JP4322445B2 - 光プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置、およびその画像形成装置において露光に用いられる光プリントヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機やプリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置(電子写真装置)は、例えばLSU(レーザービームスキャナーユニット)などの露光装置、感光体ドラムおよび現像装置を有している。ここで、露光装置は、回転する感光体ドラムにレーザー光を照射することで、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成するものである。現像装置は、感光体ドラムにトナーを供給することで、上記静電潜像を現像(可視化)するものである。また、感光体ドラムの表面は、帯電ローラなどの帯電部材によって、所定の電位に均一に帯電されている。
【0003】
上記画像形成装置においては、まず、所定の電位に均一に帯電された感光体ドラムの表面が、露光装置からのレーザー光によって露光される。これにより、感光体ドラムの表面には、外部から入力された画像データ(画像信号)に応じた静電潜像が形成される。そして、現像装置における現像ローラにより、感光体ドラム上の静電潜像にトナーが付着し、この静電潜像は現像されてトナー像(可視像)が形成される。
【0004】
このように、露光装置は、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成するために、感光体ドラムに対して光を照射する必要があり、このため、発光素子を備えている。
【0005】
ところで、上記画像形成装置における露光の際と同様に、例えば、ワードプロセッサーやパーソナルコンピュータなどのOA機器の表示素子にも、視認のためにバックライトなどとして発光素子が用いられている。
【0006】
このような表示素子に用いられる発光素子においては、近年、特に、薄型化を図ることができる有機エレクトロルミネッセンス層(以下、有機EL層と称する)を用いた発光素子が注目されている。
【0007】
上記有機EL層を用いた表示素子である有機EL表示素子は、フラットパネルディスプレイとして非常に有望な技術であるが、同時に、寿命が短い等の問題も抱えている。
【0008】
そこで、長寿命化を図る有機EL表示素子として、例えば、特開平10−233285号公報には、櫛歯電極を用いた平面発光素子が記載されている。この平面発光素子は、基板上に、有機EL層を挟んで一対の電極が形成されている。その一方の電極は櫛歯電極であり、互いに重ならないように配置された独立した電極である。また、他方の電極は、全面電極である。
【0009】
上記平面発光素子においては、有機EL層で発生した光は、基板と平行な面から取り出される(面発光となる)こととなる。また、櫛歯電極、即ち、複数の独立した電極を有することにより、有機ELが使用できなくなる度に電極を切り換えることができる。即ち、上記複数の独立した電極を順次走査することにより、平面発光素子の寿命を延ばすことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の平面発光素子は面発光であるので、発光する光の強度は、基板上の有機EL層の発光面(有機EL層において基板と平行な面)の面積で決定される。即ち、1つの照射部に対して、発光部(発光面)は1つとなる。従って、強い光を照射する場合、発光面を大きくする必要があり、そのような場合、平面発光素子の大型化を招来する。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、強い光を取り出すことができるとともに、小型化を図ることができる光プリントヘッドおよび画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光プリントヘッドは、上記の課題を解決するために、1つの画素内に、エレクトロルミネッセンス層と、該エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極からなり、上記エレクトロルミネッセンス層を介して上記第1電極部材に対向して配され、該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材とを備え、上記第1電極部材が、上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を導く光導波路として機能するものであると共に、上記第2電極部材における複数の電極を選択駆動することにより上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を、上記光導波路を介して端面に導き、該端面から光を放出することを特徴としている。
【0013】
通常、面発光の場合、発光する光の強度は発光面の面積で決定される。即ち、強い光を照射する場合、発光面を大きくする必要がある。また、面発光の場合、複数の電極を選択駆動する場合、電極を切り換えると、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化する。
【0014】
しかしながら、上記の構成によれば、光導波路により光が導かれ、光プリントヘッドの端面から発光することにより、光を放出する面積をしぼることとなり、光の強度を大きくすることとなる。即ち、画素面積以上の発光面を得ることができる。従って、光プリントヘッドの高解像度化および小型化を図ることができる。
【0015】
また、第2電極部材は1つの画素内に複数の電極を有することにより、1つの画素内で選択駆動することができる。従って、電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。これにより、例えば、光プリントヘッドを用いて露光する場合でも、電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができる。
【0016】
さらに、例えば、第2電極部材が1つの画素内に複数の電極を有するとしても、簡単な工程で所望の形状にパターニングすることができるため、量産性に優れた光プリントヘッドを提供することができる。
【0017】
上記の光プリントヘッドは、第2電極部材の電極のうち、1つの電極を選択して駆動することが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、例えば第2電極部材がn本の電極からなるとすると、電極を切り換えることにより、寿命をn倍に延ばすことができる。
【0019】
上記の光プリントヘッドは、第2電極部材の複数の電極の各々について駆動するか否かを独立して選択することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、駆動する電極の組み合わせによって、放出する光の強度を変えることができる。従って、容易に階調制御を行うことができる。
【0021】
上記の光プリントヘッドは、エレクトロルミネッセンス層で発生する光が端面から放出される際の強度に重み付けをするために、対向する第1電極部材との間に印加する電圧が異なるように、第2電極部材における複数の電極の各々において重み付けがされていることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、第2電極部材における複数の電極の各々において、発生する光の階調を変えることができる。従って、それらの電極を組み合わせて選択し、駆動することにより、少ないビット数でも細かい階調制御を行うことができる。
【0023】
上記の光プリントヘッドは、第2電極部材における複数の電極が、各々の電極の大きさが異なるように形成されていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、電極の大きさを変えることにより、簡単に重み付けを行うことができる。従って、少ないビット数でも細かい階調制御を行うことができる。
【0025】
上記の光プリントヘッドは、第2電極部材が、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を放出する端面から該端面と対向する対向端面にむかって、重みが小さくなるように重み付けされていることが好ましい。
【0026】
