JP4324579B2 - 安息香酸アリールアルキル誘導体によってジベンゾイルメタン誘導体を光安定化させる方法、および光防護用化粧品組成物 - Google Patents

安息香酸アリールアルキル誘導体によってジベンゾイルメタン誘導体を光安定化させる方法、および光防護用化粧品組成物 Download PDF

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Description

本発明は、安息香酸アリールアルキル誘導体によって少なくとも1種のジベンゾイルメタン誘導体をUV照射に関して光安定化させる方法に関する。
本発明は、新規な組成物、特に、局所使用のための化粧品組成物にも関する。
波長280nm〜400nmの光放射は、ヒト表皮を日焼けさせ、特にUV-B線として知られている280〜320nmの光線は、皮膚熱傷、および自然な日焼けの発生を妨害し得る紅斑の原因になることが知られている。これらの理由や美的な理由で、したがって肌の色を制御するために、この自然な日焼けを制御する手段には一定の需要があり、このUV-B放射は排除すべきである。
皮膚の日焼けの原因となる波長320〜400nmのUV-A線は、皮膚の中で有害な変化を誘発しやすく、特に、過敏な皮膚または太陽光に継続的に曝露されている皮膚の場合に有害な変化を誘発しやすいことも知られている。UV-A線は、特に、皮膚の弾性を消失させ、早すぎる皮膚の老化を招く小皺を出現させる原因となる。この光線は、紅斑反応の誘発を促進し、または一定の個人においてこの反応を増幅させ、光毒性反応または光アレルギー性反応の原因とさえなり得る。したがって、例えば、皮膚の自然な弾性の維持など、美的および美容上の理由で、ますます多くの人々が、皮膚に対するUV-A線の作用を制御したいと願っている。したがって、UV-A放射も排除することが望ましい。
UV照射から皮膚およびケラチン物質を防護する目的で、UV-A領域およびUV-B領域で活性な有機スクリーニング剤を含む日焼け防止用組成物が一般的に使用されている。これらのスクリーニング剤のほとんどは脂溶性である。
この点で、現在、UV-Aスクリーニング剤の特に有利なファミリは、ジベンゾイルメタン誘導体、特に、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンからなり、この誘導体は脂溶性であり、実際、固有の吸収力は高い。これらのジベンゾイルメタン誘導体は、それ自体がUV-A領域で活性なスクリーニング剤として現在周知の製品であり、特に、フランス国特許出願公開FR-A-2326405号公報および同FR-A-2440933号公報、さらに欧州特許出願公開EP-A-0-114607号公報にも記載されている。さらに現在、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンは、Roche Vitamins社から商品名「Parsol 1789」で販売されている。
遺憾ながら、ジベンゾイルメタン誘導体は紫外線放射(特にUV-A)に対してやや敏感な製品であり、すなわちより詳細には、これらの誘導体はこのUVの作用下で比較的急速に分解される厄介な傾向があることが判明している。したがって、元来、ジベンゾイルメタン誘導体をその影響下に置くことが意図されている紫外放射に対するジベンゾイルメタン誘導体のこの実質的な光化学安定性の欠如は、太陽への長時間の曝露中の継続的な防護を確実なものにできず、UV線に対して有効に皮膚を防護するためには、使用者は一定かつ頻回な時間間隔で繰り返し適用しなければならない。
ジベンゾイルメタン誘導体は、油溶性固形スクリーニング剤である。これらのUVスクリーニング剤を効果的に溶解することができる油のうちで、アルコールベンゾエート類が知られており、特に安息香酸C12/C15アルキル(C12/C15アルキルベンゾエート)、例えば、商品Finsolv TNまたはWitco社から製造販売されているWitconol APMが知られている。
フランス国特許出願公開FR-A-2326405号公報 フランス国特許出願公開FR-A-2440933号公報 欧州特許出願公開EP-A-0-114607号公報 国際公開WO2005/009341号パンフレット
しかし、現在までに知られている上記アルコールベンゾエートは、ジベンゾイルメタン誘導体のUV照射に関する光安定性問題を解決できていない。
国際公開WO2005/009341号パンフレットは、有機スクリーニング剤をベースとするスクリーニング組成物を開示しており、そこではアリールフェニルエチルエステル化合物が油中のスクリーニング剤のために溶媒として用いられている。この文献は、このタイプの化合物が、ジベンゾイルメタン誘導体であるブチルメトキシジベンゾイルメタンを効果的に溶解することができることを教示している。この文献は、安息香酸2-フェニルエチル中、o-トルイル酸2-フェニルエチル中、p-トルイル酸2-フェニルエチル中、またはo-トルイル酸2-フェニルエチル/p-トルイル酸2-フェニルエチル(1/1)混合液中のブチルメトキシジベンゾイルメタン溶液について述べている。また、同文献は、メトキシケイ皮酸オクチルの存在下でブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む日焼け防止用組成物についても述べている。この文献は、ジベンゾイルメタン誘導体の光不安定問題については述べていない。
今回、本出願人は、驚くべきことに、上記ジベンゾイルメタン誘導体と、安息香酸アリールアルキル誘導体型の特定のアルコールベンゾエートの有効量を組み合わせることによって、こうしたそれらのジベンゾイルメタン誘導体の光化学安定性(または光安定性)を実質的に顕著に改善できることを発見した。
この本質的な発見が、本発明の基礎を形作っている。
したがって、本発明の主題の1つによれば、今回、少なくとも1種のジベンゾイルメタン誘導体のUV照射に関する安定性を改善する方法が提案され、この方法は前記ジベンゾイルメタン誘導体と、先に定義した式(I)または(II)の少なくとも1種の安息香酸アリールアルキル誘導体を組み合わせることを含む。
本発明の別の主題は、局所使用のための化粧品組成物または皮膚科用組成物であって、組成物が、化粧品として許容される担体中に、
