JP4317848B2 - 成形金型用クリーニング材及びクリーニング方法 - Google Patents
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Description
従来のクリーニング樹脂によるクリーニング方法は、樹脂封止しようとするリードフレーム、又は安価な金属や紙製のダミーのリードフレームを金型内にセットしてクリーニング樹脂をポットから充填する方法や、クリーニング樹脂をパーティング面に置いて型締、加熱する方法である。
しかしながら、上記の従来の金型クリーニング方法には、次のような課題がある。樹脂封止しようとするリードフレームやダミーのリードフレームを金型内にセットしてクリーニング樹脂をポットから充填する方法では、金型内にセットするリードフレームやダミーのリードフレームは1回クリーニングに使用されるとクリーニング樹脂により樹脂成形(封止)されるので、再使用することができない。従って、クリーニングの都度リードフレームやダミーのリードフレームを使用するため、不経済であるという問題があった。
また、リードフレームや金属製のダミーのリードフレームを用いた場合、クリーニング後の成形物を産業廃棄物として廃棄する際に、樹脂と金属とを分離する必要があり、且つ該分離が困難であるという問題があった。
これらの問題を解決するために、リードフレームやダミーのリードフレームを使用せず、クリーニング樹脂を直接金型間で加熱溶融させて硬化させることによりクリーニングが可能なコンプレッションタイプのクリーニング方法が用いられているが、クリーニング樹脂の配置に時間がかかる他、樹脂漏れやチッピングの発生により1サイクルのクリーニング時間が長くなり、その結果トータルクリーニング時間が長くなるという問題があった。
そこで、このような問題を解決する方法として、特開平7−304044号公報には、シート又はテープ状の基材にクリーニング樹脂を予備成形して一体化させたクリーニング材を用いたクリーニング方法が提案されている。
しかしながら、上記公報に記載の方法は、シート又はテープ状の基材にエポキシ樹脂又はメラミン樹脂等のクリーニング樹脂を予備成形したクリーニング材を用いるものであるため、基材に予備成形する方法が低温加圧成形(打錠:タブレット)の場合には、基材に予備成形することが難しく、打錠できたとしても粉立ちが多く、輸送時に型くずれする等の問題があり、基材に予備成形する方法が溶融付着の場合には、基材に溶融付着させることが難しく、溶融付着できたとしてもクリーニング樹脂を配置するために受ける熱履歴によりクリーニング樹脂の流動性が悪くなるため金型の隅々までクリーニング樹脂が充填されずクリーニングが不十分になること、さらに、基材とクリーニング樹脂との一体化を容易にするために基材に貫通孔を設けたことによる基材の強度低下等の問題があった。
また、ICパッケージ等の電子デバイスの多様化に伴い、これらの成形用金型も多様化しており、金型キャビティの位置にクリーニング樹脂を適宜配置することは非常に困難である。
さらに、クリーニング方法として予備成形したクリーニング樹脂を金型キャビティの位置に応じて配置しなければならず、作業性に問題があった。
また、本発明では、前記クリーニング部材と共に、成形部材を内包した成形金型用クリーニング材を使用することを提案している。これにより、前記効果がさらに向上する。
また、本発明では、前記シート状基材が、気孔容積率が70%以上のシート状繊維基材であり、且つ、該シート状繊維基材が、成形金型用クリーニング材の最外層に用いられている成形金型用クリーニング材を使用することを提案している。これにより、前記効果を奏すると共に、さらにクリーニング基材の強度を落とすことなくクリーニング部材及び成形部材が金型の隅々まで行き渡るとの効果を奏する。
図2は、実施例2のシート状クリーニング材Bの断面図及び平面図である。
図3は、実施例3のシート状クリーニング材Cの断面図及び平面図である。
図4は、比較例1のクリーニング材Dの断面図及び平面図である。
図5は、実施例4のシート状クリーニング材Eの断面図及び平面図である。
図6は、実施例5のシート状クリーニング材Fの断面図及び平面図である。
図7は、実施例6のシート状クリーニング材Gの断面図及び平面図である。
図8は、実施例7のシート状クリーニング材Hの断面図及び平面図である。
図9は、実施例8のシート状クリーニング材Iの断面図及び平面図である。
図10は、実施例9のシート状クリーニング材Jの断面図及び平面図である。
図11は、実施例10のシート状クリーニング材Kの断面図及び平面図である。
図12は、実施例11のシート状クリーニング材Lの断面図及び平面図である。
図13は、実施例12のシート状クリーニング材Mの断面図及び平面図である。
図14は、実施例13のシート状クリーニング材Nの断面図及び平面図である。
図15は、実施例14のシート状クリーニング材Oの断面図及び平面図である。
図16は、実施例15のシート状クリーニング材Pの断面図及び平面図である。
これら基材は、燃焼処理等の廃棄処理の容易性を考慮すると、紙、木綿などで構成されたものが好ましく、糸状の部材を編んで形成されたメッシュ等も好適に使用される。
