JP4319751B2 - 速硬型グラウト組成物 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木・建築分野において使用されるグラウト組成物であって、水以外の材料を既調合で供給することが可能な速硬型グラウト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
土木・建築工事において、コンクリート構造物の細かい空隙、トンネルの履行背面と地山との間の空隙、鉄筋スリーブ内の空隙、逆打ち工法における空隙、構造物の補修および補強、ロックアンカーおよびアースアンカー、橋梁支承および機械のベースプレート下、軸道床板下などへモルタルやセメントペーストを充填するグラウト工事が行われており、各種のグラウト材が開発されている(特開平9−263438号、特開平10−95652号)。さらに、グラウト材には、アルミン酸カリウムを主成分とするセメントや急硬材を用いることにより速硬性を付与したものがあり(特開平10−60435号)、工期短縮や冬期の強度発現性の向上が図られている。
【0003】
近年はグラウト材を用いる対象である構造体が複雑化する傾向にあり、グラウト材に要求される性能が高度化してきており、原子力発電所格納容器下グラウトをはじめ、斜張橋の斜材グラウト、鋼材継手グラウトなどの新たな用途に適応することが求められている。このような新用途に適応するためには、従来のグラウト材に比べより高い充填性を長時間保持し、さらに高強度であることが求められる。充填性を向上させるためには流動性と粘性とのバランスが重要であり、流動性が十分に高くても、粘性が低いと材料分離を生じたり、逆に粘性が高すぎると注入時に大きな抵抗を生じ、注入が困難となる。
【0004】
従来、流動性の改善のためにセメント分散剤が用いられており、既調合で供給されるセメント系グラウト組成物には、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の粉末またはメラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の粉末が主に使用されている。しかしながらこれらの粉末状セメント分散剤は減水性および流動性保持効果が比較的低く、高い強度を得るために水セメント比を低減することが困難であり、流動性保持時間が短いため充填中に流動性が低下するなどの問題があった。そのため、高い充填性を長時間保持するためには、粉末状セメント分散剤や凝結遅延剤の添加量を増したり、水セメント比を高くしたりしなければならなかったが、粉末状セメント分散剤や凝結遅延剤の添加量を増したり、水セメント比を高くしたりすると、材料分離やブリージングの増加を招き、充填性の低下や、構造体とグラウト材との付着性能の低下、さらには凝結遅延や強度低下を生じるという問題があり、特に速硬型既調合グラウト材では速硬性が損なわれるという大きな問題があった。また、スルホン酸塩系ホルマリン縮合物を主成分とするセメント分散剤ではホルマリンが有害物質であるため、その取り扱いや使用に於いて必然的に制約せざるを得なかった。
【0005】
近年、流動性保持効果の高いポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とするセメント分散剤がコンクリート用減水剤として用いられるようになってきたが、このセメント分散剤は水溶液として製造されるため、既調合のグラウト材にあらかじめ配合しておくことは不可能であった。このためポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする分散剤を粉末化することも試みられているが、既知の粉末化技術(特公平7−14829号)で水への溶解度が高い粉末状分散剤を得ようとすると、粉末製造過程中に不溶性のゲルが生成し、得られた粉末は分散作用を初めとする性状面での安定性を欠き易かった。また、噴霧乾燥装置を用いた粉末化方法(特許第2669761号)も知られているが、多量の無機粉体を併用しなければならないため、分散剤中のポリカルボン酸系高分子化合物含量が低下したり、無機粉体に吸着され、水溶液状態で使用した場合よりも分散性能が低下する問題があった。よって、従来の粉末状セメント分散剤であるナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の粉末またはメラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などに比べ性能およびコスト的に満足できるものは得られず、既調合グラウト材、特に速硬型既調合グラウト材には適用できなかった。
【0006】
