JP4317621B2 - クランプ装置およびその集成体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
この発明は全般的に原子炉、更に具体的に言えば、原子炉の圧力容器内の配管を修理する装置と方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は典型的には全体として円筒形であって、両端が例えば底部ヘッド及び着脱自在の頂部ヘッドによって閉じられている。典型的には炉心シュラウド、又は単にシュラウドと呼ばれるものが炉心を取囲んでいて、シュラウド支持構造によって支持されている。
【0003】
沸騰水型原子炉は多数の配管装置を持っており、こういう配管装置は、例えばRPV全体に互って水を輸送するために利用される。例えば、RPVの外側からRPVの内側にある炉心スプレー・スパージャに水を送出すために炉心スプレー配管が使われる。炉心スプレー配管及びスパージャが、炉心に対して水の流れを送出す。
【0004】
結晶粒間応力腐食ひゞ割れ(IGSCC)は、構造部材、配管、結合部材及び溶着部のような原子炉の部品が高温の水に露出したときに起こる公知の現象である。炉心の部品は、例えば熱膨張の違い、原子炉冷却水を収容するのに必要な動作圧力、並びに溶接、冷間加工、並びにその他の不均質な金属処理による残留応力のようなその他の原因に伴う種々の応力を受ける。更に、水の組成、溶接、熱処理及び放射が、部品内にある金属のIGSCCの起り易さを高くすることがある。
【0005】
原子炉には、炉心スプレー配管のIGSCCに寄与する状態が存在する。炉心スプレー配管に於ける起り易さの1つの分野は、上側T−ボックスとそれに関連した分配ヘッダの間の溶接した継目である。上側T−ボックスは、炉心スプレー供給ヘッダが分配ヘッダ管に分岐する接続点である。炉心スプレー装置は、冷却材消失事故(LOCA)があった場合、原子炉の炉心領域に冷却水を送出すことによって、燃料被覆が過度の温度になることを防止する。溶接された継目で、壁を通抜ける円周方向のひゞ割れが生じた場合、この装置が危険に陥る懼れがある。
【0006】
受容れることのできない洩れを防止すると共に、炉心スプレー装置が炉心に対して必要な容積流量を送出すように保証するために、T−ボックスに構造的な完全さを持たせると共に、1つ又は更に多くの溶着部が破損した場合に、溶接された継目をしっかりと保持するクランプ装置を提供することが望ましい。
【0007】
【発明の要約】
上記並びにその他の目的は、T−ボックスの溶接継目に圧縮力を加えて、分配ヘッダを所定位置に保持すると共にT−ボックスに接触した状態に保持するT−ボックス・クランプ装置によって達成することができる。T−ボックス・クランプ装置が、第1及び第2のクランプ集成体と、この第1及び第2のクランプ集成体に結合されたクランプ・ストロングバック集成体とを有する。
【0008】
第1及び第2のクランプ集成体は、何れも、上側クランプ本体、下側クランプ本体、及びクランプ・ボルト及びナット集成体を含む。上側及び下側クランプ本体は、ヘッダ管の曲率と同形になるような形になっている。各々の上側及び下側クランプ本体は、クランプ本体を通抜けていて、クランプ・ボルトを受容れるような形のクランプ・ボルト孔をも有する。特に、各々の上側及び下側クランプ本体は平坦な側面と、ヘッダ管と同形になるような形の湾曲した側面とを有する。平坦な側面はクランプ本体から垂下するフランジを含む。フランジは、平坦な側面を2つの平坦な部分に分割する位置にある。一方の平坦な部分が、クランプ本体の端から縦方向に延びる溝を有する。
【0009】
ストロングバック集成体が、上側ストロングバック本体、下側ストロングバック本体及びカバー板を含む。上側ストロングバック本体は、T−ボックスと同形になると共に、第1及び第2のクランプ集成体の上側クランプ本体に結合されるような形である。下側ストロングバック本体は、T−ボックスに同形になると共に、第1及び第2のクランプ集成体の下側クランプ本体に結合されるような形である。特に、各々のストロングバック本体は、湾曲した中央部分及び2つの平坦な端部分を持つ細長い部材を含む。湾曲した中央部分の内側がT−ボックスと同形になるような形である。各々の縁部分は、縁部分の外側から縦方向に延びる舌片を含む。