JP4318429B2 - 低温液化混合ガス充填装置及び方法 - Google Patents

低温液化混合ガス充填装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温液化混合ガス充填装置及び方法に関し、詳しくは、混合比の高い第一低温液化ガスと混合比の低い第二低温液化ガスとをあらかじめ設定された混合比で低温液化ガス貯槽内に充填するための低温液化混合ガス充填装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種の混合ガスが用いられているが、これらの混合ガスは、そのほとんどが、ガスとガスとを一定比率で混合させることにより製造されている。また、一部では、空気分離装置の中間製品等として混合ガス又は液化混合ガスを産出していた。例えば、溶接用シールドガスとして用いられるアルゴンと酸素との混合ガスの場合は、空気液化分離装置の中間製品として所望する混合比の低温液化ガスを取出し、該低温液化混合ガスを可搬式低温液化ガス貯槽に充填して使用先に供給することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ガスとガスとを混合して混合ガスを製造する方法では、その体積が大きいために輸送効率が低く、かつ、貯蔵スペースも大きくなるため、大量消費に対応することが困難である。例えば、低温液化ガスを充填した可搬式低温液化ガス貯槽の一つに対して、同量のガスを高圧ガスボンベに充填した場合には数十倍の本数を必要とする。したがって、輸送や貯蔵が困難であり、使用者においてもボンベの交換作業を頻繁に行わなければならないという問題がある。
【0004】
一方、空気液化分離装置の中間製品として液化混合ガスを得る方法では、混合ガスの組成にもよるが、製品量に対して大型の装置が必要であり、該液化混合ガスのみを製品として産出する装置を製作することは、経済的に特別な目的の場合に限られて一般的ではない。したがって、窒素や酸素を主製品として産出する空気液化分離装置から液化混合ガスを採取することになるが、この場合は、主製品の産出量の変動等による運転状況によって混合ガスの品質にばらつきが生じることがあり、用途によっては使用できなくなるといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、低温液化ガス貯槽内に、あらかじめ設定された混合比の低温液化混合ガスを簡単な操作で、かつ、確実に充填することができる低温液化混合ガス充填装置及び方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の低温液化混合ガス充填装置は、第一低温液化ガスと第二低温液化ガスとをあらかじめ設定された混合比で低温液化ガス貯槽内に充填するための低温液化混合ガス充填装置であって、混合比の高い第一低温液化ガスを供給する第一供給経路と、混合比の低い第二低温液化ガスを供給する第二供給経路と、両供給経路に流路切換手段を介して接続した充填経路と、前記第二供給経路における前記流路切換手段の一次側に設けられた予冷パージ経路と、前記充填経路に接続した前記低温液化ガス貯槽の重量を測定する重量測定手段と、該重量測定手段の測定値に基づいて前記流路切換手段の流路切換を制御する制御手段と、前記低温液化ガス貯槽から蒸発ガスを排出するパージ経路及び該パージ経路からのガス排出を制御するパージ弁とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の低温液化混合ガス充填方法は、混合比の高い第一低温液化ガスと混合比の低い第二低温液化ガスとをあらかじめ設定された混合比で低温液化ガス貯槽内に充填する方法であって、前記第一低温液化ガスを低温液化ガス貯槽内に導入し、該低温液化ガス貯槽に接続する経路及び低温液化ガス貯槽を予冷して貯槽内の蒸発ガスをパージ経路から排出する第一予冷工程と、第一予冷工程終了後の低温液化ガス貯槽内に