従って本発明の目的は、粉末状セメント分散剤を配合した、充填性保持効果が高く、高強度であり十分な速硬性を有する速硬型セメント系無収縮グラウト組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は種々検討した結果、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物の含有液に、還元性無機化合物と還元性有機化合物を添加して乾燥粉末化すれば、効率良く流動性に優れた粉末状セメント分散剤が得られること、さらにかくして得られる粉末状セメント分散剤を速硬セメント、石膏および骨材に配合すれば、充填性保持効果が高く、高強度で十分な速硬性を有するグラウト組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)速硬セメント、(B)石膏、並びに(C)ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする液に、亜硫酸塩、亜硝酸塩およびチオ硫酸塩から選ばれる還元性無機化合物並びにアルカノールアミン、アルキルアミン、およびジアミンから選ばれる還元性有機化合物を添加し、次いで乾燥粉末化することにより得られる粉末状セメント分散剤を有する速硬型グラウト組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の速硬型グラウト組成物に配合される(C)粉末状セメント分散剤は、前記の如くポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする液に還元性無機化合物および還元性有機化合物を添加し、乾燥粉末化することにより得られる。ここで用いられるポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物としては、特に限定されず、例えば(C1)ポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合体および(C2)ポリアルキレングリコール鎖を有するマレイン酸系共重合体(ただし、(C2)の場合、多価金属塩を除く)等が挙げられ、これらは1種でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】
これらのうち(C1)としては、基−COOM(式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示す)およびポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合体が好ましいものとして挙げられる。また(C2)としては、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(ただし、多価金属塩を除く)等が好ましいものとして挙げられる。
【0011】
上記(C1)(メタ)アクリル酸系共重合体の基−COOM中のMは、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウムまたは有機アミンが好ましい。
【0012】
上記(C1)および(C2)におけるポリアルキレングリコール鎖としては、−O(CH2CH(Ra)O)b−で示されるものが好ましい。ここでRaは水素原子またはメチル基を示し、bは2〜200であるが、5〜109が好ましく、特に20〜109、さらに30〜109が好ましい。
【0013】
さらに(C1)(メタ)アクリル酸系共重合体の好ましいものとしては、全構成単位中に、下記式(1)で示される構成単位(1)を40〜80モル%、下記式(2)で示される構成単位(2)を2〜25モル%、下記式(3)で示される構成単位(3)を3〜20モル%および下記式(4)で示される構成単位(4)を1〜45モル%の割合で有する数平均分子量2000〜50000の(メタ)アクリル酸系共重合体が挙げられる。
【0014】
【化1】
Figure 0004319751
【0015】
〔式中、R1、R2、R4およびR5は同一または異なって水素原子またはメチル基を示し、R3およびR6は炭素数1〜3のアルキル基を示し、M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示し、Xは−SO32または−O−Ph−SO32(ここで、M2は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示し、Phはフェニレン基を示す)を示し、nは2〜200の整数を示す〕
【0016】
上記式(1)〜(4)中、R1、R2、R4およびR5は、メチル基が好ましい。またR3およびR6としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が挙げられ、就中メチル基が好ましい。また、M1としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルカノールアミン等が好ましく、特に、水に対する溶解性の面からナトリウムが好ましい。また基X中のM2としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニウムおよびエタノールアミン等のアルカノールアミン等の有機アミンが挙げられる。これらのうちXとしては、−SO3Naが好ましい。また、(4)式中のnは2〜200であるが、5〜109が好ましく、特に20〜109、さらに30〜109が好ましい。構成単位(1)は40〜80モル%であることが好ましく、特に45〜75モル%であることが好ましい。構成単位(2)は2〜25モル%であることが好ましく、特に5〜20モル%であることが好ましい。構成単位(3)は3〜20モル%であることが好ましく、特に5〜15モル%であることが好ましい。また、構成単位(4)は1〜45モル%であることが好ましく、特に3〜40モル%であることが好ましい。なお、構成単位のモル%は、(1)〜(4)の全構成単位を100モル%とした場合の夫々の構成単位のモル%を示す。
【0017】