上側ストロングバック本体の各々の舌片は、上側クランプ本体の溝と係合して、舌片と溝の継目を形成するようになっている。下側ストロングバック本体の各々の舌片は、下側クランプ本体の溝と係合して、舌片と溝の継目を形成するような形になっている。各々の上側クランプ本体がクロスボルトによって上側ストロングバック本体に結合され、各々の下側クランプ本体がクロスボルトによって下側ストロングバック本体に結合される。特に、各々のクランプ本体のフランジが、このフランジを通抜けるボルト孔を有する。このボルト孔は、クロスボルトを受容れるような形であると共に、上側及び下側ストロングバック本体の各々の端にあるボルト孔と略整合する形になっている。各々のストロングバック本体のボルト孔がクロスボルトとねじ係合するような形になっている。
【0010】
T−ボックス・クランプ装置は、T−ボックスの溶接されたカバーに係合するような形のカバー板をも含む。カバー板は平坦で略十字形を持っていて、上側及び下側ストロングバック本体に結合されるような形である。特に、カバー・ボルトがカバー板にあるボルト孔を通る。ボルト孔は上側及び下側ストロングバック本体にあるねじ山を設けたボルト孔と整合する形になっている。カバー板が十字形であることにより、T−ボックスのカバーの溶着部の半分以上を目で検査することができる。
【0011】
沸騰水型原子炉で、T−ボックス・クランプ装置を上側T−ボックスに組付けるには、上側T−ボックスから延びる各々の分配ヘッダ管に最初に孔を加工する。孔はT−ボックスに隣接した位置にあり、クランプ集成体のクランプ本体にあるクランプ・ボルト孔と整合して、クランプ・ボルトを受容れるような形になっている。各々のクランプ集成体の上側及び下側クランプ本体を次に分配ヘッダ管の上に位置ぎめし、各々のクランプ集成体をクランプ・ボルト及びナット集成体によって、分配ヘッダ管に締付ける。
【0012】
上側ストロングバック本体がT−ボックスに隣接して位置ぎめされて、各々の端にある舌片が上側クランプ本体の溝と係合するようにする。上側ストロングバック本体がクロスボルトを用いて、各々の上側クランプ本体に結合される。このクロスボルトが上側クランプ本体のフランジにあるボルト孔を通って、上側ストロングバック本体の端にあるボルト孔にねじ係合する。同様に、下側ストロングバック本体がT−ボックスに隣接して位置ぎめされ、各々の端にある舌片が下側クランプ本体の溝と係合するようにする。下側ストロングバック本体がクロスボルトを用いて各々の下側ストロングバック本体と結合される。クロスボルトが下側クランプ本体のフランジにあるボルト孔を通り、下側ストロングバック本体の端にあるボルト孔とねじ係合する。次に、カバー板のボルト孔を通り、上側及び下側ストロングバック本体にある対応するボルト孔とねじ係合するカバー・ボルトを用いて、カバー板を上側及び下側ストロングバック本体に結合する。
【0013】
上に述べたT−ボックス・クランプ装置は、T−ボックスに構造的な完全さを持たせると共に、T−ボックス及び分配ヘッダ管の間に継目を作る。T−ボックス・クランプ装置は、T−ボックスの溶接継目に圧縮力を加えて、1つ又は更に多くの溶着部が破損した場合にも、継目を保持し、そのため、冷却材消失事故があった場合でも、炉心スプレー装置が必要な容積流量を炉心に送出すことを確実に保証する。
【0014】
【詳しい説明】
図1は、沸騰水型原子炉圧力容器10を上から見た断面図である。原子炉圧力容器10が容器壁12及び圧力容器10の炉心(図に示していない)を取囲むシュラウド14を含む。容器壁12とシュラウド14の間に環状部分16が形成される。環状部分16の内側の空間は限られており、原子炉支持配管の大部分は環状部分16の内側にある。
【0015】
冷却材消失事故の際、立下り管22及び24に夫々接続された炉心スプレー分配ヘッダ管18及び20を介して、冷却水が炉心に送出される。分配ヘッダ管18及び20は、炉心スプレー冷却水供給ヘッダ28に接続された上側T−ボックス接続部26から分岐して拡がる。立下り管22及び24が、シュラウド14及び内部スパージャ34に取付けられた下側T−ボックス30及び32を夫々介して、シュラウド14に夫々接続されている。
【0016】
