JP4314571B2 - Lc複合フィルタ部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器などのノイズを除去するフィルタとして機能するインダクタとキャパシタとを備えたLC複合フィルタ部品に関する。
電子機器などのノイズを除去するフィルタとして用いられ、インダクタ(コイル部)とキャパシタ(コンデンサ部)とを複合してモノリシック構造としたLC複合部品が知られている。
従来、この種のLC複合部品は、誘電体材料と磁性体材料との混合材料の表面に導体を形成し、これを積層することによって形成されたインダクタ及びキャパシタにより構成されている。この場合、インダクタ及びキャパシタとなる導電膜(内部導体)を形成した層は、積層体の中間層に配置された構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−109923号公報(図1)
近年、このようなLC複合フィルタ部品において、より高速の信号ラインに適応することが求められている。しかしながら、上記従来のLC複合フィルタ部品において、静電容量成分が大きいため、高速の信号ラインに用いると信号の波形がひずみ易いという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、静電容量成分が小さく、高速の信号ラインに適応可能なLC複合フィルタ部品を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のLC複合フィルタ部品は、複数の絶縁材料を積層して構成された積層体と、該積層体の外面に形成された一対の信号端子電極及び一対のアース端子電極とを備え、前記積層体の内部に、前記複数の絶縁材料の表面に形成された導体コイルパターンによって構成されて両端が前記一対の信号端子電極にそれぞれ接続するコイル導体である信号コイル導体と、前記複数の絶縁材料の表面に形成された導体コイルパターンによって構成されて前記信号コイル導体と離間して配置された浮きコイル導体と、前記絶縁材料の表面に形成され前記浮きコイル導体と離間して配置されたアース導体と、前記絶縁材料の表面に形成され、前記浮きコイル導体と前記アース導体との間に配置されて前記アース導体と接続するインダクタ導体と、が備えられ、前記信号コイル導体と前記浮きコイル導体との間の静電容量による第1キャパシタ部が形成され、前記浮きコイル導体と前記インダクタ導体との間の静電容量による第2キャパシタ部が形成されていることを特徴とする。
この発明にかかるLC複合フィルタ部品によれば、信号コイル導体と浮きコイル導体とを離間して配置することによって第1キャパシタ部が形成され、浮きコイル導体とアース導体とを離間して配置することによって第2キャパシタ部が形成される。これにより、1対の信号端子電極とアース端子電極との間で第1キャパシタ部と第2キャパシタ部とが、直列に配置されることになる。したがって、LC複合フィルタ部品の静電容量値である、信号端子電極とアース端子電極との間の静電容量値が、第1コンデンサ部の静電容量値及び第2キャパシタ部の静電容量値の合成容量となるので、第1及び第2キャパシタ部の静電容量値よりも小さくなる。この結果、信号端子電極から高速の信号を入力しても、静電容量値が小さいので、入力された信号の波形のひずみを抑制することができる。
また、浮きコイル導体とアース導体との間に浮きコイル導体と重なりをもち、アース導体と接続するインダクタ導体を設けることによって、浮きコイルとインダクタ導体との間に第2キャパシタ部が形成される。これにより、浮きコイルが、第2キャパシタ部及びインダクタ部を介してグラウンドに接続される。ここで、第2キャパシタ部の一方の電極を構成し、アース電極と接続するインダクタ部のインダクタンスを適宜調整することにより、LC複合フィルタの遮断帯域や、減衰量の調整、共振点の深さを容易に設定することができる。
本発明のLC複合フィルタ部品によれば、浮きコイル導体とアース導体とを離間して配置することによって、第2キャパシタ部が形成される。これにより、LC複合フィルタ部品の静電容量値は、第1キャパシタ部の静電容量値及び第2キャパシタ部の静電容量値よりも小さくなる。したがって、信号端子電極に高速の信号が入力しても、この信号の波形のひずみを抑制するので、高速の信号に適用することができる。
