以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による一眼レフ電子カメラを側面から見た図である。図1において、電子カメラ51には撮影レンズLが取り付けられている。被写体からの光は撮影レンズLを通過した後、周知のごとくミラー61で反射されてファインダースクリーン83上に結像され、ペンタプリズム85および接眼レンズ87を通して撮影者によって観察される。撮影時には、ミラー61が上方に跳ね上げられ、被写体光は撮像素子121の撮像面に結像する。撮像素子121は、たとえば、CCDイメージセンサによって構成される。
撮像素子121はホルダー81に固定され、その光電変換出力がフレキシブルプリント基板79を介して後述するA/D変換回路へ出力される。ホルダー81はビス82により電子カメラ51に取り付けられる。撮像素子121の前方(撮影レンズL側)にはフォーカルプレーンシャッタ1が配設されている。
ここで、本実施形態の電子カメラ51のシャッタはいわゆる電子シャッタと呼ばれるもので、被写体光が撮像素子121の撮像面に入射されている状態における撮像素子121の電荷蓄積時間がシャッタ秒時に相当する。そして、フォーカルプレーンシャッタ1は、この電荷蓄積時間を規定するためではなく、電荷蓄積後に撮像素子121へ入射される被写体光を遮光するために設けられる。
したがって、遮光のためにシャッタ羽根群が1組あれば十分であり、いわゆる先幕群、後幕群という2組のシャッタ羽根群を設けてこれらを精度よく動作制御する必要はない。羽根群を1組だけにすることで、2組の羽根群を有するフォーカルプレーンシャッタと比べてシャッタユニットの厚さを薄くし、省スペース化に役立つ。
図2および図3は、フォーカルプレーンシャッタ1の構成と作動状態を説明する図である。図2は、1組の羽根群3が撮影用開口であるアパーチャ2aを閉鎖した状態を示すフォーカルプレーンシャッタ1の正面図である。図3は、図2における羽根群3がアパーチャ2aを開放した状態を示す図である。図2、図3において、フォーカルプレーンシャッタ1は電子カメラ51に組み込まれるシャッタ地板2を有する。シャッタ地板2には矩形のアパーチャ2aが設けられるとともに、アパーチャ2aを開閉する羽根群3が羽根アーム5を介して取り付けられている。羽根アーム5は、支軸6を中心に回動するように構成されている。
シャッタ地板2にはさらに、支持軸7を中心に回動する羽根用駆動レバー(駆動部材)8が設けられている。駆動レバー8の先端側は、作動ピン9を介して羽根アーム5に連結されている。また、駆動レバー8には支軸7と回動中心を同じにするギヤ10が一体に固着される。このギヤ10には、電磁アクチュエータとしてのメインモータ12のピニオン軸11に結合されたピニオンギヤ(不図示)が噛み合い、メインモータ12の回転駆動力を伝達するように構成されている。
メインモータ12が羽根群3を閉鎖する方向に回転すると、駆動レバー8が図2(図3)における反時計回りに回動してシャッタ地板2の閉鎖位置規制突起2bに当接し、その回動が規制される。一方、メインモータ12が羽根群3を開放する方向に回転すると、駆動レバー8が図3(図2)における時計回りに回動してシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接し、その回動が規制される。
ここで、メインモータ12は、駆動レバー8を図2および図3示すそれぞれの位置で静的に安定して保持するように構成されている。つまり、駆動レバー8を図2で示す閉鎖位置にするようにメインモータ12を停止することで、羽根群3は、閉鎖状態でその位置を安定的に保持することができる。また、駆動レバー8を図3で示す開放位置にするようにメインモータ12を停止することで、羽根群3は、開放状態でその位置を安定的に保持することができる。
駆動レバー8を反時計回りに回動させるためのメインモータ12に対する通電を逆通電と呼び、駆動レバー8を時計回りに回動させるためのメインモータ12に対する通電を正通電と呼ぶことにする。メインモータ12に逆通電を行うと、駆動レバー8の回動に伴って羽根アーム5が支軸6を中心に反時計回りに回動するので、羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖する。
メインモータ12に正通電を行うと、駆動レバー8の回動に伴って支軸6を中心に羽根アーム5が時計回りに回動するので、羽根群3がアパーチャ2aを開放する。このように、フォーカルプレーンシャッタ1はメインモータ12によって羽根群3を開閉駆動するので、シャッタ1に対する機械的なチャージ機構が不要である。
駆動レバー8を図2および図3示すそれぞれの位置でさらに確実に保持するため、係止レバー(係止部材)14がシャッタ地板2に設けられている。係止レバー14は、電磁アクチュエータとしてのサブモータ15のピニオン軸16と一体的に回動するように構成され、支持軸13を中心に係止位置(図2、図3において実線で示す)と係止解除位置(図2、図3において2点鎖線で示す)との間を回動する。
サブモータ15が係止位置方向に回転すると、係止レバー14が図2、図3におけるシャッタ地板2の係止位置規制突起2dに当接し、その係止位置方向への回動が規制される。このとき、係止レバー14が駆動レバー8を羽根群3の閉鎖状態に対応する位置(図2)、もしくは羽根群3の開放状態に対応する位置(図3)でそれぞれ係止する。
係止レバー14の突起上端部14aは、羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖した状態で駆動レバー8が羽根群3を開放する方向へ移動しないように規制する。また、係止レバー14の突起下端部14bは、羽根群3がアパーチャ2aを開放した状態で駆動レバー8が羽根群3を閉鎖する方向へ移動しないように規制する。したがって、駆動レバー8が図2および図3示すそれぞれの位置に保持された状態で電子カメラ51が衝撃を受けたとしても、係止レバー14が確実に駆動レバー8を保持するので、羽根群3が衝撃によって動き出すことが防止されている。
一方、サブモータ15が係止解除位置方向に回転すると、係止レバー14が図2、図3におけるシャッタ地板2の係止解除位置規制突起2eに当接し、その係止解除位置方向への回動が規制される。このとき、係止レバー14が駆動レバー8の係止を解除する。
図4は、電子カメラ51の構成を説明するブロック図である。図4において、演算回路(制御回路)101は、マイクロコンピュータなどによって構成される。演算回路101は、メモリ101m、およびタイマ回路101tなどのCPU周辺回路を含む。演算回路101は、後述する各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づいて制御信号を各ブロックへ出力する。メモリ101mは、不揮発性メモリによって構成され、後述する各種フラグを記憶する。
設定操作部材102は、たとえば、ボタンおよびコマンドダイヤルによって構成される。設定操作部材102は、設定操作に応じて操作信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、操作信号に応じてシャッタ速度などのシャッタ秒時の設定や絞り値の設定などを行う。
表示装置103は、演算回路101の指示によりシャッタ速度(シャッタ秒時)、絞り値を示す表示を行う。測光装置104は、撮影レンズLを通過した光量を検出する。なお、撮影レンズLは開放絞り値がF2.8であり、F2.8〜F22の範囲で制御可能とする。
電池電圧検出回路105は、演算回路101および電子カメラ51の各ブロックへ給電する電池106の電圧を検出し、検出信号を演算回路101へ出力する。演算回路101は、電池電圧検出回路105からの検出信号により、電子カメラ51の各ブロックにおける信号受信や信号送信動作に不都合が生じるような電池106の電圧低下を検出する。
レリーズスイッチSW1は、不図示のレリーズボタンの押し下げに連動してオンし、押し下げの解除によりオフするスイッチである。レリーズスイッチSW1から発生される操作信号は、撮影開始の指示のトリガとなる。
予備電池107は、各ブロックの動作に不都合が生じるような電圧低下が電池106に生じた場合、または電池106の電圧が0Vになった場合に、演算回路101および各ブロックへ給電を行うように構成されている。なお、通常時は、電池106が給電を行う。
シャッタ駆動回路108は、フォーカルプレーンシャッタ1を駆動するメインモータ12に対する正通電または逆通電を行い、羽根群3を開閉させる。シャッタスイッチSW2、SW3は、それぞれ羽根群3の閉鎖、開放を検知するためのスイッチである。シャッタスイッチSW2は、羽根群3がアパーチャ2aを完全に閉鎖(正確には完全に閉鎖した後でさらに羽根群3が閉鎖方向に若干移動)したとき、オンからオフに変化するスイッチである。一方、シャッタスイッチSW3は、羽根群3がアパーチャ2aを完全に開放(正確には完全に開放した後でさらに羽根群3が開放方向に若干移動)したとき、オンからオフに変化するスイッチである。シャッタスイッチSW2、SW3は、それぞれ駆動レバー8(図2、図3)の回動位置に応じてオンまたはオフする。なお、フォーカルプレーンシャッタ1の開放および閉鎖に要する時間(すなわち、羽根群3の走行時間)は、それぞれ約11msec程度である。
シャッタスイッチSW2、SW3は直列に接続され、シャッタスイッチSW2、SW3のそれぞれで発生した信号が合成して演算回路101の1つの入力ポートに入力される。これにより、シャッタスイッチSW2、SW3の双方がオン(直列接続出力オン)されるとき、Lレベルの入力信号が演算回路101に入力され、シャッタスイッチSW2、SW3少なくとも一方がオフ(直列接続出力オフ)されるとき、Hレベルの入力信号が演算回路101に入力される。なお、演算回路101の入力ポートは、無入力時(直列接続出力オフ時)にHレベルとみなすように内部でプルアップされている。
モータ駆動回路110は、演算回路101の指令によってシーケンスモータ111の回転を制御する。シーケンスモータ111は撮像シーケンス駆動機構を構成する。撮像シーケンス駆動機構は、シーケンスモータ111を駆動制御することにより、ミラー61のアップ/ダウン、不図示の絞りの駆動、およびフォーカルプレーンシャッタ1の駆動など、撮影時のシーケンス制御を行うものである。
シーケンススイッチSW4、SW5は、撮像シーケンス駆動機構に含まれ、シーケンス制御タイミングを発生するスイッチである。シーケンススイッチSW4は、ミラーダウン中にオンし、ミラーアップ動作開始直後にオフし、ミラーアップ終了時点から再びオンするように構成されている。シーケンススイッチSW5は、ミラーダウンの途中でオフからオンに変化し、ミラーアップ終了時点から約11msec前にオンからオフに変化するように構成され、メインモータ12の作動開始タイミングを生成する。時間11msecは、上述したフォーカルプレーンシャッタ1の開放および閉鎖のそれぞれに要する時間に対応する。
絞り位置検出装置112は、前述のシーケンス駆動機構により絞りが絞り込まれるときの絞り位置を検出し、検出信号を演算回路101に出力する。絞り係止装置113は、駆動中の絞りを係止し、所定の絞り値で絞りを停止させる。絞り係止装置113による絞りの係止は、ミラーダウン途中に解除するようにシーケンス駆動機構が構成されている。
撮像素子121は、撮影レンズLを通過した被写体像を撮像し、蓄積電荷による画像信号を出力する。ここで、撮像素子121は撮像感度(露光感度)がISO100相当に設定されている。また、撮像素子121は前述のように電子シャッタ機能を有し、1秒〜1/16000秒の範囲において所定ステップで設定可能に構成されている。A/D変換回路122は、撮像素子121から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。ASICなどで構成される画像処理回路123は、デジタル信号に対してホワイトバランス(WB)調整などの画像処理、画像処理後の画像データを所定の形式で圧縮する圧縮処理、圧縮されたデータを伸長する伸長処理などを行う。
タイミング回路124は、撮像素子121およびA/D変換回路122の動作に必要なタイミング信号を発生し、撮像素子121およびA/D変換回路122へそれぞれ出力する。バッファメモリ125は、画像処理、圧縮処理および伸長処理など各種の処理を施す画像データを一時的に格納するメモリである。記録媒体126はメモリカードなどの記録媒体であり、電子カメラ51に対して着脱可能に構成されている。記録媒体126には、圧縮処理後の画像データが記録される。