この発明の実施例による上側T−ボックス・クランプ装置36がT−ボックス26に締付けられる。装置36は、上側T−ボックス26に構造的な完全さを持たせると共に、溶着部の破損があった場合、分配ヘッダ管18及び20をT−ボックス26に保持するように構成されている。
図2及び3について説明すると、上側T−ボックス・クランプ装置36が、第1のクランプ集成体38、第2のクランプ集成体40、及び第1及び第2のクランプ集成体38及び40に結合されたストロングバック集成体42を含む。第1のクランプ集成体38は、分配ヘッダ管18に締付けられるような形になっており、第2のクランプ集成体はヘッダ管20に締付けられるような形になっている。特に、クランプ集成体38及び40は夫々、上側クランプ本体44A及び44B、下側クランプ本体46A及び46B、及びクランプ・ボルト及びナット集成体48A及び48Bを含む。ボルト集成体48Aが上側及び下側クランプ本体44A及び46Aを管18に締付けるような形になっている。ボルト集成体48Bが、上側及び下側クランプ本体44B及び46Bを管20に締め付けるような形になっている。ボルト孔50A及び50Bが夫々クランプ本体44A及び46Aを通抜け、ボルト孔50C及び50Dが夫々クランプ本体44B及び46Bを通抜けている。
【0017】
上側クランプ本体44Aが平坦な側面52A及びヘッダ管18と同形になる形をした湾曲した側面54Aとを持っている。上側クランプ本体44Bが平坦な側面52B及びヘッダ管20と同形になるような形をした湾曲した側面54Bを持っている。フランジ56A及び56Bが夫々平坦な側面52A、52Bから垂下し、側面52A及び52Bを夫々部分58Aと58B及び60Aと60Bに分割するような位置にある。部分58A及び58Bは、フランジ56A及び56Bからクランプ本体44A及び44Bの端まで夫々縦方向に延びる溝62A及び62Bを持っている。同様に、下側クランプ本体46A及び46Bが夫々平坦な側面64A及び64B、夫々ヘッダ18及び20と同形になる形をした湾曲した側面66A及び66B、平坦な側面64A、64Bから垂下して側面64A及び64Bを平坦な部分70Aと70B、及び72Aと72Bに夫々分割するフランジ68A及び68Bとを持っている。部分70A及び70Bが、フランジ68A及び68Bから夫々クランプ本体46A及び46Bの端まで縦方向に延びる溝74A及び74Bを持っている。
【0018】
ストロングバック集成体42が、上側ストロングバック本体76、下側ストロングバック本体78及びカバー板80を含む。上側ストロングバック76は、T−ボックス26と同形になると共に、上側クランプ本体44A及び44Bに結合される形になっている。下側ストロングバック本体78はT−ボックス26と同形になると共に下側クランプ本体46A及び46Bに結合される形になっている。特に、ストロングバック76及び78は夫々細長い部材82A及び82Bを含む。部材82A及び82Bは、夫々湾曲した中央部分84A及び84Bと、夫々平坦な端部86A、86B、88A、88Bとを持っている。湾曲した中央部分84A及び84Bの内側側面90A及び90Bは、T−ボックス26と同形になる形になっている。舌片92A、92B、92C、92Dが夫々端部86A、86B、88A、88Bの内側側面94A、94B、94C、94Dから縦方向に延びる。舌片92A及び92Bが、上側クランプ本体44A及び44Bの溝62A及び62Bに係合して、舌片と溝の継目96A及び96Bを形成する形になっている。舌片92C及び92Dが下側クランプ本体46A及び46Bの溝74A及び74Bと係合して舌片と溝の継目96C及び96Dを形成する形になっている。舌片と溝の継目96A、96B、96C、96Dは、第1及び第2のクランプ集成体38及び40が、(X軸)分配ヘッダ管18及び20と同軸の方向にストロングバック集成体42に対して移動できるようにするが、y軸の周りの曲げを防止する。
【0019】
上側クランプ本体44A及び44Bがクロスボルト98A及び98Bを用いて、上側ストロングバック本体76に結合され、下側クランプ本体46A及び46Bが夫々クロスボルト98C及び98Dを用いて下側ストロングバック78に結合される。特に、ボルト孔100A、100B、100C、100Dが夫々フランジ56A、56B、68A、68Bを通抜ける。ボルト孔100A、100B、100C、100Dは、クロスボルト98A、98B、98C、98Dを受容れる形になっていて、夫々上側及び下側ストロングバック本体76及び78の端86A、86B、88A、88Bにあるボルト孔104A、104B、104C、104Dと略整合する。ストロングバック本体のボルト孔104A、104B、104C、104Dはクロスボルト98A、98B、98C、98Dとねじ係合する形になっている。