一般に、光が発生する位置から放出される位置までの距離が長い程、光の減衰量は大きくなる。従って、例えば電極が、光の放出位置から遠い位置に配されている場合、光の減衰量は大きくなる。このため、放出位置において所望の光量を得るためには、該光量を発光位置で得る場合に必要な電極と比較すると、電極を大きめに製造する必要がある。
【0027】
しかしながら、上記の構成によれば、光の放出位置である端面から遠ざかるにつれ重みは小さくなる。従って、例えば、光の放出位置から遠い位置に配されているため電極を大きめに製造する必要があったとしても、重みが小さければ、放出位置において所望の光量を発光位置で得る場合と比較した場合、製造する電極の大きさの差が小さくてすむ。
【0028】
即ち、重みの大きいものを光の放出位置に近い位置に、また、重みの小さいものを光の放出位置から遠い位置に配することにより、光の放出位置(端面)において所望の重み付けで発光するための、電極の制御(例えば、製造上の制御)を容易にすることができる。
【0029】
上記の光プリントヘッドは、光を放出する端面と対向する対向端面に、入射する光を反射させる反射板が配されていることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、端面から放出される光量を大きくすることができる。即ち、光の取り出し効率の向上を図ることができる。
【0031】
上記の光プリントヘッドは、光導波路が、光を導き、端面から光を放出する導波層と、導波層よりも光の屈折率が小さい反射層とからなり、導波層は、反射層に挟まれるように配されていることが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、導波層を透過する光は、反射層との境界において全反射することができる。従って、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を、効率よく端面まで導くことができる。
【0033】
上記の光プリントヘッドは、光を放出する端面と対向する対向端面の近傍に、光量を検出する光検出器を備えていることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、発光レベルを検出することができる。従って、例えば、光検出器の検出結果に基づいて、第1・第2電極部材に印加する電圧を制御することにより、安定した発光を行うことができる。また、発光レベルを検出することにより、発光レベルの低下の度合い、即ち、寿命を検出することができる。これにより、適正なタイミングで第2電極部材の電極を切り換えることができ、この結果、寿命を延ばすことができる。
【0035】
上記の光プリントヘッドは、光導波路において、光を放出する端面側の端部は、曲面となっていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、光プリントヘッドにおける光を放出する端面がレンズの機能を有することとなる。従って、光を放出する発光素子と結像素子であるレンズとを、一体化することができ、光プリントヘッドの構造を簡単にすることができる。また、これにより、レンズの位置調整を不要とすることができる。
【0037】
本発明の光プリントヘッドは、上記の課題を解決するために、帯電された像担持体上に静電潜像を形成する露光装置に用いられ、上記像担持体に光を照射して露光する光プリントヘッドであって、1つの画素内において、基板上に、エレクトロルミネッセンス層と、透光性を有し、かつ、上記基板よりも光の屈折率の大きい材料からなり、上記エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極により構成され、かつ、上記エレクトロルミネッセンス層を介して第1電極部材に対向して配されて該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材と、上記第1電極部材を挟んで第2電極部材と対向して、かつ、上記第1電極部材を覆うように配され、上記第1電極部材よりも光の屈折率の小さい材料からなる表面膜とを有する発光素子を備え、第2電極部材における複数の電極を選択駆動することによりエレクトロルミネッセンス層で発生した光は、上記第1電極部材を透過し、上記発光素子の端面から放出されることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、第1電極部材により光が導かれ、光プリントヘッドの端面から発光することにより、光を放出する面積をしぼることとなり、光の強度を大きくすることとなる。即ち、画素面積以上の発光面を得ることができる。
【0039】
また、第2電極部材は1つの画素内に複数の電極を有することにより、1つの画素内で選択駆動することができる。従って、電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。これにより、例えば、光プリントヘッドを用いて露光する場合でも、電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができる。
【0040】
本発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記記載の光プリントヘッドと、該光プリントヘッドから放出された光が照射されることにより露光され像が形成される像担持体とを備えていることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、例えば電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。従って、光プリントヘッドの電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができる。これにより、信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0042】
上記の画像形成装置は、光プリントヘッドから放出される光の断面形状が楕円であり、像担持体において光プリントヘッドに露光される領域は、楕円の短径と直交する方向に光プリントヘッドに対して相対的に移動することが好ましい。
【0043】
上記の構成によれば、像担持体の移動による露光像(光プリントヘッドに露光されることにより像担持体上に形成される像)の解像度劣化を減少することができる。従って、高画質な像を得ることができる。
【0044】
上記の画像形成装置は、光プリントヘッドにおいて光を放出する端面から像担持体までの距離をYとし、光プリントヘッドにおける電極ピッチ(隣り合う第1電極部材のピッチ)をXpとすると、上記Yは、
2-1/2Xp≦Y≦Xp
を満足することが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、像担持体に照射される光のドットは、隣り合う4つのドットが中央部でちょうど接するところから、隣りのドットの外周がそのドットの中心点を通るようにドットが隣り合うところまでの間の位置に配される。
【0046】
これにより、白抜けを防止してドットの重なりを確保することができ、かつ、ドットが重なりすぎることがないため、解像度の低下を防止することができる。従って、例えばセルホックレンズなどを用いない状態で、被露光体に到達する光を、適切に拡散させることができる。この結果、光学系のシンプル化・小型化を図ることができる。このため、信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0048】
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。本実施の形態に係る画像形成装置は、図2に示すように、RADF(Recirculating Automatic Document Feeder ) 101,スキャナ部102,画像形成部110および給紙機構130を備えており、さらに図示しない操作パネルを備えている。
【0049】
RADF101は、画像形成装置における原稿送り装置であり、両面自動原稿送り装置としての機能を有している。
【0050】
つまり、RADF101は、所定位置にセットされた原稿を、スキャナ部102における原稿台103上に搬送するものであり、スキャナ部102による原稿画像の読取りが行われた後、所定の取出し位置にまで搬出する機能と、スキャナ部102による原稿画像の読取り後、原稿を裏返し、再び原稿台103に搬送する機能とを備えている。
【0051】
