JP4317799B2 - 管体の残留応力改善方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管体の残留応力を改善する方法に関する。
一般に腐食しにくい鉄鋼材料、例えばステンレス鋼などは表面に極めて薄い腐食膜が予め形成されており、該腐食膜が新たな腐食の進行を防いでいる。このような材料は、材料の性質、引張応力及び腐食環境のすべてが一定の条件を満たしたときに材料にき裂が発生し、そのき裂が時間と共に進展する応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking:SCC)という現象が発生することが知られている。
工場や発電所等のプラントの配管には腐食に強いオーステナイト系ステンレス鋼がよく使われている。オーステナイト系ステンレス鋼は表面が薄い酸化皮膜で覆われていて、この皮膜が保護しているため全面腐食の進行が非常に遅い。オーステナイト系ステンレス鋼で最も一般的でしかも耐食性の優れた材料として、JISの材料記号でSUS316と称する材料が挙げられる。SUS316は鉄に約18%のクロムと約12%のニッケルと約2.5%のモリブデンを混ぜた合金である。SUS316は合金成分が一様に混ざり合った安定な材料であるが、600℃程度に加熱すると材料中のクロムと鉄に含まれている炭素が結合してクロム炭化物(クロムカーバイド)として析出する鋭敏化という現象を起こす。さらにそこに大きな引張応力が作用することでSCCが発生することは早くから知られていた。
特にステンレス製の配管を溶接し継手を形成する場合、該ステンレス製の配管の溶接部近傍が溶接熱にて加熱されステンレス中の炭素がクロムと結合し、結晶粒界に沿ってクロムカーバイトとして析出する。すると前記結晶粒界近傍に沿ってステンレス中にクロム欠乏域ができ、耐食性が低下する。クロム欠乏域が発達した組織では、大きな引張応力が加わっていると、酸素濃度が高い場合、高温純水中(腐食性物質が含まれていない)であっても、結晶粒界に沿って局部的な腐食が発生し、それがSCCにまで発展していく。
前記SCCの原因である引張応力として、配管に直接付与される引張応力以外にも、溶接近傍部における溶接熱による加熱及びその後、急冷することで蓄積される引張状態の残留応力も含まれることが明らかになっている。また、引張状態の残留応力は溶接だけでなく、材料の冷間加工、機械切削等でも蓄積する。
以上の説明にも示したとおり、SCCの発生原因が材料(クロムカーバイドの析出による耐食性の低下)、環境(腐食性の環境)、応力(降伏点以上の引張応力)の全てが一定の条件を満たすことであるということは広く知られている。つまり、これら材料、環境、応力のSCC発生条件のうち少なくとも一つの条件を満たさないようにすればSCCの発生を防ぐことができるということである。
まず、材料を改善するものとしてステンレス中に含まれる炭素の含有量を減らすものが検討されている。前記ステンレス中の炭素含有量を減らすとクロムカーバイドの発生を抑えることができ、結果として鋭敏化することを抑えることが可能である。
また、管のSCCの条件を満たしている部分の残留応力を低減する又は残留応力を引張状態から圧縮状態にすることでもSCCを防ぐことが可能である。この引張状態の残留応力を低減又は圧縮状態にする方法の一つとして、高周波加熱残留応力改善法(Induction Heating Stress Improvement process、以下IHSI法という)が提案されている。このIHSI法は前記管のSCC条件を満たしている部分近傍の厚み方向に温度勾配ができるように、管内面を流水により冷却しながら外面側から高周波誘導加熱コイルを利用して誘導加熱で昇温した後、加熱を停止し、配管の厚み方向が略均一な温度となるまで内面に水を流すことで冷却し続け、結果として溶接部近傍の引張状態の残留応力を低減又は圧縮状態にするものである。このとき、加熱終了時に管外周面と管内周面との間には一定以上の温度差が必要である。
レーザ加熱を利用したSCC対策方法としては、表面を溶融・凝固あるいは固溶化処理温度以上に加熱し、粒界に析出した炭化物を固溶させる手法が提案されている。また、固溶体化処理(脱鋭敏化処理)を行うと同時に、残留応力を低減する面とは反対の面を溶融・凝固させる方法や固溶体化温度以上に加熱する方法も提案されている。
また、残留応力の改善方法としては無数の金属の球を高速度で残留応力を改善したい場所に衝突させることで、該残留応力を改善するショットピーニング法等も提案されている。
また、環境の条件を改善する方法として管内に流れる流体中に含まれる腐食性物質を取り除いたり、酸化の原因である酸素の含有量を減少させたりする方法も提案されている。
特開昭57-70095号公報 特開2001-150178号公報 特開平10-272586号公報 特開2000−254776号公報 特開2001−337190号公報
上述のステンレス製配管中の炭素含有量を減らし、クロムカーバイドの析出を抑えることで、クロム欠乏域の発生を抑えることができる。しかしながら、ステンレス鋼材中の炭素含有量が減少するとステンレス鋼材の強度が低下する。強度が低下したステンレス鋼材は部材によっては用いることが可能であるが、大きな応力がかかる部分に採用することはできない。また、既に使用されている間に適用する場合は、旧配管を撤去して新しい低炭素量の材質の配管を敷設する必要がある。そのため、多大な費用を伴う。
また、前記IHSI法を用いて前記ステンレス製配管の残留応力状態を低減するか又は引張状態から圧縮状態へかえる場合、前記ステンレス製配管の残留応力を改善する部分の外部に高周波誘導コイルを配し、該コイルに電流を流して該ステンレス製配管を外部より加熱すると共に、配管内部に絶えず水を流して、所定の温度に冷却するものである。このため既に据え付けられ、内部を水流による冷却が可能な配管に対しては実施しやすいが、管内部に流水状態を確保できない管体に対しては実施が困難である。
また、前記IHSI法は管の厚み方向に温度勾配をつけるために高周波誘導加熱を行うものであるが、前記高周波誘導コイルによる加熱の場合、前記管体の材質(誘電率)によって、熱が伝わる深さ及び範囲が異なり高周波誘導コイルによる加熱は加熱範囲の限定が難しい。また、装置も大掛かりでエネルギ消費量も大きい。さらに、異材継手等の誘電率が異なる部材が混じっている場合、厚み方向に一定の温度勾配をつけるのが難しい。