【0020】
炉心スプレー分配ヘッダ管に冷たい水を注入する際に、T−ボックス26に圧縮力を保つと共に、Z軸の周りのクランプ装置10の曲げを防止するため、皿形ワッシャの積重ね106A、106B、106C、106Dがクロスボルト98A、98B、98C、98Dに結合されていて、夫々フランジ56A、56B、68A、68Bと係合する形になっている。皿形ワッシャの積重ね106A、106B、106C、106Dは、クロスボルト98A、98B、98C、98Dによって正しく整合する状態に保たれ、カバー108A、108B、108C、108D内に封入されている。カバー108A、108B、108C、108Dがボルト98A、98B、98C、98Dにかしめられ、緩みを防止する。皿形ばねワッシャは、円錐形円盤ばね又は皿形円盤ばねの名前でも知られているが、従来周知である。皿形ワッシャが、疲労、温度変化又は許容公差による寸法の変動に関係なく、一定の力を保つ。典型的には複数個の皿形ワッシャを積重ねてこの積重ねを形成する。皿形ワッシャは円錐形であるため、ワッシャは並列(すべてのワッシャを同じ方向に積重ねる)、直列(積重ねの中のワッシャは交互に凸の面及び凹の面がボルトの頭の方を向く)並びに並列と直列の組合せに積重ねることができる。この発明の1実施例では、皿形ワッシャの積重ね106A、106B、106C、106Dは、並列と直列の組合せの配置に構成する。特定の実施例では、皿形ワッシャの積重ね106A、106B、106C、106Dは、30個の皿形ワッシャを含んでいて、並列と直列の組合せの配置にし、交互の6個のワッシャは並列の組合せで、凸面がボルトの頭98A、98B、98C、98Dの方を向き、その後凹面がボルトの頭98A、98B、98C、98Dを向く。
【0021】
T−ボックス・クランプ装置36は、T−ボックス26のカバー112に係合する形のカバー板80をも含む。カバー板80は平坦であり、略十字形を持ち、上側及び下側ストロングバック本体76及び78に結合される形になっている。特に、カバー・ボルト114A、114B、114C、114Dが、カバー板80にあるボルト孔116A、116B、116C、116Dを夫々通る。ボルト孔116A、116B、116C、116Dは、上側及び下側ストロングバック本体76及び78にあるねじ山を設けたボルト孔118A、118B、118C、118Dと整合するように構成されている。原子炉の通常の運転時の振動のために、カバー・ボルト114A、114B、114C、114Dが緩むのを防止するために、かしめカラー120A、120B、120C、120Dがカバー・ボルト114A、114B、114C、114Dに結合されている。カバー板80が十字形であることにより、T−ボックスの覆いの溶着部の半分より多くを目で検査することができる。
【0022】
図4について説明すると、クランプ・ボルト集成体48Aが上側クランプ本体44A、炉心スプレー分配ヘッダ管18及び下側クランプ本体46Aを通抜けていて、クランプ・ボルト124A、クランプ・ナット126A及びかしめカラー128Aを含む。特に、クランプ・ボルト124Aが、夫々クランプ本体44A、46Aにあるボルト孔50A及び50Bを通ると共に、炉心スプレー分配ヘッダ管18に加工されたボルト孔130A及び130Bを通る。ボルト124A及びクランプ・ナット126Aが、夫々球形部分132A及び134Aを持っている。ボルト孔50A及び50Bは、夫々球形部分132A及び134Aと同形になるような形である。球形部分132A及び134Aが、炉心スプレー装置の洩れを最小限に抑えると共に、クランプ・ボルト124Aの曲げを防止するような形になっている。かしめカラー128Aがクランプ・ボルトの頭125Aに結合されて、原子炉の運転時の通常の振動のために、ボルト124Aが緩まないようにする。更に、クランプ・ナット126Aが、上側クランプ本体44A内のボルト孔50Aに隣接して設けられた四角の凹部138Aに係合する形をした四角の突起136Aを持っている。クランプ・ボルト集成体48B(図2に示す)は集成体48Aと同一の形であるが、集成体48Bが上側クランプ本体44B、分配ヘッダ管20にあるボルト孔130C及び130D(図に示していない)及び下側クランプ本体46B(図2に示す)を通抜ける点が異なる。
