JP4473203B2 - ジベンゾイルメタン誘導体、アリールアルキルベンゾエート誘導体、及び前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物を含む光保護組成物及び光保護方法 - Google Patents

ジベンゾイルメタン誘導体、アリールアルキルベンゾエート誘導体、及び前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物を含む光保護組成物及び光保護方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体、アリールアルキルベンゾエート誘導体、及び前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物を含む、局所への使用のための光保護組成物に関する。
本発明は、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体の、アリールアルキルベンゾエート誘導体と前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物との組合せによる、UV照射に対する光安定化の方法に関する。
280nm乃至400nmの波長を持つ光照射はヒトの表皮を日焼けさせること、UV−B光線として知られる、特に280nm乃至320nmの波長を持つ光線が、自然な日焼けの発展をそこないうる皮膚熱傷と紅斑を引き起こすことが知られている。これらの理由のため、並びに美的理由により、この自然な日焼けを制御して皮膚の色を制御する手段が常に求められている:しかるに、このUV−B光線は遮蔽すべきである。
320nm乃至400nmの波長を持ち、皮膚の日焼けを引き起こすUV−A光線が、皮膚において不利な変化を誘発しがちであり、とりわけ敏感肌又は太陽光照射に絶えずさらされている皮膚の場合は特にしかりであることも知られている。UV−A光線は、特に、皮膚の早期老化につながる皮膚弾性の喪失と皺の出現の原因となる。UV−A光線は紅斑反応の惹起を促したり、ある個人にあってはこの反応を増幅させ、光毒性又は光アレルギー反応の原因にさえなりうる。従って、例えば皮膚の自然な弾性の維持などの美的及び美容上の理由から、ますます多くのヒトがUV−A光線の影響を制御することを望んでいる。然るに、UV−A光線もまた遮蔽することが望ましい。
皮膚及びケラチン物質のUV照射に対する保護の目的で、UV−A領域及びUV−B領域において活性な有機遮蔽剤を含む抗日光組成物が通常使用される。これら遮蔽剤の大半は、油溶性である。
この点についてUV−A遮蔽剤のとりわけ有利な一群は、今のところ、油溶性であって且つ本来的な高い吸収力を有するジベンゾイルメタン誘導体、とりわけ4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンからなる。これらのジベンゾイルメタン誘導体は、UV−A領域及びUV−B領域において活性であることがそれ自体よく知られた生成物であり、とりわけ仏国特許出願FR−A−2326405及びFR−A−2440933に、並びに欧州特許出願EP−A−0114607に記載されており;4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンはRoche Vitamins社により商品名"Parsol 1789"として現在市販されている。
仏国特許出願FR−A−2326405
残念ながら、ジベンゾイルメタン誘導体は、紫外線(特にUV−A)に対して比較的に感受性の、すなわち、詳細にはこのUVの作用下では多少によらず迅速に変性しがちな望ましからぬ傾向を有する。従って、ジベンゾイルメタン誘導体の、本来曝露されることを企図する紫外線に対するこの実質的な光化学安定性不足のため、日光への長期曝露の間に一定の保護を確保することが不可能であり、このため使用者は、UV光線に対する皮膚の有効な保護を得るためには定期的且つ近接した間隔で適用を繰り返さねばならない。
この技術的問題を解消するために、既に従来技術において、ジベンゾイルメタン誘導体と前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物とを組み合わせることが提案されている。これは、例えば、US5993789、US6113931、US6126925、及びUS6284916におけるナフタレン誘導体に関する場合である。これはまた、特許出願US2004 00579912、US2004 00579914、US2004 00579916、及びUS2004 06272に記載されたフルオレン誘導体に関する場合である。しかしながら、これらの化合物を用いて得られるジベンゾイルメタン誘導体の光化学安定性は、依然として完全に十分ではない。
ここで驚くべきことに、出願人は、上記のジベンゾイルメタン誘導体に少なくとも1つのアリールアルキルベンゾエート誘導体と前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物との組合せを加えることによって、これらの同じジベンゾイルメタン誘導体の光化学安定性(または光安定性)を実質的且つ顕著に改善することができることを見出した。
この本質的な発見が本発明の基礎を成す。
従って、本発明の主題の一つにより、化粧品として許容される支持体中に、
(a)ジベンゾイルメタン誘導体タイプの少なくとも1つのUV遮蔽剤、及び
(b)少なくとも1つのアリールアルキルベンゾエート誘導体、及び
(c)前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる少なくとも1つの化合物、
を含むことを特徴とする局所使用のための化粧品または皮膚科用組成物をここに提供する。
最終的に、本発明の主題は、少なくとも1つのジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧品または皮膚科用組成物中における、前記ベンゾイルメタン誘導体のUV照射に対する安定性を改善するための、少なくとも1つのアリールアルキルベンゾエート誘導体と前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる少なくとも1つの化合物との組合せの使用である。
本発明の別の特徴、態様、及び利点は、下記の詳細な説明を読むにつれて明らかになるであろう。
特に挙げて良いジベンゾイルメタン誘導体の中では、非限定的に下記:
・2−メチルジベンゾイルメタン、
・4−メチルジベンゾイルメタン、
・4−イソプロピルジベンゾイルメタン、
・4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、
・2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、
・2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、
・4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、
・4,4’−ジメトキシジベンゾイルメタン、
・4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
・2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
・2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
・2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
・2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
が含まれる。
上述のジベンゾイルメタン誘導体の中では、4−イソプロピルジベンゾイルメタンが特に使用されるが、これはMerk社により"Eusolex 8020"の商品名で市販されており、下記の化学式に該当する。
