JP4316475B2 - 薄膜太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜太陽電池及びその製造方法に関するものであり、特に、裏面電極膜の硫化や酸化等による腐食・劣化を防止し、かつ薄膜太陽電池の裏面側を発色させるあるいは裏面に着色を施す薄膜太陽電池及びその製造方法に関するものである。
従来、薄膜太陽電池の構造の一例として、ガラス等の絶縁透光性基板上に、SnO2、ITO、ZnO等の透明導電膜が形成され、その上に、非晶質半導体のp層、i層、n層がこの順に積層されることにより光電変換層が形成され、その上に、Ag、Al等の裏面電極膜が形成される構造のものがあった。この構造の薄膜太陽電池において、裏面電極膜の硫化や酸化等による腐食・劣化を防止するためには、レジスト膜を形成する方法が従来の薄膜太陽電池及びその製造方法の主流となっていた(特許文献1参照)。
特開2001−10263号公報
しかしながら、上述のように裏面電極膜の腐食・劣化を防止するためにレジスト膜を形成した薄膜太陽電池では、後の逆バイアス検査工程でレジスト膜を一旦拭き取って除去し、検査後に再度レジスト膜を形成しなければならないため二度手間であり、工程数が増加していた。また、薄膜太陽電池において、色、陰影による文字や絵などによって情報を表現することが望まれた。
本発明は、上述した従来の問題点を解決し、薄膜太陽電池の裏面電極膜の硫化や酸化等による腐食・劣化を防止できる薄膜太陽電池及び工程数増加を招くことなく製造することができると共に、色、陰影による文字や絵などによって情報を表現することができる薄膜太陽電池の製造方法を提供することを課題とする。
かくして本発明によれば、絶縁透光性基板と、この基板上に順次形成された透明導電膜、光電変換膜、裏面電極膜及び金属からなる不透明な保護膜を少なくとも備え、前記基板上で複数の発電領域に分割され、かつ電気的に直列接続された薄膜太陽電池であって、保護膜の膜厚は、微小な段差による陰影が生じるように、部分的に異なる薄膜太陽電池が提供される。
本発明は別の観点によれば、絶縁透光性基板上に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を複数に分割する工程と、透明導電膜側に光電変換膜を形成する工程と、前記透明導電膜を分割した位置に対して重畳する位置又は離れた位置で、前記光電変換膜を複数に分割する工程と、光電変換膜側に裏面電極膜を形成する工程と、裏面電極膜上に金属からなる不透明な保護膜を形成する工程と、前記光電変換膜を分割した位置に対して重畳する位置又は離れた位置で、前記保護膜、裏面電極及び光電変換膜からなる積層膜を複数に分割する工程を備え、保護膜を形成する工程において、微小な段差による陰影が生じるように、膜厚が部分的に異なる保護層を形成する薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
本発明の薄膜太陽電池によれば、導電性の保護膜によって裏面電極膜の硫化や酸化等による腐食・劣化を防止することができると共に、後工程において保護膜を除去することなく逆バイアス検査を行うことが可能となる。この結果、従来のようなレジスト膜の形成の二度手間を無くすことができる。すなわち、従来では逆バイアス検査を行うに際して、裏面電極膜の保護用のレジスト膜を一旦拭き取らなければならず、また逆バイアス検査後に再びレジスト膜を裏面電極膜上に形成しなければならないが、本発明の薄膜太陽電池によればこのような二度手間がなくなり、製品化までの全体の製造工程数を低減することができる。
本発明において、裏面電極膜上に形成される導電性の保護膜は、薄膜太陽電池を屋外に設置した場合に、裏面電極が例えば酸性雨による硫化や酸化(自然酸化)によって生じる腐食や劣化を防止するための役割を担うものであり、硫化防止用および/または酸化防止用の膜とすることができる。
本発明において、裏面電極膜上に形成される導電性の保護膜としては透明でも不透明でもよく、特に限定されるものではないが、膜厚としては10〜300nm程度が好ましい。
例えば、保護膜として透明の導電膜を使用することで、薄膜太陽電池の裏面側を光の干渉によって発色させることが可能になる。つまり、透明の保護膜に入射する光は膜の厚みによって干渉する波長が異なるため、所定厚みの保護膜に干渉した特定波長の反射光によって特定の色が発色したように人の目が感知することができる。したがって、保護膜が部分的に厚みの異なるものであれば、薄膜太陽電池の裏面側を複数色に発色させることができるため、色の変化、文字や絵などによって情報を表現することができる。このような情報としては、会社のロゴ等が挙げられ、情報を表現することにより、宣伝効果が得られる。
