JP4318011B2 - 基板処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル基板、半導体ウエハ、磁気ディスク基板、光ディスク基板等、ガラス,半導体,樹脂,セラミックス,金属等や、それらの複合された基板表面に紫外光を照射して、洗浄,エッチング等の処理を行う紫外光照射による基板処理装置及び処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶パネルを構成するガラス等の透明基板を構成するTFT基板には、その表面に成膜手段により透明電極等のパターンが形成される。このような基板の製造工程においては、洗浄やエッチング等の処理が行われるが、これらの処理方式としては、所定の処理液を塗布乃至噴射して行うウエットプロセス方式で行うのが一般的である。しかしながら、近年においては、紫外光を照射することによりドライプロセスでも、洗浄やエッチング等の処理が行われるようになってきている。
【0003】
例えば、特開平5−224167号公報においては、液晶パネルのガラス基板の洗浄方法として、洗浄液を用いたウエットプロセスを行うに先立って、基板に紫外光を照射することによって、より効率的な洗浄を行えるようにしたものが開示されている。この公知の洗浄方法では、洗浄液を噴射して基板を洗浄する前工程として、基板の表面に低圧水銀ランプからの紫外光を照射することによって、基板の表面に付着している有機物を化学的に除去すると共に、この表面の濡れ性を改善して、即ち接触角が小さくすることにより、シャワー等による洗浄時に無機物の汚れを効率的に取り除くようにしている。ここで、低圧水銀ランプから照射される紫外光は、その波長が概略185nm及び254nmにピークを持つものであり、このようなピーク波長特性を有する紫外光により基板表面に付着した有機物を除去することができる。この有機物洗浄のメカニズムとしては、紫外光の照射エネルギで有機物を構成する化学結合を分解することにより低分子化させると共に活性化させる。また、これと同時に、空気中の酸素が紫外光を吸収することによりオゾンが発生することになり、さらにこのオゾンが活性酸素に変換されることから、活性化した有機汚染物は、この活性酸素との酸化分解反応により最終的にはCOX ,H2 O,NOX 等の揮発物質に変換されて空気中に放出されるようにして除去される。
【0004】
ところで、低圧水銀ランプから照射される紫外光の波長は短波長側で185nmであるので、基板に付着している有機物であっても、2重結合等のように化学結合エネルギーの強いものを分解できない場合がある。従って、基板をより完全に洗浄するには、さらに短い波長の紫外光を照射しなければならない。そこで、誘電体バリア放電ランプを用い、この放電ランプから真空紫外光を基板表面に照射して、ワークをドライ洗浄する方式が特開平7−196303号公報に提案されている。
【0005】
ここで、この特開平7−196303号公報の洗浄方式は、真空紫外光による光化学反応により活性酸化性分解物を生じさせて、基板の表面に付着している有機汚染物を除去するようにするものである。つまり、誘電体バリア放電ランプから172nmの波長の紫外光で有機物を構成する化学結合を分解することにより低分子化させると共に活性化させる。また、これと同時に空気中の酸素が紫外光で分解されて活性酸素に変換させることから、活性化した有機汚染物は、この活性酸素との酸化反応により最終的にはCOX ,H2 O,NOX 等の揮発物質に変換され空気中に放出されるように除去され、基板の接触角を小さくするようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空気中の酸素を分解する際、紫外光が消費されるために、空気層が厚くなると基板表面に到達する紫外光が指数関数的に減衰し、基板表面の有機物の活性化能力及び基板表面近傍での活性酸素の発生能力が低下し、有機物除去能力も著しく低下するという欠点がある。また、酸素を含む流体に真空紫外光を照射することにより生成されるのは、活性酸化性分解物であり、従って基板の表面に付着している有機物とは酸化反応しか生じることはないので、基板表面から除去できる有機物の種類等によっては効率的に除去できない場合がある等といった問題点もある。