JP4316428B2 - ケーブルの非破壊劣化診断方法 - Google Patents

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本発明は、ケーブルの非破壊劣化診断方法に関し、特に、水トリー劣化する架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(CVケーブル)において好適に用いることができる非破壊劣化診断方法に関するものである。
CVケーブルは、布設及び保守管理が容易という特長があることから、電力ケーブルの主流になっている。しかし、CVケーブルには、水トリー(tree)と呼ばれる特有の劣化形態が存在する。遮水構造を持たないCVケーブルが、水の存在する環境下において使用された場合、半導電層の突起や絶縁体中の異物もしくはボイドといった電界集中部に水が凝集して水トリーが発生する。この水トリーは、時間と共に電界方向に進展し、それに伴ってケーブルの絶縁性能が低下していくことが知られている。経年劣化によるCVケーブルの絶縁破壊事故を未然に防止するためには、劣化診断が不可欠である。
このCVケーブルの劣化診断方法として、ブリッジ回路、アンプ、バンドパスフィルタ(BPF)を組み合わせたものがある。この診断方法は、ブリッジ回路の一方に静電容量Cxを有する測定対象のケーブルを試料として接続し、他方に標準コンデンサCsを接続し、ブリッジ回路の出力部に接続されたアンプの出力信号のうち基本周波数成分が最小になるようにブリッジ回路を調整するとともに、この損失電流に含まれる奇数次高調波電流の大きさ及びこの高調波電流の基本波電流に対する位相を求め、この求めた高調波電流の大きさと位相の組合せを2種類以上設定することにより判定基準とし、ケーブルの劣化程度を判定するものである。また、損失電流の奇数次高調波電流の測定を課電電圧を変えて実施し、さらに各電圧値における測定電流値の比率を求め、この比率と、予め求めておいた比率と絶縁劣化の度合いの関係を示すデータとを照合して劣化の程度を判断するものである(例えば、非特許文献1,2参照。)。
電気学会論文119巻4号、平成11年(p438〜444) 「SEIテクテクニカルレビュー」第156号、2000年3月、(p62〜66)
近年、設備の有効活用の観点から、設計寿命に達したケーブル線路でも可能であれば引き続き使用することが望まれている。一方、ケーブルの残存性能においては、短尺水トリーの発生数が多くとも絶縁性能に与える影響は小さいが、長大トリーは1つでもあると絶縁性能を大きく低下させてしまう。このため、ケーブルの使用電圧における残存使用年数または正確な破壊電圧値などのケーブル残存性能を測定出来る劣化診断方法の確立が待たれている。
しかしながら、従来のケーブル劣化診断方法は、水トリーが発生したケーブルの絶縁体の劣化度合いについて、絶縁体を流れる損失電流を測定し、その測定値から閾値などと比較して基準内であれば引き続き実ケーブル線路として使用出来るかを見極めるための判定方法であるが、その測定した損失電流値は、水トリーの長さや数によっても変化してしまう。よって、その絶対値が必ずしも劣化度合いの基準値とはなり得ないため、従来の劣化診断方法では、ケーブルの残存性能を正確に求めることができなかった。
したがって、本発明の目的は、ケーブルの残存性能を高精度で把握することが可能なケーブルの非破壊劣化診断方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のケーブルの非破壊劣化診断方法は、診断対象のケーブルに課電電圧を印加して前記ケーブルから発生する損失電流の奇数次高調波成分のレベルを測定しつつ前記診断対象のケーブルに印加する課電電圧を上昇させることにより、前記課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の変化特性を求め、前記変化特性に基づき前記課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の傾きが所定の値を超えて増加する急増点の課電電圧の値を算出し、予め求めておいた前記急増点における課電電圧と絶縁破壊電圧との相関関係と対比することにより、前記診断対象ケーブルの絶縁破壊電圧及び商用運転電圧時における余寿命を求めることを特徴とする。