本発明は、撮像シーケンス駆動機構で行われるシーケンス制御に特徴を有する。図5〜図9は、撮像シーケンス駆動機構および撮像素子121の動作タイミングを説明する図(タイミングチャート)である。図5において、信号「SW1」は、レリーズスイッチから発生される操作信号波形を示す。信号「モータ」は、シーケンスモータに対する通電波形を示す。信号「ミラー」は、ミラー61の駆動機構(不図示)のアップ/ダウン状態を示す。信号「SW4」および「SW5」は、それぞれシーケンススイッチから発生される信号波形を示す。信号「メイン電磁アクチュエータ」は、メインモータ12に対する通電波形を示す。信号「サブ電磁アクチュエータ」は、サブモータ15に対する通電波形を示す。
信号「SW2」および「SW3」は、それぞれシャッタスイッチから発生される信号波形を示す。信号「SW2とSW3の直列接続状態」は、信号「SW2」および「SW3」の直列合成信号波形を示す。波形「シャッタ開口」は、フォーカルプレーンシャッタ1の開閉状態を示す。信号「露光」は、撮像素子121に対する電荷蓄積指示波形を示す。信号「データ読出」は、撮像素子121に対するデータ(蓄積電荷)読出指示波形を示す。信号「不要電荷排出」は、撮像素子121に対する露光前の電荷排出指示波形を示す。
タイミングt0において、レリーズスイッチで操作信号(オフ→オン)が発生されると、ミラー61および絞り(不図示)を駆動するシーケンスモータ111に正通電が開始される。正通電は、ミラーアップおよび絞り込みを行う向きにシーケンスモータ111を駆動する。タイミングt1において、ミラーアップが開始するとシーケンススイッチSW4がオフになる。ミラーアップおよび絞り込み途中のタイミングt1Aにおいて、シーケンススイッチSW5がオフすると、メインモータ(アクチュエータ)12に逆通電が開始され、メインモータ12が逆回転する。メインモータ12の逆回転は、羽根群3を閉鎖駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の閉鎖位置規制突起2bに確実に当接する(図2)。
タイミングt1Aから待ち時間Ts1(たとえば、2msec)が経過したタイミングt1Bにおいて、サブモータ(アクチュエータ)15に正通電が開始され、サブモータ15が正回転する。サブモータ15の正回転は、係止レバー14を係止解除位置へ駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の閉鎖位置規制突起2bに当接した状態(図2)で、係止レバー14が係止解除位置へ移動を始める。
タイミングt1Bから通電時間Ts2(たとえば、8msec)が経過したタイミングt2において、サブモータ15への正通電を停止するとともに、メインモータ12に正通電が開始される。これにより、駆動レバー8の係止が解除された状態でメインモータ12が正回転する。メインモータ12の正回転は、羽根群3を開放する向きである。メインモータ12に対する逆通電時間Tg1は、待ち時間Ts1および通電時間Ts2の和である。
ここで、メインモータ12の正回転開始から羽根群3がアパーチャ2aの開放を開始する(タイミングt4)までの遅延時間Td1は、たとえば、9msecである。シャッタスイッチSW2は、遅延時間Td1の略中間のタイミングt3において、オフからオンに変化するように構成される。したがって、信号「SW2とSW3の直列接続状態」は、羽根群3がアパーチャ2aの開放を開始する前に必ずオンとなるので、このタイミングt3が不要電荷排出終了のタイミングとして用いられる。
タイミングt5において、ミラーアップが終了するとシーケンススイッチSW4がオンされ、このタイミングでシーケンスモータ111への通電が停止される。
シャッタスイッチSW3は、羽根群3がアパーチャ2aを開放(タイミングt6)後に羽根群3がさらに開放方向に若干移動したタイミングt7において、オンからオフに変化するように構成される。タイミングt7から所定時間Th1(たとえば、8msec)経過後のタイミングt9において、メインモータ12に対する通電が正通電から逆通電に切り換えられる。タイミングt7よりさらに所定時間Th1だけ正通電を継続することで、羽根群3の全開時に生じるバウンド等の影響が抑えられる上に、次に羽根群3を閉鎖駆動する場合の動作時間(とくに、後述する遅延時間Td2)が安定する。なお、時間Th1を保持時間と呼ぶ。
逆通電への切り換え(タイミングt9)、すなわち、メインモータ12の逆回転開始から羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖し始める(タイミングt13)までの遅延時間Td2は、たとえば、9msecである。この遅延時間Td2は、メインモータ12による回転駆動力が遅延して羽根群3へ伝達されるために生じる。なお、メインモータ12の逆回転は、羽根群3を閉鎖する向きである。
シャッタスイッチSW3は、羽根群3が閉鎖方向へ移動を開始するタイミングt12の時点でオフからオンへ変化する。上記タイミングt13は、羽根群3が閉鎖方向へ若干移動し、実際にアパーチャ2aを閉じ始める時点に対応する。
タイミングt13から所定時間Tm3(たとえば、1msec)経過後のタイミングt14において、シーケンスモータ111に逆通電が開始される。逆通電は、ミラーダウンおよび絞りを開放する向きにシーケンスモータ111を駆動する。タイミングt15において、ミラーダウンが開始するとシーケンススイッチSW4がオフになる。
シャッタスイッチSW2は、羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖(タイミングt16)後に羽根群3がさらに閉鎖方向に若干移動したタイミングt17において、オンからオフに変化するように構成される。タイミングt17から待ち時間Ts3(たとえば、10msec)が経過したタイミングt17Aにおいて、サブモータ15に逆通電が開始され、サブモータ15が逆回転する。サブモータ15の逆回転は、係止レバー14を係止位置へ駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の閉鎖位置規制突起2bに当接した状態(図2)で、係止レバー14が係止位置へ移動を始める。
タイミングt17Aから通電時間Ts4(たとえば、8msec)が経過したタイミングt19において、サブモータ15への逆通電を停止するとともに、メインモータ12への逆通電が停止される。
メインモータ12に対する逆通電が停止されるのは、タイミングt17から保持時間Th2(Ts3+Ts4=18msec)経過後である。タイミングt17よりさらに20msec程度逆通電を継続することで、羽根群3の停止時に生じるバウンド等の影響が抑えられる上に、次コマの撮影時に羽根群3を開放駆動する場合の動作時間(とくに、上述した遅延時間Td1)が安定する。
ミラーダウンおよび絞りの開放復帰が終了すると、シーケンススイッチSW4がオフからオンに変化し(タイミングt20)、シーケンスモータ111への逆通電が停止される。
撮像素子121の電荷蓄積(露光)は、上記タイミングt7から露光前マージン時間Tm1(たとえば、1msec)が経過したタイミングt8以降に開始され、上記タイミングt13より露光後マージン時間Tm2(たとえば、1msec)前のタイミングt11において終了するように行われる。したがって、上記タイミングt8から実際に露光が開始されるタイミングt10までの時間tは、設定されている露光時間(シャッター秒時)Texpに応じて調節される。
図5のタイミングチャートは、露光時間Texp<(Td2−Tm2)が成立する場合の例である。露光時間が長く設定され、(Td2−Tm2)≦Texp<(Th1+Td2−Tm1−Tm2)が成立する場合は、図5に代えて図6のタイミングチャートで表される。図6において、タイミングt9以前のタイミングt10より露光が開始される。なお、露光終了タイミングt11は、図5と同様である。
露光時間Texpがさらに長く設定され、(Th1+Td2−Tm1−Tm2)≦Texp<Tlgが成立する場合は、図6に代えて図7のタイミングチャートで表される。ここで、Tlgは0.5sec〜2secの間の任意の値であり、たとえば、1secとする。図7において、メインモータ12に対する通電を正通電から逆通電に切り換えるタイミングが、タイミングt7より時間τが経過したタイミングt9Aに変更される。すなわち、シャッタ1の羽根群3が全開したタイミングt7より時間τだけ正通電が継続される。ただし、タイミングt7から保持時間Th1が経過すると、メインモータ12への供給電力をそれまでの約1/3に低減させる(タイミングt9)。電力低減は、供給電流の低減および印加電圧の低減のいずれでもよい。なお、時間τは設定されている露光時間(シャッター秒時)に応じて決定されるが、その詳細については後述する。露光はタイミングt8から開始され、タイミングt11で終了される。
露光時間Texpが1sec以上に設定され、Texp≧Tlgが成立する場合は、図7に代えて図8のタイミングチャートで表される。図8において、露光中に駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接した状態(図3)で係止レバー14によって駆動レバー8を係止し、メインモータへの正通電を一旦停止する点が図5〜図7と異なる。
シャッタ1の羽根群3が全開したタイミングt7より待ち時間Tb2(たとえば、10msec)が経過したタイミングt7Aにおいて、サブモータ15に逆通電が開始され、サブモータ15が逆回転する。サブモータ15の逆回転は、係止レバー14を係止位置へ駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接した状態(図3)で係止レバー14が係止位置へ移動を始める。
タイミングt7Aから通電時間Tb3(たとえば、10msec)が経過したタイミングt7Bにおいて、サブモータ15への逆通電を停止するとともに、メインモータ12の正通電が停止される。これにより、羽根群3が全開した状態で駆動レバー8が係止され、メインモータ12が停止する。シャッタ1の羽根群3が全開したタイミングt7より時間Tb1(待ち時間Tb2および通電時間Tb3の和)だけ正通電が継続されたことになる。
タイミングt7Bから時間tLが経過後のタイミングt7Cにおいて、メインモータ12に正通電が開始され、メインモータ12が正回転する。メインモータ12の正回転は、羽根群3を開放駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに確実に当接する(図3)。なお、時間tLは設定されている露光時間(シャッター秒時)に応じて決定されるが、その詳細については後述する。
タイミングt7cから待ち時間Ts1(たとえば、2msec)が経過したタイミングt7Dにおいて、サブモータ15に正通電が開始され、サブモータ15が正回転する。サブモータ15の正回転は、係止レバー14を係止解除位置へ駆動する向きである。したがって、駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接した状態(図3)で係止レバー14が係止解除位置へ移動を始める。
タイミングt7Dから通電時間Ts2(たとえば、8msec)が経過したタイミングt9Bにおいて、サブモータ15への正通電を停止するとともに、メインモータ12に逆通電が開始される。これにより、駆動レバー8の係止が解除された状態でメインモータ12が逆回転する。メインモータ12の逆回転は、羽根群3を閉鎖する向きである。メインモータ12に対する正通電時間Tg2は、待ち時間Ts1および通電時間Ts2の和である。
シャッタ秒時の設定が「バルブ」もしくは「タイム」の場合には、図8に代えて図9のタイミングチャートで表される。「バルブ」は、レリーズ操作信号がオン後、レリーズ操作信号がオフに変化するタイミングをトリガに露光を終了させるモードである。「タイム」は、レリーズ操作信号がオン後にオフし、次に再びオンに変化するタイミングをトリガに露光を終了させるモードである。
図9において、「バルブ」撮影モードでは、レリーズボタンの押下解除に伴ってレリーズスイッチからの操作信号がオン→オフに変化するタイミングをt7Cとする点が図8と異なる。露光中に駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接した状態(図3)で係止レバー14によって駆動レバー8を係止し、メインモータへの正通電を一旦停止する点は図8と同様である。
