JP4323370B2 - 電機子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の電機子及び電機子の製造方法に関するものである。
近年、各種メカトロニクス機器において、数多くのモータが搭載されるに伴い、モータの小型化や低コスト化が強く要求されている。従来、モータ等における電機子(アーマチャ)等は、図12に示すように、回転軸80に軸着されるコア81と、同コア81に巻回されたコイル82とを備えている。コア81は、基部81aと、この基部81aから系方向に放射状に設けられた複数のティース81bとを有し、そのティース81bにエナメル等で絶縁被覆された巻線83が巻回されている。巻線83を巻回する方法としては、図13に示すように、巻線供給部から引き出された巻線83を、フライヤ84を介してモータのコア81側に送出し、フライヤ84を回転させることにより、コア81に巻線83を巻回する方法が提案されている(特許文献1参照。)。
特開2001−298918号公報
ところが、一般に、巻線83は丸線形状であるため、複数の巻線83が互いに隣接する箇所において隙間(デッドスペース)85が生じていた。このため、コイルスロット86内におけるコイル82の高占積化には限界があり、モータのトルクを上げるためには、巻線83の巻き数を増やすとともに、その分コイルスロット86の断面積を広く確保しなければならなかった。その結果、コア81の寸法が大きくなることから、モータの大型化を招くという問題が生じていた。また、コア81に巻線83を巻回する方法では、巻線83の巻き数やコイルスロット86の数を増加させた場合、その分加工タクトが長くなり、製造コストの上昇を招くという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高出力化及び小型化が達成されるとともに、低コスト化を図ることが可能な回転機器の電機子及びその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、回転軸の周囲に配置されるコアにスロットが形成され、前記スロットにコイルを形成した回転電機の電機子において、前記コアはその全体を金属粉体を圧縮成形してなる一体物であり前記回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、その外周壁に同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域が形成され、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間が前記スロットであり、そのスロット内に前記コイルが装着されており、前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることをその要旨とする。
この構成にすれば、コアの外周壁が円周方向に繋がって形成されているため、脆性材料からなるコアの機械的強度を向上させることができる。又、コアに、その軸線方向に沿って非磁性化領域を形成することによって、磁気損失を抑制することができると共に、磁束密度の低下を抑制することもできる。
また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。よって、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、コイルを構成する線材が断面多角形状を有しているため、線材同士を面接触させることができる。この場合、スロット内において、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることもできる。よって、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。従って、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、束ねられた線材の端部を結線することでコアのスロットにコイルが形成される。このため、巻線をコアに巻付けてコイルを形成する方法と比べ、巻線の巻付け回数やコアのスロットの数に影響されることなく、コイルを形成することが可能となる。よって、コイルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記非磁性化領域は、前記外周壁の一部を加圧又は加熱することにより形成されていることをその要旨とする。
この構成にすれば、コアの外周壁の一部を加圧又は加熱することにより、非磁性化領域を容易に形成することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記非磁性化領域は、前記外周壁をレーザ加工することで形成されることをその要旨とする。
この構成にすれば、レーザ加工を用い、コアの外周壁に対し局所加熱を行うことで非磁性化領域が形成される。このため、コアの加工中に、割れやクラック等が生じるのを防止することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の発明において、前記コアは、オーステナイト系材料を含有してなることをその要旨とする。
この構成にすれば、コアがオーステナイト系材料を含有してなるため、同コアの一部を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。
請求項に記載の発明では、請求項のうちいずれか1項に記載の発明において、導電性を有し、前記線材をコイル状に接続する導体部材を備えたことをその要旨とする。
この構成にすれば、導体部材を用いることで、束ねられた線材の端部を容易に結線することができる。このため、コイルを形成する際の作業効率をより一層向上させることができる。
請求項に記載の発明では、請求項のうちいずれか1項に記載の発明において、前記線材の断面形状は正多角形であることをその要旨とする。
この構成にすれば、線材の断面形状は正多角形であることから、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができるとともに、線材をスロット内に規則的に配列することができる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記線材の断面形状は正六角形であることをその要旨とする。
