JP4321079B2 - 半導体装置を製造する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスでは、ドライエッチング法によりパターン形成することに適さない薄膜、例えば金を含む薄膜から配線、電極を形成することが求められる。リフトオフ法は、該薄膜からから配線、電極の形成に用いられる。
【0003】
特許文献1では、エッチングに際して、レジストの溶剤に加えて霧状のドライアイスをレジストマスク層に吹き付けて、これによりドライエッチングと同程度の微細なパターンをリフトオフ法により形成している。
【0004】
特許文献2では、バンプ金属及びパッド金属の相互拡散を防止するためにバリアメタルを製造する方法が記載されている。バリアメタル膜をレジストマスク層及びレジスト開口部上に形成した後に、粘着力を有するラミネートテープを該バリアメタル膜上に貼り付けて、ラミネートテープを剥がす際にレジストマスク層上のバリアメタル膜のみを剥離する。また、この文献では、レジストマスク層及びレジスト開口部上にバリアメタル膜を形成した後に、機械化学研磨処理(CMP)法により機械的にバリアメタル膜を除去している。バリアメタル膜は、この機械的な処理により実質的に除去されている。しかしながら、バリアメタル膜の残さといった細かな残りかすがレジスト上に存在している。そこで、CMP法のよる除去の後に、レジスト溶剤を浸漬させてレジストマスク層を除去している。これら両方法では、薄膜を剥離する工程は、レジストマスク層を隔離する工程と異なるので、この方法はリフトオフではない。
【0005】
特許文献3では、リフトオフ法に最適なレジスト形状を得る方法が記載されている。この文献によれば、一般に、ネガ型レジストを用いることにより、ネガ型レジストの露光及び現像の後に、レジストの開口部のエッジはオーバーハング状になる。このレジストマスク層上に薄膜を形成することにより、開口部内に堆積された薄膜は、レジストマスク層上に堆積された薄膜と分離される。このレジスト形状により、薄膜のリフトオフが容易になる。
【0006】
特許文献4では、金属チタンをニオブ酸リチウム基板に堆積する方法が記載されている。この文献の記載によれば、レジストをニオブ酸リチウム上に塗布して、該レジストを露光及び現像して、所定のパターンを有するレジストマスク層を形成する。この後に、金属チタンをレジストマスク層及び上記所定のパターン上に形成する。リフトオフを行う際に、ニオブ酸リチウム基板をレジスト溶剤中において該パターンの長手方向に揺動させる。この揺動によりチタン膜に剪断応力が加えられるので、レジスト上のチタン膜とパターンの開口部内のチタン膜との分離が容易になる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−058546号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平09−082711号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平06−231645号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平05−136047号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載されている技術と異なるリフトオフ法では、基板上に形成されたマスク層上及び基板上に薄膜を堆積した後に、回転するウエハ上にレジストの溶剤をレジストマスク層に吹き付けてリフトオフを行っている。このリフトオフにより、所定のパターンを有する金属層が基板上に形成される。しかしながら、レジスト溶剤の吹き付け後に、金属層のパターンに傷がついていることが発見されている。この原因としては、剥離された薄膜片が、金属層のパターンに引っ掻き傷を付けることが考えられる。リフトオフが行われて形成された金属層のパターン上をリフトオフ片が移動するとき、金属層のパターンに引っ掻き傷がつく可能性がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造するときにリフトオフ片により金属パターン層に傷をつける可能性が小さい該半導体装置を製造する方法を提供することとしている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面は、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造する方法である。この方法は、(a)所定のパターンを有しており基板上に設けられたマスク層と、該マスク層及び基板上に設けられた一又は複数の薄膜とを備えるワークピースを準備する第1の工程と、(b)ワークピースの主面上の所定の点からワークピースのエッジに向けて、マスク層を剥離するための溶剤が提供される主面上の位置をワークピースを回転させながら移動して、所定のパターンを有するパターン層を基板上に薄膜から形成する第2の工程と、を備える。主面は、回転の回転中心を含む第1のエリアと、該第1のエリアを囲む第2のエリアとを有し、所定の点は第1のエリアに位置する。