「タイム」撮影モードでは、レリーズボタンの押下解除後に再びレリーズボタンが押下され、レリーズスイッチからの操作信号が再びオフ→オンに変化するタイミングをt7Cとすればよい。
以上説明した図5〜図9のそれぞれにおいて、上記タイミングt17より読出し前マージン時間Tm4(たとえば、1msec)が経過したタイミングt18から電荷読出し時間Trの間、撮像素子121から蓄積電荷の読出しが行われる。読出し時間Trが経過後は、次コマのレリーズ受付が許可される。
電子カメラ51の演算回路101で行われるカメラ動作処理の流れについて、図10〜図12のフローチャートを参照して説明する。図10のフローチャートによるプログラムは、電子カメラ51に予備電池107が装填されるとスタートする。
図10のステップS1において、演算回路101は、フラグFおよびフラグBをそれぞれ0にセットしてステップS2へ進む。フラグFはエラーフラグであり、電子カメラ51が作動中に電池106の電圧が低下すると1にされ、撮像シーケンスの復帰動作が行われると0にされる。フラグBはバルブフラグであり、シャッタ秒時の設定が「バルブ」で1にされ、「バルブ」以外の設定時に0にされる。
ステップS2において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106が電子カメラ51に装填されているか否かを判定する。演算回路101は、電池106が装填されて電子カメラ51が作動可能と判断するとステップS2を肯定判定してステップS3へ進む。一方演算回路101は、電池106が装填されていない、または検出された電池電圧では電子カメラ51が作動可能でないと判断するとステップS2を否定判定し、当該判定処理を繰り返す。
ステップS3において、演算回路101は、フラグF=1か否かを判定する。演算回路101は、F=1の場合にステップS3を肯定判定して図11のステップS21へ進み、F=0の場合にステップS3を否定判定し、ステップS4へ進む。ステップS21へ進む場合は、後述する撮像シーケンス中に電池電圧の低下を判定した場合であり、ステップS21へ進むことによって撮像シーケンスの復帰動作を行う。ステップS4へ進む場合は、撮像シーケンスの復帰動作を不要と判断する場合である。
ステップS4において、演算回路101は、設定操作部材102からの設定操作信号に応じてシャッタ秒時および絞り値などを設定し、ステップS5へ進む。ステップS5において、演算回路101は、表示装置103に絞り値およびシャッタ秒時の設定内容を示す表示を行わせてステップS6へ進む。
ステップS6において、演算回路101は、シャッタ秒時の設定が「バルブ」か否かを判定する。演算回路101は、ステップS4において「バルブ」が設定されている場合にステップS6を肯定判定してステップS9へ進み、「バルブ」が設定されていない場合にはステップS6を否定判定し、ステップS7へ進む。
ステップS7において、演算回路101は、露光時間Texp=2−TVsを算出してステップS8へ進む。TVsは、設定されているシャッタ速度に対応するアペックス値である。
ステップS8において、演算回路101は、フラグBを0にセットしてステップS10へ進む。ステップS9において、演算回路101は、フラグBを1にセットしてステップS10へ進む。
ステップS10において、演算回路101は、制御絞りパルス数Pcを絞り込み段数(AVs−3)の関数fとして算出する。すなわち、Pc=f(AVs−3)とする。ここで、絞りの絞込み段数と絞り位置検出装置112が検出する検出絞りパルス数とは、基本的に比例関係にある。しかしながら、絞り開放付近で出力される検出絞りパルス数が多くなることを考慮し、制御絞りパルス数Pcを絞込み段数(AVs−3)の関数としている。なお、AVsは設定絞り値に対応するアペックス値である。「−3」は、前述のように撮影レンズLの開放絞り値がF2.8であり、F2.8に対応するアペックス値が3であることによる。
ステップS11において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS11を肯定判定してステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS11を否定判定し、ステップS12へ進む。
ステップS12において、演算回路101は、レリーズスイッチSW1がオンされたか否かを判定する。演算回路101は、レリーズスイッチSW1から操作信号が入力されるとステップS12を肯定判定してステップS13へ進む。演算回路101は、レリーズスイッチSW1から操作信号が入力されない場合にはステップS12を否定判定し、ステップS4へ戻る。
ステップS13において、演算回路101は、撮像シーケンス処理を行ってステップS4へ戻る。撮像シーケンス処理の詳細については後述する。これにより一連の撮影処理が終了する。
図11のステップS21以降は撮像シーケンス復帰処理である。上述したステップS3を肯定判定して進むステップS21において、演算回路101は、タイマ回路101tの計時時間TMを0にセットしてステップS22へ進む。なお、この計時時間TMは、撮像素子121の電荷蓄積時間、すなわち電子シャッタ用の時間計時の他、各種の時間制御に利用される。
ステップS22において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を開始してステップS23へ進む。ステップS23において、演算回路101は、係止解除駆動を開始させてステップS24へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、サブモータ15を正回転させる。
ステップS24において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS24を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS24を否定判定し、ステップS25へ進む。
ステップS25において、演算回路101は、ステップS22において計時開始した計時時間TMについて、TM≧2×Ts2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧2×Ts2が成立する場合にステップS25を肯定判定してステップS26へ進み、TM≧2×Ts2が成立しない場合にはステップS25を否定判定し、ステップS24へ戻る。ステップS26へ進む場合は、係止レバー14を係止解除位置へ確実に移動した(駆動レバー8に対する係止を解除した)とみなす。
ステップS26において、演算回路101は、係止解除駆動を停止させてステップS27へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、サブモータ15を停止させる。ステップS27において、演算回路101は、計時時間TMを0にリセットしてステップS28へ進む。
ステップS28において、演算回路101は、羽根群3を閉鎖方向に駆動開始させてステップS29へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、メインモータ12を逆回転させる。
ステップS29において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS29を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS29を否定判定し、ステップS30へ進む。
ステップS30において、演算回路101は、ステップS27にて一旦リセットした計時時間TMについて、TM≧2×Td2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧2×Td2が成立する場合にステップS30を肯定判定してステップS31へ進み、TM≧2×Td2が成立しない場合にはステップS30を否定判定し、ステップS29へ戻る。ステップS31へ進む場合は、羽根群3がアパーチャ2aを閉じ始めているとみなす。
ステップS31において、演算回路101は、シャッタスイッチSW2およびSW3の直列接続出力がオフか否かを判定する。演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がHレベルの場合、ステップS31を肯定判定して図12のステップS41へ進む。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを完全に閉鎖していると判断する。一方、演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がLレベルの場合、ステップS31を否定判定してステップS32へ進む。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖する途中と判断する。
ステップS32において、演算回路101は、ステップS27にてリセット後の計時時間TMについて、TM≧5×Td2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧5×Td2が成立する場合にステップS32を肯定判定してステップS33へ進み、TM≧5×Td2が成立しない場合にはステップS32を否定判定し、ステップS34へ進む。ステップS33へ進む場合は、閉鎖に十分な時間が経過しても羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖しない状態である。
ステップS33において、演算回路101は、計時時間TMの計時を停止して図10のステップS2へ戻る。これにより、再度復帰動作を行う。
ステップS34において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS34を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS34を否定判定し、ステップS31へ戻る。
上述したステップS31を肯定判定して進む図12のステップS41において、演算回路101は、計時時間TMを0にリセットしてステップS42へ進む。ステップS42において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS42を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS42を否定判定し、ステップS43へ進む。
ステップS43において、演算回路101は、ステップS41において一旦リセットした計時時間TMについて、TM≧Ts3が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Ts3が成立する場合にステップS43を肯定判定してステップS44へ進み、TM≧Ts3が成立しない場合にはステップS43を否定判定し、ステップS42へ戻る。ステップS44へ進む場合は、係止レバー14を係止位置へ駆動するタイミングとみなす。
ステップS44において、演算回路101は、係止駆動を開始させてステップS45へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、サブモータ15を逆回転させる。
ステップS45において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS45を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS45を否定判定し、ステップS46へ進む。
ステップS46において、演算回路101は、ステップS41にてリセットした計時時間TMについて、TM≧Th2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Th2が成立する場合にステップS46を肯定判定してステップS47へ進み、TM≧Th2が成立しない場合にはステップS46を否定判定し、ステップS45へ戻る。ステップS47へ進む場合は、シャッタスイッチSW2およびSW3の直列接続出力がオフした以降に保持時間Th2が経過したとみなす。
ステップS47において、演算回路101は、係止駆動を停止させるとともに、羽根群3の閉鎖駆動を停止させてステップS48へ進む。閉鎖駆動の停止は、シャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の逆回転停止を指示することによって行う。
