JP4321887B2 - 固体高分子型燃料電池およびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネシステム等に使用される常温作動型の固体高分子型燃料電池と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、水素などの燃料と空気などの酸化剤ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させ、電気と熱を同時に供給するものである。
固体高分子型燃料電池の一例として、図4に、その一部を切り欠いた斜視図を示す。
水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜3の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層2を密着して形成する。
さらに触媒反応層の外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた一対の拡散層1を密着して形成する。この拡散層1と触媒反応層2とを合わせて電極とする。
電極の外側には、これらの電極および電解質の接合体を機械的に固定するとともに、隣接する接合体を互いに電気的に直列に接続するための導電性のセパレータ板4を配置する。セパレータ板の電極が接触する部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路5を形成する。そして、電池にガスを供給または排気するマニホルド孔8、電池を冷却するための水を電池に供給する、またはこれを排出するマニホルド孔14が形成されている。
【0003】
水素や空気が電池外へリークしたり、互いに混合したりしないように、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んでシール材やO−リングを配した内部シール型の構造が一般的である。
また、できるだけ電極面積を大きくするため、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んで配していたシール材やO−リングを省き、電極端部を積層電池の側面まで配して、側面を覆った気密性の非導電性材料によってシールを行う外部シール型の構造が、コンパクト性と低コスト化を考慮すると有効である。
この外部シール型の固体高分子燃料電池には、それぞれの単電池にガスを供給するためのガス流路であるマニホルドが、セパレータなどの電池構成部材を貫く孔として積層電池内部にある内部マニホルド型と、積層した部分とは別にそれの外側に構成した外部マニホルド型がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の樹脂を溶媒に溶解した溶液を塗布・乾燥したり、反応性樹脂を塗布・固化したりして積層電池の側面を被覆するガスシール部を形成する方法では、十分なガスシール性が得られないという問題があった。
また、樹脂が形成されたガスシール部の表面の凹凸が大きいため、ガスの供給排出口などへガスを供給するためのマニホルドを形成する際、積層電池側面とマニホルドとが接触する部分を良好にガスシールすることが困難であった。
【0005】
エポキシ樹脂などの硬化型樹脂を積層電池を包む流し込み型に流し込んでモールドするという方法もあるが、樹脂が固化するのに時間がかかるため、生産性に乏しかった。
また、上記いずれの方法においても、各単電池におけるガスの供給排出口が気密性の非導電性材料によって塞がれるという問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑み、各単電池におけるガスの供給排出口が気密性の非導電性材料によって塞がれることがなく、マニホルド内がガスシールされた固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、生産性の優れた固体高分子型燃料電池を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜、および前記固体高分子電解質膜を挟む一対の電極を有する電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟む一対のセパレータとを具備した単電池を複数個積層した積層電池において、
前記電極の一方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し排出する燃料ガス流路が設けられ、
前記電極の他方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の他方に酸化剤ガスを供給し排出する酸化剤ガス流路が設けられ、