【0014】
この方法では、ワークピースの主面上の所定の点からワークピースのエッジに向けて、溶剤を提供する位置を移動するので、該位置において剥離された薄膜のリフトオフ片は、主面上のマスク層上を移動してワークピースのエッジに到達する。
【0015】
本発明の方法は、パターン層を基板上に薄膜から形成する第2の工程に先立って、ワークピースの中心に向けて、溶剤を吹き付ける吹き付けツールを溶剤を提供すること無く移動する工程を更に備えることができる。パターン層を基板上に薄膜から形成する第2の工程では、ワークピースを回転させながら吹き付けツールを移動して、溶剤が提供される主面上の位置を変更するようにしてもよい。
【0016】
この方法では、ワークピースの主面上の任意の位置において剥離された薄膜のリフトオフ片は、主面上のマスク層上を移動してワークピースのエッジに到達する。
【0017】
本発明の方法では、マスク層はレジスト膜を含むことができる。また、本発明の方法では、パターン層を基板上に薄膜から形成する第2の工程では、薄膜から半導体装置の電極を形成する。本発明の方法では、パターン層を基板上に薄膜から形成する該工程では、薄膜から半導体装置のゲート電極を形成する。ゲート電極のほかに、電極としては、電界効果トランジスタのソース及びドレインのための電極、ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタのエミッタ、ベース及びコレクタのための電極が例示される。さらに、本発明の方法では、パターン層を基板上に薄膜から形成する該工程では、薄膜から抵抗体を形成する。
【0018】
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体装置を製造する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
【0020】
図1(A)〜図1(D)、図4(A)〜図4(D)、図5(A)〜図5(C)は、半導体装置を製造する方法を表す工程を示す図面である。引き続く説明では、半導体装置の電界効果トランジスタを作製する手順を説明する。
【0021】
図1(A)を参照すると、III−V化合物半導体基板といった基板1上にマスク層3が形成されている。III−V化合物半導体基板としては、GaAs基板、InP基板が例示される。マスク層3は、電界効果トランジスタの活性領域を設けるための位置に開口3aを有する。基板1には、マスク層3を用いてドーパント5がイオン注入される。イオン注入を行った後に、マスク層3を除去する。このイオン注入により、基板1の表層に活性領域7が形成される。本実施例では、活性領域7は、例えばn型である。
【0022】
図1(B)を参照すると、基板1上にマスク層9が形成されている。マスク層9は、電界効果トランジスタのソース領域及びドレイン領域を形成する位置に開口9a、9bを有する。基板1には、マスク層9を用いてドーパント11がイオン注入される。イオン注入を行った後に、マスク層9を除去する。このイオン注入により、基板1の表層にソース領域及びドレイン領域13a、13bが形成される。ドレイン領域13a、13bは、例えばn型である
図1(C)を参照すると、基板1上にマスク層15が形成されている。マスク層15は、電界効果トランジスタのソース電極及びドレイン電極の位置に開口15a、15bといった所定のパターンを有する。本実施の形態では、マスク層15は、基板1上に形成されたレジスト膜17aと、該レジスト膜17a上に形成された絶縁膜17bとを備える。絶縁膜17bとしては、SiO2といった絶縁性シリコン無機化合物から形成される膜が例示される。レジスト膜17aは、絶縁膜17bをマスクとして用いて、等方性プラズマを用いてエッチングされる。開口部15a、15bにおいて、絶縁膜17bは、レジスト膜17aに対して突き出る庇を有する。好適な実施例では、レジスト膜17aの膜厚は1600ナノメートル程度であり、絶縁膜17bの膜厚は300ナノメートル程度である。
【0023】
図1(D)を参照すると、基板1及びマスク層15上に導電膜19が形成される。導電膜19は、一又は複数の薄膜を備えることができる。本実施の形態では、オーミック金属の膜が形成される。オーミック金属としてはAuGeNiが例示される。導電膜19は、基板1及びマスク層15の両方の上に堆積されており、開口部15a、15bに形成される部分19aと、マスク層15上に形成される部分19bとから成る。導電膜19は、開口部15a、15bのエッジにおいて、連続していない。導電膜19の非連続を形成するために、絶縁膜17bの庇は役立っている。
【0024】
