JP4325035B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロントシートバックの背面に開口するシート背面吹出口より後席乗員の膝部付近へ温風を供給できる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、例えば実開昭55−106108号公報に開示された車両空調用配風装置がある。この装置は、後席乗員の足元付近だけでなく、膝部付近へも配風できるように、膝部配風ダクトを備えている。その膝部配風ダクトは、乗員の足元付近へ温風を供給するための足元配風ダクトに分岐接続され、その足元配風ダクトの吹出口(以下、足元吹出口)より膝部配風ダクトの吹出口(以下、膝部吹出口)の方がより高い位置に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来装置では、例えば膝部配風ダクトを開閉できる手段を有していない(常に膝部吹出口が開いている)ため、暖房用の熱源であるエンジン冷却水の温度が低い暖房初期でも、足元吹出口と膝部吹出口の両方から低温の風が吹き出されてしまう。その結果、後席乗員の膝部付近にも低温の風が当たるため、膝部の冷風感が増大して不快であるという問題が生じる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、後席乗員の暖房フィーリングを向上できる車両用空調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
足元吹出口より吹き出される風量とシート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節できる風量割合調節手段を備えているので、後席乗員にとってより快適な暖房感が得られるように、足元吹出口より吹き出される風量とシート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節することができる。
また、暖房運転を開始してから吹出温度が略安定するまでの過渡状態を判定し、その過渡状態の時は、シート背面吹出口より吹き出される風量を予め設定された設定風量より少なくするように風量割合調節手段を制御することにより、暖房初期に低温の空気が後席乗員の膝部付近へ吹き出されることによる冷風感を抑えることができる。
【0007】
(請求項2の手段)
足元吹出口より吹き出される風量とシート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節できる風量割合調節手段を備えているので、後席乗員にとってより快適な暖房感が得られるように、足元吹出口より吹き出される風量とシート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節することができる。
また、シート背面吹出口に具備された風向板の向きを制御して、シート背面吹出口より吹き出される吹出風を拡散状態と集中状態との間で変化させる。この場合、吹出風を拡散させた時と集中させた時とで暖房感が異なるため、より快適な暖房フィーリングを得ることが可能である。なお、シート背面吹出口だけでなく、足元吹出口にも風向板を設けて、シート背面吹出口に具備された風向板と同様に制御しても良い。
さらに、暖房運転を開始してから吹出温度が略安定するまでの過渡状態を判定し、その過渡状態の初期時は、シート背面吹出口より吹き出される吹出風を拡散させるように風向板を制御する。この場合、吹出風を拡散させることで、低温の空気が後席乗員の膝部付近に集中的に当たることを防止できるため、暖房初期における膝部の冷風感を低減できる。
【0008】
(請求項の手段)
フロントシートバックの傾きに対応して、シート背面吹出口に具備される風向板の向きを制御する。この場合、フロントシートバックの傾きが変わっても、その傾きに応じて風向板の向きを変更することにより、シート背面吹出口より吹き出される吹出風を常に後席乗員の膝部付近へ当てることができる。
【0009】
(請求項の手段)
暖房運転の過渡状態では、車室内への吹出温度が急激に上昇するため、その吹出温度に相関する物理量に基づいて過渡状態を判定することができる。そこで、前記物理量として、暖房用熱源であるエンジン冷却水の温度、車室内の温度、目標吹出温度のうち少なくとも1つの信号を用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は後席乗員へ配風するための構成を示す斜視図である。