これにより、画像形成装置では、原稿における両面の画像を、スキャナ部102に読み取らせることが可能である。そして、RADF101は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後に、この原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。
【0052】
以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、画像形成装置全体の動作に関連して制御されるものである。
【0053】
さらに、RADF101は、原稿台103に対して開閉自在となっている。従って、ユーザは、RADF101を使用する際には、このRADF101を閉じて画像形成を行い、原稿台103上に原稿を直接載置する場合には、RADF101を開けて画像形成を行う。
【0054】
スキャナ部102は、RADF101により原稿台103上に搬送された原稿の画像を読み取り、原稿台103の下方に配された画像入力装置である。そして、このスキャナ部102は、上記した原稿台103に加えて、第1の走査ユニット104、第2の走査ユニット105、光学レンズ106およびCCD(Charge Coupled Device )107を備えている。
【0055】
走査ユニット104・105は、原稿台103と平行に往復移動することにより、この原稿台103上に載置された原稿の画像を読み取る。
【0056】
第1の走査ユニット104は、原稿画像を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に偏向させる第1ミラーとを備えている。そして、原稿台103の下面に対して一定の距離を保ちながら、所定の走査速度で原稿台103と平行に往復移動するように設定されている。
【0057】
また、第2の走査ユニット105は、第1ミラーにより偏向された反射光像を、光学レンズ106が位置する方向に偏向させるための第2・第3ミラーを備えている。そして、第1の走査ユニット104と一定の速度関係を保って、原稿台103と平行に往復移動する。
【0058】
光学レンズ106は、第1〜第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、CCD107上の所定位置に結像させるものである。
【0059】
CCD107は、結像された反射光像を光電変換して電気信号の画像情報を生成し、画像形成部110に出力するためのラインセンサである。
【0060】
さらに、このCCD107は、白黒画像あるいはカラー画像の読み取りが可能である。すなわち、CCD107は、反射光像から、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分毎に色分解されたラインデータの画像情報を生成することができる。このCCD107により生成された画像情報は、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像処理が施された後、画像形成部110に出力される。
【0061】
画像形成部110は、CCD107から出力された画像情報に基づいて、転写シートPに画像を形成する。そして、この画像形成部110は、シアン画像転写部120a、マゼンタ画像転写部120b、イエロー画像転写部120cおよび黒画像転写部120dを備えている。
【0062】
画像転写部120a〜120dは、実質的に同一の構成を有しており、画像情報に基づいて、転写シートPに対して、それぞれシアン画像・マゼンタ画像・イエロー画像・黒画像を転写するように設定されている。
【0063】
これらの各色の画像転写部120a〜120dは、それぞれ露光装置112a〜112dと、画像形成ステーションPa〜Pdとを有している。
【0064】
露光装置112a〜112dには、それぞれ画像情報におけるシアン成分・マゼンタ成分・イエロー成分・黒色成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。各露光装置112a〜112dは、これらの画像信号に基づいて、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける後述する帯電された感光体ドラム(像担持体)111a〜111dを露光するものである。そして、感光体ドラム111a〜111dの表面に、外部から入力された画像データに応じた静電潜像を生成するように設定されている。
【0065】
また、これら露光装置112a〜112dは光プリントヘッドからなり、画像情報に応じて変調されたドット状の光を発生させるために、後述する発光素子、セルホックレンズ、および、発光素子で発生する光のパワーや光発生のタイミングを制御する制御部を有している。
【0066】
なお、本発明の特徴部分である露光装置112a〜112dとしての光プリントヘッドについては、後に詳述する。
【0067】
画像形成ステーションPa〜Pdは、感光体ドラム(像担持体、回転体)111a〜111dを備えている。そして、帯電器113a〜113d、現像装置114a〜114d、転写用放電器116a〜116dおよびクリーニング装置117a〜117dが、感光体ドラム111a〜111dの周囲に、矢印A方向に沿って配置されている。
【0068】
画像形成ステーションPa〜Pdは、露光装置112a〜112dから照射される光に基づいて、各色に応じたトナー像(現像画像)を生成し、順次中間転写ベルト115に転写する。
【0069】
中間転写ベルト115は、駆動ローラ118と従動ローラ119との間にかけられたベルトであり、駆動ローラ118および従動ローラ119によって、矢印B方向に摩擦駆動される。また、中間転写ベルト115の上方には、中間転写ベルト115に近接して、各画像形成ステーションPa〜Pdが用紙搬送経路上流側から順に併設されている。そして、中間転写ベルト115上には、一旦各色のトナー像が転写され、後に転写シート上に一括転写される。
【0070】
クリーニング装置117a〜117dには、それぞれクリーニングブレードが感光体ドラム111a〜111dに摺接させた状態で設けられている。このクリーニング装置117a〜117dは、転写シートPヘのトナー像の転写後に感光体ドラム111a〜111d上に残留するトナーや紙粉を除去する機能を有している。
【0071】
各感光体ドラム111a〜111dは、感光体材料を表面に有するドラム形状の転写ローラであり、矢印F方向に回転駆動されるように設定されている。帯電器113a〜113dは、感光体ドラム111a〜111dをそれぞれ一様に帯電するための、スコロトロン方式のコロナ放電器である。
【0072】
また、現像装置114a〜114dは、それぞれシアン・マゼンタ・イエロー・黒色のトナーを収容している。そして、これらのトナーによって、感光体ドラム111a〜111d上に生成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する機能を有している。転写用放電器116a〜116dは、感光体ドラム111a〜111d上のトナー像を、中間転写ベルト115ヘ転写するためのコロナ放電器である。なお、これら転写用放電器116a〜116dのパワー(電位)は、図示しないパワー制御部によって制御されている。
【0073】
給紙機構130は、画像形成部110の下部に設けられており、画像形成部110にて生成された各色のトナー像を転写シートPに転写させるために、転写シートPを画像形成部110の所定位置に搬送する。さらに、給紙機構130は、トナー像が転写された後、転写シートPを外部に排出する機能を有している。
【0074】
給紙機構130は、レジストローラ131、2次転写ローラ137、定着装置133、搬送方向切り換えゲート134、排紙ローラ135および排紙トレイ136を備えている。
【0075】
レジストローラ131は、主搬送路Lを搬送されてきた転写シートPを、一旦保持する。そして、中間転写ベルト115に一旦転写されたトナー像を転写シートPに対して良好な一括転写ができるように、タイミングをあわせて2次転写ローラ137に送り込む機能を有している。
【0076】
上記のような構成の画像形成装置による画像形成では、各画像形成ステーションPa〜Pdに搬送された転写シートPに、各色のトナー像が一括転写される。そして、順次、主搬送路Lから剥離され、定着装置133へと導かれるように設定されている。
【0077】