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基板の表面における洗浄等の処理精度及び処理効率を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本願発明による基板処理装置の構成としては、一端が基板搬入口で、他端側が基板搬出口となった処理チャンバを構成するハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、誘電体バリア放電ランプを装着したランプハウスと、前記ハウジング内において、前記ランプハウスに対向配設され、上端が開口し、内部に純水を貯留した水槽と、前記ハウジングの内部から酸素を排除して、不活性ガスと水蒸気との混合気体により置換させて、前記誘電体バリア放電ランプからの紫外光を照射することにより、水蒸気を分解して還元性の活性種[H・]と酸化性の活性種[・OH]とを生成する領域を形成するために、水槽内に装着され、不活性ガスの吹き出し口を有する不活性ガス供給手段と、前記ランプハウスと前記水槽との間に設けられ、前記基板搬入口から搬入された被処理基板が前記領域を通過して、前記基板搬出口から搬出するように搬送する基板搬送経路とを備える構成としたことをその特徴とするものである。
【0009】
ここで、誘電体バリア放電ランプを収容するランプハウスは、処理チャンバを構成するハウジング内に設けられ、このハウジングの内部は、不活性ガス供給手段から水槽を介して不活性ガスと水蒸気とが供給されて、酸素が排除されて、実質的に酸素が存在しない雰囲気とすることができる。また、ランプハウスの内部は不活性ガスの雰囲気下に置かれるが、ランプハウスそのものは、基板搬送経路に沿って搬送される基板に対向する側を開口させることもでき、またこの基板への対向面には合成石英ガラス等からなり、紫外光を透過させる窓ガラスを装着することにより閉鎖するようにしても良い。
【0010】
ランプハウスの内部及び不活性ガス供給手段により水槽内に供給される不活性ガスは、価格や取り扱い性等の点から窒素ガスを用いるのが望ましい。そして、不活性ガス供給手段の具体的な構成としては、例えばパイプ等から構成され、水槽内の純水に浸漬させ、周胴部に複数の吹き出し口を穿設した不活性ガス流出配管で構成することができる。さらに、不活性ガス供給手段は、独自の経路から不活性ガスを供給するようにしても良いが、処理チャンバを構成するハウジングに排気管を接続し、この排気管の他端をポンプに接続し、またこのポンプの吐出側に不活性ガス供給手段を接続する構成とすれば、不活性ガスの消費量を低減することができる。なお、不活性ガスの供給流量を制御することによって、湿度を制御することができる。また、水槽に給水管を接続すると共に、この水槽内の所定の高さ位置に開口する溢出用の排水管を設けるようにすれば、純水は常に流動状態に保持されて、澱み等がなくなるので、細菌等の繁殖を防止できる。一方、給水管の他端は、前記水槽よりも高所に位置する給水タンクに接続する構成するのが望ましい。また、基板搬送手段は、ランプハウスの配設部を含めて、所定のピッチ間隔を置いて設けたローラコンベアで構成することができる。
【0011】
次に、本願発明の基板処理方法において、第1の発明は、処理チャンバ内に不活性ガス供給手段から不活性ガスと水蒸気とを供給することによって、この処理チャンバ内を不活性ガスと水蒸気との混合雰囲気として、この処理チャンバ内に被処理基板を水平搬送し、この被処理基板に対して誘電体バリア放電ランプから照射される紫外光を照射することによって、被処理基板表面に付着する有機物を分解し、かつ水蒸気を分解して、還元性の活性種[H・]及び酸化性の活性種[・OH]を生成させ、これら活性種[H・],活性種[・OH]を有機物の分解生成物と反応させることを特徴としている。
【0012】
また、第2の発明としては、処理チャンバ内に不活性ガス供給手段から不活性ガスと水蒸気とを供給することによって、この処理チャンバ内を不活性ガスと水蒸気との混合雰囲気として、この処理チャンバ内に被処理基板を水平搬送し、この被処理基板に対して誘電体バリア放電ランプから紫外光を照射することによって、被処理基板表面に付着する有機物を分解し、かつ水蒸気を分解させて還元性の活性種[H・]及び酸化性の活性種[・OH]を生成させ、これら活性種[H・],活性種[・OH]を有機物の分解生成物と反応させることにより被処理基板表面をドライ洗浄すると共に接触角を小さくするようになし、次いでこの被処理基板に洗浄液を供給することによりウエット洗浄を行い、さらにこのウエット洗浄後の被処理基板を乾燥させることをその特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1及び図2に本発明の基板処理装置に用いられる誘電体バリア放電ランプ(以下、単に放電ランプという)の概略構成を示す。図中において、1は放電ランプを示し、この放電ランプ1は共に石英ガラスで一体的に形成した内管部2と外管部3とからなり、円環状の石英ガラス管4を有し、この石英ガラス管4の内部は密閉された放電空間5となっている。内管部2の内側には円筒状の金属板からなる金属電極6がこの内管部2に固着して設けられている。また、外管部3の外周面には、金網電極7が設けられている。そして、これら金属電極6と金網電極7との間に交流電源8が接続されている。さらに、内管部2の内側には、金属電極6を冷却するための冷却用流体(例えば冷却水)の通路として利用される。