溶融・凝固や固溶化処理温度に加熱した場合、溶融部近傍に新たに鋭敏化領域を形成する恐れや、温度が高く、熱収縮による変形が発生し、配管としての機能を満たすことができない可能性があり、温度管理を厳密に行う必要が生じる。また,低合金鋼を含む異材継ぎ手部に対しては、低合金鋼の応力除去焼鈍以上に加熱できないため、適用が困難となる。例えば、低合金鋼を750℃以上加熱すると、焼入れが起こるため、もう一度応力除去焼鈍が必要となる。このため、通常は600℃以上の加熱はできない。
固溶化熱処理に伴う残留応力低減では、鋭敏化領域を対象としており、溶接部近傍の狭い範囲のみを加熱するため、軸方向に局部的な曲げ変形が生じ、安定して残留応力低減効果を得ることが難しい。
ショットピーニングにて残留応力を改善する方法についても既に据え付けられている配管又は配管を接合した継手内面に対して実施するのは非常に困難である。
流体中の腐食性物質を取り除く方法に関しては、配管内を流れる流体の使用目的によっては取り除くことができないものもある。また、一度運転を開始しているプラント等の場合、新たに腐食性物質を取り除く装置等を取り付けるのは非常に大掛かりな作業が必要となると共に、新たに定期点検をする部材が増え、管理コストが今まで以上にかかる。
このような問題を鑑みて、本発明は管体を加熱して引張状態の残留応力を低減する又は圧縮状態にする方法であり、該管体の残留応力を簡単、迅速且つ確実に改善することができる残留応力の改善方法を提供することを目的とする。
また本発明は管体を加熱して引張状態の残留応力を低減する又は圧縮状態にする方法であり、大掛かりな装置及び大きなエネルギ源を用意することなく、該管体の残留応力を簡単、迅速且つ確実に改善することができる残留応力の改善方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の管体の残留応力改善方法は、
管体内面の残留応力を改善するための残留応力の改善方法であって、
前記管体の外面にレーザ光を照射し、残留応力改善領域を均熱に加熱する1又は複数のレーザ光照射部を有するレーザ光照射手段と、
前記レーザ光照射手段の動作を制御するための制御手段と、
前記レーザ光照射手段を前記残留応力改善領域にそって移動させる移動手段とを有し、
前記レーザ光照射手段は前記レーザ光照射部をレーザ光照射領域が前記管体の外面に軸方向及び周方向に予め決めた長さを有するように配置しており、
前記移動手段により前記レーザ光照射手段を前記管体の周方向に回動させ、該管体周りを一周するごとに軸方向に移動させることを特徴とする。
この構成によると、レーザ光を照射することで加熱するので、無駄な領域を加熱しなくても済み、それだけ、エネルギの消費量を低減することが可能である。
また、レーザ光照射手段が移動することで広い範囲を加熱するので、同時にレーザ光を照射する領域は小さくてよく、レーザ光の出力を小さい領域の加熱できるだけでよく、装置自体をコンパクトに安価に構成することが可能である。
更に、前記移動手段は前記レーザ光照射手段を周方向、軸方向に移動するのでレーザ光照射部の大きさを小さくすることができるとともに、管体の周方向大きさ及び軸方向長さにかかわらず、適用することが可能である。
また本発明の管体の残留応力改善方法は、
管体内面の残留応力を改善するための残留応力の改善方法であって、
前記管体の外面にレーザ光を照射し、残留応力改善領域を均熱に加熱する1又は複数のレーザ光照射部を有するレーザ光照射手段と、
前記レーザ光照射手段の動作を制御するための制御手段と、
前記レーザ光照射手段を前記残留応力改善領域にそって移動させる移動手段とを有し、
前記レーザ光照射手段は前記レーザ光照射部をレーザ光照射領域が前記管体の外面に周方向に予め決めた長さを有すると共に軸方向に前記残留応力改善領域の軸方向長さと同一になるように配置しており、
前記移動手段により前記レーザ光照射手段を前記管体の周方向に回動させることを特徴とする。
この構成によると、レーザ光を照射することで加熱するので、無駄な領域を加熱しなくても済み、それだけ、エネルギの消費量を低減することが可能である。
また、レーザ光照射手段が移動することで広い範囲を加熱するので、同時にレーザ光を照射する領域は小さくてよく、レーザ光の出力を小さい領域の加熱できるだけでよく、装置自体をコンパクトに安価に構成することが可能である。
また、管体の外面の軸方向に均一に加熱することができるので、残留応力を均一に改善することが可能である。また、周方向にのみ移動するので構造が簡単であり、それだけ低コストで製作することができる。
また、前記応力改善領域の軸方向の幅長さに同時に加熱することができ、移動手段は周方向のみ移動するので、管体の直径にかかわらず残留応力の改善処理を行うことが可能である。
また、複数のレーザ光照射部を着脱可能であってもよく、複数のレーザ光照射部のうち前記応力改善領域にあった個数だけ駆動できるものであってもよい。
上記構成においてレーザ光照射手段は前記管体の材質に合わせて照射するレーザ光の出力を調整できるものであってもよい。
前記レーザ光照射手段はレーザ光源を備えており、前記レーザ光源としてレーザダイオード又はファイバーレーザが採用されているものを採用することができる。
この構成によると他のレーザ光源を用いる場合に比べて、レーザ光照射手段を簡単に形成することができるとともに、パワープラントを小さくすることができ、それだけ、動作効率が高く、製作及び動作コストの安い管体の残留応力改善装置を提供することが可能である。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光は、光ファイバで伝送されることが好ましい。この構成によれば、装置の自由度が増して、作業性を向上させることができる。また、残留応力改善部位が遠隔部であったり、周辺空間が狭い部位である場合であっても、レーザを伝送することができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光の光源は、レーザダイオード又はファイバーレーザであることが好ましい。この構成によれば、光源を小型化することができるため狭隘部においても設置することができ、残留応力改善部位に近接して設置することができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光照射は、レーザ光の照射位置、又はレーザ照射角度,照射距離などで規定されるレーザ光の照射位置のエネルギー密度に応じてレーザ光の出力を調整できることが好ましい。この構成によれば、残留応力改善部位が、複雑形状であり、照射角度や照射面積が変化し、入熱エネルギー密度が変化する場合や、異材部位で伝熱特性の異なる場合でも、適切な温度分布の加熱を行うことができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光が照射される管体の表面には、吸収剤が塗布されていることが好ましい。この構成によれば、レーザ光の吸収率を向上させることができるとともに、表面状態による吸収率の変化を抑制することができ、安定した残留応力の改善が可能となる。