ステップS48において、演算回路101は、計時時間TMの計時を停止してステップS49へ進む。以上ステップS48までの処理により、羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖する。
ステップS49において、演算回路101は、シーケンススイッチSW4がオンか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW4からの信号がLレベルの場合にステップS49を肯定判定してステップS50へ進み、シーケンススイッチSW4からの信号がHレベルの場合にはステップS49を否定判定してステップS51へ進む。ステップS50において、演算回路101は、シーケンススイッチSW5がオンか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW5からの信号がLレベルの場合にステップS50を肯定判定してステップS55へ進み、シーケンススイッチSW5からの信号がHレベルの場合にはステップS50を否定判定してステップS51へ進む。スイッチSW4およびSW5がともにオンの場合は、ミラーダウン状態とみなしてステップS55へ進む。スイッチSW4およびSW5の少なくとも一方がオフの場合には、ミラーダウンを行うためにステップS51へ進む。
ステップS51において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111の逆転を開始させてステップS52へ進む。ステップS52において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS52を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS52を否定判定し、ステップS53へ進む。
ステップS53において、演算回路101は、シーケンススイッチSW4がオンか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW4からの信号がLレベルの場合にステップS53を肯定判定してステップS54へ進み、シーケンススイッチSW4からの信号がHレベルの場合にはステップS53を否定判定してステップS52へ戻る。ステップS54へ進む場合は、ミラーダウンが終了したとみなす。
ステップS54において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111の逆転を停止させてステップS55へ進む。以上により、ミラーダウンおよび絞りの開放位置への復帰動作が終了する。なお、シーケンスモータ111の停止の際には逆通電ブレーキやショートブレーキなどのブレーキ処理を行うことにより、シーケンスモータ111の停止は瞬時に行われる。したがって、オーバーランは無視できる程度である。ステップS55において、演算回路101はフラグFを0にセットして図10のステップS2へ戻る。
撮像シーケンス処理の流れについて、図13〜図22のフローチャートを参照して説明する。図13のステップS101において、演算回路101は、以下の初期設定を行う。すなわち、フラグA,フラグM1,フラグM2,フラグS,フラグEをそれぞれ0にセットする。フラグAは、制御すべき設定絞り値AVsに絞り係止を行うと1にされるフラグである。フラグM1は、シャッタ1の羽根群3の閉鎖(閉方向)駆動を開始すると1にされるフラグである。フラグM2は、シャッタ1の羽根群3の開放(開方向)駆動を開始すると1にされるフラグである。フラグSは、係止レバー14の係止解除位置への駆動を開始すると1にされるフラグである。フラグEは、撮像素子121の不要電荷排出が終了すると1にされるフラグである。
ステップS102において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111に正転を開始させてステップS103へ進む。これにより、ミラーアップおよび絞りの絞り込みが開始される。ステップS103において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS103を肯定判定し、ステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS103を否定判定し、ステップS104へ進む。
ステップS121において、演算回路101は、フラグFを1にセットして図10のステップS2へ戻る。
ステップS104において、演算回路101は、シーケンススイッチSW4がオフか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW4からの信号がHレベルの場合にステップS104を肯定判定してステップS105へ進み、シーケンススイッチSW4からの信号がLレベルの場合にはステップS104を否定判定し、ステップS103へ戻る。なお、ステップS105へ進む時点では、ミラーアップが開始されているが、絞り係止や羽根群3の駆動タイミングには至っていない。
ステップS105において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121のデータ転送部における不要電荷の排出を開始させてステップS106へ進む。
ステップS106において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS106を肯定判定してステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS106を否定判定し、ステップS107へ進む。
ステップS107において、演算回路101は、フラグA=1か否かを判定する。演算回路101は、A=1(絞り係止が終了)の場合にステップS107を肯定判定してステップS112へ進み、A=0(絞り係止が未終了)の場合にはステップS107を否定判定し、ステップS108へ進む。
ステップS108において、演算回路101は、絞り位置検出装置112から入力される検出信号(絞りパルス)をカウントし、カウント値を絞りパルス数PkとしてステップS109へ進む。ステップS109において、演算回路101は、絞りパルス数Pkと制御絞りパルス数Pcとの間にPk≧Pcが成立するか否かを判定する。演算回路101は、Pk≧Pcが成立する場合にステップS109を肯定判定してステップS110へ進み、Pk≧Pcが成立しない場合にはステップS109を否定判定し、ステップS112へ進む。
ステップS110において、演算回路101は、絞り係止装置113に指令を出力して絞りを係止させ、ステップS111へ進む。これにより、絞りの絞込みが停止する。ステップS111において、演算回路101は、フラグAを1にセットしてステップS112へ進む。
ステップS112において、演算回路101は、フラグM1=1か否かを判定する。演算回路101は、M1=1(閉鎖駆動が開始)の場合にステップS112を肯定判定して図14のステップS131へ進み、M1=0(閉鎖駆動が開始されていない)の場合にはステップS112を否定判定し、ステップS113へ進む。
ステップS113において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS113を肯定判定してステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS113を否定判定し、ステップS114へ進む。
ステップS114において、演算回路101は、シーケンススイッチSW5がオフか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW5からの信号がHレベルの場合にステップS114を肯定判定してステップS115へ進み、シーケンススイッチSW5からの信号がLレベルの場合にはステップS114を否定判定してステップS106へ戻る。ステップS115へ進む場合は、シャッタ1のメインモータ12を逆回転させるタイミングとみなし、ステップS106へ戻る場合は、メインモータ12を逆回転させるタイミングではないとみなす。
ステップS115において、演算回路101は、計時時間TMを0にセットしてステップS116へ進む。ステップS116において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を開始してステップS117へ進む。
ステップS117において、演算回路101は、シャッタ1の羽根群3に対する閉鎖駆動を開始させてステップS118へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を出力し、メインモータ12の逆回転を開始させる。ステップS118において、演算回路101は、フラグM1を1にセットしてステップS119へ進む。
ステップS119において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS119を肯定判定してステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS119を否定判定し、図14のステップS131へ進む。
図14のステップS131において、演算回路101は、フラグS=0か否かを判定する。演算回路101は、S=0の場合にステップS131を肯定判定してステップS132へ進み、S=1の場合にステップS131を否定判定してステップS135へ進む。ステップS132へ進む場合は、係止レバー14に対する係止解除駆動を開始していないとみなす。ステップS135へ進む場合は、係止レバー14に対する係止解除駆動が開始されているとみなす。
ステップS132において、演算回路101は、ステップS116にて計時開始した計時時間TMについて、TM≧Ts1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Ts1が成立する場合にステップS132を肯定判定してステップS133へ進み、TM≧Ts1が成立しない場合にはステップS132を否定判定し、図13のステップS106へ戻る。ステップS133へ進む場合は、待ち時間Ts1が経過したとみなす。
ステップS133において、演算回路101は、係止解除駆動を開始させてステップS134へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を出力し、サブモータ15の正回転を開始させる。ステップS134において、演算回路101は、フラグSを1にセットしてステップS135へ進む。
ステップS135において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS135を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS135を否定判定し、ステップS136へ進む。
ステップS136において、フラグM2=1か否かを判定する。演算回路101は、M2=1の場合にステップS136を肯定判定してステップS141へ進み、M2=0の場合にはステップS136を否定判定し、ステップS137へ進む。ステップS137へ進む場合は、羽根群3に対する開放駆動を開始していないとみなす。
ステップS137において、演算回路101は、ステップS116にて計時開始した計時時間TMについて、TM≧Tg1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Tg1が成立する場合にステップS137を肯定判定してステップS138へ進み、TM≧Tg1が成立しない場合にはステップS137を否定判定し、図13のステップS106へ戻る。ステップS138へ進む場合は、逆通電時間Tg1が経過したとみなす。
ステップS138において、演算回路101は、係止解除駆動を停止させるとともに、羽根群3の開放駆動を開始させてステップS139へ進む。開放駆動の開始は、シャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の正回転を指示することによって行う。
ステップS139において、演算回路101は、計時時間TMの計時を停止してステップS140へ進む。ステップS140において、演算回路101は、フラグM2を1にセットしてステップS141へ進む。
ステップS141において、演算回路101は、フラグE=1か否かを判定する。演算回路101は、E=1の場合にステップS141を肯定判定して図15のステップS151へ進み、E=0の場合にはステップS141を否定判定してステップS142へ進む。ステップS151へ進む場合は、撮像素子121の不要電荷排出処理が終了したとみなす。ステップS142へ進む場合は、撮像素子121の不要電荷排出処理がまだ終了していないとみなす。
