JP4322234B2 - 屋上の防水構造及び屋上の防水施工方法 - Google Patents

屋上の防水構造及び屋上の防水施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホース、パイプ、導線などの紐状部材を屋上から屋内に向けて配設する際に使用し、水密性能に優れるとともに施工性が高い屋上の防水構造及び屋上の防水施工方法に関する。
都市部における建築物は敷地面積に余裕が少ないため、空調機器、給湯機器その他の設備機械を屋上に設置する場合が多い。他方、受信感度が高いため、屋上の設置が好ましい受信アンテナは、高度情報化に伴なって、その種類、数量が増加傾向にある。更に窓を通して充分な採光が困難な都会では、屋上で集めた太陽光を、光ファイバーケーブルにより建物内部に導入する採光装置が設置される場合等もある。
この種の屋上に設置される各種の設備、装置から屋内に向けて配設されるパイプ、導線などは、外壁面を貫通して建物内へ引き込むことができる。しかし配設経路が長くなるため効率を低下させ、メンテナンスにおいて、足場が不安定なため作業性が悪いとともに危険を伴い、更に建築物の外観を損ねるという問題がある。
そこで、パイプ、導線などを屋上床を貫通させて直接屋内に引き込む構造が多用されている。しかしながら屋上床は、常に風雨に曝されるとともに強い日射を長時間受ける構成材料が紫外線によって劣化し、更には夜昼の温度差が大きく熱膨張による伸縮のためにクラックなどの欠損を生じやすい環境にある。これに対して水密性能を維持するために各種の工夫がなされるものの、その信頼性には限界があり、特に施工品質にバラツキが生じると、経年劣化によって雨漏りを起こす可能性が考えられる。
一方、近年シート材料の品質改良、工法の開発などにより屋上床のシート防水工法が普及している。しかしこの種シート防水された屋上床を貫通してパイプ類を引込む場合、全面に敷設されたシートに貫通孔が穿設されるため、この孔部分から漏水の恐れがある。
そこでシート防水工法された屋上床における漏水防止のため、図11に示すように、コンクリートスラブaにスリーブ本体bを埋設し、このスリーブ本体bに筒状の押さえ部材dを螺着した配管用スリーブeを用いて配管する施工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記提案の施工法においては、パッキンfを介して、スリーブ本体bの笠状部gと押さえ部材dの笠状突起hとで、全面防水シートiの孔縁部全周を挟着し、これにより配管部の防水処理が施されている。
特開平10−292581号公報
しかしながら、スリーブ本体bの笠状部gと押さえ部材dの笠状突起hとで全面防水シートiの孔縁部を挟着する力は、押さえ部材dをスリーブ本体bへ螺着する力により調整される。従って、施工時の締め付け力にバラツキを生じ、或いは施工後の交通振動、繰り返し温度変化を受けると、部分的に防水シートの挟着による保持力が不足して、漏水の可能性が有り、防水処理の信頼性が低いという問題がある。
更には、前記屋上における厳しい温度環境下、防水シートが繰り返し膨張伸縮すると、金属製のスリーブ部材によって挟着される全面防水シートiの孔縁部に、裂け目が発生しやすく、防水機能の耐久性にも問題がある。
本発明は、フランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートが貼着されることを基本とし、水密性能が高いとともに施工性に優れる屋上の防水構造及び屋上の防水施工方法の提供を課題としている。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ホース、パイプ、導線などの紐状部材を屋内に向けて配設する際、屋上床に形成される引込み孔の防水性を確保するための屋上の防水構造であって、縦にのびる筒状体と、この筒状体の下端から外に向かい水平にのびるフランジとを有して屋上床に固定される基部、及び伏せられた枡状をなすとともに筒状部の上部に冠着される上蓋部を具え、前記筒状体には、上蓋部の下端縁よりも上部において片持ち状に横方向に延設され、かつ底板に通孔を有する張出部が形成され、前記紐状部材は、上蓋部の下端縁から上に向けてのび、前記通孔を通って筒状体内部へ配設されるとともに、筒状体の上部で逆U字状に緩やかに折れ曲がって筒状体の中に挿通され、かつ筒状体の下端に臨む屋上床に穿設された引込み孔を通って屋内へ配設され、前記フランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートが貼着されることを特徴とする。