前記積層電池は、積層方向に貫通し、前記燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルドと、積層方向に貫通し、前記酸化剤ガス流路と連通する一対の酸化剤ガスマニホルドとを有しており、
前記燃料ガスマニホルド内面の前記燃料ガス流路側の部分、および、前記酸化剤ガスマニホルド内面の前記酸化剤ガス流路側の部分の少なくともいずれかに、気密性かつ非導電性のガスシール部が配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の固体高分子型燃料電池の製造法は、
固体高分子電解質膜および前記固体高分子電解質膜を挟む一対の電極を有する電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟む一対のセパレータとを具備した単電池を複数個積層した積層電池を備え、
前記電極の一方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し排出する燃料ガス流路が設けられ、
前記電極の他方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の他方に酸化剤ガスを供給し排出する酸化剤ガス流路が設けられており、
前記積層電池は、積層方向に貫通し、前記燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルドと、積層方向に貫通し、前記酸化剤ガス流路と連通する一対の酸化剤ガスマニホルドとを有する固体高分子型燃料電池の製造法であって、
前記燃料ガスマニホルド内面の前記燃料ガス流路側の部分、および、前記酸化剤ガスマニホルド内面の前記酸化剤ガス流路側の部分の少なくともいずれかに、固化してガスシール部を形成する非導電性材料の液状前駆体を塗布する塗布工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の固体高分子型燃料電池は、マニホルド内面において、各単電池のガス流路側の部分に、気密性かつ非導電性のシール部が配置されているので、マニホルド内部がガスシールされ、したがって、単電池に供給されたガスの一方が他方のガスのマニホルドへ漏出するというように、2種のガスが混合する現象の発生を防止することができる。
本発明の固体高分子型燃料電池は、上記の構成に加えて、エンジニアリングプラスチックなどの機械的に強固な樹脂によって、積層電池の側面をモールドしてガスシール部を形成するのが好ましく、このような構成をとると、ガスシール性や、機械的強度に優れた燃料電池となる。また、平滑な外表面が得られるので外見上も美しく、その部位にシール部を構成するときにはシール面が形成しやすくなる。
また、ガスシール部を複数の層で構成し、その最外層を射出成型によって形成した樹脂層にすると、シール部の耐久性をさらに向上させることができて好適である。
例えば、ガスシール部を機械的な衝撃を吸収する緩衝材からなる層を含む構成にすると、電池の耐衝撃性を向上させることができる。
【0009】
本発明による固体高分子型燃料電池の製造法は、燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルド内面の燃料ガス流路側の部分、および、燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルド内面の燃料ガス流路側の部分の少なくとも一方を、固化してガスシール部を形成する非導電性材料たとえばフェノール樹脂の液状前駆体を塗布する塗布工程を含むため、一方のガスに他方のガスが混入するという現象の発生が効果的に防止できる。
【0010】
また、本発明による固体高分子型燃料電池の製造方法は、積層電池のガスシール部を形成する際に、マニホルドに開口する単電池のガスの供給排出口が、固化した気密性の非導電性材料によって閉塞されないようにして、前記マニホルド内面に気密性の非導電性材料の液状前駆体を塗布し乾燥固化して、マニホルド内のガスシール部を形成する工程を含むのが好適である。このような構成をとると、各単電池の各ガスの供給排出口を確保することができて好ましい。
ガス供給排出口が、シール材によって塞がれないようにして、ガスシール部を形成するには、多孔性のフィルムをマニホルドに開口するガスの供給排出口に配置し、このフィルムに液状の樹脂前駆体を浸透させて、電極やセパレータ等の隙間にしみこませた後、樹脂前駆体を固化して、ガスシール部を形成するのが好ましい。