また、前記吸収剤は、炭素を含有していることが好ましい。この構成によれば、高温で安定、かつレーザ光を吸収しやすい吸収剤とすることができる。
また、前記吸収剤は、雲母を含有していることが好ましい。この構成によれば、吸収剤に高温での安定性を付与することができる。
また、前記吸収剤は、ハロゲン元素を含有しない方が好ましい。この構成によれば、吸収剤の残留を原因とする、SCCの発生を抑制、又はなくすことができ(ハロゲン元素はSCC発生の原因となるおそれがある。)、プラントの健全性が向上する。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光照射は、前記管体の内面を空冷しながら行うことが好ましい。この構成によれば、管体肉厚方向の温度分布について、内面から外面に亘ってほぼ均一な温度傾斜を有する温度分布にすることができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光照射は、前記管体の外面における、前記レーザ光照射部の移動方向の前方向又は後方向を、空冷しながら行うことが好ましい。この構成によれば、管体肉厚方向の温度分布を改善することができると共に、管体表面における必要以上の温度上昇を抑制することができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記移動は、前記レーザ光照射部を前記管体の周方向に前記応力改善領域に沿って、移動初期と終期が重なるように一周以上移動させ、前記レーザ光照射は、前記移動初期及び移動終期において管体温度の不均一性を抑制するようにレーザ出力を抑制することが好ましい。この構成によれば、移動初期と終期において発生しやすい管体温度の不均一性を抑制することができ、管体肉厚方向の温度分布を、管体全周に亘って均一にすることができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記移動は、前記レーザ光照射部を前記管体の周方向に前記応力改善領域に沿って半周させた後に元の位置に戻して、更に前記移動方向と逆方向に半周させた後に元の位置に戻すことが好ましい。この構成によれば、管体の全周に亘る残留応力の改善効果を維持しつつ、ケーブル等の施工装置が管体に絡まること等をなくして、ハンドリングを簡易とすることができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記管体は、原子炉プラントのステンレス鋼配管であってもよい。原子力プラントのステンレス鋼管ではSCCの発生が懸念されている。既に使用されている鋼管に適用する場合は、旧配管を撤去して新しい低炭素量の材質の配管を敷設する必要がある。そのため、多大な費用を伴うだけでなく、新たに放射性廃棄物を増加させることになり、廃棄物の保管など新たな費用が発生する。また、定検期間の延長にもつながり、経済性の面で不利である。そこで,原子力プラントのステンレス鋼配管に適用する場合、取り替え工事が不要となり、プラントの経済性、信頼性が向上する。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記管体は、BWR(沸騰水型原子力発電)の再循環配管であってもよい。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記管体は、SCCの発生が懸念されている原子力プラントの原子炉容器、加圧器、蒸気発生器のいずれかに接続される低合金鋼とオーステナイト系ステンレス鋼の異材継ぎ手部、例えばセーフエンド溶接部であってもよい。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光照射工程は、前記管体の外面における、前記レーザ光照射部の移動方向に沿って、前記レーザ光照射前、照射中、照射後の温度変化をモニタリングしながら行うことが好ましい。この構成によれば、管体肉厚方向の温度分布を適切に制御・管理することができる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記温度変化は、放射温度計または、前記管体のレーザ光照射部分に設置した熱電対、温度チョーク又は接触温度計により測定してもよい。
また、上記管体の残留応力改善方法において、予め、前記管体と同材料の平板、または同材料、同形状の疑似モデルに対して、最適な残留応力改善方法をシミュレーションした後、該結果に基づいて、前記管体の残留応力を改善することが好ましい。この構成によれば、実際の残留応力改善対象である管体を改善処理する際に、予め得られた結果を利用して、管体肉厚方向の温度分布を適切に制御・管理しながら改善処理することができる。特に、管体内面や、狭隘部における管体については、温度管理が困難であるため有用な手段である。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光を照射し加熱する温度が、固溶化温度以下であることが好ましい。固溶化温度以下で加熱することによって、被対象物の変形が小さくなり、更に鋭敏化の恐れが無くなる。また、低合金鋼など異材継ぎ手に対しても適用可能となる。
また、上記管体の残留応力改善方法において、前記レーザ光を照射し加熱する領域の軸方向長さが2.5√rt以上であることが好ましい。溶接部を中心として2.5√rt(r:管の平均半径、t:管の板厚)以上を均一に加熱することによって、その部分の残留応力を低減することができる。
さらに上記目的を達成するために本発明は、管体内面の残留応力を改善する残留応力の改善方法であって、
前記管体の残留応力を改善したい応力改善領域に、管体の外部に配置されたレーザ光照射部から該管体の外面にレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
前記管体の応力改善領域の温度を測定する温度測定工程と、
前記応力改善領域の外面側と内面側が所定の温度差になった後レーザ光照射を停止し冷却する冷却工程とを有することを特徴とする。
本発明によると、管体を加熱して引張状態の残留応力を低減する又は圧縮状態にする方法であり、該管体の残留応力を簡単、迅速且つ確実に改善することができる残留応力の改善方法を提供することができる。