この構成にすれば、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を更に小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を更に高めることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか1項に記載の発明において、前記金属粉体は、予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体であることをその要旨とする。
この構成にすれば、オーステナイト系材料を予めマルテンサイト化した磁性金属粉体を圧縮成形してコアを形成することによって、同コアのスロットに対応する部分を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。これにより、磁気損失や、磁束密度の低下を抑制することが可能なコアを形成することができる。
請求項に記載の発明では、請求項1〜のうちいずれか1項に記載の発明において、前記コアは、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形したものをマルテンサイト化してなることをその要旨とする。
この構成にすれば、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形したものをマルテンサイト化してコアを形成することによって、同コアのスロットに対応する部分を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。これにより、磁気損失や、磁束密度の低下を抑制することが可能なコアを形成することができる。
請求項1に記載の発明では、回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体一体物として形成する工程と、前記コアをマルテンサイト化する工程と、前記マルテンサイト化されたコアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることをその要旨とする。
この構成にすれば、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形したものをマルテンサイト化してコアを形成することによって、同コアのスロットに対応する部分を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。これにより、磁気損失や、磁束密度の低下を抑制することが可能なコアを形成することができる。
請求項1に記載の発明では、回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体一体物として形成する工程と、前記コアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることをその要旨とする。
この構成にすれば、オーステナイト系材料を予めマルテンサイト化した磁性金属粉体を圧縮成形してコアを形成することによって、同コアのスロットに対応する部分を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。これにより、磁気損失や、磁束密度の低下を抑制することが可能なコアを形成することができる。
また、請求項10,11に記載の発明では、外周壁に非磁性化領域を形成することによって、磁気損失や、磁束密度の低下を更に抑制することが可能なコアを形成することができる。
また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。よって、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、コイルを構成する線材が断面多角形状を有しているため、線材同士を面接触させることができる。この場合、スロット内において、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることもできる。よって、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。従って、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、束ねられた線材の端部を結線することでコアのスロットにコイルが形成される。このため、巻線をコアに巻付けてコイルを形成する方法と比べ、巻線の巻付け回数やコアのスロットの数に影響されることなく、コイルを形成することが可能となる。よって、コイルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
請求項1に記載の発明では、請求項10又は11に記載の発明において、加圧又は加熱処理を行うことにより、前記非磁性化領域を形成することをその要旨とする。
この構成にすれば、コアの外周壁の一部を加圧又は加熱することにより、非磁性化領域を容易に形成することができる。
請求項1に記載の発明では、請求項1〜1のうちいずれか1項に記載の発明において、前記コイルを構成するための線材を前記スロット内に挿入した後に、所定位置にある前記線材の端部を結線することをその要旨とする。
この構成にすれば、線材をコアのスロットに挿入した後に、線材の端部を結線することで、コアのスロットにコイルが形成される。このため、巻線をコアに巻付けてコイルを形成する方法と比べ、巻線の巻付け回数やコアのスロットの数に影響されることなく、コアのスロットにコイルを形成することが可能となる。よって、コイルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
請求項1に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、複数本の前記線材を束ね、同線材の束を前記スロット内に挿入することをその要旨とする。
この構成にすれば、複数本の線材をスロット内に同時に挿入することで、その分加工タクトを短縮化させることができる。よって、コイルを形成する際の作業効率をより一層向上させることができる。
請求項1に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記線材の束は、前記スロットの断面形状とほぼ同形状に束ねられていることをその要旨とする。
この構成にすれば、スロットの断面形状とほぼ同形状に束ねられた線材を挿入することによって、加工タクトを大幅に短縮化させることができる。よって、コイルを形成する際の作業効率を更に向上させることができる。