Figure 0004473203
最も好ましく使用されるのは、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンもしくはブチルメトキシジベンゾイルメタンであり、Roche Vitamins社によって"Parsol 1789"の商品名で市販であり、この遮蔽剤は下式に該当する。
Figure 0004473203
前記ジベンゾイルメタン誘導体は、本発明の組成物中に、組成物全重量に対して0.01乃至10重量%、さらに好ましくは0.1乃至6重量%の含量で存在しうる。
本発明によるアリールアルキルベンゾエート誘導体は、下式(I)または(II):
Figure 0004473203
[式中、
Xは、O、S、またはNを示し、
nは、1乃至10の整数、より好ましくは2乃至6の整数であり、
及びRは、同一または相違してよく、水素原子;ヒドロキシル基;直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルコキシ基(好ましくはメトキシ基またはエトキシ基);ニトロ基;アミノ基;CSO基を示し;
、R、及びRは同一または相違してよく、下式:
Figure 0004473203
(式中、
nは、上述と同様の意味を有し;
は、水素原子;ヒドロキシル基;直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルコキシ基(好ましくはメトキシ基またはエトキシ基);ニトロ基;アミノ基;CSO基を示す)
の基を示す]
のものから選択されることが好ましい。
本発明のアリールアルキルベンゾエート誘導体及びその合成は、化学文献及び特に特許PL55230において長らく既知である。
上述のアリールアルキルベンゾエート誘導体の中では、例えば、ISP社によりX-Tend 226(登録商標)として市販の製品がある下式:
Figure 0004473203
の2−エチルフェニルベンゾエートが特に使用される。
本発明によるアリールアルキルベンゾエート誘導体は、本発明による組成物中に、組成物全重量に対して0.1乃至40重量%、さらに好ましくは0.1乃至30重量%の含量で存在して良い。
本発明によれば、アリールアルキルベンゾエート誘導体は、前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物と組合せで用いられてUV光線の影響下で励起されたジベンゾイルメタン分子の励起状態を不活性化し、よってこの分子はその基底状態を回復する。
本発明の好ましい形態によれば、前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物は、40kcal/mol乃至70kcal/molの励起三重項レベルエネルギーを有する。
励起三重項レベルエネルギーは、J. Gonzenbach, T. J. Hill及びT.G. Truscottによる文献、 "The Triplet Energy Levels in UVA and UVB Sunscreens", J. Photochem. Photobiol. B: Biol., Vol. 16, pages 337-379 (1992)に記載のように、燐光または酸素摂動の技術によって測定して良い。酸素摂動の技術は、化合物を高圧、すなわち2000psiの酸素下の環境においた場合のUV吸収スペクトルを測定することによる。これらの条件下では、スピン選択則が乱れ、該化合物のUVへの曝露が基底状態の直接励起による最低励起三重項レベルをもたらす。遷移が起こる波長λ(μm)を用いて、等式E=hν(Eがエネルギーであり、hがプランク定数であり、さらにνが電磁波の振動数である)から誘導される、式E=28.635/λから三重項レベルのエネルギー(kcal/mol)を算出する。
蛍光の技術は、励起三重項レベルの不活性化の間に多くの化合物が蛍光発光するという事実に基づく。蛍光の波長を測定することにより、励起三重項レベルエネルギーを前述のように算出してよい。励起三重項エネルギーレベルは、蛍光付属品を取り付けた分光光度計を用いて試料の蛍光スペクトルを測定することによって決定して良い。こうした励起三重項レベルは、例えばA. J. Gordon及びR.A. Ford.による文献"The Chemist Companion", John Wilely & Sons, pages 351-355(1992)等に広く報告されている。
前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルの化合物は、例えば、
(i)ナフタレン誘導体、例えば特許US5993789、US6113931、US6126925、及びUS6284916に記載のもの;
(ii)4−ヒドロキシベンジリデンマロネート誘導体または4−ヒドロキシシンナメート誘導体、例えば特許出願WO03/007906に記載のもの;
(iii)フルオレン誘導体、特許出願US2004 00579912、US2004 00579914、US2004 00579916、及びUS2004 062726に記載のもの;
(iv)ピペリジノール塩、例えば特許出願WO03/103622に記載のもの;
(v)これらの混合物;
から選択される。
本発明によるナフタレン化合物の中では、より好ましく使用されるのは、
(i)下式(III):
Figure 0004473203
のジエステル;
(ii)下式(IV):
Figure 0004473203
のジエステルまたはポリエステル;
(iii)下式(V):
Figure 0004473203
のアルコールでブロックされたジエステルまたはポリエステル;
(iv)これらの混合物であって、式中、
・Rが、同一または相違してよく、直鎖状もしくは分枝状のC−C22アルキル基を示し;
・R及びRが、同一または相違してよく、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキレン基を示し;
・k及びlが、1乃至100の数、好ましくは1乃至10の数、より好ましくは2乃至7の数であるもの;
から選択されるナフタレンジカルボン酸ジエステル及びポリエステルである。
これらの式(III)、(IV)、または(V)のナフタレンジカルボン酸ジエステルまたはポリエステルの中で、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエステルまたはポリエステルが好ましく使用される。
式(V)に該当するポリエステルの中で、2,6−ナフタレンジカルボン酸とトリプロピレングリコールとの反応から生じ、且つ2−ブチルオクタノールでブロックされたものから、また2,6−ナフタレンジカルボン酸とトリプロピレングリコールとジエチレングリコールとの反応から生じ、且つ2−エチルヘキサノールでブロックされた、式(IV)に該当するポリエステルから、選択される。
本発明によるナフタレン誘導体の中で、ジエチルヘキシル=2,6−ナフタレート(INCI名)、例えばC.P. Hall社によりHallbrite TQの商品名で市販の製品が特に使用される。
4−ヒドロキシベンジリデンマロネート誘導体または4−ヒドロキシシンナメート誘導体の中で好ましく使用されるのは、下式(VI):
Figure 0004473203
[式中、
Aは、カルボニル官能基を含む2つの一価の基を含む、UV照射を吸収する色素産生基であり;
は、水素、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基、または直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルコキシ基を示し;
10は、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示す]
のものである。
これらの化合物の中で、好ましく使用されるのは、下式(VIa):
Figure 0004473203
[式中、
