JP4323648B2 - 車高調整機構付きダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車高調整機構付きダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車高調整機構付きダンパとして、特開平9-137846号公報に記載の如く、ダンパシリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドにピストンボルトを螺着し、ピストンボルトに取着したピストンによりダンパシリンダ内に2つの油室を画成し、ダンパシリンダの一方の油室と連通するリザーバ室と、ダンパシリンダの油室及びリザーバ室と仕切られた低圧室を備え、低圧室の油をダンパシリンダの油室に供給するポンプを有してなるものがある。
【0003】
そして、従来技術では、ポンプが、ダンパシリンダのピストンロッドが挿入される側と反対側の端部から該ダンパシリンダ内に起立せしめられるポンプロッドと、ピストンロッドの中空部内に挿入され、ピストンボルトに衝合保持されるとともに、ポンプロッドを摺動可能に受容し、該ポンプロッドとの間にポンプ室を形成するポンプチューブと、ポンプロッドに設けられ、低圧室からポンプ室への油の流れのみを許容する吸込用逆止弁を備えた吸込口と、ポンプチューブに設けられ、ポンプ室からダンパシリンダの油室への油の流れのみを許容する吐出用逆止弁を備えた吐出口とを有して構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来技術では、ポンプの吐出口を、ポンプチューブとピストンロッドの間の吐出路から、ピストンロッドに穿設した連絡孔を介してダンパシリンダの油室に連通している。このため、強度部材としてのピストンロッドに孔あけ加工する必要があり、ピストンロッドの強度も損なう。
【0005】
本発明の課題は、車高調整機構付きダンパにおいて、ポンプの吐出路を簡易に形成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、ダンパシリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドにピストンボルトを螺着し、ピストンボルトに取着したピストンによりダンパシリンダ内に2つの油室を画成し、ダンパシリンダの一方の油室と連通するリザーバ室と、ダンパシリンダの油室及びリザーバ室と仕切られた低圧室を備え、低圧室の油をダンパシリンダの油室に供給するポンプを有してなる車高調整機構付きダンパにおいて、前記ポンプがダンパシリンダのピストンロッドが挿入される側と反対側の端部から該ダンパシリンダ内に起立せしめられるポンプロッドと、ピストンロッドの中空部内に挿入され、ピストンボルトに衝合保持されるとともに、ポンプロッドを摺動可能に受容し、該ポンプロッドとの間にポンプ室を形成するポンプチューブと、ポンプロッドに設けられ、低圧室からポンプ室への油の流れのみを許容する吸込用逆止弁を備えた吸込口と、ポンプチューブに設けられ、ポンプ室からダンパシリンダの油室への油の流れのみを許容する吐出用逆止弁を備えた吐出口とを有し、前記吐出口が、ポンプチューブとピストンロッドの間の吐出路、ポンプチューブとピストンボルトの間の吐出路、ピストンボルトとポンプロッドの間の吐出路を介してダンパシリンダの油室に連通せしめられてなる車高調整機構付きダンパであって、前記ポンプチューブとピストンボルトの間の吐出路が、ポンプチューブのピストンボルトへの衝合端に形成された連絡路にて形成されるようにしたものである。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記ダンパシリンダをアウタチューブに挿入した2重管構造とし、ダンパシリンダとアウタチューブの間に低圧室を形成してなり、アウタチューブのピストンロッド挿通部にメインシールを設けるとともに、ダンパシリンダのピストンロッド挿通部にサブシールを設け、ダンパシリンダの油室からサブシールを経て低圧室に通ずる漏洩回収路を形成してなるようにしたものである。
【0009】
【作用】
請求項1の発明によれば下記(a)、(b)の作用がある。
