[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図21に基づいて説明する。本実施の形態は、通信端末装置として携帯電話装置を適用したものである。
[1.携帯電話装置1の構成]
ここで、図1は携帯電話装置1の各部の電気的接続を示すブロック図、図2は携帯電話装置1の構成を示す正面図である。
携帯電話装置1には、図2に示すように、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)2が備えられており、このCPU2からのシステムバス3には、フラッシュメモリで構成されたROM(Read Only Memory)4が接続されている。このROM4には、携帯電話装置1を動作させるための各種のプログラムが記憶されている。すなわち、ROM4はプログラムを記憶する記憶媒体である。加えて、CPU2からのシステムバス3には、制御に必要なワークエリアが形成されるとともに保存パラメータやその他の制御に必要な各種パラメータや管理情報等を記憶するRAM(Random Access Memory)5も接続されている。すなわち、CPU2は、実行プログラムをROM4から読み出しRAM5をワークエリアとして利用しつつ、その実行プログラムに含まれる命令を逐次解釈して装置全体の制御を行うものである。また、CPU2からのシステムバス3には、操作入力・表示部10、通話部11、無線通信手段12、画像処理回路13、撮影手段(カメラ手段)14、画像表示手段15、フレームメモリ(画像メモリ)16、TV受信手段17、外部I/F手段18、メモリカードI/F手段19、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)手段20、ICタグ手段21、ICタグリーダライタ手段22、無線I/F手段23、振動可能なバイブレータであるバイブレータ手段24、音源である鳴動手段25も接続されている。以下において、システムバス3を介してCPU2に接続される各部について詳述する。
操作入力・表示部10は、図2に示すように、テンキー等の各種の操作キー10aと、操作ガイダンス等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)10bとで構成されており、オペレータが携帯電話装置1を操作するためのものである。携帯電話装置1のLCD10bは、通常、縦長の画面表示で使用する。しかしながら、本実施の形態の携帯電話装置1は後述するTV受信手段17を備えており、LCD10bをTV画面として使用する場合がある。このようにLCD10bをTV画面として使用する場合には、横長で使用したほうが都合が良い。そこで、携帯電話装置1を電話として使用する場合とTV受信機として使用する場合とでは、携帯電話装置1のLCD10bに表示される画面を90度回転して表示するようにしている。なお、本実施の形態の携帯電話装置1のLCD10bは、折りたたみ式または回転式とされており、LCD10bを開いて、あるいは回転させて、LCD10bに表示されているTV画面を横長に見るためには、テンキー等のボタンが配置されている操作キー10aを備えたグリップ部分を握ることになる。
通話部11は、音声を出力するスピーカ11aと音声を入力するマイク11bと通話回路11cとから構成されている。通話回路11cは、マイク11bから入力された音声信号を無線通信手段12に送出し、無線通信手段12から入力された音声信号をスピーカ11aに出力するものである。また、通話回路11cには、音声信号を増幅したりあるいは減衰することにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質を良くしたりする回路も含まれている。さらにまた、通話回路11cは、マイク11bからスピーカ11aへの音の回り込みを制御するいわゆる側音制御も行う。
無線通信手段12は、通信網側との間で、音声信号とデータ信号を送受信する。なお、携帯電話装置1の場合は、基地局との間で無線を使用して通信を行うが、有線で交換局と通信しても良い。
撮影手段(カメラ手段)14は、撮影対象物を画像データに変換するものである。具体的には、撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)等が使用される。CCDは、撮影対象物からの光信号を受光し、それをアナログの電気信号に変換して出力するものである。
画像処理回路13は、撮影手段(カメラ手段)14が出力するアナログ電気信号を受信し、それをA/D変換することによりデジタル画像信号を得て、そのデジタル画像信号に対して画像処理(密度変換、フィルタリング、最適化処理、拡大縮小、圧縮伸張等)を行う。画像処理回路13で画像処理された画像データは、RAM(メモリ手段)5に記憶される。
画像表示手段15は、画像処理回路13によって画像処理された画像データを操作入力・表示部10のLCD10bに表示する。
TV受信手段17は、TV用アンテナ、検波部、チューナ部から構成されるもので、TV放送用電波を受信し、TV画像信号(TV放送データ)を出力する。TV画像信号(TV放送データ)は、画像処理回路13に入力され、所定の画像処理を施された後、フレームメモリ(画像メモリ)16に蓄積される。このようにしてフレームメモリ(画像メモリ)16に蓄積された画像データは、画像表示手段15に出力され、操作入力・表示部10のLCD10bにTV画像が表示される。また、フレームメモリ(画像メモリ)16に蓄積された画像データ(TV画像)は、撮影手段(カメラ手段)14で取得した画情報と同様に、RAM(メモリ手段)5に記憶させることができる(TV画像録画手段)。つまり、携帯電話装置1でTV放送をリアルタイムに視聴するだけでなく、TV放送を録画した録画データ(録画放送映像、録画映像)を再生して視聴することも可能となっている。
外部I/F手段18は、ケーブルなどの有線を使用してPC等の外部機器に接続して、データ等の送受信を行う。
メモリカードI/F手段19は、ICカード、メモリカード、メモリユニット等、記憶媒体を搭載した装置と接続して、データの送受信を行う。
GPS手段20は、人工衛星からの電波を受信し、その到達時間のずれから自分のいる緯度と経度などの地球上の位置情報を算出する。
ICタグ手段21は、リーダライタ装置と無線でデータの送受信を行うものである。ICタグ手段21は、電波信号を送受信するためのアンテナ用コイル、共振コンデンサ、変復調回路、整流平滑回路からなる無線通信手段と、CPU、ROM、RAMから構成される。リーダライタ装置から送信されてくる高周波の電力用電波信号をアンテナと共振用コンデンサで受信し、整流平滑回路で整流平滑化して、一定電圧の動作用電源を作成してICタグ内部に供給する。またリーダライタ装置から送信されてくる信号は、電力用電波信号に重畳されており、受信した信号は変復調回路によって復調される。CPUはROMに記憶されたプログラムによって動作するものであり、RAM上に動作に必要なワークエリアを形成しながら、ICタグ全体の動作の制御を行うものである。なお、ICタグは一度情報を書き込んだら二度と変更できないリードオンリーのものと、後から書き換えが可能なものや、追記のみ可能なもの(追記型)がある。