【0023】
T−ボックス・クランプ装置36は、任意の適当な材料で製造することができる。例えば、1実施例では、ボルト124A及び124BがXM19ステンレス鋼で形成され、その後、クロスボルト98A、98B、98C、98D、皿形ワッシャの積重ね106A、106B、106C、106D及びカバー・ボルト114A、114B、114C、114DがインコネルX−750で製造されることを別とすると、すべての部品は316形ステンレス鋼で製造される。
【0024】
沸騰水型原子炉圧力容器10の上側T−ボックス26にT−ボックス・クランプ装置36を組付けるには、最初に分配ヘッダ管18及び20にボルト孔130A、130B、130C、130Dを加工する。孔130A、130B、130C、130DはT−ボックス26に隣接する場所にあって、夫々クランプ本体44A、44B、46A、46Bにあるクランプ・ボルト孔50A、50B、50C、50Dと整合すると共に、クランプ・ボルト124A及び124Bを受容れる形になっている。クランプ本体44A及び46Aが分配ヘッダ管18上に位置ぎめされ、クランプ・ボルト及びナット集成体48Aによって管18に締付けられる。クランプ本体44B及び46Bが分配ヘッダ管20上に位置ぎめされ、クランプ・ボルト及びナット集成体48Bによって管20に締付けられる。特に、クランプ・ボルト124Aがクランプ・ボルト孔50A、50B、130A、130Bに挿入され、クランプ・ナット126Aによって固定され、クランプ・ボルト124Bがクランプ・ボルト孔50C、50D、130C、130Dに挿入され、クランプ・ナット126Bで固定される。かしめカラー128A及び128Bがクランプ・ボルトの頭125A及び125Bに結合され、原子炉の通常の運転中、クランプ・ボルト集成体48A及び48Bの緩みを防止する。
【0025】
上側ストロングバック本体76は、舌片92A及び92Bが上側クランプ本体44A及び44Bにある溝62A及び62Bに係合するように、T−ボックス26に隣接して位置ぎめされる。上側ストロングバック本体76が、夫々クロスボルト98A及び98Bを用いて上側クランプ本体44A及び44Bに結合される。クロスボルト98A及び98Bが皿形ワッシャの積重ね106A及び106Bと、夫々上側クランプ本体44A及び44Bのフランジ56A及び56Bにあるボルト孔100A及び100Bを通り、上側ストロングバック本体76にあるボルト孔104A及び104Bにねじ係合する。同様に、下側ストロングバック本体78が、夫々クロスボルト98C及び98Dを用いて、上側クランプ本体46A及び46Bに結合される。クロスボルト98C及び98Dが皿形ワッシャの積重ね106C及び106Dと、夫々下側クランプ本体46A及び46Bのフランジ68A及び68Bにあるボルト孔100C及び100Dを通り、下側ストロングバック本体78にあるボルト孔104C及び104Dにねじ係合する。皿形ワッシャ・カバー108A、108B、108C、108Dがボルト98A、98B、98C、98Dにかしめられて、緩みを防止する。
【0026】
次に、カバー板80にあるボルト孔116A、116B、116C、116Dを通って、上側及び下側ストロングバック本体76及び78にある対応するボルト孔118A、118B、118C、118Dにねじ係合するカバー・ボルト114A、114B、114C、114Dを用いて、カバー板80が上側及び下側ストロングバック本体76及び78に結合される。かしめカラー120A、120B、120C、120Dが夫々カバー・ボルト114A、114B、114C、114Dに結合され、原子炉の通常の運転による振動によって、カバー・ボルト114A、114B、114C、114Dが緩むのを防止する。
【0027】
上に述べたT−ボックス・クランプ装置36は、T−ボックス26と、T−ボックス26から分岐して拡がる分配ヘッダ管18及び20とに構造的な完全さを持たせる。T−ボックス・クランプ装置36がT−ボックス及び管18及び20に圧縮力を加えて、1つ又は更に多くの溶着部が破損した場合、管18及び20を一緒に保持する。装置36は、冷却材消失事故があった場合、炉心スプレー装置が必要な容積流量を炉心に送出すことを保証する。