これら基材の例としては、例えばベンリーゼ(登録商標)PO500、BA832、832R、BA112、112R、RB119、142、149、839(以上旭化成工業株式会社製)、例えばエクーレ(登録商標)6301A、6401A、6501A、6601A、6701A、6A01A、ボランス(登録商標)4050P、4061P、4080P、4081P、4091P、7093P、7121P(以上東洋紡績株式会社製)、例えばミラクルクロス(登録商標)DF−1−73、DF−5−100、アピタス(登録商標)RPN5−60SA、LS−70(以上大和紡績株式会社製)、例えばマリックス(登録商標)10606WTD、70500WSO、90403WSO、20451FLV、20707WTA、70600WTO、ナイエース(登録商標)PO703WTO、ウィウィ(登録商標)RO405WTO、RO705WTO(以上ユニチカ株式会社製)、例えばキノクロス(登録商標)KS40、K60、K70、パルクロス(登録商標)P40、P60(以上王子キノクロス株式会社製)、例えばパネロン(登録商標)2610、270、6810、K550、5130、S30オフ、3700、RF860、7330GP、5140、5150、5160、FT500、FT800、TO510、IH250(以上ダイニック株式会社製)、例えばオイコス(登録商標)AP2050、AP2060、AP2080、AP2120、AM2060、AK2045、TDP2050、TDP2060(以上日清紡績株式会社製)、例えば4000CR、PS−750CR、8890CR、WE−60CR、H−8010E、JH−3003N、HP21、HP55(以上日本バイリーン株式会社製)が挙げられる。
前記シート状繊維基材としては、気孔容積率70%以上のもの、特に気孔容積率80〜100%のものが好ましく、該気孔容積率70%以上のシート状繊維基材は、クリーニング材の最外層に用いることが好ましい。斯かる気孔容積率70%以上のシート状繊維基材としては、ベンリーゼ(登録商標)PO500、BA832、832R、BA112、112R、RB119、142、149、839(以上旭化成工業株式会社製)、エクーレ(登録商標)6301A、6401A、6501A、6601A、6701A、6A01A、ボランス(登録商標)4050P、4061P、4080P、4081P、4091P、7093P、7121P(以上東洋紡績株式会社製)、パネロン(登録商標)2610、270、6810、K550、5130、S30オフ、3700、RF860、TO510、IH250(以上ダイニック株式会社製)、オイコス(登録商標)AP2050、AP2060、AP2080、AM2060、AK2045、TDP2050、TDP2060(以上日清紡績株式会社製)、HP21、HP55(以上日本バイリーン株式会社製)等が挙げられる。
これらのシート状繊維基材は多数の貫通孔を開けることなく、金型の隅々までクリーニング部材及び成形部材を行き渡らせることが可能である。又、孔を開けないことから、クリーニング終了後の取り出しの際にも強度が有るので裂けたり、ちぎれたりすることが無い。
これら基材は単独又は組み合わせて使用することができる。例えば、薄手タイプを2枚一組として、一枚として用いたり、厚手タイプを中心にして、薄手タイプを上下に配置したりすることができる。又、流動性を考慮して外側に配置する基材にはメッシュサイズの大きいタイプを、内側にはメッシュサイズの小さいタイプを配置することもできる。
これら基材の大きさは特に定めるものではないが、金型面積より大きめのサイズを用いる方が良い。これはエアベント部等のクリーニングに際し樹脂漏れしても余白部分で吸収でき、溢れ出た樹脂の清掃に多大な時間を要することを回避するためである。
これら余白部分の長さは、基材と樹脂の組み合わせにより基材への樹脂の含浸性が異なるため特に定めるものではないが、クリーニング終了後の作業性等を考慮すると金型の端縁部より約5cm以上あったほうが良い。
これら基材は、タブレット状、顆粒状、粉状、シート状又は板状の少なくとも1種のクリーニング部材を内包するが、2枚の基材を張り合わせて内包することもできるし、金型面積の2倍以上の基材を袋状にして内包することもできる。
又、これら基材は、その一部または全部を熱可塑性樹脂フィルムや熱可塑性樹脂テープで被覆したものや、両面テープ、接着剤及び粘着剤等(以下、内包部材と略称することがある。)から選ばれる少なくとも1種の内包部材を貼り付けたものを用いることができる。
これら内包部材の被覆方法は特に定めるものではないが、一般的には基材と熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする方法、一定幅の熱可塑性樹脂テープを貼り付ける方法、熱可塑性樹脂フィルムの中心を適度の大きさにカットしたフィルムを基材とラミネートして被覆する方法等が挙げられる。
また、内包部材を使わずにシート状基材を圧着又は変形させることで接着することにより被覆することもできる。
