次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例にかかる通信装置は、例えば携帯電話機により構成される。
図1は本発明の一実施例にかかるTV受信機付き携帯電話機のブロック図である。
本実施例にかかる携帯電話機100は、CPU102と、ROM104と、RAM106と、操作入力・表示部108と、通話部110と、無線通信手段118と、撮影手段120と、画像処理回路122と、画像表示手段124と、TV受信手段126と、フレームメモリ128と、外部I/F手段130と、メモリカードI/F手段132と、GPS手段134と、ICタグ手段136と、無線I/F手段138と、ICタグリーダライタ手段140とを備える。
通話部110は、通話回路116と、通話回路116と接続されたマイク部114およびスピーカ部112とを備える。また、画像処理回路122は、画像表示手段124、撮影手段120、TV受信手段126およびフレームメモリ128と接続される。また、CPU102と、ROM104と、RAM106と、操作入力・表示部108と、通話回路116と、無線通信手段118と、画像処理回路122と、TV受信手段126と、外部I/F手段130と、メモリカードI/F手段132と、GPS手段134と、ICタグ手段136と、無線I/F手段138と、ICタグリーダライタ手段140とは互いに、例えばバスを介して接続されデータの送受信が可能である。
CPU(中央処理装置)102は、装置全体を制御するものであり、その実行プログラムはROM(リード・オンリー・メモリ)104に記憶される。CPU102は、その実行プログラムをROM104から読み出し、その実行プログラムに含まれる命令を逐次解釈して装置全体の制御を行う。
RAM(ランダム・アクセス・メモリ)(メモリ手段)106には、CPU102が装置全体の制御を行う場合に必要なワークエリアが形成されるとともに、保存パラメータやそのほか制御に必要ないろいろなパラメータや管理情報等が記憶される。
操作入力・表示部108は、各種の操作キーと操作ガイダンス等を表示する表示器からなり、オペレータにより操作される。
通話部110は、音声を出力するスピーカ部112や音声を入力するマイク部114や通話回路116から構成される。通話回路116はマイク部114等から入力された音声信号を後述する無線通信手段118に送出し、また無線通信手段118から入力された音声信号をスピーカ部112等に出力する。また、通話回路116は、音声信号を増幅したりあるいは減衰させることにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質を良くしたりする回路も含まれているのが一般的である。また、マイク部114からスピーカ部112への音の回り込みを制御するいわゆる側音制御もこの部分で行うのが一般的である。
無線通信手段118は、通信網側との間で、音声信号とデータ信号とを送受信する。携帯電話の場合は基地局との間で無線を使用して通信を行うが、有線で交換局と通信してもよい。
撮影手段(カメラ手段)120は、撮影対象物を画像データに変換する。具体的には、撮像素子であるCCD等が使用される。CCDは撮影対象物からの光信号を受光し、それをアナログの電気信号に変換して出力する。
画像処理回路122は、CCDが出力するアナログ電気信号を受信し、それをA/D変換することによりデジタル画像信号を得る。さらにそのデジタル画像信号に対して画像処理(密度変換、フィルタリング、最適化処理、拡大縮小、圧縮伸張等)を行う。画像処理された画像データは、RAM(メモリ手段)106に記憶される。
画像表示手段124は、画像処理回路122によって画像処理された画像データを液晶画面等(プラズマディスプレイ、CRT等)の画像表示手段124に表示する。
TV受信手段126は、TV用アンテナ、検波部、チューナ部から構成され、TV放送用電波を受信し、TV画像信号を出力する。TV画像信号は画像処理回路122に入力され、所定の画像処理が行われた後、フレームメモリ(画像メモリ)128に蓄積され、フレームメモリ128に蓄積された画像データは画像表示手段124に出力され、TV画像が表示される。フレームメモリ128に蓄積された画像データは記憶媒体に保存することにより、TV画像を撮影手段120で取得した画像情報と同様に取り扱うことができる。また、受信したTV画像をメモリ手段に蓄積するTV画像録画手段を備えるようにしてもよい。
外部I/F手段130は、ケーブルなどの有線を使用してPC等の外部機器に接続して、データ等の送受信を行う。具体的には、携帯電話機専用のI/FやUSB等の汎用のI/Fがある。
メモリカードI/F手段132は、ICカード、メモリカード、メモリユニット等、記憶媒体を搭載した装置と接続して、データの送受信を行う。
GPS(全地球測位システム)手段134は、一般には、人工衛星からの電波を受信し、その到達時間のずれを検出し、最終的に携帯電話機が位置する緯度と経度などの地球上の位置情報を算出する。
ICタグ手段136は、リーダライタ装置と無線でデータの送受信を行う。ICタグ手段136は、電波信号を送受信するためのアンテナ用コイル、共振コンデンサ、変復調回路、整流平滑回路からなる無線通信手段とCPU、ROM、RAMから構成される。ICタグ手段136は、リーダライタ装置から送信される高周波の電力用電波信号をアンテナと共振用コンデンサで受信し、整流平滑回路で整流平滑化して、一定電圧の動作用電源を作成してICタグ内部に供給する。
また、リーダライタ装置から送信されてくる信号は、電力用電波信号に重畳されており、受信した信号は変復調回路によって復調される。CPUはROMに記憶されたプログラムによって動作し、RAM上に動作に必要なワークエリアを形成しながら、ICタグ全体の動作の制御を行う。ICタグは一度情報を書き込んだら二度と変更できないリードオンリーのものと、後から書き換えが可能なものや、追記のみ可能なもの(追記型)があるが、どの方式のものを用いてもよい。また、後述するICタグリーダライタ手段140を内蔵してもよい。
無線I/F手段138は、無線を使用してデータの送受信を行う。無線I/F手段138は、無線USB、ブルートゥース、赤外線通信、無線LAN通信などを利用してデータの送受信を行う。この無線I/F手段138(前述した外部I/F手段130も含む)を使用して、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等が記憶している地図データ、音楽データ(楽曲データ)、その他の大容量のデータを、通信装置(通信装置)100の記憶手段、例えばメモリ手段106に転送することにより記憶することができる。
ICタグリーダライタ手段140は、ICタグ手段136と無線でデータの送受信を行う。ICタグリーダライタ手段140は、高周波の電力用電波信号を送信する。
また、言うまでもないが、通信装置100は、前述した構成のすべてを備えている必要はなく、発明の一実施例に必要な構成を最低限備えていればよい。
次に、本実施例にかかる他の通信装置100について、図2および図3を参照して説明する。
図2は、オールIP(インターネットプロトコル)化された携帯電話機のブロック図である。
本実施例にかかる他の携帯電話機100は、CPU102と、ROM104と、RAM(メモリ手段)106と、操作入力・表示部108と、スピーカ部112と、マイク部114と、通話回路116と、GPS手段134と、基地局用無線I/F手段142と、LAN用無線I/F手段144と、IP手段146とを備える。また、IP手段146は、基地局用無線I/F手段142、LAN用無線I/F手段144および通話回路116と接続される。また、通話回路116は、マイク部114およびスピーカ部112と接続される。CPU102と、ROM104と、RAM106と、操作入力・表示部108と、IP手段146と、GPS手段134とは互いに、例えばバスを介して接続されデータの送受信が可能である。
基地局用無線I/F手段142は、携帯電話機と基地局との間で無線交信を行うI/Fである。
LAN用無線I/F手段144は、携帯電話機とLAN用無線基地局との間で無線交信を行うI/Fである。
これまで、基地局用無線I/F手段としては、専用のプロトコルが使用されていた。しかし、基地局側から通信相手装置の間にインターネット網やIP網を使用するケースが増えている。さらに、LAN用のプロトコルはもともとIPが使用されていることから、基地局用無線I/F手段もIP化することにより、部品の共通利用によりコストダウンが見込める。そこで本実施例においては、基地局用無線I/F手段とLAN用無線I/F手段にIPを使用する。
IP手段146は、音声に使用するVoIP手段と、データ通信に使用するデータ用IP手段の2種類がある。