ICタグ手段21に記憶する情報としては、携帯電話装置1の装置情報がある。携帯電話装置1の装置情報としては、物の名称、機能、効能、スペック(使用方法、色、寸法、形状、重量等)、原材料、関連情報、製造年月日、販売年月日、販売国、製造国、製造メーカ名、販売店名、価格等の情報がある。また、携帯電話装置1についての情報(携帯電話装置1の種類(携帯電話、PHS、IP電話、IP通信端末装置、一般加入者電話機、ファクシミリ装置、通信機能付コンピュータ、PDA等)、装置の名称、装置の端末識別情報(電話番号、IPアドレス、URI、URL、ID等)、装置のスペック、設置場所、使用環境、使用履歴、装置のプロフィール等)、装置使用者についての情報(名前、性別、生年月日、年齢、勤務先会社名、住所、趣味、プロフィール等)、画像(装置の画像、使用者の顔画像、動画像、その他の画像)、音声データ(音声メッセージ、BGM、音楽等)等の装置の説明情報もある。携帯電話装置1の装置情報は、通常はテキストデータであるが、画像データやプログラム等のバイナリデータでも良い。また、携帯電話装置1の装置情報は、前記情報に限定されるものではなく、対象物に関する情報すべてを含む。携帯電話装置1の装置情報は、通常はICタグのRAMやROMなどの記憶手段に記憶されている。さらに、携帯電話装置1の装置情報は、前述した単なる装置の情報にとどまらず、装置の状態情報をも含む。携帯電話装置1の状態情報とは、例えば、製造中、検査中、保管中、出荷中、販売中、使用中、修理中、リサイクル中等、装置の状態あるいは時間的な状態を表す情報がある。例えば、製品がユーザの手に渡った場合(販売された場合)に、使用中を表すビットを有効にすることにより、その製品が販売されユーザが使用中の状態になっていることを知ることができ、その情報を得ることによりさまざまなサービスを行うことができる。例えば、その製品に意匠権がある場合において、その製品が販売中の場合には、意匠権と販売中のビットを有効にすることにより、無断で写真を撮影したりできないようにすることもできる。
また、装置情報は、携帯電話装置1のデータ情報とレイアウト情報(表示方法の情報)の少なくとも1以上で構成しても良い。つまり、レイアウト情報は、携帯電話装置1のデータ情報を表示部に表示する方法(表示の仕方)を示す情報である。すなわち、装置情報は携帯電話装置1のデータ情報を、レイアウト情報に基づいてリーダライタ装置の表示部に表示されるものである。レイアウト情報としては、例えば文字の種類(フォント)、文字の大きさ、文字の色、文字の修飾、文字の表示位置、画像の表示位置、画像の大きさ、背景色、アニメーションの位置、アニメーションの大きさ等であって、具体的にはXMLやHTMLのML言語(MLベースのファイル)で扱っているレイアウト情報等がある。
ICタグリーダライタ手段22は、電波信号を送信する送信アンテナ用コイルからなる無線送信部と電波信号を受信する受信用アンテナコイルからなる無線受信部と制御回路から構成される(いずれも図示せず)。制御回路は、電力用電波信号を送信し、また送信する信号を電力用電波信号に重畳して送信用アンテナから送信する。また、受信用アンテナからICタグが送信した信号を受信し、それを復調して受信データを得る。このようにICタグとICタグリーダライタ手段22の間では電波信号を使用して通信を行うことにより、ICタグの情報を読み出したり、逆にICタグに書き込みたい情報をICタグに書き込むことができる。なお、ICタグリーダライタ手段22は、リーダ部とライタ部を両方備えているが、用途によってはどちらか一方を備えているだけでも良い。ICタグとICタグリーダライタ手段22間での伝送媒体方式としては、電磁結合型、電磁誘導型、マイクロ波型、光交信型などがある。
なお、複数のリーダライタ装置があると、相互干渉によるICタグの読み取りエラーが起こる。その対策としては、リーダライタ装置同士の交信状況を互い知らせることによって干渉を防ぐ同期手段がある。また、1つのリーダライタ装置が他のリーダライタ装置をコントロールするマスタスレーブ手段を備えていても良い。
電波信号を使用したICタグ用無線プロトコルあるいは通信方式は、例えばコマンド・レスポンスをベースとしたシンプルなプロトコルで構成されても良いし、その他プロトコルはいろいろあり、また現在も多くのものが提案されているためここでは言及を避けるが、どのようなプロトコルであれ、本発明に使用できるものである。特にプロトコルにHTTPを使用するとともに、ファイル形式にML(マークアップ・ランゲージ)ベースのファイル(XML,HTML,SGML,XHTML,CHTML,HDML,DHTML等)を使用することにより、より汎用性の高い利用が期待できる。
無線I/F手段23は、無線を使用してデータの送受信を行うものであり、ブルートゥース、赤外線通信、無線LAN通信などがある。
また、言うまでもないが、前述した構成はすべて備えている必要はなく、発明の一実施例に必要な構成を最低限備えていれば良いものである。
[2.携帯電話装置1で使用する通信プロトコル]
携帯電話装置1で使用する通信プロトコルの一例について図3を参照しつつ説明する。
まず、発信接続と切断シーケンスについて説明する。図3(a)に示すように、発信側の携帯電話装置1は、オフフックおよびダイアルの後に、基地局へ呼設定信号(SETUP)、発信無線状態報告信号を送信し、基地局側から呼設定受付信号(CALL PROC)を受信する。基地局は認証手順を行った後、無線チャネル指定信号を送信する。発信側の携帯電話装置1は、指定されたチャネルを捕捉し、無線回線の設定を行う。次に、基地局から呼出信号(ALERT)を受信し、呼出音(RBT)を受話器に送出する。着信側の通信端末装置の応答があると、基地局から発信側の携帯電話装置1へ応答信号(CONN)が送信され、ここから課金が開始されるとともに、通話が始まる。次に、発信側の携帯電話装置1から切断信号(DISC)が基地局へ送信される。基地局は解放信号(REL)を発信側の携帯電話装置1へ送信し、ここで課金が終了する。発信側の携帯電話装置1は、基地局へ解放完了信号(REL COMP)を送信し、基地局から無線チャネル切断信号を受信する。最後に、発信側の携帯電話装置1は、通信に使用した無線チャネルを開放し、無線回線の切断を行う。
次に、着信接続と切断シーケンスについて説明する。図3(b)に示すように、着信側の携帯電話装置1は、基地局からの呼出信号を受信すると、着信無線状態報告信号を送信し、自動的に応答のための信号を基地局へ送信する。また、基地局では無線チャネル指定信号を着信側の携帯電話装置1へ送信し、無線回線の設定を行う。無線回線の設定後、基地局から着信側の携帯電話装置1へ、呼設定信号(SETUP)が送信され、着信側の携帯電話装置1は着信音(RGT)を生成した後、基地局へ呼出信号(ALERT)を送信する。着信側の携帯電話装置1のオフフックにより応答信号(CONN)が基地局へ送信され、通信(通話)が開始され、課金が始まる。切断シーケンスは前述の発信側からの切断とほぼ同じなので省略する。
[3.携帯電話装置1のデータ通信の通信プロトコル]
携帯電話装置1のデータ通信の通信プロトコルの一例について図4を参照しつつ説明する。