また特に(C1)(メタ)アクリル酸系共重合体の好ましいものとしては、全構成単位中に、下記式(5)で示される構成単位(5)を40〜70モル%、下記式(6)で示される構成単位(6)を5〜30モル%、下記式(7)で示される構成単位(7)を1〜20モル%、下記式(8)で示される構成単位(8)を1〜30モル%および下記式(9)で示される構成単位(9)を1〜30モル%の割合で有する数平均分子量2000〜50000の(メタ)アクリル酸系共重合体が挙げられる。
【0018】
【化2】
Figure 0004319751
【0019】
〔式中、R7、R8、R10、R11、R13およびR14は同一または異なって水素原子またはメチル基を示し、R9、R12およびR15は炭素数1〜3のアルキル基を示し、M3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示し、Yは−SO34または−O−Ph−SO34(ここで、M4は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示し、Phはフェニレン基を示す)を示し、mは2〜200の整数を示し、pは2〜109の整数を示す。〕
【0020】
上記式(5)〜(9)中、R7、R8、R10、R11、R13およびR14はメチル基が好ましい。また、R9、R12およびR15としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が挙げられ、就中、メチル基が好ましい。また、M3 およびM4 としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルカノールアミン等が好ましく、特にナトリウムが好ましい。また基Yとしては−SO3Naが好ましい。(8)式中のmは2〜200であるが、5〜109が好ましく、特に20〜109が好ましく、さらに30〜109が好ましい。また、(9)式中のpは2〜109であるが、5〜50が好ましい。構成単位(5)は40〜70モル%であることが好ましく、特に45〜65モル%であることが好ましい。構成単位(6)は5〜30モル%であることが好ましく、特に8〜23モル%であることが好ましい。構成単位(7)は1〜20モル%であることが好ましく、特に1〜15モル%であることが好ましい。構成単位(8)は1〜30モル%であることが好ましく、特に5〜25モル%であることが好ましい。
また、構成単位(9)は1〜30モル%であることが好ましく、特に3〜25モル%であることが好ましい。なお、構成単位のモル%は(5)〜(9)の全構成単位の合計を100モル%とした場合の夫々の構成単位のモル%を示す。
【0021】
上記構成単位からなる(メタ)アクリル酸系共重合体としては、数平均分子量2000〜50000(GPC法、ポリエチレングリコール換算)のものが好ましく、3500〜30000のものがより好ましい。
【0022】
一方、(C2)アルキレングリコール鎖を有するマレイン酸系共重合体としては、メチルポリエチレングリコールビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコールアリルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メチルポリエチレングリコールアリルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチルポリエチレングリコール−マレイン酸共重合体等が挙げられる。当該共重合体(C2)の好ましい数平均分子量(GPC法、ポリエチレングリコール換算)は、3000〜200000、特に3000〜80000が好ましい。
【0023】
還元性無機化合物としては、亜硫酸塩、亜硝酸塩、チオ硫酸塩等が挙げられる。これらの塩としてはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましい。当該還元性無機化合物の添加により乾燥工程の混練攪拌時のゲル化が防止できる理由は、明らかではないが、当該還元性無機化合物がポリカルボン酸系共重合体含有液中に残存するラジカル反応開始剤を失活させるためと考えられる。従って、還元性無機化合物の添加量は、混合物中に残存するラジカル反応開始剤の種類や残存量に応じて決定すればよく、通常は高分子化合物合成に用いたラジカル反応開始剤の固型分の量(モル%値)以下であるが、残存ラジカル反応開始剤の固型分の量(モル%値)以下で残存ラジカル反応開始剤の酸化力を失活できる量以上とするのが望ましい。
【0024】
また、還元性有機化合物としては、アミン系化合物、特にアルカノールアミン類が好ましい。具体的にはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、sec−ブチルアミン等のアルキルアミン、エチレンジアミン等のジアミン類等が挙げられる。当該還元性有機化合物の添加により、混練攪拌機の負荷が大きく低減され、乾燥粉末時に排出される留去水のCOD値が低下(200mg/L以下)する。
【0025】
還元性無機化合物および還元性有機化合物のそれぞれの添加量は、前記ポリカルボン酸系高分子化合物の固型分含有量の0.01〜2.5重量%、特に0.5〜1.5重量%が好ましい。尚、このような還元性有機化合物添加により、乾燥粉末化工程に於ける混合攪拌機の負荷が低減され、また乾燥時に留去される水のCOD値が低下する理由は、これが解砕助剤として作用すると共に、アミン効果によって室温付近の低温下で重合反応が進行し、未反応モノマーが消費されるためと推測される。
【0026】
