JP4326116B2 - ケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置 - Google Patents

ケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルとステアリングギヤボックスとをボーデンケーブル等のケーブルで接続したケーブル式ステアリング装置に関し、特にその操舵トルクの検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンドルとステアリングギヤボックスとを接続するステアリングシャフトに代えて、ボーデンケーブル等のフレキシブルな伝達手段を採用したケーブル式ステアリング装置が提案されている(特開平8−2431号公報参照)。かかるケーブル式ステアリング装置を採用すれば、ステアリングギヤボックスの位置に対するハンドルの相対位置を自由に選択することが可能となるだけでなく、ステアリングギヤボックスの振動がハンドルに伝達され難くすることができる。
【0003】
かかるケーブル式ステアリング装置に電動パワーステアリング装置を組み合わせる場合、そのアシスト用モータの作動を制御するために、ハンドルに入力される操舵トルクを検出する必要がある。特開2000−25623号公報には、磁歪材を用いた操舵トルク検出装置が開示されている。このものは、操舵に伴ってアウターチューブに作用する軸方向圧縮力の反力を磁歪材に作用させ、磁歪材の透磁率の変化に伴う該磁歪材の外周の検出コイルのインダクタンスの変化を検出回路で電圧変化として検出し、操舵トルクと比例関係にあるアウターチューブの軸方向圧縮力を検出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開2000−25623号公報に記載された操舵トルク検出装置の検出部は、コアを構成する磁歪材の外周にコイルを配置しただけの構造で磁気閉回路を備えていないため、磁歪材に作用する荷重を検出コイルの出力電圧に効率的に変換することができず、ハンドルに加えられる操舵トルクが小さい場合に充分な検出精度が得られないという問題があった。この問題を解決するために、交流が印加される駆動コイルと検出コイルとをヨークで磁気的に接続してトランス構造の磁気閉回路を構成し、磁歪材に作用する荷重を検出コイルの出力電圧に効率的に変換して検出精度を高めることが考えられる。
【0005】
しかしながら、一対の検出コイルにそれぞれ対応して駆動コイルおよびヨークを設けると、部品点数の増加により検出部の大型化やコストの増加を招くという新たな問題が発生してしまう。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、磁歪材を用いて操舵トルクを検出するケーブル式ステアリング装置の操舵トルク検出装置において、簡単な構造でハンドルに入力される操舵トルクが小さいときの検出精度を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ハンドルに接続されて回転する駆動プーリと、車輪を転舵するステアリングギヤボックスに接続されて回転する従動プーリと、駆動プーリおよび従動プーリを接続して操舵トルクを伝達する一対のケーブルとを備え、一対のケーブルはそれぞれアウターチューブおよびインナーケーブルから構成され、アウターチューブの端部は駆動プーリを収納する駆動プーリハウジングに支持されるとともにインナーケーブルは駆動プーリに巻き付けられるケーブル式ステアリング装置において、駆動プーリハウジングに対して固定された一対の検出コイルと、一対の検出コイルの間に配置されて駆動プーリハウジングに対して固定された駆動コイルと、一対の検出コイルのコアを構成する一対の磁歪材と、インナーケーブルの張力に応じて駆動プーリハウジングからアウターチューブに作用する軸方向圧縮力の反力を少なくとも一方の磁歪材に作用させる荷重伝達部材と、駆動コイルおよび一対の検出コイル間に磁気閉回路を構成するヨークとを備え、荷重伝達部材から磁歪材に作用する荷重に応じて、駆動コイルの励磁により一対の検出コイルに誘導される出力電圧を変化させ、その出力電圧に基づいてハンドルに入力される操舵トルクを検出することを特徴とするケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、ハンドルに操舵トルクが入力されて駆動プーリが回転すると、一方のインナーケーブルの張力が増加して他方のインナーケーブルの張力が減少し、張力が増加した側のインナーケーブルを収納するアウターチューブ軸方向圧縮力が発生するため、検出コイルの内部に配置した磁歪材に荷重伝達部材を介してアウターチューブの軸方向圧縮力の反力が作用する。両検出コイル間に配置した駆動コイルに交流電圧を印加すると、駆動コイルによりコアに発生した磁束がヨークを介して一対の磁歪材に伝達されて一対の検出コイルに電圧が誘導されるが、その検出コイルの出力電圧は荷重が作用する磁歪材の磁気抵抗の変化に応じて変化する。従って、検出コイルの出力電圧に基づいて磁歪材に作用する荷重を検出し、この荷重に基づいてアウターチューブの軸方向圧縮力の反力、つまりハンドルに入力される操舵トルクを検出することができる。
【0009】
このとき、駆動コイルの巻き数および検出コイルの巻き数の比に応じて該検出コイルの出力電圧が増幅されるので、ハンドルに加えられる操舵トルクが小さい場合でも大きな出力電圧を得て、高い精度で操舵トルクを検出することができる。また一方の磁歪材だけに荷重が作用する場合でも、両検出コイルの出力電圧が前記荷重に応じて変化するため、何れか一方の検出コイルの出力電圧だけから操舵トルクを検出することができる。しかも1個の駆動コイルで一対の検出コイルに電圧を誘導するので、各々の検出コイルに対応して駆動コイルやヨークを設ける場合に比べて、部品点数の削減および検出部の小型化が可能となる。