は、水素、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基、または直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルコキシ基を示し;
10は、水素原子または直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
11は、−C(O)CH、−CO13、−C(O)NH、及び−C(O)N(R14から選択され、
Xは、OまたはNHを示し、
12は、直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基を示し、
13は、直鎖状もしくは分枝状のC−C20アルキル基を示し、
各R14が、別個に直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
XはOまたはNHを示す]
のものである。
これらの化合物の中で、好ましく使用されるのは、下式(VIb)または(VIc):
Figure 0004473203
[式中、
11は、−CO13を示し、
12は、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
13は、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
XはOを示す]
のものである。
特に使用される化合物は、Merck社によりOxynex STの商品名で市販の製品などの、下式:
Figure 0004473203
を有するジエチルヘキシルシリンジリデンマロネート(INCI名)である。
本発明によるフルオレン誘導体の中では、下式(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、及び(XV):
Figure 0004473203
Figure 0004473203
[式中、
・R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、及びR33基は、同一もしくは相違してよく、任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基;任意に置換されたC−Cシクロアルキル基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のアリール基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のヘテロアリール基;任意に置換されたC−C14複素環アルキル;アミノもしくはシアノ基;下式:
Figure 0004473203
(式中、Rは任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基または任意に置換されたC−Cシクロアルキル基を示す)
のエステル基を示し;
・R34及びR39基は、同一もしくは相違してよく、置換もしくは無置換のジフェニルメチレン;置換もしくは無置換の9H−フルオレンを示し;
・R40基は、任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基;任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30ヒドロキシアルキル基;任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−Cシクロアルキル基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のアリール基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のヘテロアリール基;任意に置換されたC−C14複素環アルキル;任意に置換されたエーテル;アミノ基を示し;
・R41及びR42基は、互いに独立に、水素、任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基;任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−C30ヒドロキシアルキル基;任意に置換された直鎖状もしくは分枝状のC−Cシクロアルキル基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のアリール基;任意に置換された単環式、二環式、または三環式のヘテロアリール基;任意に置換されたC−C14複素環アルキル;アミノ基、シアノ、ヒドロキシル、アミドまたはイミド、ハロゲン、任意に置換されたエーテル、エステル、またはウレタンを示し;
q、r、s、及びtは、1乃至100の数であり、
a、b、c、d、e、及びfは0乃至4の数であり、
uは0乃至100の数である]
の1つに相当するもの、並びにこれら化合物の混合物が好ましく利用される。
特に使用される式(VII)の化合物には、式中R15及びR16が分枝状C−C15アルキル基、とりわけ同時に2−エチルヘキシルを示すもの(すなわち2−エチルヘキシル(9H−フルオレン−9−イリデン)アセテート化合物)がある。
特に使用される式(VIII)の化合物には、式中R17及びR18が分枝状C−C15アルキル基を示すもの、とりわけR22及びR23が同時にイソプロピルまたは2−エチルヘキシルを示す化合物がある。
特に、ジイソプロピルフルオレンマロネート(もしくはジイソプロピル9H−フルオレン−9−イリデンマロネート)及びビス(2−エチルヘキシル)フルオレンマロネート(もしくはビス(2−エチルヘキシル)9H−フルオレン−9−イリデンマロネート)を挙げて良い。
特に使用される式(IX)の化合物には、式中R19及びR20が分枝状C−C20アルキル基を示すもの、とりわけ同時に2−エチルヘキシルを示すものがある。
特に使用される式(XI)の化合物には、式中R23、R24、及びR25が分枝状C−C15アルキル基を示すものがあり、とりわけ式中R23及びR25が同時に2−エチルヘキシルである化合物がある。
特に使用される式(XII)の化合物には、式中R26、R27、及びR28が分枝状C−C15アルキル基を示すものがあり、とりわけ式中R26及びR28が同時に2−エチルヘキシルである化合物がある。
特に使用される式(XIII)の化合物には、式中R35及びR37が分枝状C−C15アルキル基、とりわけ2−メチルプロピルを示し、R36が直鎖状C−C15アルキル基、とりわけn−ブチルを示し;前記R33及びR38基が同時にシアノ基を示し、前記R34及びR39基がジフェニルメチレンを示すものがある。
特に下記構造:
Figure 0004473203
[式中、
t=1、及びuは2乃至10の数である]
を有するポリマーが使用される。
好ましく使用される式(XIV)の前記化合物には、式中e及びfが0であり;R40基が分枝状C−C20アルキル基またはC−C15ヒドロキシアルキル基を示すものがある。
式(XIV)の化合物であって、式中のR40基が、ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル−n−ブチル、1−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルから選択されるヒドロキシアルキルを示すものが使用される。
式(XIV)の化合物であって、e及びfが0である、R40基が2−エチルヘキシルを示すもの、すなわち2−エチルヘキシルシアノ(9H−フルオレン−9−イリデン)アセテート(もしくはオクトフルオレン)化合物が特に使用される。
本発明のピペリジノール塩の中では、下式(XV):
Figure 0004473203
[式中、
は、水素またはメチルを示し、
xは1または2であり、
1)xが1である場合:
は、水素;C−C18アルキル基;C−C18アルケニル基;プロパルギル基;グリシジル基;1乃至20の酸素原子が介在するC−C50アルキル基(前記アルキルは1乃至10のヒドロキシル基で置換されているか、あるいは同時に前記酸素原子が介在し且つ前記ヒドロキシル基に置換されている);カルボキシル基または−COOZ基(ここでZは水素、C−Cアルキル、フェニル、(COOp+基(pは1乃至3の整数であり、Mは周期表の1、2、及び3族、もしくはZn、Cu、Ni、またはCoの金属イオンであり、あるいはまたMはNp+(R”)基(ここでR”はC−Cアルキルまたはベンジルである)である)で置換されたC−Cアルキル)で置換されたC−Cアルキル基を示し;
2)xが2である場合:
R’は、C−C12アルキレン基:C−C12アルケニレン基;キシリレン基;1乃至20の酸素原子が介在するC−C50アルキレン基(前記アルキルは1乃至10のヒドロキシル基で置換されているか、あるいは同時に前記酸素原子が介在し且つ前記ヒドロキシル基に置換されている)であり;
Yは、有機または無機のアニオンを示し;
カチオンyの全電荷は、アニオンzの全電荷と等しい]
のものを好ましく使用して良い。
挙げて良いアニオンYには、ホスフェート、ホスホネート、カルボネート、バイカルボネート、ナイトレート、クロライド、ブロマイド、バイサルファイト、サルファイト、バイサルフェート、ボレート、フォルメート、アセテート、ベンゾエート、シトレート、オキザレート、タルトレート、アクリレート、ポリアクリレート、フマレート、マレエート、イタコネート、グリコレート、グルコネート、マレート、マンデレート、チグレート、アスコルベート、ポリメタクリレート、ニトリロ三酢酸のカルボキシレート、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレンジアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートがある。
特に式(XV)の化合物であって、式中R及びRが水素を示し、x=1であり、Yがシトレートアニオンを示すもの、とりわけ下記構造式:
Figure 0004473203
[式中、y=3]
のトリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)シトレート化合物、例えばCiba-Geigy社により商品名Tinoguard QまたはTinoguard S-FXとして市販の製品が使用される。
本発明のジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物は、組成物全重量に対して0.1乃至25重量%、より好ましくは0.2乃至10重量%、さらにより好ましくは0.2乃至7重量%の範囲の含量で存在してよい。
本発明によれば、ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物/アリールアルキルベンゾエート誘導体の光安定化混合物は、充分量で使用されて、所与の組成物中のジベンゾイルメタン誘導体の光安定性にかなりの顕著な改善をもたらす。使用する光安定化剤のこの最少量は、組成物中に当初存在するジベンゾイルメタンの量により、また組成物に採用した化粧品として許容される支持体の性質により、相違して良い。これは、光安定性の測定のための標準試験を用いて、いかなる困難もなしに測定できる。
本発明の組成物は、水溶性または油溶性または従来使用の化粧品溶媒中に不溶性である、UV−A活性及び/またはUV−B活性の別の有機または無機光保護剤を更に含む。
付加的有機光保護剤は、特にアントラニレート;サリチル酸誘導体、カンファ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;EP669323及びUS2463264に記載のビス−ベンザゾリル誘導体;p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184、及びEP893119に記載のメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP0832642;EP1027883、EP1300137、及びDE10162844に記載のものなどのベンゾキサゾール誘導体;特に特許出願WO93/04665に記載のものなどの遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン;特許出願DE19855649に記載のものなどのα−アルキルスチレンベースのダイマー誘導体;特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980及びEP133981に記載のものなどの4,4−ジアリールブタジエン、及びこれらの混合物から選択される。
付加的有機光保護剤の例としては、これよりINCI名で示すもの及びこれらの混合物を挙げて良い。
(パラ−アミノ安息香酸誘導体)
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
エチルヘキシルジメチルPABA、特にISP社により「Escalol 507」の商品名で市販のもの、
グリセリルPABA、
PEG−25 PABA、BASF社により「Uvinul P25」の名で市販のもの。
(サリチル酸誘導体)
ホモサレート、Rona/EM Industriesにより「Eusolex HMS」の名で市販のもの、
エチルヘキシルサリチレート、Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan OS」の名で市販のもの、
ジプロピレングリコールサリチレ−ト、Scherにより「Dipsal」の名で市販のもの、
TEAサリチレート、Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan TS」の名で市販のもの。
(β,β−ジフェニルアクリレート誘導体)
オクトクリレン、特にBASFにより商品名「Uvinul N539」で市販のもの、
エトクリレン、特にBASFにより商品名「Uvinul N35」で市販のもの。
(ベンゾフェノン誘導体)
ベンゾフェノン−1、BASFにより「Uvinul 400」の商品名で市販のもの、
ベンゾフェノン−2、BASFにより「Uvinul D50」の商品名で市販のもの、
ベンゾフェノン−3もしくはオキシベンゾン、BASFにより「Uvinul M40」の商品名で市販のもの、
ベンゾフェノン−4、BASFにより「Uvinul MS40」の商品名で市販のもの、
ベンゾフェノン−5、
ベンゾフェノン−6、Norquayにより「Helisorb 11」の商品名で市販のもの、
ベンゾフェノン−8、American Cyanamidにより「Spectra-Sorb UV-24」の商品名で市販のもの、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、Fairmount Chemicalにより「MIXXIM BB/100」の商品名で市販のもの、または
水性分散物としての微小化形態、Ciba Specialty Chemicalsにより「Tinosorb M」の商品名で市販のもの。
(トリアジン誘導体)
エチルヘキシルトリアゾン、特にBASFにより「Uvinul T150」の商品名で市販のもの、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、Sigma 3Vにより「Uvasorb HEB」の商品名で市販のもの、
2,4,6−トリス(ジイソブチル=4’−アミノベンザルマロネート)−S−トリアジン。
(アントラニン酸誘導体)
メンチルアントラニレート、Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan MA」の商品名で市販のもの。
(イミダゾリン誘導体)
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
(ベンザルマロネート誘導体)
ポリオルガノシロキサン含有ベンザルマロネート官能、例えばHoffmann LaRocheにより「Parsol SLX」の商品名で市販のポリシリコーン−15。