請求項2に係る発明においては、前記底板は、前記通孔の外周縁から上に折れ曲がる短管状の立上げ筒片が形成され、前記立上げ筒片と、その内部を挿通された前記紐状部材との間に、シール材が充填されることを特徴とする。
請求項に係る屋上の防水施工方法は、縦にのびる筒状体と、該筒状体の上部において片持ち状に横方向に延設され、かつ底板に通孔を有する張出部と、該筒状体の下端から外に向かい水平にのびるフランジとを有する基部を、全面防水シートを敷設して防水処理された屋上床に固着する基部固着工程と、前記基部のフランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートを貼着する基部防水工程と、前記全面防水シートの中で、筒状部の下部に臨む領域を切除する防水シート切除工程と、前記防水シート除去工程の結果、筒状部の下部に露呈する屋上床基部に引込み孔を形成する引込み孔穿設工程と、前記張出部の通孔から、ホース、パイプ、導線などの紐状部材を筒状体の内部へ挿通させて前記引込み孔を通して屋内に向けて配設し、かつ伏せられた枡状をなす上蓋部を前記筒状体の上部に冠着し、前記通孔を覆う配設工程とを含み、請求項4に係る発明では、前記紐状部材を挿通した引込み孔の上端部にシール材を充填するシール工程を、更に含むことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、紐状部材の配設のために屋上床に形成された引き込み孔は、基部と上蓋部とによって覆われるため、屋根面の防水性を確保しつつ、ホース、パイプ、導線などを配設できる。特に基部のフランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートを貼着して防水処理を行なうため、シート防水システムなどによる屋上床防水施工の後からでも、簡単にしかも完全に防水処理された配設工事を行なうことができる。しかも紐状部材は、筒状体と上蓋部の隙間を上にのび、緩やかに折れ曲がって筒状体の中に挿通されるため、雨垂れを防止できる。また筒状体に冠着された上蓋部を取り外すことにより、紐状部材の増設、点検作業が簡単に行なえ、そのため、メンテナンスが容易となる。
また、請求項に係る発明においては、紐状体は、筒状体の張出部に形成された通孔を通って筒状体内部へ配設されるため、安定支持される。そして前記通孔は、上蓋部に覆われるため雨が降り込む恐れがない。また請求項に係る発明では、紐状部材は、短管状の立上げ筒片の内部を挿通して筒状体内に引き込まれるため、エッジ状の孔に擦れて破損する恐れがなく、信頼性が向上する。しかも立上げ筒片と紐状部材との間にシール材が充填されるため、高い水密性を維持できる。
請求項に係る発明では、基部防水工程において、基部のフランジの上面及び全面防水シートが敷設された屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートを貼着するため、積層された防水シート双方が密着して、その結果高い防水効果が得られる。そして先に敷設された全面防水シートに、紐状部材を通す空所を形成するため、防水シート切除工程においては、前記全面防水シートの中で、基部固着工程により既に固着された筒状部の下部に臨む領域のみを切除する。従って、全面防水シートの切除部は、基部及び上蓋部に水密的に覆われるため、高い防水性を維持できる。また請求項に係る発明においては、シール工程において、紐状部材を挿通した引込み孔の上端部にシール材を充填するため、防水機能の信頼性が一層向上する。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1、2に示すように、屋上の防水構造1は、パイプなどの紐状部材2を屋内側へ引き込むため、屋上床3を貫通して形成される引込み孔4の水密性を確保するために用いるものであり、屋上床3に固着される基部7と、この基部7の上に冠着される上蓋部8とを具える。
前記屋上床3は、建築物の構造に応じた各種の構成が含まれる。本形態の建物は、図2に示すように、鉄骨構造の建築物が例示され、I型鋼を用いた大梁、小梁を含む梁材21にPCコンクリート板20を架け渡して形成された屋上床基部3Bの上に、シート防水工法を用いて防水処理した乾式工法の屋上床3が例示される。PCコンクリート板20に替えて、ALC板、或いは矩形状の外周枠を含むパネルフレームに、合板、押出しコンクリート板などを取り付けた屋上パネルを用いることも良い。更にRC工法では、屋上床3は鉄筋補強されたコンクリート構造の屋上スラブにより構成される。