以下、本発明によるLC複合フィルタ部品の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、3端子型ノイズフィルタに適用したものであり、図1は、本実施形態におけるLC複合フィルタ部品におけるLC複合フィルタ部品の分解斜視図、図2は、図1の完成状態を示すLC複合フィルタ部品の外観斜視図であり、図3は、その等価回路図である。
図1及び図2において、LC複合フィルタ部品は、シート状とした複数枚の絶縁材料を積層して一体化した構成とされる。また、ほぼ直方体形状の積層体としたLC複合フィルタ部品の対向する2側面には、後述する信号コイル導体41と接続されている一対の信号端子電極11、12が設けられており、LC複合フィルタ部品の他の対向する2側面には、後述するアース導体38と接続されている一対のアース端子電極13、14が設けられている。
複数枚の絶縁材料を積層して一体化した積層体10は、1層の絶縁材料で形成された第1カバー層15、第1から第8絶縁材料21〜28、1層の絶縁材料で形成された第2カバー層16の順に上からシート状の絶縁材料を10層に積層した構成とされる。ここで、絶縁材料としては、誘電体材料が用いられている。
なお、第1及び第2カバー層15、16は、上述した1層に限定されることはなく、2層以上であってもよい。
第1から第8絶縁材料21〜28には、それぞれの上面に第1から第6コイル導体パターン31〜36、インダクタ導体37及びアース導体38が設けられている。この第1から第3コイル導体パターン31〜33を接続することにより、信号コイル導体41が形成され、第4から第6コイル導体パターン34〜36を接続することにより、浮きコイル導体42が形成される。
なお、これらの第1から第6コイル導体パターン31〜36、インダクタ導体37及びアース導体38は、例えば銀などの導電体を印刷やメッキなどの周知の手法により形成したものである。
このうち、第1コイル導体パターン31は、ほぼコの字状の導体パターンであって、第1絶縁材料21の上面に形成されている。そして、第1コイル導体パターン31の一方の端部には、信号端子電極11に接続される引出電極31aが形成されている。また、第1コイル導体パターン31の他方の端部には、第1及び第2絶縁材料21、22を貫通する第1及び第2スルーホールH1、H2がそれぞれ設けられている。
また、第2コイル導体パターン32は、第1コイル導体パターン31と同様に、第3絶縁材料23の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、第2コイル導体パターン32の一方の端部は、第1及び第2スルーホールH1、H2を介して上述した第1絶縁材料21の上面に形成されている第1コイル導体パターン31と電気的に接続されている。また、第2コイル導体パターン32の他方の端部には、第3及び第4絶縁材料23、24を貫通する第3及び第4スルーホールH3、H4がそれぞれ設けられている。
また、第3コイル導体パターン33は、第1及び第2コイル導体パターン31、32と同様に、第5絶縁材料25の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、第3コイル導体パターン33の一方の端部は、第3及び第4スルーホールH3、H4を介して上述した第3絶縁材料の上面に形成されている第2コイル導体パターン32と電気的に接続されている。また、第3コイル導体パターン33の他方の端部には、信号端子電極12に接続される引出電極33aが形成されている。
以上より、第1から第3コイル導体パターン31〜33が、電気的に接続されて信号コイル導体41を形成する。
一方、第4コイル導体パターン34は、第1から第3コイル導体パターン31〜33と同様に、第2絶縁材料22の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、第4コイル導体パターン34の一方の端部には、第2及び第3絶縁材料22、23を貫通する第5及び第6スルーホールH5、H6がそれぞれ設けられている。
また、第5コイル導体パターン35は、第1から第4コイル導体パターン31〜34と同様に、第4絶縁材料24の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、第5コイル導体パターン35の一方の端部は、第5及び第6スルーホールH5、H6を介して上述した第2絶縁材料22の上面に形成されている第4コイル導体パターン34と電気的に接続されている。また、第5コイル導体パターン35の他方の端部には、第4及び第5絶縁材料24、25を貫通する第7及び第8スルーホールH7、H8がそれぞれ設けられている。