本実施例の車両用空調装置は、図1(a)に示すように、既存のフロント空調ユニット1で得られる温風を後席乗員へ送るための後席送風ダクト2を備える。フロント空調ユニット1は、車室内へ空気を送るためのブロワ3を具備するとともに、エンジン冷却水を熱源とする周知のヒータコア(図示しない)を内蔵し、このヒータコアでエンジン冷却水との熱交換によって加熱された空気を後席送風ダクト2へ供給している。
【0017】
後席送風ダクト2は、その下流側が下部ダクト4と上部ダクト5とに分岐して設けられ、且つ下部ダクト4へ流れる空気量と上部ダクト5へ流れる空気量との割合を調節するためのダンパ6を具備している。
下部ダクト4は、後席乗員の足元に向かって開口する足元吹出口4aを有し、この足元吹出口4aより後席乗員の足元へ空気を吹き出すことができる。
上部ダクト5は、フロントシートバック7の背面に開口するシート背面吹出口5aを有し、このシート背面吹出口5aより後席乗員の膝部付近へ空気を吹き出すことができる。この上部ダクト5は、フロントシートバック7の内部に配設されている。
なお、下部ダクト4は、上部ダクト5より多くの風量が得られるように、通路断面積が上部ダクト5より大きく設けられている(例えば6:4の割合で下部ダクト4の方が大きい)。
【0018】
後席送風ダクト2に具備されたダンパ6は、図1(b)に示すように、例えば下部ダクト4と上部ダクト5との分岐点に設けられ、リンク機構8を介してサーボモータ9により駆動される。
サーボモータ9は、車室内の空調状態を制御するためのエアコン制御装置(図示しない)により制御される。
エアコン制御装置は、例えば設定温度、内気温度、外気温度、日射量等から目標吹出温度(TAO)を算出し、その目標吹出温度に基づいて各種空調機器の作動を制御している。
【0019】
次に、本実施例の作動を説明する。
空調ユニット1より後席送風ダクト2へ供給された温風は、ダンパ6の作動位置に応じて下部ダクト4と上部ダクト5に配分され、下部ダクト4を流れる空気が足元吹出口4aより後席乗員の足元へ吹き出され、上部ダクト5を流れる空気がシート背面吹出口5aより後席乗員の膝部付近へ吹き出される。ここで、ヒータコアの熱源であるエンジン冷却水の温度(水温)が十分に上昇していない場合は、その水温で熱交換された空気がシート背面吹出口5aより後席乗員の膝部付近へ吹き出されると、吹出風が低温であることから、膝部が寒く感じてしまう。
【0020】
そこで、本実施例では、ダンパ6の作動を図2に示す特性図に基づいて制御している。つまり、水温Twが予め設定された第1の設定水温Tw1 より低い時は、図2(a)に示すように、上部ダクト5側のダンパ開度を極力小さくして、シート背面吹出口5aの吹出風量を全体のP1 %(例えば10%程度)に抑える。この時、足元吹出口4aの吹出風量は全体の(100−P1 )%であることは言うまでもない。なお、第1の設定水温Tw1 は、暖房運転を開始してから吹出温度が略安定するまでの過渡状態初期の水温(例えば約60℃)であり、この水温で熱交換された空気では暖房感が得られない温度である。
【0021】
その後、水温Twが第1の設定水温Tw1 より高い第2の設定水温Tw2 に達するまでは、図2(b)に示すように、上部ダクト5側のダンパ開度を徐々に(あるいは段階的に)大きくしてシート背面吹出口5aの吹出風量を増大させる(P1 →P2 )。なお、第2の設定水温Tw2 は、過渡状態後期の水温(例えば約80℃)であり、この水温で熱交換された空気であれば暖房感を得ることができる。
【0022】
更に、水温Twが第2の設定水温Tw2 を超えてからは、図2(c)に示すように、上部ダクト5と下部ダクト4のダンパ開度を共に100%として、シート背面吹出口5aの吹出風量を全体のP2 %(例えば40%)に保持する。なお、上部ダクト5と下部ダクト4のダンパ開度を共に100%とした場合、上部ダクト5と下部ダクト4との風量割合は、各ダクトの通路断面積に応じて決定される。従って、本実施例では、上述のように下部ダクト4の方が上部ダクト5より通路断面積が大きいので、足元吹出口4aの方がシート背面吹出口5aより吹出風量が多くなっている。
【0023】