この後に、リフトオフにより、電界効果トランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成する。リフトオフの概要を説明すれば、基板1の主面上の所定の点から基板1のエッジに向けて、マスク層15を剥離するための溶剤が提供される主面上の位置を基板1を回転させながら移動して、所定のパターンを有するソース電極及びドレイン電極を基板上に導電膜19から形成する。導電膜9は、基板の主面上に設けられており、主面は、回転中心を含む第1のエリアと、これを囲む第2のエリアとを有する。好適な実施例では、所定の点は、第1のエリアに位置する。この方法では基板1の主面上の所定の点から基板のエッジに向けて、溶剤を提供する位置を移動するので、該位置において剥離された薄膜のリフトオフ片は、主面上のマスク層15上を移動して基板のエッジに到達する。したがって、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造するときにリフトオフ片により金属パターン層に傷をつける可能性が小さい。
【0025】
図2(A)〜図2(C)及び図3(A)〜図3(C)は、リフトオフ処理のための手順を詳細に示す図面である。図2(A)は、レジストの剥離に先立つ前処理を示す。カセット21に複数の基板1a〜1cが配置されており、このカセット21を第1の槽23において第1の液剤25に浸す。第1の液剤25は、レジスト膜17aを膨潤させるために使用され、例えばN−メチルー2ピロリドンである。次いで、カセット21を第2の槽27において第2の液剤29に浸す。第2の液剤は、レジスト膜17aのリンスを行うために使用され、例えばイソプロピルアルコールである。リンス処理の後に、基板を一枚毎に処理される。
【0026】
図2(B)を参照すると、カセット21から基板1aが取り出されて、この基板1aは、リフトオフ装置31のステージ33上に位置合わせして置かれる。リフトオフ装置31は、剥離液を吹き付けるためのノズルといった吹き付けツール35を備える。吹き付けツール35は、ステージ33から離れた場所に位置している。また、リフトオフ装置31は、別のノズルといった吹き付けツール37を備える。吹き付けツール37は、基板1の裏面に対面する位置に設けられている。吹き付けツール37は、基板の回転中に窒素ガスを基板の裏面に吹き付けて、剥離されたレジスト片及び薄膜片が基板の裏面に回り込むことを防止する。
【0027】
図2(C)を参照すると、矢印Aに示されように、ステージ33の回転の中心軸Axに向けて、溶剤を提供すること無く吹き付けツール35を移動する。ステージ33を中心軸Axの回りに回転することを開始する。
【0028】
図3(A)を参照すると、中心軸Axの近傍に吹き付けツール35を配置した後に、吹き付けツール35から溶剤が基板1a上に提供されている。矢印Bにより示されるように、基板1aを回転させながら吹き付けツール35を基板1のエッジに向けて移動して、溶剤が提供される主面上の位置を変更する。この方法では、基板1aから剥離されたリフトオフ片は、矢印Cにより示されるように基板1a上のマスク層15上を移動して基板1aのエッジに到達する。
【0029】
図3(B)に示されるように、引き続いて基板1のエッジに向けて、マスク層15を剥離するための溶剤が提供される基板1a上の位置を基板1を回転させながら移動すると、所定のパターンを有するソース電極及びドレイン電極が基板上に導電膜19(図1(C)参照)から形成される。
【0030】
図3(C)に示されるように、吹き付けツール35が基板1aのエッジの外側に到達すると、基板1aのリフトオフ処理が完了する。次いで、基板1aを搬出カセットに移される。この後に、カセット21から次の基板1bが取り出されて、リフトオフ装置31のステージ33上に位置合わせして置かれる。
【0031】
このリフトオフ処理の結果、図4(A)に示されるように、電界効果トランジスタのためのソース電極及びドレイン電極39a、39bが基板1上に形成されている。ソース電極及びドレイン電極39a、39bは、基板1の表層にソース領域及びドレイン領域13a、13b上に形成されている。
【0032】
図4(B)を参照すると、基板1上にマスク層45が形成されている。マスク層45は、電界効果トランジスタのチャネル領域の位置に開口45aといった所定のパターンを有する。本実施の形態では、マスク層45は、基板1上に形成されたレジスト膜47aと、該レジスト膜47a上に形成された絶縁膜47bとを備える。絶縁膜47bは、SiO2といった絶縁性シリコン無機化合物から形成されることができる。レジスト膜47aは、絶縁膜47bをマスクとして用いて、等方性プラズマを用いてエッチングされる。開口部45において、絶縁膜47bは、レジスト膜47aに対して突出する庇を有する。好適な実施例では、レジスト膜47aの膜厚は1600ナノメートル程度であり、絶縁膜47bの膜厚は300ナノメートル程度である。
【0033】
図4(C)を参照すると、基板1及びマスク層45上に導電膜49が形成される。導電膜49は、一又は複数の薄膜を備えることができる。本実施の形態では、ゲート金属のTi/Pt/Au膜が形成される。導電膜49は、基板1及びマスク層45の両方の上に堆積されており、開口部45aに形成される部分49aと、マスク層45上に形成される部分49bとから成る。導電膜49は、開口部45aのエッジにおいて、連続していない。この非連続を形成するために、絶縁膜17bの庇は役立っている。
【0034】