(a)ポンプの吐出口を、ポンプチューブとピストンロッドの間の吐出路A、ポンプチューブとピストンロッドの間の吐出路B、ピストンボルトとポンプロッドの間の吐出路Cを介してダンパシリンダの油室に連通した。吐出路Aはピストンロッドのポンプチューブ挿入用の孔を利用し、吐出路Cはピストンボルトのポンプロッド挿入用の孔を利用でき、吐出路Bはポンプチューブ及び/又はピストンボルトに簡易に形成できる。従って、強度部材としてのピストンロッドに吐出路を孔あけ加工する必要がなく、ポンプの吐出路を簡易に形成できる。
【0010】
(b)前述(a)吐出路C(連絡路)を、ポンプチューブのピストンボルトへの衝合端に切欠形成する等により簡易に形成できる。
【0011】
請求項2の発明によれば下記(c)の作用がある。
(c)アウタチューブとダンパシリンダのピストンロッド挿通部のそれぞれにメインシールとサブシールを設け、ダンパシリンダの油室からサブシールを経て低圧室に通ずる漏洩回収路を設けた。ダンパでは、ポンプが圧送する油圧によりダンパシリンダの油室が高圧になり、ダンパシリンダのピストンロッド挿通部を通る油も高圧になるので、メインシールが破損する虞がある。本発明では、ダンパシリンダのピストンロッド挿通部を通る油がサブシールで減圧され、漏洩回収路から低圧室へ回収されるものとなり、メインシールに直接高圧油が作用することを回避でき、メインシールの破損を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はダンパを示す断面図、図2はダンパの下部拡大断面図、図3はダンパの上部拡大断面図、図4はダンパのピストンロッドシール構造を示す要部断面図、図5はダンパのピストンボルト周辺構造を示す要部断面図、図6はポンプチューブを示す断面図である。
【0013】
車高調整機構付きダンパ10は、図1〜図3に示す如く、アウタチューブ11にダンパシリンダ12を挿入した2重管構造であり、ダンパシリンダ12の上端開口部に挿着したロッドガイド13(ブッシュ13A)にピストンロッド14を挿入し、ピストンロッド14の下端部にピストンボルト15を螺着し、ピストンボルト15に取着したピストン16によりダンパシリンダ12内に2つの油室17A、17Bを画成する。アウタチューブ11の上端開口部にはシールケース18が挿着され、アウタチューブ11の上端加締め部はシールケース18、平板19、ロッドガイド13をダンパシリンダ12の上端面との間に挟持する。
【0014】
ダンパ10は、アウタチューブ11とダンパシリンダ12の間隙を低圧室20とし、ダンパシリンダ12の下端開口部をボトムキャップ21により閉塞し、アウタチューブ11の下端開口部をダンパキャップ22により閉塞する。低圧室20には規定量の油と低圧ガスを封入してある。ダンパキャップ22はアウタチューブ11の下端部に溶接され、ボトムキャップ21をダンパシリンダ12の下端面との間に挟持する。ダンパキャップ22にはリザーバ23が取着される。
【0015】
ダンパ10は、ピストンロッド14の上端部に車体側取付部24を備え、ダンパキャップ22に車輪側取付部25を備える。アウタチューブ11はバンプストッパ26を備え、最圧縮時にピストンロッド14が備える圧側バンパ27にこのバンプストッパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制する。また、ピストンロッド14はピストンボルト15のフランジの上にリバウンドラバー28を備え、最伸長時に、このリバウンドラバー28をロッドガイド13の端面に衝合して最伸長ストロークを規制する。
【0016】
ダンパシリンダ12に挿入されたピストンロッド14の端部には、図2、図4に示す如く、前述のピストンボルト15が螺着され、ピストンボルト15の外周に前述のピストン16を備える。ピストン16はシリンダ12に摺動可能に嵌挿され、シリンダ12内を上油室17Aと下油室17Bとに区画する。ピストン16は上油室17Aと下油室17Bとを連絡する縮み側流路31と伸び側流路32(不図示)を備え、縮み側流路31にはピストンロッド11の縮み時に開いて減衰力を発生させるディスクバルブ状の縮み側バルブ31Aを備え、伸び側流路32にはピストンロッド14の伸び時に開いて減衰力を発生させるディスクバルブ状の伸び側バルブ32Aを備える。このとき、ピストン16と縮み側バルブ31A、伸び側バルブ32Aは、バルブストッパ33A、33B、ワッシャ34とともにピストンボルト15に装着されてナット35で固定されるものであり、このピストンボルト15をピストンロッド14に螺着して組付けられる。