また本発明によると、管体を加熱して引張状態の残留応力を低減する又は圧縮状態にする方法であり、大掛かりな装置及び大きなエネルギ源を用意することなく、該管体の残留応力を簡単、迅速且つ確実に改善することができる残留応力の改善方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。図1に残留応力改善方法の概略説明図を示す。
管体Pi内面に生じている残留応力を引張状態から圧縮状態に改善することで管体内面の応力腐食割れを防ぐことができることはよく知られている。管体の残留応力改善領域Srの外面S2と内面S1との間に所定の温度差が生じるように加熱する(図1(A)参照)。このとき、外面S2は圧縮応力状態で、内面S1は引張応力状態、さらには、内面S1は引張降伏状態になっている(図1(B)参照)。そして、応力改善領域Srの内面S1及び外面S2を冷却する。冷却すること(図1(C)参照)で、外面S2が引張応力状態になり、内面S1が圧縮応力状態になり、内面S1の残留応力を引張応力状態から圧縮応力状態に改善することが可能である(図1(D)参照)。
図2に本発明にかかる管体の残留応力低減装置の概略配置図を示す。図2に示す管体の残留応力改善装置Aは、管体Piの残留応力を改善するべき応力改善領域Srにレーザ光Lzを照射するレーザ光照射手段1と、レーザ光照射手段1を応力改善領域Srの中で移動させる移動手段2と、応力改善領域Srのレーザ光Lzが照射される部分の温度を測定する温度測定手段3と、残留応力改善装置Aを制御するための制御手段Contとを備えている。
レーザ光照射手段1はレーザ光を出力するレーザ光源11と、レーザ光源11より出力されたレーザ光Lzを応力改善領域Srに照射するレーザ光照射部12とを有している。レーザ光源11から出力されたレーザ光Lzは光ファイバケーブル13を介してレーザ光照射部12に送られる。レーザ光源11はここでは、レーザダイオードが用いられている。また、レーザ光源11としては、レーザダイオードに限定されるものではなく、管体Piを加熱することができるレーザ光を出力できるものを広く採用することができる。
(第1の実施形態)
図3(A)、(B)に管体に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の一例による残留応力改善を表す正面図及び側面図を示す。図3(C)〜図3(E)に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の一例の手順を示す。また、図4に本発明にかかる管体の残留応力改善方法を用いた残留応力改善工程のフロー図を示す。また、残留応力改善装置A1はレーザ光照射手段以外の部分は図2に示す残留応力改善装置Aと実質上同じ構成であり、実質上同じ部分には同じ符号を付してある。
図3(A)、(B)に示す残留応力改善方法に用いられている残留応力改善装置A1は、管体Piの外部に設けられているレーザ光照射手段1aにはレーザ光照射部12aが等中心角度間隔(それには限定されないが、ここでは45°)で8個有している。
レーザ光照射部12aは軸方向に照射幅tで照射するものであり、8個同時にレーザ光を照射することで、管体Piの応力改善領域Srに周方向に全周にわたって一様に照射することができる(図3(B)参照)。このとき、レーザ光照射部12aによるレーザ光照射領域は軸方向幅tのリング状Rである。
残留応力改善方法は以下の手順で行われる。まず、管体Piの応力改善領域Srの端部に幅tのリング状にレーザ光Lzが照射できるようレーザ光照射手段1aを配置する(ステップSt1)。そして、レーザ光照射手段1aに備えられている8個のレーザ光照射部12aよりレーザ光Lzを同時に照射する(ステップSt2)。そして、管体Piの外部に配置された温度測定手段3にて温度を測定する(ステップSt3)。測定した温度が所定の温度かどうか判別する(ステップSt4)。所定温度でない場合(ステップSt4でNOの場合)ステップSt3にもどって温度測定を繰り返す。所定温度になった場合(ステップSt4でYESの場合)レーザ光源11の出力と加熱時間、及び、管体外面の温度を測定し、管体の熱伝導率を考慮することで、管体の応力改善領域Srの内面と外面の温度差を所定の温度にすることができる。
応力改善領域Srの内外面の温度差が所定の温度になった状態(ステップSt4でYES)でレーザ光照射手段1aよりのレーザ光照射を停止する(ステップSt5)。このとき、応力改善領域Srの加熱された部分の応力状態は上述のとおり外面S2は圧縮状態、内面S1は引張状態(引張降伏状態)である。この後冷却し(ステップSt6)、内外面の温度差がなくなった状態では、内面S1が圧縮応力状態になり内面S1の残留応力を改善される。その後、移動手段2を作動させレーザ光照射手段1aを軸方向に移動させる(ステップSt7)(図2参照)。移動した部分が応力改善領域Srかどうか判断する(ステップSt8)。
レーザ光照射手段1aの移動先が応力改善領域の場合(ステップSt8でYESの場合)ステップSt2に戻り、残留応力の改善をおこなう。レーザ光照射手段1aの移動先が応力改善領域Srでない場合(ステップSt8でNOの場合)、残留応力の改善を終了する。
上述の実施例においてはレーザ光照射手段1aに8個のレーザ光照射部12aを取り付けたものを示しているが、それに限定されるものではなく、管体の全周にわたって同時に且つ一様にレーザ光を照射することができる個数を採用することができる。また、軸方向に複数列に取り付けることで、軸方向にも同時に広くレーザ光を照射することが可能である。また、レーザ光を連続的に軸方向に移動することも可能である。
(第2の実施形態)
図5(A)、(B)管体に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の一例による残留応力改善を表す正面図及び側面図を示す。図5(C)〜図5(E)に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の一例の手順を示す。また、図5に示す残留応力改善装置はレーザ光照射手段以外の部分は図2に示す残留応力改善装置Aと実質上同じ構成であり、実質上同じ部分には同じ符号を付してある。
図5(A)、(B)に示す残留応力の改善装置A2では応力改善領域Srの軸方向長さを有する矩形に配置された(本実施例では6個)レーザ光照射部12bより同時に且つ一様に応力改善領域Srにレーザ光Lzを照射する。応力改善領域Srのレーザ光Lzが照射された部分で、温度測定手段にて温度を測定し、所定の温度になった(応力改善領域の内外面の温度差が所定の温度になった)後に冷却することで管体内面の残留応力を引張応力状態から圧縮応力状態に改善することができるものである。残留応力が引張応力状態から圧縮応力状態に改善されるメカニズムは図1に示すものと同一である。