この後に、リフトオフにより、電界効果トランジスタのゲート電極を形成する。このリフトオフ処理は、図2(A)〜図2(C)及び図3(A)〜図3(C)に示された手順により行うことができる。このリフトオフの概要を説明すれば、基板1の主面上の所定の点から基板1のエッジに向けて、マスク層45を剥離するための溶剤が提供される主面上の位置を基板1を回転させながら移動して、所定のパターンを有するゲート電極を基板1上に導電膜49から形成する。この方法では基板1の主面上の所定の点から基板のエッジに向けて、溶剤を提供する位置を移動するので、該位置において剥離された薄膜のリフトオフ片は、主面上のマスク層45上を移動して基板のエッジに到達する。したがって、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造するときにリフトオフ片によりゲート電極に傷をつける可能性が小さい。
【0035】
このリフトオフ処理の結果、図4(D)に示されるように、電界効果トランジスタのためのゲート電極49aが基板1上に形成されている。ゲート電極49aは、基板1の表層のチャネル領域7上に形成されている。
【0036】
図5(A)を参照すると、基板1上にマスク層55が形成されている。マスク層55は、電界効果トランジスタのチャネル領域の位置に開口55aといった所定のパターンを有する。本実施の形態では、マスク層55は、基板1上に形成されたレジスト膜を備える。好適な実施例では、このレジスト膜の膜厚は1600ナノメートル程度である。
【0037】
図5(B)を参照すると、本実施の形態では、金属抵抗のためのNiCrSi膜が形成される。抵抗膜59が基板1及びマスク層55上に形成される。抵抗膜59は、一又は複数の薄膜を備えることができる。抵抗膜59は、基板1及びマスク層55の両方の上に堆積されており、開口部55aに形成される部分59aと、マスク層55上に形成される部分59bとから成る。抵抗膜59は、開口部55aのエッジにおいて、連続していない。
【0038】
この後に、リフトオフにより、電界効果トランジスタに接続される金属抵抗素子を形成する。このリフトオフ処理は、図2(A)〜図2(C)及び図3(A)〜図3(C)に示された手順により行うことができる。リフトオフの概要を説明すれば、基板1の主面上の所定の点から基板1のエッジに向けて、マスク層55を剥離するための溶剤が提供される主面上の位置を基板1を回転させながら移動して、所定のパターンを有するゲート電極を基板1上に導電膜59から形成する。この方法では基板1の主面上の所定の点から基板のエッジに向けて、溶剤を提供する位置を移動するので、該位置において剥離された薄膜のリフトオフ片は、主面上のマスク層55上を移動して基板のエッジに到達する。したがって、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造するときにリフトオフ片により金属パターン層に傷をつける可能性が小さい。
【0039】
このリフトオフ処理の結果、図5(C)に示されるように、電界効果トランジスタのための金属抵抗素子の抵抗膜59aが基板1上に形成されている。抵抗膜59aは、電界効果トランジスタの位置とは異なる基板1の表層に形成されている。これまでの製造ステップにより、いくつかの場面でリフトオフ処理が使用されている。しかしながら、図2(A)〜図2(C)及び図3(A)〜図3(C)に示されたリフトオフ処理は、本実施の形態において具体例として説明された特定の事例に限定されるものではない。
【0040】
次いで、図6(A)、図6(B)、図7(A)及び図7(B)を参照しながら、本実施の形態におけるリフトオフ処理の利点を説明する。
【0041】
図6(A)及び図6(B)を参照すると、基板61が、回転中心を含む領域61aを通過する軸Axの周りに回転されている。領域61aと基板61のエッジとの間には、領域61aを囲むように領域61cが設けられている。ノズル63が、矢印で示されるように回転軸Axから基板61のエッジ61bに向けて移動される。ノズル63からは、イソプロピルアルコールといった剥離剤65が提供される。リフトオフ処理により、リフトオフ片69、70が剥がれて、所望のパターン層71が順に形成される。基板61の中心領域61aからエッジ領域61bに順にリフトオフ処理を進めると、リフトオフ片69、70は、剥離液と共に回転による遠心力を受けながら、未だ剥離されていないマスク層73及び薄膜75上を移動して基板61の外側に移動する。故に、リフトオフ片69、70は、既に剥離された基板61の主面上を通過しない。したがって、形成された所望のパターン層に接触することがない。
【0042】
図7(A)及び図7(B)を参照すると、基板81が、中心81aを通過する軸Axの周りに回転されている。ノズル83が、矢印で示されるように基板81のエッジ81bから回転軸Axに向けて移動される。ノズル83からは、イソプロピルアルコールといった剥離剤85が提供される。リフトオフ処理により、リフトオフ片89が剥がれて、所望のパターン層91が順に形成される。基板81のエッジ領域81bから中心領域81aに順にリフトオフ処理を進めると、リフトオフ片89は、剥離液と共に回転による遠心力を受けながら、既に剥離されている基板81の主面上を通過して基板81の外側に移動する。したがって、形成された所望のパターン層に接触する可能性がある。