定着装置133は、一対の定着ローラを有し、転写シートPに転写された未定着のトナー像を熱定着させるものである。定着装置133の一対の定着ローラ間におけるニップ部を通過することにより、熱定着処理された転写シートPは、搬送方向切り換えゲート134に搬送される。
【0078】
切り換えゲート134は、定着後の転写シートPの搬送経路を、排紙トレイ136に向かう排出経路と、副搬送経路Sとの間で選択的に切り換えるものである。
【0079】
この副搬送経路Sは、転写シートPを裏返して画像形成部110に再供給するための搬送経路である。
【0080】
また、上記構成の画像形成装置においては、転写シートPとしてカットシート状の紙が使用されている。この転写シートPは、給紙カセットから送り出されて給紙機構130の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その転写シートPの先端部分がセンサ(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ131により一旦停止される。
【0081】
なお、図2において中間転写ベルト115はベルト形状としているが、ベルト形状に限定されるものではなく、ドラム形状であっても上記と同様の効果を得ることができる。ただし、本実施形態のように、ベルト形状とすることで、画像形成装置本体の各プロセスユニットの配置の自由度が広がり、画像形成装置の外形サイズをコンパクトにできるだけでなく、カラー画像形成装置に用いた場合には、各プロセスユニットを共通化することができ、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0082】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置において特徴的な構成である、光プリントヘッドについて説明する。
【0083】
図1に示すように、光プリントヘッドは、発光素子1とセルホックレンズ8とを備えている。発光素子1において発生した光はセルホックレンズ8を透過して被露光体9(上記図1に示す画像形成装置の場合であれば感光体ドラム111a〜111d)を露光する。ここでセルホックレンズ8は、被露光体9上に結像するためのものである。
【0084】
図3は、図1のC−C′線矢視断面図である。同図に示すように、発光素子1は、基板(反射層、光導波路)10上に、Al電極(第2電極部材、電極)3…、有機EL層(有機エレクトロルミネッセンス層)12、透明電極(第1電極部材、光導波路、導波層)2、および、保護膜(表面膜、光導波路、反射層)11を備えている。また、さらに、発光素子1の端面である対向端面1bには、反射板4および光センサ(光検出器)5を備えている。
【0085】
基板10は、支持基板であり、例えば、ガラスからなる。基板10上には、Al電極3…が配されている。
【0086】
Al電極3…は、アルミニウムからなる。また、図1に示すように、ライン状に複数配されており、各々に駆動回路6…が接続されている。即ち、Al電極3…は各々独立しており、駆動回路6によって各々独立して駆動されている。Al電極3上には、有機EL層(エレクトロルミネッセンス層)12が配されている。
【0087】
図3に示すように、有機EL層12は、正孔注入層12a、正孔輸送層12b、電子輸送・発光層12cおよび電子注入層12dにより構成されている。正孔注入層12aはCuPc、正孔輸送層12bはa−NPD、電子輸送・発光層12cはAlq3、電子注入層12dはLiFからなる。
【0088】
Al電極3および有機EL層12上には、透明電極2…がライン状に複数配されており、各々に駆動回路7…が接続されている。即ち、透明電極2…は各々独立している。透明電極2とAl電極3とは、互いに直交するように配され、マトリクス状をなしている(図1参照)。即ち、駆動回路6・7によって選択された透明電極2とAl電極3とにより、発光する電子輸送・発光層12cが選択される。また、透明電極2はITO(Indium-Tin-Oxide)からなる。
【0089】
基板10上全面には、Al電極3、有機EL層12および透明電極2を覆うように、保護膜11が配されている。保護膜11はアクリル樹脂からなる。
【0090】
また、発光素子1において、被露光体9側の端面1aと対向する対向端面1bの全面には、反射板4および光センサ5が配されている。
【0091】
発光素子1と被露光体9との間には、セルホックレンズ8が配されている。
【0092】
このように、対向端面1bの近傍に、光量を検出する光センサ5を備えていることにより、発光レベルを検出することができる。従って、例えば、光センサ5の検出結果に基づいて、透明電極2およびAl電極3に印加する電圧を制御することにより、安定した発光を行うことができる。また、発光レベルを検出することにより、発光レベルの低下の度合い、即ち、寿命を検出することができる。これにより、適正なタイミングで駆動するAl電極3を切り換えることができ、この結果、寿命を延ばすことができる。
【0093】
なお、有機EL層12に構成は特に限定されるものではなく、少なくとも発光層を含んでいれば、1層の薄膜により形成されていても複数層の薄膜により形成されていてもかまわない。
【0094】
以下、有機EL層12における発光、および、発光素子1からの光の放出について説明する。
【0095】
まず、有機EL層12における発光の原理について説明する。
【0096】
透明電極2を陽極とし、Al電極3を陰極として有機EL層12に直流電圧を印加すると、陽極から正孔が、陰極から電子が発生する。そして、正孔は正孔注入層12aおよび正孔輸送層12bを介して電子輸送・発光層12cに注入される。一方、電子は、電子注入層12dを介して電子輸送・発光層12cに注入される。
【0097】
電子および正孔が電子輸送・発光層12cに注入されると、正孔と電子との再結合により電子輸送・発光層12c(発光層)が発光する。
【0098】
従って、電圧印加時には、電子輸送・発光層12cは発光状態となり、図4に示すように、全方向に発光する。
【0099】
なお、有機EL層12における発光層(ここでは、電子輸送・発光層12c)の材料としては、発光材料として使用可能な有機化合物であれば特に限定されるものではない。
【0100】
また、透明電極2およびAl電極3は、有機EL層12を発光させるための電極として利用できるものであれば、これらの材料は特に限定されるものではない。ただし、透明電極2内を光が透過する場合は、透明電極2は透光性を有する材料からなるものとする。
【0101】
次に、発光素子1からの光の放出について説明する。
【0102】
ところで、通常、図5に示すように屈折率がn1の低屈折率体51と、屈折率がn2の高屈折率体52とが接するように配されている場合、高屈折率体52中の光は、高屈折率体52と低屈折率体51とが接する面に入射するとき、その入射角によっては全反射することとなる。ここで、屈折率n1・n2は、n1<n2を満足する。
【0103】
例えば、高屈折率体52から低屈折率体51への光の入射角をθ1、高屈折率体52から外部(空気層)への入射角をθ2とする。このとき、入射角θ1・θ2が臨界角を超えると光は全反射し、高屈折率体52から出射しない。即ち、光は、高屈折率体52中を透過し続ける。
【0104】
ここで、発光素子1を構成する部材(材料)の屈折率を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
上記表1に示すように、ITOからなる透明電極2の屈折率は2.00である。また、透明電極2に隣接するガラスからなる基板10の屈折率は1.45であり、アクリル樹脂からなる保護膜11の屈折率は1.4である。
【0107】
このように、基板10・保護膜11と比較すると高屈折率である透明電極2は、透明電極2よりも低屈折率である基板10・保護膜11に挟まれている。
【0108】
従って、図4に示すように、電子輸送・発光層12cからの発光は、まず、透明電極2内を透過する。そして、基板10あるいは保護膜11との境界面へと到達する。
【0109】
ここで、基板10・保護膜11は透明電極2よりも低屈折率であるため、透明電極2から、透明電極2と基板10または保護膜11との境界面に入射した光のうち、臨界角を超えて入射した光は全反射して再び透明電極2内を透過することとなる。例えば、透明電極2がITOからなり、基板10がガラスからなる場合、透明電極2と基板10との境界面において、透明電極2内で光が全反射する臨界角は44°である。
【0110】