(第1実施例の効果)
本実施例では、暖房運転の過渡時初期(Tw<Tw1 )にシート背面吹出口5aの吹出風量を低く抑えているので、低温の空気が後席乗員の膝部付近へ吹き出されることによる冷風感を抑えることができる。その後、水温の上昇とともにシート背面吹出口5aの吹出風量を増大させることにより、膝部付近の暖房感が得られるようになり、暖房運転の過渡時全域において暖房感を向上できる。
【0024】
(第2実施例)
本実施例は、第1実施例の制御に加えて、シート背面吹出口5aより吹き出される吹出風の方向を制御する一例である。
シート背面吹出口5aには、図3及び図4に示すように、吹出風の方向を上下方向に可変するガイド板10が具備されている。このガイド板10は、リンク機構11を介してサーボモータ12により駆動され、図4に示すように、シート背面吹出口5aより吹き出される吹出風を拡散吹出と集中吹出との間で変化させることができる。なお、図4において、(a)が拡散吹出、(b)が中間吹出、(c)が集中吹出を示している。
【0025】
本実施例の作動は、暖房運転の過渡時初期(Tw<Tw1 )に、シート背面吹出口5aより吹き出される吹出風を拡散吹出とし、その後、水温上昇に伴って拡散吹出→中間吹出→集中吹出へと変化させる。
これにより、暖房運転の過渡時初期において、シート背面吹出口5aから吹き出される吹出風(低温の空気)を拡散させることができるので、膝部付近に低温の空気が集中的に当たることを防止でき、膝部付近の寒さ感をより低減できる。また、その後、水温上昇に伴ってシート背面吹出口5aからの吹出風を拡散吹出→中間吹出→集中吹出へと変化させることにより、暖まってきた空気を膝部付近に集中的に当てることができるので、膝部付近の暖房感をより一層高めることができる。
【0026】
更に、過渡状態から定常状態(吹出温度が略安定している状態)に近づいてきた場合は、シート背面吹出口5aからの吹出風を集中吹出→中間吹出→拡散吹出へと変化させることにより、温風が膝部付近に集中的に当たることを防止でき、より快適な暖房フィーリングを得ることが可能である。
特に定常状態においては、熱負荷(例えば日射量、外気温度)に応じてガイド板10の向きを制御しても良い。例えば、日射量が多い時や外気温度が高い時は、吹出風を中間吹出と拡散吹出との間で変化させ、日射量が少ない時や外気温度が低い時は、吹出風を中間吹出と集中吹出の間で変化させる。
【0027】
なお、吹出風の状態(拡散吹出、中間吹出、集中吹出)を変化させる場合に、ガイド板10を急激に作動させると吹出風の状態が急激に変化するため、乗員が違和感を抱く恐れがある。そこで、吹出風の状態を変化させる場合は、ガイド板10の作動を緩やかに制御した方が良い。
本実施例では、シート背面吹出口5aのガイド板10を制御する一例を説明したが、足元吹出口4aにもガイド板を設けて、シート背面吹出口5aのガイド板10と同様に制御しても良い。
【0028】
(第3実施例)
図5はフロントシートバック7の背面側の平面図である。
本実施例は、第2実施例の制御に対し、フロントシートバック7の傾きに対応してガイド板10の向きを補正する一例を示すものである。
つまり、フロントシートバック7の傾きが変わると、必然的にシート背面吹出口5aから吹き出される吹出風の方向も変化する。このため、特に吹出風を集中吹出とした場合、フロントシートバック7の傾きが変わると、吹出風が膝部付近から外れてしまう。
【0029】
そこで、図5に示すように、フロントシートバック7を作動させるためのシートバック作動用のサーボモータ13とガイド板10を作動させるためのサーボモータ12とをハーネス14で接続し、サーボモータ13からの情報(フロントシートバック7の傾き)に基づいてガイド板10の向きを制御する。これにより、フロントシートバック7の傾きが変わっても、常にシート背面吹出口5aからの吹出風を膝部付近に当てることが可能となる。
なお、本実施例の場合、図6に示すように、ガイド板10とシートバック作動用のサーボモータ13とをリンク機構15により連結して、サーボモータ13により(サーボモータ12を用いることなく)ガイド板10を駆動する構成としても良い。
【0030】
(第4実施例)
図7は後席乗員へ配風するための構成を示す斜視図である。
本実施例は、センタコンソール16内に設けられている既存のリヤベントダクト17を利用した一例を示すものである。