(a)ジベンゾイルメタン誘導体型の少なくとも1種のUVスクリーニング剤、ならびに
(b)式(I)または(II)の少なくとも1種の安息香酸アリールアルキル誘導体
を含み、ただし、
(i)前記組成物は、メトキシケイ皮酸オクチルを一切含まず、
(ii)前記組成物は、安息香酸2-フェニルエチル、o-トルイル酸2-フェニルエチル、p-トルイル酸2-フェニルエチル中の、またはo-トルイル酸2-フェニルエチル/p-トルイル酸2-フェニルエチル(1/1)混合物中のブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶液とは異なることを特徴とする組成物にも関する。
具体的には、ジベンゾイルメタン誘導体と安息香酸アリールアルキル誘導体の組合せを含む組成物中にメトキシケイ皮酸オクチルが存在することが、UV照射に関して組成物をかなり不安定にするおそれがあり、それによってジベンゾイルメタン誘導体が多量に分解される。
最後に、本発明の主題は、前記ジベンゾイルメタン誘導体のUV線に関する安定性を改善する目的で、少なくとも1種のジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧品組成物または皮膚科用組成物中に安息香酸アリールアルキル誘導体を使用することでもある。
本発明の他の特性、態様および利点は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
ジベンゾイルメタン誘導体の中では、非限定的に、以下が挙げられる。
- 2-メチルジベンゾイルメタン、
- 4-メチルジベンゾイルメタン、
- 4-イソプロピルジベンゾイルメタン、
- 4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、
- 2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、
- 2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、
- 4,4'-ジイソプロピルジベンゾイルメタン、
- 4,4'-ジメトキシジベンゾイルメタン、
- 4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、
- 2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、
- 2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、
- 2,4-ジメチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、
- 2,6-ジメチル-4'-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン。
上記ジベンゾイルメタン誘導体の中では、特に、メルク社から「Eusolex 8020」の名で販売され、次式に相当する4-イソプロピルジベンゾイルメタンを使用する。
Figure 0004324579
Roche Vitamins社から商品名「Parsol 1789」で販売されている4-(tert-ブチル)-4'-メトキシジベンゾイルメタンまたはブチルメトキシジベンゾイルメタンを使用することが最も好ましく、このスクリーニング剤は次式に相当する。
Figure 0004324579
ジベンゾイルメタン誘導体は、本発明による組成物中に、組成物の全重量に対して好ましくは0.01〜10重量%の範囲、より好ましくは0.1〜6重量%の量で存在することができる。
本発明による安息香酸アリールアルキル誘導体は、下式(I)または(II)の誘導体から選択することが好ましい。
Figure 0004324579
[式中、
Xは、O、S、またはNを示し;
nは、1〜10、より好ましくは2〜6の整数であり;
R1は、水素原子;ハロゲン原子;直鎖または分枝C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ);ニトロ基;アミノ基;C6H6SO2基を示し;
R2は、水素原子;ヒドロキシル基;ハロゲン原子;直鎖または分枝C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ);ニトロ基;アミノ基;C6H6SO2基を示し;
R3、R4、およびR5は、同一でも異なっていてもよく、次式の基を示す。
Figure 0004324579
(式中、nは上記と同じ意味を有し;R6は、水素原子;ヒドロキシル基;直鎖または分枝C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシまたはエトキシ);ニトロ基;アミノ基;C6H6SO2基を示す。)]
本発明による安息香酸アリールアルキル誘導体、およびその合成は、長い間化学文献で知られており、特に、特許PL55230で知られている。
上述した安息香酸アリールアルキル誘導体の中で、特に、安息香酸2-フェニルエチル:
Figure 0004324579
が使用され、例えば、ISP社製の商品X-Tend 226(登録商標)が使用される。
本発明によれば、所定の組成物中のジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を顕著に改善するために充分な量で、安息香酸アリールアルキル誘導体が用いられる。使用する光安定化剤のこの最小量は、初めに組成物中に存在するジベンゾイルメタンの量、およびこの組成物用に選択した化粧品として許容される担体の性質に従って変化しうる。その量は、光安定性を測定するための従来の試験によって困難なく決定することができる。
本発明による安息香酸アリールアルキル誘導体は、本発明による組成物中に組成物の全重量に対して0.1〜40重量%の範囲、より好ましくは0.1〜30重量%の量で存在しうる。
本発明による組成物は、UV-A領域および/またはUV-B領域で活性であり、水溶性もしくは脂溶性であり、または通常使用されている化粧品用溶媒に不溶性の、他の追加の有機または無機光防護剤をさらに含むことができる。