VoIP手段は、通話回路から送られてきたアナログの音声信号をデジタルデータに変換し、さらに必要であれば符号化圧縮する。次に、音声信号データを送信用のIPパケットに埋め込み、順次基地局用無線I/F手段142あるいはLAN用無線I/F手段144に送り出す。また基地局用無線I/F手段142あるいはLAN用無線I/F手段144から入力される受信用のIPパケットから音声信号データを取り出し、必要であれば復号伸張し、さらにデジタルの音声信号データをアナログの音声信号に変換し、通話回路に送出する。
データ用IP手段の場合は、VoIP手段の通話回路の代わりに、例えばメモリ手段106と入出力を行ってもよいし、専用のデータ処理手段を備えてもよい。
また、IP手段146は、呼制御を行うための制御用IPパケットを組立て、順次基地局用無線I/F手段142あるいはLAN用無線I/F手段144に送り出す。さらに、基地局用無線I/F手段142あるいはLAN用無線I/F手段144から入力される受信した制御用IPパケットを、解析するために分解する。このような制御用IPパケットの送出、受信はIP手段146とは独立した別の手段で構成してもよい。IP手段146の動作制御はCPU102で行ってもよいし、専用のLSIを使用してもよい。
図3に、IP電話機のブロック図を示す。
本実施例にかかるIP電話機は、CPU102と、ROM104と、RAM(メモリ手段)106と、操作入力・表示部108と、スピーカ部112と、マイク部114と、通話回路116と、GPS手段134と、ICタグ手段136と、回線接続I/F手段148と、IP手段146とを備える。また、通話回路116は、マイク部114およびスピーカ部112と接続される。CPU102と、ROM104と、RAM106と、操作入力・表示部108と、IP手段146と、通信回路116と、GPS手段134と、ICタグ手段136と、回線接続I/F手段148とは互いに、例えばバスを介して接続されデータの送受信が可能である。
回線接続IF手段148は、IP電話機と基地局との間で回線交換方式により通信を行うI/Fである。
次に、本実施例にかかる通信装置の動作について説明する。
本実施例においては、一例として、通信装置(または通信端末装置)を携帯電話機により構成し、端末情報を携帯電話の電話番号とする場合について説明する。
図4、図5に携帯電話機100で使用する通信プロトコルの一実施例を示す。
最初に、発信接続と切断シーケンスについて、図4を参照して説明する。
発信側(発呼側)の携帯電話機は、オフフックおよびダイアルの後に、基地局へ呼設定信号(SETUP)、発信無線状態報告信号を送信する(ステップS402)。基地局側は、呼設定信号(SETUP)を受信すると、その応答として、呼設定受付信号(CALL PROC)を送信する(ステップS404)。
次に、基地局は認証手順に基づいて、認証を行い(ステップS406)、その後、無線チャネル指定信号を送信する(ステップS408)。
発信側の携帯電話機は指定されたチャネルを捕捉し、無線回線の設定を行う。
次に、基地局は、呼出信号(ALERT)を送信する(ステップS410)。
発信側の携帯電話機は、基地局から呼出信号(ALERT)を受信し、呼出音(RBT)を受話器に送出する。
着信側の携帯電話機の応答があると、基地局は発信側の携帯電話機へ応答信号(CONN)を送信する(ステップS412)。ここから課金が開始されるとともに、通話が始まる(ステップS414)。
次に、発信側の携帯電話機から切断信号(DISC)が基地局へ送信される(ステップS416)。
基地局は、切断信号(DISC)を受信すると、解放信号(REL)を発信側の携帯電話機へ送信し(ステップS418)、ここで課金が終了する。
次に、発信側の携帯電話機は基地局へ解放完了信号(REL COMP)を送信する(ステップS420)。
基地局は、解放完了信号(REL COMP)を受信すると、無線チャネル切断信号を送信する(ステップS422)。発信側の携帯電話機は、基地局から無線チャネル切断信号を受信する。
最後に発信側の携帯電話機は通信に使用した無線チャネルを開放し、無線回線の切断を行い、無線チャネル切断確認信号を送信する(ステップS424)。
次に、着信接続と切断シーケンスについて、図5を参照して説明する。
基地局は、携帯電話機に呼出信号を送信する(ステップS502)。
着信側(着呼側)の携帯電話機は、基地局からの呼出信号を受信すると、着信無線状態報告信号を送信し、自動的に応答のための信号を基地局へ送信する(ステップS504)。
次に、基地局は、認証手順により認証を行い(ステップS506)、その後、無線チャネル指定信号を着信側の携帯電話機へ送信し、無線回線の設定を行う(ステップS508)。
無線回線の設定後、基地局から着信側の携帯電話機へ、呼設定信号(SETUP)が送信される(ステップS510)。
次に、着信側の携帯電話機は、着信音(RGT)を生成した後、基地局へ呼出信号(ALERT)を送信する(ステップS512)。
次に、着信側の携帯電話機のオフフックにより応答信号(CONN)が基地局へ送信される(ステップS514)。基地局は、応答信号(CONN)を受信すると、応答確認(CONN ACK)を送信する(ステップS516)。その結果、通信(通話)が開始され(ステップ518)、課金が始まる。
切断シーケンスは、前述の発信側からの切断とほぼ同様である。
着信側の携帯電話機から切断信号(DISC)が基地局へ送信される(ステップS520)。
基地局は解放信号(REL)を着信側の携帯電話機へ送信し(ステップS522)、ここで課金が終了する。
次に、着信側の携帯電話機は基地局へ解放完了信号(REL COMP)を送信する(ステップS524)。
基地局は、無線チャネル切断信号を送信する(ステップS526)。着信側の携帯電話機は、基地局から無線チャネル切断信号を受信する。
最後に着信側の携帯電話機は通信に使用した無線チャネルを開放し、無線回線の切断を行い、無線チャネル切断確認信号を送信する(ステップS528)。
次に、本実施例にかかる通信装置のデータ通信のプロトコルについて説明する。
まず、端末側すなわち通信装置が、サーバ手段例えば基地局からデータを取得する場合に使用するPull型シーケンスについて、図6を参照して説明する。
最初に、端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(ステップS602)。
基地局側は認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(ステップS604)。
端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(ステップS606)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(ステップS608)。
端末側は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を基地局側へ送信し(ステップS610)、基地局は、仮想回線接続応答信号を端末側へ送信することにより、通信回線が仮想的に確保される(ステップS612)。
次に、端末側はHTTPプロトコルを使用して、データを要求するGet信号を基地局側へ送信する(ステップS614)。
基地局側は、その応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(ステップS616)。
基地局はHTTPプロトコルを使用して、要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する(ステップS618)。
端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(ステップS620)。
以下、必要なだけデータ取得が行われる。
次に、基地局側から携帯電話機へ着信通知して情報を送信(メール受信など)するPush型シーケンスについて、図7を参照して説明する。
まず、基地局は、端末側、すなわち携帯端末機100へ通信呼び出し信号を送信する(ステップS702)。
次に、端末側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する(ステップS704)。
基地局側は、認証を要求するために通信認証要求信号を端末側へ送信する(ステップS706)。
端末側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し(ステップS708)、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する(ステップS710)。
次に、基地局は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を端末側へ送信し(ステップS712)、端末側は、仮想回線接続応答信号を基地局側へ送信することにより、通信回線が仮想的に確保される(ステップS714)。