【0010】
尚、実施例のアーム部材19L,19R,19は本発明の荷重伝達部材に対応する。
【0011】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、荷重伝達部材はアウターチューブの軸方向圧縮力の反力が作用する入力部と、前記反力を磁歪材に作用させる出力部とを備え、前記軸方向圧縮力の反力を荷重伝達部材により増幅して磁歪材に作用させることを特徴とするケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置が提案される。
【0012】
上記構成によれば、アウターチューブの軸方向圧縮力の反力が作用する入力部と、この反力を増幅して磁歪材に作用させる出力部とを備えた荷重伝達部材を用いたので、簡単な構造で磁歪材に作用する荷重を増幅して操舵トルクの検出精度を高めることができる。
【0013】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または2の構成に加えて、インナーケーブルを磁歪材の外部に配置したことを特徴とするケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、インナーケーブルが磁歪材の外部に配置されているため、磁歪材に作用する荷重の変化に対する磁気抵抗の変化が大きくなり、より高い精度で操舵トルクを検出することができる。しかも磁歪材の内部をインナーケーブルが通過しないので、磁歪材を円筒状に形成する必要がなくなり、磁歪材の小型化および低コスト化が可能となる。
【0015】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜3の何れか1項の構成に加えて、一対の検出コイルに誘導される出力電圧の比較により異常判定を行うことを特徴とするケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置が提案される。
【0016】
上記構成によれば、磁歪材に荷重が作用すると両検出コイルの出力電圧が前記荷重に応じて相互に一定の関係を保って変化するため、両検出コイルの出力電圧を比較した結果が前記一定の関係から外れているときに、検出部に何らかの異常が発生したと判定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図12は本発明の第1実施例を示すもので、図1はケーブル式ステアリング装置の全体斜視図、図2は図1の2−2線拡大矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6は図2の要部拡大図、図7は図6の要部拡大図、図8は図1の8−8線断面図、図9は操舵トルク検出回路を示す図、図10は操舵トルク検出回路の等価回路を示す図、図11はアーム部材に作用する荷重の釣合いを示す図、図12は操舵トルクTと磁歪材に作用する荷重Pとの関係を示すグラフである。
【0019】
図1に示すように、自動車のハンドル1の前方に設けた駆動プーリハウジング3と、ステアリングギヤボックス4の上方に設けた従動プーリハウジング5とが、2本のボーデンケーブル6,7によって接続される。ステアリングギヤボックス4の両端部から車体左右方向に延びるタイロッド8L,8Rが、左右の車輪WL,WRを支持するナックル(図示せず)に接続される。
【0020】
図2〜図5に示すように、車体2に3本のボルト9…で固定された駆動プーリハウジング3に、ハンドル1のボス部に固定された回転軸10がベアリング11を介して回転自在に支持されており、この回転軸10に駆動プーリ12が固定される。2本のボーデンケーブル6,7はアウターチューブ6o,7oと、その内部に軸方向移動自在に収納されるインナーケーブル6i,7iとから構成される。駆動プーリ12の外周には1本のプーリ溝12aが螺旋状に形成され、また両側面にはプーリ溝12aの両端に連なる固定溝12b,12bと、この固定溝12b,12bに連なるピン孔12c,12cとが形成される。各ボーデンケーブル6,7のインナーケーブル6i,7iは、それらの一端に固定したピン13,13を駆動プーリ12のピン孔12c,12cに圧入された後に、固定溝12b,12bからプーリ溝12aに巻き付けられて駆動プーリ12の直径方向両端部から略同方向に引き出される。
【0021】
駆動プーリハウジング3の内部に、ドライバーがハンドル1に入力する操舵トルクの大きさを検出する操舵トルクセンサTSが設けられる。以下、操舵トルクセンサTSの構造を説明する。
【0022】
駆動プーリハウジング3の回転軸10から最も遠い壁面3aにコラムカバー2との結合面3bに開口する左右一対のU字状の切欠3c,3cが形成されており、これらの切欠3c,3cに弾性材で構成された環状のケーブルガイド14,14が嵌め込まれる。2本のボーデンケーブル6,7のアウターチューブ6o,7oの端部に形成した雄ねじ15,15がねじ込まれる円筒状のアジャストナット16,16は、ケーブルガイド14,14の内部を貫通して駆動プーリハウジング3の内部に延びている。駆動プーリハウジング3の内部に延びるアジャストナット16,16の外周面に環状のフランジ16a,16aが形成されており、これらフランジ16a,16aと壁面3aに支持されたワッシャ28,28の段部との間に圧縮された皿ばね17,17が装着される。
【0023】