本発明によれば、高出力化及び小型化が達成されるとともに、低コスト化を図ることが可能となる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態のモータ1において、円筒状のヨークハウジング2の内側面には一対のマグネット3が固着され、これらマグネット3の内側には電機子5が回転可能に収容されている。
電機子5は、回転軸4、コア7、コイル8及び導体部材としてのパターン基板10を備えている。回転軸4の中心部には、略円筒状のコア7が軸着されている。コア7は、軟磁性金属粉体(SMC)を焼結することにより形成され、その表面全体が、絶縁性を有する酸化皮膜により被覆されている。この場合、前記軟磁性金属粉体としては、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を予めマルテンサイト化したものが用いられている。具体的には、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体に加圧や熱処理等を施すことにより、該非磁性金属粉体を軟磁性金属粉体に変性させた、即ちマルテンサイト化したものが用いられている。
コア7は、基部7aと、この基部7aから径方向に放射状に延びる複数のティース7bと、隣り合うティース7bの先端部が繋がって形成された外周壁7cとから構成されている。コア7の基部7aの中心には、軸方向に貫通する貫通穴11が形成され、この貫通穴11に回転軸4が挿通されている。隣り合うティース7bの間には、コイル8を収容するスロットとしてのコイルスロット13が設けられている。このコイルスロット13は、隣り合うティース7bと外周壁7cとによって包囲された空間である。
コアの外周壁7cは円周方向に繋がって形成されるとともに、同外周壁7cには略帯状の非磁性化領域15が軸線方向に沿って形成されている。この非磁性化領域15は、例えば、レーザによりコア7の外周壁7cを局所加熱することで形成される。尚、この非磁性化領域15は、磁気損失を抑制するためのものであり、コア7の軸周りに等角度間隔で形成されている。非磁性化領域15は、隣り合うティース7bの間に位置し、コイルスロット13と同数(本実施形態では6個)設けられている。
コイルスロット13内には、コイル8を構成する線材16の束17が収容されている。コイルスロット13は、その断面形状が、収容される線材16の束17の断面形状とほぼ一致するように形成されている。従って、コイルスロット13の内側面14は、線材16の束17が嵌入されるように形成されている。
線材16は、その断面形状が正六角形(ハニカム形状)であって、コイルスロット13内に規則的に配列されている。線材16の外表面は、例えば、エナメル等で絶縁被覆されている。線材16は、それらが互いに隣接する箇所で、同線材16の外表面が密着するように配置されるとともに、同線材16の束17の外縁がコイルスロット13の内側面14と密着するように配置されている。
線材16はコア7の軸方向の側長とほぼ同じ長さを有し、これら線材16の端部同士を結線するためのパターン基板10が、コア7の両端面に装着されている。パターン基板10は、コア7とほぼ同径の円盤状に形成され、中央に回転軸4が挿通される挿通穴18を備えている。
次に、コイル8の構造について説明する。本実施形態でいうコイル8とは、図4、図5に示すように、特定のコイルスロット13a内の線材16aと別のコイルスロット13b内の線材16bとが結線されることで、コア7のティース7b周りに形成されるコイル状の導体部のことを指す。
パターン基板10には導体配線21がパターン形成され、同パターン基板10の装着面には、導体配線21から延出された接点22が形成されている。パターン基板10をコア7の両端面に装着することによって、線材16aの両端部と線材16bの両端部とに前記接点22が圧接される。このように、両線材16a,16bとパターン基板10の導体配線21とが、接点22を介して電気的に接続されることで、コア7のティース7b周りにコイル状の導体部を形成することができる。このようにして、コア7のコイルスロット13には、線材16の束17とパターン基板10とで構成されたコイル8が形成される。
次に、電機子5の製造方法を図3に基づいて説明する。
まず、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を予め熱処理し、コア7を形成するための軟磁性金属粉体を生成する。そして、この軟磁性金属粉体を圧縮成形して得られた成形体を焼結し、コア7を形成する。その後、焼結体としてのコア7に対し、レーザ等で外部から局所加熱を行い、コア7の外周壁7cに非磁性化領域15を形成する。
次に、コイルスロット13にコイル8を形成するため、線材16を所定の長さに切断し、それらをコイルスロット13の断面形状と同形状に束ねる。このようにして得られた線材16の束17を、コア7の端面から各コイルスロット13に挿入する。
続いて、所定位置にある線材16の端部同士の結線を行うため、パターン基板10をコア7の両端面に装着する。このとき、線材16の両端部にパターン基板10の接点22が圧接される。すると、パターン基板10の導体配線21を介して、線材16と別の線材16とが結線され、コア7のコイルスロット13にコイル8が形成される。
上記実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)線材16の断面形状は正六角形(ハニカム形状)であるため、線材16は、それらの側面が互いに隣接する箇所で密着するように配置される。このため、コイル8を構成する線材16同士の隙間を小さくすることができ、コイルスロット13内におけるコイル8の占積率を高めることができる。また、コイルスロット13は、収容される線材16の束17が嵌入されるように形成されているため、線材16は、コイルスロット13の内側面14と隣接する箇所で密着するように配置される。このため、コイル8を構成する線材16とコイルスロット13の内側面14との隙間を小さくすることもでき、コイルスロット13内におけるコイル8の占積率をより一層高めることができる。これらの場合、コイル8の巻き線数を従来と同じにすれば、コイルスロット13の断面積を小さくすることができ、コア7の寸法を小さくすることができる。また、コイルスロット13の断面積を従来と同じにすれば、コイル8の巻き線数を増やすことができ、磁束密度を向上させることができる。従って、モータ1の小型化及び高出力化を達成することができる。