前記課電電圧の周波数として、商用周波数とは異なる周波数を用いることが好ましい。
前記奇数次高調波成分のレベルは、商用周波数と異なる課電周波数に同期させて前記奇数次高調波成分を平均化処理した出力信号レベルとすることができる。
前記所定の値として、前記奇数次高調波成分の増加分が前記課電電圧に対する増加分の2乗となる値を用いることができる。
前記損失電流の奇数次高調波成分の急増傾向を判断した時点で課電電圧を遮断し、前記診断対象のケーブルを絶縁破壊から防止するとともに、前記遮断した際の電圧から前記診断対象ケーブルの絶縁破壊電圧及び余寿命を求めることもできる。
また、課電電圧を商用運転電圧の20〜50%に変化させた時に、前記奇数次高調波成分の増加分が前記課電電圧に対する増加分の何乗に比例するかを求め、この値よりも1〜3乗高い値を前記所定の値とすることができる。例えば、低電界課電下で4乗に比例するのであれば、所定の値をこの値よりも1〜3乗高い5〜7乗と設定することができる。
本発明のケーブルの非破壊劣化診断方法によれば、課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の変化特性を求め、前記変化特性に基づき前記課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の傾きが所定の値を超えて増加する急増点の課電電圧の値を算出し、予め求めておいた前記急増点における課電電圧と絶縁破壊電圧との相関関係と対比することにより、診断対象ケーブルの絶縁破壊電圧および商用運転電圧時における余寿命を高精度に推定することが可能になり、これより、設計寿命に達したケーブルおいても実線路に安心して使用することが出来る。
[第1の実施の形態]
本発明は、損失電流の奇数次高調波成分の課電圧依存性、特に、絶縁破壊の直近では奇数次高調波成分が急増するという現象を見出し、この現象に着目してなされたものであり、損失電流の奇数次高調波成分−課電電圧特性の相関関係を求め、その傾きの変化からCVケーブルの絶縁破壊電圧を推定するものである。損失電流の奇数次高調波成分−課電電圧特性の傾きの変化を詳細に求めるためには、損失電流の奇数次高調波成分を高感度に検出することが重要である。
図1は、絶縁劣化したケーブルから検出された高調波成分であり、東日本地域の商用周波数と同じ50Hzの周波数で課電した時の高調波成分の検出信号レベルと課電電圧の測定結果と、商用周波数とは異なる60Hzの周波数で課電した時の高調波成分の検出信号レベルと課電電圧の測定結果を示す。図1から明らかなように、商用周波数(50Hz)と同じ50Hz課電時は、検出信号レベルの変化が、同じ課電電圧でも上限値や下限値の値が指示するように大きくばらついているのに対し、商用周波数と異なる課電周波数(60Hz)を設定して課電した時には、同じ課電電圧でも上限値、下限値の値が一致して検出信号レベルにばらつきが見られず、安定した高調波成分の測定値が得られる。よって本実施の形態では、課電電圧の周波数を商用周波数とは異ならせ、安定した高調波成分の測定値が得られるようにしている。
図2は、6kVCVケーブルにおける損失電流の第3高調波成分(第3高調波信号レベル)と課電電圧(課電周波数は60Hz)の関係を両対数のグラフにプロットしたものである。また、表1は、図2に示した健全ケーブル(試料No.1)と劣化ケーブル(試料No.2)の破壊試験結果を示したものである。
Figure 0004316428
第3高調波信号と課電電圧の関係を、図2のような両対数のグラフにプロットすると、試料No.1の健全ケーブルの第3高調波信号は、課電圧の変化に対して直線的に増加している。これに対して、試料No.2の劣化ケーブルは、絶縁破壊(BD)の数ステップ前(約18kV)の時点で、第3高調波信号レベルが桁違いに急増(30dB=約30倍)していることがわかる。
図2を参照すると、未劣化ケーブル(健全ケーブル)及び劣化ケーブルともに、破壊電圧の半分以下の範囲における特性の傾きは、課電電圧の1〜1.5乗に比例した形になっている。未劣化ケーブルの場合、特性の傾きは比例(1乗)増加になる。これに対して、劣化ケーブルの破壊直前(20kVレベル)における傾きは、課電電圧が2kV(約10%)上昇したのに対して、損失電流は約30倍(30dB)増加しており、その傾きは10乗以上になっている。