駆動プーリハウジング3の底面3dから突出する第1支持部3eに支点ピン18が埋め込まれており、この支点ピン18に一対のアーム部材19L,19Rの基端が微小な角度範囲で回転できるように支持される。支点ピン18から相互に離れるように延びる一対のアーム部材19L,19Rの先端に円形の開口が形成されており、これら開口がアジャストナット16,16の端部に嵌まってフランジ16a,16aに当接する。アジャストナット16,16は皿ばね17,17の弾発力でアーム部材19L,19Rに当接する方向に付勢され、アジャストナット16,16およびアーム部材19L,19Rが離れてガタが発生するのを防止する。尚、アーム部材19L,19Rが支点ピン18回りに僅かに回転すると、これらアーム部材19L,19Rと一体のアジャストナット16,16の位置も僅かに移動するが、その移動はアジャストナット16,16を支持する弾性材のケーブルガイド14,14の変形により吸収される。
【0024】
図6および図7を併せて参照すると明らかなように、概略直方体状のセンサユニット20は、その外枠を構成するセンサケーシング21を備えており、その内部に一対のボビン23L,23Rと、ボビン23L,23Rに巻き付けた一対の検出コイル24L,24Rと、検出コイル24L,24Rの内部を貫通する一対の円柱状の磁歪材25L,25Rと、両検出コイル24L,24R間に配置されたボビン23Dと、ボビン23Dに巻き付けた駆動コイル24Dと、駆動コイル24Dの内部を貫通するコア29と、磁歪材25L,25Rおよびコア29の前方に配置したフロントヨーク30fと、磁歪材25L,25Rおよびコア29の後方に配置したリヤヨーク30rとが収納される。磁歪材25L,25Rは、それに作用する荷重に応じて磁気抵抗が変化する物質から構成される。
【0025】
フロントヨーク30fの後面はセンサカバー22を貫通する磁歪材25L,25Rの前端に当接するが、センサカバー22を貫通するコア29の前端との間にはギャップg(図7参照)が形成される。またリヤヨーク30rの前面には磁歪材25L,25Rの後端およびコア29の後端が当接する。従って、磁歪材25R、フロントヨーク30f、コア29およびリヤヨーク30rによって検出コイル24Rおよび駆動コイル24Dを接続する磁気閉回路が構成され、磁歪材25L、フロントヨーク30f、コア29およびリヤヨーク30rによって検出コイル24Lおよび駆動コイル24Dを接続する磁気閉回路が構成される。前記ギャップgは、アーム部材19L,19Rからの荷重をフロントヨーク30fを介してコア29に作用させないために設けられる。
【0026】
センサケーシング21は取付部21aを一体に備えており、この取付部21aを駆動プーリハウジング3の底面3dから突出する第2支持部3fの上面に2本のボルト26,26で締結することにより、センサユニット20が駆動プーリハウジング3に固定される。この状態で、センサケーシング21を貫通する一対の磁歪材25L,25Rの前端は、アーム部材19L,19Rに設けた一対の押圧部19a,19aにフロントヨーク30fを介して対峙する。
【0027】
駆動プーリハウジング3の底面3dから突出する一対の第3支持部3g,3gとセンサケーシング21との間に、一対のインナーケーブルガイド27L,27Rが配置される。インナーケーブルガイド27L,27Rは第3支持部3g,3gの側壁に凹凸係合して位置決めされ、センサケーシング21の取付21aに上面を押さえられて抜け止めされる。アウターチューブ6o,7oから延びるインナーケーブル6i,7iはインナーケーブルガイド27L,27Rの内部を貫通して駆動プーリ12に巻き付けられる。
【0028】
図8から明らかなように、従動プーリハウジング5に2個のボールベアリング31,32を介して回転自在に支持された回転軸33に従動プーリ34が固定されており、両インナーケーブル6i,7iの他端が従動プーリ34の外周に形成した螺旋状のプーリ溝34aに複数回巻き付けられ、そこから従動プーリ34の側面に形成した固定溝34b,34bに巻き付けられてピン35,35で固定される。また両ボーデンケーブル6,7のアウターチューブ6o,7oの他端が従動プーリハウジング5に固定される(図1参照)。従動プーリハウジング5からステアリングギヤボックス4の内部に突出する回転軸33の先端にピニオン36が設けられており、このピニオン36がステアリングギヤボックス4の内部に左右移動自在に支持されたステアリングロッド37に形成したラック38に噛み合っている。
【0029】
従動プーリハウジング5にパワーアシスト手段としてのパワーステアリング用モータ39が支持されており、パワーステアリング用モータ39の出力軸40に設けたウオーム41が回転軸33に設けたウオームホイール42に噛み合っている。従って、パワーステアリング用モータ39のトルクはウオーム41およびウオームホイール42を介して回転軸33に伝達される。
【0030】
図9はハンドル1を操作したときの操舵トルクを検出するための回路を示すもので、10kHz程度の周波数を有する矩形波状の交流電圧を出力する駆動回路51に接続された駆動コイル24Dと、直列に接続された一対の検出コイル24L,24Rとによってトランスが構成される。一対の検出コイル24L,24Rの中間は接地されており、接地部に対して検出コイル24L,24Rの反対側には、検出コイル24L,24Rにおいて発生した誘導起電圧をそれぞれ直流電圧に変換する平滑回路52L,52Rが接続される。
【0031】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0032】
