JP4323201B2 - 病院内情報管理システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アプリケーションプログラムを実行する携帯端末へ該アプリケーションプログラムを配信する技術に関し、とりわけ、携帯端末を用いることによって医療行為の実施場所でデータの入出力を行えるようにして、医療行為を円滑に行い易いように支援する病院情報システムでの実施に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
以前は、医療行為の実施場所の違いを問わずに医療行為の実施記録を正確に記録する為のシステムは提案されていなかった。
例えば内視鏡検査のように医療行為を行う場所が決まっていてその場所に患者が出向いて医療行為を受けるような場合では、医療行為の記録を行うためのシステムがその場所に設置されているので、そこで行われた医療行為の記録を行うことができる。しかし、医療行為を行う実施者側(看護師や医師)が入院患者の居室まで出向き、各居室を次々と巡回して各患者に対して適切な医療行為を実施するような場合では、主に紙媒体を用いた医療行為の記録が行われており、その医療行為を記録するためのシステムが提案されていなかった。
【0003】
このため、従来は実施された医療行為の記録を収集するには、紙への記録内容を収集する労力が必要となっていた。
また、医療行為の内容や、進捗、結果、等を確認するためには、紙の記録内容を見て把握するか、人間系での情報伝達により把握する必要があり、こちらにも労力を要していた。
【0004】
また、医療行為の記録を行うシステム自体は存在していたが、どれも医療行為の実施後に所定の場所まで戻ってからその実施内容を事後入力するものであるに過ぎず、医療行為を実施したその場で直ちにその実施内容を記録できるようなシステムは提案されていなかった。
【0005】
また、このような事後入力を行うシステムでは、実施した内容とシステムに入力された内容との間に差異が発生したりする等により、正確な記録が難しいという課題があった。また、医療行為の実施後から事後入力が行われるまでにある程度の時間を要するため、医療行為の内容や、進捗、結果等をリアルタイムに把握することは難しかった。
【0006】
このような問題に関し、従来、患者に対して実施された医療行為を移動可能な入力端末(携帯端末)に入力し、この入力された医療行為を示すデータに基づいて各種医療業務の管理を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−106500号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上記のような医療行為を行う病院等に、携帯端末をクライアント端末として用いるクライアント/サーバシステムを導入した場合について考えてみる。医療現場で対象として取り扱うのは、入院患者等の生命であり、医療過誤は絶対に起こしてはならない。入院患者は、症状にもよるが、時間の経過と共に容態も変化し、看護師等の病院の人々はそのような変化に迅速に対処しなければならず、また、その情報を迅速に関係者に通知しなければならない。そのような通知を携帯端末を利用することで、各々離れた場所にいる関係者に通知することは可能である。
【0009】
ところが、その通知情報を運搬する通信ネットワークのトラフィック渋滞のために、その通知の送信が遅れたり、通信不能に陥った場合、患者の容態の迅速に対応できず、その患者に対して不利益な結果を与えてしまう。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、病院内の通信ネットワーク資源を効率的に使用することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る、医師が利用する端末装置と、看護師が利用する携帯端末と、前記携帯端末とデータ送受信を行うサーバ装置と、を備える病院内情報管理システムにおいて、前記サーバ装置は、前記端末装置からの入力により変更が行われたオーダ情報に含まれる項目のうち、少なくとも患者識別情報および該変更後の対処の緊急性を示す緊急変更フラグに関する項目を含む患者情報変更リストを受信する受信部と、前記患者情報変更リストに含まれる緊急変更フラグに基づき、緊急性の高い対応が必要な患者識別情報を検知する検知部と、前記携帯端末を識別する携帯端末識別情報と、前記携帯端末に送信したオーダ情報に含まれる患者識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部から、前記検知部により取得された前記患者識別情報に該当する携帯端末識別情報を抽出し、少なくとも送信対象となる携帯端末識別情報と前記患者識別情報を含む携帯端末識別情報リストを作成する作成部と、前記携帯端末識別情報リストに含まれている前記携帯端末情報に対応する前記携帯端末へ、オーダ情報が変更された旨の情報を送信する送信部と、を備え、前記携帯端末は、前記オーダ情報を表示する表示部を有し、前記送信部からの情報を受信した際に、前記表示部にオーダ情報が変更された旨を表示することを特徴とする。
【0015】
このように構成することによって、オーダーの変更のあった患者の情報を有するPDAにのみお知らせ情報を送信するので通信ネットワーク内のトラフィック渋滞を抑えることができる。オーダが変更された場合には、PDAにその旨の通知がされるので、オーダーの変更に対する看護師の監視負担が軽減され、看護という本来の業務に専念することができる。また、PDAにおいて最新のオーダ情報を取得することができる
【0016】
前記病院内情報管理システムにおいて、前記受信部により前記携帯端末の前記オーダ情報に対応する実施入力情報が受信された際に、前記検知部は前記オーダ情報に対する変更の有無を確認し、該変更がある場合、前記送信部は前記携帯端末に対して前記オーダ情報が変更された旨を通知することを特徴とする。
このように構成することによって、オーダ情報に変更がある場合に携帯端末に対してその旨を通知することができる。
【0017】
前記病院内情報管理システムにおいて、前記送信部は、前記携帯端末が受信できなかった場合、該受信できなかった携帯端末の携帯端末識別情報と該携帯端末に対応する前記患者識別情報を含む未送信リストを前記記憶部に記憶することを特徴とする。
このように構成することによって、送信が失敗しても、その送信情報を未送信情報として格納しておくことができるので、その格納した未送信情報に基づいて再送信することができる。
【0018】
前記病院内情報管理システムにおいて、前記携帯端末は、さらに、前記受信した前記送信部からの情報に基づいて、前記患者識別情報に対応する患者の医療処置行為の変更内容の情報を取得する変更内容取得部とを備えることを特徴とする。
このように構成することによって、最新のオーダ情報を取得することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明の1実施の形態の病院情報システム1は、医療施設としての例えば病院に配置され、その病院内の情報を記録及び一元的に集中管理する病院内情報管理システム2と、この病院内情報管理システム2と例えば有線のLAN(Local Area Network)3により接続され、このLAN3を介して情報の送受信が可能な複数のサブシステム、例えば(第1の)サブシステム4A、(第2の)サブシステム4Bとから構成される。
【0022】
第1のサブシステム4Aは、制御や情報処理を行うサーバ5と、データの入出力を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコン或いはPCと略記)である端末、つまりPC端末6とがそれぞれ有線のLAN3により接続されている。このPC端末6は据え置き型の端末であり、看護師等の医療スタッフ或いはユーザはそのPC端末のある場所でデータの入力やデータの参照、確認等を行う。
【0023】
また、第2のサブシステム(以下ではPDAを用いているのでPDAシステムと略記)4Bは、制御や情報処理を行うサーバ7と、医療スタッフとしての例えば看護師が携帯して使用が可能な携帯端末としての例えばPDA(Personal Digital Assistants )8と、該PDA8からの無線LAN9によるアクセスを可能とするデータ授受手段であるアクセスポイント10とから構成され、サーバ7と各アクセスポイント10とは有線のLAN3で接続されている。
【0024】
上記PDA8は、無線LAN9により無線でサーバ7と通信可能とするデータ授受手段である無線LANカード11と、識別情報の読み取り手段として例えば、識別コードを表現している文字や図形の読み取りを可能とする識別コードリーダ12とを内蔵している。
【0025】
PDA8のハードウェア構成を図2に示す。
図2において、無線LANカード11、識別コードリーダ12、CPU13、ROM14、RAM15、記憶部16、操作入力部17、及び表示部18はバス19を介して相互に接続されており、CPU13による管理の下で相互にデータ授受を行うことができる。
【0026】
無線LANカード11及び識別コードリーダ12は前述したものである。このうち、識別コードリーダ12としては、例えば光学的に文字を読み込むことのできるOCR(Optical Character Reader)を用いることができるが、文字や図形を画像として読み込む画像スキャナや、無線による通信で識別コードを読み込むことできるトランスポンダ等を用いてもよい。
【0027】
CPU(Central Processing Unit)13はPDA8全体の動作制御を司る中央処理装置である。
ROM(Read Only Memory)14は、CPU13によって実行される基本制御プログラムが予め格納されているメモリであり、PDA8の起動時にCPU13がこの基本制御プログラムを実行することによってこのPDA8全体の動作の基本的な制御がCPU13によって行なわれるようになる。
【0028】
RAM(Random Access Memory)15は、記憶部16に格納されている各種のアプリケーションプログラムをCPU13が実行するときにワークメモリとして使用され、また各種のデータの一時的な格納領域として必要に応じて用いられるメインメモリとしても使用されるメモリである。
【0029】
記憶部16は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶して保持しておくメモリである。記憶部16としては、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの半導体メモリが適している。特に、EEPROMは、記憶内容の書換えを電気的に行うことができる上に記憶内容の保持には電力の供給が不要である点で適している。
【0030】