【0017】
アウタチューブ11に挿着される前述のシールケース18は、図4に示す如く、Oリング41を外周に、オイルシールからなるメインシール42、ダストシール43をピストンロッド14に摺接させる状態で内周に備える。そして、ダンパシリンダ12に挿着されるロッドガイド13の内周には、Oリング44でバックアップされるテフロンリングからなるサブシール45がピストンロッド14に摺接する状態で設けられる。更に、後述するポンプ60の存在により高圧になる上油室17Aの油は、ロッドガイド13のブッシュ13A、サブシール45、シールケース18の下端面に設けた溝状油路46、ロッドガイド13の外周に設けたチェックリップ47(アウタチューブ11の内周に接する)を経由する漏洩回収路48により低圧室20に回収される。
【0018】
リザーバ23は、図2に示す如く、ダンパキャップ22にOリング51を介して嵌着され、フリーピストン52を備え、フリーピストン52によってリザーバ室53Aとガス室53Bに区画され、リザーバ室53Aの油をガス室53Bの高圧ガスにより加圧している。リザーバ23のリザーバ室53Aは、ダンパキャップ22に設けた連絡路54Aを介してダンパキャップ22の油室54に連通し、更にボトムキャップ21に設けた連絡路54Bを介してダンパシリンダ12の下油室17Bに連通している。即ち、ピストンロッド14の縮み時には、ダンパシリンダ12に進入するピストンロッド14の進入容積分の油が下油室17Bから連絡路54A、54B、油室54を経てリザーバ室53Aへ押出される。また、ピストンロッド14の伸び時には、ダンパシリンダ12から退出するピストンロッド14の退出容積分の油がリザーバ室53Aから連絡路54A、54B、油室54を経て下油室17Bへ供給される。
【0019】
ボトムキャップ21は、Oリング55を介してダンパキャップ22に嵌合され、ダンパシリンダ12の油室17A、17Bとリザーバ23のリザーバ室53Aを、低圧室20に対して仕切る。このとき、ボトムキャップ21には、ダンパシリンダ12の下油室17B及びリザーバ室53Aを低圧室20に連絡するリリーフ通路56が設けられ、このリリーフ通路56にはリリーフ弁57が設けられている。リリーフ弁57は、ダンパシリンダ12の下油室17B及びリザーバ室53Aの圧力が低圧室20の圧力に対してなす差圧が所定値を超えたときに弾発的に撓み変形して開き、ダンパシリンダ12の内圧が過度の上昇するのを回避する。
【0020】
しかるに、ダンパ10にあっては、低圧タンク室20の油をシリンダ12内に供給するポンプ装置60を有する。ポンプ装置60は、シリンダ12の下端部に設けた前述のボトムキャップ21に固定されてシリンダ12内に起立せしめられるポンプロッド61を、ピストンロッド14の下端側から穿設した中空部14A内に流路を介するように挿入されたポンプチューブ63内に摺動可能に嵌合し、このポンプチューブ63内にポンプ室62を形成している。
【0021】
ポンプロッド61は、ボトムキャップ21に設けた凹部に突き立てられ、その下端外周に係着したストッパリング61Aをボトムキャップ21の該凹部に圧入した固定リング61Bにより抜け止め保持している。ポンプロッド61のストッパリング61A以下の下端部は樹脂製バックアップリング61C、Oリング61Dを介してボトムキャップ21の該凹部に直径方向に弾性的に支持されている。ボトムキャップ21は、低圧室20をポンプロッド61の後述する吸込路64に連通する連絡路21Aを備える。
【0022】
ポンプチューブ63は、図5に示す如く、ピストンロッド14に螺着された前述のピストンボルト15に設けたチューブ支持部15Aに遊挿される状態で、ピストンロッド14の中空部14Aに挿入され、ピストンロッド14の中空部14Aの奥端部に装填されたばね66のばね力を、後述する吐出用逆止弁67、ポンプチューブ63の外周に設けたストッパリング63Aを介して付与され、チューブ支持部15Aの段差部に衝合保持される。このとき、ポンプチューブ63は、吐出用逆止弁67の籠状ばね受67Cが嵌合し、このばね受67Cがピストンロッド14の中空部14Aに嵌合することにより、結果としてピストンロッド14とその中空部14Aにセンタリングされる。そして、ポンプチューブ63は、ポンプロッド61が挿入される下端開口をピストンボルト15の中空部15Bを介してダンパシリンダ12の下油室17Bに開放する。また、ポンプチューブ63は、ピストンロッド14の中空部14Aとの間に流路(吐出路80A)を形成する。