この透明の導電性の保護膜の材料としては、特に限定されるものではないが、透明であり、導電性を有することに加え、硫化防止、酸化防止、特に硫化防止と酸化防止を兼ねる材料が好ましく、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO等が挙げられ、中でも酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛の場合、保護膜の膜厚が50nmであれば淡い黄色に発色するように見え、100nmであれば淡い紫色に発色するように見える。
一方、保護膜が不透明である場合、光の干渉ではなくその保護膜自体がもつ特有の色が薄膜太陽電池の裏面側に着色されることとなる。この不透明の導電性の保護膜としては、金属膜が容易に形成できる点で好ましい。金属膜の材料としては、特に限定されるものではなく、着色したい色の金属を選択すればよい。例えば、金色に着色する場合は金を、淡い青色に着色する場合は青銅を、赤褐色に着色する場合は銅を選択すればよい。また、金属膜からなる保護膜も、部分的に厚みの異なるものであってもよく、それにより膜表面に微小な段差による陰影が生じ、金属膜の色、陰影による文字や絵などによって情報を表現することができる。
本発明において、裏面電極膜の材料としては特に限定されるものではないが、絶縁透光性基板側から入射した光の反射率が高いものが薄膜太陽電池の短絡電流値を上げることができる点で好ましく、例えば銀、アルミニウム、銅等が挙げられるが、中でも銀が好ましい。また、裏面電極膜の膜厚としては、550〜1200nmが好ましく、さらに1層に限らず2層以上の積層膜から構成されていてもよい。2層とする場合、下層には比抵抗が小さく透光性は高い、例えば酸化亜鉛やITO等からなる透明電極層を形成する。一方、上層には反射率の高い、例えばAlやAgからなる金属電極層を形成する。透明電極層の膜厚は50〜200nm程度、金属電極層の膜厚は500〜1000nm程度が好ましい。なお、1層とする場合は、透明電極層を割愛してもかまわない。
光電変換膜の材料としては、特に限定されるものではなく、単結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶ゲルマニウム、微結晶シリコン等の結晶系、アモルファスシリコン(a‐Si)、a‐SiC等のアモルファス系、GaAs、InP、CdS、CdTe、CuInSe2等の化合物半導体が挙げられる。また、光電変換膜の構造は、pn接合、pin接合、ヘテロ接合、ショットキー型、多重接合型が挙げられ、特に限定されるものではない。膜厚としては、例えばpn接合の場合、200〜400μm、pin接合の場合、100nm〜5μmが挙げられる。
絶縁透光性基板上に形成される透明導電膜としては、特に限定されるものではないが、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO等が挙げられ、中でも酸化スズが好ましい。この透明導電膜の膜厚としては、500〜1500nmが挙げられる。
絶縁透光性基板としては、特に限定されるものではなく、例えばガラス基板を用いることができる。この絶縁透光性基板の厚みは、1〜10mmが挙げられる。
このような本発明の薄膜太陽電池は、絶縁透光性基板上に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を複数に分割する工程と、透明導電膜側に光電変換膜を形成する工程と、前記光電変換膜を複数に分割する工程と、光電変換膜側に裏面電極膜を形成する工程と、裏面電極膜上に導電性の保護膜を形成する工程と、前記保護膜、裏面電極及び光電変換膜からなる積層膜を複数に分割する工程を備えてなる薄膜太陽電池の製造方法によって製造することができる。
本発明の薄膜太陽電池の製造方法によれば、上述のように導電性の保護膜によって裏面電極膜の硫化や酸化等による腐食・劣化を防止することができると共に、後工程において保護膜を除去することなく逆バイアス検査を行うことが可能となり、製品化までの全体の製造工程数を低減することができる。
上述の製造方法において、絶縁透光性基板上に透明導電膜を形成する方法、透明導電膜側に光電変換膜を形成する方法、光電変換膜側に裏面電極膜を形成する方法及び裏面電極膜上に導電性の保護膜を形成する方法は、公知技術の蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。