【0015】
石英ガラス管4の内部には放電ガスが封入されており、金属電極6と金網電極7との間に交流の高電圧を印加すると、内管部2と外管部3との誘電体間に放電プラズマ(誘電体バリア放電)が発生し、この放電プラズマにより放電ガスの原子が励起されて、エキシマ状態となる。そして、このエキシマ状態から基底状態に戻る際に、エキシマ発光が生じる。この時の発光スペクトルは、石英ガラス管4内に封入された放電ガスにより異なるが、キセノン(Xe)ガスを用いると、172nmに中心波長を持つ単色光の発光となる。また、アルゴン(Ar)ガスを放電ガスとして用いれば、発光波長の中心はさらに短い126nmとなる。そして、金属電極6は反射板として機能し、また金網電極7は実質的に透明電極として機能するから、この短波長の紫外光は外管部3側から照射される。なお、この場合のキセノンガスの封入圧は、例えば350Torr程度とする。
【0016】
次に、以上の放電ランプ1を用いて、例えば液晶表示パネルを構成する透明基板の洗浄装置の概略構成を図3に示す。同図において、10は洗浄される基板であり、この基板10は搬送手段として、例えばローラコンベア11により同図に矢印で示した方向に搬送されるようになっており、この間にその表面がドライ洗浄されるようになっている。基板10に対してドライ洗浄するために、ローラコンベア11による搬送経路の所定の位置において、このローラコンベア11で搬送される基板10に対面するようにランプハウス12が設置されている。
【0017】
ランプハウス12は下端が開口した容器からなり、内部には1乃至複数の放電ランプ1(図面では3個の放電ランプ)が設けられている。ここで、ランプハウス12の下端部は基板10の表面に対して非接触状態で対面しており、ローラコンベア11により搬送される基板10の高さを調整することによって、その表面とランプハウス12との隙間が制御される。ランプハウス12には、その上部に不活性ガスとしての窒素ガス(N2 ガス)を乾燥状態で供給する窒素ガス供給管13が接続されており、従ってランプハウス12内には所定の圧力でドライ窒素ガスが供給され、内部は酸素を含まない雰囲気下に置かれる。これによって、放電ランプ12から照射される紫外光は、基板10の表面近傍に至るまでできるだけ減衰しないようになされる。
【0018】
ランプハウス12の開口部を覆い、かつローラコンベア11の下部にまで延在させるようにして処理チャンバを構成するハウジング14が形成されている。ハウジング14は、その一端側が基板10の搬入口14aとして開口し、他端は搬出口14bとして開口している。また、ハウジング14におけるローラコンベア11の配設位置より下部側は純水が所定レベルにまで貯留されている水槽15を構成する。水槽15は単に純水を貯留するだけでなく、常に新鮮な純水を供給するために、給水管16と排水管17とが水槽15に接続されている。給水管16の他端は水槽15より高所に配置した供給タンク18に接続されており、従って水頭圧により水槽15に給水がなされる。また、排水管17は水槽15内の所定のレベル位置に開口しており、この水槽15内の液レベルがこの排水管17の先端開口位置にまで上昇すると、この排水管17内に溢出することになる。従って、水槽15内の純水は常に一定の高さレベルに保持される。
【0019】
図中において、19は不活性ガス供給手段を構成する窒素ガス供給パイプであり、この窒素ガス供給パイプ19の先端における所定の長さ分は水槽15における純水15の液面下に浸漬させるようにしている。そして、この窒素ガス供給パイプ19のうち、水槽15内に浸漬させた部分の周胴部に多数の微細な孔からなる吹き出し口が開口している。従って、この窒素ガス供給パイプ19に所定の圧力で窒素ガスが供給されると、この窒素ガス供給パイプ19における水槽15の液面下では窒素ガスが発泡状態となって浮上することになり、その間に水蒸気を発生させて、水蒸気により加湿される。これによって、水槽15の液面上の位置には水蒸気を含んだ窒素ガス雰囲気下に置かれる。
【0020】