車両を旋回させるべくハンドル1を左に操作して回転軸10を図2のX方向に回転させると、駆動プーリ12に巻き付けられたボーデンケーブル6,7の一方のインナーケーブル7iが引かれ、他方のインナーケーブル6iが弛められることにより、駆動プーリ12の回転が従動プーリ34に伝達される。その結果、図8に示す従動プーリ34の回転軸33が回転し、ステアリングギヤボックス4内のピニオン36、ラック38およびスアリングロッド37を介して車輪WL,WRに操舵トルクが伝達される。逆にハンドル1を右に操作して回転軸10を図2のX′方向に回転させると、ボーデンケーブル6,7の他方のインナーケーブル6iが引かれ、一方のインナーケーブル7iが弛められることにより、駆動プーリ12の回転が従動プーリ34に逆方向に伝達されるため、車輪WL,WRに逆方向の操舵トルクが伝達される。
【0033】
さて、操舵トルクにより回転軸10が図2のX方向に回転すると、インナーケーブル7iに前記操舵トルクに比例する張力が作用し、アウターチューブ7oには前記張力に比例する軸方向圧縮力が作用する。その結果、前記軸方向圧縮力と同じ大きさで逆方向の反力が、アウターチューブ7oからアジャストナット16を経てアーム部材19Lの先端に作用するため、基端を支点ピン18で回転自在に支持されたアーム部材19Lの間に設けた押圧部19aから磁歪材25Lに荷重が作用する。このとき、他方のインナーケーブル6iは緩められて張力が発生しないため、アーム部材19Rの押圧部19aから磁歪材25Rに作用する荷重は変化しない。
【0034】
逆に、操舵トルクにより回転軸10が図2のX′方向に回転すると、アウターチューブ6oの軸方向圧縮力と同じ大きさで逆方向の反力がアーム部材19Rの先端に作用し、アーム部材19Rの押圧部19aから磁歪材25Rに荷重が作用する。このとき、他方のインナーケーブル7iは緩められて張力が発生しないため、アーム部材19Lの押圧部19aから磁歪材25Lに作用する荷重は変化しない。
【0035】
図7に示すように、駆動コイル24Dに駆動回路51から交流電圧を印加すると、コア29に発生した磁束φ0 は2つの磁束φ1 ,φ2 に分岐し、一方の磁束φ1 は一方の磁気閉回路を介して磁歪材25Rに伝達され、他方の磁束φ2 は他方の磁気閉回路を介して磁歪材25Lに伝達される。その結果、一方の検出コイル24Rに誘導起電力V1 (以下、出力電圧V1 という)が誘導され、他方の検出コイル24Lに誘導起電力V2 (以下、出力電圧V2 という)が誘導される。このとき、ハンドル1に加えられる操舵トルクに応じて磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pが変化すると、その磁歪材25L,25Rの磁気抵抗が変化して検出コイル24L,24Rの出力電圧V1 ,V2 が変化する。
【0036】
これを図10に示す等価回路に基づいて説明する。ここでR0 はフロントヨーク30fおよびリヤヨーク30rの磁気抵抗、R1 は磁歪材25Rの磁気抵抗、R2 は磁歪材25Lの磁気抵抗、Ndは駆動コイル24Dの巻き数、Iは電流である。
【0037】
磁気回路全体の総磁気抵抗Rは次式で与えられ、
R=R0 +(R1 ×R2 )/(R1 +R2 ) …(1)
駆動コイル24Dにより発生する磁束φ0 は次式で与えられ、
φ0 =Nd×I/R …(2)
かつ、3つの磁束φ0 ,φ1 ,φ2 の関係は次式で与えられる。
【0038】
φ0 =φ1 +φ2 …(3)
(1)式、(2)式および(3)式を磁束φ0 ,φ1 ,φ2 について解くと、磁束φ0 ,φ1 ,φ2 は次式で与えられえる。
【0039】
φ0 =Nd×I×(R1 +R2
÷{(R0 ×R1 )+(R1 ×R2 )+(R2 ×R0 )}…(4)
φ1 =Nd×I×R2
÷{(R0 ×R1 )+(R1 ×R2 )+(R2 ×R0 )}…(5)
φ2 =Nd×I×R1
÷{(R0 ×R1 )+(R1 ×R2 )+(R2 ×R0 )}…(6)
(5)式および(6)式の分母には磁歪材25Rの磁気抵抗R1 および磁歪材25Lの磁気抵抗R2 の両方が含まれているため、何れか一方の磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pだけが変化した場合でも、その影響を受けて磁歪材25Rの磁束φ1 および磁歪材25Lの磁束φ2 が共に変化し、その結果、検出コイル24Rの出力電圧V1 および検出コイル24Lの出力電圧V2 は(1)式〜(3)式を満たすように一定の関係を保ちながら共に変化する。
【0040】
従って、磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの大きさと、検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 との関係を予め記憶しておけば、検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 から磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの大きさを知ることができる。前述したように、本実施例では操舵トルクTの方向に応じて何れか一方の磁歪材25L,25Rだけに荷重Pが作用するが、その場合でも両方の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 が相互に関連を持って変化するため、何れか一方の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 だけを用いて前記荷重Pを検出することができる。また両方の検出コイル24L,24Rの2つの出力電圧V2 ,V1 が相互に関連を持って変化することから、検出した2つの出力電圧V2 ,V1 の関係が予め記憶した関係から外れているときに、操舵トルクセンサTSに何らかの異常が発生したと判定することができる。