そこで、本発明では、この傾きの急増現象を「破壊の前駆現象」と捉え、傾きが課電電圧の2乗かそれ以上に大きければ、劣化ケーブルであると判定している。なお、20kV〜30kVにおいて、損失電流の高調波信号レベルに変化が無いのは、単に測定装置の飽和によるものである。
(劣化診断装置の構成)
図3は、本発明のケーブルの非破壊劣化診断方法を達成する劣化診断装置の構成を示したものである。図3において、劣化診断装置1は、一次巻線11aに交流電源Eが接続される周波数可変トランス11と、この周波数可変トランス11の二次巻線11bの出力間に接続されるブリッジ回路12と、ブリッジ回路12の出力部に接続されたアンプ13と、アンプ13の出力部に接続されたバンドパスフィルタ(BPF)14と、外部ノイズの影響を排除するためにバンドパスフィルタ14からの検出信号の平均化処理を行う平均化処理回路15と、平均化処理回路15の出力信号に対してFFT(高速フーリエ変換)解析を行うFETアナライザ16とを備える。
ブリッジ回路12は、周波数可変トランス11の二次巻線の一端Aに接続された標準コンデンサCsと、標準コンデンサCsと二次巻線の他端Bとの間に接続された可変抵抗12aと、可変抵抗12aに並列接続された可変コンデンサ12bと、測定対象のケーブル(以下、「供試ケーブル」という。)の静電容量Cxを介して周波数可変トランス11の二次巻線11b間に接続された可変抵抗12cとを備える。
バンドパスフィルタ14は、交流電源Eの周波数成分及び測定対象外(およそ第7高調波以上)の高周波ノイズをキャンセルするように構成されている。
図4は、本発明の実施の形態に係るケーブルの非破壊劣化診断方法を示す。図4において、Sはステップを表している。図3および図4を参照して、以下に非破壊劣化診断方法を説明する。
(劣化診断の処理)
まず、前記課電電圧特性の傾きの急増点における課電電圧と絶縁破壊電圧との関係を予め求めておく(S101)。更に、周波数可変トランス11の二次巻線の一端Aと可変抵抗12cの間には、供試ケーブルの導体と遮蔽層(接地)が接続される。供試ケーブルの導体と遮蔽層との間における絶縁抵抗および絶縁容量の等価回路は、抵抗成分rxおよび容量成分Cxの直列接続で表わされる。高感度検出のために、商用周波数と異なる電圧を周波数可変トランス11の一次巻線11aに印加する。商用周波数と異なる課電電圧にすることで、供試ケーブルから出た奇数次高調波の周波数は、商用周波数の高調波と周波数が異なるので、その影響を避けられ、ノイズレベルの低い環境での測定が可能になる。
バンドパスフィルタ14は、その通過帯域を交流電源Eの周波数の第3から第7高調波帯域に合わせる。このバンドパスフィルタ14に入力される交流電源Eの周波数成分が最小になるように、可変抵抗12aの抵抗値R2および可変コンデンサ12bの容量C1を調整する。
ブリッジ回路12の平衡条件のとき、バンドパスフィルタ14の入力には交流電源Eの周波数成分が除去された信号が出力される(S102)。
ブリッジ回路12の平衡は、可変抵抗12a,12cおよび可変コンデンサ12bを調整して行う。次に、このような高調波電流測定を交流電源Eの課電電圧を昇圧させながら行い、各電圧値における損失電流の奇数次高調波の成分をFETアナライザ16でFFT解析し、奇数次高調波成分の課電電圧特性を得る(S103)。FFT解析の前の検出信号は、課電電圧に同期させて平均化処理回路15により平均化処理を行い、外部ノイズの影響を排除している。
次に、図2で説明したように、課電電圧特性の傾きが急増する場所の課電電圧を求める(S104)。この課電電圧と、S101で求めた課電電圧特性の傾きの急増点における課電電圧と絶縁破壊電圧との関係とを比較する(S105)。例えば特性の傾きが2乗以上であれば、その変化点の課電電圧から、絶縁破壊電圧及び商用運転電圧における余寿命を求める(S106)。
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)診断対象のケーブルから発生する損失電流の奇数次高調波成分の課電電圧特性を求め、その課電電圧特性の傾きが急増した時の課電電圧と、予め急増時の課電電圧と絶縁破壊電圧との関係を求めておき、この関係と傾き急増点での課電電圧とを比較することにより、絶縁破壊電圧を高精度に推定することが可能になる。