こうして、透明電極2と基板10あるいは保護膜11との境界面において全反射を繰り返しながら、電子輸送・発光層12cからの発光は端面1aまで到達する。このとき、端面1aに到達した光のうち、端面1aに臨界角より小さい角度で入射した光は、透明電極2から外部(発光素子1から外部)へ、即ち、セルホックレンズ8の方へむけて放出される。例えば、透明電極2がITOからなる場合、このときの臨界角は30°である。
【0111】
また、電子輸送・発光層12cから反射板4方向への発光は、反射板4において反射されるため、端面1aに導かれることとなる。即ち、対向端面1bに反射板4を配することにより、端面1aから放出される光量を大きくすることができ、光の取り出し効率の向上を図ることができる。
【0112】
以上のように、帯電された被露光体9上に静電潜像を形成する露光装置に用いられ、被露光体9に光を照射して露光する光プリントヘッドは、1つの画素内に(透明電極2の1本分に対応して)、基板10上に、有機EL層12と、透光性を有し、かつ、基板10よりも光の屈折率の大きい材料からなり、有機EL層12に電圧を印加する透明電極2と、互いに独立した複数の電極により構成され、かつ、有機EL層12を挟んで透明電極2に対向して配されて透明電極2とともに有機EL層12に電圧を印加するAl電極3…と、透明電極2を覆うように配され、かつ、透明電極2よりも光の屈折率の小さい材料からなる保護膜11とを有する発光素子1を備え、Al電極3…における複数の電極を選択駆動することにより有機EL層12で発生した光は、透明電極2を透過し、発光素子1の端面1aから放出される。
【0113】
通常、面発光の場合、発光する光の強度は発光面の面積で決定される。即ち、強い光を照射する場合、発光面を大きくする必要がある。また、面発光の場合、複数の電極を選択駆動する場合、電極を切り換えると、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化する。
【0114】
しかしながら、発光素子1の端面1aから発光することにより、光を放出する面積をしぼることとなり、光の強度を大きくすることとなる。即ち、画素面積以上の発光面を得ることができる。
【0115】
また、Al電極3…は1つの画素内に複数の電極を有することにより、1つの画素内で選択駆動することができる。従って、Al電極3を切り換えても、発光素子1(光プリントヘッド)から放出される光の放出位置が変化することがない。これにより、この光プリントヘッドを用いて露光する場合でも、Al電極3の切り換えによる露光位置の変化を防止することができる。
【0116】
例えば、n本のAl電極3…のうちの1本を選択して駆動する場合、Al電極3を切り換えることにより、寿命をn倍に延ばすことができる。
【0117】
また、n本のAl電極3…のうちの複数本を選択して駆動する場合、Al電極3を切り換えることにより、駆動するAl電極3の組み合わせによって、放出する光の強度を変えることができる。従って、容易に階調制御を行うことができる。
【0118】
また、基板10、透明電極2および保護膜11は、光の全反射を利用して、発光を端面1aまで導くことができる。即ち、基板10、透明電極2および保護膜11は光導波路として機能する。
【0119】
このように、光導波路が、光を導き端面1aから放出する導波層である透明電極2と、透明電極2よりも光の屈折率が小さい反射層である基板10および保護膜11とからなり、透明電極2は、基板10と保護膜11とに挟まれるように配されていることにより、透明電極2を透過する光は、基板10および保護膜11との境界において全反射することができる。従って、有機EL層12で発生した光を、効率よく端面1aまで導くことができる。
【0120】
なお、光を端面1aまで導く方法としては、光導波路を用いることに特に限定されるものではなく、例えばハーフミラーなどを用いてもかまわない。
【0121】
以下、発光素子1の製造工程の一例について、図6に基づいて説明する。
【0122】
まず、基板10上にフォトレジスト61をスピンコートを用いて、厚さ2μmに形成する(図6(a))。
【0123】
そして、Al膜66を蒸着法を用いて厚さ150nmに成膜する。その後、LiF膜65、Alq3膜64、a−NPD膜63およびCuPc膜62を、分子線蒸着法により、この順に成膜する(図6(b))。なお、このときの膜厚は、LiF膜65が0.5nm、Alq3膜64が60nm、a−NPD膜63が40nm、CuPc膜62が30nmとする。
【0124】
次に、レジスト61を除去する。これにより、所望の形状にパターニングされたAl電極3と、電子注入層12d、電子輸送・発光層12c、正孔輸送層12bおよび正孔注入層12aからなる有機EL層12とが形成される。
【0125】
続いて、基板10上全面を覆うように、ITO膜を厚さ2000nmに成膜し、所望の形状にパターニングして、透明電極2を形成する(図6(c))。
【0126】
そして、基板10上全面を覆うように、保護膜11を成膜し、また、対向端面1bには、該対向端面1bを覆うようにAl膜を成膜し、反射板4を形成する(図6(d))。
【0127】
その後、必要に応じて、光センサなどを配置する。
【0128】
ここで、図6(e)は、図6(d)のD−D′線矢視断面図である。即ち、あるAl電極3に沿った断面図である。
【0129】
このようにして、発光素子1は形成される。これによりAl電極3が1つの画素内に複数の電極を有するとしても、簡単な工程で所望の形状にパターニングすることができるため、量産性に優れた光プリントヘッドを提供することができる。
【0130】
なお、透明電極2を所望の形状にパターニングする際、端面1a側の透明電極2の端部を、図7に示すように、基板10と平行な面側からみて凸形状になるように形成しても、即ち端面1a側の透明電極2の端部を曲面としてもかまわない。
【0131】
これにより、端面1a側の透明電極2の端部がレンズの機能を有することとなる。従って、光を放出する発光素子1と結像素子であるレンズ(例えばセルホックレンズ8)とを、一体化することができ、光プリントヘッドの構造を簡単にすることができる。この結果、レンズの位置調整を不要とすることができる。
【0132】
また、図1に示す光プリントヘッドにおける発光素子1では、各々のAl電極3の幅は均一としているが、図7に示すAl電極3a・3b・3c・3dのように、各々のAl電極3の幅を変えてもかまわない。ここでは、Al電極3aが最も幅が小さく、Al電極3b・3c・3dの順に幅が大きくなっている。
【0133】
これにより、各々のAl電極3において簡単に重み付けをすることができる。従って、透明電極2との間に印加する電圧が各々のAl電極3に対応して異なることとなり、有機EL層12の電子輸送・発光層12cでの発光強度に重み付けをすることができる。このため、発生する光の階調を変えることができる。この結果、これらAl電極3を組み合わせて選択し、駆動することにより、少ないビット数でも細かい階調制御を行うことができる。
【0134】
また、図7に示すように、Al電極3a・3b・3c・3dは、光を放出する端面1aから遠ざかるにつれ、幅が小さくなるように配されていることが好ましい。即ち、端面1aから遠ざかるにつれ、重みが小さくなるように重み付けされていることが好ましい。
【0135】
一般に、光が発生する位置から放出される位置までの距離が長い程、光の減衰量は大きくなる。従って、例えば電極が、光の放出位置から遠い位置に配されている場合、光の減衰量は大きくなる。このため、放出位置において所望の光量を得るためには、該光量を発光位置で得る場合に必要な電極と比較すると、電極を大きめに製造する必要がある。
【0136】
しかしながら、光の放出位置である端面1aから遠ざかるにつれ、重みが小さくなるように重み付けされていることにより、例えば、光の放出位置から遠い位置に配されているためAl電極3(Al電極3a)を大きめに製造する必要があったとしても、重みが小さければ、放出位置において所望の光量を発光位置で得る場合と比較した場合、製造するAl電極3の大きさの差が小さくてすむ。
【0137】
即ち、重みの大きい、即ち、幅の大きなAl電極3(Al電極3d)を光の放出位置(端面1a)に近い位置に、また、重みの小さい、即ち、幅の小さなAl電極3(Al電極3a)を光の放出位置から遠い位置(対向端面1b側)に配することにより、光の放出位置において所望の重み付けで発光するための、Al電極3の制御(例えば、製造上の制御)を容易にすることができる。
【0138】