基地局は、着信通知信号を端末側へ送信する(ステップS716)。
端末側は、その着信通知信号の応答として、Ack信号を基地局側へ送信する(ステップS718)。
次に、端末側はデータを要求するために、HTTPプロトコルを使用して、Get信号を基地局側へ送信する(ステップS720)。
基地局側は、そのGet信号に対する応答信号として、Ack信号を端末側へ送信する(ステップS722)。基地局は、HTTPプロトコルを使用して、要求されたデータを含むResponse信号を端末側へ送信する。
端末側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する(ステップS726)。以下必要なだけデータ取得が行われる。
また、前述したプロトコル中に、通信装置または相手装置の端末識別情報(電話番号、端末番号、ID番号、機番、移動機番号、メールアドレス、URL、URI等)やサービス識別情報(電話番号、メールアドレス、URL、通話、電子メール、インターネットアクセス、データダウンロード等)を含ませることができる。
さらに、通信装置または相手装置の端末識別情報やサービス識別情報を、それぞれについて複数持つようにし、それらを選択して使用するようにしてもよい。このようにすることにより、特定のサービスを特定の端末識別情報で使用することや、選択した端末識別情報に課金するなどの多彩なサービスを享受することができる。この場合、例えば通信装置または相手装置の端末識別情報やサービス識別情報は、通信装置の記憶手段に記憶される。
次に、本実施例にかかる通信装置における通信シーケンスについて、図8を参照して説明する。
本実施例においては、一例として標準の呼制御プロトコルのうちの1つであるSIPの通信モデルのプロトコルについて説明する。
最初に、発呼側、すなわち発呼側(発信側)の携帯電話機は、INVITEというリクエストメッセージを送出する(ステップS802)。INVITEはセッションの起動信号であり、それには発呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。具体的には発呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示するものである。
着呼側、すなわち着呼側(着信側)の携帯電話機はINVITEを受信し、呼び出し状態になったことを通知するために180 RINGINGを発呼側へ送信する(ステップS804)。この180 RINGINGで着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示してもよいが、通常は次の200 OKで提示する(ステップS806)。
次に、着呼側が通話可能状態になったことを通知するために200 OKを発呼側へ送信する(ステップS806)。それには着呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。この200 OKで着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示する。
次に、発呼側がACKを着呼側へ送信し(ステップS808)、これにより通信に利用可能な属性がネゴシエーションされる。
本実施例では便宜上ここまでを接続フェーズと定義する。
次に、メディア(音声、画像、動画等)の転送が開始される(ステップS810)。例えば、RTPパケットによる音声、画像通信が行われる。
本実施例ではこのメディアの転送期間中を便宜上、データ送受信フェーズと定義している。
通信を終了するときには止める側がBYE信号を送信することにより通信終了を要求し、それを受信した側は、その応答である200 OK信号を送信して通信を終了する。
例えば、着呼側から通信を終了する場合、着呼側はBYE信号を送信する(ステップS812)。発呼側はBYE信号に応答して200 OK信号を送信する(ステップS814)。
本実施例ではこのフェーズを便宜上、切断フェーズと定義する。
次に、本発明の一実施例にかかる地図情報取得システムについて、図9を参照して説明する。
本実施にかかる地図情報取得システムは、通信ネットワーク600を介して接続されるセンター局400、基地局300、例えば基地局3001および3002と、センター局400と接続されたDB500例えばDB5001および5002と、基地局300と無線により通信可能である通信装置100例えば通信装置1001および1002とを備える。例えば、通信装置1001は基地局3001と無線通信が可能であり、通信装置1002は基地局3002と無線通信が可能である。
GPS(全地球測位システム)とは、一般には、複数の人工衛星(GPS衛星)からの種々の情報が含まれた電波を受信し、その到達時間のずれから自分のいる緯度と経度などの地球上の位置情報を算出するシステムである。
GPS衛星は、非常に精度の高いルビジウムまたはセシウムの原子時計を搭載している。GPSは、この原子時計を基に発する信号がGPS受信機に到達する時間を使用してGPS受信機の位置を求める。
このようなGPSを使用した一般的な地図情報取得システムについて説明する。
一般的には4つのGPS衛星を使用してGPS受信機の位置を求めるのが普通であるが、GPS受信機にも高精度の時計を搭載し、これを併せて使用すれば3つのGPS衛星で位置の測位が可能である。また、基地局300からの電波を併用して利用してもよい。
GPS衛星が送信する電波はスペクトル拡散されており、GPS衛星ごとに異なる拡散コードを使って信号を送出する。
GPS受信機は、GPS衛星が送信する信号を受信しながら、GPS衛星ごとに異なる拡散コードを使用して衛星の捕捉を行う。GPS受信機は、各GPS衛星から受信した信号の到達時間に基づいて位置測定を行い、その位置情報を、基地局300を通してセンター局400へ送信する。
センター局400側では、その位置情報に基づいて、エリア情報が格納されたデータベース500を検索する。データベース500には、住所データ、地名、地域名、周辺情報、地図データ、地図データが格納されている場所情報、地図データが格納されている場所を示すURL等が格納されている。
GPS受信機がセンター局400へ送信する位置情報としては、GPS衛星から受信した情報をほとんど処理しない位置情報(生位置情報)や、ある程度GPS受信機側で計算して求めた位置情報(最終位置情報)や、またこの中間にあたる位置情報(中間位置情報)がある。
また、位置情報としてはいろいろな種類のものがあるが、エリア情報そのものであってもよい。
GPS受信機側で位置情報を処理しないほうが、負担がかからない。また、GPS衛星のGPS信号を通信装置100で処理せず、ネットワーク側に処理させて位置情報を取得できるので、信号処理を行う信号処理部の規模を小さくできる。また、処理能力の小さいCPUを使用することができる。
しかし、昨今のCPUや周辺LSIの進歩によって、GPS受信機側で位置計算処理が出来るようになってきている。
また、本実施例のようにGPS受信機側で位置計算を全て行い、またGPS受信機側に前述したセンター局400側のデータベースに相当する機能を持っていれば、GPS受信機側のみで地図情報取得システムを構成することができる。この場合には、毎回地図データをセンター局400からダウンロードしなくても済むので、通信料を低減することができる。また、GPS受信機側がどの機能まで持つのかという機能分担については、適宜変更可能であることはいうまでもない。
また、GPS衛星が捕捉できない屋内などにおいても位置確認できるように、基地局300をGPS衛星に見立てて位置測定を行うこともできる。
本発明の一実施例にかかる通信装置100について、図10を参照して説明する。
本実施例にかかる通信装置100は、例えば携帯電話機により構成され、GPS手段としてのGPS受信機を備える(以下、単に通信装置と呼ぶが他の通信装置と区別する必要があるときは自通信装置と呼ぶ)。通信装置100は、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を算出すると共に、その位置情報が示す位置を含んだ地図データが通信装置内に記憶されているかどうかを検査する。このとき、通常は地図データが記憶されている記憶装置として設定されている(デフォルト設定)記憶装置を最初に検査し、そこに該当する地図データが存在しなければ、通信装置に接続されている他の記憶装置を検査する。記憶装置としては通信装置に内蔵されている半導体メモリ、ハードディスク、CD、DVD等があり、通信装置の外部に接続されているICカードメモリ、ハードディスク、CD、DVD等がある。