【0041】
磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの大きさは、検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 から次のようにして算出することができる。
【0042】
即ち、検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 は、その巻き数NS に比例し、かつ対応する磁歪材25L,25Rを通過する磁束φ2 ,φ1 の時間変化率dφ2 /dt,dφ1 /dtに比例するため、次式が成立する。
【0043】
1 =NS ×dφ1 /dt …(7)
2 =NS ×dφ2 /dt …(8)
(7)式および(8)式を積分することにより磁歪材25Rの磁束φ1 および磁歪材25Lの磁束φ2 を算出することができ、これら磁束φ1 ,φ2 を(5)式および(6)式に代入して磁歪材25Rの磁気抵抗R1 および磁歪材25Lの磁気抵抗R2 を算出することができる。そして磁歪材25L,25Rの磁気抵抗R2 ,R1 は、該磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの増加に比例して増加する特性を有することから、その磁気抵抗R2 ,R1 に基づいて磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pを算出することができる。
【0044】
本実施例ではアウターチューブ6o,7oの軸方向圧縮力の反力Fが、アーム部材19L,19Rで増幅された荷重Pとして磁歪材25L,25Rに伝達される。従って、磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pを知れば、アーム部材19L,19Rによる増幅率に基づいてアウターチューブ6o,7oの軸方向圧縮力の反力F、つまりハンドル1に入力される操舵トルクTを知ることができる。以下、アウターチューブ6o,7oの軸方向圧縮力の反力Fと荷重Pとの関係を説明する。
【0045】
図11から明らかなように、支点ピン18からアウターチューブ7o,6oの軸方向圧縮力の反力Fの入力部(アウターチューブ7oの中心)までの距離をd0 とし、支点ピン18から磁歪材25L,25Rへの荷重Pの出力部(磁歪材25L,25Rの中心)までの距離をdとすると、支点ピン18回りのモーメントの釣合いから、
0 ×F=d×P …(9)
が得られ、これをPについて解くと、
P=(d0 /d)×F …(10)
が得られる。ここでd0 >dであるため、アウターチューブ7o,6oからアーム部材19L,19Rに作用する反力Fは(d0 /d)倍に増幅され、荷重Pとして磁歪材25L,25Rに作用することになる。従って、磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pを知れば、その荷重Pを(10)式に適用してアウターチューブ7o,6oからアーム部材19L,19Rに作用する反力Fを算出することができる。尚、図11において符号Pを付した矢印は、アーム部材19L,19Rから磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの反力を示している。
【0046】
図12に実線で示す特性は、ハンドル1に加えられる操舵トルクTと、右側の磁歪材25Rに作用する荷重Pとの関係を示すものである。尚、ハンドル1を操作していないとき(操舵トルクT=0のとき)に荷重Pが0にならないのは、アーム部材19Rの入力部に作用する皿ばね17の弾発力が、アーム部材19Rの出力部から右側の磁歪材25Rに初期荷重P0 として作用するためである。
【0047】
ハンドル1を左に操作した場合にはアウターチューブ6oに軸方向圧縮力が作用しないため、右側の磁歪材25Rには一定値である前記初期荷重P0 だけが作用する。ハンドル1を右に操作するとアウターチューブ6oに軸方向圧縮力が作用するため、アーム部材19Rの入力部に前記軸方向圧縮力の反力Fが作用し、その反力Fがアーム部材19Rで(d0 /d)倍に増幅された荷重Pが磁歪材25Rに伝達される。この荷重Pは右方向の操舵トルクTの増加に伴って前記初期荷重P0 からリニアに増加する。
【0048】
図12に破線で示す特性は、ハンドル1に加えられる操舵トルクTと、左側の磁歪材25Lに作用する荷重Pとの関係を示すものである。ここでは左右の皿ばね17,17の弾発力が等しいとしており、従ってハンドル1を操作していないときの左側の磁歪材25Lの初期荷重は、右側の磁歪材25Rの初期荷重と同じP0 となる。
【0049】
ハンドル1を右に操作した場合にはアウターチューブ7oに軸方向圧縮力が作用しないため、左側の磁歪材25Lには一定値である前記初期荷重P0 だけが作用する。ハンドル1を左に操作するとアウターチューブ7oに軸方向圧縮力が作用するため、アーム部材19Lの入力部に前記軸方向圧縮力の反力Fが作用し、その反力Fがアーム部材19Lで(d0 /d)倍に増幅された荷重Pが磁歪材25Lに伝達される。この荷重Pは左方向の操舵トルクTの増加に伴って前記初期荷重P0 からリニアに増加する。
【0050】
以上のようにしてハンドル1の操舵トルクTが検出されると、その操舵トルクTを打ち消してボーデンケーブル6,7の張力を一定に保持するようにパワーステアリング用モータ39にアシストトルクを発生させることにより、好適なパワーステアリングのアシスト特性を得ることができる。
【0051】