また、光プリントヘッドを備えた画像形成装置において、上記被露光体9が例えば像担持体である感光体ドラムである場合、感光体ドラム(像担持体において光プリントヘッドに露光される領域)は、光プリントヘッドから放出される光の短径と直交する方向に、光プリントヘッドに対して相対的に移動することが好ましい。
【0139】
これにより、感光体ドラムの移動による露光像(光プリントヘッドに露光されることにより感光体ドラム上に形成される像)の解像度劣化を減少することができる。従って、高画質な像を得ることができる。
【0140】
以下、発光素子1からの発光により被露光体9を露光する際の、発光素子1の端面1aと被露光体9との距離(以下、露光距離Yと称する)について図8〜15に基づいて説明する。
【0141】
ここで、端面1aにおける透明電極2の形状は、20μm×2μmの長方形とする。即ち、透明電極2の幅W(端面1aと平行な方向の長さ)は20μmであり、厚さ(高さ)は2μmであるとする。また、隣り合う透明電極2・2の電極ピッチ(セルギャップ)Xp(ある透明電極2における長さ方向(反射板4と端面1aとを結ぶ方向)の中心線と、その隣の透明電極2における長さ方向の中心線との距離)は40μmとする。
【0142】
図8は、露光距離(図1に示す光プリントヘッドにおいて光を放出する端面1aから被露光体9(像担持体)までの距離)Yが100μm、50μm、20μm、10μm、5μmの場合の、被露光体9における光の強度分布を示すものであり、正規化光パワーを縦軸とし、露光位置X(μm)を横軸としたグラフである。
【0143】
ここで、正規化光パワーとは、被露光体9において、最も光の強度(光パワー)が強い位置における光の強度を1.0として、これに対する光の強度の割合を示すものである。また、露光位置Xとは、最も光の強度が強い位置を基準(0μm)として、その位置からX軸方向の距離を示すものである。なお、透明電極2に垂直であり、かつ、Al電極3に平行な方向をX軸方向とし、透明電極2に平行であり、かつ、Al電極3に垂直な方向をY軸方向とする。
【0144】
また、図9は、図8と同様、正規化光パワーを縦軸とし、図8に示す露光位置Xを正規化した正規化露光位置X/Wを横軸としたグラフである。
【0145】
ここで、正規化露光位置X/Wとは、露光位置X(μm)を透明電極2の幅W(μm)で減算したものである。
【0146】
一般に、光の幅とは、強度が最も強い位置の(ピーク値の)1/e以上である光の幅をいう。また、発光素子1から放出される光の断面形状は楕円であり、X軸方向が長径となり、透明電極2の厚さ方向が短径となる。
【0147】
図10は、図8・9に基づいて、強度がピーク値の1/e以上となる光の幅と、露光距離Yとの関係を示すグラフである。また、1/e半径(μm)(強度がピーク値の1/e以上となる光の幅Xe(長径の半径)、Ze(短径の半径))を縦軸とし、露光距離Y(μm)を横軸とする。
【0148】
図11は、図10における1/e半径(μm)を露光距離Y(μm)で減算することによって正規化した正規化1/e半径(Xe/Y、Ze/Y)と、露光距離Y(μm)を、透明電極2の幅W、あるいは、透明電極2の厚さHで減算することによって正規化した正規化露光距離(Y/W、Y/H)との関係を示すグラフである。ここでは、正規化1/e半径を縦軸とし、正規化露光距離を横軸とする。
【0149】
一般に、被露光体に照射される光のドット(発光素子1から放出された被露光体9上の光の一つ一つ)が重なり合わないと図13に示すような白抜けができ、露光できない領域が大きくなる。一方、被露光体に照射される光のドットが重なりすぎると、解像度が落ちることとなる。
【0150】
このため、被露光体に照射される光のドットは、図12に示すように、隣り合う4つのドットが中央部でちょうど接するところから、隣りのドットの外周がそのドットの中心点を通るように隣り合うところまでの間の位置に配されることが好ましい。
【0151】
ここで、図10・11に示すように、露光距離Yは、1/e半径(強度がピーク値の1/e以上となる光の幅)Xe、即ち光のドットサイズと密接な関係がある。また、図8・9に示すように、露光位置Xは、正規化光パワー、即ち光パワーが落ちるまでの距離(光のドットサイズ)と密接な関係がある。
【0152】
以下、光のドットが重なり合いすぎたり、あるいは、白抜けができないようにするために、好ましい範囲の露光距離Yについて説明する。
【0153】
ところで、図11に示すように、正規化露光距離Y/W≧1の領域では、1/e半径Xeは、次式(1)
Xe/Y≒1、即ちXe≒Y …(1)
を満足する。
【0154】
一方、正規化露光距離Y/W<1の領域では、1/e半径Xeは次式(2)
Xe/Y>1、即ちXe>Y …(2)
を満足する。
【0155】
ここで、まず、隣りのドットの外周がそのドットの中心点を通るように隣り合うところまで、即ち、ドットサイズ(1/e半径である光の幅Xeの2倍の値、以下、ドットサイズ2Xeと称する))が、電極ピッチXpの2倍以下(2Xe≦2Xp)となる条件について説明する。
【0156】
図14に示すように、W≒Xpの場合を以下に説明する。
【0157】
Y=Xpの場合、Y=Wであり、かつ、上記(1)式より、2Xe≒2Y≒2Xpとなる。
【0158】
また、Y<Xpの場合は、上記Y=Xpの場合よりもドットサイズ2Xeが小さくなる領域である。
【0159】
よって、Y≦Xpによりドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの2倍以下となる。
【0160】
一方、図15に示すように、W<Xpの場合を以下に説明する。
【0161】
Y=Xpの場合、Y>Wであり、かつ、上記(1)式より、2Xe≒2Y≒2Xpとなる。
【0162】
また、Y<Xpの場合は、上記Y=Xpの場合よりもドットサイズ2Xeが小さくなる領域である。
【0163】
よって、Y≦Xpによりドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの2倍以下となる。
【0164】
以上のように、Y≦Xpとすることにより、ドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの2倍以下、即ち、2Xe≦2Xpとなる。
【0165】
次に、図12に示すように、隣り合う4つのドットが中央部でちょうど接するところから、即ち、ドットサイズ2Xeが、電極ピッチXpの21/2 倍以上(2Xe≧21/2 Xp)となる条件について説明する。
【0166】
ここで、上述したドットサイズ2Xeが電極ピッチXpの2倍以下にする条件Y≦Xpを前提条件として考慮する。
【0167】
W≒Xpの場合、前提条件よりY≦Wである。また、上記式(2)よりXe>Yとなるので、2Y=21/2 Xpのとき2Xe>21/2 Xpとなる。
【0168】
よって、Y≧2-1/2Xpにより、ドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの21/2 倍以上となる。
【0169】
また、W<Xpの場合を、以下に説明する。
【0170】
Y≧Wの場合、上記(1)式よりXe=Yであり、従って、2Y=21/2 Xpのとき2Xe=2Y≒21/2 Xpとなる。
【0171】
よって、Y≧2-1/2Xpにより、ドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの21/2 倍以上となる。
【0172】
Y<Wの場合、上記(2)式よりXe>Yであり、Y=21/2 Xpのとき2Xe>2Y=21/2 Xpとなる。
【0173】
よって、Y≧2-1/2Xpにより、ドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの21/2 倍以上となる。
【0174】
以上のように、Y≧2-1/2Xpとすることにより、ドットサイズ2Xeは電極ピッチXpの21/2 倍以上、即ち、2Xe≧21/2Xpとなる。
【0175】
このように、2-1/2Xp≦Y≦Xpとすることにより、被露光体に照射される光のドットは、隣り合う4つのドットが中央部でちょうど接するところから、隣りのドットの外周がそのドットの中心点を通るように隣り合うところまでの間に配される。
【0176】
これにより、白抜けを防止してドットの重なりを確保することができ、かつ、ドットが重なりすぎることがないため、解像度の低下を防止することができる。従って、例えばセルホックレンズなどを用いない状態で、被露光体に到達する光を、適切に拡散させることができる。この結果、光学系のシンプル化・小型化を図ることができる。