上記追加の有機光防護剤は、特に、アントラニレート;サリチル酸誘導体;カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;EP669323およびUS2463264に記載されているビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184、およびEP893119に記載されているメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137、およびDE10162844に記載されているベンゾオキサゾール誘導体;特に、出願WO93/04665に記載されているものなどのスクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン;特許出願DE19855649に記載されているものなどの、α-アルキルスチレンに由来する二量体;EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A1008586、EP1133980、およびEP133981に記載されている4,4-ジアリールブタジエン類、ならびにそれらの混合物から選択される。
追加の有機光防護剤の例としては、そのINCI名で以下に示すもの、およびそれらの混合物を挙げることができる。
パラ-アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特に、ISPから「Escalol 507」の名で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
グリセリルPABA、
BASFから「Uvinul P25」の名で販売されているPEG-25PABA、
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industriesから「Eusolex HMS」の名で販売されているホモサレート、
Haarmann and Reimerから「Neo Heliopan OS」の名で販売されているサリチル酸エチルヘキシル、
Scherから「Dipsal」の名で販売されているジプロピレングリコールサリチレート、
Haarmann and Reimerから「Neo Heliopan TS」の名で販売されているサリチル酸TEA、
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特に、BASFから商品名「Uvinul N539」で販売されているオクトクリレン、
特に、BASFから商品名「Uvinul N35」で販売されているエトクリレン、
ベンゾフェノン誘導体:
BASFから商品名「Uvinol 400」で販売されているベンゾフェノン-1、
BASFから商品名「Uvinol D50」で販売されているベンゾフェノン-2、
BASFから商品名「Uvinol M40」で販売されているベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン、
BASFから商品名「Uvinol MS40」で販売されているベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
Norquayから商品名「Helisorb 11」で販売されているベンゾフェノン-6、
American Cyanamidから商品名「Spectra-Sorb UV-24」で販売されているベンゾフェノン-8、
BASFから商品名「Uvinol DS-49」で販売されているベンゾフェノン-9、
ベンゾフェノン-12、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
ベンジリデンカンファー誘導体:
Chimexにより「Mexoryl SD」の名で製造されている3-ベンジリデンカンファー、
メルクから「Eusolex 6300」」の名で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、
Chimexにより「Mexoryl SL」の名で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、
Chimexにより「Mexoryl SO」の名で製造されているカンファーベンザルコニウムメトサルフェート、
Chimexにより「Mexoryl SX」の名で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
Chimexにより「Mexoryl SW」の名で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、
フェニルベンゾイミダゾール誘導体:
特に、メルクから商品名「Eusolex 232」で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
Haarmann and Reimerから商品名「Neo Heliopan AP」で販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート二ナトリウム、
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia Chimieから「Silatrizole」の名で販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
Fairmount Chemicalから商品名「MIXXIM BB/100」で固形形態で、またはCiba Specialty Chemicalsから商品名「Tinosorb M」で水性分散体として微粉末形態で販売されている、メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
トリアジン誘導体:
特に、BASFから商品名「Uvinul T150」で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
Sigma 3Vから商品名「Uvasorb HEB」で販売されているジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(4'-アミノベンザルマロン酸ジイソブチル)-s-トリアジン、