(ロ)課電電圧特性の傾きが課電電圧の2乗以上に比例したとき急増したものと判断することにより、容易に重劣化ケーブルかを判別することができる。
(ハ)課電電圧の周波数を、交流電源Eの商用周波数と異ならせることにより、安定した測定値を得ることができる。
(ニ)奇数次高調波信号レベルを前記商用周波と異なる課電周波数に同期させて平均化処理回路で平均化処理することにより、測定値が外部ノイズの影響を受けて不安定になるのを防止することができる。
実際に水トリー劣化した6kVCVケーブル及び未劣化の6kVCVケーブルに対して、損失電流の奇数次高調波信号(主に第3高調波)を測定しながら、課電電圧をステップ昇圧させて、最終的に絶縁破壊させる実験を行った。
供試ケーブルに課電したことによって流れる電流(充電電流+損失電流)中の充電電流と、標準コンデンサCsに流れる充電電流のバランスをブリッジ回路12でとることにより、損失電流のみを検出している。更に、損失電流の周波数成分をFFTアナライザ16でFFT解析することにより、基本周波数(=課電周波数)の高調波信号レベルの大きさを測定した。なお、損失電流をそのままFFT解析した場合、外部ノイズの影響を受けて指示値(測定値)が不安定になるため、FFT解析前に平均化処理回路15により検出信号の平均化処理を行っている。なお、平均化処理を行う際は、課電電圧信号Seをトリガーとして、これに同期した信号を効率良く平均化させるようにした。
6kVCVケーブルの場合、表1からわかるように、水トリー劣化ケーブルの破壊電圧は、損失電流の第3高調波の急増電圧よりも若干高い程度であることから、この急増現象が破壊の前駆現象であるといえる。このため、第3高調波信号の急増電圧がわかれば、破壊電圧も容易に推定できる。したがって、破壊電圧推定値を公知の「水トリー長−破壊電圧」のデータに適用すれば、現時点での水トリー長が推定できることになる。
図5は、絶縁破壊電圧(kV)と最大水トリー長(μm)の関係を示す特性図であり、図6は、使用年数(年)と最大水トリー長(μm)の関係を示す特性図である。これら特性図は、平成5年電気学会全国大会、文献N0.7、1577「6.6kVCVケーブルの絶縁劣化」の図3および図2に掲載されている。
図5の特性に上記表1に示した試料No.1の破壊電圧データ(破壊電圧20kV)を適用すると、最大水トリーは約3000μmになることがわかる。さらに、図6に示す特性を本実施例に適用すれば、3.0mmの水トリーが、絶縁体全体(厚さ3.5mm)を橋絡するまでに要する時間は約3年間(使用年数16年−13年)であり、これが残存寿命として算出される。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るケーブルの劣化位置標定方法を達成する劣化位置標定の構成を示す。図7における回路構成は、図3と同じであるが、標準コンデンサCsおよび静電容量Cxに代えて、劣化ケーブル20の外部導体縁切り部(または後付絶縁接続部)21の両側の静電容量Cx1,Cx2がブリッジ回路12に接続されるようにしている。また、アンプ13の出力波形をモニタするためにFFT機能付きオシロスコープ16をバンドパスフィルタ14に接続している。
(劣化位置標定方法)
劣化ケーブル20の劣化位置の標定を行う場合、劣化ケーブル20の中間部の外部遮蔽構造を縁切りして外部導体縁切り部(または後付絶縁接続部)21を形成し、この外部導体縁切り部21の前後のシースの電圧を検出し、その検出電圧をアンプ13により増幅する。更に、アンプ13により増幅された検出信号の波形極性をFFT機能付きオシロスコープ16で観察する。そして、第1の実施の形態で説明した方法と同様にして、外部導体縁切り部(または後付絶縁接続部)21の両側について、課電電圧に対する奇数次高調波成分の変化特性を求め、外部導体縁切り部21の左右どちらから大きな劣化信号が発生しているかを把握する。