窒素ガス供給パイプ19への窒素ガスの供給は、ハウジング14の内部から行われる。このために、ハウジング14の壁面には循環用配管20が接続されており、この循環用配管20の他端はポンプ21に接続されている。そして、窒素ガス供給パイプ19は、このポンプ21の吐出側に接続されている。従って、ポンプ21を作動させると、ハウジング14内の窒素ガスが循環用配管20から吸い込まれて、窒素ガス供給パイプ19内に供給される。また、ハウジング14には排気管22が接続されており、この排気管22の途中には圧力制御弁23が設けられており、ハウジング14内の圧力がこの圧力制御弁23の設定圧を越えると、ハウジング14内の余分な窒素ガスが排出されることになり、その結果ハウジング14の内部は常にほぼ一定の圧力状態に保持される。
【0021】
而して、ランプハウス12内はドライ窒素雰囲気下に置かれ、またランプハウス12の内部を除くハウジング14内の雰囲気は窒素と水蒸気とを含み、しかも実質的に酸素が存在しない雰囲気となる。このために、窒素ガス供給管13から供給される窒素ガスによりランプハウス12の内部を大気圧より高くする。ランプハウス12の下端部は開口していることから、このランプハウス12内に供給される圧力によりハウジング14内も大気圧より高い状態に保持される。ただし、ハウジング14には、ハウジング14には排気管22が接続されており、この排気管22によりハウジング14の内圧がランプハウス12内の圧力と大気圧との間の圧力状態に保持されるようになっている。その結果、常にランプハウス12側からハウジング14内に向けての流れが形成されることになり、ランプハウス12の内部はドライ状態に保持でき、水蒸気が入り込むことは少ない。また、ハウジング14の内部も大気圧より高い圧力状態に保持されているので、搬入口14a,搬出口14bを介して外部からハウジング14内に空気が入り込むおそれもない。
【0022】
以上のように構成することによって、放電ランプ1を点灯させたランプハウス12の内部にドライ状態の窒素ガスを供給し、かつハウジング14内は窒素ガスと水蒸気との混合流体が充満した状態とする。そして、基板10をローラコンベア11により搬送させて、ハウジング14の搬入口14aからハウジング14内に導き、このハウジング14内で所定の速度で搬送する。この間に基板10はランプハウス12の下部を通過するが、この時に放電ランプ1から短波長の紫外光が基板10の表面に照射されて、その表面から洗浄されて有機汚染物が除去され、かつ接触角も低下することになる。
【0023】
而して、基板10の表層部乃至その近傍には窒素ガスと水との混合流体が存在しており、放電ランプ1から照射される紫外光の作用によって、水が放射線の作用で分解されることになり、その結果として、還元性の活性種[H・]と酸化性の活性種[・OH]とが生成される。従って、短波長の紫外光の照射エネルギにより基板10の表面に付着する有機物質からなる汚染物が分解されるが、このようにして分解されて低分子化した汚染物は水の分解による生成物によって還元反応と酸化反応とが開始することになる。つまり、基板10の表面及びその近傍では、単に酸化反応によるだけでなく、還元反応も生じることから、紫外光により分解された有機物は迅速かつ確実に揮発物質に変換される。そして、この揮発物質は、ハウジング14から排気管22を経て外部に放出される。これによって、基板10の表面ドライ洗浄が行われ、有機汚染物が除去される。しかも、水蒸気の存在下で短波長の紫外光を基板10に照射することにより、基板10の表面における接触角が小さくなる。
【0024】
ここで、基板10の表面がランプハウス12と対面した時に、水蒸気と窒素ガスとの混合流体は、この基板10の表面において薄い厚みを有する層として形成される。この混合流体の層の厚みはランプハウス12内の圧力とそれ以外のハウジング14内の圧力との差圧により変化する。ハウジング14に接続した排気管22には圧力制御弁23が設けられているので、ランプハウス12内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給管13からの供給圧力を一定にしておき、圧力制御弁23の設定圧を調整することによって、前述した差圧を常に一定に保つことができる。ここで、放電ランプ1と基板10との間における水蒸気と窒素ガスとの混合流体層の厚みが必要以上厚くなると、紫外光の吸収度合いが大きくなり、基板10の表面に対する作用が小さくなる。また、混合流体層の厚みが薄過ぎると、分解生成物の量が少なくなる。従って、圧力制御弁23の設定圧を適正なものとすることによって、基板10の表面ドライ洗浄の効率を高めることができる。このことは、窒素ガス供給管13を流れるドライ窒素ガスの流量、排気管22を流れる水蒸気を含む窒素ガスの流量を制御することによっても可能である。
【0025】