アントラニル誘導体:
Haarmann and Reimerから商品名「Neo Heliopan MA」で販売されているアントラニル酸メンチル、
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート、
ベンザルマロネート誘導体:
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Hoffmann LaRocheから商品名「Parsol SLX」で販売されているポリシリコーン-15、
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
ベンゾオキサゾール誘導体:
Sigma 3VからUvasorb K2Aの名で販売されている2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
好ましい追加の有機光防護剤は、以下、およびそれらの混合物から選択される。
エチルヘキシルサリチレート、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン、
ドロメトリゾール(drometrizole)トリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
上記追加の無機光防護剤は、顔料から選択され、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、または酸化セリウムの(ルチル形および/またはアナターゼ形の非結晶または結晶化)酸化チタンナノ顔料など、ナノ顔料(主粒子の平均径:一般に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)から選択されることがより好ましい。
処理済ナノ顔料は、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン;脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、またはアルミニウム塩;金属(チタンまたはアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、蛋白質(コラーゲンまたはエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルミナ、またはグリセロールなど、例えば、Cosmetics & Toiletries、1990年、2月、第105巻、5364ページに記載されている化合物によって、化学的、電子的、機械化学的、および/または機械的性質の1種または複数の表面処理が施されている顔料である。
処理済ナノ顔料は、より具体的には、以下によって処理した酸化チタンであることができる:
- シリカおよびアルミナ、例えば、Tayca社製「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」および「Microtitanium Dioxide MT 100 SA」、ならびにTioxide社製品「Tioveil Fin」、「Tioveil OP」、「Tioveil MOTG」、
- アルミナおよびステアリン酸アルミニウム、例えば、Tayca社製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T」など、
- アルミナおよびラウリン酸アルミニウム、例えば、Tayca社製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」、
- 酸化鉄およびステアリン酸鉄、例えば、Tayca社製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」、
- シリカ、アルミナ、およびシリコーン、例えば、Tayca社製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500SAS」、
- ヘキサメタリン酸ナトリウム、例えば、Tayca社製品「Microtitanium Dioxide MT 150W」、
- オクチルトリメトキシシラン、例えば、Degussa社製品「T-805」、
- アルミナおよびステアリン酸、例えば、Kemira社製品「UVT-M160」、
- アルミナおよびグリセロール、例えば、Kemira社製品「UVT-M212」、
- アルミナおよびシリコーン、例えば、Kemira社製品「UVT-M262」。
シリコーンで処理した他の酸化チタンナノ顔料は、Degussa Silices社から商品名「T 805」販売されている商品など、オクチルトリメチルシランで処理し、基本粒子の平均径が25〜40nmであるTiO2;Cardre社から商品名「70250 Cardre UFTiO2SI3」で販売されている商品など、ポリジメチルシロキサンで処理し、基本粒子の平均径が21nmであるTiO2;Color Techniques社から商品名「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」で販売されている商品など、ポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理し、基本粒子の平均径が25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2が好ましい。
未被覆酸化チタンナノ顔料は、例えば、Tayca社から商品名「Microtitanium Dioxide MT 500 B」または「Microtitanium Dioxide MT600 B」で、Degussa社から「P25」の名で、Wackher社から「Transparent titanium oxide PW」の名で、Miyoshi Kasei社から「UFTR」の名で、Tomen社から「ITS」の名で、Tioxide社から「Tioveil AQ」の名で販売されている。
未被覆酸化亜鉛ナノ顔料には、例えば以下のものがある:
- Sunsmart社から「Z-Cote」の名で販売されているもの、
- Elementis社から「Nanox」の名で販売されているもの、