操作入力部17は例えば表示部18に設けられているタッチパネルであり、PDA8のユーザによって操作され、この操作の内容を検出してCPU13へその操作内容を伝達する。CPU13はその操作内容に対応しているユーザからの指示の内容を認識する。
【0031】
表示部18は例えば液晶ディスプレイであり、CPU13から送られてきた各種の情報を表示して視覚によりユーザに各種の情報を提供する。
上述した識別コードリーダ12と、この操作入力部17及び表示部18とはCPU13所定のアプリケーションプログラムが実行されることによって各種のデータの入出力が可能となる。
【0032】
このように、PDA8は無線LAN9を備えているので、アクセスポイント10からの距離による通信可能なアクセス範囲の制約があるものの、そのアクセス範囲内においては、任意の場所でサーバ7を介して病院内情報管理システム2にアクセスして、後述する作業予定データを取得し、その取得した作業予定データをPDA8の表示部で表示することができるようにしている。
【0033】
また、識別コードリーダ12を備えたPDA8によって、識別情報として広範囲に使用される識別コードの読み取りを可能とすることにより、このPDA8を携帯する看護師等はその実施者IDや、医療行為が行われる患者ID、注射ID等の識別情報の入力(或いは読み取り)を正確かつ簡単に、かつ迅速に行うことができるようにしている。
【0034】
また、このPDA8は薬液に対する耐性を有する防水構造になっており、医療現場で使い易い構造にしてある。
サブシステム4A、4Bは、より具体的には注射等のオーダの登録等が行われる外来システムや病棟システム、注射等のオーダの登録に応じて薬剤払い出し等を行う薬剤部門システム、医療行為に対する会計処理等を行う医事システム、看護師により薬剤の混注等を行うナース(ステーション)システム等として設けられている。ここで、特に看護師が医療行為を行うナースシステム及び病棟システムにおいては各看護師がPDA8を携帯することにより、医療行為の実施場所、具体的には入院している患者のベッドサイドにまで行ったその場所でその医療行為情報の入出力を行えるようになる。この結果、医療行為の状況がリアルタイムで記録でき把握できるようになるのである。
【0035】
つまり、医療行為の実施場所でその医療行為の実施された時刻からの遅れが発生することなく、正確な医療行為の記録や把握ができるようになる。
また、医療行為の実施場所で医療行為を行う場合には、その医療行為の作業予定の内容をPDA8により確認でき、その作業予定の内容を確認してから作業予定の医療行為を行えるようになるので、実施されるべき(予定された)医療行為を正確かつ誤りの少ない状態で行うことができる。
【0036】
また、PDA8の使用によって、医療行為を行った内容の記録の入力をその医療行為の実施場所で行えるので、実施した医療行為の記録をする場合にもその実施場所で実施内容を確認しながら、且つ実施直後にその記録が行われる。従って、正確かつ誤りの少ない状態で記録を行うことができる。
【0037】
また、医療行為を行う場合に、携帯可能なPDA8の使用により、その医療行為の作業予定内容を殆ど任意の場所や時間に参照したり確認したりすることも容易にできるので、医療行為を円滑に進め易い。また、作業予定内容が変更されるような場合であっても、実施直前に作業予定内容の確認をその実施場所で行うことができるので、作業予定内容の変更にも対処がし易い。
【0038】
また、このように医療行為を実施した場合にはその実施した内容を正確に、且つリアルタイムに記録できるので、その後の記録データの解析によってより適切にシステムを改善することも可能となる。
これに対して、従来例における事後入力の方法では、医療行為の実施場所ではなく、PC端末等のデータ入力手段が設置されている場所で医療行為の内容の記録のための入力を行うことになるので、実施した時刻から時間的に遅れが発生する。また、医療行為の実施後に相当の時間が経過してからその記録を行うことになるので、実施内容をその実施場所で確認してからその医療行為を行うことを効率良く(円滑に)できない等の欠点がある。
【0039】
また、例えば実施すべき内容を確認してから実施場所に出向いてその確認した内容の医療行為を行うことも可能ではあるが、この場合には、1つの医療行為を行う度にいちいちPC端末の設置場所へ戻って確認することが必要となり、効率的ではない。
【0040】
なお、図1において、サブシステム4Aと、4Bとの構成要素を混成させたようなサブシステムでもよい。具体的には、例えばサブシステム(PDAシステム)4Bにおいて、さらに据え置き型のPC端末6を備えたものでもよい。
なお、これより説明する本実施の形態では、病院情報システム1の中の特に看護師による医療行為、つまり看護業務に対する看護支援機能について説明する。
【0041】
看護支援機能は、次の看護に関する医療行為を支援するための機能である。
・注射
・看護
・処置
・検体検査
「注射」は看護師が患者に対して注射を行う医療行為であり、「看護」は看護師による患者の体温の検温、患者の体を拭く等のケア、沐浴指導等の医療行為であり、「処置」はカテーテルを外す等の看護師が行う看護処置の医療行為であり、「検体検査」は看護師により血液検査や体液検査等を行う医療行為である。
【0042】
なお、「注射」には後述するように開始から終了まで殆ど時間のかからない「ワンショット注射」と呼ばれるものと、点滴(注射)のように開始から終了までにある程度の時間のかかるものとがある。
これらの医療行為は医師から「注射」、「看護」、「処置」、「検体検査」のオーダ指示が出されてPC端末6により病院内情報管理システム2へのオーダ登録指示がされると、病院内情報管理システム2はそれを受け、図3の表に示すようにそのオーダ登録から、指示受け、…、中止まで、対応する各ステップの作業予定データを自動生成し、その自動生成したデータを病院内情報管理システム2のデータベースに登録する。
【0043】
つまり、病院内情報管理システム2は作業予定データの生成手段を有し、生成された作業予定データを病院内情報管理システム2内のデータベースに登録する。
そして、看護師は、携帯しているPDA8を用いてサーバ7を介してそのデータベースにアクセスすることにより、それらの作業予定データをダウンロードしてその作業予定データを取得し、PDA8内の記憶部16に記憶(記録)させておくことができる。
【0044】
そして、PDA8の操作入力部17である例えばタッチパネルを操作することにより、記憶部16に記録させた作業予定データを表示部18である液晶モニタ等に一覧表示をすることができるようにして、作業予定データの参照や進捗状況の把握等ができるようになる。
【0045】
また、PC端末6からも作業予定データの内容の参照や進捗状況の把握等ができる。また、通常、オーダの登録は外来システム等のPC端末6により行われる。
「注射」から「検体検査」までの各医療行為は、図3に示す表のようにオーダ登録、指示受け、…等のステップに沿って実行される。例えば、後述するように注射の医療行為は、医師からの指示により注射のオーダ登録がされ、その後にそのオーダ登録に対する指示受け、注射の準備として薬剤の払い出し、混注、注射開始、注射終了や、場合によっては注射ボトルの破損による取り消し、或いは患者の容態の変化などによる注射の中止等が行われることもある。
【0046】
また、看護の場合には(左に示す注射の場合と同じ、つまり左記に同じの)矢印で示すように看護のオーダ登録、その指示受け等が生成される。
図4はシステム全体に共通の動作フローを示す。
図4(A)はオーダ時の動作、図4(B)は参照時の動作、図4(C)は実施時の動作をそれぞれ示す。
【0047】
図4(A)では、外来システムや、場合によっては病棟システムのPC端末6によって、ステップS1の各医療行為に関するオーダが指示・入力される。そのオーダデータは、ステップS2に示すように病院内情報管理システム2に登録される。
【0048】
また、病院内情報管理システム2にオーダデータが登録されると、図3の表の縦列方向に示したステップの作業予定データが生成される(ステップS3)。
各サブシステム4A(或いは4B)は、図4(B)のステップS6に示すようにこの作業予定データを取得することで、ステップS7のオーダの指示内容、予定内容を参照することができ、指示・予定に基づき医療行為(医療業務)を行うことができる。
【0049】
また、図4(C)のステップS11の医療行為の実施開始をする場合は、看護師は携帯しているPDA8によりステップS12の作業予定データの取得を行う。
そして、取得された作業予定データに基づいて医療行為を実施しようとする実施場所となるベッドサイド等に行き、ステップS13に示すようにその実施場所の患者に対して医療行為を実施する。
【0050】
その医療行為の実施した時点で、看護師は携帯したPDA8によりステップS14に示すような実施内容の入力操作(作業)を行い、ステップS15に示すようにこの実施データを直ちに病院内情報管理システム2に対して登録を行うことになる。
【0051】
なお、例えば、オーダ内容等、作業予定データに変更があった場合には、変更登録を行うことにより直ちに病院内情報管理システム2にその変更された作業予定データの変更登録がされる。
オーダデータや、そこから展開される予定データ、実施データは、例えば階層構造を持つタグで定義された、XML(eXtensible Markup Language)ファイル等で構成される。XMLはHTML(HyperText Markup Language )の機能を拡張したものであり、その技術は周知技術であり特記しない。
【0052】
これらオーダデータ、作業予定データ、実施データは、必要に応じて、各サブシステム4AのPC端末6等で参照することができ、随時、オーダの内容や、予定、進捗状態、実施内容等の把握が可能となっている。
また、携帯できるPDA8により任意の時間及び任意の場所で自由にオーダの内容や、予定、進捗状態、実施内容等の把握が可能となる。また、実施場所となるベッドサイドの患者に対して作業予定の医療行為を実施した場合には、その作業予定の医療行為の内容を携帯したPDA8に入力することにより、PDAシステム4Bを介して病院内情報管理システム2にリアルタイムで登録することができ、医療行為に関して正確な情報の蓄積、更新ができる。
【0053】
また、この場合、単に時刻のみでなく、後述するように5W1H(誰が、どこで、何を、どのように、いつ)を示す情報として記録されるので、その情報を詳しく解析することで、改善することもし易い(後で、解析する場合に必要な情報の欠落が少なく、詳細な解析が可能となる)。
【0054】
本明細書では、各サブシステム4A或いは4Bにて、医療行為の進捗状態、実施内容等の把握を可能とする為の、データ入出力の仕組みについて説明する。
図5は注射のオーダにより生成される作業予定データを表す図である。
注射の場合は、オーダが登録されると、以下の作業予定データが生成される。