前記第一低温液化ガスを導入し、あらかじめ設定された重量に到達するまで充填する第一充填工程と、前記第二低温液化ガスを供給する経路に当該第二低温液化ガスを供給して予冷パージ経路から排出することにより前記第二低温液化ガスを供給する経路をあらかじめ冷却する第二予冷工程と、前記第一充填工程及び前記第二予冷工程終了後に、前記パージ経路を遮断して前記低温液化ガス貯槽を密閉系とした状態で該低温液化ガス貯槽に導入するガスを前記第二低温液化ガスに切り換えてあらかじめ設定された重量に到達するまで第二低温液化ガスを低温液化ガス貯槽に充填する第二充填工程とを含むことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の低温液化混合ガス充填装置の一形態例を示す系統図、図2乃至図5は充填操作の一例を示すタイムチャートであって、図2は第一低温液化ガスを低温液化ガス貯槽内に充填するまでの操作を示すタイムチャート、図3は第二低温液化ガスを供給する経路をあらかじめ冷却する予冷操作を示すタイムチャート、図4は第二低温液化ガスを低温液化ガス貯槽に充填する操作を示すタイムチャート、図5は終了操作を示すタイムチャートである。
【0009】
まず、図1に示すように、この低温液化混合ガス充填装置は、混合比の高い第一低温液化ガスL1を供給する第一供給経路10と、混合比の低い第二低温液化ガスL2を供給する第二供給経路20と、両供給経路10,20に流路切換手段を介して接続した充填経路30と、該充填経路30に接続した低温液化ガス貯槽31の重量を測定する重量測定手段32と、前記低温液化ガス貯槽31から蒸発ガスを排出するパージ経路40及び該パージ経路40からのガス排出を制御して低温液化ガス貯槽31を密閉系にするためのパージ弁41と、前記第二供給経路20における前記流路切換手段の一次側に設けられた予冷パージ経路29とを備えている。
【0010】
前記第一供給経路10及び第二供給経路20には、各低温液化ガス供給元に接続する上流側から順に、供給元弁11,21、安全弁12,22、放出弁13,23、保圧弁14,24、流路切換手段となる遮断弁(以下、切換弁という)15,25、逆止弁16,26がそれぞれ設けられており、該逆止弁16,26の二次側で両経路10,20が合流し、弁33を介して前記充填経路30に接続している。さらに、第二供給経路20には、前記切換弁25の一次側から、予冷パージ弁28を有する前記予冷パージ経路29が分岐している。
【0011】
なお、第二供給経路20における予冷パージ経路29の分岐部一次側に遮断弁27が設けられているが、この遮断弁27は、通常、前記供給元弁21と同じタイミングで開閉するものであり、常時開状態であってもよく、省略することも可能である。また、第二供給経路20の末端に設けられた弁34は充填操作中は常時閉じられており、予冷パージ経路29に設けられた弁35は充填操作中は常時開かれている。
【0012】
前記充填経路30は、低温液化ガス貯槽31との接続部において、貯槽下部に低温液化ガスを導入するための下部導入経路36と、貯槽上部に低温液化ガスを導入するための上部導入経路37とに分岐しており、両導入経路36,37には、低温液化ガスの導入位置を切り換えるための下部弁38及び上部弁39がそれぞれ設けられている。
【0013】
また、前記パージ経路40は、充填操作中は常時開状態の弁42を介して低温液化ガス貯槽31の上部(気相部)に接続されており、前記パージ弁41の一次側に弁43を介して接点付圧力計44が設けられており、パージ弁41の二次側には、逆止弁45,弁46を介してサイレンサー47が接続されている。さらに、パージ弁41の部分には、ガス排出量を一時的に増大させるため、あるいは、低温液化ガス貯槽31内のガスを手動で排出するためのバイパス弁48を備えたバイパス経路49が設けられている。また、前記放出弁13,23及び保圧弁14,24の二次側経路は、パージ経路40の逆止弁45の二次側に接続されており、放出ガス等をサイレンサー47を介して排出するようにしている。