【0023】
ポンプロッド61は全長に貫通されてボトムキャップ21の連絡路21A、ひいては低圧室20に連通する吸込路64(吸込口64A)を備え、吸込路64の上端部に吸込用逆止弁65を備える。吸込用逆止弁65は、ポンプロッド61の上端部で吸込路64を開閉する弁体65Aと、この弁体65Aが吸込路64を閉じるように弁体65Aをポンプ室62の側から押圧する弁ばね65Bとからなり、低圧室20からポンプ室62への油の流れのみを許容する。65Cは籠状ばね受である。
【0024】
ポンプチューブ63はピストンロッド14の中空部14Aとの間に吐出路80Aを形成するとともに、ポンプチューブ63の上端開口部であるポンプ室62の吐出口62Aに吐出用逆止弁67を備える。吐出用逆止弁67は、ポンプ室62の吐出口62Aを開閉する弁体67Aと、この弁体67Aが吐出口62Aを閉じるように弁体67Aをポンプ室62の反対側から押圧する弁ばね67Bとからなり、ポンプ室62からダンパシリンダ12の下油室17Bへの油の流れのみを許容する。67Cは籠状ばね受である。
【0025】
ここで、ポンプ60は、ポンプ室60の吐出口62Aを、ポンプチューブ63とピストンロッド14の中空部14Aの間の吐出路80A、ポンプチューブ63とピストンボルト15のチューブ支持部15Aの間の吐出路80B、ポンプチューブ63の下端面とピストンボルト15のチューブ支持部15Aの段差部との衝合部の吐出路80C、ピストンボルト15の中空部15Bとポンプロッド61の間の吐出路80Dを介して、ダンパシリンダ12の下油室17Bに連通せしめる。ポンプチューブ63は、図6に示す如く、ピストンボルト15のチューブ支持部15Aの段差部への衝合端(下端面)の周方向複数位置に切欠状連絡路を形成し、これを上述の吐出路80Cとしている。
【0026】
尚、ポンプロッド61は、基端部側の外径をポンプチューブ63の内径部に液密に摺接する大外径部68とし、先端部側の外径を小外径部69とし、大外径部68と小外径部69の間の一定長さ範囲をテーパ状の標準通路形成部70とし、小外径部69の軸方向の単一もしくは複数位置にオリフィス状の戻し通路71を設けてある。即ち、ポンプ装置60は、ピストンロッド14が所定の標準車高位置よりも低い低車高位置にある状態で、ポンプロッド61の大外径部68をポンプチューブ63内で上下動してポンピング動作し、シリンダ12の油室17A、17B、リザーバ室53Aを加圧する。これに対し、ポンプ装置60は、ピストンロッド14が所定の標準車高位置まで伸びたとき、ポンプロッド61の標準通路形成部70をポンプチューブ63の下端開口以下に臨ませて、ポンプロッド61とポンプチューブ63との間に、ポンプ室62をシリンダ12の下油室17Bに導通させる標準通路をピストンボルト15の中空部15Bに導通させるように形成し、ポンピング動作を解除する。また、ポンプ装置60は、ピストンロッド14が更に所定の高車高位置まで伸びたとき、ポンプロッド61の戻し通路71をポンプチューブ63の下端開口以下に臨ませて、シリンダ12の下油室17Bをピストンボルト15の中空部15Bを経て戻し通路71からポンプロッド61の吸込路64に導通させ、ポンピング動作を解除するとともに、シリンダ12の油室17A、17B、リザーバ室53Aの圧油を低圧室20へ戻してそれらのシリンダ12、リザーバ室53Aを減圧する。
【0027】
ダンパ10において、ポンプ60の組立てに際しては、ピストンボルト15に予めピストン16、バルブ31A、32A等をナット35によりサブ組付けしておくことができ、ピストンロッド14の中空部14Aにポンプチューブ63、ばね66等を挿入した後、サブ組付け状態にあるピストンボルト15をピストンロッド14に螺着することにてポンプチューブ63を簡易に衝合保持でき、組付性が良い。
【0028】
以下、ダンパ10の動作について説明する。
(A)減衰動作
(A-1) 伸び行程