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態によれば、外部導体縁切り部(または後付絶縁接続部)の両側について、課電電圧に対する奇数次高調波成分の変化特性を求め、外部導体縁切り部21の左右どちらから大きな劣化信号が発生しているかを判定することにより、劣化ケーブル20における水トリー劣化位置の標定が可能になる。また、非破壊劣化診断方法に用いる装置の共用も可能になり、利便性が向上する。
[他の実施の形態]
上記実施の形態において、損失電流の高調波成分を低電界の課電時に測定し、それに基づいて各課電電圧における損失電流第3高調波信号レベルの閾値(未劣化の場合の最大損失電流値+α)を設定し、この閾値を劣化判定基準として絶縁診断を行うほか、破壊前の電源遮断を行うことが可能である。
また、直流漏れ信号、部分放電信号など、他の検出信号レベルの急増現象を検出し、この検出信号に基づいて、破壊前の電源遮断、及び劣化判定を行うこともできる。また、絶縁破壊する前に電源を遮断することで、ケーブルの絶縁破壊を防止することができる。
東日本における商用周波数(50Hz)および商用周波数ではない60Hz課電時の高調波成分の検出信号レベルと課電電圧の測定結果を比較した特性図である。 6kVCVケーブルにおける損失電流の第3高調波成分と課電電圧の関係を示す特性図である。 本発明のケーブルの非破壊劣化診断方法にあって、奇数次高調波成分を検出するための劣化診断装置の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態に係るケーブルの非破壊劣化診断方法を示すフローチャートである。 残絶縁破壊電圧と最大水トリー長の関係を示す特性図である。 使用年数と最大水トリー長の関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るケーブルの劣化位置標定方法を達成する劣化位置標定の構成を示す回路図である。
符号の説明
1 劣化診断装置
11 周波数可変トランス
11a 一次巻線
11b 二次巻線
12 ブリッジ回路
12a,12c 可変抵抗
12b 可変コンデンサ
13 アンプ
14 バンドパスフィルタ
15 平均化処理回路
16 FFTアナライザ
17 モニタ
20 劣化ケーブル
21 外部導体縁切り部
Cs 標準コンデンサ
Cx,Cx1,Cx2 静電容量
E 交流電源
Se 課電電圧信号

Claims (6)

  1. 診断対象のケーブルに課電電圧を印加して前記ケーブルから発生する損失電流の奇数次高調波成分のレベルを測定しつつ前記診断対象のケーブルに印加する課電電圧を上昇させることにより、前記課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の変化特性を求め、前記変化特性に基づき前記課電電圧に対する前記奇数次高調波成分の傾きが所定の値を超えて増加する急増点の課電電圧の値を算出し、予め求めておいた前記急増点における課電電圧と絶縁破壊電圧との相関関係と対比することにより、前記診断対象ケーブルの絶縁破壊電圧及び商用運転電圧時における余寿命を求めることを特徴とするケーブルの非破壊劣化診断方法。
  2. 前記課電電圧の周波数として、商用周波数とは異なる周波数を用いることを特徴とする請求項1記載のケーブルの非破壊劣化診断方法。
  3. 前記奇数次高調波成分のレベルは、商用周波数と異なる課電周波数に同期させて前記奇数次高調波成分を平均化処理した出力信号レベルとすることを特徴とする請求項1記載のケーブルの非破壊劣化診断方法。
  4. 前記所定の値として、前記奇数次高調波成分の増加分が前記課電電圧に対する増加分の2乗となる値を用いることを特徴とする請求項1記載のケーブルの非破壊劣化診断方法。
  5. 前記損失電流の奇数次高調波成分の急増傾向を判断した時点で課電電圧を遮断し、前記診断対象のケーブルを絶縁破壊から防止するとともに、前記遮断した際の電圧から前記診断対象ケーブルの絶縁破壊電圧及び余寿命を求めることを特徴とする請求項1記載のケーブルの非破壊劣化診断方法。
  6. 課電電圧を商用運転電圧の20〜50%に変化させた時に、前記奇数次高調波成分の増加分が前記課電電圧に対する増加分の何乗に比例するかを求め、この値よりも1〜3乗高い値を前記所定の値とすることを特徴とする請求項1記載のケーブルの非破壊劣化診断方法。
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