(4,4−ジアリールブタジエン誘導体)
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン。
(ベンゾキサゾール誘導体)
Sigma 3VによりUvasorb K2Aの名で市販の2,4−ビス[5−(1−ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン。
好ましい付加的有機光保護剤は、下記より選択される。
エチルヘキシルサリチレート、
オクトクリレン、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン−3、
ベンゾフェノン−4、
ベンゾフェノン−5、
n−ヘキシル=2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4−メチルベンジリデンカンファ、
テレフタリリデンジカンファスルホン酸、
二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン−15,
1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン、
2,4−ビス[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン、及び
これらの混合物。
付加的な無機光保護剤は、顔料から、更に好ましくは処理もしくは未処理の金属酸化物のナノ顔料(一次粒子の平均径:一般的に5nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至50nm)、例えば酸化チタン(アモルファスまたはルチル型及び/またはアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、または酸化セリウムのナノ顔料から選択される。
処理ナノ顔料とは、例えばCosmetics&Toiletries, February 1990, Vol. 105, pp.53-64に記載のものなどの化合物、例えばアミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、もしくはアルミニウムの塩、金属(チタンもしくはアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲンもしくはエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ナトリウムヘキサメタホスフェート、アルミナまたはグリセロールを用いる、化学的、電気的、機械化学的、及び/または機械的な性質の1つ以上の表面処理を経た顔料である。
処理ナノ顔料は、とりわけ、下記のもので処理した酸化チタンであって良い:
・ シリカ及びアルミナ、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」及び「Microtitanium Dioxide MT 100 SA」、及びTioxide社製の製品「Tioveil Fin」、「Tioveil OP」、「Tioveil MOTG」、及び「Tioveil IPM」、
・ アルミナ及びアルミニウムステアレート、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T」、
・ アルミナ及びアルミニウムラウレート、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」、
・ 酸化鉄及び鉄ステアレート、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」、
・ シリカ、アルミナ、及びシリコーン、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」、
・ ナトリウムヘキサメタホスフェート、例えばTayca社製の製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」、
・ オクチルトリメトキシシラン、例えばDegussa社製の製品「T-805」、
・ アルミナ及びステアリン酸、例えばKemira社製の製品「UVT-M160」、
・ アルミナ及びグリセロール、例えばKemira社製の製品「UVT-M212」、
・ アルミナ及びシリコーン、例えばKemira社製の製品「UVT-M262」。
シリコーンで処理した別の酸化チタンナノ顔料は、好ましくは成分(Elementis)で処理したTiO2であり;
・Nanophase Technologies社により「Nanogard WCD 2025」の名で市販のものである。
被覆酸化亜鉛ナノ顔料は、例えば以下のものである。
・ Toshibi社により「Zinc Oxide CS-5」の名で市販のもの(ポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆したZnO);
・ Nanophase Technologies社により「Nanogard Zinc Oxide FN」の名で市販のもの(Finsolv TN、C12-C15アルキルベンゾエート中の40%分散物として);
・ Daito社により「Daitopersion ZN-30」及び「Daitopersion ZN-50」の名で市販のもの(シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散物、シリカ及びポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆したナノ亜鉛酸化物30%または50%を含有);
・ Daikin社により「NFD Ultrafine ZNO」の名で市販のもの(シクロペンタシロキサン中の分散物としての、ペルフルオロアルキルホスフェート及びペルフルオロアルキルエチルを主成分とするコポリマーで被覆したZnO);
・ Shin-Etsu社により「SPD-Z1」の名で市販のもの(シクロジメチルシロキサン中に分散したシリコーングラフト化アクリルポリマーで被覆したZnO);
・ ISP社により「Escalol Z100」の名で市販のもの(エチルヘキシルメトキシシンナメート/PVP−ヘキサデセン/メチコーンコポリマー混合物中に分散させたアルミナ処理ZnO);
・ Fuji Pigment社により「Fuji ZNO-SMS-10」の名で市販のもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆したZnO);
・ Elementis社により「Nanox Gel TN」の名で市販のもの(C12-C15アルキルベンゾエート中にヒドロキシステアリン酸重縮合物と共に55%の濃度で分散したZnO)。
未被覆酸化セリウムナノ顔料は、Rhone-Poulenc社により「Colloidal Cerium Oxide」の名で市販のものである。
未被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えばArnaud社により「Nanogard WCD 2002(FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ)」、「Nanogard FE 45R AQ」、及び「Nanogard WCD 2006(FE 45R)」名で市販のもの、またはMitsubishi社により「TY-220」の名で市販のものである。
被覆酸化鉄ナノ顔料は、例えば、Arnaud社により「Nanogard WCD 2008(FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009(FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、及び「Nanogard FE 45 BL」の名で市販のもの、またはBASF社により「Transparent Iron Oxide」の名で市販のものである。