また、第6コイル導体パターン36は、第1から第5コイル導体パターン31〜35と同様に、第6絶縁材料26の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、第6コイル導体パターン36の一方の端部は、第7及び第8スルーホールH7、H8を介して上述した第4絶縁材料24の上面に形成されている第5コイル導体パターン35と電気的に接続されている。
以上より、第4から第6コイル導体パターン34〜36が、電気的に接続されて浮きコイル導体42を形成する。なお、この浮きコイル導体42の渦巻き方向は、上述した信号コイル導体41と同一方向となるように形成されている。
ここで、第1から第6コイル導体パターン31〜36において、それぞれのコイル導体パターンの一部である導体パターン31b、33b、34a、36aが、上面視において重なるように形成されている。この互いに重なった部分の静電容量によって図3に示す、第1キャパシタ部45が形成される。
なお、第1キャパシタ部45の静電容量値は、互いに重なった導体パターン31b、33b、34a、36aの線幅などの形状を適宜変更することで調整可能に構成されている。
一方、インダクタ導体37は、第1から第6コイル導体パターン31〜36と同様に、第7絶縁材料27の上面に形成され、ほぼコの字状となっている。そして、インダクタ導体37の一方の端部には、第7絶縁材料27を貫通する第9スルーホールH9が設けられている。
なお、インダクタ導体37は、上面視において第6絶縁材料26の上面に形成された第6コイル導体パターン36と重なるように形成されており、互いに重なった部分の静電容量により図3に示す、第2キャパシタ部46が形成される。
この第2キャパシタ部46の静電容量値は、互いに重なった第6コイル導体パターン36とインダクタ導体37との線幅などの形状を適宜変更することで調整可能に構成されている。
そして、アース導体38は、第8絶縁材料28の上面に形成され、ほぼ矩形状となっている。そして、アース導体38の一方の端部には、アース端子電極13に接続される引出電極38aが形成されている。また、アース導体38の他方の端部には、アース端子電極13に接続される引出電極38bが形成されている。また、このアース導体38は、第9スルーホールH9を介して上述した第7絶縁材料27の上面に形成されているインダクタ導体37と電気的に接続されている。
このように、インダクタ導体37とアース導体38とが接続されていることで、図3に示す、インダクタ部47が形成される。
なお、インダクタ部47のインダクタンスは、インダクタ導体37の線幅などの形状を適宜変更することで調整可能に構成されている。
このように構成されたLC複合フィルタ部品は、図3に示すように、その等価回路において、グラウンドと浮きコイル導体42との間に、第2キャパシタ部46及びインダクタ部47が形成されている。したがって、本実施形態のLC複合フィルタは、その等価回路において浮きコイル導体42が直接グラウンドに接続された分布定数型のLC複合フィルタ部品とは異なるものである。
以上のように構成された本発明のLC複合フィルタ部品について、以下にその製造方法を説明する。
最初に、誘電体材料粉末に有機バインダ、有機溶剤及び分散剤を加えて、ドクターブレード法によってグリーンシートを作成し、所定の形状(例えば、矩形状)としたシート状の第1及び第2カバー層15、16と第1から第8絶縁材料21〜28とを製作する。次に、第1から第5絶縁材料21〜25及び第7絶縁材料27の所定位置に、レーザ、パンチングなどの周知の手法を用いて穴あけ加工を施し、第1から第9スルーホールH1〜H9を設ける。
次に、第1から第8絶縁材料21〜28の上面に第1から第6コイル導体パターン31〜36、インダクタ導体37及びアース導体38を、例えば銀などの導電ペーストを用いた印刷や転写などの周知の手法を用いて互いに短絡しないように形成する。
このとき、第1コイル導体パターン31の一端には引出電極31aが、第3コイル導体パターン33の一端には引出電極33aが、それぞれ一体に連続して形成されている。また、第1から第9スルーホールH1〜H9には、スルーホールを設けた絶縁材料に形成される導体と一体的に連続するような銀などの導電材料が充填される。なお、スルーホールを介して接続される絶縁材料上に形成された導体とは、導体側に図示しない凸状の電極部を設けるなどしてスルーホールの導電体に接触させ、電気的に接続されるようになっている。
