JP4323370B2 - 電機子及びその製造方法 - Google Patents
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また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。よって、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、コイルを構成する線材が断面多角形状を有しているため、線材同士を面接触させることができる。この場合、スロット内において、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることもできる。よって、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。従って、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、束ねられた線材の端部を結線することでコアのスロットにコイルが形成される。このため、巻線をコアに巻付けてコイルを形成する方法と比べ、巻線の巻付け回数やコアのスロットの数に影響されることなく、コイルを形成することが可能となる。よって、コイルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
この構成にすれば、コアの外周壁の一部を加圧又は加熱することにより、非磁性化領域を容易に形成することができる。
この構成にすれば、レーザ加工を用い、コアの外周壁に対し局所加熱を行うことで非磁性化領域が形成される。このため、コアの加工中に、割れやクラック等が生じるのを防止することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の発明において、前記コアは、オーステナイト系材料を含有してなることをその要旨とする。
この構成にすれば、コアがオーステナイト系材料を含有してなるため、同コアの一部を非磁性化させたり、又は透磁率を低下させたりすることが可能となる。
この構成にすれば、導体部材を用いることで、束ねられた線材の端部を容易に結線することができる。このため、コイルを形成する際の作業効率をより一層向上させることができる。
この構成にすれば、線材の断面形状は正多角形であることから、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができるとともに、線材をスロット内に規則的に配列することができる。
この構成にすれば、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を更に小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を更に高めることができる。
また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。このため、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。よって、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、コイルを構成する線材が断面多角形状を有しているため、線材同士を面接触させることができる。この場合、スロット内において、線材同士が互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることができる。また、スロットの内側面は線材が嵌入されるように形成されているため、線材とスロットの内側面とが互いに隣接する箇所で生じる隙間を小さくすることもできる。よって、スロット内におけるコイルの占積率を高めることができる。従って、コイルの巻き線数を従来と同じにすれば、磁束密度を低下させることなく、スロットの断面積を小さくすることが可能となる。また、スロットの断面積を従来と同じにすれば、コアの寸法を大きくすることなく、コイルの巻き線数を増やすことが可能となる。
また、束ねられた線材の端部を結線することでコアのスロットにコイルが形成される。このため、巻線をコアに巻付けてコイルを形成する方法と比べ、巻線の巻付け回数やコアのスロットの数に影響されることなく、コイルを形成することが可能となる。よって、コイルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
この構成にすれば、コアの外周壁の一部を加圧又は加熱することにより、非磁性化領域を容易に形成することができる。
この構成にすれば、複数本の線材をスロット内に同時に挿入することで、その分加工タクトを短縮化させることができる。よって、コイルを形成する際の作業効率をより一層向上させることができる。
この構成にすれば、スロットの断面形状とほぼ同形状に束ねられた線材を挿入することによって、加工タクトを大幅に短縮化させることができる。よって、コイルを形成する際の作業効率を更に向上させることができる。
図1〜図3に示すように、本実施形態のモータ1において、円筒状のヨークハウジング2の内側面には一対のマグネット3が固着され、これらマグネット3の内側には電機子5が回転可能に収容されている。
まず、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を予め熱処理し、コア7を形成するための軟磁性金属粉体を生成する。そして、この軟磁性金属粉体を圧縮成形して得られた成形体を焼結し、コア7を形成する。その後、焼結体としてのコア7に対し、レーザ等で外部から局所加熱を行い、コア7の外周壁7cに非磁性化領域15を形成する。
(1)線材16の断面形状は正六角形(ハニカム形状)であるため、線材16は、それらの側面が互いに隣接する箇所で密着するように配置される。このため、コイル8を構成する線材16同士の隙間を小さくすることができ、コイルスロット13内におけるコイル8の占積率を高めることができる。また、コイルスロット13は、収容される線材16の束17が嵌入されるように形成されているため、線材16は、コイルスロット13の内側面14と隣接する箇所で密着するように配置される。このため、コイル8を構成する線材16とコイルスロット13の内側面14との隙間を小さくすることもでき、コイルスロット13内におけるコイル8の占積率をより一層高めることができる。これらの場合、コイル8の巻き線数を従来と同じにすれば、コイルスロット13の断面積を小さくすることができ、コア7の寸法を小さくすることができる。また、コイルスロット13の断面積を従来と同じにすれば、コイル8の巻き線数を増やすことができ、磁束密度を向上させることができる。従って、モータ1の小型化及び高出力化を達成することができる。