本発明に用いる(C)粉末状セメント分散剤では、その吸湿性やブロッキング性等を改善したり、計量誤差を少なくするために乾燥後、上記必須成分の他、さらにポリアルキレングリコール、炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩、無機粉体を配合してもよい。
【0027】
ポリアルキレングリコールとしては、分子量1000〜20000のポリエチレングリコール、分子量2000〜6000のポリプロピレングリコールが好ましいものとして挙げられる。このうちポリエチレングリコールが特に好ましく、さらに平均分子量2000〜4000のポリエチレングリコールが好ましい。
【0028】
また、炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩は、飽和でも不飽和でもよく、また直鎖でも分岐を有するものであってもよい。具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸およびそれらの塩が挙げられる。上記脂肪酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩が好ましい。就中、ステアリン酸またはその塩が好ましく、特に好ましいものとしては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。これらのポリアルキレングリコールおよび炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩の配合量は、前記ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物の固型分含有量の0.2〜30重量%、特に0.5〜20重量%が好ましい。
【0029】
無機粉体としては、炭酸カルシウムや珪酸カルシウム等の無機塩類の粉末やカオリナイト、ベントナイト等の粘土鉱物粉末、または高炉スラグやフライアッシュなどの微粉末が使用できる。このような無機粉体はポリカルボン酸系高分子化合物の固型含有量に対し、最大3倍程度まで使用してもよい。
【0030】
上記ポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする液には、水または有機溶媒の溶液または分散液が含まれていてもよい。
【0031】
また、上記ポリカルボン酸系高分子化合物含有液は、通常酸性液となっているので、還元性無機化合物および還元性有機化合物を添加後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶液を加えてpH7〜9に調整するのが好ましい。pHが未調整の場合、加温乾燥処理時に混合物中の高分子化合物が加水分解を起こし易くなったり、乾燥時に留去される水分のCOD値が高くなる。尚、ポリカルボン酸系高分子化合物含有液が当初よりpH7〜9である場合はpH調整剤を添加して調整する必要はない。
【0032】
乾燥は熱風式などの対流型の乾燥装置または熱伝導型の乾燥装置であれば特に限定されないが、処理物が5〜40%の溶液の場合は前者の乾燥装置であるスプレードライヤー、フラッシュジェトドライヤーなどが適している。処理物が40%を超える高濃度溶液や粘弾性の高いものの場合は、後者の混練攪拌乾燥機、バンド型連続真空乾燥機等の乾燥機を用いるのがよい。しかしながら、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物は、濃縮過程で粘性を帯びることがあるため粉末化の効率等の点から、混練攪拌を行うことにより乾燥粉末化する手段が特に好ましい。混練・攪拌の温度は、40〜120℃程度が好ましく、より好ましくは60〜110℃程度とする。混練・攪拌は大気中でも行うことができるが、変質防止の観点から減圧または窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で行うことが望ましい。また、硬度が30°以上になるまで濃縮した後に、0.5kg/m3/rpm 以上の馬力で混練攪拌しながら、乾燥粉末化するのが好ましい。このような乾燥操作を行うことにより、粉末状の分散剤を得ることができる。尚、乾燥後の粉末は小塊状に凝集している場合もあるが、この塊状物は脆弱であるため僅かな解砕力で容易に単粒子化できる。
【0033】
(C)粉末化した分散剤は使用上の利便性から任意の粉砕・分級方法により平均粒径5〜2000μm、より好ましくは10〜500μmに調整することが望ましい。しかし、製造された(C)粉末状分散剤は熱に比較的弱いため蓄熱性が低い粉砕機が好ましく、具体的にはピン型ミルが好ましい。また、粒度調整用にスクリーンと一体型の粉砕機もあるが、未粉砕物が滞留すると粉砕熱が増大するので粉砕と分級を別々に行う方が好ましい。
【0034】
かくして得られる(C)粉末状セメント分散剤の本発明グラウト組成物への添加量は少なすぎると効果がなく、多すぎると凝結遅延や強度低下の原因となるので、結合材(速硬セメント、他種セメントおよび石膏の合計)100重量部に対して0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量部が好ましい。
【0035】