図7に示すように、後席乗員へ冷風を供給するためのリヤベントダクト17が既にセンタコンソール16内に配されている車両においては、暖房運転時のみリヤベントダクト17に温風を流すように構成しても良い。この場合、図8(a)に示すように、リヤベントダクト17に下部ダクト4と上部ダクト5とを分岐接続し、且つその分岐点にそれぞれダンパ6を配設することにより、後席乗員の足元及び膝部付近へ温風を供給することができる。
なお、図8(b)に示すように、リヤベントダクト17の内部に後席送風用のファン18を設けても良い。これにより、後席乗員への風量を増大することができる。
【0031】
(第5実施例)
本実施例は、シート背面吹出口5aより吹き出される吹出風が所定の寒さ以下の時に、ダンパ6によってシート背面吹出口5aからの吹出風を停止する一例である。
空調ユニット1では、暖房運転を開始した後、室温が略安定してくるとエアミックス制御を始める。これにより、ヒータコアの温度上昇に伴って高くなった吹出温度が徐々に低下する。このエアミックス制御に伴って空調ユニット1の吹出温度が所定温度(例えば50℃)以下に低下すると、図9に示すように、後席乗員の膝部が寒さを感じてしまう。なお、図9は、空調ユニット1の吹出温度と後席乗員の膝部の温熱感との関係を測定した結果である。
【0032】
そこで、本実施例では、シート背面吹出口5aからの吹出風が所定の寒さ(下述する)以下になると、図10に示すように、シート背面吹出口5aに通じる上部ダクト5をダンパ6が閉じるように制御し、後席乗員の膝部への送風を停止している。この場合、空調ユニット1から供給された温風は、全て下部ダクト4を通って足元吹出口4aから後席乗員の足元へ吹き出される。
これにより、空調ユニット1でのエアミックス制御によって吹出温度が低下した場合でも、後席乗員の膝部に冷風感を与えることはなく、暖房フィーリングが損なわれることを防止できる。
【0033】
前記「所定の寒さ」は、以下の各方法▲1▼〜▲4▼によって判定することができる。
▲1▼空調ユニット1の吹出温度で判定する。
この場合、図9に示した測定結果に基づいて、乗員の温熱感が略0となる吹出温度50℃を判定基準とし、その吹出温度50℃以下(温熱感0以下)を所定の寒さ以下とする。
この空調ユニット1の吹出温度は、センサ等の検出手段で得るか、空調ユニット1の状態情報(冷却水温、エバ後温度、風量、エアミックス開度等)から推定することができる。
【0034】
▲2▼空調ユニット1で制御する目標吹出温度(TAO)で判定する.
この場合、例えばTAO50℃を判定基準とし、そのTAO50℃以下を所定の寒さ以下とする。
▲3▼シート背面吹出口5aからの吹出温度で判定する。
シート背面吹出口5aからの吹出温度は、空調ユニット1の吹出温度から後席送風ダクト2、及び上部ダクト5の熱ロスを加味したものであり、図9の測定結果と同様に乗員の温熱感と相関がある。
そこで、例えばシート背面吹出口5aからの吹出温度40℃を判定基準とし、その吹出温度40℃以下を所定の寒さ以下とする。このシート背面吹出口5aからの吹出温度は、センサ等の検出手段で得るか、前記TAOから推定しても良い。
【0035】
▲4▼暖房用熱源であるエンジン冷却水の温度で判定する。
この場合、例えば冷却水温60℃を判定基準とし、その冷却水温60℃以下を所定の寒さ以下とする。この冷却水温は、センサ等の検出手段によって得ることができる。
▲5▼乗員の温熱感で判定する。
この場合、乗員自身のフィーリングで寒さ(温熱感0以下)を判断しても良い。なお、ダンパ6の開閉動作は、ダンパ6を手動操作できる操作手段を設けて、乗員が寒さを感じた時に操作手段を介してダンパ6を手動操作するか、あるいはスイッチ等で制御装置に信号を送り、制御装置によりアクチュエータ(サーボモータ9)を電気的に駆動してダンパ6を操作することもできる。
【0036】
(変形例)
第1実施例では、ダンパ6の作動を水温(エンジン冷却水の温度)に基づいて制御しているが、水温以外に、例えば車室内温度や目標吹出温度等に基づいて制御しても良い。あるいは、ブロワ3を起動した後の時間(タイマ)に従って制御することもできる。
また、Tw<Tw1 の時に上部ダクト5側のダンパ開度を極力小さくしているが、上部ダクト5を全部閉じても良い。
【0037】