而して、ハンドル1の操作に伴ってアウターチューブ6o,7oに作用する軸方向圧縮力の反力Fで磁歪材25L,25Rの磁気抵抗R2 ,R1 を変化させて操舵トルクTを検出するので、部品点数が少ない簡単な構造で操舵トルクセンサTSを構成することができ、高い信頼性で操舵トルクTを確実に検出することが可能となる。
【0052】
そして駆動コイル24D、検出コイル24L,24R、コア29、磁歪材25L,25R、フロントヨーク30fおよびリヤヨーク30rによって構成されるトランスにより、駆動コイル24Dに入力される交流電圧を増幅して検出コイル24L,24Rに出力させることができるので、ハンドル1に加えられる操舵トルクTが小さい場合でも、大きな出力電圧V2 ,V1 を発生させて高い精度で操舵トルクTを検出することができる。またハンドル1を一方向に操作すると、一方の磁歪材25L,25Rだけに荷重Pが作用するが、両方の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 が前記荷重Pに応じて変化するため、何れか一方の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 だけから操舵トルクTを検出することも可能である。しかも1個の駆動コイル24Dで一対の検出コイル24L,24Rに出力電圧V2 ,V1 を誘導するので、各々の検出コイル24L,24Rが対応する駆動コイルやヨークを持つ場合に比べて部品点数を削減することができ、検出部の小型化に寄与することができる。
【0053】
更に、上記したようにハンドル1の操作に伴って磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pを電気的に増幅して検出するだけでなく、アーム部材19L,19Rで前記反力Fを機械的に増幅した荷重Pを磁歪材25L,25Rに作用させるので、操舵トルクTが小さい場合でも一層高い検出精度を確保することができる。しかも検出コイル24L,24Rの内部をインナーケーブル6i,7iが貫通しないので、磁歪材25L,25Rに作用する荷重Pの変化に対する磁気抵抗R2 ,R1 の変化が大きくなり、操舵トルクTが小さい場合でも高い検出精度を確保することができるだけでなく、磁歪材25L,25Rの形状を円筒状から円柱状に単純化して小型化および低コスト化を図ることができる。
【0054】
次に、図13〜図16に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0055】
図13および図6を比較すると明らかなように、第1実施例の操舵トルクセンサTSは支点ピン18で回転自在に支持された一対のアーム部材19L,19Rを備えているのに対し、第2実施例の操舵トルクセンサTSは一体に形成された単一のアーム部材19を備えている。アーム部材19の両端部はアジャストナット16,16の外周に嵌まってフランジ16a,16aに当接し、アーム部材19の中間部は一対の磁歪材25L,25Rに当接する。
【0056】
図14にはアーム部材19に作用する荷重の釣合いが示される。ハンドル1に操舵トルクが入力されていない場合、アジャストナット16,16との当接部(入力部)には皿ばね17,17の弾発力による初期荷重F0 ,F0 が作用し、磁歪材25L,25Rとの当接部、即ち押圧部19a,19a(出力部)には該磁歪材25L,25Rからの反力P2 ,P1 が作用する。ここで一対のアウターチューブ6o,7o間の距離(入力部間の距離)はd0 であり、一対の磁歪材25L,25R間の距離(出力部間の距離)はdである。以下、両入力部に作用する初期荷重F0 ,F0 が等しいと仮定した場合について考察する。
【0057】
ハンドル1を右に操作して一方のアウターチューブ6oからアーム部材19の対応する入力部に反力fが作用したとする。前記入力部に作用するトータルの荷重Fは、皿ばね17の初期荷重F0 および前記反力fの和となる。
【0058】
F=F0 +f …(11)
また2つの入力部に作用する荷重と2つの出力部に作用する荷重の反力との釣合いから次式が成立し、
0 +F=P1 +P2 …(12)
一方の出力部(a点)回りのモーメントの釣合いから次式が成立する。
【0059】
0 ×(d0 /2+d/2)−P2 ×d
−F×(d0 /2−d/2)=0 …(13)
が成立する。
【0060】
(13)式をP2 について解くと次式が得られ、
2 ={F0 ×(d0 +d)}/2d
−{F×(d0 −d)}/2d …(14)
(12)式をP1 について解くと次式が得られる。
【0061】
1 =F0 +F−P2 …(15)
(14)式に(11)式を代入すると次式が得られ、
2 =F0 −{(d0 −d)/2d}×f …(16)
(15)式に(16)式および(11)式を代入すると次式が得られる。
【0062】
1 =F0 +{(d0 +d)/2d}×f …(17)
図15の右半部に示すように、右方向の操舵トルクT(つまりアウターチューブ6oからアーム部材19に作用する反力f)が増加すると、磁歪材25Rに作用する荷重P1 は(17)式に基づいて初期反力F0 からリニアに増加し、磁歪材25Lに作用する荷重P2 は(16)式に基づいて初期反力F0 からリニアに減少する。
【0063】
ハンドル1を左に操作して一方のアウターチューブ7oからアーム部材19の対応する入力部に反力fが作用した場合には、磁歪材25Lに作用する荷重P2 および磁歪材25Rに作用する荷重P1 は、
2 =F0 +{(d0 +d)/2d}×f …(18)
1 =F0 −{(d0 −d)/2d}×f …(19)