通信装置100に接続されている記憶装置に地図データが記憶されていれば、その地図データを通信装置100の表示部に表示する。一方、通信装置内に記憶されていなければ、通信装置100は、センター局400に位置情報を送信し、センター局400に接続されたデータベース500にある地図データを、通信装置100にダウンロードして、その地図データを表示部に表示する。そのデータベース500に地図データがない場合には、センター局400は、他のデータベースを検索し、それでも地図データがなければ、センター局400は通信装置100に対してその旨を通知する。通信装置100はその通知を受信するとその旨のメッセージを報知する。
ダウンロードした地図データは消去してもよいし、通信装置内に記憶することにより次回に再利用することもできる。また、地図データが通信装置内に記憶されている場合においても、その地図データが古い場合には、センター局400のデータベース500から新しい地図データをダウンロードするようにしてもよい。
このように構成することにより、GPS衛星のGPS信号を通信装置で処理して位置情報を算出することができるため、迅速に位置情報を取得することができる。
通信装置100は、地図情報記憶手段としての記憶手段152と、位置情報取得手段および地図情報検査手段としての地図データ検査手段160と、地図データ変換手段162と、地図データ表示手段164と、地図情報取得手段としての位置情報送信手段166とを備える。記憶手段152は、情報管理テーブル154を備え、情報管理テーブル154には、位置領域情報156および地図データ158が含まれる。記憶手段152と、地図データ検査手段160と、地図データ変換手段162と、地図データ表示手段164と、位置情報送信手段166とは、例えばバスを介して接続されデータの送受信が可能である。
地図データ検査手段は、位置情報が示す位置を含んだ地図データが通信装置内の記憶手段152(半導体メモリ、ICカード、ハードディスク等)に記憶されているかどうかを検査する。地図情報は、地図データとその地図データのファイル名等のメタデータから構成される。
ここで、本実施例においては、位置情報が緯度情報と経度情報から構成される場合について説明する。
今、取得した位置情報を、緯度5、経度5(新宿一丁目内)とする。
図11に、地図データと位置情報との関係を示す。例えば、東京都の地図データは10×10=100枚の領域情報地図データから成り、その領域情報地図データのうちの1枚の領域情報地図データ、例えば新宿はさらに10×10=100枚の部分地図データから成る。
(0,1000)(領域情報)は緯度情報が0で、経度情報が1000という意味である。領域は複数の位置情報(この場合緯度情報と経度情報)で表すことができる。例えば領域を長方形とした場合、その領域を4つの頂点の位置情報で表すことが出来る。
また、領域が、正方形の場合は2つの頂点の位置情報で表すことができる。さらに、正方形であって1辺の距離情報があらかじめ定まっている場合には1つの頂点の位置情報で、領域を表すことができる。図11は東京都の地図データとその領域を示したものであり、一番左下(0,0,100,100)の領域は例えば新宿とすると、その新宿の地図データとその領域は下図のようになり、地図データを拡大表示することが出来る。図中の黒い部分は地図データがないことを示している。従って、位置情報を取得した後、広い領域を表示する場合は東京都全体の地図データ(レベル1)を表示し、それよりも拡大した領域を表示する場合には、新宿全体の地図データ(レベル2)を表示し、さらにそれよりも拡大した領域を表示する場合には、新宿を分割した地図データ(例えば新宿1丁目)(レベル3)を表示すればよい。
位置領域情報とそれに対応する地図データのファイル名から構成される情報管理テーブル154の一実施例について、図12を参照して説明する。
地図データ検査手段160は、GPS衛星から受信した電波に基づいて計算処理して算出した位置情報について、その位置情報が含まれる位置領域情報が、情報管理テーブル内にあるかどうか検査する。もし、該当する位置領域情報が情報管理テーブル内にあればその位置領域情報に対応する地図データのファイル名を出力する。
例えば、ファイル名:新宿20050620の領域情報である(0,0,100,100)において、0,0はそれぞれ正方形の左下の頂点の緯度、経度情報で、100,100はそれぞれ右上の頂点の緯度、経度情報である。
本実施例においては、取得した位置情報が緯度5、経度5で、レベル1の広さで地図データを表示する場合について説明する。
まず、全体ファイル名:日本20050620の情報管理テーブルについて(レベル1の地図データ(東京都、神奈川県、北海道等の47都道府県))の中で緯度5、経度5に該当するものがあるかどうか検査する。ここで、全体ファイル名:日本20050620の情報管理テーブルには、番号1として、ファイル名:東京都20050620、領域:(0,0,1000,1000)、日付:2005.06.20、新旧:新、メモリ領域:000000が格納され、番号2として、ファイル名:神奈川県20050501、領域:(1000,0,2000,1000)、日付:2005.01.01、新旧:旧、メモリ領域:000100が格納される。
この場合、緯度5、経度5は東京都内の位置情報に該当するので、地図データ検査手段160は、東京都の地図データが存在すればその地図データのファイル名(東京都20050620)を出力する。レベル2、3が指定された場合も同様である。また、レベル1を表示した後に、レベル2あるいはレベル3の表示を行うような拡大あるいは縮小表示の場合も同様に、ファイルを検索することによって地図データを検索する。
ここで、広さ:レベル2、全体ファイル名:東京都20050620の情報管理テーブルには、領域情報:(0,0,1000,1000)において、番号1−1として、ファイル名:新宿20050620、領域:(0,0,100,100)、日付:2005.06.20、新旧:新、メモリ領域:001000が格納され、番号1−2として、ファイル名:代々木20050101、領域:(100,0,200,100)、日付:2005.01.01、新旧:旧、メモリ領域:001100が格納される。また、広さ:レベル3、全体ファイル名:新宿20050620の情報管理テーブルには、領域情報:(0,0,100,100)において、番号1−1−1として、ファイル名:新宿1丁目20050620、領域:(0,0,10,10)、日付:2005.06.20、新旧:新、メモリ領域:010000が格納され、番号1−1−2として、ファイル名:新宿2丁目20050501、領域:(10,0,20,10)、日付:2005.05.01、新旧:旧、メモリ領域:010100が格納される。
このように構成することにより、位置情報に対応する地図情報が通信装置100の記憶手段152に記憶されているか否かを判断することができる。
また、地図データがベクタデータである場合には、地図データそのものを拡大、縮小することによって対応することが出来る。番号欄の番号はファイル間のリンク情報を表している。情報管理テーブルの日付やファイル名についている日付は地図データの更新日時を表すものである。新旧欄はその地図データが最新かあるいは古いかを示す情報である。メモリ領域の欄の情報はそのファイル名に対応する地図データが格納されている場所(メモリ番地等)を示す。また、地図データが格納されている媒体名(内蔵メモリ、内蔵HD、内蔵CD、外部メモリなど)を記憶するようにしてもよい。
このように構成することにより、地図データの更新が必要か否かを判断することができる。
地図データ変換手段162は、出力されたファイル名に対応する地図データ(JPEG、JBIG等の圧縮データ、ベクタデータ等のフォーマットで記憶されている)を記憶手段152に格納された情報管理テーブル154から読み出し、表示装置に適したデータフォーマット(例えばビットマップデータ)に変換して出力する。
地図データ表示手段164は、ビットマップデータを表示用のビデオメモリに展開すると共に、表示装置にビデオメモリに記憶した地図データを読み出して表示装置に表示する。一方、位置領域情報が情報管理テーブル内になければ、記憶されていない旨を示す信号を出力する。
位置情報送信手段166は、地図データが記憶されていない旨を示す信号を受信した場合、位置情報を、基地局300を介してセンター局400へ送信する。この時、センター局400へ送信する前に、「ネットワークから地図データをダウンロードしていいかどうか」を使用者に報知するためにその旨の情報を表示装置に表示し、肯定入力があった場合にネットワークからダウンロードする動作を続けるようにしてもよい。このように構成することにより、通信装置100の記憶手段152に位置情報に対応する地図情報が記憶されていない場合でも、地図情報を取得することができる。
センター局400は、受信した位置情報が示す地域を含む地図データを、地図データ用のデータベース500を検索し、該当する地図データを通信装置100に送信する。このとき、センター局400は通信装置100が扱えるデータ形式(データフォーマット、圧縮方法)の地図データを送信する。センター局400は、通信装置100が扱えるデータ形式の情報を、通信の最初のネゴシエーションで獲得しておく。