ステップS142において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS142を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS142を否定判定し、ステップS143へ進む。
ステップS143において、演算回路101は、シャッタスイッチSW2およびSW3による直列接続出力がオンか否かを判定する。演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がLレベルの場合、ステップS143を肯定判定してステップS144へ進む。この場合は、上述したタイミングt3〜t4の間に対応し、シャッタ1の羽根群3が開放駆動される直前と判断する。
一方、演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がHレベルの場合、ステップS143を否定判定してステップS146へ進む。この場合は、上述したタイミングt3以前に対応し、シャッタ1の羽根群3がまだ開放駆動されないと判断する。
ステップS144において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121のデータ転送部における不要電荷の排出を終了させてステップS145へ進む。ステップS145において、演算回路101は、フラグEを1にセットして図15のステップS151へ進む。
ステップS146において、演算回路101は、フラグA=1か否かを判定する。演算回路101は、A=1の場合にステップS146を肯定判定してステップS142へ戻り、A=0の場合にはステップS146を否定判定して図13のステップS106へ戻る。ステップS142へ戻る場合は、絞り係止装置113による絞り係止が既に終了しているとみなし、ステップS106へ戻る場合は、絞り係止装置113による絞り係止がまだ終了していないとみなす。
図15のステップS151において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS151を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS151を否定判定し、ステップS152へ進む。
ステップS152において、演算回路101は、フラグA=1か否かを判定する。演算回路101は、A=1の場合にステップS152を肯定判定してステップS153へ進み、A=0の場合にはステップS152を否定判定して図13のステップS106へ戻る。ステップS153へ進む場合は絞り係止装置113による絞り係止が既に終了しているとみなし、ステップS106へ戻る場合は、絞り係止装置113による絞り係止がまだ終了していないとみなす。
ステップS153において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS153を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS153を否定判定し、ステップS154へ進む。
ステップS154において、演算回路101は、シーケンススイッチSW4がオンか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW4からの信号がLレベルの場合にステップS154を肯定判定してステップS155へ進み、シーケンススイッチSW4からの信号がHレベルの場合にはステップS154を否定判定し、ステップS153へ戻る。ステップS155へ進む場合は、ミラーアップ終了状態である。ステップS153へ戻る場合は、ミラーアップ途中である。
ステップS155において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111の正転を停止させる。なお、この停止処理の際には逆通電ブレーキやショートブレーキなどのブレーキ処理を行うことにより、シーケンスモータ111の停止は瞬時に行われる。したがって、オーバーランは無視できる程度である。また、上記ステップS154でミラーアップ終了が判定されるまでに絞り係止装置113による絞りの係止が終了するように、撮像シーケンス駆動機構が構成されている。
ステップS156において、演算回路101は、タイマ回路101tの計時時間TMを0にセットしてステップS157へ進む。
ステップS157において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS157を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS157を否定判定し、ステップS158へ進む。
ステップS158において、演算回路101は、シャッタスイッチSW2およびSW3による直列接続出力がオフか否かを判定する。演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がHレベルの場合、ステップS158を肯定判定してステップS159へ進む。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを全開状態に開放していると判断する。一方、演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がLレベルの場合、ステップS158を否定判定してステップS157へ戻る。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを開放する途中と判断する。
ステップS159において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を開始してステップS160へ進む。
ステップS160において、演算回路101は、フラグB=1か否かを判定する。演算回路101は、B=1の場合にステップS160を肯定判定して図21のステップS291へ進み、B=0の場合にはステップS160を否定判定してステップS161へ進む。ステップS291へ進む場合はシャッタ秒時の設定が「バルブ」の場合であり、図9が対応する。ステップS161へ進む場合は、「バルブ」に設定されていない場合である。
ステップS161において、演算回路101は、露光時間Texp<(Th1+Td2−Tm1−Tm2)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、上式が成立する場合にステップS161を肯定判定してステップS162へ進み、上式が成立しない場合にはステップS161を否定判定して図19のステップS241へ進む。ステップS162へ進む場合は、図5および図6が対応する。ステップS241へ進む場合は、図7および図8が対応する。
ステップS162において、演算回路101は、パラメータt(図5および図6における時間t)に(Th1+Td2−Tm1−Tm2−Texp)を代入して図16のステップS171へ進む。
図16のステップS171において、演算回路101は、露光時間Texp<(Td2−Tm2)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、上式が成立する場合にステップS171を肯定判定してステップS172へ進み、上式が成立しない場合にはステップS171を否定判定してステップS187へ進む。ステップS172へ進む場合は、図5が対応する。ステップS187へ進む場合は、図6が対応する。
ステップS172において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS172を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS172を否定判定し、ステップS173へ進む。
ステップS173において、演算回路101は、ステップS159にて計時開始した計時時間TMについて、TM≧Th1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Th1が成立する場合にステップS173を肯定判定してステップS174へ進み、TM≧Th1が成立しない場合にはステップS173を否定判定し、ステップS172へ戻る。ステップS174へ進む場合は、保持時間Th1が経過したとみなす。
ステップS174において、演算回路101は、シャッタ1の羽根群3にアパーチャ2aを閉鎖させるための閉鎖駆動を開始させる。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を出力し、メインモータ12の逆回転を開始させる。
ステップS175において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS175を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS175を否定判定し、ステップS176へ進む。
ステップS176において、演算回路101は、TM≧(Tm1+t)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+t)が成立する場合にステップS176を肯定判定してステップS177へ進み、TM≧(Tm1+t)が成立しない場合にはステップS176を否定判定し、ステップS175へ戻る。ステップS177へ進む場合は、露光開始タイミング(図5においてt10)とみなす。
ステップS177において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を開始させ、ステップS178へ進む。
ステップS178において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS178を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS178を否定判定し、ステップS179へ進む。
ステップS179において、演算回路101は、TM≧(Tm1+t+Texp)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+t+Texp)が成立する場合にステップS179を肯定判定してステップS180へ進み、TM≧(Tm1+t+Texp)が成立しない場合にはステップS179を否定判定し、ステップS178へ戻る。ステップS180へ進む場合は、露光終了タイミング(図5においてt11)とみなす。
ステップS180において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を終了させ、ステップS181へ進む。
ステップS181において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS181を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS181を否定判定し、ステップS182へ進む。
ステップS182において、演算回路101は、TM≧(Tm1+t+Texp+Tm2+Tm3)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+t+Texp+Tm2+Tm3)が成立する場合にステップS182を肯定判定してステップS183へ進み、TM≧(Tm1+t+Texp+Tm2+Tm3)が成立しない場合にはステップS182を否定判定し、ステップS181へ戻る。ステップS183へ進む場合は、ミラーダウンおよび絞りの開放復帰を開始するタイミング(図5においてt14)とみなす。
ステップS183において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111の逆転を開始させてステップS184へ進む。
ステップS184において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS184を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS184を否定判定し、ステップS185へ進む。