で与えられる。(18)式および(19)式の特性は図15の左半部に示されており、左方向の操舵トルクT(つまりアウターチューブ7oからアーム部材19に作用する反力f)が増加すると、磁歪材25Lに作用する荷重P2 は(18)式に基づいて初期反力F0 からリニアに増加し、磁歪材25Rに作用する荷重P1 は(19)式に基づいて初期反力F0 からリニアに減少する。
【0064】
従って、本第2実施例によっても、一対の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 の何れか一方に基づいて、一対の磁歪材25L,25Rに作用する荷重P1 ,P2 の何れか一方を検出すれば、その荷重P1 ,P2 を図15の実線の特性あるいは破線の特性に適用して操舵トルクTを検出することができる。また両方の検出コイル24L,24Rの2つの出力電圧V2 ,V1 が相互に関連を持って変化することから、検出した2つの出力電圧V2 ,V1 の関係が予め記憶した関係から外れているときに、操舵トルクセンサTSに何らかの異常が発生したと判定することができる。
【0065】
以上の説明ではアーム部材19の両端に入力される初期荷重F0 ,F0 が等しいと仮定したため、(16)式〜(19)式の右辺第1項は一定値F0 になる。しかしながら、実際には皿ばね17,17の特性のバラツキ等により左右の初期荷重が一致せず、一方の初期荷重がF0 で他方の初期荷重がF00となる場合がある。ハンドル1を右に操作して一方のアウターチューブ6oから反力fが作用する側の初期荷重をF00とすると、磁歪材25Lに作用する荷重P2 および磁歪材25Rに作用する荷重P1 は、定数Aおよび定数Bを、
A=(F0 +F00 )/2 …(20)
B=(d0 /2d)×(F0 −F00) …(21)
としたときに、
2 =A+B−{(d0 −d)/2d}×f …(22)
1 =A−B+{(d0 +d)/2d}×f …(23)
で与えられる。
【0066】
またハンドル1を左に操作した場合の磁歪材25Lに作用する荷重P2 および磁歪材25Rに作用する荷重P1 は、
2 =A+B+{(d0 +d)/2d}×f …(24)
1 =A−B−{(d0 −d)/2d}×f …(25)
で与えられる。(20)式および(21)式においてF00=F0 とすると、A=F0 、B=0となり、(22)式〜(25)式は、前記(16)式〜(19)式に一致する。
【0067】
図16には(22)式〜(25)式のグラフが示される。図16を前記図15と比較すると明らかなように、図15に示す(16)式〜(19)式のグラフは縦軸切片が全てF0 に一致しているが、図16に示す(22)式〜(25)式のグラフは縦軸切片がA+BおよびA−Bの2つある。A+BおよびA−Bの大小関係はF0 およびF00の大小関係により変化し、図示した例はF0 >F00の場合である。この場合にも、操舵トルクTが左右に変化したとき、磁歪材25Rに作用する荷重P1 が増減し、同時に磁歪材25Lに作用する荷重P2 も増減するため、図16の実線の特性あるいは破線の特性の何れか一方だけを用いて操舵トルクTを検出することができ、また図16の実線の特性および破線の特性を用いて一対の検出コイル24L,24Rの出力電圧V2 ,V1 を比較することにより、検出部の異常判定を行うことができる。
【0068】
図17および図18には、それぞれ検出部の第3実施例および第4実施例が示される。これらの実施例は、前記第1、第2実施例と異なる構造により、アーム部材19からの荷重P2 ,P1 を磁歪材25L,25Rだけに伝達し、コア29に伝達しないようにしている。即ち、図17の第3実施例では、リヤヨーク30rとコア29とが一体に形成されており、フロントヨーク30fはコア29の前端にギャップgを介して移動自在に嵌まっている。また図18の第4実施例では、フロントヨーク30f、リヤヨーク30rおよびコア29が一体に形成されており、磁歪材25L,25Rの前端および後端はフロントヨーク30fおよびリヤヨーク30rにギャップgを介して嵌まっている。
【0069】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0070】
例えば、実施例ではパワーステアリング用モータ39でドライバーの操舵力をアシストするステアリング装置を説明したが、本発明は、パワーステアリング用モータ24を使用せずに、ボーデンケーブル6,7を介して伝達される荷重だけでマニュアル操舵を行うステアリング装置に対しても適用することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、一対の検出コイル間に配置した駆動コイルに交流電圧を印加すると、駆動コイルによりコアに発生した磁束がヨークを介して一対の磁歪材に伝達されて一対の検出コイルに電圧が誘導されるが、その検出コイルの出力電圧は荷重が作用する磁歪材の磁気抵抗の変化に応じて変化する。従って、検出コイルの出力電圧に基づいて磁歪材に作用する荷重を検出し、この荷重に基づいてアウターチューブの軸方向圧縮力の反力、つまりハンドルに入力される操舵トルクを検出することができる。
【0072】
このとき、駆動コイルの巻き数および検出コイルの巻き数の比に応じて該検出コイルの出力電圧が増幅されるので、ハンドルに加えられる操舵トルクが小さい場合でも大きな出力電圧を得て、高い精度で操舵トルクを検出することができる。また一方の磁歪材だけに荷重が作用する場合でも、両検出コイルの出力電圧が前記荷重に応じて変化するため、何れか一方の検出コイルの出力電圧だけから操舵トルクを検出することができる。しかも1個の駆動コイルで一対の検出コイルに電圧を誘導するので、各々の検出コイルに対応して駆動コイルやヨークを設ける場合に比べて、部品点数の削減および検出部の小型化が可能となる。
【0073】