ピストンロッド14の伸び時には、シリンダ12の上油室17Aの油が加圧され、この圧油がピストン16の伸び側バルブ32Aを通って下油室17Bへ移動し、このとき、伸び側減衰力を生ずる。また、シリンダ12から退出するピストンロッド14の退出容積分の油が、リザーバ室53Aからダンパキャップ22の連絡路54A、ボトムキャップ21の連絡路54Bを経て下油室17Bへ供給される。
【0029】
(A-2) 縮み行程
ピストンロッド14の縮み時には、シリンダ12の下油室17Bの油が加圧され、この圧油がピストン16の縮み側バルブ31Aを通って上油室17Aへ移動する。また、シリンダ12に進入するピストンロッド14の進入容積分の油が、下油室17Bからボトムキャップ21の連絡路54B、ダンパキャップ22の連絡路54Aを経てリザーバ室53Aへ押出される。
【0030】
(B) 車高調整動作
(B-1) 標準車高時
標準車高時には、ピストンロッド14が標準車高位置にあり、ポンプロッド61の標準通路形成部70がポンプチューブ63の下端開口以下に臨み、ポンプロッド61とポンプチューブ63との間に標準通路が形成され、ポンプ室62はシリンダ12の下油室17Bに導通されるから、ポンプ装置60はポンピング動作を行なわない。従って、車高調整されない。
【0031】
(B-2) 低車高時
車両の積載荷重が増加し、ピストンロッド14が標準車高位置よりも低い低車高位置になると、ポンプロッド61の大外径部68がポンプチューブ63で上下動してポンピング動作する。この状態では、走行中の懸架装置の振動によってピストンロッド14が伸縮すると、ピストンロッド14の伸び時にはポンプ室62が拡張して負圧化することから、低圧室20の油がポンプロッド61の吸込路64から吸込用逆止弁65を通ってポンプ室62に入る。そして、続くピストンロッド14の縮み時に、ポンプ室62が収縮して加圧されることにより、ポンプ室62の油がポンプチューブ63の吐出口62Aから吐出用逆止弁67を通ってシリンダ12の下油室17Bに供給される。これにより、シリンダ12の油室17A、17B、リザーバ室53Aが加圧され、ピストンロッド14の反力が上昇し、車両は標準車高位置に復帰せしめられる。
【0032】
(B-3) 高車高時
車両から荷を降ろし、ピストンロッド14がシリンダ12の内部の上昇圧力により標準車高位置よりも高い高車高位置になると、ポンプロッド61の戻し通路71がポンプチューブ63の下端開口以下に臨み、シリンダ12の下油室17Bを戻し通路71からポンプロッド61の吸込路64、ひいては低圧室20に導通させる。これにより、シリンダ12の油室17A、17B、リザーバ室53Aの圧油を低圧室20へ戻して減圧し、車両を標準車高位置に復帰せしめる。
【0033】
尚、ピストンロッド14の縮み時及びポンピング動作時には、シリンダ12の油室17A、17B、リザーバ室53Aの油圧が上がるが、本実施形態では、ボトムキャップ21にリリーフ弁57を設けてあり、シリンダ12の油室17A、17Bの圧力が極端に上がると、このリリーフ弁57が開き、シリンダ12内の油が低圧室20へ逃げ、安全が確保される。
【0034】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
▲1▼ポンプ60の吐出口62Aを、ポンプチューブ63とピストンロッド14の間の吐出路80A、ポンプチューブ63とピストンロッド14の間の吐出路80B、80C、ピストンボルト15とポンプロッド61の間の吐出路80Dを介してダンパシリンダ12の下油室17Bに連通した。吐出路80Aはピストンロッド14のポンプチューブ63挿入用の孔を利用し、吐出路80Dはピストンボルト15のポンプロッド61挿入用の孔を利用でき、吐出路80B、80Cはポンプチューブ63及び/又はピストンボルト15に簡易に形成できる。従って、強度部材としてのピストンロッド14に吐出路を孔あけ加工する必要がなく、ポンプ60の吐出路を簡易に形成できる。
【0035】
▲2▼前述▲1▼の吐出路80C(連絡路)を、ポンプチューブ63のピストンボルト15への衝合端に切欠形成する等により簡易に形成できる。
【0036】