ステップS185において、演算回路101は、シャッタスイッチSW2およびSW3による直列接続出力がオフか否かを判定する。演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がHレベルの場合、ステップS185を肯定判定してステップS186へ進む。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを完全に閉鎖していると判断する。一方、演算回路101は、シャッタスイッチSW2、SW3用の入力ポートへの入力信号がLレベルの場合、ステップS185を否定判定してステップS184へ戻る。この場合は、シャッタ1の羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖する途中と判断する。
ステップS186において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時時間TMを0にセットして図17のステップS201へ進む。これにより、図5のタイミングt17において計時時間TMが0にされる。なお、リセット後も計時が継続される。
上述したステップS171を否定判定して進むステップS187において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS187を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS187を否定判定し、ステップS188へ進む。
ステップS188において、演算回路101は、ステップS159にて開始した計時時間TMについて、TM≧(Tm1+t)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+t)が成立する場合にステップS188を肯定判定してステップS189へ進み、TM≧(Tm1+t)が成立しない場合にはステップS188を否定判定し、ステップS187へ戻る。ステップS189へ進む場合は、露光開始タイミング(図6においてt10)とみなす。
ステップS189において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を開始させ、ステップS190へ進む。
ステップS190において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS190を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS190を否定判定し、ステップS191へ進む。
ステップS191において、演算回路101は、TM≧Th1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Th1が成立する場合にステップS191を肯定判定してステップS192へ進み、TM≧Th1が成立しない場合にはステップS191を否定判定し、ステップS190へ戻る。ステップS192へ進む場合は、保持時間Th1が経過したとみなす。
ステップS192において、演算回路101は、シャッタ1の羽根群3にアパーチャ2aを閉鎖させるための閉鎖駆動を開始させてステップS178へ進む。すなわち、シャッタ駆動回路108に指令を出力し、メインモータ12の逆回転を開始させる。
以上説明したステップS187〜ステップS192の処理では、ステップS172〜ステップS177の処理に比べて、羽根群3の閉鎖駆動を開始させる前に撮像素子121の電荷蓄積を開始させている点が異なる。
図17のステップS201において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS201を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS201を否定判定し、ステップS202へ進む。
ステップS202において、演算回路101は、ステップS186でリセットした計時時間TMと読出し前マージン時間Tm4とを比較する。演算回路101は、TM≧Tm4が成立する場合にステップS202を肯定判定してステップS203へ進み、TM≧Tm4が成立しない場合にはステップS202を否定判定し、ステップS201へ戻る。ステップS203へ進む場合は、羽根群3がアパーチャ2aを完全に閉鎖してから読出し前マージン時間Tm4が経過したとみなす。
ステップS203において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121から画像信号の読出しを開始させてステップS204へ進む。これにより、撮像素子121から蓄積電荷による画像信号が出力され、A/D変換回路122によりアナログ画像信号からデジタル信号に変換される。
ステップS204において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS204を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS204を否定判定し、ステップS205へ進む。
ステップS205において、演算回路101は、TM≧Ts3が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Ts3が成立する場合にステップS205を肯定判定してステップS206へ進み、TM≧Ts3が成立しない場合にはステップS205を否定判定し、ステップS204へ戻る。ステップS206へ進む場合は、係止レバー14を係止位置へ駆動するタイミングとみなす。
ステップS206において、演算回路101は、係止駆動を開始させてステップS207へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、サブモータ15を逆回転させる。
ステップS207において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS207を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS207を否定判定し、ステップS208へ進む。
ステップS208において、演算回路101は、TM≧Th2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Th2が成立する場合にステップS208を肯定判定してステップS209へ進み、TM≧Th2が成立しない場合にはステップS208を否定判定し、ステップS207へ戻る。ステップS209へ進む場合は、シャッタスイッチSW2およびSW3の直列接続出力がオフした以降に保持時間Th2が経過したとみなす。
ステップS209において、演算回路101は、係止駆動を停止させるとともに、羽根群3の閉鎖駆動を停止させてステップS210へ進む。係止駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してサブモータ15の逆回転停止を指示し、閉鎖駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の逆回転停止を指示することによって行う。
ステップS210において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS210を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS210を否定判定し、ステップS211へ進む。
ステップS211において、演算回路101は、シーケンススイッチSW4がオンか否かを判定する。演算回路101は、シーケンススイッチSW4からの信号がLレベルの場合にステップS211を肯定判定してステップS212へ進み、シーケンススイッチSW4からの信号がHレベルの場合にはステップS211を否定判定し、ステップS210へ戻る。ステップS212へ進む場合は、ミラーダウンおよび絞りの開放復帰が終了した状態である。
ステップS212において、演算回路101は、モータ駆動回路110に指令を出力し、シーケンスモータ111の逆転を停止させて図18のステップS221へ進む。なお、この停止処理の際には逆通電ブレーキやショートブレーキなどのブレーキ処理を行うことにより、シーケンスモータ111の停止は瞬時に行われる。したがって、オーバーランは無視できる程度である。
ここで、シーケンススイッチSW4がオンに変化するタイミング(図5におけるt20)は、シャッタスイッチSW2およびSW3による直列接続出力がオフに変化するタイミング(図5におけるt17)より後であって、撮像素子121からの蓄積電荷読出し時間Trが終了する前に変化するように構成されている。
図18のステップS221において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS221を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS221を否定判定し、ステップS222へ進む。
ステップS222において、演算回路101は、TM≧(Tm4+Tr)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm4+Tr)が成立する場合にステップS222を肯定判定してステップS223へ進み、TM≧(Tm4+Tr)が成立しない場合にはステップS222を否定判定し、ステップS221へ戻る。ステップS223へ進む場合は、データ読出し終了タイミングとみなす。
ステップS223において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を出力し、撮像素子121から画像信号の読出しを停止させてステップS224へ進む。ステップS224において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を停止してステップS225へ進む。
ステップS225において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS225を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS225を否定判定し、ステップS226へ進む。
ステップS226において、演算回路101は、画像処理回路123にホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正などの画像処理を開始させてステップS227へ進む。
ステップS227において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS227を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS227を否定判定し、ステップS228へ進む。
ステップS228において、演算回路101は、画像処理回路123に画像圧縮処理を開始させてステップS229へ進む。これにより、画像処理回路123は、画像圧縮処理ならびに圧縮処理後の画像データをバッファーメモリ125に格納する処理を開始する。
ステップS229において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS229を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS229を否定判定し、ステップS230へ進む。
ステップS230において、演算回路101は、バッファーメモリ125に格納されている圧縮済み画像データを記録媒体126へ記録する処理を行い、ステップS231へ進む。
ステップS231において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS231を肯定判定して図10のステップS2へ戻る。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS231を否定判定し、図10のステップS4へ戻る。これにより、一連の撮影処理を終了する。
上述したステップS161を否定判定して進む図19のステップS241において、演算回路は、Texp<Tlgが成立するか否かを判定する。演算回路101は、上式が成立する場合にステップS241を肯定判定してステップS242へ進み、上式が成立しない場合にはステップS241を否定判定して図20のステップS261へ進む。ステップS242へ進む場合は、図7が対応する。ステップS242へ進む場合は、図8が対応する。
ステップS242において、演算回路101は、パラメータτ'(図7における時間τ')に(Texp+Tm1+Tm2−Th1−Td2)を代入してステップS243へ進む。