本発明で用いる(A)速硬セメントとしては、カルシウムアルミネートを主成分とするものであればいずれも使用できるが、特にモノカルシウムアルミネート(CA)を主成分とし、Al23含有量が65重量%以下であるものが好ましく、特にAl23含有量が30〜45重量%であるものがより好ましい。また、本発明で用いる(A)速硬セメントはポルトランドセメント(普通セメント、早強セメント、超早強セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント等)や、混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等)と併用すると、高い流動性と十分な速硬性を両立させる上でより好ましい。速硬セメントと普通セメントを併用する場合の配合比率は、速硬セメント/普通セメント=1/99〜90/10(重量比)が好ましく、より好ましくは3/97〜50/50である。
【0036】
本発明で用いる(B)石膏には流動性と速硬性を向上させる作用があり、さらに乾燥収縮を低減させる効果が期待できる。(B)石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれも使用できるが、流動性、速硬性および乾燥収縮低減性の面から無水石膏が最も好ましい。また、(B)石膏の配合量は速硬セメント100重量部に対し2〜150重量部が好ましく、より好ましくは10〜70重量部である。
【0037】
本発明の速硬型グラウト組成物には、さらに(D)増粘剤、(E)凝結調整剤、(F)骨材および(G)膨張増進材をそれぞれ配合することもできる。
【0038】
本発明で用いる(D)増粘剤には、材料分離を防止する目的で使用するため、粘性を付与する作用があるものであればよく、例えば、メチルセルロースやポリビニルアルコールが挙げられる。(D)増粘剤の配合量は、結合材100重量部に対して0.001〜0.2重量部、特に0.002〜0.05重量部が好ましい。
【0039】
本発明で用いる(E)凝結調整剤としては、凝結促進作用を有する化合物として、炭酸リチウム、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩が好適に使用でき、特に炭酸リチウムが好ましい。これら凝結促進作用を有する化合物の配合量は結合材100重量部に対して0.005〜2重量部が、流動性および凝結促進効果の点から好ましい。特に好ましくは0.05〜0.5重量部である。また、凝結遅延作用を有する化合物としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸類(その塩を含む)が好適に使用でき、特に酒石酸またはクエン酸が好ましい。これら凝結遅延作用を有する化合物の配合量は結合材100重量部に対して0.005〜3重量部が、速硬性および凝結遅延効果の点から好ましく、特に好ましくは0.03〜1重量部である。
【0040】
本発明で用いる(F)骨材としては川砂、海砂、陸砂、砕砂、珪砂等が使用でき、これらの砂は乾燥砂が好ましい。また、フライアッシュ、高炉スラグ、炭酸カルシウム、シリカフューム等を上記の砂と併用することもできる。既調合のグラウトモルタル組成物として供給する場合には、配合する骨材の粒度は5mm以下で、FMが1.5〜3.0程度のものが好ましい。グラウトモルタル組成物の場合の骨材使用量は結合材100重量部に対して30〜100重量部が好ましく60〜150重量部が特に好ましい。
【0041】
本発明で用いる(G)膨張増進材は構造体グラウト材との付着性を確保する目的で使用するため、収縮を低減する効果があり、水和反応により膨張作用を示すものであればよく、例えば、カルシウムサルフォアルミネート系無機物質としてアウイン、カルシウムアルミネート系無機物質として非晶質または結晶質の各種アルミネート、石灰系無機物質として酸化カルシウム、金属系として金属アルミニウム粉末や鉄粉等が挙げられる。膨張増進材の配合量は、例えば石灰系の膨張増進材を使用する場合は、結合材100重量部に対し、0.5〜20重量部、特に1〜10重量部が好ましい。また、金属アルミニウム粉末を使用する場合は、結合材100重量部に対して0.0002〜0.01重量部、特に0.0006〜0.008重量部が好ましい。ここで、カルシウムサルファアルミネート系無機物質、カルシウムアルミネート系無機物質又は石灰系無機物質と金属アルミニウム粉末を併用すると、材齢初期から長期間収縮低減効果が保たれるのでより好ましい。
【0042】
本発明の速硬型グラウト組成物には上記材料以外に、収縮低減剤などを必要に応じて配合することができる。また、物性に悪影響を及ぼすものでない限り、増量材や各種混和剤を使用することもできる。
【0043】
本発明の速硬型グラウト組成物は通常上記材料を調合した状態で提供され、建築現場でミキサーを用いて水と混練した後打設される。ここで使用されるミキサーは特に限定されるものではなく、水の添加量は通常結合材100重量部に対して30〜100重量部である。
【0044】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に使用した材料は以下の通りである。
【0045】
〔使用材料〕
(1)セメント
・速硬セメント:シマン フォンデュ ラファージュ(ラファージュアルミネート社製アルミナセメント)
表1に速硬セメント(シマン フォンデュ ラファージュ)の化学成分を示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004319751
【0047】
・普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
(2)石膏
II型無水石膏(ブレーン比表面積7000cm2/g)