内包する方法は、特に定めるものではないが、一例を挙げると、まず、1枚の熱可塑性樹脂フィルム被覆シート状基材の上に一定重量のタブレット状、顆粒状、粉状、シート状又は板状の少なくとも1種のクリーニング部材を置き、その上方より下方のシート状基材と同形状のシート状基材を被せることで作製される。
更に重ね合わされたシート状基材を、クリーニング部材がずれないようにヒートシールすることにより完了する。
なお、クリーニング部材が移動しないように適度の面積に区分したほうが、移送時、搬送時にクリーニング部材が偏ることがないので好ましい。
また、両面テープ、接着剤及び粘着剤等を適度の面積に貼り付けたシート状基材で内包することもできる。
これらの内包部材をシート状基材に貼り付けたり、ヒートシールしたりする場合は、最外側部分を二重にヒートシールすることが好ましい。このことにより、内側の内包部材が金型の熱により溶融してクリーニング部材が流れ出しても二重にしてあるため、外側の内包部材で止まり、樹脂漏れを防止することが出来る。
本発明で用いられるクリーニング部材の主原料はメラミン系樹脂である。
メラミン系樹脂は、メラミン等のトリアジン類をホルムアルデヒド等でメチロール化した樹脂であり、一般的にはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が用いられる。
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は一般的には水溶液の状態で製造され、水溶液を、例えば、スプレードライ等で乾燥させると粉状クリーニング部材が得られ、水溶液にパルプをブレンドした後、乾燥させると顆粒状物が得られ、粉状や顆粒状の形状樹脂を打錠してタブレット状クリーニング部材が得られる。
又、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂水溶液を、シート状基材に含浸させ、乾燥させるとシート状クリーニング部材となり、水溶液を、例えば、板状基材に含浸させ、乾燥させると板状のクリーニング部材を得る。
基材に含浸させる場合は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂水溶液の中に基材を通過させた後、乾燥させるだけでシート状又は板状のクリーニング部材を製造することが出来る。
基材への樹脂の含浸率は、例えば、基材の種類を変えたり、樹脂液濃度を調整したり、含浸させた樹脂液の絞り具合を調節したりすることにより目的とする含浸率にすることが出来る。
また、樹脂の硬化性や流動性を調整することにより基材への含浸率を調整することも出来る。
粉状、顆粒状のクリーニング部材は、他の添加剤(例えば、滑剤、鉱物質粉体、硬化触媒等)を添加した後、例えばニーダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等で均一に混合して得ることができ、タブレット状はこれらを打錠することで得られる。
製造されたシート状又は板状のクリーニング部材は、四角形、長方形、短冊形及びその他の形状に切って使用することができ、含浸率の高い部材は1乃至2枚程度、含浸率の低い部材は複数枚重ねて使用することも出来る。
又、部材を金型の形状にあわせて作製することや、キャビティおよびポット部に効率良く樹脂が充填されるように配置することが可能である。
これらシート状又は板状のクリーニング部材を用いることにより、特許文献1に記載の方法よりも金型に対して均一に樹脂を配置することが可能となり、キャビティ内への樹脂の未充填を防ぐことが出来る。
本成形金型用クリーニング材のクリーニング部材を内包する基材は、成形後には成形物の中に取り込まれるため、成形物の強度を向上させるフィラーと同様の効果がある。市販のクリーニング部材には、成形後の成形物強度を向上させるためにパルプを使用しているが、これをシート状基材に置き換えることによりフィラー間の結合力が強くなり、その結果、成形物強度は向上する。樹脂の浸透性は気孔容積率70%以上のシート状繊維基材を最外層に用いることにより解消させ、フィラーと基材を併用することにより、成形物強度はさらに向上する。
また、成形物の強度が向上することにより、従来金型汚れ成分と金型との結合力が成形物強度より強いために発生していたチッピングを防止することが可能となり、その結果、クリーニング性と併せて作業性も向上する。
本発明のクリーニング材は、タブレット状、顆粒状、粉状、シート状又は板状のクリーニング部材の他に未加硫の合成ゴム及び/又は天然ゴムを成形部材として内包することができる。
本発明に用いる合成ゴムとしては、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン重合体、スチレン−イソプレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン重合体、エチレン−α−オレフィン系重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体、水素化−スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これら未加硫の合成ゴム又は天然ゴムは、加熱溶融時に適度な粘弾性を示すので、金型を型締めした時にシート状基材を中心から上下の金型方向に移動させる重要な働きをする部材であり、この働きによりシート状基材を金型面に近い位置に配置させることが可能となり、キャビティのコーナーやエアベント等で発生するチッピングを軽減することが出来る。また、この働きはキャビティ内への樹脂の充填性についても向上させることが可能となるので、クリーニング樹脂の流動性不良やクリーニング時の圧力不足等から発生するキャビティ内への樹脂の未充填等の不具合についても解消することが出来る。