・本実施形態において、コイルスロット13は、コア7の軸周りに等間隔で6個形成されていたが、これ以外の構成として、コイルスロット13を任意の数に設定してもよい。例えば、図6に示すように、コイルスロット13の数を増加させることによって、回転がスムーズで振動及びコギングの少ないモータ1を設計することができる。
・図8に示すように、線材16は、複数の導電性を有する細線35を絡み合わせてなるより線36を、樹脂37等により絶縁被膜したものであってもよい。
・本実施形態において、コア7は、オーステナイト系材料を予めマルテンサイト化した軟磁性金属粉体を圧縮成形することにより形成されていたが、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形して成形体を形成した後に、同成形体を熱処理して、全体を磁性化(マルテンサイト化)することによりコア7を形成してもよい。この場合も、レーザ等で外部から局所加熱を行うことで、コア7の外周壁7cに非磁性化領域15を形成することが可能となる。これにより、磁気損失や磁束密度の低下を抑制することが可能なコア7を形成することができる。
(1)前記導体部材は、前記線材の端部同士を接続する導体配線がパターン形成されたパターン基板であることを特徴とする。
Claims (15)
- 回転軸の周囲に配置されるコアにスロットが形成され、前記スロットにコイルを形成した回転電機の電機子において、
前記コアはその全体を金属粉体を圧縮成形してなる一体物であり、前記回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、その外周壁に同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域が形成され、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間が前記スロットであり、そのスロット内に前記コイルが装着されており、
前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子。 - 前記非磁性化領域は、前記外周壁の一部を加圧又は加熱することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電機子。
- 前記非磁性化領域は、前記外周壁をレーザ加工することで形成されることを特徴とする請求項2に記載の電機子。
- 前記コアは、オーステナイト系材料を含有してなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電機子。
- 導電性を有し、前記線材をコイル状に接続する導体部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の電機子。
- 前記線材の断面形状は正多角形であること特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の電機子。
- 前記線材の断面形状は正六角形であることを特徴とする請求項6に記載の電機子。
- 前記金属粉体は、予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体であることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の電機子。
- 前記コアは、オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形したものをマルテンサイト化してなることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の電機子。
- 回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアのスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、
オーステナイト系材料からなる非磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体を一体物として形成する工程と、
前記コアをマルテンサイト化する工程と、
前記マルテンサイト化されたコアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、
前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、
前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、
前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子の製造方法。 - 回転軸が装着される基部と、その基部から放射状に延びる複数のティースと、隣り合うティースの先端部が円周方向に繋がって形成される外周壁とを備え、隣り合うティースと外周壁とによって包囲された空間をスロットとするコアのスロットにコイルを形成した回転電機の電機子の製造方法であって、
予めマルテンサイト化されたオーステナイト系材料からなる磁性金属粉体を圧縮成形して前記コアの全体を一体物として形成する工程と、
前記コアの前記外周壁に、同コアの軸線方向に沿って非磁性化領域を形成する工程と、
前記コアのスロット内に前記コイルを装着する工程とを備え、
前記コイルは断面多角形状を有する線材により構成され、前記圧縮成形して形成される前記コアの前記スロットの内側面は前記線材が嵌入されるように形成され、
前記コアのスロット内に装着された前記コイルは、所定の長さを有する複数本の前記線材を束ね、所定位置にある前記線材の端部を結線することで構成されていることを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項10又は11に記載の電機子の製造方法であって、
加圧又は加熱処理を行うことにより、前記非磁性化領域を形成することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項10〜12のうちいずれか1項に記載の電機子の製造方法であって、
前記コイルを構成するための線材を前記スロット内に挿入した後に、所定位置にある前記線材の端部を結線することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項13に記載の電機子の製造方法であって、
複数本の前記線材を束ね、同線材の束を前記スロット内に挿入することを特徴とする電機子の製造方法。 - 請求項14に記載の電機子の製造方法であって、
前記線材の束は、前記スロットの断面形状とほぼ同形状に束ねられていることを特徴とする電機子の製造方法。
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