(1)病棟における指示受け作業(図5では単に「指示受け」と表示)
(2)薬剤部門における薬剤の払い出し作業(図5では単に「払出」と表示)
(3)病棟における薬剤の混注作業(ミキシング作業)(図5では単に「混注」と表示)
(4)病棟における患者への注射開始作業(図5では単に「注射開始」と表示)
(5)病棟における患者への注射終了作業(図5では単に「注射終了」と表示)
これらの作業予定がすべて完了することで、この注射オーダに対する実施が完了したことになる。それぞれの作業予定は、サブシステム4A若しくは4B、具体的には次のサブシステムにて実施が行われる。
「指示受け」→病棟システムにて、看護師が実施する。
「払出」→薬剤部門システムにて、薬剤師が実施する。
「混注」→病棟システムにて、看護師が実施する。
「注射開始」及び「注射終了」→PDAシステム4Bにて、看護師が実施する。
【0055】
ここで、注射とは、点滴注射とワンショット注射との両方を意味している。点滴注射の場合は、時間をかけて投与が実施されるため、投与開始と投与終了の作業とは別個に行われるのが通常である。一方、ワンショット注射の場合は、1度の行為で投与が終了するため、投与の開始と終了とがほぼ同時に行われる。
【0056】
図6は医療行為として注射を実施する場合におけるPDAシステム4Bの動作フローを示す。
PDAシステム4Bでは、携帯が可能なPDA8が利用されており、看護師がこのPDA8をベッドサイドまで携帯して出向くことによって病棟のベッドサイド等での作業予定の確認や作業の記録の入力が可能であるので、注射開始および注射終了の実施データ入力に使用される。
【0057】
通常、看護師は、まず、自分が担当する勤務帯の担当患者に対する作業予定をPDA8に取得しておき、その日の予定等を把握する。そして、各々の予定時刻になると、患者のベッドサイドに出向いて各医療行為を実施し、PDA8から実施データの入力を行う。以下、図6に従って、その動作を詳細に説明する。
【0058】
看護師は最初にステップS21のログイン処理をする。ここで、ステップS21での処理の詳細なフローを図7に示す。PDA8の電源を投入すると(ステップS211)、PDA8は図8のログイン画面G1となる。
このログイン画面G1において、看護師は、注射を実施する実施者IDとパスワードを入力する(ステップS212)。
【0059】
ログイン画面G1において、医療行為を実施するスタッフが自分のネームプレート等に付されている識別情報としての識別コードの読み取りをPDA8に設けた識別コードリーダ12で行うと、実施者IDの欄に識別コードから読み取ったIDデータが入力される。このように、PDA8に設けた識別コードリーダ12により簡単な操作でかつ正確に実施者IDを入力することができる。
【0060】
また、パスワードは、英数記号等のキーボード20の画面が表示されているPDA8のタッチパネル上を指やペンでタッチすることで入力可能である。
このようにして実施者IDとパスワードとの入力が完了し、ログインボタン21が押されると、実施者IDとパスワードとがサーバ7を経由して病院内情報管理システム2に送られて問い合わせがなされ、この実施者IDとパスワードが正しければログインが完了する。なお、間違ったパスワード等を入力した場合には、後退・全消去ボタン30をタッチしてこの入力を消去して入力し直すこともできる。
【0061】
ログインが完了する(ステップS213)と、図6に示すようにステップS22の作業予定リストの取得(PDA8への登録)の処理に移る。
この作業予定リストの取得の処理に移ると、PDA8の表示は図9に示す作業予定リストの登録画面G2になる。
【0062】
この作業予定リストの登録画面G2では、患者を指定して登録するか病棟を指定して登録するかの表示が行われる(PDA8の表示画面G2等では簡単化等のため、作業予定リストを作業リストと略記)。
つまり、看護師は、患者を指定して作業予定リストをPDA8に取得するか、あるいは患者がいる地域の範囲、例えば病棟、を指定してその病棟の患者すべての作業予定リストを取得するかを選択する。このように、医療行為を行う看護師が自分に適した作業予定リストを選択或いは絞り込みをすることができるようにして、使い勝手の良い選択画面を提供している。また、図9において、ログアウトボタン23を押して(タッチして)作業を中断することもできる。
【0063】
図9において、例えば「患者を指定して登録」を選択した場合には、図10の画面G3が開く。
この画面G3において、「(1)勤務帯」ボタンと、「(2)患者ID」の入力欄が表示され、看護師は後述する勤務予定の勤務帯を指定(この具体例では例えば日勤帯09:00〜17:15を指定)し、患者IDの識別コードを読み取ることで、病院内情報管理システム2に登録されている作業予定リストのデータから、これに対応するデータが取得される。そして、この画面G3には取得された対象患者全てが、リストに表示される。
【0064】
図10の画面G3は、3人の患者(各々に付与されている識別子である患者IDが「11111111」、「22222222」、及び「33333333」である3人)に対する勤務帯(09:30〜17:15)での作業予定リストが取得された状態を示している。この状態で確定ボタン24を押すことにより、この3人の患者に対する医療行為の予定がPDA8に正規に登録される。また、キャンセルボタン22へのタッチによってこれらのリストの登録をキャンセルすることもできる。
【0065】
一方、図9の画面G2において、「病棟を指定して登録」を選択した場合は、図11の画面G4が開く。
この画面G4において、「(1)勤務帯」ボタンと、「(2)病棟」の入力欄が表示され、看護師は取得したい勤務帯と病棟名(例えば5F北病棟)を指定し、確定ボタン24を押すことで、指定した病棟の患者全ての予定がPDA8に取得されることになる。
【0066】
図10及び図11において、上記の手順で対象の患者の作業予定リスト情報がサーバPDAサーバ7よりアクセスポイント10を介してPDA8に取得されると、PDAサーバ7では、そのPDA8のIPアドレス情報とそのPDA8に送信した作業予定リスト情報の対象患者のIDとを関連付けて、例えばPDAサーバ7内の記憶装置にその関連付けた情報を記憶する。例えば、PDA8のIPアドレスが「192.168.xxx.xxx」の場合、上記図10では、「192.168.xxx.xxx:11111111」、「192.168.xxx.xxx:22222222」、「192.168.xxx.xxx:33333333」の関連付けが行われている。
【0067】
図10と図11には、それぞれ「(1)勤務帯」ボタン25が設けられているが、このボタン25を押す事で、勤務帯を選択指定する為のウィンドウが開き、図12に示すように勤務帯を選択指定する為の画面G5となる。
なお、本実施の形態では勤務帯は、深夜帯は01:00〜09:15、日勤帯は09:00〜17:15、そして準夜帯は17:00〜01:15であるとして説明するが、この時間帯は設定により変更可能である。
【0068】
図13は、図9〜図12で示したステップS22の処理の詳細なフロー、すなわちログイン完了から勤務帯を選択するまでのフローを示したものである。PDA8にログインされると(ステップS221)、このPDA8にユーザがログインした旨の情報がサーバ7に通知される。サーバ7では、そのログイン情報を受信すると、現在時刻情報をそのPDA8に送信する。PDA8では、その受信した現在時刻情報(以下、ログイン時刻情報)に基づいて、PDA8内蔵の時計装置の時刻を補正する。また、その現在時刻情報をRAM15または記憶部16に格納する。
【0069】
次に、図9で説明したように作業予定リストの登録画面G2が表示される(ステップS222)。そして、上記で取得したログイン時の時刻が、「01:00〜09:00」、「09:00〜17:00」、「17:00〜01:00」のどの範囲に含まれるのかが判断される(ステップS223)。
【0070】
その後、「患者を指定して登録」または「病棟を指定して登録」のどちらかを選択して、図10または図11の画面に遷移する。ここでは、「病棟を指定して登録」を選択することとする。
そうすると、図11の画面G4が開く。このとき、ステップS223で上記で取得したログイン時刻が「01:00〜09:00」の範囲に含まれると判断された場合、ボタン25には「深夜帯(01:00〜09:15)」が表示される(ステップS224)。また、ログイン時刻が「09:00〜17:00」の範囲に含まれると判断された場合、ボタン25には「日勤帯(09:00〜17:15)」が表示される(ステップS225)。また、ログイン時刻が「17:00〜01:00」の範囲に含まれると判断された場合、ボタン25には「準夜帯(17:00〜01:15)」が表示される(ステップS226)。このようにログインした時間により自動的に勤務帯をボタン25に表示する。
【0071】
ログインしたユーザは、ステップS224、ステップS225、またはステップS226で勤務帯ボタン25に表示された勤務帯が正しいかどうかを判断する(ステップS227)。ステップS227で、ユーザが表示内容が正しいと判断した場合、上記で説明したように画面G4で作業予定リスト登録を登録する(ステップS229)。また、ステップS227で、ユーザが表示内容が誤っていると判断した場合、勤務帯ボタン25を押下する。
【0072】
勤務帯ボタン25を押下すると、図12で示した勤務帯選択のウィンドウがオーバーレイ表示され、「深夜帯(01:00〜09:15)」、「日勤帯(09:00〜17:15)」、「準夜帯(17:00〜01:15)」の勤務帯のうちのいずれかを選択できる(ステップS228)。
【0073】
この場合、ログインした時刻により、その時刻を含む勤務帯が中央にデフォルト(初期)の選択状態で表示され、その前後に他の2つの勤務帯が表示され、所望とする勤務帯の選択をしやすくしている。本実施の形態では、「日勤帯(09:00〜17:15)」がデフォルトで選択されている。
【0074】
また、ここで、正しい勤務帯を選択して確定ボタン26を押すことにより、その選択された勤務帯ごとの作業予定リストの取得が可能となる。
なお、この場合に取得される作業予定データは、勤務帯の時間帯に前後1時間半程度プラスして、作業予定を多めに取得するようにしている。これは、勤務帯の分かれ目付近の予定のずれや、各勤務帯でのスタッフ間の作業の引継ぎを考慮したものである。
【0075】
さらに、「注射終了」の作業予定については、24時間前まで時刻を遡って作業予定データを取得するようにしている。これは、後述するが、注射開始と注射終了との両作業がある点滴注射の場合には点滴注射の投与中の状態があるため、前の勤務帯で投与を開始した点滴注射について現在の勤務帯にて注射終了の作業を行うといった場合に必要となるためである。
【0076】