以下に実施例などを挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例などによりなんら限定されるものではない。
参考例1
メラミン480重量部とホルマリン(37%水溶液)522重量部を加熱反応し、公知の方法でメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を作り、得られた樹脂液にパルプ248重量部を加えて混練した後、減圧乾燥させてパルプ混入メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を製造した。得られた樹脂を剪断式の粉砕機で粗粉砕することによりメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の顆粒を得た。
参考例2
ムーニー粘度25のエチレン・プロピレン・ジエンゴムを加圧型ニーダーにより10分間素練りし、得られた塊状物を2軸押出機にて押出してシート状とした後、更に加圧ロールを用いて幅150mm、厚さ3mmの未加硫ゴムシートを得た。
参考例3
メラミン480重量部とホルマリン(37%水溶液)522重量部を加熱反応し、公知の方法でメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を作り、得られた樹脂液にパルプ248重量部を加えて混練した後、減圧乾燥させてパルプ混入メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末とした。
製造例1
参考例1で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂顆粒60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛1重量部をボールミルにて混合粉砕することにより金型洗浄用樹脂組成物を得た。
得られた金型洗浄用樹脂組成物を打錠機にて打錠することにより、タブレット状クリーニング部材▲1▼を得た。
製造例2
参考例1で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂顆粒60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛1重量部をナウターミキサーにて混合することにより顆粒状クリーニング部材▲2▼を得た。
製造例3
参考例1で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂顆粒60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛1重量部をボールミルにて混合粉砕することにより粉状クリーニング部材▲3▼を得た。
製造例4
参考例3で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛1重量部をボールミルにて混合粉砕することにより金型洗浄用樹脂組成物を得た。
得られた金型洗浄用樹脂組成物をL/D20で40mmの2軸押出機にてシリンダー温度80℃、Tダイ100℃、スクリュー回転数130rpmにて押出し、幅150mm、厚さ3mmの板状クリーニング部材▲4▼を得た。
製造例5
市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、粉末パルプ10重量部、安息香酸0.3重量部及びステアリン酸亜鉛0.7重量部をボールミルにて混合粉砕することにより金型洗浄用樹脂組成物を得た。
得られた金型洗浄用樹脂組成物を2枚のベンリーゼ BA−832に挟み込み、加熱プレス機を用いて120℃で30秒の条件で予備成形して幅150mm、長さ300mmのシート状基材の中央に幅150mm、長さ200mm、厚さ4mmの板状クリーニング部材を配置したシート状クリーニング部材▲5▼を得た。
製造例6
市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−260)100重量部を水100重量部に溶解し、その中に硬化触媒(日東理研工業株式会社製 キャタニットA)0.5重量部、湿潤剤(日本油脂株式会社製 ラピゾールA80)0.5重量部および離型剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 SH3771 OIL)0.7重量部を添加し混合することにより、金型洗浄用樹脂組成物の水溶液を得た。
ベンリーゼ RB−149を上記で得られた水溶液に含浸させ絞りロールを通過させた後に、スクリーン式熱風乾燥機を用いて100℃で乾燥させることにより、長さ200mm、幅150mmのシート状クリーニング部材▲6▼を得た。