【0014】
前記重量測定手段32は、例えばロードセルからなるものであって、あらかじめ設定された第一重量値(H)及び第二重量値(HH)でそれぞれ重量信号Swを出力するように形成されている。また、接点付圧力計44も、あらかじめ設定された高圧設定値(H)及び低圧設定値(L)でそれぞれ圧力信号Spを出力するように形成されている。これらの信号Sw,Spは、制御手段51に取り込まれ、各信号に基づいて、電磁弁からなる前記供給元弁11,21、放出弁13,23、切換弁15,25、遮断弁27、予冷パージ弁28及びパージ弁41の開閉状態が充填操作の進行に伴ってそれぞれ制御される。なお、制御手段51には、運転状態を制御するための主要なスイッチとして、切替スイッチ52、運転ボタン53、停止ボタン54が設けられている。
【0015】
次に、図1に示した構成の低温液化混合ガス充填装置を使用し、低温液化ガス貯槽31内にアルゴン/酸素の低温液化混合ガスを充填する操作の一例を図2乃至図5を参照しながら説明する。なお、アルゴン/酸素の混合比は、ガス体積比でアルゴン:酸素を95:5とし、低温液化混合ガスの充填量は液重量で182.5kgとした。また、図2乃至図5において、SOV−1〜SOV−9は、前記各電磁弁(ソレノイドバルブ)を表すのものであって、SOV−1は供給元弁11、SOV−2は放出弁13、SOV−3は切換弁15、SOV−4は供給元弁21、SOV−5は放出弁23、SOV−6は遮断弁27、SOV−7は予冷パージ弁28、SOV−8は切換弁25、SOV−9はパージ弁41をそれぞれ表している。
【0016】
さらに、PIS(H)は接点付圧力計44からの高圧設定値信号、PIS(L)は接点付圧力計44からの低圧設定値信号をそれぞれ表し、ロードセル(HH)は重量測定手段32からの第二重量値信号、ロードセル(H)は重量測定手段32からの第一重量値信号をそれぞれ表している。これらの動作状態は下段がOFF又は閉弁状態、上段がON又は開弁状態を表している。
【0017】
低温液化混合ガスの充填運転は、まず、混合比の高い第一低温液化ガスである液化アルゴンを低温液化ガス貯槽31内に充填するための操作である第一予冷工程及び第一充填工程から行われる。図2に示すように、切替スイッチ52をアルゴン(Ar)に切り替えて運転ボタン53を操作すると、制御手段51が作動して供給元弁11(SOV−1)と切換弁15(SOV−3)とが開き、液化アルゴン供給元から第一供給経路10及び充填経路30を通して低温液化ガス貯槽31への液化アルゴンの供給が開始される。このとき、接点付圧力計44は、運転開始時には系内が大気圧状態であることから、当初は低圧設定値信号PIS(L)を出力しており、液化アルゴンの供給開始に伴って系内の圧力が上昇すると、この低圧設定値信号の出力が止まる。また、液化アルゴンの充填に関係のない弁は閉状態を維持し、重量値信号(HH)は無視された状態になる。
【0018】
充填運転開始時には、各経路や低温液化ガス貯槽31の温度が常温(室温)となっているので、最初に、これらを液化アルゴンの温度まで冷却する第一予冷工程が行われる。この第一予冷工程は、低温液化ガス貯槽31に液化アルゴンを導入してそのままパージ経路40から排気する流通状態で行ってもよいが、本例に示す第一予冷工程は、予冷効率を向上させるため、低温液化ガス貯槽31への液化アルゴンの導入を間欠的に行う方法を採用している。すなわち、液化アルゴンを第一供給経路10から低温液化ガス貯槽31に導入して系内の圧力が接点付圧力計44に設定された高圧設定値(H)に到達するまで系内を充圧する操作と、低圧設定値(L)まで系内を排気する操作とを繰り返して行う。
【0019】