前記シート防水工法としては、主に合成樹脂系シート防水工法、合成ゴム系シート防水工法が汎用される。前記合成樹脂系シート防水工法は、屋上床基部3B(下地)に塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などを用いた合成樹脂シート(全面防水シート15)を、接着剤などで張り付けるか、或いは固定金物で固定することにより隙間なく敷設して防水層をつくる工法であり、シート相互は溶着液、熱融着で接合させている。また前記合成ゴム系シート防水工法は、屋上床基部3B(下地)に加硫ゴム系または非加硫ゴム系の合成ゴムシート(全面防水シート15)を接着剤で張り付けてローラー転圧して接着させるか、或いは固定金物で固定して防水層をつくる工法であり、シート相互は接着剤、テープ状シーリング材を用いて接着させている。
なお本形態では、図1に示すように、屋上床基部3Bの上に断熱材29を全面敷設し、その上を全面防水シート15で被覆する工法を例示している。前記断熱材29により、外断熱構造が形成され、温度条件の厳しい屋上床3の断熱性能が向上する点で好ましい。更に断熱材29の上面にテーパを付けると、この断熱材29を敷設するだけの簡単な施工によって正確な雨勾配を設けることができる点で好ましい。
この他屋上床3の防水処理は、無機質系、有機質系、混合系の防水剤を混入したセメントモルタル、又はセメントペーストを、コテを用いて下地に塗り付けることにより防水層を形成するモルタル防水工法、或いは下地に複数枚のルーフィング類を溶融アスファルトで密着させて張り重ねることにより防水層をつくるアスファルト防水工法、更には下地にゴムアスファルト系、ウレタンゴム系、アクリルゴム系の吹付け用防水材を、専用の吹付け機械を用いて吹き付けることにより一定の厚さの防水層をつくる塗膜防水工法などを用いることも良い。
前記引込み孔4は、屋上床基部3B及び防水層を上下に連続してのび、通常丸孔状に形成される。そして引込み孔4は、屋上床3に配置される空調機器、貯湯タンク、アンテナ、集光器などの設備機器の近傍で、屋内への配管、配線の経路が最短となる位置に形成される。引込み孔4は、RC、PCコンクリートなどの構造においては、鉄筋との干渉を避けるため、床構築と同時に形成されることが好ましい。ALCパネル、その他の乾式工法では、屋上床3構築後、所定位置に穿設して形成することもできる。
前記基部7は、図1、3に示すように、縦にのびる筒状体5と、この筒状体5の下端全周から外に向かい水平にのびるフランジ6を有する。
前記筒状体5は、本形態では、横断面長矩形状の角筒状をなす。また筒状体5は、下板22によって下部が塞がれるが、該下板22には、その中央部が長矩形状に大きく欠かれた下窓23が形成される。また本形態の筒状体5は、長手方向の両側の側部に片持ち状の張出部12、12が形成される。この張出部12は、筒状体5の側板が上部において外向きに折れ曲がった底板10が設けられ、かつこの底板10の先端が再度上に折れ曲がることによって形成される。
前記張出部12の底板10は、横に並んだ一対の丸孔状の通孔11が形成される。そして本形態の底板10は、通孔11の外周縁から上に折れ曲がり、かつ小高さで立ち上がって形成された短管状の立上げ筒片13が形成される。前記通孔11は、その直径が例えば、30〜120mm程度、好ましくは45〜90mm、本形態では60mmとしている。また前記立上げ片は、立上げ高さが例えば、10〜40mm程度、好ましくは15〜30mm、本形態では20mmとしている。
また前記底板10は、その内端縁に小高さに立上がる内片24が形成される。この内片24は、通孔11から入った雨水を堰き止めて、それ以上内部への浸入を阻止できるため、防水性が向上する点で好ましい。
筒状体5は、その上端全外周に水密材25が鉢巻状に周着される。前記水密材25は、天然ゴム、クロロプレンゴム(CR)スポンジ、エチレンプロピレンゴム(EDPM)スポンジ、ニトリルゴム(NBR)スポンジ、シリコンゴムスポンジなどを用いる。更に筒状体5は、その双方の張出部12の外側面の中位に、木桟などを用いた釘打ち可能な取付桟26が一体に設けられる。
