JP4323268B2 - 形状測定装置、形状測定方法、形状解析装置 - Google Patents
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Description
図15において、二面間を計測する光学干渉計100は、レーザー光源としての光源101と、撮像手段としてのCCDカメラと、光軸上に配設されたハーフミラー103と、を備えている。
このような構成において、光源101からの光を測定対象体202および基準体201に入射すると、測定対象面Eと基準面Dとの間で干渉が生じ、干渉縞が現れる。この干渉縞がCCDカメラ102で観察されると、観察像から基準面Dと測定対象面Eとの間隔が各サンプリング点で求められる。すると、各サンプリング点において、測定対象面Eが基準面Dに対して有する凹凸が測定される。
参照平面からの残差(形状示数)dを各点において算出することができるので、単なる平面度の評価にとどまらず測定対象面の表面凹凸まで求めることができる。
なお、ここで、サンプリング点はすべての組で対応がとれていなければならない。
また、基底関数の線形独立な要素の数を変化させることによって、測定対象面の形状を解析する程度を変化させることができる。例えば、基底関数を多項式とした場合にはその関数の次数を上げることによって表面凹凸を高分解能に求めることができる一方、この次数を下げることによって、周期の長いうねりを求めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
本発明の形状測定装置に係る第1実施形態の構成を図1に示す。
形状測定装置1は、測定手段2と、解析部(形状解析装置)3と、出力手段4と、を備えている。
測定手段2は、例えば、図2に示されるような三つの測定対象体から二つを所定パターンで組み合せて、各サンプリング点で測定対象面間の間隔mを測定する。
ここで、測定対象体としては、第1測定対象体51と、第2測定対象体52と、第3測定対象体53とが用意されているとする。第1測定対象体51、第2測定対象体52および第3測定対象体53は光透過性の部材、例えばガラスで形成されている。
そして、第1測定対象体51は、その一面に測定対象面となる第1測定対象面Aを有する。第2測定対象体52は、その一面に第2測定対象面Bを有する。第3測定対象体53は、その一面に第3測定対象面Cを有する。
第1、第2および第3測定対象面A、B、Cはすべて測定の対象となる面であり、いずれの面も略平面に加工されてはいるものの平面度は未知である。
測定手段2では、3つの測定対象面A〜Cを所定パターンで組み合せて面間隔mを測定するが、組合せのパターンについては、図6〜図10を参照して後述する。
測定対象面A〜Cの形状を示す形状示数の設定について説明する。
測定対象面A〜Cは凹凸を有しているところ、図3に示されるように測定対象面のそれぞれに参照平面Rを仮想的に設定する。参照平面Rは、各測定対象面A〜Cのそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面であり、例えば、形状の最小自乗平面や、最も高い3点を通る平面などが参照平面として設定される。
そして、図3に示されるように、参照平面Rから測定対象面A〜Cまでの残差(距離)dが形状示数として設定される(示数設定工程)。また、それぞれの測定対象面A〜C上に設定された座標上における形状示数はd(x、y)として表される。
これら形状示数d(x、y)によって測定対象面の凹凸が参照平面からの凹凸として表される。
そして、基底B(x、y)=[B1(x、y)、B2(x、y)、・・・Bp(x、y)]に対して結合係数a=[a1、a2、・・・ap]を用いて、基底関数が構成され、参照平面と測定対象面との残差(距離)d(x、y)が次の式で表される。
例えば、図4に示されるように、第1測定対象面Aと第2測定対象面Bとが対向する状態に第1測定対象体51と第2測定対象体52とを配置した場合、図5に示される関係から、第1測定対象面Aと第2測定対象面Bとの距離m1(x、y)は、次の式で表される。
第1測定対象面Aと第2測定対象面Bとのそれぞれの面上に座標系が設定されるところ、第1測定対象面に対向させるためにy軸を回転軸として第2測定対象面をひっくり返しているので、第1測定対象面の(x、y)に対応する点は、第2測定対象面上においては(−x、y)となる。
また、第1測定対象面Aの参照平面である第1参照平面RAと第2測定対象面Bの参照平面である第2参照平面RBとの距離をW1(x、y)で表す。
測定手段2において所定パターンの組合せで測定対象面間の距離が測定されるので、それら所定パターンにより測定した全測定点の数だけ観測方程式が導出される。
まず、測定手段2によって、測定対象面A〜Cを所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定する(測定工程)。図6から図10に測定対象面A〜Cを組み合せて構成される5つのパターンを示す。
なお、図中、各測定対象面上に示した矢印は、各測定対象面上のy方向を示している。そして、各測定対象面上においてy方向に直角方向にx方向をとる。
そして、測定手段2で取得された測定データは、測定データ記憶部31に記憶される。
ここで、y軸を回転軸として測定対象面をひっくり返した場合、残差(形状示数)dを次のように表すことができる。これは、図6から図8において上側に位置する測定対象面の形状を表す。
すると、各測定対象平面の形状は、参照平面からの残差d(x、y)によって次のように与えられる。
(1)平面度が未知の測定対象面A〜Cが組み合わされた面間距離の測定データを演算処理することによって測定対象面A〜Cの形状を求めることができる。したがって、基準平面を用いることがなく測定対象面A〜Cの形状を求めることができる。
次に、本発明の形状測定装置に係る変形例1について説明する。変形例1の基本的構成は第1実施形態に同様であるが、変形例1は、一方の測定対象面に対して他方の測定対象面を任意の角だけ相対回転させた組について取得した測定データを用いる点に特徴を有する。
第1実施形態において、測定対象面A〜Cを組み合せて構成される5つのパターンを図6から図10に示し、このうち図9では、第1測定対象面Aと第2測定対象面Bとを対向させた図6のパターンから第2測定対象面Bを90°回転させた場合を示した。
ここで、基底B(x、y)を用いて形状示数dを表すことによって、サンプリング点が対応していなくてもよいのであるから、図9における測定対象面Bの角度は90°に限られる必要はない。
そこで、変形例1においては、図11に示されるように、y軸を回転軸として測定対象面Bをひっくり返して測定対象面Aに対向させたあと、任意の角αだけ回転させる。
このとき、残差(形状示数)dを次のように表すことができる。
(5)測定対象面Bの回転角を90°に限定されず、任意の回転角でよいので、例えば図12に示されるように、できる限り重なり領域が大きくなる角度を選ぶことができる。例えば、長方形の測定対象面であっても重なり領域を大きくする角度で回転させることができる。すると、重なり領域が大きくなる分、形状解析できる領域を大きくすることができる。