したがって、液化アルゴンの導入によって系内の圧力が高圧設定値に上昇し、接点付圧力計44から高圧設定値信号PIS(H)が出力されると、制御手段51が作動して供給元弁11及び切換弁15を閉じるとともに、パージ弁41(SOV−9)を開き、予冷操作によって気化したアルゴンをパージ経路40から排気する操作を行う。そして、系内の圧力が接点付圧力計44に設定された低圧設定値(L)まで低下し、接点付圧力計44から低圧設定値信号PIS(L)が出力されると、再び供給元弁11及び切換弁15を開き、パージ弁41を閉じて系内への液化アルゴンの導入を再開する。
【0020】
前記充圧操作と排気操作とは、各経路や低温液化ガス貯槽が十分に冷却されるように、制御手段51に設定された回数、本例では3回繰り返した後、制御手段51のタイマーからの指示により、低温液化ガス貯槽内に液化アルゴンを充填する第一充填工程が始まる。すなわち、4回目の充圧操作を行っているときに、タイマーにあらかじめ設定された時間が経過した時点で、供給元弁11及び切換弁15が開いた状態のままでパージ弁41が開くことにより、低温液化ガス貯槽内に液化アルゴンが導入されて次第に蓄積されるとともに、低温液化ガス貯槽内で気化したアルゴンがパージ弁41からパージ経路40を通って排出される充填操作が始まる。
【0021】
この第一充填工程は、重量測定手段32からの第一重量値信号であるロードセル(H)が出力されるまで行われる。本例では、低温液化ガス貯槽内に液化アルゴンが175.1kg充填されたときにロードセル(H)が出力され、これによって制御手段51が供給元弁11、切換弁15及びパージ弁41を閉じるとともに放出弁13(SOV−2)を開き、第一供給経路10内に残留している液化アルゴンの充填をパージ経路40を介して排出する。
【0022】
このようにして低温液化ガス貯槽31に液化アルゴンを充填する第一充填工程を終了した後、第二低温液化ガスの液化酸素を供給する経路をあらかじめ冷却する操作である第二予冷工程を行って第二供給経路20を予冷する。すなわち、図3に示すように、前記切替スイッチ52をOパージに切り替えて運転ボタン53を操作すると、供給元弁21(SOV−4)、遮断弁27(SOV−6)、予冷パージ弁28(SOV−7)が開き、液化酸素供給元からの液化酸素が第二供給経路20に供給され、予冷パージ経路29から排出される状態となり、第二供給経路20が液化酸素によって冷却される。
【0023】
なお、この第二予冷工程は、前記第一予冷工程及び第一充填工程とは関係なく行うことが可能であるから、第一予冷工程や第一充填工程と並行して行うこともできる。また、第二予冷工程以降では、液化酸素に関係しない弁や重量値信号(H)、圧力信号PIS(H),(L)は無視された状態になり、これらは、第一充填工程終了時の状態を維持することになる。第二予冷工程の終了は、一般的には、予冷パージ経路29から液化酸素が流出し始めたことを目視で確認して手動で操作する方法が採用されるが、液化酸素の流出を感知可能な接点付温度計を予冷パージ経路29に設けて液化酸素の流出を感知させることにより、第二予冷工程を自動的に終了させることもできる。
【0024】
第二予冷工程を終了したら、図4に示すように、前記切替スイッチ52をO充填に切り替えて運転ボタン53を操作することにより、供給元弁21(SOV−4)及び遮断弁27(SOV−6)が第二予冷工程終了時の開状態を維持したまま、予冷パージ弁28(SOV−7)が閉じるとともに、切換弁25(SOV−8)が開く。これにより、液化酸素を低温液化ガス貯槽31に充填する操作である第二充填工程が始まり、第二供給経路20から充填経路30を通して低温液化ガス貯槽31に液化酸素が導入される。
【0025】
この第二充填工程は、第一充填工程終了時にパージ弁41を閉じた状態のまま、低温液化ガス貯槽31を密閉系として行われる。すなわち、パージ弁41を開いた状態で第二充填工程を行うと、先に充填した液化アルゴンが低温液化ガス貯槽31内で気化し、パージ経路40からアルゴンが排出されてしまうため、製造した低温液化混合ガスにおけるアルゴンの混合比が低下することになり、設定されている混合比の低温液化混合ガスを得ることができなくなってしまう。さらに、低温液化ガス貯槽31内への液化酸素の導入は、上部弁39を閉じて下部弁38を開き、下部導入経路36から液化アルゴン中に吹き込むことが好ましく、これにより、低温液化ガス貯槽31内での液化酸素の気化を抑制して該貯槽内圧力の上昇を抑えることができる。