【0028】
この発明の種々の実施例についてこれまで説明したところから、この発明の目的が達成されたことは明らかである。この発明を詳しく説明して図面に示したが、これは例のためであって例に過ぎず、この発明を制約するものと解してはならないことをはっきりと承知されたい。従って、この発明の範囲は特許請求の範囲のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰水型原子炉圧力容器の上から見た断面図で、この発明の1実施例によるT−ボックス・クランプ装置を例示している。
【図2】図1に示したT−ボックス・クランプ装置の側面図。
【図3】図1に示したT−ボックス・クランプ装置の平面図。
【図4】図2に示した第1のクランプ集成体の断面図。
【符号の説明】
18、20 炉心スプレー分配ヘッダ管
26 上側T−ボックス
30、32 下側T−ボックス
36 上側T−ボックス・クランプ装置
38、40 第1及び第2のクランプ集成体
42 ストロングバック集成体

Claims (19)

  1. 沸騰水型原子炉圧力容器(10)内において第1の炉心スプレー分配ヘッダ管(18)と第2の炉心スプレー分配ヘッダ管(20)とを有する炉心スプレー分配ヘッダに対してカバー(112)を有するT−ボックス(26)を締付けるクランプ装置(36)に於て、
    前記第1の分配ヘッダ管(18)に締付けられ、第1の上側クランプ本体(44A)と第1の下側クランプ本体(46A)と第1のクランプ・ボルト及びナット集成体(48A)とを有する第1のクランプ集成体(38)と、
    前記第2の分配ヘッダ管(20)に締付けられ、第2の上側クランプ本体(44B)と第2の下側クランプ本体(46B)と第2のクランプ・ボルト及びナット集成体(48B)とを有する第2のクランプ集成体(40)と、
    前記第1及び前記第2のクランプ集成体(38,40)に結合されるクランプ・ストロングバック集成体(42)とを備え前記クランプ・ストロングバック集成体(42)が、上側ストロングバック本体(76)、下側ストロングバック本体(78)及びカバー板(80)を有し、
    前記上側ストロングバック本体(76)は前記T−ボックス(26)の形と同形になると共に前記第1のクランプ集成体(38)の前記第1の上側クランプ本体(44A)及び前記第2のクランプ集成体(40)の前記第2の上側クランプ本体(44B)に結合されるような形であり、
    前記下側ストロングバック本体(78)は前記T−ボックス(26)の形と同形になると共に前記第1のクランプ集成体(38)の前記第1の下側クランプ本体(46A)及び前記第2のクランプ集成体(40)の前記第2の下側クランプ本体(46B)に結合される形になっていることを特徴とするクランプ装置(36)。
  2. 各々の上側クランプ本体及び各々の下側クランプ本体(44,46)が前記ヘッダ管(18,20)の曲率と同形になるような形であって、その中を通抜けるクランプ・ボルト孔(50)を構成している請求項1記載のクランプ装置(36)。
  3. 前記第1のクランプ集成体(38)及び前記第2のクランプ集成体(40)の各々の前記第1と第2の上側クランプ本体(44A、44Bと前記第1と第2の下側クランプ本体(46A、46B)が、第1の端及び第2の端、第1の平坦な側面(52)及び前記ヘッダ管の曲率と同形になるような形の第2の側面(54)を持つ細長い部材を構成し、前記第1の側面(52)はそれから垂下するフランジ(56)を有し、該フランジ(56)は、前記第1の側面(52)を第1の平坦な部分及び第2の平坦な部分に分割するような位置にあり、前記第1の平坦な部分が前記細長い部材の前記第1の端から前記フランジまで縦方向に延びる溝を構成している請求項1記載のクランプ装置(36)。