金属酸化物の混合物、とりわけIkeda社により「Sunveil A」の名で市販のシリカ被覆した二酸化チタンと二酸化セリウムとの同量混合物を含む、二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物、並びにアルミナ、シリカ、及びシリコーン被覆した二酸化チタンと二酸化亜鉛との混合物、例えばKemira社により市販の製品「M 261」、あるいはアルミナ、シリカ、及びグリセロール被覆した二酸化チタンと二酸化亜鉛との混合物、例えばKemira社により市販の「M211」もまた挙げて良い。
ナノ顔料は、本発明の組成物に無変性形態または顔料ペーストの形態で、すなわち例えば文献GB−A−2206339に記載のように分散剤との混合物として導入して良い。
付加的光保護剤は、一般的に、本発明の組成物中に、組成物全重量に対して0.01乃至20重量%の割合で、好ましくは組成物全重量に対して0.1乃至10重量%の割合で存在する。
本発明による組成物は、皮膚を人工的に日焼け及び/又は褐色化させる薬剤(自己日焼け剤)、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含んでよい。これらは、組成物全重量に対して0.1乃至10重量%の範囲の量で存在する。
本発明による組成物は、脂肪物質、有機溶媒、イオン性もしくは非イオン性で親水性もしくは親油性の増粘剤、柔軟剤、湿潤薬、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、起泡防止剤、香料、保存料、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、もしくは両性の界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー、推進剤、及び酸性化もしくは塩基性化剤、または化粧品及び/または皮膚科用に通常使用されるあらゆる成分から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含んでよい。
脂肪物質は、オイルまたはワックスまたはこれらの混合物からなるものであって良い。「オイル」なる語は、室温で固体または実質的に固体であり、その融点が一般的に35℃よりも高い化合物を意味する。
挙げて良いオイルには、鉱物オイル(パラフィン);植物オイル(スウィートアーモンドオイル、マカダミアオイル、グレープシードオイル、またはホホバオイル);合成オイル、例えばペルヒドロスクアレン、脂肪アルコール、脂肪酸、または脂肪エステル(例えばWitco社により「Finsolv TN」または「Witconol TN」の商品名で市販のC12-C15アルキルベンゾエート、オクチルパルミテート、イソプロピルラノレート、及びカプリル/カプリン酸トリグリセリドを含むトリグリセリド)、オキシエチレン化もしくはオキシプロピレン化脂肪エステル及びエーテル;シリコーンオイル(シクロメチコーン及びポリジメチルシロキサン、またPDMS)、またはフッ化オイル、及びポリアルキレンが含まれる。
挙げて良いワックス様化合物には、パラフィン、カルナウバワックス、ミツロウ、及び水素添加ひまし油が含まれる。
挙げて良い有機溶媒には、低級アルコール及びポリオールがある。これらのポリオールは、グリコール及びグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、またはジエチレングリコールから選択されて良い。
挙げて良い親水性増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopol製品(カーボマー)及びPemulen製品(アクリレート/C10-C30-アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えばSEPPIC社によりSepigel 305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/Laureth 7)またはSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名で市販の架橋コポリマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマーであって、任意に架橋及び/または中和されているもの、例えばHoechst社により「Hostacerin AMPS」(CTFA名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド)の名で市販のポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸);セルロースベースの誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖類、特にガム、例えばキサンタンガム;及びこれらの混合物が含まれる。
挙げて良い親油性増粘剤には、変性粘土、例えばヘクトライト及びその誘導体、例えばベントンの名で市販の製品などが含まれる。
挙げて良い活性剤には、下記のものが含まれる。
・ 抗汚染剤及び/またはフリーラジカル捕捉剤;
・ 脱色剤及び/または着色促進剤;
・ 抗グリケーション剤;
・ NOシンターゼ阻害剤;
・ 真皮及び表皮の巨大分子の合成を促進する且つ/またはその劣化を予防する剤;
・ 線維芽細胞増殖促進剤;
・ ケラチノサイト増殖促進剤;
・ 筋弛緩剤;
・ 伸張(tensioning)剤;
・ 剥離剤;
・ モイスチャライザー;
・ 抗炎症剤;
・ 細胞の熱量代謝に作用する剤;
・ 防虫剤;
・ サブスタンスPまたはCGRPアンタゴニスト。
言うまでもないが、当業者は、上述の任意の付加的化合物及び/またはこれらの量を、行おうとする添加によって、本発明による組成物に本来的に備わっている有利な特性を損なうことのないよう、または実質的に損なうことのないように選択する。
本発明による組成物は、当業者には周知の技術、とりわけ水中油型または油中水型のエマルションの調製を企図するものにしたがって調製してよい。これらは特に、単純または複合エマルション(O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/Wエマルション)の形態、例えばクリームまたは乳剤、ゲルまたはクリームゲルの形態、ローション、パウダーまたは固体チューブの形態であってよく、任意にエアロゾルとして実装してもよく、ムースまたはスプレーの形態であってよい。
本発明による組成物は、好ましくは水中油型または油中水型エマルションの形態である。
エマルションは、一般的に、単独または混合物として使用される両性、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性の乳化剤から選択される少なくとも一つの乳化剤を含む。
W/Oエマルションの調製に使用してよい乳化界面活性剤として挙げてよい例には、ソルビタン、グリセロール、または糖アルキルエステルもしくはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えばDow Corning社により「DC 5225 C」の名で市販のシクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物等のジメチコーンコポリオール、例えばDow Corning社により「Dow Corning 5200 Formulation Aid」の名で市販のラウリルメチコーンコポリオール等のアルキルジメチコーンコポリオール;セチルジメチコーンコポリオール、例えばGoldschmidt社によりAbil EM 90Rの名で市販の製品、及びGoldschmidt社によりAbil WE 09の名で市販のセチルジメチコーンコポリオールとポリグリセリルイソステアレート(4mol)とヘキシルラウレートとの混合物が含まれる。