通信装置100の地図データ変換手段162は、受信した地図データをビットマップデータに変換し出力する。地図データ表示手段164は、ビットマップデータを表示用のビデオメモリに展開すると共に、表示装置にビデオメモリに記憶した地図データを読み出して表示する。このように構成することにより、位置情報に対応する地図情報を表示することができ、使用者に位置を視覚的に知らせることができる。
ダウンロードした地図データは使用された後に消去してもよいし、記憶手段152に記憶することによって次回に使用できるようにしてもよい。この時、情報管理テーブル154には新しい地図データファイルが付加されることによって更新される。
次に、該当する位置領域情報が情報管理テーブル内にあっても、その位置領域情報に対応する地図データが古い場合はその旨を示す信号を出力する。それ以降は、地図データが記憶されていない場合と同様な動作を行う。ダウンロードした新しい地図データを記憶手段に記憶する場合には、古い地図データを消去する。また情報管理テーブル154も新旧情報等や変更された情報が更新される。
また、通信装置100に記憶されている地図データ(地図情報)が古いか否かを判断する地図データ新旧判断手段を備えるようにしてもよい。このように構成することにより、地図情報が古いか否かがわかるため、地図データの更新が必要か否かを判断することができる。
例えば、地図データ新旧判断手段は、以下の方法により地図データが古いか否かを判断する。
第1の方法としては、地図データファイルに付加されているタイムスタンプ情報(ファイルが更新された最新に日時を示す情報)に基づいて判断するものである。具体的には、その地図データに付加されているタイムスタンプ情報と使用する日時情報とを比較して、所定の時間差があれば古いデータと判断する。
第2の方法として、地図データのファイル毎に新旧を表す情報(新旧情報、バージョン情報等)を付加するものがある。この新旧情報は、通信装置100が定期的にあるいは不定期にセンター局400に問い合わせたり、あるいはセンター局400から定期的にあるいは地図データが更新された場合などのように所定のイベントが発生した場合等に、データ変更の通知を受信したりすることにより獲得する。通信装置100はこの通知に基づいて地図データファイルの新旧情報を更新する。また、最新または新しい地図データをダウンロードした場合、ダウンロードした地図データを古い地図データと置き換えるようにしてもよい。
次に、地図データのファイルが複数集まって、1つのある領域(例えば、東京都や神奈川県のように比較的広い領域や、市や区のように中くらいの広さの領域や、町のように狭い領域)に対応している場合がある。例えば、東京都の地図データしか通信装置100の記憶手段152に記憶されていない場合であって、その通信装置100を神奈川県で使用して、通信装置100の位置の地図データを表示するときは、通信装置100の記憶手段152には神奈川県の地図データは記憶されていないので、ネットワークから地図データをダウンロードすることが必要である。
この場合、神奈川県のすべての領域の地図データ、あるいはその市の領域の地図データ、あるいはその町の地図データのみをダウンロードする場合が考えられる。この場合、どのデータをダウンロードするのか使用者に選択させる選択手段を備えるようにしてもよい。例えば、選択手段は、どのデータをダウンロードするのか使用者に選択させる旨のメッセージを表示装置に表示する。あるいは地域単位ではなく、ファイル単位で選択させてもよい。
また、通信装置100に、取得する対象である地図情報の地図データとして通信装置内の記憶手段152に記憶されているデータのみを使用するのか(メモリモード)、あるいはセンター局400の地図データのみを使用するのか(ダウンロードモード)、あるいは前述したようにその両方を併用するのか(ハイブリッドモード)を設定するモード設定手段を備えるようにして、モードを設定できるようにしてもよい。
また、通信装置100に、表示した地図データの履歴を記憶手段152に記憶し、その履歴を表示する地図データ履歴手段を備えるようにしてもよい。履歴は、表示した日時、ファイル名、位置情報、通信装置内のデータかダウンロードしたデータかを示す情報などの履歴情報を含む。さらに、地図データ履歴手段は、各地図データを履歴情報と共に、あるいは単独でサムネイル表示するようにしてもよい。この場合、地図データ履歴手段は、履歴あるいはサムネイル画像が選択されるとその履歴に対応した地図データを記憶手段から読み出し、地図データを表示する。
また、通信装置100に、位置情報を定期的に取得してその結果を記憶手段152に記憶し、またその結果を表示する位置情報ログ手段を備えるようにしてもよい。この場合、位置情報を取得する間隔あるいは日時や時刻などの位置情報取得条件を任意に設定できる。また、開始操作によって位置情報を定期的に取得する動作を開始し、終了操作によって位置情報の定期的取得動作を終了するようにしてもよい。また、ある条件が成立すると位置情報取得条件を変更するようにしてもよい。例えば、取得位置情報が、あらかじめ設定しておいた領域に入った場合あるいは出た場合に、位置情報取得条件を変更する。具体的には、位置情報の取得間隔を1時間に設定していた場合、取得した位置情報が所定の領域に入った場合、位置情報の取得間隔を10分に変更するなどが考えられる。
また、位置情報ログ手段によって、ログ情報を表示する場合、地図データを表示し、その地図データ上に位置情報に基づいた通信装置の位置を、順次表示するアニメーション手段を備えていてもよい。
次に、本実施例にかかる通信装置100の動作について、図13を参照して説明する。
通信装置100に備えられたGPS受信機は、GPS衛星から電波を受信する(ステップS1302)。地図データ検査手段160は、GPS衛星から受信した電波に基づいて位置情報を算出する(ステップS1304)。また、通信装置100は、その位置情報が示す位置を含んだ地図データが通信装置内に記憶されているかどうかを検査する(ステップS1306)。このとき、通常は地図データが記憶されている記憶装置として設定されている(デフォルト設定)記憶装置を最初に検査し、そこに該当する地図データが存在しなければ、通信装置に接続されている他の記憶装置を検査する。例えば、地図情報検査手段160は、記憶手段152に格納された情報管理テーブル152を検査する。
通信装置100に接続されている記憶装置に記憶されていれば(ステップS1306:YES)、その地図データを通信装置100の表示部に表示する(ステップS1308)。
一方、通信装置内に記憶されていなければ(ステップS1306:NO)、センター局400に位置情報を送信し(ステップS1310)、センター局400のデータベース500に地図データがあるか否かを判断する(ステップS1312)。
センター局400のデータベース500に地図データがある場合(ステップS1312:YES)、センター局400のデータベース500にある地図データを、通信装置100にダウンロードして、その地図データを表示部に表示する(ステップS1314)。
そのデータベース500に地図データがない場合には(ステップS1312:NO)、センター局400は他のデータベースを検索し、それでも地図データがなければ通信装置100に対してその旨を通知し、通信装置100はその通知を受信するとその旨のメッセージを報知する(ステップS1316)。
ダウンロードした地図データは消去してもよいし、通信装置内に記憶することにより次回に再利用することもできる。また、地図データが通信装置内に記憶されている場合においても、その地図データが古い場合には、センター局400のデータベースから新しい地図データをダウンロードするようにしてもよい。
次に、本実施例にかかる通信装置100の動作の詳細について、図14を参照して説明する。
地図データ検査手段160は、GPS衛星から受信した電波に基づいて計算処理を行うことにより位置情報を算出し、その位置情報が含まれる位置領域情報が情報管理テーブル154内にあるか否かを検査する(ステップS1402)。
該当する位置領域情報が情報管理テーブル154内にある場合(ステップS1402:YES)、地図データ検査手段160はその位置領域情報に対応する地図データのファイル名を出力する(ステップS1404)。
次に、地図データ変換手段162は、出力されたファイル名に対応する地図データ(JPEG、JBIG等の圧縮データ、ベクタデータ等のフォーマットで記憶されている)を記憶手段152から読み出し(ステップ1406)、表示装置に適したデータフォーマット(例えばビットマップデータ)に変換して出力する(ステップ1408)。
次に、地図データ表示手段164は、ビットマップデータを表示用のビデオメモリに展開すると共に、表示装置にビデオメモリに記憶した地図データを読み出して表示装置に表示する(ステップ1410)。