また請求項2に記載された発明によれば、アウターチューブの軸方向圧縮力の反力が作用する入力部と、この反力を増幅して磁歪材に作用させる出力部とを備えた荷重伝達部材を用いたので、簡単な構造で磁歪材に作用する荷重を増幅して操舵トルクの検出精度を高めることができる。
【0074】
また請求項3に記載された発明によれば、インナーケーブルが磁歪材の外部に配置されているため、磁歪材に作用する荷重の変化に対する磁気抵抗の変化が大きくなり、より高い精度で操舵トルクを検出することができる。しかも磁歪材の内部をインナーケーブルが通過しないので、磁歪材を円筒状に形成する必要がなくなり、磁歪材の小型化および低コスト化が可能となる。
【0075】
また請求項4に記載された発明によれば、磁歪材に荷重が作用すると両検出コイルの出力電圧が前記荷重に応じて相互に一定の関係を保って変化するため、両検出コイルの出力電圧を比較した結果が前記一定の関係から外れているときに、検出部に何らかの異常が発生したと判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るケーブル式ステアリング装置の全体斜視図
【図2】図1の2−2線拡大矢視図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図2の要部拡大図
【図7】図6の要部拡大図
【図8】図1の8−8線断面図
【図9】操舵トルク検出回路を示す図
【図10】操舵トルク検出回路の等価回路を示す図
【図11】アーム部材に作用する荷重の釣合いを示す図
【図12】操舵トルクTと磁歪材に作用する荷重Pとの関係を示すグラフ
【図13】本発明の第2実施例に係る、前記図6に対応する図
【図14】アーム部材に作用する荷重の釣合いを示す図
【図15】操舵トルクTと磁歪材に作用する荷重P1 ,P2 との関係を示すグラフ(左右の初期荷重が等しい場合)
【図16】操舵トルクTと磁歪材に作用する荷重P1 ,P2 との関係を示すグラフ(左右の初期荷重が異なる場合)
【図17】本発明の第3実施例に係る、前記図7に対応する図
【図18】本発明の第4実施例に係る、前記図7に対応する図
【符号の説明】
1 ハンドル
3 駆動プーリハウジング
4 ステアリングギヤボックス
6 ボーデンケーブル(ケーブル)
7 ボーデンケーブル(ケーブル)
6o,7o アウターチューブ
6i,7i インナーケーブル
12 駆動プーリ
19 アーム部材(荷重伝達部材)
19L,19R アーム部材(荷重伝達部材)
24D 駆動コイル
24L,24R 検出コイル
25L,25R 磁歪材
30f フロントヨーク(ヨーク)
30r リヤヨーク(ヨーク)
34 従動プーリ
T 操舵トルク
WL,WR 車輪

Claims (4)

  1. ハンドル(1)に接続されて回転する駆動プーリ(12)と、車輪(WL,WR)を転舵するステアリングギヤボックス(4)に接続されて回転する従動プーリ(34)と、駆動プーリ(12)および従動プーリ(34)を接続して操舵トルク(T)を伝達する一対のケーブル(6,7)とを備え、一対のケーブル(6,7)はそれぞれアウターチューブ(6o,7o)およびインナーケーブル(6i,7i)から構成され、アウターチューブ(6o,7o)の端部は駆動プーリ(12)を収納する駆動プーリハウジング(3)に支持されるとともにインナーケーブル(6i,7i)は駆動プーリ(12)に巻き付けられるケーブル式ステアリング装置において、
    駆動プーリハウジング(3)に対して固定された一対の検出コイル(24L,24R)と、一対の検出コイル(24L,24R)の間に配置されて駆動プーリハウジング(3)に対して固定された駆動コイル(24D)と、一対の検出コイル(24L,24R)のコアを構成する一対の磁歪材(25L,25R)と、インナーケーブル(6i,7i)の張力に応じて駆動プーリハウジング(3)からアウターチューブ(6o,7o)に作用する軸方向圧縮力の反力を少なくとも一方の磁歪材(25L,25R)に作用させる荷重伝達部材(19L,19R,19)と、駆動コイル(24D)および一対の検出コイル(24L,24R)間に磁気閉回路を構成するヨーク(30f,30r)とを備え、
    荷重伝達部材(19L,19R,19)から磁歪材(25L,25R)に作用する荷重に応じて、駆動コイル(24D)の励磁により一対の検出コイル(24L,24R)に誘導される出力電圧を変化させ、その出力電圧に基づいてハンドル(1)に入力される操舵トルク(T)を検出することを特徴とする、ケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置。
  2. 荷重伝達部材(19L,19R,19)はアウターチューブ(6o,7o)の軸方向圧縮力の反力が作用する入力部と、前記反力を磁歪材(25L,25R)に作用させる出力部とを備え、前記軸方向圧縮力の反力を荷重伝達部材(19L,19R,19)により増幅して磁歪材(25L,25R)に作用させることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置。
  3. インナーケーブル(6i,7i)を磁歪材(25L,25R)の外部に配置したことを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置。
  4. 一対の検出コイル(24L,24R)に誘導される出力電圧の比較により異常判定を行うことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のケーブル式ステアリング装置における操舵トルク検出装置。
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