まず、携帯電話装置1側がサーバ手段からデータを取得する場合に使用するPull型シーケンスについて説明する。図4(a)に示すように、最初に、携帯電話装置1側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する。基地局側は、認証を要求するために通信認証要求信号を携帯電話装置1側へ送信する。携帯電話装置1側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を端末側へ送信する。携帯電話装置1側は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を基地局側へ送信し、基地局は、仮想回線接続応答信号を端末側へ送信することにより、通信回線が仮想的に確保される。次に、携帯電話装置1側はHTTPプロトコルを使用して、データを要求するGet信号を基地局側へ送信する。基地局側は、その応答信号として、Ack信号を携帯電話装置1側へ送信する。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を携帯電話装置1側へ送信する。携帯電話装置1側は、Response信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する。以下、必要なだけデータ取得が行われる。
次に、基地局側から携帯電話装置1へ着信通知して情報を送信(メール受信など)するPush型シーケンスについて説明する。図4(b)に示すように、まず、基地局から携帯電話装置1側へ呼び出し信号を送信する。次に、携帯電話装置1側は基地局に対して通信登録要求信号を送出する。基地局側は、認証を要求するために通信認証要求信号を携帯電話装置1側へ送信する。携帯電話装置1側は、通信認証応答信号を基地局へ送信し、基地局側は認証が成立すれば、通信登録応答信号を携帯電話装置1側へ送信する。基地局は、回線接続を要求するために、仮想回線接続要求信号を携帯電話装置1側へ送信し、携帯電話装置1側は、仮想回線接続応答信号を基地局側へ送信することにより、通信回線が仮想的に確保される。基地局は着信通知信号を携帯電話装置1側へ送信し、携帯電話装置1側はその応答として、Ack信号を基地局側へ送信する。携帯電話装置1側は、データを要求するために、Get信号を基地局側へ送信する。基地局側はその応答信号として、Ack信号を携帯電話装置1側へ送信する。基地局は要求されたデータを含むResponse信号を携帯電話装置1側へ送信する。携帯電話装置1側はResponse信号の応答信号としてAck信号を基地局側へ送信する。以下、必要なだけデータ取得が行われる。
なお、プロトコル中には、自装置または相手装置の端末識別情報(電話番号、端末番号、ID番号、機番、移動機番号、メールアドレス、URL、URI等)やサービス識別情報(電話番号、メールアドレス、URL、通話、電子メール、インターネットアクセス、データダウンロード等)を含ませることができる。さらに、自装置または相手装置の端末識別情報やサービス識別情報を、それぞれについて複数持ち(自装置の記憶手段に記憶する)、それらを選択して使用することにより、特定のサービスを特定の端末識別情報で使用することや、選択した端末識別情報に課金するなどの多彩なサービスを享受することができる。
[4.携帯電話装置1の機能]
次に、携帯電話装置1に内蔵されたROM4に格納されたプログラムがCPU2に実行させる機能のうち、本実施の形態の携帯電話装置1が備える特長的な機能について説明する。
[4−1.端末識別情報通知機能]
まず、携帯電話装置1のCPU2が実行する端末識別情報通知処理について説明する。現在は、複数の自局(自端末)の電話番号を備えた携帯電話もあるが、電話をかけた時に電話番号通知される電話番号は、電話をかける時に選択した自局の電話番号のみであり、同様な問題がある。また、通話料金に限らず、使用する電話番号によって通信端末装置が使用できる機能(通信サービス、通信端末装置自身の機能、通話品質など)が変わってしまうという問題もある。このように通信端末装置が複数の電話番号を持っている場合に、どのように相手に電話番号を通知するのがいいのかという問題がある。
そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、発呼する携帯電話装置1側が、複数の端末識別情報(端末識別番号、機番、移動機番号、ID、電話番号、通信アドレス等)を持っている場合に、少なくとも2以上の端末識別情報を相手通信端末装置に伝える端末識別情報通知処理を実行するようにした。例えば、1つの携帯電話装置1が、電話番号とメールアドレスを備えている場合や、あるいは1つの携帯電話装置1が、複数の電話番号を備えている場合、あるいは複数のメールアドレスを備えている場合等も含まれる。
この場合、発呼する携帯電話装置1が端末識別情報を直接相手通信端末装置に送信しても良いし、通信網側の通信制御用の装置が、相手通信端末装置に送信しても良い。例えば、1つの携帯電話装置1が単一のサービス(機能)において複数の端末識別情報を備えている場合(例えば、複数の電話番号)がある。また、1つの通信端末装置が複数のサービスを備えている場合(例えば、電話番号と電子メールアドレス)がある。後者の場合は、通話する場合において、電話番号と電子メールアドレスを通知し、または電子メールにおいて、電子メールアドレスと電話番号を通知するものである。
端末識別情報を受信した受信側の通信端末装置は、自装置の表示装置に、受信した発呼側の端末識別情報を表示する。この場合、受信した端末識別情報の全てを表示しても良いし(一度に全ての端末識別情報を表示しても良いし、順番に1つずつ表示しても良い)、所定の条件(所定の情報と一致した端末識別情報、所定の情報を含む端末識別情報、電話番号のみ、電子メールアドレスのみ等)に合致した端末識別情報を表示しても良い。
また、受信した発呼側の複数の端末識別情報を着信履歴手段(着信した通信の所定の情報を通信毎に記憶する)等に記憶しておいても良い。これにより、受信した通信端末装置が、発呼側の携帯電話装置1に発呼する場合に、着信履歴手段を利用して、受信した複数の端末識別情報から希望する端末識別情報を選択することができる。また、着信履歴手段に記憶されている複数の端末識別情報を電話帳(アドレス帳)手段(端末識別情報やその他の諸情報と、それに対応する名称が記憶されていて、端末識別情報や名称を選択して発呼することができる)に登録できるようにしても良い。例えば、電話帳(アドレス帳)手段に登録したい端末識別情報を、着信履歴手段によって表示器に表示させ、任意の名称等を入力手段から入力して、電話帳手段に登録する。この場合、着信履歴手段に1通信につき複数の端末識別情報が記憶されている場合には、複数の端末識別情報を電話帳(アドレス帳)手段に登録することができる。例えば、着信履歴手段から1通信を選択して電話帳(アドレス帳)へ登録する場合、1通信に2つの電話番号とメールアドレスが記憶されていると、登録画面では、2つの電話番号とメールアドレスが、自動的に挿入されており、他に入力手段から名称や他の情報を入力した後に、登録することができるものである。また、電話帳(アドレス帳)手段に登録された複数の端末識別情報から端末識別情報を選択して発呼することができる。
さらに、発呼する携帯電話装置1あるいは通信網側の通信制御装置が、所定の条件に応じて、発呼側の携帯電話装置1が持っている複数の端末識別情報のうち、所定の端末識別情報を選択して、受信側の通信端末装置に送信することが考えられる。所定の条件とは、
1.相手通信端末装置から発呼(折り返して電話する場合)する場合に、使用して欲しいと考えている端末識別情報(この場合、端末識別情報毎に、利用できる仕様、機能(端末が使用できる機能、通信上の機能)等が異なる場合を想定している。)
2.相手通信端末装置が発呼した場合に、通信料金が安くなると予想される端末識別情報