(2)線材16は、それらが互いに隣接する箇所で密着するように配置されるとともに、同線材16の束17の外縁がコイルスロット13の内側面14と密着するように配置されている。この場合、コイルスロット13内には、図12で示す隙間(デッドスペース)85が生じないことから、電流・電圧の存在下での放熱性を高めることができる。
(3)所定の長さに切断された線材16をコイルスロット13の断面形状と同形状に束ね、この線材16の束17をコア7の端面から各コイルスロット13に挿入し、線材16の端部同士の結線を行うことで、コイルスロット13にコイル8を形成している。この場合、巻線83をコア81に巻き付ける方法と比べ、コイル8の巻付け回数やコイルスロット13の数に影響されることなく、コイル8を形成することができる。しかも、線材16の束17とパターン基板10とを組み付けてコイル8が形成されるため、加工タクトを大幅に短縮化させることができる。よって、コイル8を形成する際の作業効率を向上させることができる。従って、作業コストを削減することができ、モータ1の製造コストを低減させることができる。
(4)断面形状が正六角形の線材16は、その角部が鈍角であることから、線材16同士が接触することでエナメル等の絶縁被覆に傷が付くのを抑制することができる。このため、隣り合う線材16間で短絡(ショート)等の不具合が防止され、モータ1の信頼性を向上させることもできる。
(5)本実施形態において、軟磁性金属粉体を焼結して得られるコア7は脆性を有しているが、外周壁7cが円周方向に繋がって形成されているため、同コア7の機械的強度を向上させることができる。よって、電機子5の回転中に、コア7に割れやクラック等が生じるのを抑制することができる。しかも、非磁性化領域15はレーザによりコア7の外周壁7cを局所加熱して形成されるため、コア7の加工中に、割れやクラック等が生じるのを抑制することもできる。
(6)コア7は、軟磁性金属粉体を焼結することにより形成され、その表面全体が絶縁性を有する酸化皮膜により被覆されている。このため、コイル8とコア7との絶縁性を確保するためにインシュレータを装着したり、樹脂塗料を塗布したりする等の手間を省くことができる。つまり、エナメル等で絶縁被覆された線材16を使用するのみで、コイル8とコア7との絶縁性を十分に確保することができる。よって、作業コストや材料コスト等の低減が可能となり、モータ1の製造コストをより一層低減させることができる。
(7)コア7は、オーステナイト系材料を予めマルテンサイト化した軟磁性金属粉体を圧縮成形することにより形成されている。この場合、レーザ等で外部から局所加熱を行うことにより、コア7の外周壁7cに非磁性化領域15を形成することが可能となる。これにより、磁気損失や磁束密度の低下を抑制することが可能なコア7を形成することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態において、コイルスロット13は、コア7の軸周りに等間隔で6個形成されていたが、これ以外の構成として、コイルスロット13を任意の数に設定してもよい。例えば、図6に示すように、コイルスロット13の数を増加させることによって、回転がスムーズで振動及びコギングの少ないモータ1を設計することができる。
・本実施形態において、コア7は、モータ1の電機子5に具体化されていたが、図7に示すように、ブラシレスモータ30の固定子31に具体化してもよい。
・図8に示すように、線材16は、複数の導電性を有する細線35を絡み合わせてなるより線36を、樹脂37等により絶縁被膜したものであってもよい。
・本実施形態において、線材16と別の線材16とが結線されることによって、コア7のコイルスロット13にコイル8が形成されていた。これ以外の構成として、図9に示すように、略U字状に形成した線材40をコイルスロット13内に挿入し、パターン基板10をコア7の片面にのみ装着して、同線材40の両端部を結線するようにしてもよい。
・本実施形態において、線材16の端部同士の結線を行うため、パターン基板10をコア7の両端面に装着していた。これ以外の構成として、図10(a)に示すように、導電材料からなる導体板42の両端部に貫通穴43を形成し、この貫通穴43に線材16の端部を圧入させて、線材16の端部同士の結線を行なってもよい。また、図10(b)に示すように、線材16の先端部に突起45を設け、この突起45を導体板42の貫通穴46に圧入させるようにしてもよい。更には、図10(c)に示すように、線材16がより線36からなる場合、導体板42の両端部に針状の突起48を設け、この突起48を線材16の端面に差し込むようにしてもよい。
・図11に示すように、略U字状に形成した線材50をコイルスロット13内に挿入し、同線材50の両端部をかしめて、コア7のコイルスロット13にコイル8を形成してもよい。
・本実施形態において、軟磁性金属粉体を焼結してコア7を形成していたが、電磁鋼板を積層してコア7を形成してもよい。
・本実施形態において、コア7は、オーステナイト系材料を予めマルテンサイト化した軟磁性金属粉体を圧縮成形することにより形成されていたが、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形して成形体を形成した後に、同成形体を熱処理して、全体を磁性化(マルテンサイト化)することによりコア7を形成してもよい。この場合も、レーザ等で外部から局所加熱を行うことで、コア7の外周壁7cに非磁性化領域15を形成することが可能となる。これにより、磁気損失や磁束密度の低下を抑制することが可能なコア7を形成することができる。
・本実施形態において、非磁性化領域15は、レーザによりコア7の外周壁7cを局所加熱することで形成されていたが、コア7の外周壁7cに開口部を設けて、その開口部を非磁性化領域15としてもよい。
・本実施形態において、線材16の断面形状は正六角形であったが、正三角形、正方形等、任意の正多角形であってもよい。また、正多角形以外にも、任意の多角形であってもよい。更には、線材16の断面形状は円形であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)前記導体部材は、前記線材の端部同士を接続する導体配線がパターン形成されたパターン基板であることを特徴とする。
(2)前記導体部材は導電材料からなり、前記導体部材の両端部には、前記線材の端部が接続される接続穴が設けられていることを特徴とする。
(3)前記線材は、複数の導電性を有する細線を絡み合わせてなるより線を絶縁被膜したものであることを特徴とする。