製造例7
参考例3で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)100重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛1重量部をボールミルにて混合粉砕することにより金型洗浄用樹脂組成物を得た。
得られた金型洗浄用樹脂組成物をL/D20で40mmの2軸押出機にてシリンダー温度80℃、Tダイ100℃、スクリュー回転数130rpmにて押出し、幅100mm、厚さ1mmの板状クリーニング部材▲7▼を得た。
製造例8
市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−260)100重量部を水100重量部に溶解し、その中に硬化触媒(日東理研工業株式会社製 キャタニットA)0.5重量部、湿潤剤(日本油脂株式会社製 ラピゾールA80)0.5重量部および離型剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 SH3771 OIL)0.7重量部を添加し混合することにより、金型洗浄用樹脂組成物の水溶液を得た。
ベンリーゼ RB−149を上記で得られた水溶液に含浸させ絞りロールを通過させた後に、スクリーン式熱風乾燥機を用いて100℃で乾燥させることにより、長さ300mm、幅150mmのシート状クリーニング部材▲8▼を得た。
製造例9
市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−260)100重量部を水100重量部に溶解し、その中に硬化触媒(日東理研工業株式会社製 キャタニットA)0.5重量部、湿潤剤(日本油脂株式会社製 ラピゾールA80)0.5重量部および離型剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 SH3771 OIL)0.7重量部を添加し混合することにより、金型洗浄用樹脂組成物の水溶液を得た。
ベンリーゼ BA−112を上記で得られた水溶液に含浸させ絞りロールを通過させた後に、スクリーン式熱風乾燥機を用いて100℃で乾燥させることにより、長さ300mm、幅250mmのシート状クリーニング部材▲9▼を得た。
製造例10
参考例1で得られたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂顆粒60重量部、市販のメラミン樹脂(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレジンS−176)40重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.5重量部をボールミルにて混合粉砕することにより金型洗浄用樹脂組成物を得た。
得られた金型洗浄用樹脂組成物を打錠機にて打錠することにより、板状クリーニング部材▲10▼を得た。
製造例11
製造例10で得られた板状クリーニング部材▲10▼を粗砕機により粉砕した後、篩により微粉を除去して顆粒状クリーニング部材▲11▼を得た。
製造例12
ムーニー粘度15のエチレン・プロピレン・ジエンゴム100重量部および石油系炭化水素を主成分とするオイル10重量部を加圧ニーダーで10分間混練し、得られた塊状物を2軸押出機にて押出してシート状とした後、更に加圧ロールを用いて幅150mm、厚さ3mmのシート状成形部材▲12▼を得た。
製造例13
メラミン480重量部とホルマリン(37%水溶液)522重量部を加熱反応し、公知の方法でメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を作り、得られた樹脂液にパルプ120重量部、安息香酸0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.5重量部を加えて混練し、ペースト状クリーニング部材▲13▼を得た。
次に、熱可塑性樹脂フィルムによって区画された内側の部分に製造例1で得られたタブレット状クリーニング部材▲1▼を充填し、短軸両端からそれぞれ内側に50mmの部分を同様に熱可塑性樹脂フィルムで接着して、図1に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Aを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−1に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Aは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−1に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Bは良好な清掃効果を示した。
次に、ヒートシールによって区画された内側の3区画に製造例3で得られた粉体状クリーニング部材▲3▼を充填した後、端部をヒートシールすることによりシート状クリーニング部材を得た。