ここには1つ以上の共乳化剤を更に加えてもよく、これはポリオールアルキルエステルを含む群より有利に選択してよい。特に挙げて良いポリオールアルキルエステルには、グリセロール及び/またはソルビタンエステル、例えばポリグリセリルイソステアレート、例えばGoldschmidt社によりIsolan GI 34の名で市販の製品、ソルビタンイソステアレート、例えばICI社によりArlacel 987の名で市販の製品、ソルビタングリセリルイソステアレート、例えばICI社によりArlacel 986の名で市販の製品、及びこれらの混合物が含まれる。
O/Wエマルション用として挙げて良い乳化剤の例には、非イオン性乳化剤、例えばグリセロールのオキシアルキレン化(特にポリオキシアルキレン化)脂肪酸エステル;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/またはオキシプロピレン化)脂肪アルキルエーテル;糖エステル、例えば蔗糖ステアレート;糖の脂肪アルキルエーテル、とりわけポリアルキルグルコシド(APG)、例えばHenkel社によりPlantaren 2000、Plantaren 1200の名でそれぞれ市販のデシルグルコシド及びラウリルグルコシド、任意にセトステアリルアルコールとの混合物としてセトステアリルグルコシド、例えばSEPPIC社によりMontanov 68の名で市販のもの、Goldschmidt社によりTegocare CG90の名で市販のもの、及びHenkel社によりEmulgade KE3302の名で市販のもの、並びにアラキジルグルコシド、例えばアラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態で、SEPPIC社によりMontanov 202の名で市販のものが含まれる。本発明の特段の実施態様によれば、対応する脂肪アルコールにより以上に定義されるアルキルポリグルコシドの混合物は、例えば文献WO−A−92/06778に記載のように自己乳化組成物の形態であっても良い。
エマルションである場合には、このエマルションの水性相は、既知の方法(Bangham, Standish and Watkins, J. Mol. Biol. 13, 238 (1965)、FR2315991及びFR2416008)にしたがって調製される非イオン性小胞分散物を含んで良い。
本発明の組成物は、多数の処置、とりわけ皮膚、唇、及び頭皮を含む髪の美容処置、特に皮膚、唇、及び/または髪の保護及び/またはケア、並びに皮膚及び/または唇のメイクアップに応用を見出すものである。
本発明の別の主題は、皮膚、唇、爪、髪、睫、眉毛、及び/または頭皮の処置のための化粧品、とりわけケア製品及びメイクアップ製品の製造のための、以上に定義される本発明による組成物の使用からなる。
本発明の化粧品組成物は、例えば顔及び/または身体のためのケア製品及び/または抗日光製品として、液体−半液体の稠度のもの、例えば乳剤、多少によらず濃厚なクリーム、クリームゲル、及びペーストとして使用してよい。これらは任意にエアロゾルとして実装してよく、ムースまたはスプレーの形態であってよい。
本発明による揮発可能な流動ローションの形態の組成物は、加圧装置を利用して微細な粒子の形態で皮膚または髪に適用される。本発明の装置は当業者に周知のものであって、非エアロゾルポンプもしくは「アトマイザー」、推進剤を含むエアロゾル容器、並びに加圧気体を推進剤として使用するエアロゾルポンプを含む。後者のポンプは、特許US4077441及びUS4850517(これらは詳細な説明の必須の部分を成すこととする)に記載されている。
本発明によるエアロゾル形態に実装された組成物は、一般的に従来の推進剤、例えばヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n−ブタン、プロパン、またはトリクロロフルオロメタンを含む。これらは好ましくは組成物全重量に対して15乃至50重量%の範囲の量で存在する。
本発明を詳説し、具体的ではあるがなんら限定的ではない実施例を以下に与える。
(組成物実施例1及び2)
下記の組成物を調製した。量は重量パーセントで表記した。
Figure 0004473203
(方法)
その成分全てを含む水性相(B相)を水浴中で80℃に加熱する。その成分全てを含む脂肪相(A相)を水浴中で80℃に加熱する。AをB中でローター-スターラータイプ(Moritz社製の機器)の攪拌と共に乳化させる。C相を導入し、混合物を穏やかに攪拌しつつ室温に冷却する。トリエタノールアミンを導入して製造終了時に望まれる値にpHを調整する。

Claims (16)

  1. 化粧品として許容される支持体中に、
    (a)・2−メチルジベンゾイルメタン、
    ・4−メチルジベンゾイルメタン、
    ・4−イソプロピルジベンゾイルメタン、
    ・4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、
    ・2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、
    ・2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、
    ・4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、
    ・4,4’−ジメトキシジベンゾイルメタン、
    ・4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
    ・2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
    ・2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
    ・2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
    ・2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
    から選択される、ジベンゾイルメタン誘導体タイプの少なくとも1つのUV遮蔽剤、及び
    (b)下式:
    Figure 0004473203
    の2−フェニルエチルベンゾエート、及び
    (c)(ii)下式(VIa):
    Figure 0004473203
    [式中、
    11は、−C(O)CH、−CO13、−C(O)NH、及び−C(O)N(R14から選択され、
    Xは、OまたはNHを示し、
    12は、直鎖状もしくは分枝状のC−C30アルキル基を示し、
    13は、直鎖状もしくは分枝状のC−C20アルキル基を示し、
    各R14が、別個に直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
    は、水素、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基、または直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルコキシ基を示し、
    10は、水素、または直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示す]
    のもの、あるいは下式(VIb)または(VIc):
    Figure 0004473203
    [式中、
    11は、−CO13を示し、
    12は、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
    13は、直鎖状もしくは分枝状のC−Cアルキル基を示し、
    XはOを示す]
    のものから選択される、4−ヒドロキシベンジリデンマロネート誘導体または4−ヒドロキシシンナメート誘導体