前記フランジ6は、本形態では下板22と一体に連続して形成され、矩形状をなす。またフランジ6には、全周に亘って複数のビス孔27が隔設される。そして、図4に示すように、前記ビス孔27に挿入されたビス28を、前記全面防水シート15を挿通して屋上床3に打ち込むことにより、基部7が屋上床3に固着される。なお基部7は、筒状体5の下窓23から前記引込み孔4が露呈するように配置して固着される。
前記筒状体5の外側面下部には、図5に示すように、帯状のシート部材32が全周に巻き付けた状態で貼着される。そしてこのシート部材32の上端部と、筒状体5との間は、(変性)シリコーン系・ポリサルファイド系・ポリウレタン系などの湿気硬化タイプ、アクリル系・SBR系などのエマルション乾燥硬化タイプ、ブチルゴム系などの溶剤型乾燥硬化タイプの他、アクリルウレタン系・シリコーン系など2成分型反応硬化タイプ、その他のシーリング材14を用いて封止される。
前記固着された基部7のフランジ6の上面及び屋上床3のフランジの周辺領域3Aには、図6に示すように、これらを連続的に覆う縁部防水シート9が貼着される。本形態の縁部防水シート9は、広巾、細巾の2種類の帯状のシート材9A、9Bに分割して形成される。そして各々が前記横断面長矩形状の筒状体5の下端から四方に向かい水平にのびるフランジ6から屋上床3の周辺領域3Aに亘って縦、横に枠状に、しかも互いの端部を重ね合わせて貼着される。このとき、筒状体5の短辺に沿って比較的長くのびるフランジ6に、広巾のシート材9Aを配し、かつ長辺に沿って比較的短かくのびるフランジ6に、細巾のシート材9Bを配することにより屋上床3との貼着巾が略同巾に揃えられ、フランジ6全周に亘り均一な水密性を確保している。
本形態では、フランジ6と縁部防水シート9とは粘着剤を塗布することにより密着させ、他方屋上床3に敷設された全面防水シート15と縁部防水シート9とは、公知の熱風器を用いて溶着することにより密着性を確保しいている。更には、図6に示すように、筒状体5の下部に巻き付けたシート部材32と、縁部防水シート9との間は、前記と同様のシーリング材14を用いて封止される。
前記上蓋部8は、図1、3に示すように、伏せられた角枡状をなすとともに前記筒状体5の上部よりも少し大きめに形成され、筒状体5の上部に冠着しうるように形成される。そして、上蓋部8に挿通した固着具30を、前記取付桟26に打ち込むことにより、上蓋部8は、筒状体5にガタツキなく固着することができる。さらに上蓋部8を筒状体5に冠着した状態において、筒状体5と上蓋部8との間には、前記水密材25が介挿されるため、雨水の浸入を確実の阻止しうる点で好ましい。前記上蓋部8は、図1に鎖線で示すように、その外表面全体をシート部材31で覆うと、上蓋部8の防水性能が向上する点で好ましい。
このように紐状部材2の配設のために屋上床3で開口する引込み孔4は、前記基部7及び上蓋部8によって覆われるため、屋根面の防水性が確保され雨漏れを生じることがない。特に基部7のフランジ6の上面及び屋上床3の周辺領域3Aに、これらを連続的に覆う縁部防水シート9を貼着して防水処理を行なうため、シート防水工法を用いて屋上床3の防水処理を施工した後からでも、簡単にしかも完全に防水処理された紐状部材2の配設工事を行なうことができる。
前記紐状部材2は、本形態では、図2に示すように、屋上に複数台設置された空調機器の屋外機34から、建物内へ配管される冷媒パイプ2Aの場合が例示される。紐状部材2には、この他、屋上に設置される貯水タンクの給水パイプ、貯湯タンクの給湯管、屋上に設置される各種アンテナから引き込まれる導線、太陽光を集める採光器から建物内部に光を送る光ファイバーケーブルなどが含まれる。
屋上床3の屋外機など設備機器類に接続された紐状部材2は、図1に示すように、屋上床3から立ち上がることによって上蓋部8の下端縁から筒状体5と上蓋部との隙間を上に向けてのび、更に筒状体の上部で逆U字状に緩やかに折れ曲がって筒状体5の内部に挿通される。そしてその先端側が、筒状体5の下端に臨む屋上床3に穿設された引込み孔4を通って屋内へ向けて配設される。従って、外部から筒状体5の内側へ導入される紐状部材2は、筒状体5と上蓋部8の隙間を上にのび、緩やかに折れ曲がって筒状体5の中に挿通されるため、雨垂れを生じることなく防水性が向上する。更には冠着された上蓋部を取り外すことにより、紐状部材の増設、点検作業を簡単に行なえ、そのため、メンテナンスが容易となる。
本形態の紐状部材2は、図9(A)に示すように、前記筒状体5の張出部12に形成された通孔11を通って筒状体5の内側へ挿通される。そのため、紐状部材2は通孔11によって安定した状態で支持され、しかも前記通孔11は上蓋部8によって覆われるため、雨水の降り込みが防止できる。