等が考えられる。この場合、発呼側のオペレータが手動で選択する。また、発呼側の携帯電話装置1が持っている端末識別情報と、受信側の通信端末装置が持っている端末識別情報を比較して、その結果に応じて、複数の端末識別情報から所定の端末識別情報を選択して、受信側の通信端末装置に送信する。端末識別情報に、通信端末装置が使用できる機能、使用できる通信機能、プロバイダ情報、通信料金情報、その他の情報が含まれているか、あるいは示唆している場合を想定している。
[4−2.端末識別情報別設定機能]
現在、携帯電話に代表される通信端末装置においては、GPS機能、カメラ機能、ICタグ機能、ICタグリーダライタ機能、TV放送受信機能、着信音モード切替機能、複数の自端末識別情報機能等を備えることにより多機能化している。また、複数の自端末識別情報を備えている通信端末装置がある。
しかしながら、多機能化している通信端末装置においては、それぞれの単独の機能としての使い勝手や、あるいはそれぞれの機能を組み合わせて使用する使い方には、それぞれの機能が比較的最近搭載された機能であるため、まだまだ新しい使い方、有用な使い方など、改善の余地がある。また、複数の自端末識別情報を備えている通信端末装置においては、その特徴を十分に生かしたアプリケーションは皆無に等しい。
ここで、複数の端末識別情報を持つ携帯電話装置1において、端末識別情報毎に電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段(発信した通信の所定の情報を通信毎に記憶する)、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段(1通話分(1通信分)の料金情報や積算通話料金(積算通信料金)等の通話料金あるいは通信料金に関する情報)、装置の機能設定手段(着信音の種類、着信音量等の音に関する設定、待ち受け画面、照明等の表示画面に関する設定等のように装置に関する各設定)のような端末識別情報に関係する諸機能(通信情報手段)を備える場合について説明する。すなわち、複数の端末識別情報のうち、使用する端末識別情報が選択された場合には、それ以降、選択された端末識別情報に対応した電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段を使用するように制御するものである(制御手段)。これにより、端末識別情報に合わせた最適な設定を行うことができる。また、使用する端末識別情報を変更するまで、変更する前の端末識別情報の通信情報手段を使用し続けることができる。
図5は、電話帳(アドレス帳)手段を使用する場合の端末識別情報設定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、自端末の電話番号として複数の電話番号(電話番号Aと電話番号B)を備えている携帯電話装置1であって、例えば、現在仕事中であり、電話番号Aが使用されている場合、あるいは電話番号Aの使用として設定されている場合(仕事モードに設定されている)において(ステップS1のY)、使用者が電話帳機能を選択した場合は(ステップS2のY)、電話番号Aに対応した電話帳Aが選択され使用することができる(ステップS3)。ここで、電話番号Aを会社用(公用)の電話番号として使用している場合には、電話帳Aには会社の仕事関係(得意先など)の電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。一方、プライベートで使用する場合において(ステップS1のN)、使用者が電話帳機能を選択した場合は(ステップS4のY)、電話番号Bに対応した電話帳Bが選択され使用することができる(ステップS5)。すなわち、電話番号Bはプライベートで使用する電話番号として使用され、電話帳Bにはプライベートの電話番号やメールアドレス等の情報が記憶されている。このような仕事モードとプライベートモードの切替は、携帯電話装置1の電話番号の選択により行っても良いし、仕事モードとプライベートモードのモード切替で設定するようにしても良い。これにより、複数の自端末識別情報を備えた通信端末装置の使い勝手を向上させることができる。
[4−3.無料通話確認機能]
近年、携帯電話会社の料金サービスとして無料で通話できる無料通話サービスがあり、また使用しなかった無料通話料金または無料通話時間を次の月に繰り越せるサービスも始まっている。しかしながら、無料通話料金または時間等である無料通話分の情報について、どの程度残っているのか、所定の期限まであとどの位使用できるのかは、請求書が送られてくるまで知ることができないという不便さがある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、無料で通話できる料金あるいは時間の現在の残り(残高または残時間)を、通話中(あるいは通話中以外でも良い)である携帯電話装置1のLCD10bに表示するようにしたものである。
ここで、図6は無料通話確認処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、電話での通話を開始すると(ステップS11のY)、携帯電話装置1のCPU2は、無料通話料金の残高を問い合わせるためのプロトコルを使用して基地局側(通信網側)に無料通話料金残高を問い合わせる(ステップS12)。
残高データを取り扱う基地局またはサーバ装置(以後単にサーバ装置と呼ぶ)は、携帯電話装置1毎あるいは契約ユーザ毎の無料通話のデータまたは残り無料通話料金(あるいは残り無料通話時間)を管理している。サーバ装置は、通話時間に応じて残高データを減じながら、残高データを送信する。なお、複数の装置の無料通話料金をお互いに共有して使用することができる場合には、自装置の無料通話料金残高に、共有できる装置の無料通話料金残高を足した合計無料通話料金残高を自装置に表示することも考えられる。その場合、サーバ装置は、無料通話料金を共有できる装置の無料通話料金残高を記憶しておき、それらを合計して合計無料通話料金残高を算出し、各装置に送信する。
携帯電話装置1のCPU2は、基地局側から順次送信されてくる無料通話料金残高データを受信すると(ステップS13のY)、受信した無料通話料金残高をLCD10bに順次表示する(ステップS14)。また、残高のみではなく、その残高がいつまで有効なのかを示す情報が送信される場合には、残高とその残高がいつまで有効なのかを示す情報とをともにLCD10bに表示しても良い。例えば、残りの無料通話分が5千円で、それが使用できる期日が2004年3月31日の場合、「2004年3月31までに使用できる無料通話分は5千円です。」等の表示を行う。なお、最初に基地局から送信されてきた無料通話料金残高データを基に、携帯電話装置1自身が通話時間に応じて無料通話料金残高を計算して表示しても良い。
なお、本実施の形態においては、通話中における処理について説明したが、通話中に限るものではなく、非通話中や待ちうけ画面の時に表示するようにしても良い。また、問い合わせ専用の制御プロトコルを使用して残高データを受け取っても良い。無料通話料金の残高データを問い合わせるプロトコルは、前述の呼設定、切断のプロトコルとは別の特別なプロトコルを使用しても良いし、また呼設定、切断のプロトコルを使用する場合には、基地局は例えば解放信号(REL)に残高データを含ませて送信することができる。
以上、無料通話料金を例にとって説明したが、無料通話時間あるいは無料通信料金についても同様である。