基板10のドライ洗浄は以上のようにして行われ、その結果基板10の表面から有機汚染物を除去して表面における接触角を低下させることができる。この基板10のドライ洗浄の後には、例えば図4に模式的に示した工程を経ることになる。つまり、図4において、30は前述した窒素ガスと水蒸気との混合流体の雰囲気下で放電ランプ1から紫外光を照射して行うドライ洗浄工程であるが、さらにこのドライ洗浄工程30の後続の工程としては、ウエット洗浄工程31が設けられ、さらにウエット洗浄工程31に続く工程としては乾燥工程32である。これによって、基板10の表面を完全に清浄化することができる。
【0026】
而して、図示したウエット洗浄工程31では、シャワー31aから噴射される超音波加振した純水により基板10の表面に付着する無機物の汚染物質が除去される。ここで、このウエット洗浄工程31では、シャワー洗浄以外にも、例えばブラシ等を用いたスクラブ洗浄や、超音波洗浄槽内に浸漬して行うディッピング洗浄等があり、これらの洗浄方式のいずれか1種類でも良いが、複数種類の洗浄方式を組み合わせるようにすることもできる。これによって、基板10の表面から有機物及び無機物からなる汚染物質はほぼ完全に取り除かれて、基板10は極めて清浄な状態になるまで洗浄される。また、乾燥工程32における乾燥方式としては、例えばスピン乾燥方式等もあるが、図示したものにあっては、エアナイフノズル32aを用いたエアナイフ効果による乾燥方式が示されている。これによって、基板10は完全に洗浄・乾燥がなされる。
【0027】
また、ウエット洗浄及び乾燥を先に行い、ドライ洗浄をその後に行うことも可能である。例えば、現像液等の塗布工程の前処理とする場合においては、まずウエット洗浄により基板10の表面から汚染物質を除去する。そして、一度このようにして洗浄した基板10を乾燥させ、さらにドライ洗浄を行うようにする。このドライ洗浄を行うことによって、基板10の表面状態、つまり接触角の改善を行うことができる。その結果、後続の工程である現像液等の塗膜をむらなく均一に塗布することができるようになる。
【0028】
なお、前述した実施の形態においては、ランプハウスの基板への対面側を開口させるように構成したが、例えば図5に示したように、放電ランプ1をランプハウス112で完全に覆うようになし、このランプハウス112の基板10と対面側に合成石英ガラス等からなる紫外光の透過性が良好な窓ガラス112aを装着する。このような構成を有するランプハウス112を用いると、ランプハウス112内に封入される不活性ガスは外部に漏れないことから、不活性ガスの使用量を低減することができる。そして、このランプハウス112の窓ガラス112aに対向する位置に水槽115を設け、この水槽115に窒素ガス供給パイプ119の吹き出し口を設けた部分を浸漬させる。従って、この窒素ガス供給パイプ119内に窒素ガスを供給すると、水槽115内で水蒸気を含んだ湿潤な窒素ガスの気泡が発生することになるので、窓ガラス112aと基板10との間に不活性ガスである窒素と水蒸気との混合流体の雰囲気が与えられる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、基板の表面及びその近傍に不活性ガスと水蒸気との混合流体介在させることにより、基板表面に付着している汚染物質のうち、酸化反応により除去できるものだけでなく、還元反応による汚損物質の除去作用も発揮することから、有機汚染物質を迅速かつ効率的に分解除去することができ、かつ基板表面における接触角の改善を図ることができ、また外部に加湿ガス供給装置を設ける必要がないことから、装置全体の小型化を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置に用いられる放電ランプの一例としての誘電体バリア放電ランプの構成説明図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】誘電体バリア放電ランプを用いて基板の洗浄を行うための装置の概略構成図である。
【図4】基板の洗浄・乾燥工程を模式的に示す説明図である。
【図5】放電ランプを用いて基板の洗浄を行うための装置の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 誘電体バリア放電ランプ 10 基板
11 ローラコンベア 12,112 ランプハウス
13 窒素ガス供給管 14 ハウジング
15,115 水槽 16 給水管
17 排水管 18 供給タンク
19,119 窒素ガス供給パイプ 20 循環用配管
21 ポンプ 22 排気管
23 圧力制御弁 30 ドライ洗浄工程
31 ウエット洗浄工程 32 乾燥工程

Claims (12)