  4. 前記上側ストロングバック本体(76)及び前記下側ストロングバック本体(78)が何れも、第1の端及び第2の端、平坦な第1の部分、湾曲した第2の部分(84)及び平坦な第3の部分(88)を持つ細長い部材(82)で構成され、前記第1及び第3の部分が実質的に整合し、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分の各々が第1の側面及び第2の側面(90)を持ち、前記第2の部分の第2の側面はT−ボックス(26)の曲率と同形になるような形であり、前記第1の部分の第2の側面(94)が前記細長い部材の第1の端から前記第2の部分まで縦方向に延びる舌片を構成し、前記第3の部分の第2の側面が前記細長い部分の第2の端から前記第2の部分まで縦方向に延びる舌片(92)を構成し、前記上側ストロングバック本体(76)の前記第1の部分の舌片及び前記第3の部分の舌片が、前記第1及び第2の上側クランプ本体(44A、44B)の溝(74)と夫々係合するような形になっており、前記下側ストロングバック本体(78)の前記第1の部分の舌片及び前記第3の部分の舌片が前記第1及び第2の下側クランプ本体(46A、46B)の溝と夫々係合するような形になっている請求項3記載のクランプ装置(36)。
  5. 更に複数個のクロスボルト(98)を有する請求項4記載のクランプ装置(36)。
  6. 前記上側下側(78)のストロングバック本体(76,78)の各々の前記第1の端及び前記第2の端が、前記クロスボルト(98)に係合するような形のボルト孔(104)を構成し、前記第1のクランプ集成体(38)及び前記第2のクランプ集成体(40)の前記第1と第2の上側クランプ本体(44A,44B)及び第1と第2の下側クランプ本体(46A,46B)のフランジ(56,68)が、前記クロスボルト(98)を受容れるような形をした通抜けのボルト孔(100)を構成している請求項5記載のクランプ装置(36)。
  7. 前記第1及び第2のクランプ集成体(40)の前記第1と第2の上側クランプ本体(44A,44B)及び第1と第2の下側クランプ本体(46A,46B)の各々のフランジ(56,68)にある各々の前記ボルト孔(100)が、前記上側及び下側ストロングバック本体(76,78)の対応する端にあるボルト孔(104)と実質的に整合する形になっている請求項6記載のクランプ装置(36)。
  8. 前記カバー板(80)が前記上側及び下側ストロングバック本体(76,78)に結合されており、前記カバー板(80)が前記T−ボックスのカバー(112)に係合するような形になっている請求項4記載のクランプ装置(36)。
  9. 前記カバー板(80)が、前記上側及び下側ストロングバック本体(76,78)に結合される形の略十字形を持つ平坦な部材で構成されている請求項8記載のクランプ装置(36)。
  10. さらに、前記クロスボルト(98)に結合された複数の円錐形円盤ばねの積層を有し、この積層の各々は、夫々の上側または下側のクランプ本体のフランジに係合する請求項6記載のクランプ装置(36)。
  11. 沸騰水型原子炉圧力容器用のクランプと炉心スプレー配管との集成体であって、この集成体は、
    第1の炉心スプレー分配ヘッダ管(18)と、
    第2の炉心スプレー分配ヘッダ管(20)と、
    前記第1と第2の炉心スプレー分配ヘッダ管(18,20)が延出するT−ボックス(26)と、
    クランプ装置(36)とを備え、
    このクランプ装置が、
    第1の分配ヘッダ管(18)に締付けられ、第1の上側クランプ本体(44A)と第1の下側クランプ本体(46A)と第1のクランプ・ボルト及びナット集成体(48A)とを有する第1のクランプ集成体(38)と、
    第2の分配ヘッダ管(20)に締付けられ、第2の上側クランプ本体(44B)と第2の下側クランプ本体(46B)と第2のクランプ・ボルト及びナット集成体(48B)とを有する第2のクランプ集成体(40)と、
    前記第1及び前記第2のクランプ集成体(38,40)に結合されるクランプ・ストロングバック集成体(42)とを備え、
    前記クランプ・ストロングバック集成体(42)が、上側ストロングバック本体(76)、下側ストロングバック本体(78)及びカバー板(80)を有し、
    前記上側ストロングバック本体(76)は前記T−ボックス(26)の形と同形になると共に前記第1のクランプ集成体(38)の前記第1と第2の上側クランプ本体(44A,44B)及び前記第2のクランプ集成体(40)の前記第1と第2の上側クランプ本体(44A,44B)に結合されるような形であり、
