノッキングを起こしてしまう。そこで本ガス機関の点火時期を点火時期16°bTDCに設定して所定の熱効率を達成しようとするとき、先ず第3気筒の空燃比を補正し、第3気筒がノッキングを起こさないようにする。
【0036】
図10は、第3気筒における補正した燃料噴射期間と補正なしの燃料噴射期間の比を横軸に,ノッキング強度を縦軸にとったグラフである。図10に示すように、補正する燃料噴射期間を短くする(横軸の数値が小さくなるようにする)ことにより空燃比をリーン(希薄)にするほどノッキング強度は小さくなり、点火時期を進角させ易くなる。
【0037】
ある気筒の燃料の噴射量を少なくすると、機関の負荷に対する機関出力を維持するため、他の気筒の燃料噴射量は増加しノッキング限界値は大きく(ノッキング強度は小さく)なる。ノッキング限界値を所定の点火時期範囲内に変更した気筒の燃料の噴射期間をメモリ30に記憶させ、これを以後その気筒の噴射期間とする。次にその他の気筒の点火時期を1気筒ずつ変更し、ノッキングを起こす閾値の点火時期をノッキング限界値としてメモリ30に記憶させる。すべての気筒が所定の点火時期の範囲内に入ったら、各気筒ともにノッキングを回避した所定の点火時期を設定する。
【0038】
(請求項2,3の発明の実施例)
図3は、請求項2,3の発明によるガス機関の制御方法の流れ図であり、図3は空燃比設定手段の構成の1例を示している。つまり、図3における空燃比制御手段では、第1気筒3a(図1)に着目すると、CPU1(図1)の制御信号により吸気管5aに設置したインジェクタ14aの燃料ガスの噴射期間を調整することにより空燃比を調整している。
【0039】
さらに図3では、各気筒のノッキング限界値を全て所定範囲内に収めるには、インジェクタ14a〜14fの噴射期間の終期が、例えば排気弁9a〜9fが開く時期より前のクランク角度で10°以前に設定する、又は燃料噴射量(燃料噴射期間)の補正が各気筒の1サイクルにおける全噴射量(噴射期間)を気筒数で除した値の±15%を超えなければ所望する空燃比が得られない場合は、噴射期間の調整が不能であるとしてCPU1が噴射期間調整限界信号を発信する手順を示している。
【0040】
CPU1が噴射期間調整限界信号を発信すると、別に設けた図示しない警報装置でオペレータに異常を知らせ、燃焼室3aやインジェクタ14a等を点検し、異常が認められればメンテナンスを施すようにする。
【0041】
ここで、燃料噴射量の補正量上限値は予め実験により求めておき、メモリ30に記憶しておく。上述の例では噴射量の補正量の上限を±15%としたが、使用環境や使用するガス機関に特有の条件を考慮して任意に設定することができる。
【0042】
(請求項4〜9の発明の実施例)
図4〜図6は、請求項4〜9の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。図4は図5へ続き、図5はさらに図6へと続いている。紙面の関係上、1枚に収めきれなかったため、図4〜図6の3つに分割して示している。
【0043】
ガス機関の始動と負荷投入にともないCPU1(図1)は、各気筒に備えたインジェクタ14a〜14f(空燃比設定手段)へ制御信号を送り、第1気筒3a〜第6気筒3fの全気筒の空燃比の設定値を揃える。図4〜図6は、燃焼に異常が認められた際に、その異常の原因を特定する流れ図である。
【0044】
図4から順に説明する。図1のCPU1により第1気筒3a〜第6気筒3fの各インジェクタ14a〜14fの燃料噴射量(噴射期間)の設定値を同一に設定する。図1の吸気管5a〜5fと吸気集合管6の接続部に設置した熱電対式の温度計31a〜31fにより各気筒(3a〜3f)の入口給気温度を検出する。検出信号は信号線32を介してCPU1へ伝達され、メモリ30(記憶手段)に記憶される。また、図1の各気筒の出口排気温度を、熱電対からなる温度計15a〜15fにより検出し、検出信号は信号線18を介してCPU1に伝達される。
【0045】
CPU1は、式(1)を演算し、算出結果を各気筒の排気温度とする。
各気筒排気温度=各気筒出口排気温度−各気筒入口給気温度・・・・・(1)
CPU1は、この各気筒の排気温度が予め設定した所定範囲内に収まっているか否かを判定する。
【0046】