一方、位置領域情報が情報管理テーブル154内に無い場合(ステップS1402:NO)、地図データ検査手段160は、位置領域情報が記憶されていない旨を示す信号を出力する。
次に、位置情報送信手段166は、地図データが記憶されていない旨を示す信号を受信すると、位置情報を、基地局300を介してセンター局400へ送信する(ステップS1412)。この場合、センター局400へ送信する前に、「ネットワークから地図データをダウンロードしていいかどうか」を使用者に報知するためにその旨の情報を表示装置に表示し、肯定入力があった場合にネットワークからダウンロードする動作を続けるようにしてもよい。
センター局400は、受信した位置情報が示す地域を含む地図データを、地図データ用のデータベース500を検索し、該当する地図データを通信装置100に送信する。この場合、センター局400は通信装置100が扱えるデータ形式(データフォーマット、圧縮方法)の地図データを送信する。センター局400は、通信装置100が扱えるデータ形式の情報を、通信の最初のネゴシエーションで獲得しておく。
通信装置100は、地図データをセンター局400から受信する(ステップS1414)。地図データ変換手段162は、受信した地図データをビットマップデータに変換し出力する(ステップS1416)。
地図データ表示手段164は、ビットマップデータを表示用のビデオメモリに展開すると共に、表示装置にビデオメモリに記憶した地図データを読み出して表示装置に表示する。(ステップS1418)。
また、ステップS1406において、ファイル名に対応する地図データが読み出された場合に、読み出された地図データが新しいか古いかを判断するようにしてもよい。例えば、図15に示すように、ステップS1406において、地図データ新旧判断手段は、ファイル名に対応する地図データのタイムスタンプの情報と、使用日時との差が所定の時間差内であるか否かを判断する(ステップS1502)。
所定の時間差内であると判断された場合(ステップS1502:YES)、地図データ新旧判断手段は、新しいデータであると判断し(ステップS1504)、ステップS1408の処理が行われる。
一方、所定の時間差内ではないと判断された場合(ステップS1502:NO)、地図データ新旧判断手段は、古いデータであると判断し(ステップS1506)、ステップS1412の処理が行われる。
また、地図データのタイムスタンプ情報ではなく、地図データのファイル毎に新旧を表す情報(新旧情報、バージョン情報等)を付加するようにしてもよい。この新旧情報は、通信装置100が定期的にあるいは不定期にセンター局400に問い合わせたり、あるいはセンター局から定期的にあるいは地図データが更新された場合などのように所定のイベントが発生した場合に、データ変更の通知を受信したりすることにより獲得される。例えば、図16に示すように、通信装置100は、データ変更の通知を受信した場合(ステップS1602)、地図データ新旧判断手段は、地図データファイルの新旧情報を更新する(ステップS1604)。
また、地図データのファイルが複数集まって、1つのある領域に対応している場合の処理フローについて、図17を参照して説明する。
選択手段は、ダウンロードする地図データの領域を示す情報を選択させるために、その旨の情報を表示装置に表示する(ステップS1702)。例えば、神奈川県のすべての領域の地図データ、あるいはその市の領域の地図データ、あるいはその町の地図データのみをダウンロードする場合が考えられるので、どのデータをダウンロードするのか使用者に選択させるように、その旨のメッセージを表示装置に表示させてもよい。あるいは地域単位ではなく、ファイル単位で選択させてもよい。
次に、選択手段は、ダウンロードする地図データの領域を示す情報が入力されたか否かを判断する(ステップS1704)。
ダウンロードする地図データの領域を示す情報が入力された場合(ステップS1704:YES)、入力された領域の地図データをダウンロードする(ステップS1706)。
一方、ダウンロードする地図データの領域を示す情報が入力されない場合(ステップS1704:NO)、ステップS1704に戻る。
次に、位置確認用の地図データとして通信装置内の記憶手段152に記憶されているデータのみを使用するのか(メモリモード)、あるいはセンター局の地図データのみを使用するのか(ダウンロードモード)、あるいはその両方を併用するのか(ハイブリッドモード)を設定する場合の処理フローについて、図18を参照して説明する。
最初に、モード設定手段は、モードを示す情報が入力されたか否かを判断する(ステップS1802)。
モードを示す情報が入力された場合(ステップS1802:YES)、モード設定手段は、入力されたモードに設定する(ステップS1804)。
一方、モードを示す情報が入力されない場合(ステップS1802:NO)、ステップS1802に戻る。
次に、表示した地図データの履歴を記憶手段152に記憶し、その履歴を表示する地図データ履歴手段における処理について、図19を参照して説明する。
最初に、地図データ履歴手段は、表示した地図データを記憶手段152に記憶する(ステップS1902)。
次に、地図データ履歴手段は、履歴あるいはサムネイル画像が選択されたか否かを判断する(ステップS1904)。
履歴あるいはサムネイル画像が選択された場合(ステップS1904:YES)、地図データ履歴手段は、対応する地図データを表示する(ステップS1906)。
一方、履歴あるいはサムネイル画像が選択されない場合(ステップS1904:NO)、ステップS1904に戻る。
次に、位置情報を定期的に取得してその結果を記憶手段152に記憶し、またその結果を表示する位置情報ログ手段における処理フローについて、図20を参照して説明する。
最初に、位置情報ログ手段は、位置情報を取得する位置情報取得条件が入力されたか否かを判断する(ステップS2002)。
位置情報を取得する位置情報取得条件が入力された場合(ステップS2002:YES)、位置情報ログ手段は、入力された位置情報取得条件にしたがって、位置情報を記憶する(ステップS2004)。
一方、位置情報を取得する位置情報取得条件が入力されない場合(ステップS2002:NO)、位置情報ログ手段は、予め決定された間隔で位置情報を記憶する(ステップS2006)。
前述した実施例では位置情報を取得するためにGPS受信手段(GPS受信機)を備えた通信装置について記載しているが、必ずしもGPS手段は必要ではない。例えば複数の基地局からの電波を受信して位置情報を算出する場合や、位置情報そのものを例えば装置の入力手段(操作入力、赤外線I/F、ブルートゥース、その他のI/F等)やネットワーク側から取得する場合もある。このように構成することにより、通信装置100の記憶手段に地図データが記憶されているので、その地図データを使用する限りにおいてはネットワーク側から地図データをダウンロードする必要が無いので、通信費を節約することができる。また、地図データを取得する時間を短縮することができる。
また、前述した位置情報を扱う動作を制御するソフトウェアとしては、専用の言語で作成されたファームウェアであってもよいが、汎用性を重視するのであればJAVA(登録商標)言語で作成したほうがよい(GPSアプリ)。GPSアプリはネットワークからダウンロードしてインストールすることができる。また、GPSアプリのバージョンが古くなった場合は、GPSアプリ本体あるいはGPSアプリが使用するデータファイルを、ネットワークからダウンロードすることにより更新することができる。
前述した発明の一実施例をもっと一般的に表現すると「取得した情報に関連したデータが通信装置内にあればそのデータを使用する一方、関連したデータがなければ、ネットワーク上のサーバ装置から関連したデータを受信する」ということである。
したがって、本実施例によれば、位置情報から地図データを表示する実施例以外に、曲名やアーチスト名等の検索情報から音楽情報(音楽データ、楽曲データ)を、映像名やアーチスト名等の検索情報から映像情報を、任意の検索名から検索名に関する情報を得るような他の実施例に応用することができる。検索するための情報は装置のキー操作等の入力手段によって入力される。例えばある楽曲データを再生する場合、その楽曲の曲名を入力する。入力した曲名の楽曲データが通信装置の記憶手段に記憶されていれば、そのデータを再生(演奏)する。一方、その楽曲データがない場合には、ネットワークにアクセスして、楽曲データのサーバ装置から該当する楽曲データをダウンロードして再生するものである。このように地図データの表示で説明した動作と同様に楽曲データの再生に応用できる。同様に映像データや一般的な検索データベースにも応用できる。
図21に、データ種類、データ入力手段の種類、出力データの種類、出力データの実行方法の表を示す。