(4)前記線材は、その両端が互いに異なる前記スロット内に嵌入されるとともに略U字状に形成されていることを特徴とする。
(5)前記コアの表面は、絶縁性を有する酸化膜により被覆されていることを特徴とする。
本実施形態におけるモータの断面図。 図1のA−A断面図。 電機子の分解斜視図。 同じく電機子におけるコアの部分断面図。 コイルの構造を説明するための概念図。 別例の電機子におけるコアの部分断面図。 別例の固定子におけるコアの部分断面図。 別例の電機子におけるコアの部分断面図及び線材の断面図。 別例のコイルの構造を説明するための概念図。 (a)〜(c)は別例のコイルの構造を説明するための部分斜視図。 別例のコイルの構造を説明するための概念図。 従来の電機子におけるコアの部分断面図。 従来の巻線の巻き付け方法を説明するための概略図。
符号の説明
1…モータ(回転電機)、4…回転軸、5…電機子、7…コア、7c…外周壁、8…コイル、10…パターン基板(導体部材)、13…コイルスロット(スロット)、14…内側面、15…非磁性化領域、16…線材、17…束。

Claims (15)

  1. 回転軸の周囲に配置されるコアにスロットが形成され、前記スロットにコイルを形成した回転電機の電機子において、
    前記コアはその全体を金属粉体を圧縮成形してなる一体物であり前記回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、その外周壁に同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域が形成され、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間が前記スロットであり、そのスロット内に前記コイルが装着されており、
    前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子。
  2. 前記非磁性化領域は、前記外周壁の一部を加圧又は加熱することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電機子。
  3. 前記非磁性化領域は、前記外周壁をレーザ加工することで形成されることを特徴とする請求項に記載の電機子。
  4. 前記コアは、オーステナイト系材料を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電機子。
  5. 導電性を有し、前記線材をコイル状に接続する導体部材を備えたことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の電機子。
  6. 前記線材の断面形状は正多角形であること特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の電機子。
  7. 前記線材の断面形状は正六角形であることを特徴とする請求項に記載の電機子。
  8. 前記金属粉体は、予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体であることを特徴とする請求項〜7のうちいずれか1項に記載の電機子。
  9. 前記コアは、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形したものをマルテンサイト化してなることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の電機子。
  10. 回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアのスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、
    オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体を一体物として形成する工程と、
    前記コアをマルテンサイト化する工程と、
    前記マルテンサイト化されたコアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、
    前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、
    前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、
    前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子の製造方法。
  11. 回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアのスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、
    予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体を一体物として形成する工程と、
    前記コアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、
    前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、
    前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、
    前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の電機子の製造方法であって、
    加圧又は加熱処理を行うことにより、前記非磁性化領域を形成することを特徴とする電機子の製造方法。
  13. 請求項10〜12のうちいずれか1項に記載の電機子の製造方法であって、
    前記コイルを構成するための線材を前記スロット内に挿入した後に、所定位置にある前記線材の端部を結線することを特徴とする電機子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の電機子の製造方法であって、
    複数本の前記線材を束ね、同線材の束を前記スロット内に挿入することを特徴とする電機子の製造方法。
  15. 請求項14に記載の電機子の製造方法であって、
    前記線材の束は、前記スロットの断面形状とほぼ同形状に束ねられていることを特徴とする電機子の製造方法。
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