その後、移動手段にてレーザ光照射手段1bを管体Piの円周方向に移動し、応力改善領域Srの残留応力の改善処理を行っていない部分にレーザ光Lzを照射できる位置で停止し、残留応力改善処理を行う(図5(C)参照)。以上の操作をレーザ光照射手段1bが円周方向に一周するように行う(図5(D)参照)ことで応力改善領域Srの内面の残留応力を引張状態から圧縮状態に改善することができる(図5(E)参照)。本工程においてレーザ光は連続的に移動することも可能である。
本実施例に示す管体の残留応力を改善装置A2のレーザ光照射手段1bはレーザ光照射部12bを軸方向に6個並べたものを例示しているが、それに限定されるものではなく、応力改善領域Srにあわせた個数を採用することができる。また、任意にレーザ光照射部12bの個数を変えることができるものや、複数備えられているレーザ光照射部12bのうち、任意のレーザ光照射部12bからのみレーザ光Lzを照射するものであってもよい。
この方法を用いることで、図3に示す残留応力の改善方法に比べて管体の径による制限が少なくなり、より多くの管体に対して本発明にかかる残留応力の改善方法を適用することができる。
(第3の実施形態)
図6(A)、(B)管体に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の一例による残留応力改善を表す正面図及び側面図を示す。図6(C)〜図6(F)に本発明にかかる管体の残留応力改善方法の他の例の手順を示す。また、図6に示す残留応力改善装置はレーザ光照射手段以外の部分は図2に示す残留応力改善装置Aと実質上同じ構成であり、実質上同じ部分には同じ符号を付してある。
図6(A)、(B)に示す残留応力の改善装置A3ではレーザ光照射手段1cに1個のレーザ光照射部12cを有している。応力改善領域Srの端部の任意の場所(図6(C)中P1部)にレーザ光を照射する。応力改善領域Srのレーザ光が照射された部分で、温度測定手段にて温度を測定し、所定の温度になった(応力改善領域の内外面の温度差が所定の温度になった)後に冷却することで管体内面の残留応力を引張応力状態から圧縮応力状態に改善することができるものである。残留応力が引張応力状態から圧縮応力状態に改善されるメカニズムは図1に示すものと同一である。
その後、移動手段2にてレーザ光照射手段1cを管体Piの円周方向に移動し、応力改善領域Srの残留応力の改善処理を行っていない部分にレーザ光を照射できる位置で停止し、残留応力改善処理を行う(図6(D)参照)。以上の操作をレーザ光照射手段1cが円周方向に一周するように行う(図6(E)参照)。
レーザ光照射手段1cが管体の周りを一周した後、移動手段はレーザ光照射手段1cを軸方向に移動し応力改善領域Srの残留応力の改善処理を行っていない部分にレーザ光を照射できる位置で停止し上述の応力改善処理を行う(図6(F)参照)。レーザ光照射手段1cが管体の周りを1周ごとに軸方向に移動して応力の改善処理を行うことで応力改善領域Sr全体の残留応力を改善することができる。
(第4の実施形態)
図7(A)〜(F)に本発明にかかる管体の残留応力の改善方法の概略図を示す。図7各図に示す応力改善方法を実施するための応力改善装置A4は、管体Pi内面に挿入され、管体Piの内面の周方向を所定の軸方向幅で同時に加熱するレーザ光照射手段1dと、レーザ光照射手段1dによってレーザ光Lzが照射され、加熱された部分に冷却水を噴射して冷却する冷却水噴射手段4とを有している。
レーザ光照射手段1dは光ファイバケーブル13dにてレーザ光を伝達していき、光ファイバケーブル13dの先端に備えられたレーザ光照射部12dより管体内部にリング状にレーザ光を照射する。
図7(A)に示すようにまず、管体Pi内部にレーザ光照射手段1dを挿入し、残留応力を改善する応力改善領域Srにレーザ光Lzを照射する。レーザ光Lzを照射することで管体を常温RTより所定温度ΔT1昇温させる。このときの管体Piの厚みと温度の関係及び応力の関係を図7(D)に示す。図7(D)に示すように温度は管体内面が外面に比べて高温になっている。また、管体Piを加熱することで発生する熱膨張による応力は内面側で小さな圧縮応力、外面側で小さな引張応力が発生している。
その後、管体の内面がそれには限定されないがここでは約500℃に昇温するまでレーザ光照射手段1dよりレーザ光を照射して、レーザ光の照射を終了する。その後、図7(B)に示すように冷却水噴射手段4を管体Piの内部に挿入し、管体内部に冷却水Wrを噴射して管体内面を急速冷却する。このときの温度及び応力の状態を図7(E)に示す。図7(E)の示すように、外面の温度が下がらないように且つ内面の温度がΔT2下がるまで急速冷却する。
このとき内面は急激に冷却されるので応力状態は大きな引張応力が発生し、引張降伏状態になっている。また、外面は内面に大きな引張応力が発生したことで相反的に圧縮応力が発生している状態になっている。
その後、図7(C)に示すように管体Piより冷却水噴射手段4を取り出して、管体Pi全体を冷却する。またこのときの温度及び応力の状態を図7(F)に示す。内面のみ急速冷却して内面の応力状態を引張状態、外面の応力状態を圧縮状態にした状態で、管体全体を常温RTになるまで冷却することで、管体Piの内面を圧縮状態の残留応力を形成することができる。
レーザ光照射手段1dは光ファイバケーブル13dの先端にレーザ光照射部12dが設けられているので、この方法で、管体Piの応力改善領域の残留応力を改善する場合、内径の小さな管体にも適用することが可能である。
(第5の実施形態)
図8に本発明にかかる管体の残留応力の改善方法の概略図を示す。図8(A)は本発明にかかる管体の残留応力改善前の応力状態を示す図であり、図8(B)は応力改善領域の一方に隣り合う領域を加熱したときの応力分布であり、図8(C)は冷却後の応力分布であり、図8(D)は応力改善領域の他方に隣り合う領域を加熱したときの応力分布であり、図8(E)は冷却後の応力分布である。
第1の実施形態から第4の実施形態に示している管体の残留応力の改善方法は、管体Piの厚み方向の温度差によって、内面の残留応力を引張状態から圧縮状態に改善するものであったが、図8に示す管体の残留応力の改善方法は、軸方向の温度差によって残留応力を改善したい領域(応力改善領域Sr)の残留応力を改善するものである。