また、入力された画像データそのものを検索する場合にも前述した実施例を応用することが出来る。この場合の一実施例を説明する。
装置に内蔵されている撮影手段(装置に接続された外部の撮影手段でもよい)によって取得された画像データを記憶手段に記憶する。次に、この記憶された画像データ(元データ)に基づいて作成された検索用の画像データと一致する画像がないかどうか、記憶手段に記憶されている画像データを検索する。検索画像データは元データそのもの、元データのある領域を切り出したもの、あるいは元データの特徴を表したデータ(特徴点データ)などを使用することができる。また、検索対象となるデータに関連する情報(書誌データやメタデータ等)を集めたリストをあらかじめ作成しておき(定期的に更新する)、検索時はこのリストの内容をチェックするようにすると、検索時間を短縮することが出来る。検索結果としては、画像データや、その他としてその画像データのメタデータ、書誌データなどが出力される。
また、最近はネットワークに家電等の製品が接続されるようになってきているので、装置のメモリに検索データが存在しなかった場合には、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されている家電製品の記憶装置を検索し、そこにもデータが見つからなかった場合には、そのLANに接続されているネットワーク(例えばインターネット等)側を検索するようにしてもよい。
利便性に欠ける1つの課題として、自分の携帯電話の位置情報を手軽に、あるいは簡単に相手装置に送ることが出来ず、相手装置に自分の携帯電話の位置を表示することが出来ないという課題がある。
本発明はその課題を解決するための一実施例として、通信装置はGPS手段と、通信相手識別手段と、通信手段とを備え、所定の通信相手と通信する場合には、GPS手段によって取得した位置情報を、通信相手装置に送信するものである。
具体的には呼設定信号(SETUP)に位置情報データを含ませて通信相手装置へ送信する。メールに位置情報データをのせて送信してもよい。もちろん、通信相手識別手段は必須ではなく、すべての相手に対して送信してもよい。
通信相手装置は、受信した位置情報に基づいて、地図情報とその地図情報の所定の位置に、相手通信装置の位置を示すマークを表示する。また相手装置もGPS機能を備えていれば、位置情報を送信してきた相手装置の位置情報とともに自分の位置情報も表示することができる。この場合、相手と自分を区別が出来るマークを表示するとよい。
具体的には文字、数字、アルファベット、絵文字、絵、図、図形等のマークが考えられる。地図データはあらかじめ通信相手装置のメモリ手段に記憶されている。また、必要な時に地図データを他の装置(例えば基地局またはサーバ装置等)からダウンロードしてもよい。また通信装置が位置情報とともに地図データを送信してもよい。また通信装置同士でお互いに位置情報を交換することにより、お互いに相手装置の位置を自分の装置の表示部に表示することも出来る。また双方の装置がGPS機能を搭載していれば、お互いに相手装置と自分の装置の位置を自分の装置の表示部に表示することが出来る。またこれは2者間に限らず多者間でも同様である。
また、前述した動作は、通話あるいは通信しながら、位置情報を載せた制御プロトコルを送受信してもよいし、通信端末装置同士では通話あるいは通信せずに、制御プロトコル(制御情報)のみで位置情報を逐次送受信するGPS専用の通信モードであるGPS通信手段を備えていてもよい。
位置情報を送るべき所定の通信相手かどうかを判断する通信相手判断手段の具体例としては、相手の電話番号を記憶しておく電話帳手段を利用することが考えられる。電話帳手段に、位置情報を送信する電話番号を登録する。具体的には、電話帳に記憶されている電話番号に対応する記憶領域、すなわち位置情報送信ビットを用意し、位置情報を送る電話番号として登録された電話番号については位置情報送信ビットをアクティブにしておく。
アクティブな位置情報送信ビットを持った電話番号が電話帳手段から選択された場合、あるいは直接テンキーで電話番号が入力された場合には、その電話番号が電話帳手段に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっているかどうかを検査する電話番号検査手段により、入力された電話番号が電話帳手段に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっていると判断された場合には、GPS手段によって取得された位置情報を通信プロトコル(例えば呼設定信号(SETUP))に挿入し相手装置に送信する。あるは位置情報をメールにのせて送信してもよい。
また相手識別情報としては前記電話番号の他にメールアドレス、IPアドレス、URIなどが考えられる。位置情報はそれぞれのプロトコルに挿入されて相手装置に転送される。また通信相手判断手段に関わらず、すべての通信に対して位置情報を送信するか、送信しないかを設定する位置情報送信設定手段を備えていてもよい。
また110番あるいは119番に代表されるようないわゆる緊急電話の場合には、前記位置情報送信設定手段によって位置情報を送信するように設定されていても、位置情報を送信するようにしてもよい。発信が緊急電話かどうかの判断は、通信装置に入力手段によって入力された電話番号が、所定の電話番号であるかどうかを比較することによって行う。あるいは、緊急電話番号が入力されると、表示装置に、位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示してもよい。この場合、肯定の入力があると位置情報を送信する。あるいは緊急電話番号の入力と、発呼指示の入力(いわゆる緑の電話ボタンやそれに相当する入力)があると、位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示して、それに対する肯定の入力があると位置情報を送信してもよい。
また、通話中に所定のボタンを押すことにより、制御プロトコルに位置情報を挿入して送信してもよい。その場合であって、緊急電話番号で繋がった場合にのみ、所定のボタンを押すと位置情報を送信するようにしてもよい。
また別の実施例として、目的地の住所情報を自通信端末装置に入力して、位置情報送信手段により位置情報を基地局に送信する。基地局は受信した位置情報を地図情報選択手段により解析し、その位置情報に対応する所定の領域の地図情報を選択し、位置情報を送ってきた通信端末装置に返信する。その地図情報を受信した通信端末装置は、自通信端末装置あるいは外部に接続されている表示手段にその地図情報を表示するとともに、目的地マーク手段は目的地の場所を示すマークを地図情報の所定の位置に表示する。さらに、自通信端末装置の位置情報をGPS手段により取得し、自通信端末装置マーク手段は自通信端末装置の位置を示すマークを地図情報の所定の位置に表示するものである。
住所情報は位置情報(緯度、経度)そのものでもよい。また、位置情報は通常使用されている住所(○○県××市)の場合は、住所データから位置情報に変換する位置情報変換手段を通信端末装置または基地局が備えていてもよい。また住所情報は地図情報の任意の場所を通信端末装置の入力手段によって指定することによって位置情報に変換してもよい。また住所情報や位置情報としてはすでに説明したものに限定する必要はなく、他の公知技術を適用できる。
位置情報送信手段には、メール手段、サーバ接続手段、FTP手段、HTTP手段などがある。メール手段は、SMTPやPOP3を使用したいわゆるE-Mailや、独自プロトコルを採用するメール手段がある。位置情報はメールの本文やSubjectの欄に記載し送信する。サーバ接続手段とは、いわゆるNTTドコモのiモードやKDDIのEzwebやインターネットようにサーバ装置に接続して、サーバ装置と通信端末装置の間でデータのやり取りを行うものであり、位置情報をデータとして送信する。FTP手段やHTTP手段は、そのプロトコルのデータ領域に位置情報を含ませて、あるいはデータそのものとして送信するものである。
地図情報選択手段は、あらかじめ地図情報を記憶している記憶手段から、位置情報が示す場所を含む地図情報を選択する。この選択の具体的手段は現在の公知技術を適用できる。
目的地マーク手段は、目的の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。
自通信端末装置マーク手段は、自通信端末装置の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。
また別の実施例として、通信装置(通信端末装置)の位置情報と位置を知りたい対象の情報(識別情報、名称、識別番号、住所情報、エリア情報等)を基地局またはサーバ装置に送信し、サーバ装置は、その情報に基づいて、地図データと、位置を知りたい対象に該当する1以上の地図上の位置データを、通信端末装置に送信することが考えられる。