    前記下側ストロングバック本体(78)は前記T−ボックス(26)の形と同形になると共に前記第1のクランプ集成体(38)の前記第1の下側クランプ本体(46)及び前記第2のクランプ集成体(40)の前記第2の下側クランプ本体(46)に結合される形になっていることを特徴とする集成体。
  12. 各々の上側クランプ本体及び各々の下側クランプ本体(44,46)が前記ヘッダ管(18,20)の曲率と同形になるような形であって、その中を通抜けるクランプ・ボルト孔(50)を構成している請求項11記載の集成体。
  13. 前記第1のクランプ集成体(38)及び前記第2のクランプ集成体(40)の各々の第1と第2の上側クランプ本体(44A,44B)及び第1と第2のの下側クランプ本体(46A,46B)が、第1の端及び第2の端、第1の平坦な側面(52,64)、及び前記ヘッダ管(18,20)の曲率と同形になるような形をした第2の側面(54,66)を持つ細長い部材を構成し、前記第1の側面がそれから垂下するフランジ(56,68)を有し、該フランジ(56,68)は前記第1の側面(52,64)を第1の平坦な部分(58,70)及び第2の平坦な部分(60,72)に分割するような位置にあり、前記第1の平坦な部分(58,70)が前記細長い部材の第1の端からフランジ(56,68)まで縦方向に延びる溝(62)を構成している請求項11記載の集成体。
  14. 前記上側ストロングバック本体(76)及び前記下側ストロングバック本体(78)が、何れも、第1の端及び第2の端、平坦な第1の部分(86)、湾曲した第2の部分(84)及び平坦な第3の部分を持つ細長い部材(82)で構成され、前記第1及び第3の部分(86,88)が実質的に整合し、前記第1の部分(86)、前記第2の部分(84)及び前記第3の部分(88)の各々は第1の側面及び第2の側面を持ち、前記第2の部分(84)の第2の側面(90)は前記T−ボックス(26)の曲率と同形になるような形をしており、前記第1の部分(86)の第2の側面(90)は、前記細長い部材(82)の第1の端から第2の部分(84)まで縦方向に延びる舌片(92)を構成し、前記第3の部分(88)の第2の側面(90)は前記細長い部材(82)の第2の端から前記第2の部分(84)まで縦方向に延びる舌片(92)を構成しており、前記上側ストロングバック本体(76)の第1の部分の舌片(92)及び第3の部分(88)の舌片(92)は、夫々前記第1及び第2の上側クランプ本体(44)の溝(62)に係合する形になっていて、前記下側ストロングバック本体(78)の第1の部分の舌片(92)及び第3の部分(88)の舌片(92)は、夫々前記第1及び第2の下側クランプ本体(46)の溝(62)に係合する形になっている請求項13記載の集成体。
  15. 更に複数個のクロスボルト(98)を有する請求項14記載の集成体。
  16. 上側及び下側ストロングバック本体(76,78)の各々の第1の端及び第2の端が、クロスボルトに係合するような形のボルト孔(104)を構成しており、第1のクランプ集成体(38)及び第2のクランプ集成体(40)の各々上側及び下側のクランプ本体(44,46)のフランジ(56,58)が、前記クロスボルト(98)を受容れるような形のボルト孔(100)を構成しており、各々のフランジ(56,58)にある各々のボルト孔(100)が、上側及び下側ストロングバック本体(78)にある対応するボルト孔(104)と実質的に整合する形になっている請求項15記載の集成体。
  17. 前記第1及び第2のクランプ集成体(38,40)の前記第1,第2の上側及び下側クランプ本体(44A,44B,46A,46B)の各々のフランジ(56,68)にある各々の前記ボルト孔(100)が、前記上側及び下側ストロングバック本体(76,78)の対応する端にあるボルト孔(104)と実質的に整合する形になっている請求項16記載の集成体。
  18. さらに、前記クロスボルト(98)に結合された複数の円錐形円盤ばねの積層を有し、この積層の各々は、夫々の上側または下側のクランプ本体のフランジに係合する請求項16記載の集成体。
  19. 前記カバー板(80)が、上側及び下側ストロングバック本体(76,78)に結合される形の略十字形を持つ平坦な部材で構成されている請求項14記載の集成体。
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