次に、第1及び第2カバー層15、16と第1から第8絶縁材料21〜28とを積層し、プレスにより熱圧着することで積層体10を形成する。そして、これを900℃で焼成して、銀を用いて信号端子電極11、12及びアース端子電極13、14を形成し、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)によってメッキ膜を形成することによって完成する。
次に、このLC複合フィルタ部品の周波数10Hz〜1010Hzにおける挿入損失特性を図4に示す。
第1共振点よりも周波数の高い第2共振点の周波数は、主にアース導体38に接続するインダクタ導体37によって形成されるインダクタ部47のインダクタンスによって調整される。したがって、インダクタ部47のインダクタンスを適宜設定することにより、第2共振点の周波数の高低を設定することができる。
なお、第1及び第2共振点の周波数は、第1及び第2キャパシタ部45、46の静電容量値を調整することによっても設定することができる。
また、本実施形態では、LC複合フィルタ部品が、第1及び第2共振点を有しているが、インダクタ部47のインダクタンスを調整することによって、第2共振点の周波数を第1共振点の周波数に一致させることもでき、これにより、共振点における減衰量を設定することができる。
このように構成されたLC複合フィルタ部品は、グラウンドに接続されるアース導体38と浮きコイル導体42との間に第2キャパシタ部46が形成されるので、その等価回路において、第1キャパシタ部45と第2キャパシタ部46とが直列接続になる。このようにすることで、LC複合フィルタ部品の静電容量値が、第1キャパシタ部45と第2キャパシタ部46との合成容量値となるので、第1キャパシタ部45または第2キャパシタ部46の静電容量値よりも低くすることができる。したがって、高速の信号が入力されたときの波形のひずみを抑制することができる。
また、アース導体38に接続するインダクタ導体37によって形成されるインダクタ部47のインダクタンスを適宜設定することによって、LC複合フィルタ10の遮断帯域や、減衰量の調整、共振点の深さを容易に設定することができる。
次に、第2の実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態はその基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図5及び図6においては、図1及び図3と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品では、浮きコイル導体42とグラウンドとの間に、アース電極38が1つ設けられており、このアース電極38と浮きコイル導体42との間にはインダクタ導体37によって形成されたインダクタ部47が設けられた構成であるのに対して、第2の実施形態におけるLC複合フィルタ部品では、浮きコイル導体とグラウンドとの間には2つのアース電極が設けられている点である。
すなわち、積層体50は、第1カバー層15、第1から第11絶縁材料61〜71、第2カバー層16の順に上からシート状の絶縁材料を13層積層した構成とされる。
第1及び第11絶縁材料61、71には、それぞれ上面に第1及び第2アース導体75、76が形成されている。また、第3、5、7、9絶縁材料63、65、67、69には、それぞれ上面に第1から第4コイル導体パターン81〜84が形成されている。そして、第2、4、6、8、10絶縁材料62、64、66、68、70には、それぞれ上面に第5から第9コイル導体パターン85〜89が形成されている。
このうち、第1コイル導体パターン81は、コの字状の導体パターンであって、第3絶縁材料63の上面に形成されている。そして、第1コイル導体パターン81の一方の端部には、信号端子電極11に接続される引出電極81aが形成されている。また、第1コイル導体パターン81の他方の端部には、第3及び第4絶縁材料63、64を貫通する第1及び第2スルーホールH11、H12がそれぞれ設けられている。
また、第2コイル導体パターン82は、第1コイル導体パターン81と同様に、第5絶縁材料65の上面に形成されている。そして、第2コイル導体パターン82の一方の端部は、第1及び第2スルーホールH11、H12を介して上述した第3絶縁材料63の上面に形成されている第1コイル導体パターン81と電気的に接続されている。また、第2コイル導体パターン82の他方の端部には、第5及び第6絶縁材料65、66を貫通する第3及び第4スルーホールH13、H14がそれぞれ設けられている。