- NanophaseTechnologies社から「Nanogard WCD 2025」の名で販売されているもの。
被覆された酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば、以下のものがある:
- Toshibi社から「Zinc Oxide CS-5」の名で販売されているもの(ZnOをポリメチルヒドロゲノシロキサンによって被覆)、
- Nanophase Technologies社から「Nanogard Zinc Oxide FN」の名で販売されているもの(C12〜C15アルコールベンゾアートであるFinsolv TN中40%分散液として)、
- Daito社から「Daitopersion ZN-30」および「Daitopersion ZN-50」の名で販売されているもの(シリカおよびポリメチルヒドロゲノシロキサンによって被覆したナノ酸化亜鉛を30%または50%含むシクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン分散液)、
- Daikin社から「NFD Ultrafine ZNO」の名で販売されているもの(シクロペンタシロキサン中分散液として、ZnOをリン酸パーフルオロアルキルおよびパーフルオロアルキルエチルに基づくコポリマーによって被覆)、
- Shin-Etsu社から「SPD-Z1」の名で販売されているもの(ZnOをシリコーングラフト化アクリルポリマーによって被覆し、シクロジメチルシロキサン中に分散)、
- ISP社から「Escalol Z100」の名で販売されているもの(アルミナ処理済ZnOをメトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセン/メチコンコポリマー混合物中に分散)、
- Fuji Pigment社から「Fuji ZNO-SMS-10」の名で販売されているもの(ZnOをシリカおよびポリメチルシルセスキオキサンによって被覆)、
- Elementis社から「NanoxGel TN」の名で販売されているもの(ZnOをヒドロキシステアリン酸ポリ縮合体含有C12〜C15アルコールベンゾエート中に55%濃度で分散)。
未被覆酸化セリウムナノ顔料は、Rhone Poulenc社から「Colloidal Cerium Oxide」の名で販売されている。
未被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、Arnaud社から「Nanogard WCD 2002(FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、「Nanogard WCD 2006(FE 45R)」の名で、またはMitsubishi社からの名で「TY-220」の名で販売されている。
被覆された(被覆済み)酸化鉄ナノ顔料は、例えば、Arnaud社から「Nanogard WCD 2008(FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009(FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、「Nanogard FE 45 BL」の名で、またはBASF社から「Transparent Iron Oxide」の名で販売されている。
金属酸化物の混合物、特に、Ikeda社から「Sunveil A」の名で販売されているシリカによって被覆した二酸化チタンと二酸化セリウムの等重量混合物;Kemira社から販売されている商品「M261」など、アルミナ、シリカ、およびシリコーンによって被覆した二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物;あるいはKemira社から販売されている商品「M211」など、アルミナ、シリカ、およびグリセロールによって被覆した二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物を含む、二酸化チタンおよび二酸化セリウムも挙げることができる。
上記ナノ顔料は、本発明による組成物中に未変性形でまたは顔料性ペーストの形で導入することができ、すなわち、例えば、文献GB-A-2206339に記載されているように分散剤を含む混合物として導入することができる。
一般に、追加の光防護剤は、本発明による組成物中に、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%の範囲の比率で存在し、好ましくは組成物の全重量に対して0.1〜10重量%の範囲で存在する。
本発明による組成物は、皮膚を人工的に日焼けさせ、かつ/または褐変させるための作用薬(セルフタンニング剤)、より具体的にはジヒドロキシアセトン(DHA)を含むことができる。これらの作用薬は、組成物の全重量に対して0.1〜10重量%の範囲の量で存在することが好ましい。
本発明による組成物は、特に、脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、保存剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、または両性界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤から選択した標準的化粧品用アジュバント、あるいは化粧品および/または皮膚科分野で通常使用されている他のどんな成分を含んでいてもよい。
脂肪物質は、油もしくはワックスまたはそれらの混合物からなってよい。用語「油」は、常温で液体の化合物を意味するものとする。用語「ワックス」は、常温で固体または実質的に固体であり、その融点が、一般に、35℃を超える化合物を意味するものとする。