図8(A)に示すように管体の残留応力は応力改善領域Srでは残留応力は引張状態であり、その両側に隣り合う部分N1、N2では圧縮状態である。まず、レーザ光照射手段1eを一方の応力改善領域Srと隣り合う部分N1(以下、第1の領域N1という)に配置し、レーザ光Lzを照射する。温度測定手段にて測定している第1の領域N1の温度が所定の温度になるまでレーザ光Lzを照射した後、レーザ光照射を終了する。このとき第1の領域N1と応力改善領域Srとの間に所定の温度差が生じている。この状態において管体の応力分布は図8(B)の実線で示すとおりになる。すなわち、加熱部(ここでは、第1の領域N1)に引張応力が発生し、隣の応力改善領域Srでは圧縮応力が発生する。
そして、冷却することで加熱によって膨張していた部分が収縮し残留応力の分布は図8(C)の実線に示すとおり、第1の領域N1、応力改善領域Srは引張状態の残留応力が生じ、第2の領域N2では圧縮状態の残留応力が生じている。
その後、レーザ光照射手段1eを第2の領域N2に移動させ、レーザ光Lzの照射を行う。第2の領域N2の温度が所定の温度に達するまで、換言すれば、第2の領域N2と応力改善領域Srとの間に所定の温度差が発生するまでレーザ光Lzを照射しレーザ光照射を終了する。
このとき、管体Piの応力分布は図8(D)の実線で示すとおりになる。すなわち、加熱部(ここでは第2の領域N2)に引張応力が発生し、隣の応力改善領域Srには圧縮応力が発生する。
その後冷却することで加熱によって膨張していた部分が収縮し、残留応力の分布は図8(E)の実線に示すとおりであり、第1の領域N1、第2の領域N2には引張状態の残留応力が発生しており、応力改善領域Srには圧縮状態の残留応力が発生している。
応力改善領域Srの残留応力は圧縮状態に改善されるとともに、第1の領域N1及び第2の領域N2の残留応力は引張状態であるが小さな応力に抑えられる。また、残留応力改善の目的である応力腐食割れは、材料、応力、環境の条件を満たしたときに発生するが、第1の領域N1及び第2の領域N2では材料の条件を満たしていないので、多少大きな引張状態の残留応力が発生しても、応力腐食割れの原因にならない。
本実施例において、残留応力の改善装置は上述の第1〜第3の実施形態に示す応力改善装置いずれを用いても残留応力の改善を図ることができる。また、温度差を管体の厚み方向でなく軸方向に取るものであるため、厚みの薄い管体に対しても残留応力の改善方法を用いて、残留応力改善処理を行うことが可能である。
以上の各実施形態に示した管体の残留応力の改善領域はそれに限定されるものではないが、配管溶接継手を例示することができる。また、圧延部、切削部等の管体の残留応力を改善する領域を広く採用することができる。
<他の実施形態>
本実施形態は、パイプの軸方向に長い加熱幅をもたせて、円周方向に連続して回転させた場合である。加熱する装置構成は図9に示すとおりである。以下、加熱手順について説明する。
(1)予め、同等のパイプ形状の供試体において外面及び内面の温度を計測しながら、加熱試験を行った。加熱は図9に示すように、ロボットアームにレーザ光学系50を搭載し、約500mm/s(30m/min)のスキャン速度で軸方向に往復運動させ、軸方向における約80mm(スキャン距離)を加熱した。往復運動の折り返し地点では速度が0となり、入熱が大きくなるため、水冷銅板のシャッター51を設置して、等速度の領域(シャッター距離)のみを利用して加熱試験を実施した。
レーザ発振器としては、4kWYAGレーザを使用し、発振器から光学系50までは光ファイバーでレーザ光を伝送した。パイプ52は回転ポジショナに搭載し、等速度で回転させた。加熱時にはパイプ52の外面に黒鉛を主成分とする吸収剤を塗布した。内外面の温度が所定の温度となる下記加熱条件(レーザ出力とパイプ52の回転速度)を決定した。
パイプ形状:直径φ114.3mm,厚さt13.5mm
パイプ材質:SUS304(固溶化温度は1050℃)
レーザ出力:4kW(YAGレーザ)
回転速度:1.4mm/sec(周速)
内外面の温度差:約400℃
外面加熱温度:約450℃
加熱領域:軸方向に約80mm(3√rt:r=57.15mm,t=13.5mm)
円周方向に約15mm(円周方向のスキャンがないときの加熱幅)
図10は、軸方向の温度分布図である。同図に示すように、軸方向における約80mmをほぼ均熱に約450℃に加熱することができた。
(2)パイプ52の表面の2ヶ所に温度計測用に熱電対を設置した。2ヶ所に設置した熱電対は、パイプ52の表面において対角となる位置(0°と180°の位置)に設置した。
(3)決定した上記加熱条件でレーザ光を照射してパイプ52の周囲1周を加熱した。レーザ光により加熱する箇所以外の内面及び外面は放冷状態とした。また、加熱時の温度履歴を確認するため、前記熱電対から得られた温度履歴を記録計に記録した。
(4)パイプの円周方向の加熱は、円周方向一周に亘って行った。加熱後、パイプ52は放冷により、室温まで冷却した。図11は、冷却後のパイプ内面の軸方向の残留応力分布を示す図である。同図には、溶接したまま(加熱施工前)の残留応力分布も併せて図示してある。同図から、レーザ加熱によりパイプの内面の残留応力が低減していることがわかる。
なお、加熱領域は、溶接部を中心として2.5√(rt)(r:管の平均半径、t:管の板厚)以上、好ましくは3√(rt)以上が均一に加熱されるようにすればよい。また、このときの加熱温度は固溶化温度未満とすることが好ましい。
なお、上記実施形態において、レーザ光源11としては、レーザダイオードやファイバーレーザであることが好ましい。また、レーザ光照射部12,12a,12b,12cからのレーザ光Lzの強度が、照射位置により調整可能であることが好ましく、これにより、残留応力改善部位が複雑形状であったり、異材部位であったりしても、適切に対応することができる。また、残留応力改善対象の管体Piとしては、原子炉プラントのステンレス鋼配管、BWR(沸騰水型原子力発電)の再循環配管、原子力プラントの原子炉容器、加圧器、蒸気発生器のいずれかに接続される低合金鋼とオーステナイト系ステンレス鋼の異材継ぎ手部、例えばセーフエンド溶接部(特にニッケル基合金部)等が挙げられる。
また、レーザ光Lzが照射される管体Piの表面には、吸収剤を、特に炭素や雲母が含有されている吸収剤を塗布することが好ましい。また、吸収剤の塗布厚については、厚すぎると管体の温度上昇が妨げられる恐れがあるため、適当な厚さに管理することが好ましい。なお、SCCの発生を抑制するためには、吸収剤にはハロゲン元素を含有しない方が好ましい。