【0177】
【発明の効果】
以上のように、本発明の光プリントヘッドは、1つの画素内に、エレクトロルミネッセンス層と、該エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極からなり、上記エレクトロルミネッセンス層を介して上記第1電極部材に対向して配され、該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材とを備え、上記第1電極部材が、上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を導く光導波路として機能するものであると共に、上記第2電極部材における複数の電極を選択駆動することにより上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を、上記光導波路を介して端面に導き、該端面から光を放出する構成である。
【0178】
これにより、光を放出する面積をしぼることとなり、光の強度を大きくすることとなる。即ち、画素面積以上の発光面を得ることができる。従って、光プリントヘッドの小型化を図ることができる。
【0179】
また、電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。従って、電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができる。
【0180】
さらに、第2電極部材が1つの画素内に複数の電極を有するとしても、簡単な工程で所望の形状にパターニングすることができるため、量産性に優れた光プリントヘッドを提供することができるといった効果を奏する。
【0181】
本発明の光プリントヘッドは、第2電極部材の電極のうち、1つの電極を選択して駆動する構成である。
【0182】
これにより、例えば第2電極部材がn本の電極からなるとすると、電極を切り換えることにより、寿命をn倍に延ばすことができるといった効果を奏する。
【0183】
本発明の光プリントヘッドは、第2電極部材の複数の電極の各々について駆動するか否かを独立して選択する構成である。
【0184】
これにより、駆動する電極の組み合わせによって、放出する光の強度を変えることができる。従って、容易に階調制御を行うことができるといった効果を奏する。
【0185】
本発明の光プリントヘッドは、エレクトロルミネッセンス層で発生する光が端面から放出される際の強度に重み付けをするために、対向する第1電極部材との間に印加する電圧が異なるように、第2電極部材における複数の電極の各々において重み付けがされている構成である。
【0186】
これにより、第2電極部材における複数の電極の各々において、発生する光の階調を変えることができる。従って、それらの電極を組み合わせて選択し、駆動することにより、少ないビット数でも細かい階調制御を行うことができるといった効果を奏する。
【0187】
本発明の光プリントヘッドは、第2電極部材における複数の電極が、各々の電極の大きさが異なるように形成されている構成である。
【0188】
これにより、簡単に重み付けを行うことができる。従って、少ないビット数でも細かい階調制御を行うことができるといった効果を奏する。
【0189】
本発明の光プリントヘッドは、第2電極部材が、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を放出する端面から該端面と対向する対向端面にむかって、重みが小さくなるように重み付けされている構成である。
【0190】
これにより、光の放出位置である端面から遠ざかるにつれ重みは小さくなる。従って、例えば、光の放出位置から遠い位置に配されているため電極を大きめに製造する必要があったとしても、重みが小さければ、放出位置において所望の光量を発光位置で得る場合と比較した場合、製造する電極の大きさの差が小さくてすむ。
【0191】
即ち、重みの大きいものを光の放出位置に近い位置に、また、重みの小さいものを光の放出位置から遠い位置に配することにより、光の放出位置(端面)において所望の重み付けで発光するための、電極の制御(例えば、製造上の制御)を容易にすることができるといった効果を奏する。
【0192】
本発明の光プリントヘッドは、光を放出する端面と対向する対向端面に、入射する光を反射させる反射板が配されている構成である。
【0193】
これにより、端面から放出される光量を大きくすることができる。即ち、光の取り出し効率の向上を図ることができるといった効果を奏する。
【0194】
本発明の光プリントヘッドは、光導波路が、光を導き、端面から光を放出する導波層と、導波層よりも光の屈折率が小さい反射層とからなり、導波層は、反射層に挟まれるように配されている構成である。
【0195】
これにより、導波層を透過する光は、反射層との境界において全反射することができる。従って、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を、効率よく端面まで導くことができるといった効果を奏する。
【0196】
本発明の光プリントヘッドは、光を放出する端面と対向する対向端面の近傍に、光量を検出する光検出器を備えている構成である。
【0197】
これにより、発光レベルを検出することができる。従って、例えば、光検出器の検出結果に基づいて、第1・第2電極部材に印加する電圧を制御することにより、安定した発光を行うことができる。また、発光レベルを検出することにより、発光レベルの低下の度合い、即ち、寿命を検出することができる。この結果、適正なタイミングで第2電極部材の電極を切り換えることができ、寿命を延ばすことができるといった効果を奏する。
【0198】
本発明の光プリントヘッドは、光導波路において、光を放出する端面側の端部は、曲面となっている構成である。
【0199】
これにより、光プリントヘッドにおける光を放出する端面がレンズの機能を有することとなる。従って、光を放出する発光素子と結像素子であるレンズとを、一体化することができ、光プリントヘッドの構造を簡単にすることができる。また、これにより、レンズの位置調整を不要とすることができるといった効果を奏する。
【0200】
本発明の光プリントヘッドは、帯電された像担持体上に静電潜像を形成する露光装置に用いられ、上記像担持体に光を照射して露光する光プリントヘッドであって、1つの画素内において、基板上に、エレクトロルミネッセンス層と、透光性を有し、かつ、上記基板よりも光の屈折率の大きい材料からなり、上記エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極により構成され、かつ、上記エレクトロルミネッセンス層を介して第1電極部材に対向して配されて該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材と、上記第1電極部材を挟んで第2電極部材と対向して、かつ、上記第1電極部材を覆うように配され、上記第1電極部材よりも光の屈折率の小さい材料からなる表面膜とを有する発光素子を備え、第2電極部材における複数の電極を選択駆動することによりエレクトロルミネッセンス層で発生した光は、上記第1電極部材を透過し、上記発光素子の端面から放出される構成である。
【0201】
これにより、光を放出する面積をしぼることとなり、光の強度を大きくすることとなる。即ち、画素面積以上の発光面を得ることができる。また、1つの画素内で選択駆動することができる。従って、電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。この結果、例えば、光プリントヘッドを用いて露光する場合でも、電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができるといった効果を奏する。
【0202】
本発明の画像形成装置は、上記記載の光プリントヘッドと、該光プリントヘッドから放出された光が照射されることにより露光され像が形成される像担持体とを備えている構成である。
【0203】
これにより、例えば電極を切り換えても、光プリントヘッドから放出される光の放出位置が変化することがない。従って、光プリントヘッドの電極の切り換えによる露光位置の変化を防止することができ、信頼性の高い画像形成装置を提供することができるといった効果を奏する。
【0204】