  1. 一端が基板搬入口で、他端側が基板搬出口となった処理チャンバを構成するハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、誘電体バリア放電ランプを装着したランプハウスと、
    前記ハウジング内において、前記ランプハウスに対向配設され、上端が開口し、内部に純水を貯留した水槽と、
    前記ハウジングの内部から酸素を排除して、不活性ガスと水蒸気との混合気体により置換させて、前記誘電体バリア放電ランプからの紫外光を照射することにより、水蒸気を分解して還元性の活性種[H・]と酸化性の活性種[・OH]とを生成する領域を形成するために、水槽内に装着され、不活性ガスの吹き出し口を有する不活性ガス供給手段と、
    前記ランプハウスと前記水槽との間に設けられ、前記基板搬入口から搬入された被処理基板が前記領域を通過して、前記基板搬出口から搬出するように搬送する基板搬送経路と
    を備える構成としたことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記ランプハウスは、前記基板搬送経路に沿って搬送される前記被処理基板の表面に向けて開口させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記ランプハウスの前記基板搬送経路により搬送される前記被処理基板への対向面には紫外光を透過させる窓ガラスを装着する構成としたことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  4. 前記不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記不活性ガス供給手段は、前記水槽内の純水に浸漬させ、周胴部に複数の吹き出し口を穿設した不活性ガス流出配管を備える構成としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 記ハウジングには排気管を接続し、この排気管の他端をポンプと接続し、かつこのポンプの吐出側に前記不活性ガス供給手段を接続する構成としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 前記水槽には、給水管を接続すると共に、この水槽内の所定の高さ位置に開口する溢出用の排水管を設ける構成としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 前記給水管の他端は、前記水槽よりも高所に位置する給水タンクに接続する構成としたことを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
  9. 前記基板搬送経路は、前記ランプハウスの配設部を含めて、所定のピッチ間隔を置いて設けたローラコンベアで構成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の基板処理装置。
  10. 前記被処理基板はガラス基板、樹脂基板、金属基板のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の基板処理装置。
  11. 処理チャンバ内に不活性ガス供給手段から不活性ガスと水蒸気とを供給することによって、この処理チャンバ内を不活性ガスと水蒸気との混合雰囲気として、この処理チャンバ内に被処理基板を水平搬送し、この被処理基板に対して誘電体バリア放電ランプから照射される紫外光を照射することによって、被処理基板表面に付着する有機物を分解し、かつ水蒸気を分解して、還元性の活性種[H・]及び酸化性の活性種[・OH]を生成させ、これら活性種[H・],活性種[・OH]を有機物の分解生成物と反応させることを特徴とする基板処理方法。
  12. 処理チャンバ内に不活性ガス供給手段から不活性ガスと水蒸気とを供給することによって、この処理チャンバ内を不活性ガスと水蒸気との混合雰囲気として、この処理チャンバ内に被処理基板を水平搬送し、この被処理基板に対して誘電体バリア放電ランプから紫外光を照射することによって、被処理基板表面に付着する有機物を分解し、かつ水蒸気を分解させて還元性の活性種[H・]及び酸化性の活性種[・OH]を生成させ、これら活性種[H・],活性種[・OH]を有機物の分解生成物と反応させることにより被処理基板表面をドライ洗浄すると共に接触角を小さくするようになし、次いでこの被処理基板に洗浄液を供給することによりウエット洗浄を行い、さらにこのウエット洗浄後の被処理基板を乾燥させることを特徴とする基板処理方法。
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