また、図4に示すように、レーザ光照射を停止(ステップst5)した後に冷却(ステップst6)する例を説明したが、管体Piの内面を水冷又は空冷しながらレーザ光照射工程を行ったり、管体Piの外面における、レーザ光照射部12,12a,12b,12cの移動方向の前方向又は後方向を水冷又は空冷しながらレーザ光照射工程を行ったりすることが好ましい。また、管体Piの外面又は内面にレーザ光照射する際には、レーザ光Lzを間欠的に照射してもよい。
また、図5,6に示すように、レーザ光照射手段1b,1cの駆動態様として、管体Piの円周方向に一周する例を示したが、レーザ光照射手段1b,1cを移動初期と移動終期が重なるように一周以上移動させると共に、移動初期及び移動終期においてレーザ出力を抑制するようにすることが好ましい。また、レーザ光照射手段1b,1cを管体Piの円周方向に応力改善領域に沿ってほぼ半周させた後に元の位置に戻して、更にこの半周させた移動方向と逆方向にほぼ半周させた後に元の位置に戻すようにしてもよい。なお、移動は、ほぼ半周、に限られず、管体Piの円周方向を複数に分割して移動させればよい。
また、レーザ光照射工程を、管体Piの外面における、レーザ光照射手段1,1a〜1eの移動方向に沿って、レーザ光照射前、照射中、照射後の温度変化をモニタリングしながら行うことが好ましい。このように、残留応力を適切に改善するためには、管体Piの肉厚方向の温度分布を適切に制御・管理することが好ましい。温度の測定には、放射温度計または、管体のレーザ光照射部分に設置した熱電対、温度チョーク又は接触温度計により測定することができる。
また、予め、残留応力を改善する管体Piと同材料の平板、または同材料、同形状の疑似モデルを用意して、該モデルに対して最適な残留応力改善方法をシミュレーションした後、該結果に基づいて、実際の管体Piの残留応力を改善することが好ましい。
図(A)〜(D)は管体の残留応力改善のメカニズムの概略図である。 本発明にかかる管体の残留応力改善装置の概略配置図である。 図(A)、(B)は本発明にかかる管体の残留応力改善装置の一例の正面図及び側面図であり、図(C)〜図(E)は本発明にかかる管体の残留応力改善方法を示す概略斜視図である。 図3に示す管体の残留応力改善方法による残留応力改善手順を示すフローチャートである。 図(A)、(B)は本発明にかかる管体の残留応力改善装置の他の例の正面図及び側面図であり、図(C)〜図(E)は本発明にかかる管体の残留応力改善方法を示す概略斜視図である。 図(A)、(B)は本発明にかかる管体の残留応力改善装置のさらに他の例の正面図及び側面図であり、図(C)〜図(E)は本発明にかかる管体の残留応力改善方法を示す概略斜視図である。 図(A)〜(C)は本発明にかかる管体の残留応力改善装置及びそれを用いた残留応力改善方法を示す概略斜視図であり、図(D)〜(F)はそのときの内外面の温度差及び応力を示す図である。 図(A)は本発明にかかる管体の残留応力改善前の応力状態を示す図であり、図(B)は応力改善領域の一方に隣り合う領域を加熱したときの応力分布であり、図(C)は冷却後の応力分布であり、図(D)は応力改善領域の他方に隣り合う領域を加熱したときの応力分布であり、図(E)は冷却後の応力分布である。 他の実施形態に係る加熱する装置構成を示す図である。 軸方向の温度分布図を示す図である。 冷却後のパイプ内面の軸方向の残留応力分布を示す図である。
符号の説明
A、A1、A2、A3、A4 管体の残留応力改善装置
1、1a、1b、1c、1d、1e レーザ光照射手段
11 レーザ光源
12、12a、12b、12c レーザ光照射部
13、13d 光ファイバケーブル
2 移動手段
3 温度測定手段
4 冷却水噴射手段
Pi 管体
Sr 応力改善領域
50:レーザ光学系
51:シャッター
52:パイプ

Claims (24)

  1. 管体内面の残留応力を改善するための残留応力の改善方法であって、
    前記管体の外面にレーザ光を照射し、残留応力改善領域を均熱に加熱する1又は複数のレーザ光照射部を有するレーザ光照射手段と、
    前記レーザ光照射手段の動作を制御するための制御手段と
    前記レーザ光照射手段を前記残留応力改善領域にそって移動させる移動手段とを有し、
    前記レーザ光照射手段は前記レーザ光照射部をレーザ光照射領域が前記管体の外面に軸方向及び周方向に予め決めた長さを有するように配置しており、
    前記移動手段により前記レーザ光照射手段を前記管体の周方向に回動させ、該管体周りを一周するごとに軸方向に移動させることを特徴とする管体の残留応力改善方法
  2. 管体内面の残留応力を改善するための残留応力の改善方法であって、
    前記管体の外面にレーザ光を照射し、残留応力改善領域を均熱に加熱する1又は複数のレーザ光照射部を有するレーザ光照射手段と、
    前記レーザ光照射手段の動作を制御するための制御手段と
    前記レーザ光照射手段を前記残留応力改善領域にそって移動させる移動手段とを有し、
    前記レーザ光照射手段は前記レーザ光照射部をレーザ光照射領域が前記管体の外面に周方向に予め決めた長さを有すると共に軸方向に前記残留応力改善領域の軸方向長さと同一になるように配置しており、
    前記移動手段により前記レーザ光照射手段を前記管体の周方向に回動させることを特徴とする管体の残留応力改善方法
  3. 請求項1または請求項2に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記移動は、前記レーザ光照射部を前記管体の周方向に前記残留応力改善領域に沿って、移動初期と移動終期が重なるように一周以上移動させ、
    前記レーザ光照射は、前記移動初期及び移動終期において管体温度の不均一を抑制するようにレーザ出力を抑制することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記移動は、前記レーザ光照射部を前記管体の周方向に前記残留応力改善領域に沿って半周させた後に元の位置に戻して、更に前記移動方向と逆方向に半周させた後に元の位置に戻すことを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光を照射し加熱する領域の軸方向長さが2.5√rt以上であることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  6. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記管体の残留応力を改善したい残留応力改善領域に、管体の外部に配置されたレーザ光照射部から該管体の外面にレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