挙げることができる油には、鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、クロフサスグリ種子油、ホホバ油);パーヒドロスクアレン、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族エステル(例えば、Witco社から商品名「Finsolv TN」または「Witconol TN」で販売されているC12〜C15アルコールベンゾアート、オクチルパルミタート、イソプロピルラノラート、およびカプリン/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド)、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪族エステルおよびエーテルなどの合成油;シリコーン油(シクロメチコン、ポリジメチルシロキサン、もしくはPDMS)またはフルオロ油、ならびにポリアルキレン類が含まれる。
挙げることができるワックス化合物には、パラフィン、カルナウバワックス、蜜蝋、および水添ひまし油が含まれる。
有機溶媒の中では、低級アルコールおよびポリオールを挙げることができる。こうしたポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、diプロピレングリコール、ジエチレングリコールなどの、グリコールおよびグリコールエーテルから選択することができる。
挙げることができる親水性増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、例えばカーボポール製品(カーボマー)、およびPemulen製品(アクリレート/C10-C30-アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えば、Seppic社からSepigel 305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/ラウレス7)またはSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名で販売されている架橋コポリマー;任意選択で架橋し、かつ/または中和させた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、Hoechst社から商品名「Hostacerin AMPS」(CTFA名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウルアミド)で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースベース誘導体;多糖類、特に、キサンタンガムなどのガム類;ならびにそれらの混合物が含まれる。
挙げることができる親油性増粘剤には、ヘクトライトおよびその誘導体などの改質粘土、例えば、Bentoneの名で販売されている製品、が含まれる。
活性剤の中では、以下を挙げることができる:
- 抗汚染剤および/またはフリーラジカル捕捉剤、
- 脱色素剤および/または着色促進剤、
- 抗糖化剤、
- NO合成酵素阻害剤、
- 真皮または表皮巨大分子の合成刺激剤、および/またはその分解防止剤、
- 線維芽細胞増殖刺激剤、
- ケラチノサイト増殖刺激剤、
- 筋弛緩剤、
- 引き締め剤、
- 剥離剤、
- 保湿剤、
- 抗炎症剤、
- 細胞のエネルギー代謝に作用する作用薬、
- 昆虫忌避剤
- サブスタンスPまたはCRGP拮抗薬。
もちろん、当業者は、本発明による化合物に本質的に備わる有利な特性が、想定した追加によって悪影響を受けない、または実質的に受けないように、上記任意選択の追加化合物および/またはその量の選択に注意を払うであろう。
本発明による組成物は、当業者には周知の技術によって、特に、水中油型または油中水型エマルションの調製を意図した技術によって調製することができる。組成物は、特に、クリームまたは乳液など、単純なまたは複雑なエマルション形態(O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/W)、ゲルまたはクリームゲル形態、ローション形態、粉または固体チューブ形態であってよく、エアロゾルとして任意選択でパッケージしてよく、ムースまたはスプレー形態であってよい。
本発明による組成物は、水中油型または油中水型エマルションの形態であることが好ましい。
一般に、エマルションは、両性、アニオン性、カチオン性、および非イオン性乳化剤から選択した少なくとも1種の乳化剤を含み、この乳化剤は単独または混合物として使用される。乳化剤は、得ようとするエマルション(W/OまたはO/W)に従って適切に選択する。
W/Oエマルションの調製に使用することができる乳化界面活性剤としては、以下を挙げることができる:例えば、ソルビタン、グリセロール、または糖類のアルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、Dow Corning社から「DC 5225 C」の名で販売されているシクロメチコンとジメチコンコポリオールの混合液や、Dow Corning社から「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名で販売されているラウリルメチコンコポリオールなどのアルキルジメチコンコポリオールなどの、ジメチコンコポリオール類;Goldschmidt社からAbil EM 90Rの名で販売されている商品や、Goldschmidt社からAbil WE 09の名で販売されている、イソステアリン酸ポリグリセリル(4mol)およびラウリン酸ヘキシルのセチルジメチコンコポリオールの混合液などのセチルジメチコンコポリオール。1種または複数の共乳化剤(co-emulsifier)をそこに加えてもよく、この共乳化剤はポリオールアルキルエステルを含む群から有利に選択することができる。特に挙げることができるポリオールアルキルエステルには、グリセロールおよび/またはソルビタンエステル、例えば、Goldschmidt社からIsolan GI 34の名で販売されている商品などのイソステアリン酸ポリグリセリル、ICI社からArlacel 987の名で販売されている商品などのソルビタンイソステアレート、ICI社からArlacel 986の名で販売されている商品などのソルビタングリセリンイソステアレート、ならびにそれらの混合物が含まれる。