【0043】
電界効果トランジスタのゲート電極をリフトオフにより形成するとき、基板のエッジから基板の回転中心に向けてノズルを移動して剥離液を順に吹き付ける方法では、ゲート電極に約10パーセントの不良率が生じている。一方、基板の回転中心から基板のエッジに向けてノズルを移動して剥離液を順に吹き付ける方法では、ゲート電極に約1パーセントの不良率が生じている。電界効果トランジスタの故障率は、前者が10Fitであるが、後者は1Fitである。また、リフトオフされた金属片が基板の表面に付着することも防止できる。故に、本実施の形態のリフトオフ方法は、金属膜のリフトオフの他にも、シリコン酸化膜といった絶縁膜のリフトオフにも使用でき、上記の利点を発揮する。
【0044】
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。例えば、リフトオフ処理は配線金属パターンの形成だけでなく、絶縁性シリコン化合物膜といった絶縁膜のパターンの形成にも使用でき、本リフトオフの手法は、これらの以外の薄膜のリフトオフにも使用できる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リフトオフ法を用いて半導体装置を製造するときにリフトオフ片により金属パターン層に傷をつける可能性が小さい該半導体装置を製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜図1(D)は、それぞれ、半導体装置を製造する方法を表す工程を示す図面である。
【図2】図2(A)〜図2(C)は、それぞれ、リフトオフ処理のための手順を詳細に示す図面である。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、それぞれ、リフトオフ処理のための手順を詳細に示す図面である。
【図4】図4(A)〜図4(D)は、それぞれ、半導体装置を製造する方法を表す工程を示す図面である。
【図5】図5(A)〜図5(C)は、それぞれ、半導体装置を製造する方法を表す工程を示す図面である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、それぞれ、本実施の形態におけるリフトオフ処理の利点を説明する図面である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、それぞれ、本実施の形態におけるリフトオフ処理の利点を説明する図面である。
【符号の説明】
3…マスク層、5…ドーパント、7…活性領域、9…マスク層、11…n型ドーパント、13a、13b…ソース領域及びドレイン領域、15…マスク層、17a…レジスト膜、17b…絶縁膜、19…導電膜、21…カセット、23…第1の槽、25…第1の液剤、27…第2の槽、29…第2の液剤、31…リフトオフ装置、35…吹き付けツール、33…ステージ、39a、39b…ソース電極及びドレイン電極、45…マスク層、レジスト膜47a…、47b…絶縁膜、49a…ゲート電極、55…マスク層、57a…レジスト膜、59…抵抗膜

Claims (4)

  1. リフトオフ法を用いて半導体装置を製造する方法であって、
    所定のパターンを有しており基板上に設けられたマスク層と、該マスク層及び前記基板上に設けられた一又は複数の薄膜とを備えるワークピースを準備する第1の工程と、
    前記ワークピースの主面上の所定の点から前記ワークピースのエッジに向けて、前記マスク層を剥離するための溶剤が提供される前記主面上の位置を前記ワークピース回転を行いながら移動して、所定のパターンを有するパターン層を前記基板上に前記薄膜から形成する第2の工程と
    を備え
    前記主面は、前記回転の回転中心を含む第1のエリアと、該第1のエリアを囲む第2のエリアとを有し、前記所定の点は前記第1のエリアに位置する、方法。
  2. パターン層を前記基板上に前記薄膜から形成する前記第2の工程に先立って、前記溶剤を吹き付ける吹き付けツールを前記溶剤を提供すること無く前記ワークピースの中心に向けて移動する工程を更に備え、
    前記薄膜から前記基板上にパターン層を形成する前記第2の工程では、前記吹き付けツールを移動して、前記溶剤が提供される前記主面上の位置を変更する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マスク層はレジスト膜を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. パターン層を前記基板上に前記薄膜から形成する前記第2の工程では、前記薄膜から前記半導体装置のゲート電極を形成する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法。
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