また、上述の製造方法において、透明導電膜を複数に分割する方法、光電変換膜を複数に分割する方法及び保護膜、裏面電極及び光電変換膜からなる層を複数に分割する方法は、公知技術のレーザ加工、エッチング、物理研磨 等が挙げられるが、中でもレーザ加工(例えばYAGレーザ)による方法が好ましい。特に、上層のみを選択的に分割して下層(この場合、透明電極膜)の破損を避けるには、波長選択性のあるYAG SHGレーザを用いることが好ましい。
また、透明電極膜を分割して形成される溝(透明電極膜分離ライン)の幅は10〜500μm程度が好ましく、光電変換膜を分割して形成される溝(光電変換膜分離ライン)の幅は50〜100μm程度が好ましく、保護膜、裏面電極及び光電変換膜からなる積層膜を分割して形成される溝(裏面電極膜分離ライン)の幅は50〜100μm程度が好ましい。さらに、上記光電変換膜分離ラインを形成する位置は、上記透明電極膜分離ラインと50μm程度重畳する位置乃至50μm程度離れた位置が好ましく、上記裏面電極膜分離ラインを形成する位置は、光電変換膜分離ラインと50μm程度重畳する位置乃至150μm程度離れた位置が好ましい。
また、本発明の製造方法によれば、保護膜を形成する工程において、上述のように部分的に保護膜の膜厚を異ならせるは、(1)保護膜を形成する工程が、裏面電極膜上に第1の保護膜を形成する工程と、この第1の保護膜上に所定パターン形状のマスクを用いて第2の保護膜を形成する工程を含むことにより、あるいは(2)保護膜を形成する工程が、裏面電極膜上に形成した保護膜を所定パターン形状のマスクを用いてエッチングする工程を含むことにより、保護膜の部分的な膜厚変化を施すことができる。エッチングは、ウエットあるいはドライのどちらでもよい。また、マスクは従来公知の方法によって形成することができる。
(1)の場合、例えば、第1の保護膜の膜厚を10〜50nm程度とし、その上に第2の保護膜を100〜200nm程度で形成することにより、保護膜が透明であれば光の干渉を利用して複数色に発色させて色の変化、文字や絵などによって情報を表現することができ、保護膜が不透明であればその膜の色、表面の陰影による文字や絵などによって情報を表現することができる。
(2)の場合、例えば、保護膜を膜厚100〜200nm程度で形成し、この保護膜の表面を部分的に50〜150nm程度エッチングすることにより、上述のように情報を表現することができる。
また、(1)、(2)のように裏面電極膜上に導電性の保護膜を形成するに際して、マスクを用いることで膜厚変化を容易に施すことができ、工程の複雑化を防ぐことができる。
以下、本発明の薄膜太陽電池の実施例を図面に基づいて詳説する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の薄膜太陽電池におけるセル構造の一部を示し、かつその製造方法を説明するための要部拡大断面図である。
この実施例の薄膜太陽電池(セル)は、ガラス基板1と、ガラス基板1上に短冊状に複数形成された透明導電膜2と、隣接する透明導電膜2、2に接触した状態で堆積された複数の光電変換膜3と、各光電変換膜3上に形成された複数の裏面電極膜50と、各裏面電極膜50上に形成された保護膜6とから構成されている。
ガラス基板1は、一辺:560mm、他辺:925mm、厚み:1.8mmである。
透明導電膜2は、酸化スズからなり、ガラス基板1上に幅540nm程度の透明導電膜分離ライン7を隔てて短冊状に72個並列している。
光電変換効膜3は、隣接する透明導電膜2、2間の透明導電膜分離ライン7内に一部が埋め込まれ、かつ一方の透明導電膜2の端部上面(透明導電膜分離ライン7近傍)から他方の透明導電膜2の中央部上面を越える位置まで積層した状態で、合計72個設けられている。また、各光電変換膜3には、上記一方の透明導電膜2の端部近傍に、製造時に形成された後述の光電変換膜分離ライン8を有している。この光電変換膜3は、非晶質シリコンにてHp層、Hi層、Hn層の構造に形成されてなり、合計の厚みは300nm程度である。
裏面電極膜50は、下層の透明電極膜4と上層の金属電極膜5の2層構造であり、各電極膜4、5は、光電変換膜3の光電変換膜分離ライン8内に一部が埋め込まれた状態で光電変換膜3上に積層されている。透明電極膜4は酸化亜鉛からなり、厚みは100nm程度であり、金属電極膜5は銀からなり、厚みは300nm程度である。
保護膜6は、酸化亜鉛からなり、裏面電極膜50の硫化防止用兼酸化防止用の膜であり、厚みは150nm程度である。