本発明の画像形成装置は、光プリントヘッドから放出される光の断面形状が楕円であり、像担持体において光プリントヘッドに露光される領域は、楕円の短径と直交する方向に光プリントヘッドに対して相対的に移動する構成である。
【0205】
これにより、像担持体の移動による露光像の解像度劣化を減少することができる。従って、高画質な像を得ることができるといった効果を奏する。
【0206】
本発明の画像形成装置は、光プリントヘッドにおいて光を放出する端面から像担持体までの距離をYとし、光プリントヘッドにおける電極ピッチをXpとすると、上記Yは、
2-1/2Xp≦Y≦Xp
を満足する構成である。
【0207】
これにより、白抜けを防止してドットの重なりを確保することができ、かつ、ドットが重なりすぎることがないため、解像度の低下を防止することができる。従って、例えばセルホックレンズなどを用いない状態で、被露光体に到達する光を、適切に拡散させることができる。この結果、光学系のシンプル化・小型化を図ることができる。このため、信頼性の高い画像形成装置を提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る光プリントヘッドの要部の構成を示す説明図である。
【図2】 図1に示す光プリントヘッドを用いた画像形成装置の要部の構成を示す説明図である。
【図3】 図1のC−C′線矢視断面図である。
【図4】 有機EL層の発光を示す説明図である。
【図5】 光の全反射について示す説明図である。
【図6】 (a)ないし(d)は、図1に示す光プリントヘッドにおける発光素子の(製造工程の一例を示す工程フロー図であり、(e)は、(d)のD−D′線矢視断面図である。
【図7】 Al電極に重み付けをし、透明電極の端部を凸形状とした場合の光プリントヘッドの構成を示す説明図である。
【図8】 光の強度分布を示すグラフであり、正規化光パワーを縦軸とし、露光位置X(μm)を横軸とする。
【図9】 光の強度分布を示すグラフであり、正規化光パワーを縦軸とし、正規化露光位置X/Wを横軸とする。
【図10】 1/e半径と露光距離Yとの関係を示すグラフであり、強度がピーク値の1/e以上となる光の幅Xe(μm)、Ze(μm)を縦軸とし、露光距離Y(μm)を横軸とする。
【図11】 正規化1/e半径と正規化露光距離との関係を示すグラフであり、正規化1/e半径を縦軸とし、正規化露光距離を横軸とする。
【図12】 隣り合う4つのドットが中央部でちょうど接する状態を示す説明図である。
【図13】 隣り合う4つのドットが互いにちょうど隣接する状態を示す説明図である。
【図14】 W≒Xpの場合におけるドットサイズを示す説明図である。
【図15】 W<Xpの場合におけるドットサイズを示す説明図である。
【符号の説明】
1 発光素子
1a 端面
1b 対向端面
2 透明電極(第1電極部材、光導波路、導波層)
3 Al電極(第2電極部材、電極)
4 反射板
5 光センサ(光検出器)
6 駆動回路
9 被露光体(像担持体)
10 基板(反射層、光導波路)
11 保護膜(表面膜、光導波路、反射層)
12 有機EL層(エレクトロルミネッセンス層)
12b 電子輸送・発光層
Claims (11)
- 1つの画素内に、エレクトロルミネッセンス層と、
該エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、
光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極からなり、上記エレクトロルミネッセンス層を介して上記第1電極部材に対向して配され、該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材とを備え、
上記第1電極部材が、上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を導く光導波路として機能するものであると共に、
上記第2電極部材における複数の電極を選択駆動することにより上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光を、上記光導波路を介して該光導波路の端面に導き、該端面から光を放出するものであり、
上記第2電極部材における複数の電極は、上記エレクトロルミネッセンス層で発生する光が上記端面から放出される際の強度に重み付けをするために、対向する第1電極部材との間に印加する電圧が異なるように、各々の電極幅が異なるように形成され、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を放出する上記端面から遠ざかるにつれて電極幅が小さくなることで、重みが小さくなるように重み付けされていることを特徴とする光プリントヘッド。 - 上記選択駆動は、上記第2電極部材の電極のうち、1つの電極を選択して駆動することを特徴とする請求項1に記載の光プリントヘッド。
- 上記選択駆動は、上記第2電極部材における複数の電極の各々について、駆動するか否かを独立して選択することを特徴とする請求項1に記載の光プリントヘッド。
- 上記光を放出する端面と対向する対向端面には、入射する光を反射させる反射板が配されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
- 上記光導波路は、光を導き端面から光を放出する導波層と、該導波層よりも光の屈折率が小さい反射層とからなり、上記導波層は、反射層に挟まれるように配されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
- 上記光を放出する端面と対向する対向端面の近傍には、光量を検出する光検出器を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
- 上記光導波路において、光を放出する端面側の端部は、曲面となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
- 帯電された像担持体上に静電潜像を形成する露光装置に用いられ、上記像担持体に光を照射して露光する光プリントヘッドであって、
1つの画素内において、基板上に、エレクトロルミネッセンス層と、
透光性を有し、かつ、上記基板よりも光の屈折率の大きい材料からなり、上記エレクトロルミネッセンス層に電圧を印加するものであり、光の取り出し方向の全幅にわたって連続的に形成された透明電極からなる第1電極部材と、
光の取り出し方向と直交する方向のライン状の電極として互いに独立した複数の電極により構成され、かつ、上記エレクトロルミネッセンス層を介して第1電極部材に対向して配されて該第1電極部材とともにエレクトロルミネッセンス層に電圧を印加する第2電極部材と、
上記第1電極部材を挟んで第2電極部材と対向して、かつ、上記第1電極部材を覆うように配され、上記第1電極部材よりも光の屈折率の小さい材料からなる表面膜と、を有する発光素子を備え、
上記第2電極部材における複数の電極を選択駆動することにより上記エレクトロルミネッセンス層で発生した光は、上記第1電極部材を透過し、上記発光素子の端面から放出されるものであり、
上記第2電極部材における複数の電極は、各々の電極幅が異なるように形成され、エレクトロルミネッセンス層で発生した光を放出する上記端面から遠ざかるにつれて電極幅が小さくなることで、重みが小さくなるように重み付けされていることを特徴とする光プリントヘッド。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光プリントヘッドと、
該光プリントヘッドから放出された光が照射されることにより露光され像が形成される像担持体とを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記光プリントヘッドから放出される光の断面形状は楕円であり、上記像担持体において光プリントヘッドに露光される領域は、上記楕円の短径と直交する方向に、上記光プリントヘッドに対して相対的に移動することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 上記光プリントヘッドにおいて光を放出する端面から上記像担持体までの距離をYとし、光プリントヘッドにおける電極ピッチをXpとすると、上記Yは、
2-1/2Xp≦Y≦Xp
を満足することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
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