また、第3コイル導体パターン83は、第1及び第2コイル導体パターン81、82と同様に、第7絶縁材料67の上面に形成されている。そして、第3コイル導体パターン83の一方の端部は、第3及び第4スルーホールH13、H14を介して上述した第5絶縁材料65の上面に形成されている第2コイル導体パターン82と電気的に接続されている。また、第3コイル導体パターン83の他方の端部には、第7及び第8絶縁材料67、68を貫通する第5及び第6スルーホールH15、H16がそれぞれ設けられている。
また、第4コイル導体パターン84は、第1から第3コイル導体パターン81〜83と同様に、第9絶縁材料69の上面に形成されている。そして、第4コイル導体パターン84の一方の端部は、第5及び第6スルーホールH15、H16を介して上述した第7絶縁材料67の上面に形成されている第3コイル導体パターン83と電気的に接続されている。また、第4コイル導体パターン84の他方の端部には、信号端子電極11に接続される引出電極84aが形成されている。
以上より、第1から第4コイル導体パターン81〜84が電気的に接続されて信号コイル導体91が形成される。
一方、第5コイル導体パターン85は、第1から第4コイル導体パターン81〜84と同様に、第2絶縁材62の上面に形成されている。そして、第5コイル導体パターン85の一方の端部には、第2及び第3絶縁材料62、63を貫通する第7及び第8スルーホールH17、H18がそれぞれ設けられている。
また、第6コイル導体パターン86は、第1から第5コイル導体パターン81〜85と同様に、第4絶縁材料64の上面に形成されている。そして、第6コイル導体パターン86の一方の端部は、第7及び第8スルーホールH17、H18を介して上述した第2絶縁材62の上面に形成されている第5コイル導体パターン85と電気的に接続されている。また、第6コイル導体パターン86の他方の端部には、第4及び第5絶縁材料64、65を貫通する第9及び第10スルーホールH19、H20がそれぞれ設けられている。
また、第7コイル導体パターン87は、第1から第6コイル導体パターン81〜86と同様に、第6絶縁材料66の上面に形成されている。そして、第7コイル導体パターン87の一方の端部は、第9及び第10スルーホールH19、H20を介して上述した第4絶縁材料64の上面に形成されている第6コイル導体パターン86と電気的に接続されている。また、第7コイル導体パターン87の他方の端部には、第6及び第7絶縁材料66、67を貫通する第11及び第12スルーホールH21、H22がそれぞれ設けられている。
また、第8コイル導体パターン88は、第1から第7コイル導体パターン81〜87と同様に、第8絶縁材料68の上面に形成されている。そして、第8コイル導体パターン88の一方の端部は、第11及び第12スルーホールH21、H22を介して上述した第6絶縁材料66の上面に形成されている第7コイル導体パターン87と電気的に接続されている。また、第8コイル導体パターン88の他方の端部には、第8及び第9絶縁材料68、69を貫通する第13及び第14スルーホールH23、H24がそれぞれ設けられている。
また、第9コイル導体パターン89は、第1から第8コイル導体パターン81〜88と同様に、第10絶縁材料70の上面に形成されている。そして、第9コイル導体パターン89の一方の端部は、第13及び第14スルーホールH23、H24を介して上述した第8絶縁材料68の上面に形成されている第8コイル導体パターン88と電気的に接続されている。
以上より、第5から第9コイル導体パターン85〜89が電気的に接続されて浮きコイル導体92が形成される。なお、この浮きコイル導体92の渦巻き方向は、上述した信号コイル導体91と同一方向となるように形成されている。
ここで、第1から第8コイル導体パターン81〜88において、それぞれのコイル導体パターンの一部である導体パターン81b、82a、83a、84b、85a〜89aが、上面視において重なるように形成されており、互いに重なった部分の静電容量により図6に示す、第1キャパシタ部95が形成される。
なお、第1キャパシタ部95の静電容量値は、上述と同様に、互いに重なった導体パターン81b、82a、83a、84b、85a〜89aの線幅などの形状を適宜変更することで調整可能に構成されている。
第1及び第2アース導体75、76は、それぞれ第1及び第11絶縁材料61、71の上面に形成されている。そして、第1及び第2アース導体75、76それぞれの一方の端部には、アース端子電極13、14にそれぞれ接続される引出電極75a、75bが形成されている。また、第1及び第2アース導体75、76それぞれの他方の端部には、アース導体75と同様に、アース端子電極13、14にそれぞれ接続される引出電極76a、76bが形成されている。