この場合、液状前駆体の表面張力のため、流体の供給排出口を塞ぐまでには液状前駆体が浸透せず、接触する電極やセパレータの隙間のみにしみ込んで固化するだけなので、液状前駆体が固化した後、フィルムを剥がすと、流体の供給排出口を確保できる。
【0011】
さらに、電極にガスを分配する手段にガスを流し続けた状態で、前記樹脂前駆体を塗布乾燥させてシール部を形成する方法も好適である。ガスを流し続けた状態で樹脂前駆体を塗布すると、この樹脂前駆体が流体の供給排出口に浸入することがないため、シール材が固化しても、これによって流体の供給排出口を塞がれることがない。
上記の他にも、流体の供給排出口をあらかじめ固形物で塞いでおいてシール部を形成する方法がある。この場合は、シール部を形成した後、流体の供給排出口の固形物を取り除いてガス供給排出口を確保する。
【0012】
気密性で非導電性材料としては、フェノール樹脂等の固化するとシール材となるものを用いることができる。
また、成型樹脂としては、液晶ポリマー等を利用することができる。
【0013】
【実施例】
本発明を、図面を参照しながら説明する。
《実施例1》
粒径が数ミクロン以下のカーボン粉末を塩化白金酸水溶液に浸漬し、還元処理によりカーボン粉末表面に白金触媒を担持した。このときのカーボンと担持した白金の重量比は1:1とした。ついで、この白金を担持したカーボン粉末を高分子電解質のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。
一方、電極1となる厚さ400ミクロンのカーボンペーパーをフッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製:商品名ネオフロンND1)に含浸して乾燥後、400℃で30分熱処理して撥水性を付与した。
【0014】
図1に示すように、撥水処理を施したカーボンペーパー電極の片面に、前記のカーボン粉末を含むスラリーを均一に塗布して触媒層2を形成した。
カーボンペーパー電極1を10×10cm、高分子電解質膜3を12×12cmの大きさに裁断した。そして、2枚のカーボンペーパー電極1の触媒層2が形成された面で固体高分子電解質膜3を挟んで重ね合わせた後、これを乾燥して電極電解質接合体(以下、MEAという。)を作製した。
このMEAを、その両面から気密性を有するカーボン製のセパレータ板4で挟み込んで単電池の構成とした。セパレータ板の厚さは、4mmであった。
【0015】
MEAをセパレータに挟み込む際、電極の周りにはカーボン製のセパレータ板と同じ外寸のポリエチレンテレフタレート(PET)製シート15を配した。このPETシートは硬くてシール性を有しないがカーボン製セパレータ板と電解質膜との間のスペーサとして用いた。
以上の単電池を2セル積層して、電池構成単位とした。この時、冷却部のシール用O−リングは用いなかった。
電池構成単位のセパレータは、図2に示すように、一方の面に冷却水路7を配置し、他方の面にはガス流路6を配置したセパレータ板4a、一方の面にガス流路5を配置し、他方の面にガス流路6を配置したセパレータ板4b、および一方の面にガス流路5を配置し、他方の面に冷却水路7を配置したセパレータ4cから構成され、ガス流路5の供給口11と排気口11’、ガス流路6の供給口と排気口、および冷却水路7の供給口12と排出口12’は、互いに対向する辺に構成している。
ガス流路5、6および冷却水路7は、切削加工によって、セパレータ表面に形成する。例えば、本実施例のガス流路5は、幅2mm、深さ1mmの溝を図3に示すような形状で、セパレータの面に刻んで形成した。
セパレータ板の周囲には、ガス流路5と連通するマニホルド孔8a、8a’、ガス流路6と連通するマニホルド孔8c、8c’および、冷却水路7に連通するマニホルド孔8b、8b’が形成されている。単電池を積層することによって、例えば、マニホルド孔8cが重なって、積層電池のマニホルド8を形成する。他のマニホルド孔についても同様である。各流体の供給および排出は、それぞれのマニホルドを通じておこなう。
このようにして単電池を50セル積層し、両端部にそれぞれ金属製の集電板と電気絶縁材料でできた絶縁板、さらに端板を順に重ね合わせ、そして、これらを貫通させたボルトとナットにより、両端板を締結して積層電池を作製した。この時の締結圧はセパレータの面積当たり10kgf/cm2とした。
【0016】
次に、端板に設けたマニホルド8の開口部から積層電池を貫通しているマニホルド孔内にフェノール樹脂溶液を注入し、マニホルド孔8の内部表面にフェノール樹脂を塗布・乾燥させ、マニホルド孔8内部の各単電池へのガスの供給排出口11以外の部位のガスシールをおこなった。このとき、注入するフェノール樹脂溶液の粘度が高すぎたり、ガスの供給排出口11の口径が小さいと、フェノール樹脂がガスの供給排出口11をふさぐので注意が必要であった。その他のマニホルドについても同様の操作を行った。