    前記管体の残留応力改善領域の温度を測定する温度測定工程と、
    前記残留応力改善領域の外面側と内面側が所定の温度差になった後レーザ光照射を停止し冷却する冷却工程とを有することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  7. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射は、前記管体の内面を空冷しながら行うことを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  8. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射は、前記管体の外面における、前記レーザ光照射部の移動方向の前方向又は後方向を、空冷しながら行うことを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  9. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射は、前記管体の外面における、前記レーザ光照射部の移動方向に沿って、前記レーザ光照射前、照射中、照射後の温度変化をモニタリングしながら行うことを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  10. 請求項9に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記温度変化は、放射温度計または、前記管体のレーザ光照射部分に設置した熱電対、温度チョーク又は接触温度計により測定することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  11. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    予め、前記管体と同材料の平板、または同材料、同形状の疑似モデルに対して、最適な残留応力改善方法をシミュレーションした後、
    該結果に基づいて、前記管体の残留応力を改善することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  12. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光を照射し加熱する温度が、固溶化温度以下であることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  13. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射手段は前記管体の材質に合わせて照射するレーザ光の出力を調整できることを特徴とする管体の残留応力改善方法
  14. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射手段はレーザ光源を備えており、
    前記レーザ光源としてレーザダイオード又はファイバーレーザーが採用されていることを特徴とする管体の残留応力改善方法
  15. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光は、光ファイバで伝送されることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  16. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光の光源は、レーザダイオード又はファイバーレーザであることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  17. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光照射は、レーザ光の照射位置によりレーザ光の出力を調整できることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  18. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記レーザ光が照射される管体の表面には、吸収剤が塗布されていることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  19. 請求項18に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記吸収剤は、炭素を含有することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  20. 請求項18に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記吸収剤は、雲母を含有することを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  21. 請求項18に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記吸収剤は、ハロゲン元素を含有しないことを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  22. 請求項1乃至請求項21の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記管体は、原子炉プラントのステンレス鋼配管であることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  23. 請求項1乃至請求項21の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記管体は、BWR(沸騰水型原子力発電)の再循環配管であることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
  24. 請求項1乃至請求項21の何れか一項に記載の管体の残留応力改善方法において、
    前記管体は、原子力プラントの原子炉容器、加圧器、蒸気発生器のいずれかに接続される低合金鋼とオーステナイト系ステンレス鋼の異材継ぎ手部であることを特徴とする管体の残留応力改善方法。
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