ここで、第1アース導体75と第5コイル導体パターン85とによってキャパシタ96が形成され、第2アース導体76と第9コイル導体パターン89とによってキャパシタ97が形成される。このキャパシタ96、97によって第2キャパシタ部98が構成される。
なお、第2キャパシタ部98の静電容量値は、上述と同様に、互いに重なった第1アース導体75と第5コイル導体パターン85との線幅などの形状を適宜変更することや、第2アース導体76と第9コイル導体パターン89との線幅などの形状を適宜変更することによって調整可能に構成されている。
このように構成されたLC複合フィルタ部品は、上述した第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品と同様の作用、効果を有する。また、このような構成とすることで方向性を持たないLC複合フィルタ部品が可能となる。
次に、第3の実施形態について図7及び図8を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態はその基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図7及び図8においては、図1及び図3と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品では、信号コイル導体41及び浮きコイル導体42が第1から第8絶縁材料21〜28の積層方向に平行な軸線を有するように螺旋状に巻回された構成であるのに対して、第3の実施形態におけるLC複合フィルタ部品では、信号コイル導体及び浮きコイル導体が、各絶縁材料の積層方向と垂直な軸線を有するように螺旋状に巻回されている点である。
すなわち、積層体100は、第1カバー層15、第1から第5絶縁材料111〜115、第2カバー層16の順に上からシート状の絶縁材料を7層積層した構成とされる。
第1及び第2絶縁材料111、112には、それぞれ上面に第1から第9導体ライン121〜129が形成されている。また、第3及び第4絶縁材料113、114には、それぞれ上面に第10から第18導体ライン130〜138が形成されている。また、第5絶縁材料115には、上面にアース導体139が形成されている。
このうち、第1から第4導体ライン121〜124は、直線状の導体パターンであって、第1絶縁材料111の上面に形成されている。そして、第1から第4導体ライン121〜124の両端には、第1絶縁材料111を貫通する第1から第8スルーホールH31〜H38がそれぞれ設けられている。
また、第5から第9導体ライン125〜129は、上述した第1から第4導体ライン121〜124と同様に、第2絶縁材料112の上面に形成されている。そして、第5導体ライン125の一方の端部には、信号端子電極11に接続される引出電極125aが形成され、第9導体ライン129の一方の端部には、信号端子電極12に接続される引出電極129aが形成されている。
なお、上述した第1から第9導体ライン121〜129と第1から第8スルーホールH31〜H38とは、対向して配置される一対の信号端子電極11、12が形成される2側面に対して垂直となる方向に軸線を有する螺旋形状となるように接続されている。
以上より、第1から第9導体ライン121〜129が電気的に接続されて信号コイル導体141が形成される。
一方、第10から第13導体ライン130〜133は、上述した第1から第9導体ライン121〜129と同様に、第3絶縁材料113の上面に形成されている。そして、第10から第13導体ライン130〜133の両端には、第3絶縁材料113を貫通する第9から第16スルーホールH39〜H46がそれぞれ設けられている。
また、第14から第18導体ライン134〜138は、上述した第1から第13導体ライン121〜133と同様に、第4絶縁材料114の上面に形成されている。
なお、上述した第10から第18導体ライン130〜138と第9から第16スルーホールH39〜H46とは、上述した第1から第9導体ライン121〜129と同様に、対向した配置される一対の信号端子電極11、12が形成される2側面に対して垂直となる方向に軸線を有する螺旋形状となるように接続されている。
以上より、第10から第18導体ライン130〜138が電気的に接続されて浮きコイル導体142が形成される。