上記で得られたシート状クリーニング部材を、予め長さ300mm、幅250mmに裁断した2枚のシート状基材(東洋紡績株式会社製 ボランス4091P)の中央に配置するように挟み込み、端部をヒートシールにより接着して、図3に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Cを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−1に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Cは良好な清掃効果を示した。
比較例1
ベンリーゼ RB−149に複数の貫通孔を加工し、その両面に市販されているコンプレッションタイプのクリーニング部材(日本カーバイド工業株式会社製 ニカレットECR SW−7320)を再粉砕し、貫通孔の両側にクリーニング部材を加圧付着させることにより、図4に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Dを得た。
尚、図1〜4中、1はシート状基材、2はタブレット状クリーニング部材▲1▼、3は熱可塑性樹脂フィルム、4は顆粒状クリーニング部材▲2▼、5は粉状クリーニング部材▲3▼、6はヒートシール部、7はクリーニング部材(ニカレットSW−7320)、8は貫通孔である。
次に、熱可塑性樹脂フィルムによって区画された内側の部分に製造例1で得られたタブレット状クリーニング部材▲1▼を充填し、短軸両端からそれぞれ内側に50mmの部分を同様に熱可塑性樹脂フィルムで接着してシート状クリーニング部材を得た。
上記で得られたシート状クリーニング部材2枚の間に、予め長さ200mm、幅150mmに裁断した参考例2による未加硫ゴムシートをシート中央に配置するように挟み込み、端部を同様に熱可塑性樹脂フィルムにより接着して、図5に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Eを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−2に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Eは良好な清掃効果を示した。
次に、ヒートシールによって区画された内側の3区画に製造例2で得られた顆粒状クリーニング部材▲2▼を充填し、短軸両端からそれぞれ内側に50mmの部分をヒートシールしてシート状クリーニング部材を得た。
上記で得られたシート状クリーニング部材2枚の間に、予め長さ200mm、幅150mmに裁断した参考例2による未加硫ゴムシートをシート中央に配置するように挟み込み、端部をヒートシールにより接着して、図6に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Fを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−2に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Fは良好な清掃効果を示した。
次に、ヒートシールによって区画された内側の3区画に製造例3で得られた粉状クリーニング部材▲3▼を充填し、短軸両端からそれぞれ内側に50mmの部分をヒートシールしてシート状クリーニング部材を得た。
上記で得られたシート状クリーニング部材2枚の間に、予め長さ200mm、幅150mmに裁断した参考例2による未加硫ゴムシートをシート中央に配置するように挟み込み、端部をヒートシールにより接着して、図7に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Gを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−2に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Gは良好な清掃効果を示した。
尚、図5〜7中、11はシート状基材、21は未加硫ゴムシート、31はタブレット状クリーニング部材▲1▼、41は熱可塑性樹脂フィルム、51は顆粒状クリーニング部材▲2▼、61はヒートシール部、71は粉状クリーニング部材▲3▼である。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−3に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Hは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−3に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Iは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−3に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Jは良好な清掃効果を示した。