(3)細骨材
石灰石砕砂F.M=2.5
(4)粉末状セメント分散剤
▲1▼本発明に係る粉末状セメント分散剤
本発明に用いた粉末状セメント分散剤の製造に使用したポリカルボン酸系高分子化合物を以下に示す。
【0048】
【表2】
Figure 0004319751
【0049】
【表3】
Figure 0004319751
【0050】
〔本発明に係る粉末状セメント分散剤の製造方法〕
表2および表3に記載した高分子化合物を主成分とする固形分濃度45%の液状混合物各800gに、pH調整のために10重量%の水酸化ナトリウム水溶液75.2gを加えて常温で約3分間攪拌を行った。次いで、還元剤として亜硫酸ソーダおよびトリエタノールアミンを固形分濃度に対して0.5〜2重量%添加し3分間攪拌し、これを処理容積が1Lのニーダー型混練攪拌機に入れて温度90℃、30torrの減圧下で混練しながら濃縮・乾燥を行った。得られた粉粒体を粉砕機(マツバラ社製MCG180)で粉砕して、粒径50〜500μmとし、表4に示す粉末状セメント分散剤(1)および(2)を得た。
【0051】
【表4】
Figure 0004319751
【0052】
▲2▼従来の粉末状セメント分散剤
メルメントF10(SKW イーストアジア(株)製メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物)
(5)増粘剤
メトローズ(信越化学(株)製セルロース系増粘剤)
(6)膨張材
▲1▼酸化カルシウム系膨張材(太平洋セメント(株)製エクスパン)
▲2▼金属アルミ粉(純度99%以上、粉末度180メッシュ以上、JIS K 5906(塗装用アルミニウム粉末)第2種で88μm残分2%以下)
(7)凝結調整剤
・凝結促進剤:炭酸リチウム(市販品)
・凝結遅延剤:酒石酸(市販品)
【0053】
表5に本発明の速硬型グラウト組成物の配合例を示す。
【0054】
【表5】
Figure 0004319751
【0055】
本発明の速硬型グラウト組成物の性能試験を以下のように行った。
〔試験例〕
表5に示す配合に従い調合した材料100重量部に対し、水19重量部を加え、ホバートミキサーを用いて3分間混合した後、得られたスラリーに対して流動性の評価としてフロー値、粘性の評価としてコンシステンシー(Jロート流下時間)を混練直後から40分まで10分毎に測定した。また、速硬性の評価として凝結時間および材齢24時間の圧縮強度を測定した。さらに混練後材齢24時間までの膨張率を測定した。試験結果を表6〜表9に示す。
【0056】
〔フロー値測定方法〕
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。
〔Jロート流下時間測定方法〕
土木学会基準「PC グラウト試験方法(JSCE−F531)」に準じて測定した。Jロートは落ち口の内径が14mmのものを使用した。
〔凝結時間測定方法〕
ASTM−C403T「プロクター貫入抵抗針を用いるコンクリートの凝結試験方法」に準じて測定した。
〔圧縮強度測定方法〕
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて材齢24時間で測定した。
〔膨張率測定方法〕
土木学会基準「PC グラウト試験方法(容器方法)(JSCE−F533)」に準じて材齢24時間まで測定した。
【0057】
【表6】
Figure 0004319751
【0058】
【表7】
Figure 0004319751
【0059】
【表8】
Figure 0004319751
【0060】
【表9】
Figure 0004319751
【0061】
表6〜表9より、本発明の速硬型グラウト組成物は、従来の粉末状セメント分散剤を使用したものに比べて、高い充填性並びに分離抵抗性を長時間保持でき、速硬性についても優れた品質を有することが分かる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の速硬型グラウト組成物は、従来用いられてきた既調合の速硬型グラウト組成物に比べ、高い充填性並びに分離抵抗性を長時間保持することができることから複雑な構造体にも対応でき、しかも優れた速硬性により工期短縮が図れる。

Claims (5)

  1. (A)速硬セメント、(B)石膏、並びに(C)ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする液に、亜硫酸塩、亜硝酸塩およびチオ硫酸塩から選ばれる還元性無機化合物並びにアルカノールアミン、アルキルアミン、およびジアミンから選ばれる還元性有機化合物を添加し、次いで乾燥粉末化することにより得られる粉末状セメント分散剤を含有する速硬型グラウト組成物。
  2. さらに(D)増粘剤、(E)凝結調整剤および(F)骨材を含有するものである請求項1記載の速硬型グラウト組成物。
  3. さらに(G)膨張増進材を含有するものである請求項1又は2記載の速硬型グラウト組成物。
  4. (A)速硬セメントが、モノカルシウムアルミネート(CA)を主成分として、Al23含有量が65重量%以下のものである請求項1〜3のいずれか1項記載の速硬型グラウト組成物。
  5. (E)凝結調整剤が、アルカリ金属塩およびオキシカルボン酸類を含有するものである請求項2〜4のいずれか1項記載の速硬型グラウト組成物。
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