判定結果が「No」であれば各気筒に設けたインジェクタ14a〜14fにより燃料噴射量(噴射期間)を調整する。排気温度が低い気筒は噴射期間を長くし、逆に排気温度が高い気筒は噴射期間を短く調整する。その後、さらに各気筒の排気温度を算出し、算出結果の判定を行う。判定結果が「Yes」の場合は図5へ続く。
【0047】
図4で各気筒の排気温度が所定範囲内に入っている場合には、以下図5の流れ図に従う。図5に示すように、第1気筒3a〜第6気筒3fの点火時期を1気筒ずつ変更し、各気筒ごとにノッキングを起こす閾値の点火時期をノッキング限界値としてメモリ30(図1)に記憶する。
【0048】
図5において、各気筒のノッキング限界値がすべて所定範囲内に入っている場合には、図6に示すように、各気筒出口排気温度を温度計15a〜15f(図1)により検出する。次に前述の式(1)により各気筒排気温度を算出する。
【0049】
式(1)により算出された各気筒の排気温度が予め設定しメモリ30に記憶された第1基準温度より小さければ、各気筒の燃焼は正常に行われており、ノッキングを起こさずにかつ熱効率は最大限に高く設定されていると判断することができる。そこでCPU1(第1比較手段)により各気筒の排気温度と第1基準温度とを比較する。
【0050】
式(1)により算出された各気筒の排気温度のうちのいずれかが第1基準温度よりも大きい場合には、さらに各気筒の入口給気温度が予め設定しメモリ30に記憶された第2基準温度より大きいか否かを第2比較手段(CPU1)が判定する。
【0051】
各気筒の入口給気温度のいずれかが予め設定した第2基準温度より大きい場合は、給気温度が異常に高いのでCPU1は給気温度異常の信号を発信し、例えば図示しない警報装置により給気温度が異常である旨をオペレータに知らせるようにする。逆に第2基準温度より小さい場合には、CPU1は燃焼異常の信号を発信し、図示しない警報装置により燃焼異常が生じていることをオペレータに知らせるようにする。燃焼異常の原因としては、スワールの異常や気筒内に堆積物が蓄積又は付着していること等が考えられる。
【0052】
図4〜図6に示す一連の流れ図に沿ってガス機関の運転を行うと、万が一燃焼異常が発生した場合においても、給気温度の異常を事前に識別することができるので、メンテナンス対応が行い易くなる。
【0053】
図7は、ガス機関に請求項1〜9の発明を適用した際の各気筒のノッキング強度(ノッキング限界値)と点火時期の関係を示すグラフである。また、図8は、従来の制御において、各気筒の空燃比がCPU1の制御によって同一になるように(例えばインジェクタ14a〜14fの燃料の噴射期間が同一になるように)設定したときのノッキング強度と点火時期の関係を示すグラフである。図7のグラフは図8のグラフとは違い、各気筒のノッキング強度が、どの点火時期においても所定範囲内に収束しているので、あえてどのデータがどの気筒であるかを記載していない。
【0054】
図8(ノッキング強度を考慮しない従来の場合)では、各気筒のノッキング強度がばらついているため、各気筒の点火時期を機関の熱効率が良好となる時期に進角させることが阻害され機関の性能を十分に発揮することができない。しかし、図7では、各気筒のノッキング強度が揃う(ノッキング強度が所定範囲内に入る、または設定点火時期におけるノッキング強度が所定の幅に収まる)ように各気筒毎に空燃比を調整するので、各気筒ともに所定の熱効率が得られるように点火時期を設定することができる。
【0058】
請求項1、4の発明によると、いずれかの気筒において燃焼異常が発生したことを検出できるので、ガス機関が破損する前にメンテナンスを行うことができる。
【0059】
請求項2、5の発明によると、排気出口温度から入口給気温度を減算して排気温度を算出するので、吸入給気温度の影響を除くことにより精度よく燃焼異常を検出することができる。
【0062】
請求項3、6の発明によると、精度よく、燃焼異常に加えて、給気温度異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1〜9の発明によるガス機関の制御装置100の系統略図である。
【図2】 吸気管及び吸気ポートの断面略図である。
【図3】 請求項1〜3の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。