ステップS22の作業予定リストの取得の処理が終了すると、ステップS23の作業予定リストの表示の処理に移る。
この作業予定リストの表示の処理に移ると、PDA8には図14に示す作業予定リストの表示画面G6となる。
【0077】
この図14の作業予定リストの表示画面G6は、作業予定リストを表示する際に、どのような形で表示を行うかを選択する画面であり、「本日の業務リスト」、「患者毎の業務リスト」、「項目毎の業務リスト」の3つの選択項目27a、27b、27cが表示される。
【0078】
「本日の業務リスト」の選択項目27aを選択すると、PDA8内に登録したすべての作業予定を表示する。
「患者毎の業務リスト」の選択項目27bを選択すると、PDA8内に登録した作業予定の中で、指定した患者の作業予定リストのみを表示する。
【0079】
また、「項目毎の業務リスト」の選択項目27cを選択すると、PDA8内に登録されている作業予定の中で、指定した医療項目の種類の作業予定リストのみを表示する。
このように、作業予定データをPDA8の記憶部16に一旦登録しておき、作業予定データのリスト表示(一覧表示)の形態を変更する形としたことにより、病院内情報管理システム2への問い合わせの頻度を減らし、通信に係るトラフィックを少なくする効果や、処理時間の短縮に効果がある。
【0080】
また、看護師はPDA8内に取得した作業予定データにより、省電力で所望する作業予定データの選択的な表示等ができる。つまり、サーバ7を介して病院内情報管理システム2のデータベースに逐一アクセスすることなく、すなわち無線LANカード12をアクティブな状態にすることなく、そして無線LANカード12を休止状態にした省電力の状態で、PDA8内の記憶部16から、勤務帯、患者、作業項目等の指定操作を行うことにより、指定した患者等に関する作業予定データのみを表示させるようにすることができる(PDA8内のCPUは、PDA8の操作指示により、サーバ7側と接続することを必要としない場合には無線LANカード12を休止状態にし、省電力化する)。
【0081】
この他の変形例として、図6のステップS21に示すようにPDA8によりログインして病院内情報管理システム2のデータベースにアクセスした後、ステップS22の作業予定リストの取得を行わないで、ステップS23の作業リストの表示の処理を行うようにすることもできる。
【0082】
特に、最新のある項目のみの情報を確認したいような場合には、このようにすると、短時間で目的とする情報の確認ができる。また、選択肢を広げることにより、このPDA8を用いるスタッフはより自分に適した表示形態で作業予定データの表示や確認ができる。
【0083】
このように本実施の形態では、作業予定データの表示内容を選択でき、その場合、携帯端末としてのPDA8における作業予定データの取得手段側で選択できると共に、表示部18の指示側でも選択することができるようにして、PDA8を使用する広範囲のユーザに対応できるようにしている。
【0084】
図14の画面G6において、「本日の業務リスト」の選択項目27aを選択すると、図15に示す表示画面G7となる。
この画面G7は、実施が未(まだ)の作業予定リストを表示するタブ28と、実施済みの作業予定リストを表示するタブ29とに分けて表示する構成にしている。
【0085】
つまり、取得した作業予定リストの中で、実施が未のものは、「未」のタブ28に表示され、実施が済みのものは、「済」のタブ29に表示されるので、作業予定の中で、何が未実施で、何が実施済みかを、判りやすく表示可能である。
また、画面右上には、進捗バー31と呼ばれる表示があり、予定されている作業のどのくらいが実施済みになっているかの割合が、バーのゲージで表示されている。バーの色が右端にまで達すると、予定のすべての作業が済んだことになる。このゲージは、全体の予定件数と実施済みの件数との比率の算出結果を表示している。
【0086】
各作業予定は、「未」タブ28のリストの1行に表示され、それぞれ、予定時刻、患者名、作業名称が表示される。この予定リストの1行を選択することで、後述の実施入力を行う為の画面が表示される。
又、実施を行った予定リストは、済みのタブ29に移動するが、この済みのタブ29上で、リストの1行を選択した場合は、図16に示す画面G8のように実施済みの内容(実施データ)が(図15の画面G7上に)オーバレイ表示される。
【0087】
図16の実施済みの内容例では、血圧測定を実施し、血圧(上)と血圧(下)の測定値の入力結果が表示されている例である。
図15に示すように未実施の作業予定リストが表示されるので、図6のステップS24に示すようにその作業予定リストから1つを選択し、その選択した医療行為を実施する。
【0088】
この場合、医療行為を実施し、その実施場所でその実施をした看護師は携帯しているPDA8によりその医療行為の実施を行った内容の入力を行う。この医療行為の実施を行った内容の入力を行い、この入力操作が完了すると、その内容はサーバ7を介して病院内情報管理システム2にも送信される。
【0089】
そして、その医療行為は作業予定データから実施済みの医療行為としてデータベースに登録され、その登録の処理が完了すると、その完了の通知がPDA8に戻される。
このようにして、病院内情報管理システム2のデータベースには、医療行為に関する情報がリアルタイムで正確に蓄積される。なお、データベースに登録される情報は図17を参照して後述するように単に時刻情報のみを含む情報でなく、詳細な情報である。
【0090】
上記完了の通知を受けてPDA8における「未」タブ28に表示されていた医療行為が実施済みとなり、その作業予定の内容は、「済み」タブ29へと移動する。
そして、ステップS23に戻り、残っている作業予定リストから1つを選択し、その選択した医療行為を実施することを繰り返すことにより未実施の作業予定の医療行為を全て行うことになる。
【0091】
このように本実施の形態では、医療行為を行う実施者としての看護師はPDA8を携帯することにより、殆ど任意の場所及び時間において、自分の行うべき作業予定業務をPDA8の表示部18に表示させることで確認できる。
その場合、実施を行っていない作業予定業務は「未」タブ28にまとめて表示され、その「未」タブ28の作業予定業務を実施場所で実施して、実施の内容を入力する操作を行うことにより、病院内情報管理システム2のデータベースに登録されると共に、PDA8での表示形態は「未」タブ28から「済み」タブ29へと移動するので、看護師は「未」タブ28に表示されている作業予定業務を、患者がいる各実施場所で実施していくことで、正確、円滑かつ効率良く作業予定業務を遂行することができる。
【0092】
上記作業予定や、オーダ時の指示事項に基づき、医療行為が実施できるのは、作業予定データ(XML構造のファイル)に、必要な情報がセットされているからである。以下に、作業予定データの内容と、注射実施時の動作について説明する。
【0093】
図17は作業予定データの構造を示す。各作業に必要な5W1H(誰が、どこで、何を、どのように、いつ)を示す情報が含まれ、作業予定データを取得することで、オーダ時に指定された指示内容を参照し、医療行為を実施することができる。
【0094】
1オーダでは複数の注射(図17ではRPと略記)の予定の登録が可能であり、<作業予定データ><実施データ><指示内容><対象物>等のタグデータは、”複数出現可”(繰り返しのセット)が可能となっている。
図17の右側の「実施データの内容」欄は、注射の実施によってPDA8からサーバ7を通して登録される実施データの構造を示す。
【0095】
この構造は作業予定データと同じであり、各作業で実施した5W1Hを示す情報が含まれる。作業予定データではセットされていなかった実施者や、実際の実施時刻、投与量等のデータが実施内容に基づきセットされる。
図17の「作業予定データの内容」、「実施データの内容」、「破棄データの内容」欄にその情報のセット内容の例を示す。網掛けをした部分が、実施内容に基づいて、追加、または変更されたデータである。
【0096】
「作業予定データの内容」欄と「実施データの内容」欄とを見てみると、作業予定データの<進捗>のデータが、“予定”から“実施済み”に変更され、<実施者>、<実施時間>、<投与量>が実施した内容に基づき追加され、実施データとなっている。なお、図17では、実施者(オリンパス花子)を簡単化のため〜Nsと略記している。
【0097】
また、後述するように図17の「破棄データの内容」欄には、破棄された場合のデータ構造を示し、作業予定データの内容に対して網掛けをした部分が、変更されたデータとなる。
図18は注射実施(投与時)の動作フローを示し、この動作フローを以下に説明する。
【0098】
図18のステップS31に示すように実施する作業(この場合、注射)予定を選択する。
このために、例えば図14の「項目毎の業務リスト」を選択し、この選択から注射に関する作業予定のみを表示する状態にする。注射に関する作業予定のみを表示する状態にした画面G9を図19に示す。
【0099】
この画面G9では、具体的には5日10:00予定の「5日10:00 オリンパス次郎 注射:IV」の予定を例に取ると、作業予定データ内にセットされている情報は、図17の右欄に記載のようなデータになる。
「05日10:00 オリンパス次郎 注射:IV」の行を選択した場合は、図18のステップS32に移り、ボトルラベルチェックの処理を行う。そして、この場合には、看護師のPDA8には図20に示す表示画面G10となり、「ボトルラベルを識別コードを入力して下さい」等のメッセージ表示を行うと共に、注射ボトルに混注(ミキシング)されている全ての薬剤(薬剤名称および使用容量)が表示される。
【0100】
従って、看護師は携帯しているPDA8で識別コードが表示されている注射ボトルのラベルを読み込み、作業予定データ内のRP−IDと一致するかを照合する。照合により、作業予定データ内のRP−IDと一致している場合には、次のステップS33に進む。
【0101】
一方、作業予定データ内のRP−IDと一致していないと、ステップS34に移り、警告して、ステップS32に戻る。
注射ボトルを取り間違えている等の場合は、ラベル上の識別コードとRP−IDが一致しない為、間違いを検出し、警告表示および警告音を出して通知が可能となっている。
【0102】
図21はこの場合の警告表示の画面G11を示し、「読み込まれたボトルラベルは実施しようとしている注射のボトルラベルではありません。」等の警告メッセージを表示する。
照合により、作業予定データ内のRP−IDと一致している場合には、ステップS33に進み、このステップS33で、混注(ミキシング)/中止チェックを行う。
【0103】
つまり、混注(ミキシング)の作業の実施入力が済みとなっているか、およびオーダが中止されていないかをチェックする。
混注(ミキシング)の実施入力が済みとなっていれば、混注の実施データが登録されているはずであり、オーダが中止になっていれば、オーダ中止の実施データが登録されている。