ステップS243において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS243を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS243を否定判定し、ステップS244へ進む。
ステップS244において、演算回路101は、TM≧Tm1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Tm1が成立する場合にステップS244を肯定判定してステップS245へ進み、TM≧Tm1が成立しない場合にはステップS244を否定判定し、ステップS243へ戻る。ステップS245へ進む場合は、露光前マージン時間Tm1が経過した(図7においてt8)とみなす。
ステップS245において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を開始させ、ステップS246へ進む。
ステップS246において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS246を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS246を否定判定し、ステップS247へ進む。
ステップS247において、演算回路101は、TM≧Th1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Th1が成立する場合にステップS247を肯定判定してステップS248へ進み、TM≧Th1が成立しない場合にはステップS247を否定判定し、ステップS246へ戻る。ステップS248へ進む場合は、保持時間Th1が経過したとみなす。
ステップS248において、演算回路101は、シャッタ駆動回路108に指令を出力し、メインモータ12への供給電力をそれまでの約1/3に低減させる(図7のタイミングt9)。電力低減は、供給電流の低減および印加電圧の低減のいずれでもよい。
ステップS249において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS249を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS249を否定判定し、ステップS250へ進む。
ステップS250において、演算回路101は、TM≧(Th1+τ')が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Th1+τ')が成立する場合にステップS250を肯定判定してステップS251へ進み、TM≧(Th1+τ')が成立しない場合にはステップS250を否定判定し、ステップS249へ戻る。ステップS251へ進む場合は、閉鎖駆動開始タイミング(図7においてt9A)とみなす。
ステップS251において、演算回路101は、シャッタ駆動回路108に指令を出力し(タイミングt9A)、電力低減を解除するとともにメインモータ12の逆回転を開始させてステップS252へ進む。これにより、シャッタ1の羽根群3にアパーチャ2aを閉鎖させるための閉鎖駆動が開始する。
ステップS252において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS252を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS252を否定判定し、ステップS253へ進む。
ステップS253において、演算回路101は、TM≧(Tm1+Texp)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+Texp)が成立する場合にステップS253を肯定判定してステップS254へ進み、TM≧(Tm1+Texp)が成立しない場合にはステップS253を否定判定し、ステップS252へ戻る。ステップS254へ進む場合は、露光終了タイミング(図7においてt11)とみなす。
ステップS254において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を終了させ、ステップS255へ進む。
ステップS255において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS255を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS255を否定判定し、ステップS256へ進む。
ステップS256において、演算回路101は、TM≧(Tm1+Texp+Tm2+Tm3)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tm1+Texp+Tm2+Tm3)が成立する場合にステップS256を肯定判定して図16のステップS183へ進み、TM≧(Tm1+Texp+Tm2+Tm3)が成立しない場合にはステップS256を否定判定し、ステップS255へ戻る。ステップS183へ進む場合は、ミラーダウンおよび絞りの開放復帰を開始するタイミング(図7においてt14)とみなす。
以上説明した図19の処理では、図16の処理に比べて、露光前マージン時間Tm1の経過後ただちに撮像素子121の電荷蓄積を開始させている点、保持時間Th1が経過してから時間τ'が経過するまでメインモータ12への供給電力を低減させている点、および時間τ'が経過するまでメインモータ12の逆回転開始を遅くする点が、それぞれ異なる。
上述したステップS241を否定判定して進む図20のステップS261において、演算回路101は、パラメータtL(図8における時間tL)に(Tm1+Texp+Tm2−Tb1−Tg2−Td2)を代入してステップS262へ進む。
ステップS262〜ステップS265までの処理は、図19におけるステップS243〜ステップS246までの処理と同一なので説明を省略する。
ステップS266において、演算回路101は、TM≧Tb2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Tb2が成立する場合にステップS266を肯定判定してステップS267へ進み、TM≧Tb2が成立しない場合にはステップS266を否定判定し、ステップS265へ戻る。ステップS267へ進む場合は、係止レバー14を係止位置へ駆動するタイミングとみなす。
ステップS267において、演算回路101は、係止駆動を開始させてステップS268へ進む。具体的には、シャッタ駆動回路108に指令を送出し、サブモータ15を逆回転させる。
ステップS268において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS268を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS268を否定判定し、ステップS269へ進む。
ステップS269において、演算回路101は、TM≧Tb1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Tb1が成立する場合にステップS269を肯定判定してステップS270へ進み、TM≧Tb1が成立しない場合にはステップS269を否定判定し、ステップS268へ戻る。ステップS270へ進む場合は、シャッタスイッチSW2およびSW3の直列接続出力がオフした以降に保持時間Tb1が経過したとみなす。
ステップS270において、演算回路101は、係止駆動を停止させるとともに、羽根群3の開放駆動を停止させてステップS271へ進む。係止駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してサブモータ15の逆回転停止を指示し、開放駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の正回転停止を指示することによって行う。
ステップS271において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS271を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS271を否定判定し、ステップS272へ進む。
ステップS272において、演算回路101は、TM≧(Tb1+tL)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tb1+tL)が成立する場合にステップS272を肯定判定してステップS273へ進み、TM≧(Tb1+tL)が成立しない場合にはステップS272を否定判定し、ステップS271へ戻る。ステップS273へ進む場合は、開放駆動を再開させるタイミングとみなす。
ステップS273において、演算回路101は、羽根群3の開放駆動を開始させてステップS274へ進む。ステップS274において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS274を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS274を否定判定し、ステップS275へ進む。
ステップS275において、演算回路101は、TM≧(Tb1+tL+Ts1)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tb1+tL+Ts1)が成立する場合にステップS275を肯定判定してステップS276へ進み、TM≧(Tb1+tL+Ts1)が成立しない場合にはステップS275を否定判定し、ステップS274へ戻る。ステップS276へ進む場合は、係止解除駆動を開始させるタイミングとみなす。
ステップS276において、演算回路101は、係止解除駆動を開始させてステップS277へ進む。係止解除駆動の開始は、シャッタ駆動回路108に対してサブモータ15の正回転開始を指示することによって行う。ステップS277において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS277を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS277を否定判定し、ステップS278へ進む。
ステップS278において、演算回路101は、TM≧(Tb1+tL+Tg2)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tb1+tL+Tg2)が成立する場合にステップS278を肯定判定してステップS279へ進み、TM≧(Tb1+tL+Tg2)が成立しない場合にはステップS278を否定判定し、ステップS277へ戻る。ステップS279へ進む場合は、係止解除駆動を停止するとともに羽根群3の閉鎖駆動を開始させるタイミングとみなす。
ステップS279において、演算回路101は、係止解除駆動を停止させるとともに、羽根群3の閉鎖駆動を開始させて図19のステップS252へ進む。係止解除駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してサブモータ15の正回転停止を指示し、閉鎖駆動の開始はシャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の逆回転開始を指示することによって行う。
以上説明した図20の処理では、図16および図19の処理に比べて、羽根群3の開状態でメインモータ12への電力供給を停止させている点が異なる。
上述したステップS160を肯定判定して進む図21のステップS291において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS291を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS291を否定判定し、ステップS292へ進む。
ステップS292〜ステップS299までの処理は、図20におけるステップS263〜ステップS270までの処理と同一なので説明を省略する。
ステップS300において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を停止し、計時時間TMを0にしてステップS301へ進む。ステップS301において、 演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS301を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS301を否定判定し、ステップS302へ進む。