次に、図1を参照しながら実施例1の薄膜太陽電池(セル)の製造について説明する。
まず、予め透明導電膜2を形成したガラス基板1を用意した。このガラス基板1は、予め透明導電膜2がガラス基板1の片側表面と全周囲端面に形成されている。次に、レーザ光を用いて透明導電膜2のパターニングを行なった。この際、透明導電膜2によく吸収されるYAG基本波レーザ光を用い、レーザ光をガラス基板1側から入射させることにより、透明導電膜2が短冊状に分離されて、幅:80μm程度の透明電極膜分離ライン7が形成された。
続いて、透明導電膜2が形成されたガラス基板1を純水で洗浄し、乾燥した後、Hp層、Hi層、Hn層からなる光電変換膜3を、公知技術のプラズマCVD法により合計厚み:300nmで形成した。次に、レーザ光を用いて光電変換膜3のみをパターニングした。この際、レーザ光による透明導電膜2の損傷を避けるため、波長選択性のある、YAGSHGレーザを用い、レーザ光をガラス基板1側から入射させることにより、光電変換膜3を短冊状に分離して、幅:100μmの光電変換膜分離ライン8を、透明電極膜分離ライン7と140μm程度離れた位置に形成した。
続いて、公知技術のRFマグネトロンスパッタリング法により透明電極層4、金属電極層5をこの順で積層することにより、裏面電極膜50を形成した。
その後、裏面電極膜50上に、1000Åの厚さで酸化亜鉛からなる保護膜6を公知技術のRFマグネトロンスパッタリング法により形成した。
さらに、YAG SHGレーザを用いて、レーザ光をガラス基板1側から入射させることにより裏面電極膜50のパターニングを行った。これにより、保護膜6及び裏面電極膜50が短冊状に分離され、同時に光電変換膜3も除去されて、裏面電極膜分離ライン9が幅:80μmで形成された。
最後に、超音波洗浄により、裏面電極分離ライン9のパターニング残滓を取り除いた。
このようにして、保護膜6、裏面電極膜50及び光電変換膜3を貫通して略同一形状にパターニングされて、絶縁透光性基板1上で72個の発電領域(光電変換素子)に分割され、各発電領域が直列接続された集積型薄膜太陽電池セルが得られた。
[試験1]
上述の製造方法により作製された、保護膜が無い集積型薄膜太陽電池セル(比較例1)と、保護膜を有する集積型薄膜太陽電池セル(実施例1)を、裏面電極膜50の金属電極層5の光反射率を測定した。測定は、太陽電池セルの作製直後(金属電極層5(Ag膜)の成膜直後)と、太陽電池セルを屋外に384時間設置した後に行った。表1に、保護膜6が無い裏面電極膜50の金属電極層5(Ag膜)の反射率の経時変化を示した。また、表2に、保護膜6(ZnO膜)を形成した金属電極層5(Ag膜)の反射率の経時変化を示した。この場合、保護膜6をウエットエッチング(エッチャント:酢酸)して金属電極層5の表面を剥き出して測定した。
Figure 0004316475
Figure 0004316475
波長300〜1000nmの波長の反射光の反射率を測定した結果、表1より、保護膜6を形成しなかった金属電極層5では、波長300〜900nmの範囲で反射率が低下していることが分かった。これは、金属酸化層5が酸性雨により硫化したためであると考えられる。一方、表2より、保護膜6を形成していた金属電極層5では、波長300〜1000nmの範囲で高い反射率を維持していることが分かる。なお、表2において、1%未満の反射率の低下は見られるが、これは硫化による低下ではなく、エッチングによりAg膜の表面形状が荒れたためであると考えられる。
[試験2]
上述のようにして作製した、実施例1の集積型薄膜太陽電池セル(基板サイズ560mm×925mm)の特性を測定した。
測定の結果、AM1.5(100mW/cm2 )において、短絡光電流Isc=0.733[A]、開放端電圧Voc=64.883[V]、曲線因子F.F.=0.695、最適動作点出力Pmax=33.046[W]であった。
[試験3]
裏面電極膜の金属電極層5がアルミニウムからなること以外は、上述の実施例1の製造方法と同様に実施例2の集積型薄膜太陽電池セルと、保護膜の無い比較例2の集積型薄膜太陽電池セルを作製し、実施例2および比較例2について実施例1と同様の方法で裏面電極膜50の金属電極層5の光反射率を測定した。測定は、太陽電池セルの作製直後(金属電極層5(Al膜)の成膜直後)と、太陽電池セルを室内に384時間設置した後に行った。表3に、保護膜6が無い裏面電極膜50の金属電極層5(Al膜)の反射率の経時変化を示した。また、表4に、保護膜6(ZnO膜)を形成した金属電極層5(Al膜)の反射率の経時変化を示した。この場合、保護膜6をウエットエッチング(エッチャント:酢酸)して金属電極層5の表面を剥き出して測定した。