【0104】
よって、病院内情報管理システム2から、混注の実施データ(XMLファイル)を取得し、<進捗>のタグデータが”実施済み”になっているか否かを確認し、且つ、オーダ中止のデータが登録されていないかを確認する。
ここで、混注が未実施の場合は、ステップS34の警告処理、例えば「混注の確認作業が実施されていません。」という旨の警告表示を行い、オーダが中止されている場合は、その警告処理、例えば「オーダが中止されています。」という警告表示を行って、ステップS32の処理に戻す。
【0105】
ここで、混注(ミキシング)の確認作業が実施済みであるか否か、オーダが中止になっていないかを確認する理由は次の通りである。
混注(ミキシング)の確認作業が行われていないということは、ボトルのラベルの識別コードとミキシングする各薬剤の識別コードとのチェックがなされていない。よって、指示通りの薬剤がミキシングされ、所定のボトルに注入されているかを、確実にするためには、混注(ミキシング)がシステムにてチェックされたか否かを確認する必要がある。
【0106】
本システムでは、混注(ミキシング)の確認入力が行われた後は、注射オーダの修正入力はできないよう制御している。これは、投与直前までオーダ修正が可能であっても、投与直前のオーダ修正に対しては対応が困難であるためである。また、混注(ミキシング)後に薬剤変更があった場合は、既に混注(ミキシング)した薬剤は無駄となるためである(なお、直前のオーダ修正については、オーダの中止および新規の緊急オーダとボトルの破棄処理にて対応することができる。)。
【0107】
よって、注射ボトルの識別コードと作業予定データのコード(RP−ID)が照合できた場合、混注(ミキシング)の確認入力済みであることが確認でき、オーダが中止されていなければ、その作業予定データは、修正を受けておらず、かつ中止もされていない、実施すべき作業であることが確認できることになる。
【0108】
この混注(ミキシング)/中止チェックにより実施すべき作業であることが確認されると、ステップS35に進み、リストバンドチェックの処理を行う。
図22は患者のリストバンドチェックを行う場合の表示画面G12を示す。
ボトルラベルチェック及び混注(ミキシング)/中止チェックがOKとなった場合は、PDA8の表示はこの画面G12に遷移する。この画面G12では、例えば「患者のリストバンドの識別コードを入力してください。」のメッセージが表示される。
【0109】
ここで、看護師はPDA8により患者リストバンド上の識別コードを読み込み、作業予定データ内の患者IDと一致するかを照合する。照合により一致していると、ステップS36に進む。一方、一致していないと、ステップS37の警告の処理を行ってステップS35に戻る。
【0110】
このように、対象患者を間違えている等の場合は、リストバンドの識別コードと患者IDが一致しないため、間違いを検出し、警告表示および警告音を出して通知が可能となっている。
ステップS35によるリストバンドのチェックが済むと、ステップS36のオーダ内容の表示の処理に進み、この場合にはPDA8は図23に示す注射実施の確定画面G13となる。
【0111】
この画面G13では、注射に対するオーダ時の指示内容が表示される。
つまり、患者情報、予定日時、注射の種類/内容/ルート/速度、混注されている薬剤情報、等が表示され、ここで、オーダの指示内容を確認し、次のステップS38の注射の投与を実施する。
【0112】
ステップS38の注射実施後、ステップS39の投与した投与量を入力する処理を行う。
図24はPDA8における投与した投与量を入力する画面G14を示す。
この画面G14は、電卓入力に近い画面となり、投与した薬剤のパーセンテージを入力できるようになっている(デフォルトは100%で表示され、変更がなければ、そのまま確定ボタンを押せばよい)。
【0113】
この投与量の入力を行うことにより、ステップS40の実施データの登録処理がされ、PDA8からサーバ7を通して病院内情報管理システム2に登録される。
なお、上記注射は、必ずボトル内の注射薬全てを投与するとは限らないため、このように正確に投与量を記録することもできるようになっている。これは、患者の容体の変化、オーダ時の指示等で、50%や75%のみ投与ということがあり得るからである。また、ここでは、%単位での入力を行うようにしているが、使用した容量に基づきml単位での入力を行うようにしてもよい。
【0114】
次に、図18のステップ32のボトルラベルチェックの動作を、図25を参照してより詳細に説明する。
図25は注射の実施におけるボトルラベルチェックの動作フローを示す。
注射等のオーダは修正が行われる場合がある。具体的には、各サブシステム4AのPC端末6等から、オーダの修正登録が行われる場合がある。
【0115】
オーダの内容に変更があった場合は、その変更内容に基づき、医療行為が実施されるべきである。修正前の内容で、実施しようとした場合等は、その間違いをチェックし、警告表示等ができる必要があり、図25のボトルラベルチェックの処理はこれに対応するものである。
【0116】
つまり、図25は、オーダ内容が修正された場合でも、そのチェックができる仕組みを表した図である。具体例として、注射Aをオーダした後、注射の種類をA’(Aダッシュ)に変更した場合で説明する。
時刻T1で注射Aをオーダした後、例えば時刻T2でPDA8によりその作業予定リストが取得されていると、その後の時刻T3でオーダ修正が行われた場合には、PDA8には修正された内容(A’になった)が登録されていないことになる。しかし、このような状態においても、間違いの防止が可能な機能が搭載されている。
【0117】
この状態で注射を実施しようとした場合、次の3通りのケースC1、C2、C3が考えられるが、この病院情報システム1を使用していればそのいずれのケースにおいてもチェック機能が働くようになっている。
C1:オーダ変更前の注射Aが病棟に届く。
C2:オーダ変更後の注射A’が病棟に届く。
C3:全く異なる注射Bが病棟に届く。
【0118】
以下、C1から順次説明する。
C1:病棟に注射Aが届いた場合
通常は、混注(ミキシング時)に、ボトルラベル上の識別コードと混注される各々の薬剤の識別コードが、オーダ修正後の作業予定データの内容に基づき、病棟システムにて読み取りチェックされるため、そこで警告表示がなされ、間違いが検出される(混注確認作業)。
【0119】
PDAシステム4Bでは、この混注確認作業が実施されたか否かをチェックすることで、間違いのない内容のボトルが届いていないかどうかのチェックが可能である。
また、図25に示すように最新の作業予定データのチェックの機能を持たせることにより、オーダ変更を知ることができるようにしてもよい。
【0120】
つまり、PDA8によるラベルチェックはOKとなり、次のPDA8での混注チェックもOKとなり(これがNGであると「混注確認が未実施です」とのメッセージが表示される)、更にPDA8での患者チェックまでもがOKとなる(これがNGであると「対象の患者と異なります」とのメッセージが表示される)としても、最新の作業予定データをチェックする処理を行わせるようにすることにより、確認結果をNGとすることができる。
【0121】
具体的には、例えば、PDA8での患者チェックの処理の後、最新の作業予定データをチェックするようにし、変更があれば「オーダが変更されている可能性があります。確認して下さい」等のメッセージをPDA8に表示する処理を行うようにする。
【0122】
例えば図18のフローチャートで説明すると、ステップS35のリストバンドチェックがOKの後、上記最新の作業予定データをチェックするようにPDA8に表示する処理を行った後、ステップS36のオーダ内容表示を行うようにしてもよい。
【0123】
このように最新の作業予定データのチェックを行わせるメッセージ表示処理を行うことにより、その注射を実施する実施者は、最新の作業予定データを携帯しているPDA8で取得して確認することにより、オーダの変更を知ることができる。
C2:病棟に注射A’が届いた場合
病棟にオーダ修正後の注射A’が届いた場合、PDA8に修正前の古い作業予定データが登録されていた場合は、ボトルラベルのチェック不整合となり、メッセージにて警告が表示される。
【0124】
オーダが修正された場合は、各注射(RP)に付与されているID(RP−ID)は、途中桁までを同じとし、その下何桁かをインクリメントするようにしているので、途中桁までの一致を判断することによってボトルラベルの不整合がオーダ修正によって発生しているか否かが判断可能である。なお、途中桁までのIDは、各注射に一意な番号を付与すべきであることは、言うまでもない。
【0125】
このようにしてボトルラベル上の識別コードを照合チェックした結果、オーダ内容の修正のためにボトルラベルの不整合が生じている場合には、「オーダが変更されている可能性がありますので、予定業務リストを再取得してください。」という旨のメッセージが表示される。ここで、使用者がPDA8を操作して最新の作業予定リストを再取得することで、PDA8内には注射Aから注射A’に変更された後の作業予定データが登録される。この後には、ボトルラベルのチェック、リストバンドのチェックの結果はいずれもOKとなるので、注射A’の実施が可能となる。
【0126】
この動作は、注射を実施しようとしているスタッフへオーダ修正後の新しい指示事項を知らしめることができるという点で有効であり、古い情報しか知らないまま注射を投与することがなくなる。
また、警告だけでなく、さらに、「オーダが修正されていますので、最新化ボタンを押して下さい」とのガイダンスや、NGを出さずに、「オーダが修正されている為、最新情報を取得中です」を表示した上で最新の作業予定データを取得して照合し、この照合の結果がOKであるときに限り患者(リストバンド)チェックに進むようにしてもよい。
C3:病棟に全く異なる注射Bが届いた場合
病棟に全く異なる注射Bが届いた場合には、ボトルラベル上の識別コードと、作業予定データ所のコード(RP−ID)が全く異なっているため、明らかにNGとして、警告を行うことができる。具体的には、「使用予定のボトルと異なっています。」という旨の警告表示を行うことによって、間違って投与することを防止することができる。
【0127】
なお、この手法はワンショット注射の場合にはとりわけ有効であるが、点滴の場合には、時間をかけて投与を実施するため、ワンショット注射と異なり、“注射開始“と、“注射終了“の実施入力が行われる。
ワンショットの場合は、以下の順序
(1)ボトルラベルチェック→(2)リストバンドチェック→(3)投与→(4)注射終了(投与量)入力
で作業が行われるのであるが、点滴の場合には次のような2回の作業予定となる。
(点滴開始)
(1)ボトルラベルチェック→(2)リストバンドチェック→(3)注射開始
(点滴終了)