前記紐状部材2は、前記通孔11から立ち上がる立上げ筒片13内部を挿通して筒状体5内部へ配設される。従って、例えばパイプ、導線などの被覆層がエッジ状の孔縁に擦れて破損することがなく、信頼性が向上する点で好ましい。
前記立上げ筒片13と紐状部材2との間には、前記と同様なシーリング材14が充填されて、隙間が封止される。そのため、紐状部材2の筒状体5内部への導入部が完全にシールされて、水密性能に優れる点で好ましい。また本形態では、図9(B)に示すように、前記屋上床3の引込み孔4と紐状部材2との間にも、同様のシーリング材14を充填して封止している。
図10は他の実施形態を例示している。以下異なる内容について説明し、それ以外は図中に表れた主要構成に同じ符号を付すだけとする。本形態の筒状体5は、その一側にのみ張出部12を設けている。そして基部7は、引込み孔4が張出部12を設けた側の反対側に偏位するように配置される。本形態の紐状部材2は、屋上床3に設置されて太陽光を集める集光器36に接続され、その光を屋内へ導く光ファイバーケーブル2Bにより形成されている。
本発明の屋上の防水施工方法は、前記屋上の防水構造1を屋上床3に構築する際に用いられるものであり、基部固着工程と、基部防水工程と、防水シート切除工程と、引込み孔穿設工程と、配設工程とを含む。尚、前記詳説した屋上の防水構造1と重複する構成については、説明を省略する。
先ず基部固着工程においては、図3、4に示すように、前記基部7を、前記全面防水シート15を敷設して防水処理が完了した屋上床3の紐状部材2を配設する箇所に載置する。そして前記フランジ6のビス孔27に挿通したビス28を屋上床3に打ち込むことにより、基部7を屋上床3に固着する。これ以外の方法として、接着剤を用いて基部7を屋上床3に固着することもよい。
次の基部防水工程において本形態では、先ず図5に示すように、前記筒状体5の外側面下部全周に、帯状のシート部材32を巻き付けた状態で貼着する。そして図6に示すように、前記基部7のフランジ6の上面及び全面防水シート15が敷設された屋上床3のフランジの周辺領域3Aに、両者を連続的に覆う縁部防水シート9を貼着する。
本形態の縁部防水シート9は、広巾、細巾の2種類の帯状のシート材9A、9Bを用いる。そして先ず筒状体5の長辺に沿って比較的短かくのびる両側のフランジ6及び前記周辺領域3Aに、細巾のシート材9Bを貼着する。このとき縁部防水シート9は、フランジ6とは粘着剤を用いて貼着し、他方全面防水シート15とは熱ローラ、熱風ガンなどを用いて熱溶着させる。同様にして筒状体5の短辺に沿って比較的長くのびる両側のフランジ6及び前記周辺領域3Aに、広巾のシート材9Aを貼着する。
前記の如く、基部防水工程において、基部7のフランジ6の上面と全面防水シート15で覆われた屋上床3の周辺領域3Aとを連続的に覆って縁部防水シート9を貼着するため、重なり合う防水シート双方が密着して、防水機能に高い信頼性が得られる。しかも本形態では、図5、6に示すように、シート部材32の上端部と筒状体5との間、及びシート部材32と縁部防水シート9との間に、前記と同様のシーリング材14を用いて封止し、防水性の信頼性を更に高めている。
次いで前記防水シート切除工程では、図7に示すように、筒状体5の下板22に形成された矩形状の下窓23の内縁に沿って、カッターナイフ36を走らせることにより、前記全面防水シート15の中で、前記下窓23を通して筒状体5の下部に臨む領域を切除する。なおカッターナイフ38に替わる専用の切断工具を使用し、必要サイズの例えば丸孔を切り抜くようにしてもよい。
このように、防水シート切除工程においては、先工程で全面防水シート15上に固着し、さらに全周縁を防水処理した基部7の筒状体5の下部に臨む領域のみを切除する。従って、シート防水工法により全面処理された後に、全面防水シート15の任意箇所に、紐状部材2の配設用の切欠部を設けても水密性能を維持できる。
次いで前記引込み孔穿設工程では、図8に示すように、防水シート切除工程の結果、全面防水シート15が切除されることにより、筒状体5の下部で前記下窓23から露呈する屋上床基部3Bに、電動ドリルなどの専用工具37を用いて引込み孔4を穿設する。引込み孔4は、必要に応じて2個以上が穿設されることもある。