Figure 0004316475
Figure 0004316475
波長300〜1000nmの波長の反射光の反射率を測定した結果、表3より、保護膜6を形成しなかった金属電極層5では、波長300〜900nmの範囲で反射率が低下していることが分かった。これは、金属酸化層5が自然酸化したためであると考えられる。一方、表4より、保護膜6を形成していた金属電極層5では、波長300〜1000nmの範囲で高い反射率を維持していることが分かる。なお、表4において、1%未満の反射率の低下は見られるが、これは酸化による低下ではなく、エッチングによりAl膜の表面形状が荒れたためであると考えられる。
[試験4]
上述のようにして作製した、実施例2の集積型薄膜太陽電池セル(基板サイズ560mm×925mm)の特性を測定した。
測定の結果、AM1.5(100mW/cm2 )において、短絡光電流Isc=0.733[A]、開放端電圧Voc=64.883[V]、曲線因子F.F.=0.695、最適動作点出力Pmax=33.046[W]であった。
本発明の実施例の薄膜太陽電池におけるセル構造の一部を示し、かつその製造方法を説明するための要部拡大断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板(絶縁透光性基板)
2 透明導電膜
3 光電変換膜
4 透明電極層
5 金属電極層
6 保護膜
7 透明電極膜分離ライン
8 光電変換膜分離ライン
9 裏面電極膜分離ライン
50 裏面電極膜

Claims (8)

  1. 絶縁透光性基板と、この基板上に順次形成された透明導電膜、光電変換膜、裏面電極膜及び金属からなる不透明な保護膜を少なくとも備え、前記基板上で複数の発電領域に分割され、かつ電気的に直列接続された薄膜太陽電池であって、
    保護膜の膜厚は、微小な段差による陰影が生じるように、部分的に異なることを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 保護膜が、裏面電極膜の硫化防止用および/または酸化防止用の膜である請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 裏面電極膜が銀からなる請求項1または2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 保護膜が金属膜からなる請求項1〜3の何れか1つに記載の薄膜太陽電池。
  5. 絶縁透光性基板上に透明導電膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜を複数に分割する工程と、
    透明導電膜側に光電変換膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜を分割した位置に対して重畳する位置又は離れた位置で、前記光電変換膜を複数に分割する工程と、
    光電変換膜側に裏面電極膜を形成する工程と、
    裏面電極膜上に金属からなる不透明な保護膜を形成する工程と、
    前記光電変換膜を分割した位置に対して重畳する位置又は離れた位置で、前記保護膜、裏面電極及び光電変換膜からなる積層膜を複数に分割する工程を備え、
    保護膜を形成する工程において、微小な段差による陰影が生じるように、膜厚が部分的に異なる保護層を形成することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 保護膜が、裏面電極膜の硫化防止用および/または酸化防止用の膜である請求項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 保護膜を形成する工程が、裏面電極膜上に第1の保護膜を形成する工程と、この第1の保護膜上に所定パターン形状のマスクを用いて第2の保護膜を形成する工程を含む請求項5または6に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 保護膜を形成する工程が、裏面電極膜上に形成した保護膜を所定パターン形状のマスクを用いてエッチングする工程を含む請求項5〜7のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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