(1)ボトルラベルチェック→(2)投与終了(抜針)→(3)注射終了(投与量)入力
作業予定データで説明すると、ワンショット注射の場合には、「注射開始」の作業予定データと、「注射終了」の作業予定データの両方が同時に登録処理されるが、点滴の場合には、「注射開始」(「点滴開始」)と「注射終了」(「点滴終了」)とがそれぞれのタイミングで登録される。
【0128】
図28は点滴の医療行為を行う場合における動作内容を示す。ここで、図28(A)は点滴開始の場合の動作内容を示し、図28(B)は点滴終了の場合の動作内容を示す。
図28(A)に示すように、点滴開始により、ステップS41のボトルラベルチェックの処理を行う。このボトルラベルチェック(以下の混注/中止チェック、リストバンドチェックも同様)は実際には図18で説明したように、チェックが正しく行われないとNGとなり、警告を行ってステップS41に戻るような処理を行うが、ここでは簡単化のため、ボトルラベルチェックが正しく行われたとして簡略化して説明する。
【0129】
上記ボトルラベルチェックが正しく行われると次のステップS42の混注/中止チェックの処理となり、この混注/中止チェックが正しく行われるとステップS43のリストバンドチェックの処理に進み、このリストバンドチェックが正しく行われるとステップS44のオーダ内容表示の処理に進む。
【0130】
このオーダ内容表示の処理の後、ステップS45の注射開始(刺針)をする。つまり、上記リストバンドでチェックした患者に対して点滴の針を刺してセットされている薬剤投与の医療行為を開始する。また、その行為を実施した看護師はその時点(タイミングで)で、ステップS46に示すようにPDA8により点滴開始の入力操作を行い、病院内情報管理システム2にその情報を送信し、病院内情報管理システム2のデータベースには点滴開始の実施データが登録される。そして、患者に対して点滴により予定された薬剤が投与され始める。
【0131】
点滴開始後、その点滴による薬剤の投与が終了する時刻において、その点滴終了の医療行為を行う看護師は図28(B)のステップS51に示すボトルラベルチェックをした後、ステップS53の点滴のために刺した針を抜いて投与終了(抜針)の作業を行い、さらにステップS54のPDA8により投与量入力を行って点滴終了を実施する。
【0132】
この投与量入力によりPDA8からステップS55に示すようにその点滴終了の情報が病院内情報管理システム2に送信され、病院内情報管理システム2のデータベースには点滴終了の実施データが登録される。
このように時間のかかる医療行為の場合においても、病院内情報管理システム2のデータベースには正確に医療行為の開始時点での詳細な情報が登録されると共に、医療行為の終了時点でも詳細な情報が正確に登録される。
【0133】
このように時間のかかる医療行為の場合において、開始時点で詳細な情報の登録を行い、かつ終了時点でも詳細な情報を登録するようにして、以下のようにより適切な支援ができるようにしている。
例えば、点滴開始の作業予定時間に対して、実際に点滴開始の作業を実施した時刻がずれてしまうような場合においては、点滴終了予定の時刻もずれる。病院内情報管理システム2は、実際に点滴開始の作業を実施した時刻がずれた時間を参照し、データベースにおける対応する点滴終了の業務を行う作業予定の時刻を変更する。
【0134】
この変更により、その点滴終了の業務を作業予定データとしている看護師がPDA8によりその作業予定データを病院内情報管理システム2のデータベースからダウンロード等して作業予定データとして参照或いは閲覧した場合には、その点滴終了の業務を行う作業予定の時刻が変更されているので、速やかにその対応ができる。
【0135】
この場合、実際に点滴開始の作業を実施した看護師が点滴終了の業務も行う場合が多く、その看護師は点滴終了の業務が終了する予定時刻をより正確に知ることができる。従って、その後の作業予定業務への対応もし易い。
また、点滴開始から終了まで薬剤を投与する時間が長く、かつ看護師が点滴開始から終了まで、その場所に居なくても済むような場合には、その間に他の作業予定業務を効率良く実施することができる。この場合においても、点滴終了の業務が終了する予定時刻をより正確に知ることができるので他の作業予定業務を行い易い。
【0136】
また、実際に点滴開始の作業を実施した看護師が、例えばその勤務帯の終了時刻付近でその点滴開始の作業を実施し、点滴終了の業務を別の看護婦に引き継いで行うように業務予定が設定されている場合においても、その別の看護婦はPDA8によりデータベースにアクセスしてその作業予定データを参照或いは閲覧することにより、実際に点滴開始の作業を実施した時刻がずれたために点滴終了の作業終了予定時刻がずれ込むことを迅速に知ることができ、対処もし易い。
【0137】
例えば上述のようにずれた時間の間に他の作業予定の医療行為を行うようにする等することにより、後の作業予定の行為に及ぼす影響を少なくでき、作業予定の医療行為を円滑に行うことができる。
このように時間がかかる医療行為において、開始予定時刻と実際の開始時刻とがずれ込むような状態が発生しても、その情報を速やかに把握できるので、その後の医療行為を実施する場合の影響を少なくでき、医療行為を円滑に行い易いように支援ができる(或いは医療行為を円滑に行い易い環境を提供できる)。
【0138】
また、後でデータベースからそのような情報を詳細解析することにより、医療行為の実施がずれた原因等を調べることもでき、より適切に改善することもできる。
つまり、この場合においても、単に時刻のみでなく、上述した5W1Hを含む情報が点滴開始時と終了時にデータベースに詳細に登録されるので、後で解析する場合にもその解析に必要となる十分な情報があり、詳細な解析を行うことができる。
【0139】
例えば、点滴開始時と終了時に登録される情報は、それぞれの実施日時のデータの他に、実施者、実施場所、実施内容、実施された患者のデータ等を含む。より詳細には図17の実施データの内容の欄に示すものに相当する。図17では、作業予定のデータがそのその作業の実施により、或いはその作業予定の破棄によりどのようになるかの概要を示すものであり、図17ではその概要を分かり易くするため、(開始と終了とは殆ど同じ時刻で済む)ワンショット注射を実施したもので示している。
【0140】
従って、時間がかかる点滴の場合における点滴開始を実施した場合には、<進捗>のデータは作業予定データでの予定から実施データでは実施済(より詳細には、点滴開始の実施済)となり、<指示内容>のデータは実施データの欄でも図17の網掛けで示している投与の入力は行われない。この投与の網掛けは点滴終了の実施により行われることになる。
【0141】
また、この点滴開始の実施データの登録を受けて、病院内情報管理システム2はこの点滴開始と対になる点滴終了の作業予定データの内容の欄における<実施予定日時>のデータを点滴開始の実施データの日時により変更し、より正確なデータベースを構築し、参照するユーザに正確な情報を提供できるようにする。
【0142】
このように詳細に情報の記録が行われるので、システムのプログラムをより改善する解析の他に、医療業務を行う各看護師の業務遂行に関する能力、負担等の把握に利用することもできる。
なお、上述の説明では、データベースにおいて正確な情報の記録・蓄積を行う例で説明したが、(点滴のように)作業開始から作業終了までに時間がかかる医療行為の場合においては、作業開始の予定時刻から実際にその作業が開始された情報の登録がされた段階で、病院内情報管理システム2の図示しないCPUは、そのずれ時間が予め設定した時間を超えるか否かを判断し、越えていると判断した場合には、その点滴終了を実施する実施者が携帯するPDA8に対して、その点滴終了の作業予定時刻が変更されたことを告知する処理を実行するようにしても良い。
【0143】
告知する処理としては、点滴終了の作業予定時刻が変更されたことを告知する情報であると分かり易いが、これに限定されるものでなく、単に最新の作業予定データを得るようなメッセージでも良い。このようなメッセージとした場合には、他の場合にも利用でき、プログラムを簡単化できる。
【0144】
また、点滴開始と終了とを実施する実施者が異なる場合には、PDA8のメール機能を利用し、点滴開始をした時間がずれたので点滴終了の予定時刻がずれることを、点滴開始を実施した者から終了を実施する者へ知らせるようにしてもよい。
【0145】
また、上記説明では時間がかかる医療行為として点滴の場合で説明したが、その他の医療行為、例えば心電図を得るための医療行為その他に適用することも可能となる。
次に、注射のボトルを壊してしまった等、破損の処理について説明する。
【0146】
注射の投与前に、ボトルを壊してしまった等の破損入力用の画面は、注射の実施画面から開くことができるようになっている。図20のボトルラベルチェック画面右下にある破損入力ボタン31を押すことで破損入力用画面が開く。図26は破損入力用のボトルチェック画面G15を示す。
【0147】
この画面G15が表示されている状態で、壊してしまったボトルラベル上の識別コードを入力することで、まず、破損したボトルのチェックを行う。チェックが済むと図27の破損入力の確定画面G16が開く。
また、破損時にボトルラベルに液体がかかってしまい、識別コードの読み取りができないような場合には、ボトルラベル手入力ボタン33を押し、図示しない電卓型の入力画面から識別コードに隣接して表示されている該識別コードの内容を示す数字を入力することで、図27の画面G16を開くことも可能である。
【0148】
図27の破損入力の確定画面G16では、注射の実施確定画面と同様に、その注射のオーダ時の指示内容が表示される。
患者情報、予定日時、注射の種類/内容/ルート/速度、混注されている薬剤情報、等が表示され、ここでオーダの指示内容を確認する。破損入力するボトルに間違いなければ、確定ボタン24を押して入力を行う。
【0149】
確定ボタン24が押されると、破損入力したデータ(表1の“破棄データ”)が病院内情報管理システム2に登録され、物流部門や薬剤管理部門のシステム等と情報の共有化が行われる。
なお、破損入力を行った場合には、注射の実施入力とは異なり、注射の実施が「済」にはならないため、図12や図16の作業予定リスト上には「予定」の状態のまま残る形となる(「済」のリストには移動しない)。この「破棄データ」の登録により、同じ内容のボトルが準備、補充されてきた場合は、通常の注射実施時と同様に、作業予定リスト上から該当の作業予定を選択し、ボトルとリストバンドチェックした後、投与を実施することができる。
【0150】
