JP4319130B2 - 捕虫装置 - Google Patents
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また、近年、捕虫した害虫を計数して記録する計数手段を備えたものが使用されるようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
また、特許文献2に記載された捕虫装置は、スリット状の侵入口から虫を誘引し、侵入口に備えられたセンサによって侵入した虫を検知し、捕虫口上方に配設された捕虫シートによって虫を捕獲するものであるが、捕虫口から侵入した虫を全て検知するため、捕虫シートで捕殺されずに再度捕虫口から逃げ出した虫を重複検知してしまい、過大カウントしてしまうケースがあった。
また、本発明は、前記計数器に、前記光センサの受光部の受光量の変化に応じてレベル変化する受光信号が前記光センサから入力されるようになっており、前記計数器は、前記受光信号のレベルが、前記光センサが虫を検知していない時の前記受光信号のレベルであるベースレベルから前記受光部における受光量の減少によって変化して、前記ベースレベルとは別に設定した閾値に達したときに、前記光センサが虫を検知したものとみなしてカウントする機能と、前記ベースレベルが変化したときに該ベースレベルの変化に追従させるようにして前記閾値を調整するゲイン調整機能とを有することを特徴とする捕虫装置を提供する。
本発明の前記捕虫口には、該捕虫口を複数に仕切る仕切部材が設けられている構成としても良い。
また、前記仕切部材を紫外線透過性材料から構成しても良い。
本発明の請求項2に係る捕虫装置によれば、計数器が、光センサの受光部からの受光信号に対し、虫を検知したものとしてカウントする閾値が設定されているとともに、虫を検知していない時の受光信号レベルであるベースレベルが変化したときに、ベースレベルの変化に追従させるようにして閾値を調整するゲイン調整機能とを有している。従って、虫を検知していない時の、受光部の受光信号のベースレベルが低下した場合であっても、光センサによる虫の検知が可能となる。これにより、光センサの汚れや劣化等によってベースレベルが変化しても、虫の検知及び計数を高精度で行うことができる。
本発明の請求項3に係る捕虫装置によれば、捕虫口に、この捕虫口を複数に仕切る仕切部材を設けることにより、一度、筐体内に侵入した虫が筐体の外に逃げ出しにくくなるとともに、大型昆虫の侵入を防止している。これにより、捕獲効率が高まるとともに、大型昆虫の侵入による虫の捕獲数の過大カウントが防止され、計数精度が高められる。
本発明の請求項4に係る捕虫装置によれば、仕切部材を紫外線透過性材料によって構成することにより、誘虫ランプの光が捕虫口から外に放射されやすくなる。これにより、誘虫効果が高まり、虫の捕獲効率が向上する。
図1、図2に示すように、本実施形態における捕虫装置1は、捕虫口3a、3bを有する筐体2と、この筐体2内の上方に設置されて虫10を筐体2内に誘引する誘虫ランプ4と、筐体2内にて誘虫ランプ4の下方に設置されて虫10を捕獲する捕虫器6と、誘虫ランプ4と捕虫器6との間に確保された検知空間8を上から下へ通過する虫10を検知するための光センサ5とを具備している。
また、筐体2の外部には、光センサ5から入力される検知信号に基づいて、光センサ5によって検知された虫10の数をカウントする計数器7が設けられ、接続線71によって筐体2の内部と接続されている。
筐体2の内部は、捕虫装置1を構成する部品の一部が収納される他、虫10が誘引されて検知、捕獲される空間として機能する。
この捕虫口3a、3bには、横長板状の仕切部材31を上下方向に並べて複数有する仕切ユニット33が取り付けられている。この仕切ユニット33は、捕虫口3a、3bを仕切部材31によって上下方向で仕切ることで、横長の孔であるスリット32を複数形成している。
この構成により、スリット32は、虫10が筐体2内に侵入する捕虫口3a、3bとしての機能を持つ。
誘虫ランプ4は、例えば蠅等の小型昆虫が好む波長である370nm付近の波長の光を出射するものが用いられ、捕虫口3a、3bを通じて虫10を筐体2内へ誘引する。