例えば、通信装置がある場所において、銀行を探したい場合において、GPS手段によって取得した通信装置の位置情報と、銀行を表す識別情報(例えば「銀行」「スーパー」「都バス」「コンビニ」「トイレ」「駅」「タクシー」等)を基地局またはサーバ装置に送信する。
サーバ装置は受信した位置情報を含む地図データをサーバ装置の記憶手段から選択し、さらに「銀行」として登録されているものの位置情報であって、地図データの領域に含まれるすべてをデータベース手段から検索して、対象物の位置情報と地図データを、通信端末装置に送信する。
通信端末装置は受信した地図データを表示し、受信した銀行の位置情報に基づいて、地図上にマークを表示する。あるいは、サーバ手段は、対象物の位置情報を送信する代わりに、位置を示すマークを表示した地図データを送信してもよい。対象物とそれの位置情報はサーバ装置のデータベース手段にあらかじめ記憶されているが、例えば、対象物にGPS手段を設置し、GPS手段によって取得した位置情報を、ネットワークを使用して定期的にサーバ装置に送信し、サーバ装置はその情報でデータベースを更新してもよい。
このように、目的物を探すときに、自分のいる場所から一番近い場所を探すことができる。
また別の実施例としては、GPS手段と位置情報送信手段を備えた通信端末装置は、所定のコマンド情報を受信した場合に、位置情報送信手段は、GPS手段によって取得した位置情報を、コマンド情報を送信した通信装置に返信するものが考えられる。
所定のコマンド情報を受信する手段としては、電話手段、メール手段、FTP手段、HTTP手段などがある。電話手段では、相手通信装置として電話機が使用され、電話機から本装置に発呼するすることにより本装置が着信して通話路が設定される。この場合に、電話機から所定のDTMF信号からなるコマンド情報が送信され、本装置はそのDTMF信号を検出することによりその後の動作を行うものである。
またメール手段では、メールの本文あるいはSubjectにコマンド情報に相当するデータを含ませたものを受信する。FTP手段、HTTP手段では、そのプロトコルあるいはデータに所定のコマンド情報を含ませたもの、あるいはコマンド情報をデータそのものとしたものを受信する。また電話手段、メール手段、FTP手段、HTTP手段の代わりに、他の公知技術を適用することもできる。
その一実施例を次に説明する。
まず、自装置から相手装置にGPSデータあるいは位置情報付きのメールを送信する。そのメールを受信した相手装置は、自分の位置情報をGPS手段によって取得し、受信した位置情報と自分の位置情報を比較する。その位置情報が所定の範囲(あるいは所定の距離内)内に入っていると判断したならば、相手装置はその旨のメッセージと取得した自分の位置情報をメールに付加して、自装置に送信する。自装置は受信した相手装置の位置情報と自分の位置情報を比較して所定の範囲(あるいは所定の距離内)内に入っていると判断したならばその旨のメッセージを表示する。また必要であればそのメッセージは相手装置に送信するものである。
また別の実施例としては、GPS手段を備えた通信端末装置は、所定の条件に基づいて、GPS手段によって取得した位置情報を、位置情報送信手段によって所定の通信装置に送信することも考えられる。または、所定の条件に基づいて、GPS手段によって取得した位置情報を、記憶手段に記憶する位置情報ログ手段を備えた通信端末装置も考えられる。
所定の条件とは、通信端末装置に備えられたICタグ手段が利用された場合や、所定の時間間隔になった場合、所定の時刻になった場合、所定のコマンド情報を受信した場合、加速度センサーの出力が所定の値になった場合、基地局からの電波の強さが変化した場合(あるいは装置からの電波の強さが変化したことを基地局から通知された場合)、基地局の電波が届かなかった(受信できなかった)状態から届くようになった(受信できるようになった)場合などの所定の条件の組み合わせ等が考えられる。
また別の所定の条件としては、位置領域判断手段の出力がある。位置領域判断手段は、GPS手段によって定期的に取得された位置情報が、あらかじめ設定された位置情報の所定の領域内に入ったか、あるいは出たかを判断するものである。このとき、所定の領域に入ったこと、あるいは出たことが検出できた場合には、その検出結果に応じて位置情報を送信するものである。所定の領域のデータ形式としては、位置情報を中心とした所定の半径の領域や、位置情報を中心とした所定の大きさの正方形あるいは長方形の領域等が考えられる。このように表現された領域情報(範囲情報)に、GPS手段により取得した位置情報がその範囲内に含まれるかどうかを判断する。位置領域判断手段の出力、すなわち、領域内や領域外を示す情報が前記所定の条件として使用される。
位置情報ログ手段は、所定の条件が成立する毎に、GPS手段を使用して位置情報を取得して、記憶手段に記憶するものである。記憶されたログはまとめて他の通信装置に送信することもできる。また通信装置の表示装置に表示することも出来る。
また別の実施例として、位置情報ログ手段と後述する電波時計手段を備え、位置情報ログ手段は、GPS手段によって取得した位置情報と、電波時計手段によって取得した時刻情報を記憶手段に記憶できる。これにより正確な時刻を記録することができる。
GPS手段の利便性に欠ける別の課題として、通信端末装置の地図上に目的とする場所を表示させるためには、通信端末装置に住所情報を入力する必要があって、入力作業が手間であり、また入力ミス等も起こりえるという問題がある。
そこで、それを解決するための発明の一実施例(図22)を説明する。
まず、GPS手段で使用する位置情報をバーコードデータ化した位置情報データを用意する。これはGPS手段を備えた装置により、その場所の位置情報を得ることが出来る。この位置情報データを、例えば雑誌等に場所の写真や紹介記事や住所とともに記載(印刷)しておく。ユーザは通信装置であるカメラ付き携帯電話のカメラ手段によって、雑誌に印刷されている位置情報データを読み込み、記憶手段に記憶する。読み込まれた位置情報データ(バーコードデータ)は、GPS位置情報変換手段により、GPS手段が利用できる位置情報データに変換される。
変換された位置情報データは、携帯電話のデータ通信手段によって地図データ用のサーバ装置に送信され、サーバ装置は受信した位置情報データに基づいて、最適な地図データを携帯電話に送信する。地図データを受信した携帯電話は、目的地の位置を示すマークと地図データを、表示画面に表示するものである。
また、サーバ装置から地図データをダウンロードする代わりに、あらかじめ通信装置のメモリ手段に地図データを記憶しておき、取得した位置情報データに基づいて、メモリ手段から地図データを読み出して表示してもよい。
バーコードデータとしては一次元バーコードデータ、二次元バーコードデータ、QRコードデータ等がある。また、バーコードデータの他に、ICタグにGPS用の位置情報データを格納し、通信に内蔵されているICタグリーダ手段により、位置情報データを取得してもよい。また、位置情報データの他に、名称、電話番号、住所、メールアドレス、URI等をバーコードデータ化しておき、そのバーコードデータをカメラ手段で読み取り、読み込んだバーコードデータをテキストデータに変換して、記憶手段や電子電話帳手段に記憶してもよい。
今まで、実施例として携帯電話、IP電話を挙げたが、通信端末装置としてはその他にICカード、ICタグリーダ装置、移動無線機、無線LANを使用したIP電話、IP通信端末装置、一般加入者電話機、通信機能付コンピュータ、IPテレビ電話、腕時計、PHS、PDA等の通信機能を備えた通信端末装置があり、それぞれの通信端末装置が使用できる通信プロトコルを使用して実施可能である。ぞれぞれの通信端末装置の構成は公知であるため、ブロック図による図示は省略するが、本発明の特徴に係る手段は前記実施例と同様に備えているものである。
また本文中に記載があって、特にブロック図に図示していない「〜手段」は、専用ハードウェアで構成されているか、あるいはCPU,ROM,RAMと若干のハードウェアで構成されているものである。
また今までの実施例およびおのおのの構成は本発明の特徴を備えている限り適宜組み合わせ可能であり、1つの実施例の中で直接言及していない他の実施例および構成も適用可能である。多数の発明が本明細書に記載されているため、そのすべての組み合わせの説明とその効果を記載することは事実上不可能であるが、その組み合わせの具体的な実施と効果については当業者が想定できるものは、本明細書に記載されているものとみなすことができるのは言うまでもないことである。
また、本発明において複数の要素(構成)を持つ場合には、その要素の数は本実施例に記載している要素の数には限定されるものではない。
また、実施例中に記述した発明はJAVA(登録商標)等のようにCPUあるいはOSに依存しないプログラム言語で作成してもよい。