【0017】
続いて、積層電池の外寸より6mm大きい内寸を有する金型を作成した。この金型とステンレス鋼製の電極端板で包まれた隙間に、射出圧100kgf/cm2 〜1000kgf/cm2 、ピーク温度300℃で、樹脂を射出して、成型樹脂9を形成して、電池側面をモールドした。用いた樹脂は、液晶ポリマーとして知られる樹脂の1つで、デュポン社よりゼナイトHX6130の名で販売されているものであった。射出口としては金型の周囲2〜32カ所に設けた。
【0018】
樹脂成型時の射出圧が大きすぎたり温度が低すぎたりすると、電池が破損したり、変形したりする。逆に射出圧が小さいと樹脂が全体に回らなかったり、ガスのシール性が維持できなくなる。また、温度が高すぎると射出成型はできるものの電池性能は低くなる。これは、熱によって電極部が変性するためと思われる。
上記した樹脂の他にも、射出温度が上記した樹脂より低いナイロン樹脂など種々の樹脂を用いて成型を行った。
これらの射出成型法でモールドした電池の性能試験を行った結果、射出成型時の条件を最適化したもの(射出圧500kgf/cm2、射出温度200℃、金型温度120℃)では、フェノール樹脂だけを積層電池の外表面に塗布・乾燥させた従来の電池とほぼ同等の初期性能(0.65V−0.6A/cm2)を得た。
【0019】
つぎに、得られた射出成型モールド電池の耐久試験を行った。80℃の相対湿度90%の環境に保存して、定期的に電池評価を行った。比較として、フェノール樹脂だけを積層電池の外表面に塗布・乾燥させた従来の電池を用意して、同様の電池評価をおこなった。
その結果、従来の電池は、150時間程度放置すると性能が低下したが、本発明の電池ではその様な性能低下はなく、優れた耐久性を有していた。
【0020】
《実施例2》
実施例1と同様にして積層電池を作製した。そして、溶剤に溶かしたブタジエンゴムを積層電池の外表面に塗布乾燥させた後、実施例1と同様にして、モールド電池を作成した。この電池を振動状態で保存して電池耐久試験をおこなったところ、保存後の電池の性能は、保存前の電池とほとんど変わらなかった。ブタジエンゴムが機械的な力に対して緩衝材として作用したものと思われる。
【0021】
《比較例1》
実施例1で作製した電池を実施例2と同様の振動状態で保存した。その結果、保存後の電池の性能は、保存前の電池よりも低下していた。この電池を解体分析するとシール面の剥離がみられた。そこからガスがクロスリークしたものと思われる。
【0022】
《実施例3》
実施例1と同様にして積層電池を作製し、図3に示すようにして、ガラス繊維フィルムからなる多孔性フィルム10をマニホルド孔8内部のガスの供給排出口11が開口する側の壁面に張り付けた。同様にして、他の流体のマニホルド孔内部にも多孔性フィルムを張り付けた。
【0023】
続いて、フェノール樹脂粉末を有機溶媒に溶かして粘度調整した溶液を、端板に設けたマニホルド8の開口部からフェノール樹脂溶液を注入して、樹脂溶液を多孔性フィルム10に浸透させた。
フェノール樹脂13は、多孔性フィルムをとおって、積層電池の側面に達し、電極やセパレータ板の隙間等にしみこんだ。そして、フェノール樹脂が乾燥・固化した後、フィルム10を剥がした。固化したフェノール樹脂13によって、マニホルド内部は、ガスシールされた。ガスの供給排出口は、この樹脂によって塞がれていなかった。
【0024】
《実施例4》
実施例1で作製した単電池を50セル積層していく際に、各単電池におけるマニホルド孔に連通する各流体の供給口および排出口に、その断面と同じ形状をしたテフロン製のスペーサを埋めて組み立てた。その際スペーサの端はマニホールド孔内部へ突出しておくように配した。そして、実施例3と同様にしてフェノール樹脂を塗布・乾燥させて、ガスシール部を作製した。テフロンスペーサーを治具を用いて抜き出すことによって、各流体の供給口および排気口を確保することができた。
【0025】
《実施例5》
実施例1と同様にして、積層電池を作製した。そして、ガスや冷却水の供給口からガスを流し続けた状態で、積層電池のガスや冷却水の排出口のある面にフェノール樹脂を塗布・乾燥させた。その後、ガスを流す方向を逆にして、すなわち排出口側からガスを流した状態で、積層電池の供給口のある面にフェノール樹脂を塗布・乾燥させた。その結果、ガスや冷却水の供給排出口をガスシール材の樹脂によって閉塞されることはなかった。
【0026】
【発明の効果】