また、無料通話の他に、例えば後述するようにサーバ装置に電子マネーを蓄積しておくプリペイド手段での電子マネーの共有のような他の携帯電話と共有して使用できるサービスについても適用できる。また、無料通話の繰越サービスにおいても、いつまで、いくら繰り越せるのか等の繰越情報を、サーバ装置から受信して表示することもできる。また、繰越サービスと無料通話の共有を合わせたサービスについても同様である。
さらに、現在の携帯電話サービスの通話料金あるいは通信料金支払いの締め日は月末の固定であるため、無料通話サービスを利用しているユーザは、無料通話時間をその月にすべて使いきるために、通話あるいは通信が月末に集中して、トラフィックが混雑するという問題がある。そこで、無料通話サービスの無料通話料金あるいは無料通話時間の締め日を、ユーザ毎に任意の日に設定できるようにする。具体的には、携帯電話装置1と基地局側(通信網、サーバ装置)との間で所定のプロトコルを使用したデータ通信を行い、このとき、携帯電話装置1からサーバ装置へ、変更しようとしている締め日データを送信する。サーバ装置は、受信した締め日データをサーバ装置の記憶装置に記憶する。次に、設定変更された締め日に基づいて、無料通話サービスを行うものである。締め日データとしては、無料通話の基準期間が1ヶ月の場合は、例えば月の何日(1日〜31日)という設定データを送信する。
[4−4.認証機能]
一般に、携帯電話装置での使用者の認証手段としては、パスワード認証や指紋の認証が実用化されているが、一長一短である。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、携帯電話装置1に内蔵されている撮影手段(カメラ手段)14を認証用に使用するようにしたものである。
ここで、図7は認証処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、携帯電話装置1のCPU2は、認証時に、使用者本人が撮影手段(カメラ手段)14で撮影されると(ステップS21のY)、あらかじめ撮影手段(カメラ手段)14で撮影してRAM5に記憶しておいた本人認証用の画像ファイルと、認証時に撮影した画像ファイルとを比較し(ステップS22)、本人かどうかの認証を行う。
画像ファイルの比較方法としては、例えば両目と口を基準にして比較する方法がある。この方法を採る場合には、両目と口の位置を検出する必要がある。撮影した画像から両目と口の位置(左目、右目、口のお互いの相対位置)を検出するには、膨大な画像処理が必要であり、携帯電話装置1などの携帯端末で使用されるCPUあるいは専用LSIでは、認証時の一定の時間内に検出するにはパワー不足である。そこで、認証時の撮影のときに、図8に示すように、あらかじめLCD10b上に、両目と口の位置を示すマークMを表示させ(図8(b))、そのマークの位置に合うように撮影すると(図8(c))、両目と口の位置を検出するための画像処理作業を省略することができる。従って、後は両方の画像を比較して認証を行うだけで良い。また、図9に示すように、両目と口の位置は、認証比較用の元画像から両目と口の位置をあらかじめ検出しておいて(図9(a))、認証の撮影時にその検出した位置と同じ位置にマークを表示させるようにしても良い(図9(b))。もちろん、両目や口以外のパーツを使用しても良い。前述したマークは、フレームメモリ(画像メモリ)16の所定の位置に書き込み、撮影手段(カメラ手段)14で撮影した画像データとOR処理することにより、マークと撮影画像とをLCD10bに表示させることができる。
画像ファイルの比較の結果、本人認証用の画像ファイルと認証時に撮影した画像ファイルとが一致したと判断した場合には(ステップS23のY)、本人であるとの認証を行う(ステップS24)。
一方、画像ファイルの比較の結果、本人認証用の画像ファイルと認証時に撮影した画像ファイルとが一致しないと判断した場合には(ステップS23のN)、認証せずにエラー処理を行う(ステップS25)。
[4−5.操作禁止設定機能]
携帯電話装置を紛失した場合、他人に使用されてしまうという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、携帯電話装置1を紛失した場合、携帯電話装置1の操作を禁止するような設定を携帯電話装置1に対して行う1つの方法として、携帯電話装置1に他の電話から電話をかけて、遠隔操作する。その場合の遠隔操作を許可するときの認証手段の実施例として、遠隔操作をする電話の電話番号をあらかじめ携帯電話装置1に登録しておき、電話かけた側が通知する発信者電話番号と、あらかじめ登録しておいた電話番号を比較し、それが一致した場合に、その後の遠隔操作を許可する。遠隔操作が許可されると、電話から所定の命令を携帯電話装置1に送信することにより、それを受信した携帯電話装置1は、携帯電話装置1の操作を禁止する設定を行う。
[4−6.呼出モード切替機能]
一般に、携帯電話装置のマナーモードボタンは、着信音を鳴動させて呼び出しを行う通常の呼び出しと、マナーモードと呼ばれる呼び出し、すなわちバイブレータによる振動による呼び出しと、着信音も鳴らさず、バイブレータも振動させないサイレントによる呼び出しがあり、マナーボタンの押し下げにより、この通常の呼び出しとマナーモードの2つをトグル動作で切替えていた。ところが、マナーモードをバイブレータとサイレントのどちらかに設定するかは、別の複雑な操作が必要であり、仮にマナーモードとしてバイブレータを設定していた場合に、サイレントモードに設定するには普段使用していない操作が必要であり、ユーザにとっては煩雑で不便であった。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、一度のボタン操作で、煩雑な操作をする必要なしに、着信音モード、バイブレータモードとサイレントモードを切替えることができるようにしたものである。
携帯電話装置1のCPU2は、ROM4に格納されたプログラムに従い、音源(鳴動手段25)を鳴動させて着信を知らせる着信音モードと、バイブレータ(バイブレータ手段24)を振動させて振動により着信を知らせるバイブレータモードと、音源(鳴動手段25)を鳴動させずかつバイブレータ(バイブレータ手段24)を振動させないサイレントモード(LED、LCD10b、バックライトを点灯あるいは点滅させても良い)の3つの呼出モードを切り替える呼出モードトグル切替機能(呼出モードトグル切替手段)を実現する。モードの切替は、操作キー10a上に設けられた専用の1つのボタン(呼出モード切替ボタン)の押し下げ毎に3つのモードをトグル動作で切替えるものである。
ここで、モード切替動作を詳細に説明する。ここで、図10は呼出モード切替処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すように、携帯電話装置1のCPU2は、携帯電話装置1の電源が投入された場合においては(ステップS31のY)、所定の呼出モード(ここでは、着信音モードで説明する)に設定する(ステップS32)。次に、呼出モード切替ボタンが押されると(ステップS33のY、ステップS34のY)、バイブレータモードに切替わり(ステップS35)、もう一度呼出モード切替ボタンが押されると(ステップS33のY、ステップS34のN、ステップS36のY)、サイレントモードに切替わる(ステップS37)。さらにもう一度、呼出モード切替ボタンが押されると(ステップS33のY、ステップS34のN、ステップS36のN)、最初の着信音モードに切替わる(ステップS32)、いわゆるトグル動作を行う。