次に本発明の形状測定装置に係る変形例2について説明する。変形例2の基本的構成は第1実施形態に同様であるが、変形例2は、基底を用いることなく連立方程式を立てて形状示数を求める点に特徴を有する。
第1実施形態においては、図6から図10の組合せにおいて、面間隔の測定データを取得するサンプリング点は特に限定されていなかった。
ここで、変形例2においては、図6から図10の組合せにおいて、サンプリング点を一致させる。例えば、各格子点において面間隔を測定する。そして、図10における測定対象面Bのシフト量は、シフト後に測定点が対応する量とする。例えば、格子の一単位をシフトさせる。
すると、各サンプリング点が対応しているので、各サンプリング点における観測方程式が立てられる。
なお、この場合、図9において測定対象面Bを回転させる角度は90°に限定されることになるので、90°回転させたときの重なり領域が十分に大きいことが望ましい。例えば、測定対象面が正方形や円形状であることが好ましい。
測定対象面A〜Cを対向させて面間隔を測定するとして説明したが、例えば、図13に示されるように、例えば、測定対象面A〜Cを互いに外向きに向けて配置した状態で測定対象面A〜Cの間隔を測定してもよいことはもちろんである。
測定手段2としては、光学干渉計100を用いる場合を例に説明したが、例えば、図14に示されるように、二面間の間隔を電気マイクロメータ6等で測定する構成でもよいことはもちろんである。なお、図14中の黒点はサンプリング点の例を示す。
また、測定対象体51〜53は透明な部材で形成されているとしたが、測定対象体の素材や形状は特に限定されない。
Claims (6)
- 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定する測定手段と、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算部と、を備え、
前記測定手段は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を90°だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状測定装置。 - 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定する測定手段と、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算部と、
互いに線形独立な要素を有する基底が設定された基底関数設定部とを備え、
前記参照平面から前記測定対象面までの距離は前記基底と所定の結合係数との線形結合で表され、
前記測定手段は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を任意の角だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状測定装置。 - 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定する測定工程と、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定工程と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出工程と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算工程と、を備え、
前記測定工程は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を90°だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状測定方法。 - 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定する測定工程と、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定工程と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出工程と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算工程と、を備え、
互いに線形独立な要素を有する基底が設定され、前記参照平面から前記測定対象面までの距離は前記基底と所定の結合係数との線形結合で表され、
前記測定工程は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を任意の角だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状測定方法。 - 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定した測定データを解析して前記測定対象面の形状を解析する形状解析装置であって、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算部と、を備え、
前記測定手段は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を90°だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状解析装置。 - 測定対象となる3つの測定対象面のうちの2つずつを略平行に所定パターンの組合せで配置して、それぞれの所定パターンの組合せについて前記測定対象面の間隔を複数のサンプリング点で測定した測定データを解析して前記測定対象面の形状を解析する形状解析装置であって、
前記測定対象面のそれぞれに対して略平行に設定された仮想的な平面である参照平面から前記測定対象面までの距離を、前記測定対象面の形状を表す形状示数として設定する示数設定部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔は、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記形状示数と、組み合わされた前記測定対象面に設定された前記参照平面間の距離と、の和に等しいとして式を立て、それぞれの所定パターンの組合せについて立てた前記式を連立させて連立式を導出する連立式導出部と、
前記測定手段にて測定される前記測定対象面の間隔と、前記参照平面間の距離とに基づいて、導出された前記連立式を前記形状示数について解く連立式演算部と、
互いに線形独立な要素を有する基底が設定された基底関数設定部とを備え、
前記参照平面から前記測定対象面までの距離は前記基底と所定の結合係数との線形結合で表され、
前記測定手段は、
3つの前記測定対象面のうちから2つずつを略平行に組み合せた3つの組と、
前記3つの組のうちの一組について一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を任意の角だけ相対回転させた組と、
前記3つの組のうちの一組について、一方の前記測定対象面に対して他方の前記測定対象面を平行に相対移動させた組と、の5つの組について前記測定対象面の面間隔を測定する
ことを特徴とする形状解析装置。
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