O/Wエマルションに関して挙げることができる乳化剤の例には、以下が含まれる:グリセロールのオキシアルキレン化(より具体的にはポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル、ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル、オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エステル、オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪族アルキルエーテルなどの非イオン性乳化剤;糖エステル、例えば、スクロースステアレート;糖類の脂肪族アルキルエーテル、特に、例えば、Henkel社から、それぞれ、Plantaren2000およびPlantaren1200の名で販売されているデシルグルコシドやラウリルグルコシド、例えば、Seppic社からMontanov 68の名で、Goldschmidt社からTegocare CG90の名で、およびHenkel社からEmulgade KE3302の名で販売されている任意選択でセトステアリルアルコールとの混合物としてセトステアリルグルコシド、ならびにまたアラキジルグルコシド、例えば、Seppic社からMontanov 202の名で販売されているアラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、およびアラキジルグルコシドの混合物形態などのアルキルポリグルコシド(APG)。本発明の特定の実施形態によれば、先に定義したアルキルポリグルコシドと、対応する脂肪族アルコールとの混合物は、例えば、文献WO-A-92/06778に記載されているように自己乳化組成物の形態であることができる。
エマルションが含まれる場合、このエマルションの水相は、既知の方法(Bangham、StandishおよびWatkins、J.Mol.Biol.13、238(1965)、FR2315991、およびFR2416008)に従って調製した非イオン性小胞分散液を含んでいてよい。
本発明による組成物は、特に、皮膚、唇、および/または毛髪を防護し、かつ/またはケアするために、ならびに/あるいは皮膚および/または唇を化粧するために、頭皮を含み、皮膚、唇、および毛髪の多くの処置に、特に美容トリートメントにその用途を見出している。
本発明の別の主題は、皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛、眉、および/または頭皮の美容トリートメント製品を製造するために、特にケア製品およびメイクアップ製品を製造するために、先に定義した本発明による組成物を使用することからなる。
本発明による化粧品組成物は、例えば、乳液、多少濃厚なクリーム、クリーム-ゲル、ペーストなど、液体または半液体粘稠性の、顔および/または身体用ケア商品および/または日焼け防止用商品として使用することができる。それらは、エアロゾルとして任意選択でパッケージすることができ、ムースまたはスプレーの形にしてよい。
本発明に従って気化性液体ローションの形をした本発明による組成物は、加圧器具によって微粒子の形で皮膚または毛髪に適用する。本発明による器具は、当業者には周知であり、非エアロゾルポンプもしくは「アトマイザ」、噴射剤を含むエアロゾル容器、および噴射剤として圧縮空気を用いるエアロゾルポンプが含まれる。後者は、特許US4077411およびUS4850517(本説明内容の構成部分を形成)に記載されている。
一般に、本発明に従ってエアロゾルの形でパッケージした組成物は、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン、もしくはトリクロロフルオロメタンを含む。それは、組成物の全重量に対して15〜50重量%の範囲の量で存在することが好ましい。
次に、本発明を例示する、具体的であるが決して限定的でない実施例を示す。
〔実施例〕
(実施例1〜3)
以下の3種の日焼け防止用配合物を調製した。量は、重量%で示す。
Figure 0004324579
製剤例1〜3を調製する手順:
その成分のすべてを含む水相(相B)を水浴中で80℃に加熱する。その成分のすべてを含む脂肪相(相A)を水浴中で80℃に加熱する。ローターステータ型(Moritz社製器具)攪拌によってB中にAを乳化させる。相Cを混合し、混合物を静かに攪拌しながら周囲温度に戻す。生成の最後でpHを所望の値に調整するためにトリエタノールアミンを入れる。
ジベンゾイルメタン光安定性試験:
これらの組成物のそれぞれについて、UV照射後、残留4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンの割合を以下のプロトコルに従って定量する。
配合ごとに、3個の試験試料および3個の対照試料を調製した。2mg/cm2の配合物をスパーテルでポリ(メタクリル酸メチル)プレート上に付着させた。試験プレートをUVA束:8.34×10-3W/cm2およびUVB束:0.471×10-4W/cm2を有するキセノンランプを備えたHeraeus Suntestに43分間曝露し、対照プレートは同じ温度(38〜40℃)で同じ時間暗所に置いた。
この時間の最後で、各プレートを50gのメタノールに浸漬し、確実に良好に抽出するためにプレートを15分間超音波に当てることによってスクリーニング剤を抽出した。得られた溶液を高速液体クロマトグラフィーによって分析した。
試験した配合ごとに、曝露後の残留ジベンゾイルメタンの量が、曝露していない試料中のその濃度に対する、曝露した試料中のその濃度の割合によって得られる。得られた結果を下表に示す。
Figure 0004324579
安息香酸アリールアルキル誘導体と組み合わせたブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む配合物2および3では、同じ濃度でブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む同一の担体を含有する製剤と比較して、安息香酸C12〜C15アルキルの存在下でジベンゾイルメタンの光安定性が実質的に改善されることが観察されている。

Claims (15)

  1. UV照射に関し、下記式:
    Figure 0004324579