ステップS302において、演算回路101は、レリーズ操作信号がオン(ステップS12)後、レリーズ操作信号がオフに変化したか否かを判定する。演算回路101は、レリーズスイッチSW1からの操作信号がHレベルに変化した場合にステップS302を肯定判定してステップS303へ進む。レリーズスイッチSW1からの操作信号がHレベルに変化しない場合にはステップS302を否定判定し、ステップS301へ戻る。
ステップS303において、演算回路101は、タイマ回路101tによる計時を開始してステップS304へ進む。
ステップS304〜ステップS305までの処理は、図20におけるステップS273〜ステップS274までの処理と同一なので説明を省略する。
ステップS306において、演算回路101は、TM≧Ts1が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Ts1が成立する場合にステップS306を肯定判定して図22のステップS311へ進み、TM≧Ts1が成立しない場合にはステップS306を否定判定し、ステップS305へ戻る。ステップS311へ進む場合は、係止解除駆動を開始させるタイミングとみなす。
ステップS311〜ステップS312までの処理は、図20におけるステップS276〜ステップS277までの処理と同一なので説明を省略する。
ステップS313において、演算回路101は、TM≧Tg2が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧Tg2が成立する場合にステップS313を肯定判定してステップS314へ進み、TM≧Tg2が成立しない場合にはステップS313を否定判定し、ステップS312へ戻る。ステップS314へ進む場合は、係止解除駆動を停止するとともに羽根群3の閉鎖駆動を開始させるタイミングとみなす。
ステップS314において、演算回路101は、係止解除駆動を停止させるとともに、羽根群3の閉鎖駆動を開始させてステップS315へ進む。係止解除駆動の停止はシャッタ駆動回路108に対してサブモータ15の正回転停止を指示し、閉鎖駆動の開始はシャッタ駆動回路108に対してメインモータ12の逆回転開始を指示することによって行う。
ステップS315において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS315を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS315を否定判定し、ステップS316へ進む。
ステップS316において、演算回路101は、TM≧(Tg2+Td2−Tm2)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tg2+Td2−Tm2)が成立する場合にステップS316を肯定判定してステップS317へ進み、TM≧(Tg2+Td2−Tm2)が成立しない場合にはステップS316を否定判定し、ステップS315へ戻る。ステップS317へ進む場合は、露光終了タイミング(図9においてt11)とみなす。
ステップS317において、演算回路101は、タイミング回路124に指令を送出して撮像素子121の電荷蓄積を終了させ、ステップS318へ進む。
ステップS318において、演算回路101は、電池電圧検出回路105から入力される電圧検出信号により、電池106の電圧低下の有無を判定する。演算回路101は、電池106の電圧が低下していると判断するとステップS318を肯定判定して図13のステップS121へ進む。一方、演算回路101は、電池106の電圧が低下していないと判断するとステップS318を否定判定し、ステップS319へ進む。
ステップS319において、演算回路101は、TM≧(Tg2+Td2+Tm3)が成立するか否かを判定する。演算回路101は、TM≧(Tg2+Td2+Tm3)が成立する場合にステップS319を肯定判定して図16のステップS183へ進み、TM≧(Tg2+Td2+Tm3)が成立しない場合にはステップS319を否定判定し、ステップS318へ戻る。ステップS183へ進む場合は、ミラーダウンおよび絞りの開放復帰を開始するタイミング(図9においてt14)とみなす。
以上説明した図21および図22の処理では、「バルブ」設定された場合にも羽根群3の開状態でメインモータ12への電力供給を停止させている。
なお、上述したとおり、「タイム」撮影モードでは、図9のタイミングt7Cにおいてレリーズボタンの押下解除後に再びレリーズボタンが押下されるとみなせばよい。具体的には、図21においてステップS302およびステップS303の間に、レリーズスイッチSW1がオンされたか否かを判定する処理、および電池106の電圧低下の有無を判定する処理を挿入すればよい。
以上説明した実施の形態の電子カメラにおける撮像シーケンスについてまとめる。
A.露光時間Texp≧Tlgが成立する場合(図8)、シャッタ秒時の設定が「バルブ」もしくは「タイム」の場合(図9)
(1)シャッタ1の羽根群3が全開した(タイミングt7)以降に保持時間Tb1が経過すると羽根群3の開放状態を保持してメインモータ12への正通電を停止させる(タイミングt7B)ようにした。羽根群3の開放状態の保持は、駆動レバー8がシャッタ地板2の開放位置規制突起2cに当接した状態(図3)で係止レバー14によって駆動レバー8を係止することによって行う。したがって、露光時間が長い場合でも露光中にメインモータ12で消費される電力を抑え、メインモータ12の発熱による温度上昇を抑えることができる。
(2)シャッタ秒時の設定が「バルブ」でも「タイム」でもない場合は、シャッタ1の羽根群3が全開した(図8のタイミングt7)以降に、露光時間Texpに応じて算出される時間tL+正通電時間Tg2が経過してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる(タイミングt9B)ようにした。なお、閉鎖駆動の開始時には駆動レバー8の係止を解除しておく。したがって、露光(電荷蓄積)が終了してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる場合に比べて、撮像シーケンスに要する時間を短縮することができる。とくに、始動や駆動方向切り換え時にタイムラグ(上記例ではTd2が9msec)が生じる電磁アクチュエータによって羽根群3を閉鎖駆動する場合に有効である。
(3)上記A(2)の時間tLは、シャッタ1の羽根群3が閉鎖方向へ若干移動し、実際にアパーチャ2aを閉じ始める時点(タイミングt13)より露光後マージン時間Tm2(たとえば、1msec)前(タイミングt11)に露光を終了させるべく算出するので、露光終了(タイミングt11)から撮像素子121の蓄積電荷(データ)の読出し開始(タイミングt18)までの時間が短縮され、撮像素子121の画素を構成するフォトダイオードの暗電流に起因するノイズの影響を抑えることができる。また、電荷蓄積(撮像)後ただちに羽根群3がアパーチャ2aを閉鎖(すなわち、撮像素子121を遮光)駆動するので、電荷読出し時に生じるスミア現象を最小限に抑える効果がある。
(4)シャッタ秒時の設定が「バルブ」もしくは「タイム」の場合は、レリーズボタンの押下解除(バルブ設定)もしくは再度のレリーズボタン押下(タイム設定)のタイミングt7C(図9)から通電時間Tg2が経過してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる(タイミングt9B)ようにした。したがって、露光(電荷蓄積)が終了してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる場合に比べて、撮像シーケンスに要する時間を短縮することができる。
B.(Th1+Td2−Tm1−Tm2)≦Texp<Tlgが成立する場合(図7)
(1)シャッタ1の羽根群3が全開した(タイミングt7)以降に保持時間Th1が経過するとメインモータ12へ供給する電力を低減させる(タイミングt9)ようにした。したがって、メインモータ12の発熱による温度上昇を抑え、消費電力を抑えることができる。
(2)上記B(1)の電力低減時間は、露光時間Texpに応じて算出される時間τ'だけ継続し、タイミングt9Aにおいて羽根群3の閉鎖駆動を開始させるようにした。したがって、露光(電荷蓄積)が終了してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる場合に比べて、撮像シーケンスに要する時間を短縮することができる。
(3)上記B(2)の時間τ'は、シャッタ1の羽根群3が閉鎖方向へ若干移動し、実際にアパーチャ2aを閉じ始める時点(タイミングt13)より露光後マージン時間Tm2(たとえば、1msec)前(タイミングt11)に露光を終了させるべく算出するので、ノイズの影響を抑え、電荷読出し時に生じるスミア現象を最小限に抑えることができる。
C.露光時間Texp<(Td2−Tm2)の場合(図5)、もしくは(Td2−Tm2)≦Texp<(Th1+Td2−Tm1−Tm2)の場合(図6)
(1)シャッタ1の羽根群3が全開した(タイミングt7)以降に保持時間Th1が経過すると羽根群3の閉鎖駆動を開始させる(タイミングt9)ようにしたので、露光(電荷蓄積)が終了してから羽根群3の閉鎖駆動を開始させる場合に比べて、撮像シーケンスに要する時間を短縮することができる。
(2)シャッタ1の羽根群3が閉鎖方向へ若干移動し、実際にアパーチャ2aを閉じ始める時点(タイミングt13)より露光後マージン時間Tm2(たとえば、1msec)前(タイミングt11)に露光を終了させるべく露光開始タイミングt10を変化させるようにした。したがって、ノイズの影響を抑え、電荷読出し時に生じるスミア現象を最小限に抑える効果がある。
上記A〜Cのそれぞれにおいて、電磁アクチュエータであるメインモータ12の回転方向の切り換え時および停止時に、それぞれ保持時間Th1(Tb1)およびTh2を設けたので、メインモータ12の逆通電開始(タイミングt9、t9A、t9B)から羽根群3が実際にアパーチャ2aを閉鎖し始める(タイミングt13)までの時間Td2、およびメインモータ12の正通電開始(タイミングt2)から羽根群3が実際にアパーチャ2aを開放し始める(タイミングt4)までの時間Td1を、それぞれ約9msecに安定させることができる。これにより、撮像シーケンスの精度が向上し、各マージン時間Tm1〜Tm4を最小限に抑えられる結果、撮像シーケンスに要する時間をさらに短縮することができる。
また、上記A〜Cのそれぞれにおいて、羽根群3の閉鎖状態を検出後、羽根群3の閉鎖状態を保持してメインモータ12への逆通電を停止させ(タイミングt19)、次の撮影時に羽根群3の閉鎖状態の保持を解除してからメインモータ12に正通電を開始させる(タイミングt2)ようにした。したがって、撮像シーケンスが終了した状態で衝撃などが加えられたとしても、羽根群3の閉鎖状態が確実に保持される。
さらに、上記A〜Cのそれぞれにおいて、羽根群3の開放状態および閉鎖状態の保持を解除する際に、当該解除後にメインモータ12に通電する向きと逆方向に通電してから羽根群3の開放状態および閉鎖状態の保持を解除するようにした。したがって、係止レバー14が係止位置および係止解除位置間を移動する際に、駆動レバー8が必ず閉鎖位置規制突起2bもしくは開放位置規制突起2cに当接されるので、駆動レバー8が係止レバー14の移動の妨げになることが防止される。
さらにまた、電池電圧の低下が検出された場合など、撮像シーケンスが途中で停止するおそれがある場合には、係止レバー14を係止解除位置へ駆動(ステップS23:サブモータ15へ正通電)してから羽根群3を閉鎖方向へ駆動する(ステップS28:メインモータ12へ逆通電)ように復帰処理を行うので、駆動レバー8が係止レバー14の移動の妨げになることが防止される。
以上説明したTh1、Th2、Tm1〜Tm4、Td1およびTd2などの数値例は、必ずしも例示した値でなくてもよい。たとえば、マージン時間を0.5msecとしてもよい。
特許請求の範囲における各構成要素と、発明を実施するための最良の形態における各構成要素との対応について説明する。遮光部材は、たとえば、羽根群3(フォーカルプレーンシャッタ1)によって構成される。第1の電磁アクチュエータは、たとえば、メインモータ12によって構成される。係止部材は、たとえば、係止レバー14によって構成される。第2の電磁アクチュエータは、たとえば、サブモータ15によって構成される。露光制御手段は、たとえば、演算回路101によって構成される。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。