発光部51と受光部52とは、捕虫ランプ4の下方において、筐体2の左右方向に対向させて対とするとともに、奥行き方向へ複数の対を並べて配設されている。
光センサ5は、接続線71を介して計数器7と電気的に接続されており、光センサ5(詳細には受光部52)から出力されて計数器7に入力される電流値Aが、受光量に応じて変動するようになっている。捕虫口3a、3bから筐体2内に誘引された虫10が発光部51と受光部52との間を通過して受光部52の受光量が減少すると、光センサ5から計数器7に入力される電流値Aが、光センサ5が虫10を検知していない時に光センサ5から計数器7に入力される電流値A(ベースレベル)から低下する(図4(b)の谷部Pが虫10の通過による電流値Aの低下箇所)。
なお、本実施形態では、計数器7に組み込んだ積分回路によって、谷部Pが曲線で現れるようにした場合を例示しているが、本発明では、積分回路は必要に応じて設ければ良く、省略することも可能である。
この捕虫器6は、横長板状であり、その短辺が立設されて、筐体2の底板24に対して垂直となるように配設されている。
捕虫器6は、例えば紙の表面に粘性剤が塗布された捕虫紙等からなり、誘虫ランプ4によって筐体2内に誘引された虫10を粘着作用によって付着させ、捕獲するものである。
図3に示すように、この検知空間8の左右両側には、一方の側に光センサ5の発光部51が、反対の側に受光部52が、対として配設されている。この対となった発光部51と受光部52とが、検知空間8の奥行き方向に並べて複数配設されている。
検知空間8は、筐体2内の上方に配設される捕虫ランプ4の側から下方に向かう虫10の通過通路として機能している。
計数器7は、光センサ5の受光部52から信号(電流値Aの変動)が入力されるADコンバータ73と、このADコンバータ73からの信号が入力されるCPU74と、計数された虫10の数量等のデータを表示する表示器76とを備えている。
また、計数器7は、光センサ5が虫を検知していない時の受光部52の受光信号(電流値)のレベルであるベースレベルが変動したときに、このベースレベルの変動に追従させるようにして前記閾値Bを調整するゲイン調整部75(ゲイン調整機能)を有する。前記閾値B(ゲイン調整部75による調整前の初期値及び調整後の値)は、ベースレベルの電流値Aよりも低い所に設定される。この閾値Bは、ベースレベルDの電流値Aに対する所定の相対%で設定される。また、この閾値Bは、埃の侵入等に起因するベースレベルDの小さな揺れによる誤検知や、谷部Pの検知漏れを生じにくくするために、ベースレベルDに対して谷部PのベースレベルDからの変動幅(例えば図4(b)のΔh)の半分程度となるように設定される。
筐体2内部を飛び回る虫10は、検知空間8を通過して下方に移動して捕虫器6に飛着又は衝突すると、捕虫器6の表面に塗布された粘性剤によって捕虫器6に付着し、捕獲される。
ADコンバータ73は、該ADコンバータ73のアナログポート73aに光センサ5から入力された電流値Aと閾値Bとを比較する。電流値Aの谷部Pの最低値が閾値Bよりも低ければ、ADコンバータ73のデジタルポート73bから、カウント信号Cが出力される。
このカウント信号Cは、CPU74のカウンタポート74aに入力され、CPU74はこのカウント信号Cを計数する。これにより、検知空間8を通過して捕虫器6に向かった虫10の数量を、虫10の捕獲数として計数することができる。
また、CPU74における計数データは、表示器76に表示することができる。
ところで、捕虫装置1は、長期間の使用による光センサ5の経年劣化や汚れ等によって、受光部52の受光量が次第に減少し、これに伴ってベースレベルDの電流値Aも次第に下降してゆく現象が可能性として考えられる。
図4(b)に示した電流値曲線において、谷部Pは虫10の検知による電流値Aの変動であり、谷部以外(虫10が検知されていない)のなだらかな下降曲線の部分がベースレベルDである。ベースレベルDは、上述したような経年劣化や汚れ等により、電流値曲線において、左側の初期値に対してなだらかに下降してゆく。