また、上記例は混注済みのボトルを破損した場合についてであるが、混注(ミキシング)前に、混注予定の複数の薬剤の中の1つを壊してしまったような場合にも破損入力を同様に行うことができる。この場合には、図23の破損入力用のボトルラベルチェック画面にて、画面下部に表示されている薬剤のうち、壊してしまったものを選択指定することによって、破損入力の確定画面へ進むことができる。なお、薬剤各々に識別コードが付されている場合には、その読み取りにて、識別コードが付されていない場合は、表中の薬剤への指示にて各々入力が可能である。
【0151】
一方、注射の投与前ではなく、注射の投与開始後(点滴開始後)にボトルを壊してしまったような場合は、一部投与したとして、注射終了時の入力から投与量の%入力が行える。
図17の最も右欄の「破棄データの内容」は、注射の破損入力によってPDA8からサーバ7を通して登録される破棄データの構造を示している。
【0152】
この構造は作業予定データと同じであり、各作業で実施した5W1Hを示す情報が含まれており、実施者や実際の実施時刻等のデータが入力時の内容に基づいて設定される。図17における網掛けをした部分が、破損入力時の内容に基づいて、追加、または変更されたデータである。
【0153】
同図では、作業予定データの<進捗>のデータが“予定”から“実施済み”に変更され、<実施者>及び<実施時間>が実施した内容に基づき追加され、<実施内容>の種類が“破棄”とされている。また、<対象物>のデータには、混注(ミキシング)される各薬剤のデータがセットされている。なお、ボトルの破損の場合には混注(ミキシング)したすべての薬剤のデータがセットされているが、混注(ミキシング)前の薬剤の単品破損の場合にはここに破損した薬剤のみがセットされる。
【0154】
このように、本実施の形態によれば、医療行為の実施場所で医療行為を行う場合、その医療行為の作業予定の内容を携帯端末としてのPDA8により確認でき、その作業予定の内容を確認してから、作業予定の医療行為を行うことができるので、実施されるべき(予定された)医療行為を正確かつ誤りの少ない状態で行うことができる。
【0155】
また、時間がかかる医療行為に対しても、正確な把握ができるので、その医療行為が実際に行われる時間がずれるような事態が発生してもその情報を速やかに得られ、対処がし易い。従って、医療行為を円滑に進める環境を提供できる。
また、医療行為の実施場所で、PDA8により医療行為を行った内容の記録の入力を行えるので、実施した医療行為の記録する場合、実施場所で確認しながら行え、かつ実施直後にその記録を行うので、正確かつ誤りの少ない状態で記録を行うことができる。
【0156】
また、このように携帯したPDA8により医療行為を行うべき作業予定を確認して、その作業予定の医療行為を正確に行うと共にその記録も行った後は、その作業予定の内容は実施済みのリストに移り、従って実施者は作業予定のリストを参照することにより複数の作業予定の医療行為を円滑に進めることができる。
【0157】
また、医療行為を行う場合に、携帯できるPDA8によりその医療行為の作業予定内容を殆ど任意の場所及び時間に参照したり、確認したりすることも容易にでき、医療行為を円滑に行い易い。また、作業予定内容が変更されるような場合においても、実施場所で、実施を行う直前に作業予定内容の確認処理を行うことにより、作業予定内容の変更にも対処がし易い。
【0158】
また、このように医療行為を実施した場合にその実施した内容を正確に記録、つまりリアルタイムに記録できるので、その後の記録データの解析によって、システムをより改善することも可能となる。
なお、上述の説明では作業予定の医療行為を実施してその実施した内容等を入力することにより、サーバ7を介して病院内情報管理システム2に送信されてそのデータベースに登録が行われるが、その場合入力内容の確認操作と病院内情報管理システム2へ送信操作とを続けて行うようにしてもよい。
【0159】
例えば実施した内容の入力をPDA8で表示して確認ボタンで確認し、その確認した後、データベースに登録するために送信しますかの確認表示して、OKボタンその他のボタンの操作で送信を行うようにしてもよい。
また、このように登録のための送信を行った場合、病院内情報管理システム2が何らかの作業中のため、送信を受け付けるのを待つ待機状態となるような場合には、例えばPDAシステム4Bのサーバ7側でその内容を受け付け、病院内情報管理システム2の待機状態が解除された後に、サーバ7で受け付けた内容を病院内情報管理システム2のデータベースに登録し、その登録が完了するとPDA8にその登録が完了したことを通知するようにしてもよい。
【0160】
このようにすると、PDA8によりその登録を行おうとする実施者は、病院内情報管理システム2の待機状態が解除されるのを待ち続けるような不便を解消できる。
また、図12において、誤入力・指定による誤った日付の作業予定リストの取得が不可能になったので、通信ネットワークにおける不要なデータの伝送が抑制され、通信ネットワーク資源を効率的に使用することができる。作業予定リストを取得する際に、看護師による日付の入力・指定を不可能とし、勤務帯を選択するだけで該当する作業予定リストを取得することができるので、看護師のPDAに対する操作負担が軽減する。また、誤入力・指定による誤った日付の作業予定リストの取得が不可能になったので、誤った作業による医療過誤を抑制することができる。
【0161】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、病院内情報管理システム2で管理している患者の情報に変更があった場合、第1の実施の形態に基づいて既に変更前の情報を取得しているPDA8にその変更後の情報を取得させることについて説明する。
【0162】
図29は、本実施の形態におけるシステム構成の概要を示す。同図において、PDAサーバ7は、検知部71、作成部72、送信部73、記憶部74から構成される。検知部71は、変更のあった患者情報で、かつ緊急性の高い情報を検知する。記憶部74には、患者IDとその患者の情報を取得したPDAのIPアドレスとを関連付けた情報(以下、患者情報取得PDAリストという)が格納されている。作成部72は、変更のあった患者情報の患者IDに基づいて、患者情報取得PDAリストよりその患者IDと関連のあるPDAのIPアドレスを抽出し、送信リストを作成する。送信部73は、送信対象のPDAに情報を送信する。また、送信部73は、送信対象のPDAに情報が送信できなかった場合には、送信できなかったPDAのIPアドレスとそれに対応する患者IDの情報を未送信リストとして、記憶部74に格納(記憶)する。
【0163】
図30は、本実施の形態におけるPDAサーバの処理フローである。まず、オーダーの変更が生じた場合、ユーザは図1のサブシステム4AのPC端末6等によりそのオーダーの変更を行う。その変更情報はサーバ5に格納され、サーバ5から変更があった旨の情報(患者情報変更リスト)がPDAサーバ7に送信される(ステップS61)。
【0164】
図31は、本実施の形態における患者情報変更リストの概要を示す。同図において、患者情報変更リストは、「患者ID」、「緊急変更フラグ」、その他の項目から構成される。「患者ID」にはオーダの変更のあった全ての患者の患者IDが格納されている。「緊急変更フラグ」には、変更された患者の情報の中でも緊急性の高いもの(重要性のあるもの)、すなわち、すぐにその変更に対処しなければ医療過誤に繋がるものを判断するためのフラグである。
【0165】
このフラグには、例えば「1」または「0」の値が格納される。例えば、患者の容態により注射の種類が変更された場合、変更前の注射を実施したのでは患者の生命を危機に陥れることになるためすぐに対処しなければならず、「緊急変更フラグ=1」となる。また、血圧測定の時間帯が変更された場合には、緊急性は高くないので「緊急変更フラグ=0」となる。図31では、患者ID「11111111」の緊急変更フラグが「1」であり、緊急性が高く、本実施の形態で送信しなければならない患者情報である。また、患者ID「22222222」「33333333」の緊急変更フラグは共に「0」であり、オーダに変更はあったものの緊急性は低い。
【0166】
ステップS61で送信された患者情報変更リストを受信したPDAサーバ7の検知部71では、患者情報変更リストのデータ項目「緊急変更フラグ」を検知し、「緊急変更フラグ=1」の患者IDを取得する。また、記憶部74には、第1の実施の形態のログイン時の説明でも述べたように、PDA8のIPアドレス情報とそのPDA8に送信した作業予定リスト情報の対象患者のIDとを関連付けた患者情報取得PDAリスト75が記憶されている。
【0167】
そこで、作成部72では、「緊急変更フラグ=1」の患者IDを検索キーとして、患者情報取得PDAリスト75からその患者IDに関係する1つまたは複数のPDAのIPアドレスを抽出し、データ項目「患者ID」と「IPアドレス」とからなる送信リストを作成する(ステップS62)。
【0168】
次に、送信部73では、その送信リストにあるPDAのIPアドレスに基づいて、1つまたは複数のPDA8に少なくとも「患者ID」を含む情報をお知らせ情報として送信する(ステップS63)。
次に、送信リストにある全てのIPアドレスに対してお知らせ情報を送信できたか否かを判断する(ステップS64)。お知らせ情報を送信できた場合(図29のPAD8a参照)、本処理フローは終了する(ステップS67)。送信先のPDAが、電源OFF、送信可能エリアの圏外等の送信エラーのためにお知らせ情報を送信できなかった場合(図29のPAD8b)、図32に示すように、送信できなかったPADのIPアドレスとそれに関係する患者IDを未送信リスト76として記憶部に記憶する(ステップS65)。
【0169】
一定時間の待ち状態の後、未送信リストにあるIPアドレスのPDA(図29のPAD8b参照)に再送(ステップS66)。ここで、この待ち状態の間に、未送信リストにあるIPアドレスのPDAが、ログアウトしたり、後述する「最新化ボタン」を押下されて変更オーダーを取得した場合には、未送信リスト76からそのPDAのIPアドレスが削除される。
【0170】
そして、ステップS64〜S66の処理を繰り返し、お知らせ情報を送信できなかったPDAのIPアドレスは未送信リスト76に追加され、全てのPDAに送信できた場合は、本フローは終了する。
図33は、お知らせ情報を受信したPDA8aの表示画面G17を示す。同図に示すように、お知らせ情報を受信するとPDAの表示画面G17には、「〜様のオーダ変更があります。最新オーダを取得してください。」旨のメッセージが表示されたウィンドウ41がオーバーレイ表示される(以下、お知らせ機能という)。そのメッセージを見た看護師は「OK」ボタン42を押した後、「最新化」ボタン40を押して、最新オーダを取得する。
【0171】
「最新化」ボタン40を押すと、サーバ5に登録されている変更されたオーダ情報がPDAサーバ7を介して、そのPDA8aに送信される。ここで、PDA8aが受信する変更されたオーダ情報は、「患者ID」と変更されたオーダ情報のみの情報である。例えば、患者ID「11111111」の患者に投与する注射の種類が「A」から「B」に変更された場合、PDA8aが受信する情報は、「患者ID:11111111」と「注射の種類:B」とからなる情報である。