図1に示したシステム構成では、後席送風ダクト2の下流側を下部ダクト4と上部ダクト5とに分岐して設けているが、既にリヤフットダクト(後席乗員の足元へ温風を供給するためのダクト)を具備している車両においては、後席送風ダクト2及び下部ダクト4として、既存のリヤフットダクトを利用しても良い。
また、後席送風ダクト2内に後席送風用のファンを設けても良い。これにより、後席乗員への風量を増大することができる。
更に、下部ダクト4の方が上部ダクト5より通路断面積を大きくしているが、両ダクトの通路断面積を同一に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】後席乗員へ配風するための構成を示す斜視図である(第1実施例)。
【図2】水温と風量割合との関係を示す特性図である。
【図3】フロントシートバックの背面側の平面図である(第2実施例)。
【図4】ガイド板の作動を説明するシート背面吹出口の側面図である。
【図5】フロントシートバックの背面側の平面図である(第3実施例)。
【図6】フロントシートバックの背面側の平面図である(第3実施例)。
【図7】後席乗員へ配風するための構成を示す斜視図である(第4実施例)。
【図8】ダクトの模式図である(第4実施例)。
【図9】空調ユニットの吹出温度と乗員の温熱感との関係を示す測定結果である(第5実施例)。
【図10】ダンパの制御状態を示す作動説明図である。
【符号の説明】
1 空調ユニット
4a 足元吹出口
5a シート背面吹出口
6 ダンパ(風量割合調節手段)
7 フロントシートバック
10 ガイド板(風向板)

Claims (5)

  1. 後席乗員の足元に向かって開口する足元吹出口と、
    フロントシートバックの背面に開口するシート背面吹出口と、
    前記足元吹出口より吹き出される風量と前記シート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節できる風量割合調節手段とを備え、
    車室内の空調を行う空調ユニットからダクトを通じて供給された温風を前記足元吹出口から後席乗員の足元へ吹き出し、前記シート背面吹出口から後席乗員の膝部付近へ吹き出すことのできる車両用空調装置であって、
    暖房運転を開始してから吹出温度が略安定するまでの過渡状態を判定し、その過渡状態の時は、前記シート背面吹出口より吹き出される風量を予め設定された設定風量より少なくするように前記風量割合調節手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 後席乗員の足元に向かって開口する足元吹出口と、
    フロントシートバックの背面に開口するシート背面吹出口と、
    前記足元吹出口より吹き出される風量と前記シート背面吹出口より吹き出される風量との割合を調節できる風量割合調節手段とを備え、
    車室内の空調を行う空調ユニットからダクトを通じて供給された温風を前記足元吹出口から後席乗員の足元へ吹き出し、前記シート背面吹出口から後席乗員の膝部付近へ吹き出すことのできる車両用空調装置であって、
    少なくとも前記シート背面吹出口には、吹出風の方向を可変する風向板が具備され、この風向板の向きを制御して、前記シート背面吹出口より吹き出される吹出風を拡散状態と集中状態との間で変化させることができ、且つ、暖房運転を開始してから吹出温度が略安定するまでの過渡状態を判定し、その過渡状態の初期時は、前記シート背面吹出口より吹き出される吹出風を拡散させるように前記風向板を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 少なくとも前記シート背面吹出口には、吹出風の方向を可変する風向板が具備され、この風向板の向きを制御して、前記シート背面吹出口より吹き出される吹出風を拡散状態と集中状態との間で変化させることを特徴とする請求項に記載した車両用空調装置。
  4. 前記フロントシートバックの傾きに対応して、前記シート背面吹出口に具備される前記風向板の向きを制御することを特徴とする請求項に記載した車両用空調装置。
  5. 暖房用熱源であるエンジン冷却水の温度、車室内の温度、目標吹出温度のうち少なくとも1つの信号を用いて前記過渡状態の判定を行うことを特徴とする請求項に記載した車両用空調装置。
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