次いで前記配設工程では、本形態では図1、2に示すように、屋上に設置された空調機器の屋外機34に接続された冷媒パイプ2Aからなる紐状部材2を屋内空間へ向けて配管する。前記冷媒パイプ2Aは、筒状体5の張出部12に形成された通孔11を通して筒状体5の内側へ挿通させ、筒状体の上部で逆U字状に緩やかに折り曲げて筒状体5の下方へとのばす。そして更にその先端を前記引込み孔4を通して屋内空間へと配管する。
次いで本形態では、図9(B)に示すように、シール工程において、冷媒パイプ2Aが挿通された引込み孔4の上端部を前記と同様のシーリング材14を充填する。従って、全面防水シート15を切除して穿設した引込み孔4の水密性能を向上し、信頼性を高めうる点で好ましい。更に図9(A)に示すように、冷媒パイプ2Aが挿通した前記通孔11にも、同様のシーリング材14を充填すると防水性がより向上する点で好ましい。
次いで、図3に示すように、角枡状をなす上蓋部8を前記筒状体5の上部に冠着する。そして上蓋部8に挿通した固着具30を、筒状体5の取付桟26に打ち込んで、上蓋部8を固着することにより、本発明の屋上の防水施工方法が完了する。
尚、叙上の説明は本発明の実施の形態を例示したものである。従って本発明の技術的範囲はこれに何ら限定されるものではなく、前記した実施の形態の他にも、各種の変形例が含まれる。
本発明の一実施の形態を例示する断面図である。 その斜視図である。 その分解斜視図である。 その施工状態を説明する斜視図である。 その異なる施工状態を説明する斜視図である。 その更に異なる施工状態を説明する斜視図である。 その更に異なる施工状態を説明する斜視図である。 その更に異なる施工状態を説明する斜視図である。 (A)(B)は異なる箇所のシール構造を例示する要部断面図である。 他の実施形態を例示する断面図である。 従来例の断面図である。
符号の説明
1 屋上の防水構造
2 紐状部材
3 屋上床
3A 周辺領域
3B 屋上床基部
4 引込み孔
5 筒状体
6 フランジ
7 基部
8 上蓋部
9 縁部防水シート
10 底板
11 通孔
12 張出部
13 立上げ筒片
14 シーリング材
15 全面防水シート

Claims (4)

  1. ホース、パイプ、導線などの紐状部材を屋内に向けて配設する際、屋上床に形成される引込み孔の防水性を確保するための屋上の防水構造であって、
    縦にのびる筒状体と、この筒状体の下端から外に向かい水平にのびるフランジとを有して屋上床に固定される基部、及び伏せられた枡状をなすとともに筒状部の上部に冠着される上蓋部を具え、
    前記筒状体には、上蓋部の下端縁よりも上部において片持ち状に横方向に延設され、かつ底板に通孔を有する張出部が形成され、
    前記紐状部材は、上蓋部の下端縁から上に向けてのび、前記通孔を通って筒状体内部へ配設されるとともに、筒状体の上部で逆U字状に緩やかに折れ曲がって筒状体の中に挿通され、かつ筒状体の下端に臨む屋上床に穿設された引込み孔を通って屋内へ配設され、
    前記フランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートが貼着されることを特徴とする屋上の防水構造。
  2. 前記底板は、前記通孔の外周縁から上に折れ曲がる短管状の立上げ筒片が形成され、
    前記立上げ筒片と、その内部を挿通された前記紐状部材との間に、シール材が充填されることを特徴とする請求項1記載の屋上の防水構造。
  3. 縦にのびる筒状体と、該筒状体の上部において片持ち状に横方向に延設され、かつ底板に通孔を有する張出部と、該筒状体の下端から外に向かい水平にのびるフランジとを有する基部を、全面防水シートを敷設して防水処理された屋上床に固着する基部固着工程と、
    前記基部のフランジの上面及び屋上床の周辺領域に、これらを連続的に覆う縁部防水シートを貼着する基部防水工程と、
    前記全面防水シートの中で、筒状部の下部に臨む領域を切除する防水シート切除工程と、
    前記防水シート除去工程の結果、筒状部の下部に露呈する屋上床基部に引込み孔を形成する引込み孔穿設工程と、
    前記張出部の通孔から、ホース、パイプ、導線などの紐状部材を筒状体の内部へ挿通させて前記引込み孔を通して屋内に向けて配設し、かつ伏せられた枡状をなす上蓋部を前記筒状体の上部に冠着し、前記通孔を覆う配設工程とを含むことを特徴とする屋上の防水施工方法。
  4. 前記紐状部材を挿通した引込み孔の上端部にシール材を充填するシール工程を、更に含むことを特徴とする請求項3記載の屋上の防水施工方法。
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