このようにして、煩雑な操作をする必要なしに、呼出モード切替ボタンのボタン操作毎に、着信音モード、バイブレータモード、サイレントモードを切替えることができる。
なお、本実施の形態においては、操作キー10a上に専用の1つのボタン(呼出モード切替ボタン)を設けるようにしたが、これに限るものではなく、呼出モード切替ボタンを通常のスイッチで構成しても良いし、タッチパネル上の擬似スイッチで構成するようにしても良い。また、他の機能を兼用しているボタンでも呼出モード切替ボタンとして使用可能である。この場合には、他の機能の操作と区別をするために、呼び出しモードを切替える場合には、ボタンの長押しがされた場合にモード切替のトグル動作を行うものである。
[4−7.着信バイブ機能]
近年、いわゆるワン切りなる迷惑行為が増えており、劇場等の場所でうっかりマナーモード(サイレントモード、バイブレータモード等)に設定し忘れた場合、ワン切りの着信があると、着信音が鳴ることにより周り迷惑がかかるという問題がある。この対策として、通常着信音としてステップトーンモード(徐々に着信音が大きくなるモード)に設定しておく方法があるが、通常の着信の場合に、最初の着信音が聞こえないので、電話がかかってきたことに気づくのが遅れるという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、その対策として、ステップトーンモードとバイブレータモードを組み合わせるようにした。
ここで、図11は着信バイブ処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、携帯電話装置1のCPU2は、着信があると(ステップS41のY)、徐々に着信音を大きくするとともに、着信音が小さい時にもバイブレータによって振動させるものである(ステップS42)。これにより、着信の最初は着信音は鳴らないが、バイブレータが振動するために、着信に気が付くことができる。従って、サイレントモードに設定し忘れていても、ワン切りがあった場合でも、振動するのみなので、周りに迷惑をかけることがない。
[4−8.マナーモード無効機能]
マナーモード(サイレントモード、バイブレータモード)の場合、携帯電話装置1を体から離しておくと、本人がLCD10bの着信を示す表示を見るまで電話があったことを知ることができないという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、その対策として、マナーモード(サイレントモード、バイブレータモード)が設定されていても、所定の条件であればマナーモードを解除するか、あるいは着信音を鳴動させるようにしたものである。
ここで、図12はマナーモード無効処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すように、携帯電話装置1のCPU2は、基地局から電話の呼び出しがあると(ステップS51のY)、GPS手段20によって位置情報を取得し(ステップS52)、その位置情報がマナーモード有効領域外であれば(ステップS53のY)、マナーモードを解除して着信音を鳴動させる(ステップS54)。この場合、少なくとも1以上のマナーモード有効領域情報を携帯電話装置1のRAM5に予め設定しておくことが必要である。なお、ステップS53においては、マナーモードを解除して着信音を鳴動させるのではなく、マナーモードを一時的に無効にして着信音を鳴動させるものでも良いし、バイブレータの振動をさらに大きくするものであっても良い。
一方、位置情報がマナーモード有効領域内であれば(ステップS53のN)、マナーモードのままにする。
これにより、マナーモードを設定した状態で携帯電話装置1を体から離しておいた場合であっても、電話があったことを知ることができる。
なお、マナーモード無効処理を実行するにあたって、電話をかける側に暗証番号の入力を条件にしても良い。この場合、電話をかける側で暗証番号を入力して、マナーモード無効命令モードで電話をかける。暗証番号とマナーモード無効命令情報は、呼設定プロトコルにより相手側装置に送信され、相手側装置ではマナーモード無効命令情報を受信し、さらに携帯電話装置1にあらかじめ設定してある所定の暗証番号と受信した暗証番号を比較して、一致したならばマナーモード無効機能を有効にするものである。
[4−9.マルチ通信機能あるいは通信方式切替機能]
前述したように、使用するICタグの種類、ICタグの使用用途あるいはICタグが使用する無線周波数等の違いによって多くの通信方式(エアインターフェイスとも呼ばれているもので、いわゆる通信の方式であり、具体的には、使用する電波の周波数、通信プロトコル、エラー訂正方式、符号方式、圧縮方式等がある)が存在するために、使用できる通信方式が相異するICタグを複数内蔵している場合、リーダライタ装置(ICタグリーダライタ手段22)が使用できる通信方式以外の通信方式を使用するICタグと交信できないという問題が生じる。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、その対策として、マルチ通信機能あるいは通信方式切替機能を備えるようにした。マルチ通信機能あるいは通信方式切替機能は、概略的には、所定のICタグ用無線プロトコルを送出した後に、別のICタグ用無線プロトコルを送出し、さらに次々に携帯電話装置1のリーダライタ装置(ICタグリーダライタ手段22)が持っている通信プロトコルを送出するものである。ICタグは、自身が備えている通信プロトコルを受信した場合にはそのまま交信を行い、自身が備えていない通信プロトコルに対しては反応しないことになる。また、通信プロトコルの他に使用する電波の周波数、エラー訂正方式、符号方式、圧縮方式も同様である。
ここで、図13はマルチ通信処理あるいは通信方式切替処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態の携帯電話装置1のICタグリーダライタ手段22は、通信方式として、A通信方式、B通信方式、C通信方式の3つの通信方式を備えているものとする。図13に示すように、携帯電話装置1のCPU2は、まず最初に、A通信方式によって電波を送信する(ステップS61)。A通信方式を備えたICタグが電波の届く範囲に存在すれば、ICタグはA通信方式によって応答(レスポンス)をICタグリーダライタ手段22に返す。
ICタグリーダライタ手段22がこの応答を受信したと判断した場合には(ステップS62のY)、A通信方式によって交信を継続して所定の情報を読み出したり、書き込んだりする(ステップS63)。このA通信方式によって複数のICタグが応答した場合には、複数のICタグと交信を行う。
また、A通信方式による通信が終了した場合や(ステップS64のY)、A通信方式による応答がなかった場合には(ステップS62のN)、B通信方式によって電波を送信する(ステップS65)。B通信方式を備えたICタグが電波の届く範囲に存在すれば、ICタグはB通信方式によって応答(レスポンス)をICタグリーダライタ手段22に返す。
ICタグリーダライタ手段22がこの応答を受信したと判断した場合には(ステップS66のY)、B通信方式によって交信を継続して所定の情報を読み出したり、書き込んだりする(ステップS67)。このB通信方式によって複数のICタグが応答した場合には、複数のICタグと交信を行う。
また、B通信方式による通信が終了した場合や(ステップS68のY)、B通信方式による応答がなかった場合には(ステップS66のN)、C通信方式によって電波を送信する(ステップS69)。C通信方式を備えたICタグが電波の届く範囲に存在すれば、ICタグはC通信方式によって応答(レスポンス)をICタグリーダライタ手段22に返す。