    の4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンを光安定化させる方法であって、前記4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンと、下記式の安息香酸2-フェニルエチルとを組み合わせることを特徴とする方法。
    Figure 0004324579
  2. 局所使用のための化粧品組成物または皮膚科用組成物であって、前記組成物が、化粧品として許容される担体中に、
    (a) UVスクリーニング剤である下記式:
    Figure 0004324579
    の4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタン、ならびに
    (b) 下記式:
    Figure 0004324579
    の安息香酸2-フェニルエチル、を含む組成物。
  3. 前記安息香酸2-フェニルエチルが、組成物の全重量に対して0.1〜40重量%の範囲で存在する、請求項に記載の組成物。
  4. 前記4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンが、組成物の全重量に対して0.01〜10重量%の範囲の量で存在する、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. UV-A領域および/またはUV-B領域で活性な、かつ水溶性もしくは脂溶性であり、あるいは通常使用されている化粧品用溶媒に不溶性の他の有機または無機光防護剤をさらに含むことを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記追加の有機防護剤が、アントラニレート、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、α-アルキルスチレンに由来する二量体、4,4-ジアリールブタジエンおよびそれらの混合物から選択される、請求項に記載の組成物。
  7. 前記有機光防護剤が、以下の化合物:
    エチルヘキシルサリシレート、
    オクトクリレン、
    フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
    ベンゾフェノン-3、
    ベンゾフェノン-4、
    ベンゾフェノン-5、
    n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
    4-メチルベンジリデンカンファー、
    テレフタルイリデンジカンファースルホン酸、
    フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート二ナトリウム、
    メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
    エチルヘキシルトリアゾン、
    ジエチルヘキシルブタアミドトリアゾン、
    ドロメトリゾールトリシロキサン、
    ポリシリコーン-15、
    1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
    2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)-イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)-イミノ-1,3,5-トリアゾン、
    およびそれらの混合物、から選択されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  8. 前記追加の無機光防護剤が、処理済または未処理の金属酸化物顔料またはナノ顔料であることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  9. 前記顔料またはナノ顔料が、処理済または未処理の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、および酸化セリウム、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  10. 皮膚を人工的に日焼けさせ、かつ/または褐変させる少なくとも1種の作用薬をさらに含むことを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性、親水性または親油性増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、保存剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、または両性界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、ならびに酸性化剤または塩基性化剤から選択した少なくとも1種のアジュバントをさらに含むことを特徴とする、請求項2〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛、眉、および/または頭皮の美容トリートメント製品を製造するための、請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  13. 皮膚、唇、爪、毛髪、および/または頭皮ケア製品を製造するための請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  14. メイクアップ用製品を製造するための請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  15. 前記4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンのUV線に関する安定性を改善する目的での、4-(tert-ブチル)-4’-メトキシジベンゾイルメタンを含む化粧品組成物または皮膚科用組成物における、安息香酸2-フェニルエチルの使用。
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