【0026】
低温液化ガス貯槽31への液化酸素の導入は、重量測定手段32からの第一重量値信号であるロードセル(HH)が出力されるまで行われる。本例における第一重量値信号は182.5kgに設定されており、したがって、液化酸素の充填量は7.4kgとなる。第一重量値信号によって制御手段51が作動し、供給元弁21、遮断弁27及び切換弁25をそれぞれ閉じるとともに、放出弁23(SOV−5)及び予冷パージ弁28を開く。これにより、第二供給経路20内の液化酸素が系外に排出されて第二充填工程が終了する。
【0027】
このようにして所定量の液化アルゴン及び液化酸素を低温液化ガス貯槽31内に充填した後、図5に示すように、切替スイッチ52が任意の位置(全位置)、通常は、O充填となっているときに停止ボタン54を操作すると、全ての弁が閉じられて一連の低温液化混合ガスの充填運転が終了する。
【0028】
低温液化ガス貯槽31内に充填された液化アルゴンと液化酸素とは、充填後の貯蔵、運搬の間に次第に混合していくので、使用時には均一な組成の低温液化混合ガスとなる。このとき、充填運転の最後に導入された液化酸素が下部導入経路36内に留まって十分に混合されないことがあり、製造した低温液化混合ガス量に対する下部導入経路36の容積によっては、該経路36内の液化酸素が低温液化混合ガスの組成に影響を及ぼすことがある。このようなときには、充填運転終了後に下部弁38からガス状のアルゴンや酸素を導入し、下部導入経路36内の液化酸素を低温液化ガス貯槽31内の低温液化混合ガス中に押し出すことが好ましい。これにより、下部導入経路36内の液化酸素に起因する組成変動を回避することができる。
【0029】
なお、本例では、アルゴン:酸素が95:5の低温液化混合ガスを製造する例を挙げたが、混合比は任意であり、混合比の高い低温液化ガスから充填すればよい。混合比が1:1の低温液化混合ガスも製造可能であり、この場合は、予冷損失を考慮して、例えば安価な液化ガスを先に充填するようにすればよい。さらに、3成分以上の低温液化混合ガスを製造する場合は、第二供給経路20と同じ構成の第3の供給経路を設け、混合比の高い低温液化ガスを最初に充填するように設定すればよい。
【0030】
また、本例では、低温液化ガス貯槽31の重量を重量測定手段32で測定し、所定の重量に達したときに信号を出すことによって弁の開閉を行うように制御したが、第1低温液化ガス供給元と第2低温液化ガス供給元とにおける液供給時からの重量の減量をそれぞれ測定し、ここからの信号を利用することも可能である。
【0031】
さらに、使用先から返却された低温液化ガス貯槽内に低温液化混合ガスが残存している場合は、この残ガスの分析を行い、残ガスが汚染されていないことや、組成及び残存量を確認した後、次の使用先の条件に応じた混合比になるように各低温液化ガスを所定量充填することにより、残ガスを無駄にすることなく、新たな低温液化混合ガスを製造することができる。
【0032】
また、低温液化ガス貯槽31等の初期予冷のために、第一低温液化ガスL1の消費量が多くなるので、第一供給経路10や充填経路30、あるいは、第一供給経路10の前段に、安価で低温の液化ガスを冷却源とする過冷却器を設け、例えば、第一低温液化ガスL1が前記アルゴン等の比較的高価なガスの場合は、より安価で低温の液化窒素を冷却源とする過冷却器を設け、該過冷却器で両者を熱交換させることによって液化アルゴンを過冷却状態にしてから低温液化ガス貯槽31内に導入することにより、短時間で予冷を終えることができ、第一低温液化ガスL1の消費量を削減することができる。
【0033】