ICタグリーダライタ手段22がこの応答を受信したと判断した場合には(ステップS70のY)、C通信方式によって交信を継続して所定の情報を読み出したり、書き込んだりする(ステップS71)。このC通信方式によって複数のICタグが応答した場合には、複数のICタグと交信を行う。
また、C通信方式による通信が終了した場合や(ステップS72のY)、C通信方式による応答がなかった場合には(ステップS66のN)、処理を終了する。これにより、ICタグリーダライタ手段22が備えているすべての通信方式による通信が終了する。
このようにしてICタグリーダライタ手段22がマルチ通信機能あるいは通信方式切替機能を備えることにより、いろいろな通信方式を持つICタグを複数内蔵している場合でも、1台のICタグリーダライタ手段22によってICタグの情報を読み出したり、書き込んだりすることができる。また、ICタグにマルチ通信機能あるいは通信方式切替機能を備えていても良い。
[4−10.監視機能]
本実施の形態の携帯電話装置1においては、携帯電話装置1を監視モニターとして使用することを目的として、撮影手段(カメラ手段)14により自動的に所定の時間間隔で被写体を撮影するとともに、その画像を所定の通信装置に送信する監視機能を備えている。
所定の時間間隔や所定の通信装置に送信するための所定の通信アドレスは、あらかじめRAM5に設定する。また、所定の時間間隔の代わりに、あらかじめ設定した1以上の所定の時刻になると撮影し、画像を送信するようにしても良い。また、必ずしも撮影が行われるたびに画像を送信する必要はなく、画像の量が所定の量(所定の画像枚数、所定の画像の総データ量)に達した場合に、送信するようにしても良い。また、携帯電話装置1に電源アダプタが接続されている場合に、撮影と画像の送信動作を行うようにしても良い。従って、電源アダプタが接続されていなければ、自動的に撮影は行わない。これは、撮影する場合はかなり大きな消費電力を必要とする場合があり、そのためにバッテリ不足になるのを防ぐためである。
ところで、携帯電話装置1に内蔵された撮影手段(カメラ手段)14では、画素数に限りがあるので、大きな画像を適度な解像度で撮影することが困難であるという課題がある。例えば、撮影手段(カメラ手段)14の画素数の制約により、100×100dpiの画素密度の画像のみにしか対応できない場合、撮影対象のエリアを広くすると画像が荒くなるという課題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、複数回撮影した画像を合成することにより、高画質で撮影対象のエリアを広くするようにしている。
例えば、図14に示すように、撮影対象のエリアを4つのエリアに分割し、それぞれのエリアを別々に撮影して、4枚の画像をつなぎ合わせると、200×200dpiの画像を得ることができる。合成した画像をLCD10bに表示する場合には、全体を表示することができないので、画面をスクロールするスクロール機能を備えるようにする。また、合成するための撮影枚数を入力する場合、4枚であれば、1枚目と2枚目は横方向に合成し、3枚目は1枚目の下方向に、4枚目は3枚目の横方向で2枚目の下方向に合成する。また、入力した枚数が2枚の場合には、縦方向に合成する場合と横方向に合成する場合があるので、どちらの方法で合成するのかを入力する必要がある。このように撮影枚数に応じて合成の方法を変更する(画像合成変更手段)。
[4−11.位置情報送信機能]
GPS(全地球測位システム)とは、一般には、複数の人工衛星からの電波を受信し、その到達時間のずれから自分のいる緯度と経度などの地球上の位置情報を算出するシステムである。近年、GPS機能を搭載した携帯電話が開発されており、GPS機能を使用して携帯電話の位置情報を取得して地図上に位置を表示するシステムがあるが、まだまだ利便性に欠けるところがある。本実施の形態においては、GPS機能を使用した携帯電話の利便性をより高めることを目的としている。この利便性に欠ける1つの課題として、自分の携帯電話の位置情報を通信あるいは通話している相手装置に送ることが出来ず、相手装置に自分の携帯電話の位置を表示することが出来ないという課題がある。
本実施の形態の携帯電話装置1においては、GPS手段20を備えていることから、所定の通信相手と通信する場合には、GPS手段20によって取得した位置情報を、通信相手装置に送信する位置情報送信機能を備えている。
具体的には、呼設定信号(SETUP)に位置情報データを含ませて通信相手装置へ送信する。もちろん、通信相手判断機能は必須ではなく、すべての相手に対して送信しても良い。通信相手装置は、受信した位置情報に基づいて、地図情報とその地図情報の所定の位置に、携帯電話装置1の位置を示すマークを表示する。また、相手装置もGPS機能を備えていれば、位置情報を送信してきた携帯電話装置1の位置情報とともに自分の位置情報も表示することができる。この場合、相手と自分を区別ができるマークを表示すると良い。具体的には、文字、数字、アルファベット、絵文字、絵、図、図形等のマークが考えられる。地図データは、あらかじめ通信相手装置のメモリ手段に記憶されている。また、必要な時に地図データを他の装置(例えば、基地局またはサーバ装置等)からダウンロードしても良い。また、携帯電話装置1が、位置情報とともに地図データを送信しても良い。また、通信装置同士でお互いに位置情報を交換することにより、お互いに相手装置の位置を自分の装置の表示部に表示することもできる。また、双方の装置がGPS機能を搭載していれば、お互いに相手装置と自分の装置の位置を自分の装置の表示部に表示することができる。また、これは2者間に限らず多者間でも同様である。
なお、位置情報送信機能は、目的地の住所情報を携帯電話装置1に入力させ、この目的地の住所情報を位置情報として基地局に送信するものであっても良い。基地局は、受信した位置情報を解析し、その位置情報に対応する所定の領域の地図情報を選択し(地図情報選択手段)、位置情報を送ってきた携帯電話装置1に返信する。その地図情報を受信した携帯電話装置1は、携帯電話装置1のLCD10b、あるいは外部に接続されている表示手段にその地図情報を表示するとともに、目的地の場所を示すマークを地図情報の所定の位置に表示する(目的地マーク手段)。さらに、携帯電話装置1の位置情報をGPS手段20により取得し、携帯電話装置1の位置を示すマークを地図情報の所定の位置に表示するものである(自通信端末装置マーク手段)。ここで、基地局に送信する住所情報は、位置情報(緯度、経度)そのものでも良い。また、位置情報が通常使用されている住所(○○県××市)の場合は、住所データから位置情報に変換する位置情報変換機能を携帯電話装置1または基地局が備えていても良い。また、住所情報は地図情報の任意の場所を携帯電話装置1の操作キー10aによって指定することによって位置情報に変換しても良い。また、住所情報や位置情報としてはすでに説明したものに限定する必要はなく、他の公知技術を適用できる。
つまり、地図情報選択手段は、あらかじめ地図情報を記憶している記憶手段から、位置情報が示す場所を含む地図情報を選択するものである。この選択の具体的手段は、現在の公知技術を適用できる。目的地マーク手段は、目的の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。自通信端末装置マーク手段は、自通信端末装置の位置情報と一致あるいは近似する地図情報の位置情報を検索し、該当する位置情報に対応する地図情報の位置を示す所定のマークを、表示手段に表示された地図データ上に表示するものである。