    iv)ピペリジノール塩;
    (v)これらの混合物;
    から選択される、前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる少なくとも1つの化合物、
    を含むことを特徴とする、皮膚、唇、爪、髪、睫、眉毛、及び/または頭皮への使用のための光保護組成物。
  2. 前記ジベンゾイルメタン誘導体が、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンもしくはブチルメトキシジベンゾイルメタンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記2−フェニルエチルベンゾエートが、組成物全重量に対して0.1乃至40重量%の含量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ジベンゾイルメタン誘導体が、組成物全重量に対して0.01乃至10重量%の含量で存在する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物が、40kcal/mol乃至70kcal/molの励起三重項レベルエネルギーを有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 式(VIb)の化合物は、下式:
    Figure 0004473203
    を有するジエチルヘキシルシリンジリデンマロネートである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記ピペリジノール塩が、下式(XV):
    Figure 0004473203
    [式中、
    は、水素またはメチルを示し、
    xは1または2であり、
    1)xが1である場合:
    は、水素;C−C18アルキル基;C−C18アルケニル基;プロパルギル基;グリシジル基;1乃至20の酸素原子が介在するC−C50アルキル基(前記アルキルは1乃至10のヒドロキシル基で置換されているか、あるいは同時に前記酸素原子が介在し且つ前記ヒドロキシル基に置換されている);カルボキシル基または−COOZ基(ここでZは水素、C−Cアルキル、フェニル、(COOp+基(pは1乃至3の整数であり、Mは周期表の1、2、及び3族、もしくはZn、Cu、Ni、またはCoの金属イオンであり、あるいはまたMはNp+(R”)基(ここでR”はC−Cアルキルまたはベンジルである)である)で置換されたC−Cアルキル)で置換されたC−Cアルキル基を示し;
    2)xが2である場合:
    R’は、C−C12アルキレン基:C−C12アルケニレン基;キシリレン基;1乃至20の酸素原子が介在するC−C50アルキレン基(前記アルキルは1乃至10のヒドロキシル基で置換されているか、あるいは同時に前記酸素原子が介在し且つ前記ヒドロキシル基に置換されている)であり;
    Yは、有機または無機のアニオンを示し;
    カチオンyの全電荷は、アニオンzの全電荷と等しい]
    のものから選択される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 式(XV)の前記化合物が、式中R及びRが水素を示し、x=1であり、Yがシトレートアニオンを示すものである、請求項に記載の組成物。
  9. 式(XV)の前記化合物が、下記構造式:
    Figure 0004473203
    [式中、y=3]
    のトリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)シトレートである、請求項に記載の組成物。
  10. ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる前記化合物が、組成物全重量に対して0.1乃至25重量%の範囲の含量で存在する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物。
  11. アントラニレート;サリチル酸誘導体、カンファ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;ビス−ベンザゾリル誘導体;p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;ベンゾキサゾール誘導体;遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン;α−アルキルスチレンベースのダイマー誘導体;4,4−ジアリールブタジエン、及びこれらの混合物から選択される別の有機光保護剤または、処理または未処理の酸化金属顔料またはナノ顔料である別の無機光保護剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記有機UV遮蔽性剤が、下記の化合物:
    エチルヘキシルサリチレート、
    オクトクリレン、
    フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
    ベンゾフェノン−3、
    ベンゾフェノン−4、
    ベンゾフェノン−5、
    n−ヘキシル=2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
    4−メチルベンジリデンカンファ、
    テレフタリリデンジカンファスルホン酸、
    二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、
    メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
    エチルヘキシルトリアゾン、
    ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
    ドロメトリゾールトリシロキサン、
    ポリシリコーン−15,
    1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン、
    2,4−ビス[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン、及び
    これらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記顔料またはナノ顔料が、処理または未処理の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニム、及び酸化セリウム、及びこれらの混合物であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  14. 皮膚の人工日焼け及び/または褐色化のための少なくとも1つの作用剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 脂肪物質、有機溶媒、イオン性もしくは非イオン性で親水性もしくは親油性の増粘剤、柔軟剤、湿潤薬、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、起泡防止剤、香料、保存料、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、もしくは両性界面活性剤、フィラー、ポリマー、推進剤、及び酸性化もしくは塩基性化剤から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に定義されるジベンゾイルメタン誘導体の、2−フェニルエチルベンゾエートと請求項1乃至15のいずれか一項に定義される前記ジベンゾイルメタン誘導体の励起三重項レベルエネルギーを受容しうる化合物との組合せによる、UV照射に対する光安定化方法。
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