なお、図4(b)では、ベースレベルDの下降曲線に対して谷部Pを誇張して大きく図示している。
これにより、発光部51や受光部52の経年劣化や汚れ等によって受光部52から出力される電流値Aに変動があった場合であっても、虫10による受光量の変動を正確に検知することが可能となり、虫10の捕獲数を常に正確に計数することができる。
図1に示すように、例えば、傾斜面27を形成して、下方へ向かうに従って傾斜面27が捕虫器6に近づくように構成してやることにより、検知空間8の通過によってセンサ5に検知された虫10が、捕虫器6によって確実に捕獲される。一方、検知空間8は広い空間を保っているため、センサ5は高い検知精度を維持することができる。
また、計数器7は、受光部52から入力される電流値Aに対し、虫10を検知したものとしてカウントする閾値Bが設定されているとともに、虫10を検知していない時の受光信号レベルであるベースレベルDが変化したときに、ベースレベルDの変化に追従させるようにして閾値Bを調整するゲイン調整部75とを有している。従って、虫10を検知していない時の受光部からの電流値AのベースレベルDが低下した場合であっても、光センサ5による虫10を検知するこが可能となる。これにより、光センサ5の汚れや劣化によって電流値AのベースレベルDが変動しても、虫10の検知及び計数を高精度で行うことができる。
また、捕虫口3a、3bに、この捕虫口3a、3bを複数に仕切る仕切部材31を設けることにより、一度、筐体2内に侵入した虫10が筐体2の外に逃げ出しにくくなるとともに、大型昆虫の侵入を防止している。これにより、捕獲効率が高まるとともに、大型昆虫の侵入による虫10の捕獲数の過大カウントが防止され、計数精度が高められる。
また、仕切部材31を紫外線透過性材料によって構成することにより、誘虫ランプ4の光が捕虫口3a、3bから外に放射されやすくなる。これにより、誘虫効果が高まり、虫10の捕獲効率が向上する。
Claims (5)
- 捕虫口を有する筐体と、この筐体の内部に設置された誘虫ランプと、前記筐体内にて前記誘虫ランプの下方に設置された捕虫器と、前記誘虫ランプと前記捕虫器との間に確保された検知空間を上から下へ通過する虫を検知するための光センサと、前記光センサから入力される検知信号に基づいて、前記光センサによって検知された虫の数をカウントする計数器とを具備し、
前記光センサは、前記検知空間を介して対向配置された発光部と受光部との対を有して構成され、
前記筐体には、前記光センサの前記発光部と前記受光部との間の光路が前記検知空間に横並びに配列されるようにして、前記光センサを構成する発光部と受光部の対が横方向に並べて複数配設されていることを特徴とする捕虫装置。 - 前記計数器には、前記光センサの受光部の受光量の変動に応じてレベル変動する受光信号が前記光センサから入力されるようになっており、前記計数器は、前記受光信号のレベルが、前記光センサが虫を検知していない時の前記受光信号のレベルであるベースレベルから前記受光部における受光量の減少によって変動して、前記ベースレベルとは別に設定した閾値に達したときに、前記光センサが虫を検知したものとみなしてカウントする機能と、前記ベースレベルが変動したときに該ベースレベルの変動に追従させるようにして前記閾値を調整するゲイン調整機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の捕虫装置。
- 前記捕虫口に、該捕虫口を複数に仕切る仕切部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫装置。
- 前記仕切部材が紫外線透過性材料からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の捕虫装置。
- 前記光センサの下方の空間には、下方に向かうに従って前記捕虫器に近づくような傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の捕虫装置。
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