【図4】 請求項4〜9の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。
【図5】 図4に続く請求項4〜9の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。
【図6】 図5に続く請求項4〜9の発明によるガス機関の制御方法の流れ図である。
【図7】 請求項1〜9の発明を適用した際の各気筒の排気温度,ノッキング強度と点火時期の関係を示すグラフである。
【図8】 従来の制御による各気筒のノッキング強度と点火時期の関係を示すグラフである。
【図9】 従来のガス機関における熱効率と点火時期の関係を示すグラフである。
【図10】 補正した燃料噴射期間と補正なしの燃料噴射期間の比を横軸に,ノッキング強度を縦軸にとったグラフである。
【符号の説明】
1 CPU(点火時期設定手段,燃焼異常検出手段,算出手段,第1比較手段,第2比較手段)
2 過給機
3 気筒
3a〜3f 第1気筒〜第6気筒
4 排気管
5 吸気管
6 吸気集合管
7 ヘッド
8 吸気弁
9 排気弁
10 ピストン
11 燃焼室
12 燃料ガス供給管
13 ノッキングセンサ
14 インジェクタ(空燃比設定手段)
15 温度計
16 排気集合管
17〜20 信号線
21 吸気ポート
22 排気ポート
23 着火装置
27 点火プラグ
30 メモリ(記憶手段)
31 温度計(排気温度検出手段)
32 信号線
Claims (6)
- 複数気筒を備えたマルチインジェクション方式のガス機関の制御装置において、
各気筒の空燃比を設定する空燃比設定手段と、
各気筒のノッキングを起こす点火時期を検出する点火時期検出手段と、
各気筒の排気温度を検出する排気温度検出手段と、
を備えており、
前記制御装置が、
前記空燃比設定手段により前記各気筒の空燃比の設定値を同じに設定し、
その後、前記排気温度検出手段により検出された前記各気筒の排気温度が所定範囲内に収束するように、前記空燃比設定手段により各気筒の空燃比を変更し、
その後、前記点火時期検出手段により検出された前記各気筒のノッキングを起こす点火時期が所定範囲内に収束するように、前記空燃比設定手段により前記各気筒の空燃比を変更し、
その後、前記排気温度検出手段により検出された各気筒の排気温度の少なくとも1つが所定の第1基準温度以上である場合に、燃焼異常の信号を発信する、
ことを特徴とするガス機関の制御装置。 - 前記制御装置が、
前記各気筒の入口給気温度を検出する温度計と、
前記各気筒の出口排気温度を検出する温度計と、
を備えており、
前記排気温度検出手段が、前記各気筒の排気出口温度から前記各気筒の入口給気温度を減算することにより各気筒の排気温度を算出する、
請求項1に記載のガス機関の制御装置。 - 前記制御装置が、前記排気温度検出手段により検出された各気筒の排気温度の少なくとも1つが前記第1基準温度以上である場合、かつ、前記第1基準温度以上である前記排気温度における前記入口給気温度が、所定の第2基準温度より大きい場合に、前記燃焼異常の信号に加えて給気温度異常の信号を発信する、
請求項2に記載のガス機関の制御装置。 - 複数気筒を備えたマルチインジェクション方式のガス機関の制御方法において、
各気筒の空燃比の設定値を同じに設定し、
その後、前記各気筒の排気温度が所定範囲内に収束するように、前記各気筒の空燃比を変更し、
その後、前記各気筒のノッキングを起こす点火時期が所定範囲内に収束するように、前記各気筒の空燃比を変更し、
その後、前記各気筒の排気温度の少なくとも1つが所定の第1基準温度以上である場合に、燃焼異常であると判定する、
ことを特徴とするガス機関の制御方法。 - 前記各気筒の排気出口温度から前記各気筒の入口給気温度を減算することにより各気筒の排気温度を算出する、
請求項4に記載のガス機関の制御方法。 - 前記各気筒の排気温度の少なくとも1つが前記第1基準温度以上である場合、かつ、前記第1基準温度以上である前記排気温度における前記入口給気温度が、所定の第2基準温度より大きい場合に、前記燃焼異常に加えて給気温度異常であると判定する、
請求項5に記載のガス機関の制御方法。
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