▲3▼アウタチューブ11とダンパシリンダ12のピストンロッド14挿通部のそれぞれにメインシール42とサブシール45を設け、ダンパシリンダ12の上油室17Aからサブシール45を経て低圧室20に通ずる漏洩回収路48を設けた。ダンパ10では、ポンプ60が圧送する油圧によりダンパシリンダ12の油室17A、17Bが高圧になり、ダンパシリンダ12のピストンロッド14挿通部を通る油も高圧になるので、メインシール42が破損する虞がある。本発明では、ダンパシリンダ12のピストンロッド14挿通部を通る油がサブシール45で減圧され、漏洩回収路48から低圧室へ回収されるものとなり、メインシール42に直接高圧油が作用することを回避でき、メインシール42の破損を防止できる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ポンプチューブとピストンボルトの間に形成される吐出路は、ポンプチューブの側に形成するものに限らず、ピストンボルトの側(例えばピストンボルトにおいてポンプチューブが衝合する面)の側に形成しても良い。また、この吐出路は、ポンプチューブの側及び/又はピストンボルトの側に、溝状に切欠形成するものに限らず、孔状に穿設しても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車高調整機構付きダンパにおいて、ポンプの吐出路を簡易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はダンパを示す断面図である。
【図2】図2はダンパの下部拡大断面図である。
【図3】図3はダンパの上部拡大断面図である。
【図4】図4はダンパのピストンロッドシール構造を示す要部断面図である。
【図5】図5はダンパのピストンボルト周辺構造を示す要部断面図である。
【図6】図6はポンプチューブを示す断面図である。
【符号の説明】
10 ダンパ
11 アウタチューブ
12 ダンパシリンダ
13 ロッドガイド
14 ピストンロッド
15 ピストンボルト
16 ピストン
17A、17B 油室
20 低圧室
42 メインシール
45 サブシール
48 漏洩回収路
53A リザーバ室
60 ポンプ
61 ポンプロッド
62 ポンプ室
62A 吐出口
63 ポンプチューブ
64A 吸込口
65 吸込用逆止弁
67 吐出用逆止弁
80A、80B、80C、80D 吐出路

Claims (2)

  1. ダンパシリンダにピストンロッドを挿入し、ピストンロッドにピストンボルトを螺着し、ピストンボルトに取着したピストンによりダンパシリンダ内に2つの油室を画成し、
    ダンパシリンダの一方の油室と連通するリザーバ室と、ダンパシリンダの油室及びリザーバ室と仕切られた低圧室を備え、
    低圧室の油をダンパシリンダの油室に供給するポンプを有してなる車高調整機構付きダンパにおいて、
    前記ポンプが
    ダンパシリンダのピストンロッドが挿入される側と反対側の端部から該ダンパシリンダ内に起立せしめられるポンプロッドと、
    ピストンロッドの中空部内に挿入され、ピストンボルトに衝合保持されるとともに、ポンプロッドを摺動可能に受容し、該ポンプロッドとの間にポンプ室を形成するポンプチューブと、
    ポンプロッドに設けられ、低圧室からポンプ室への油の流れのみを許容する吸込用逆止弁を備えた吸込口と、
    ポンプチューブに設けられ、ポンプ室からダンパシリンダの油室への油の流れのみを許容する吐出用逆止弁を備えた吐出口とを有し、
    前記吐出口が、ポンプチューブとピストンロッドの間の吐出路、ポンプチューブとピストンボルトの間の吐出路、ピストンボルトとポンプロッドの間の吐出路を介してダンパシリンダの油室に連通せしめられてなる車高調整機構付きダンパであって、
    前記ポンプチューブとピストンボルトの間の吐出路が、ポンプチューブのピストンボルトへの衝合端に形成された連絡路にて形成される車高調整機構付きダンパ。
  2. 前記ダンパシリンダをアウタチューブに挿入した2重管構造とし、ダンパシリンダとアウタチューブの間に低圧室を形成してなり、
    アウタチューブのピストンロッド挿通部にメインシールを設けるとともに、ダンパシリンダのピストンロッド挿通部にサブシールを設け、ダンパシリンダの油室からサブシールを経て低圧室に通ずる漏洩回収路を形成してなる請求項1記載の車高調整機構付きダンパ。
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