本発明によると、マニホルド内がガスシールされ、耐久性および生産性に優れた固体高分子型燃料電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における固体高分子型燃料電池の要部の概略断面図である。
【図2】同電池のセパレータ板の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例において、マニホルド孔内面にシール部を形成する工程の一部を示す断面図である。
【図4】固体高分子型燃料電池の一例で、その一部を切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】
1 電極
2 触媒層
3 固体高分子電解質膜
4 セパレータ板
5、6 ガス流路
7 冷却水路
8 ガスマニホルド孔
9 成型樹脂
10 多孔性フィルム
11 ガス供給口
11’ガス供給口
12 冷却水供給口
12’冷却水排出口
13 シール材樹脂
14 マニホルド孔
15 PET製シート
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜、および前記固体高分子電解質膜を挟む一対の電極を有する電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟む一対のセパレータとを具備した単電池を複数個積層した積層電池において、
前記電極の一方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し排出する燃料ガス流路が設けられ、
前記電極の他方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の他方に酸化剤ガスを供給し排出する酸化剤ガス流路が設けられ、
前記積層電池は、積層方向に貫通し、前記燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルドと、積層方向に貫通し、前記酸化剤ガス流路と連通する一対の酸化剤ガスマニホルドとを有しており、
前記燃料ガスマニホルド内面の前記燃料ガス流路側の部分、および、前記酸化剤ガスマニホルド内面の前記酸化剤ガス流路側の部分の少なくともいずれかに、気密性かつ非導電性のガスシール部が配置されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。 - 前記ガスシール部の一部が、前記電極電解質接合体と前記セパレータの一方との間の隙間、および、前記電極電解質接合体と前記セパレータの他方との間の隙間の少なくとも一方に配置されている請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記ガスシール部がフェノール樹脂である請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池。
- 固体高分子電解質膜および前記固体高分子電解質膜を挟む一対の電極を有する電極電解質接合体と、前記電極電解質接合体を挟む一対のセパレータとを具備した単電池を複数個積層した積層電池を備え、
前記電極の一方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し排出する燃料ガス流路が設けられ、
前記電極の他方の側のセパレータの一方の面に、前記電極の他方に酸化剤ガスを供給し排出する酸化剤ガス流路が設けられており、
前記積層電池は、積層方向に貫通し、前記燃料ガス流路と連通する一対の燃料ガスマニホルドと、積層方向に貫通し、前記酸化剤ガス流路と連通する一対の酸化剤ガスマニホルドとを有する固体高分子型燃料電池の製造法であって、
前記燃料ガスマニホルド内面の前記燃料ガス流路側の部分、および、前記酸化剤ガスマニホルド内面の前記酸化剤ガス流路側の部分の少なくともいずれかに、固化してガスシール部を形成する非導電性材料の液状前駆体を塗布する塗布工程を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造法。 - 前記塗布工程が、前記液状前駆体の一部を、前記電極電解質接合体と前記セパレータの一方との間の隙間、および、前記電極電解質接合体と前記セパレータの他方との間の隙間の少なくとも一方にしみこませる工程である請求項4に記載の固体高分子型燃料電池の製造法。
- 前記塗布工程の後に、前記液状前駆体を乾燥固化させて、気密性かつ非導電性のガスシール部を形成する乾燥工程を含む請求項4または5に記載の固体高分子型燃料電池の製造法。
- 前記液状前駆体がフェノール樹脂を有機溶媒に溶かした溶液である請求項4、5または6に記載の固体高分子型燃料電池の製造法。
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