尚、図8〜10中、1aは板状クリーニング部材▲4▼、2aはシート状基材、3aは熱可塑性テープ、4aはシート状クリーニング部材▲5▼、41aはシート状クリーニング部材▲5▼のクリーニング樹脂部分、5aはシート状クリーニング部材▲6▼、6aはホットメルト型接着剤である。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−4に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Kは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−4に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Lは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−4に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Mは良好な清掃効果を示した。
尚、図11〜13中、1bは未加硫ゴムシート、2bはシート状基材、3bは熱可塑性テープ、4bは板状クリーニング部材▲7▼、5bはシート状クリーニング部材▲8▼、6bはシート状クリーニング部材▲9▼、7bは溶融接着部分である。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−5に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Nは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−5に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Oは良好な清掃効果を示した。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−5に記す。試験結果から判るように、シート状金型洗浄用クリーニング材Pは良好な清掃効果を示した。
比較例2
実施例13において、HP21(日本バイリーン株式会社製)の替わりにH−8010(日本バイリーン株式会社製)を用いることにより、図14に示すシート状金型洗浄用クリーニング材Qを得た。
得られたシート状金型洗浄用クリーニング材を用いたクリーニング試験結果を表−5に記す。
尚、図14〜16中、1cは板状クリーニング部材▲10▼、2cはシート状基材、3cは加熱溶融部分、4cは顆粒状クリーニング部材▲11▼、5cはシート状基材、6cはクリーニング部材▲13▼、7cはシート状成形部材▲12▼である。
A〜Qのシート状金型洗浄用クリーニング材を用いて下記の試験方法により金型清掃試験を実施した結果を表−1、表−2、表−3、表−4及び表−5に記す。
試験方法
市販のビフェニル系エポキシ樹脂成形材料(日立化成株式会社製 CEL−9200XU)を用い、TQFPの金型で500ショットの成形により金型の汚れを実現した。この汚れた金型を用いて、金型表面がきれいに清掃されるまでシート状金型洗浄用クリーニング材を繰り返し成形することにより評価を行った。
また、樹脂充填性については、12あるキャビティの上型側と下型側を合計した24カ所の内、樹脂が充填された箇所の割合で評価を行った。
さらに、チッピングについてはキャビティ内に発生したチッピングの個数で評価を行った。
Claims (7)
- 少なくとも2層のシート状基材にクリーニング部材及び成形部材を内包したシート状の成形金型用クリーニング材であって、上記クリーニング部材が、タブレット状、顆粒状及び粉状の少なくとも1種のクリーニング部材又はシート状若しくは板状のクリーニング部材であり、上記成形部材が、未加硫の合成ゴム及び/又は天然ゴムであり、上記クリーニング材の成形時に加硫化せずに加熱溶融するものであることを特徴とする成形金型用クリーニング材。
- シート状基材が、気孔容積率が70%以上のシート状繊維基材であり、且つ、該シート状繊維基材が、成形金型用クリーニング材の最外層に用いられている請求項1記載の成形金型用クリーニング材。
- 成形金型用クリーニング材の一部又は全部に、熱可塑性樹脂フィルム又はテープが積層されている請求項1又は2記載の成形金型用クリーニング材。
- 熱可塑性樹脂フィルム又はテープを用いてシート状基材を熱融着することにより、クリーニング部材及び成形部材を内包している請求項1〜3の何れかに記載の成形金型用クリーニング材。
- 両面テープ、接着剤及び粘着剤の少なくとも1種を用いてシート状基材を接着することにより、クリーニング部材及び成形部材を内包している請求項1〜3の何れかに記載の成形金型用クリーニング材。
- シート状基材を圧着又は変形させることで接着することにより、クリーニング部材及び成形部材を内包している請求項1〜3の何れかに記載の成形金型用クリーニング材。
- 請求項1〜6の何れかに記載の成形金型用クリーニング材を、加熱した金型内に挟み込み、一定時間加熱加圧して硬化させた後、クリーニング材を除去することを特徴とする成形金型のクリーニング方法。
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