【0172】
図29のPDA8cは、お知らせ情報の送信対象外(送信リストにPDA8cのIPアドレスは無い)であり、オーダー変更のお知らせ情報は送られてこないことを示している。
図34は、お知らせ機能によるお知らせのタイミングを示すフローである。同図のフローは、図4と同様である。このフローでお知らせ機能による割り込みが発生するのは、S13〜S15の間である。例えば、当日分の注射のオーダに変更があった場合には、PDAの表示部18にお知らせのウィンドウが開く。また、例えば、注射の実施入力を行うときには、ボトルラベルを読み取る時点で、混注後の中止や指示変更があるかを確認する。そして、指示変更が合った場合には、PDAの表示部18にお知らせのウィンドウが開く。
【0173】
なお、PDAサーバ7のハードウェア構成の概要は、図2とほぼ同様であり、識別コードリーダはあってもなくてもよい。
以上より、PDAは、ステップS22で作業予定リストをまとめて取得するが、その後は更新があったオーダーの情報のみをその都度すればよいので、有線ネットワークに比べて低速な無線通信ネットワークでも、その変更情報を取得する時間(処理時間)の短縮を図ることができる。また、オーダーの変更のあった患者の情報を有するPDAにのみお知らせ情報を送信するので通信ネットワーク内のトラフィック渋滞を抑えることができる。
【0174】
また、オーダが変更された場合には、PDAにその旨の通知がされるので、オーダーの変更に対する看護師の監視負担が軽減され、看護という本来の業務に専念することができる。また、最新のオーダ情報を取得するタイミングが分かる。
また、看護師自身に「最新化」ボタンを押させて、変更されたオーダー情報を取得させることで、看護師にオーダーの変更があったことを認識させることができる。
【0175】
(付記1) 前記送信手段は、所定時間経過後、前記格納した前記携帯端末固有情報に基づいて、前記患者識別情報を送信することを特徴とする請求項2記載のサーバシステム。
(付記2) 前記送信手段は、前記変更通知情報を受信した携帯端末からの応答情報に基づいて、前記医療処置行為の変更内容の情報を該携帯端末に送信することを特徴とする請求項2、または付記1記載のサーバシステム。
【0176】
(付記3) 前記送信手段は、所定時間経過後、前記格納した前記携帯端末固有情報に基づいて、前記患者識別情報を送信することを特徴とする請求項5、または6記載の医療業務支援システム。
(付記4) 前記送信手段は、前記変更通知情報を受信した携帯端末からの応答情報に基づいて、前記医療処置行為の変更内容の情報を該携帯端末に送信することを特徴とする請求項5、または6記載の医療業務支援システム。
【0177】
(付記5) 医療機関で行われる業務の支援を行う医療業務支援システムにおいて、
ユーザの勤務帯を選択する選択手段と、
該選択手段により選択した該勤務帯に基づいて、該勤務帯にかかる作業予定情報を取得する取得手段と
を備えることを特徴とする医療業務支援システム。
【0178】
【発明の効果】
以上より、本発明を用いることで、必要な携帯端末にのみ変更のあった旨の情報を送信することができるので、通信ネットワークにおける不要なデータの伝送が抑制され、通信ネットワーク資源を効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における、病院情報システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における、図1に示されているPDAのハードウェア構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における、注射〜検体検査の医療行為とその医療行為のオーダ登録から実施等がされるまでの作業予定内容の詳細を表で示した図である。
【図4】第1の実施の形態における、オーダ登録時、参照時及び実施時の動作手順の内容を示すフローチャート図である。
【図5】第1の実施の形態における、注射のオーダ登録により生成される作業予定内容を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における、注射のオーダ登録がされた場合でのPDAシステムの動作手順の内容を示すフローチャート図である。
【図7】第1の実施の形態における、図6のステップS21での処理の詳細なフローを示す図である。
【図8】第1の実施の形態における、PDAのログイン画面例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における、作業予定リストの登録画面例を示す図である。
【図10】第1の実施の形態における、図9で患者を指定した場合での指定された勤務帯における対象患者全てが一覧表示される画面例を示す図である。
【図11】第1の実施の形態における、図9において病棟を指定した場合での病棟の選択画面例を示す図である。
【図12】第1の実施の形態における、図10において、勤務帯のボタンを操作した場合における勤務帯の選択画面例を示す図である。
【図13】第1の実施の形態における、ログイン完了から勤務帯を選択するまでのフローを示す図である。
【図14】第1の実施の形態における、作業予定リストの選択表示画面例を示す図である。
【図15】第1の実施の形態における、図14での本日の作業リストの選択項目を選択した場合に表示される画面例を示す図である。
【図16】第1の実施の形態における、作業予定リストにおける実施済みのリストを選択した場合の表示画面例を示す図である。
【図17】第1の実施の形態における、作業予定データの構造を示す図である。
【図18】第1の実施の形態における、注射を実施する場合の詳細な動作内容を示す図である。
【図19】第1の実施の形態における、図14の画面で項目毎の業務リストから注射の項目を選択した場合の画面例を示す図である。
【図20】第1の実施の形態における、ボトルチェックの画面例を示す図である。
【図21】第1の実施の形態における、注射ボトルを間違えて読み込まれたような場合での警告メッセージの表示画面例を示す図である。
【図22】第1の実施の形態における、患者のリストバンドチェックを行う場合における表示画面例を示す図である。
【図23】第1の実施の形態における、注射を実施する場合の表示画面例を示す図である。
【図24】第1の実施の形態における、注射実施後の投与量を入力する画面例を示す図である。
【図25】第1の実施の形態における、オーダの内容が変更された場合でのボトルチェックの動作内容を示す図である。
【図26】第1の実施の形態における、図20の画面で破損入力ボタンを操作した場合での破損入力用表示画面例を示す図である。
【図27】第1の実施の形態における、破損入力の確定画面例を示す図である。
【図28】第1の実施の形態における、時間がかかる点滴を実施する場合の動作を示すフローチャート図である。
【図29】第2の実施の形態における、システム構成の概要を示す図である。
【図30】第2の実施の形態における、PDAサーバの処理フローを示す図である。
【図31】第2の実施の形態における、患者情報変更リストの概要を示す図である。
【図32】第2の実施の形態における、未送信リストを示す図である。
【図33】第2の実施の形態における、お知らせ情報を受信したPDAの表示画面を示す図である。
【図34】第2の実施の形態における、お知らせ機能によるお知らせのタイミングを示すフローを示す図である。
【符号の説明】
1 病院情報システム
2 病院内情報管理システム
3 LAN
4A サブシステム
4B サブシステム(PDAシステム)
5 サーバ
6 PC端末
7 サーバ
8 PDA
9 無線LAN
10 アクセスポイント
11 無線LANカード
12 識別コードリーダ
13 CPU
14 ROM
15 RAM
16 記憶部
17 操作入力部
18 表示部
19 バス
71 検知部
72 作成部
73 送信部
74 記憶部
75 患者情報取得PDAリスト
76 未送信リスト

Claims (4)

  1. 医師が利用する端末装置と、看護師が利用する携帯端末と、前記携帯端末とデータ送受信を行うサーバ装置と、を備える病院内情報管理システムであって、
    前記サーバ装置は、
    前記端末装置からの入力により変更が行われたオーダ情報に含まれる項目のうち、少なくとも患者識別情報および該変更後の対処の緊急性を示す緊急変更フラグに関する項目を含む患者情報変更リストを受信する受信部と、
    前記患者情報変更リストに含まれる緊急変更フラグに基づき、緊急性の高い対応が必要な患者識別情報を検知する検知部と、
    前記携帯端末を識別する携帯端末識別情報と、前記携帯端末に送信したオーダ情報に含まれる患者識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
    前記記憶部から、前記検知部により取得された前記患者識別情報に該当する携帯端末識別情報を抽出し、少なくとも送信対象となる携帯端末識別情報と前記患者識別情報を含む携帯端末識別情報リストを作成する作成部と、
    前記携帯端末識別情報リストに含まれている前記携帯端末情報に対応する前記携帯端末へ、オーダ情報が変更された旨の情報を送信する送信部と、を備え、
    前記携帯端末は、
    前記オーダ情報を表示する表示部を有し、
    前記送信部からの情報を受信した際に、前記表示部にオーダ情報が変更された旨を表示する
    ことを特徴とする病院内情報管理システム。
  2. 前記受信部により前記携帯端末の前記オーダ情報に対応する実施入力情報が受信された際に、前記検知部は前記オーダ情報に対する変更の有無を確認し、該変更がある場合、前記送信部は前記携帯端末に対して前記オーダ情報が変更された旨を通知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の病院内情報管理システム。
  3. 前記送信部は、前記携帯端末が受信できなかった場合、該受信できなかった携帯端末の携帯端末識別情報と該携帯端末に対応する前記患者識別情報を含む未送信リストを前記記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の病院内情報管理システム。
  4. 前記携帯端末は、さらに、前記受信した前記送信部からの情報に基づいて、前記患者識別情報に対応する患者の医療処置行為の変更内容の情報を取得する変更内容取得部と
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の病院内情報管理システム。
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