ここで、第5から第9導体ライン125〜129と第10から第13導体ライン130〜133との一部が、上面視において重なるように形成されており、互いに重なった部分の静電容量により図8に示す、第1キャパシタ部145が形成される。
なお、なお、第1キャパシタ部145の静電容量値は、上述と同様に、互いに重なった第5から第9導体ライン125〜129と第10から第13導体ライン130〜133との線幅などの形状を適宜変更することで調整可能に構成されている。
アース導体139は、第5絶縁材料115の上面に形成されており、上面視において第14から第18導体ライン134〜138と重なるように構成されている。
そして、アース導体139の一方の端部には、アース端子電極13に接続される引出電極139aが形成され、他方の端部には、アース端子電極14に接続される引出電極139bが形成されている。
ここで、アース導体139と第14から第18導体ライン134〜138とによって第2キャパシタ部146が形成される。
このように構成されたLC複合フィルタ部品は、上述した第1の実施形態と同様の作用、効果を有する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述したLC複合フィルタ部品は、上述した構成のものを複数組並べて、アレイ化することも可能である。
本発明にかかる第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す分解斜視図である。 本発明にかかる第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す外観斜視図である。 本発明にかかる第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す等価回路図である。 本発明にかかる第1の実施形態におけるLC複合フィルタ部品の挿入損失の周波数特性を示すグラフである。 本発明にかかる第2の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す分解斜視図である。 本発明にかかる第2の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す等価回路図である。 本発明にかかる第3の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す分解斜視図である。 本発明にかかる第3の実施形態におけるLC複合フィルタ部品を示す等価回路図である。
符号の説明
10、50、100 積層体
11、12 信号端子電極
13、14 アース端子電極
21、61、111 第1絶縁材料
22、62、112 第2絶縁材料
23、63、113 第3絶縁材料
24、64、114 第4絶縁材料
25、65、115 第5絶縁材料
26、66 第6絶縁材料
27、67 第7絶縁材料
28、68 第8絶縁材料
37 インダンクタ導体
38、139 アース導体
41、91、141 信号コイル導体
42、92、142 浮きコイル導体
45、95、145 第1キャパシタ部
46、98、146 第2キャパシタ部
69 第9絶縁材料
70 第10絶縁材料
71 第11絶縁材料
75 第1アース導体
76 第2アース導体

Claims (1)

  1. 複数の絶縁材料を積層して構成された積層体と、
    該積層体の外面に形成された一対の信号端子電極及び一対のアース端子電極とを備え、
    前記積層体の内部に、前記複数の絶縁材料の表面に形成された導体コイルパターンによって構成されて両端が前記一対の信号端子電極にそれぞれ接続するコイル導体である信号コイル導体と、
    前記複数の絶縁材料の表面に形成された導体コイルパターンによって構成されて前記信号コイル導体と離間して配置された浮きコイル導体と、
    前記絶縁材料の表面に形成され前記浮きコイル導体と離間して配置されたアース導体と、
    前記絶縁材料の表面に形成され、前記浮きコイル導体と前記アース導体との間に配置されて前記アース導体と接続するインダクタ導体と、
    が備えられ、
    前記信号コイル導体と前記浮きコイル導体との間の静電容量による第1キャパシタ部が形成され、
    前記浮きコイル導体と前記インダクタ導体との間の静電容量による第2キャパシタ部が形成されていることを特徴とするLC複合フィルタ部品。
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