さらに本発明は、可搬式低温液化ガス貯槽だけでなく、適当な重量測定手段及び制御手段を用いることにより、定置式(固定式)の低温液化ガス貯槽にも適用が可能となる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、混合比の高い低温液化ガスを低温液化ガス貯槽内に充填した後、パージ弁を閉じて低温液化ガス貯槽を密閉系とした状態で混合比の低い低温液化ガスを充填するようにしているので、貯槽内圧力の上昇を抑制できるとともに、先に充填した低温液化ガスが低温液化ガス貯槽内から流出することを防止でき、所定の混合比の低温液化混合ガスを高精度で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の低温液化混合ガス充填装置の一形態例を示す系統図である。
【図2】 第一低温液化ガスを低温液化ガス貯槽内に充填するまでの操作を示すタイムチャートである。
【図3】 第二低温液化ガスを供給する経路をあらかじめ冷却する操作を示すタイムチャートである。
【図4】 第二低温液化ガスを低温液化ガス貯槽に充填する操作を示すタイムチャートである。
【図5】 終了操作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…第一供給経路、11…供給元弁、12…安全弁、13…放出弁、14…保圧弁、15…切換弁、16…逆止弁、20…第二供給経路、21…供給元弁、22…安全弁、23…放出弁、24…保圧弁、25…切換弁、26…逆止弁、27…遮断弁、28…予冷パージ弁、29…予冷パージ経路、30…充填経路、31…低温液化ガス貯槽、32…重量測定手段、33,34,35…弁、36…下部導入経路、37…上部導入経路、38…下部弁、39…上部弁、40…パージ経路、41…パージ弁、42,43…弁、44…接点付圧力計、45…逆止弁、46…弁、47…サイレンサー、48…バイパス弁、49…バイパス経路、51…制御手段、52…切替スイッチ、53…運転ボタン、54…停止ボタン

Claims (2)

  1. 第一低温液化ガスと第二低温液化ガスとをあらかじめ設定された混合比で低温液化ガス貯槽内に充填するための低温液化混合ガス充填装置であって、混合比の高い第一低温液化ガスを供給する第一供給経路と、混合比の低い第二低温液化ガスを供給する第二供給経路と、両供給経路に流路切換手段を介して接続した充填経路と、前記第二供給経路における前記流路切換手段の一次側に設けられた予冷パージ経路と、前記充填経路に接続した前記低温液化ガス貯槽の重量を測定する重量測定手段と、該重量測定手段の測定値に基づいて前記流路切換手段の流路切換を制御する制御手段と、前記低温液化ガス貯槽から蒸発ガスを排出するパージ経路及び該パージ経路からのガス排出を制御するパージ弁とを備えていることを特徴とする低温液化混合ガス充填装置。
  2. 混合比の高い第一低温液化ガスと混合比の低い第二低温液化ガスとをあらかじめ設定された混合比で低温液化ガス貯槽内に充填する方法であって、前記第一低温液化ガスを低温液化ガス貯槽内に導入し、該低温液化ガス貯槽に接続する経路及び低温液化ガス貯槽を予冷して貯槽内の蒸発ガスをパージ経路から排出する第一予冷工程と、第一予冷工程終了後の低温液化ガス貯槽内に前記第一低温液化ガスを導入し、あらかじめ設定された重量に到達するまで充填する第一充填工程と、前記第二低温液化ガスを供給する経路に当該第二低温液化ガスを供給して予冷パージ経路から排出することにより前記第二低温液化ガスを供給する経路をあらかじめ冷却する第二予冷工程と、前記第一充填工程及び前記第二予冷工程終了後に、前記パージ経路を遮断して前記低温液化ガス貯槽を密閉系とした状態で該低温液化ガス貯槽に導入するガスを前記第二低温液化ガスに切り換えてあらかじめ設定された重量に到達するまで第二低温液化ガスを低温液化ガス貯槽に充填する第二充填工程とを含むことを特徴とする低温液化混合ガス充填方法。
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