位置情報送信機能としては、SMTPやPOP3を使用したいわゆるE−Mailや、独自プロトコルを採用するメールを利用することができる(メール手段)。位置情報は、メールの本文やSubjectの欄に記載し送信する。また、iモード(登録商標)やインターネットのように携帯電話装置1をサーバ装置に接続して、サーバ装置と携帯電話装置1の間で位置情報をデータとして送信するようにしても良い(サーバ接続手段)。さらに、プロトコルにFTPやHTTPを使用し、そのプロトコルのデータ領域に位置情報を含ませ、あるいはデータそのものとして送信するようにしても良い(FTP手段、HTTP手段)。
また、携帯電話装置1の位置情報と位置を知りたい対象の情報(識別情報、名称、識別番号、住所情報、エリア情報等)を基地局またはサーバ装置に送信し、サーバ装置は、その情報に基づいて、地図データと、位置を知りたい対象に該当する1以上の地図上の位置データを、携帯電話装置1に送信するようにしても良い。例えば、携帯電話装置1がある場所において銀行を探したい場合、携帯電話装置1のGPS手段20によって取得した携帯電話装置1の位置情報と、銀行を表す識別情報(例えば、「銀行」「スーパー」「都バス」「コンビニ」「トイレ」「駅」「タクシー」等)を基地局またはサーバ装置に送信する。サーバ装置は、受信した位置情報を含む地図データをサーバ装置の記憶手段から選択し、さらに「銀行」として登録されているものの位置情報であって、地図データの領域に含まれるすべてをデータベースから検索して、対象物の位置情報と地図データを、携帯電話装置1に送信する。携帯電話装置1は、受信した地図データを表示し、受信した銀行の位置情報に基づいて、地図上にマークを表示する。あるいは、サーバ装置は、対象物の位置情報を送信する代わりに、位置を示すマークを表示した地図データを送信しても良い。対象物とそれの位置情報はサーバ装置のデータベースにあらかじめ記憶されているが、例えば、対象物にGPS手段を設置し、GPS手段によって取得した位置情報を、ネットワークを使用して定期的にサーバ装置に送信し、サーバ装置はその情報でデータベースを更新しても良い。このようにすることで、目的物を探すときに、自分のいる場所から一番近い場所を探すことができる。
さらに、携帯電話装置1の位置情報送信機能は、所定のコマンド情報を受信した場合に、GPS手段20によって取得した位置情報を、コマンド情報を送信した通信装置に返信するようにしても良い。所定のコマンド情報の受信は、SMTPやPOP3を使用したいわゆるE−Mailや、独自プロトコルを採用するメールを利用することができる(メール手段)。コマンド情報に相当するデータは、メールの本文やSubjectの欄に記載したものを受信する。また、プロトコルにFTPやHTTPを使用し、そのプロトコルのデータ領域に所定のコマンド情報を含ませ、あるいはデータそのものとして受信するようにしても良い(FTP手段、HTTP手段)。さらに、相手通信装置として電話機が使用された場合には、電話機から携帯電話装置1に発呼することにより携帯電話装置1が着信して通話路が設定される。この場合に、電話機から所定のDTMF信号からなるコマンド情報が送信され、携帯電話装置1はそのDTMF信号を検出することによりその後の動作を行うものである(電話手段)。また、上述したような電話手段、メール手段、FTP手段、HTTP手段の代わりに、他の公知技術を適用することもできる。
なお、位置情報送信機能においては、所定の条件が満たされた場合にのみ、GPS手段20によって取得した位置情報を所定の通信装置に返信するようにしても良い。ここで、所定の条件とは、携帯電話装置1に備えられたICタグ手段21が利用された場合や、所定の時間間隔になった場合、所定の時刻になった場合、所定のコマンド情報を受信した場合等が挙げられる。また、別の所定の条件としては、GPS手段20によって定期的に取得された位置情報が、あらかじめ設定された位置情報の所定の領域内に入ったかどうかを判断するものである。所定の領域のデータ形式としては、位置情報を中心とした所定の半径の領域や、位置情報を中心とした所定の大きさの正方形あるいは長方形の領域等が考えられる。このように表現された領域情報(範囲情報)に、GPS手段20により取得した位置情報がその範囲内に含まれるかどうかを判断する。すなわち、領域内や領域外を示す情報が前記所定の条件として使用される。
また、所定の条件に基づいて、GPS手段20によって取得した位置情報を、RAM5に記憶するようにしても良い。すなわち、所定の条件が成立する毎に、GPS手段20を使用して位置情報を取得して、RAM5に記憶するものである。RAM5に記憶されたログは、まとめて他の通信装置に送信することもできる。また、携帯電話装置1のLCD10bに表示することもできる。
位置情報送信機能は、位置情報を送るべき所定の通信相手かどうかを判断する通信相手判断機能を含んでいる。通信相手判断機能の具体例としては、相手の電話番号を記憶しておく電話帳機能を利用する。電話帳機能には、位置情報を送信する電話番号が登録されている。具体的には、電話帳機能に記憶されている電話番号に対応する記憶領域、すなわち位置情報送信ビットを用意し、位置情報を送る電話番号として登録された電話番号については位置情報送信ビットをアクティブにしておく。アクティブな位置情報送信ビットを持った電話番号が電話帳手段から選択された場合、あるいは直接テンキーで電話番号が入力された場合には、その電話番号が電話帳手段に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっているかどうかを検査する電話番号検査機能により、入力された電話番号が電話帳機能に登録されていて、かつ位置情報送信ビットがアクティブになっていると判断された場合には、GPS手段20によって取得された位置情報を通信プロトコル(例えば、呼設定信号(SETUP))に挿入し相手装置に送信する。また、相手識別情報としては前記電話番号の他にメールアドレス、IPアドレス、URIなどが考えられる。位置情報は、それぞれのプロトコルに挿入されて相手装置に転送される。また、通信相手判断機能に関わらず、すべての通信に対して位置情報を送信するか、送信しないかを設定する位置情報送信機能を備えていても良い。
また、110番あるいは119番に代表されるようないわゆる緊急電話の場合には、位置情報送信機能によって位置情報を送信するように設定されていなくても、位置情報を送信するようにしても良い。発信が緊急電話かどうかの判断は、携帯電話装置1に操作キー10aによって入力された電話番号が、所定の電話番号であるかどうかを比較することによって行う。あるいは、緊急電話番号が入力されると、携帯電話装置1のLCD10bに位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示しても良い。この場合、肯定の入力があると位置情報を送信する。あるいは緊急電話番号の入力と、発呼指示の入力(いわゆる緑の電話ボタンやそれに相当する入力)があると、位置情報を送信するかどうかのメッセージを表示して、それに対する肯定の入力があると位置情報を送信しても良い。また、通話中に操作キー10a上の所定のボタンを押すことにより、制御プロトコルに位置情報を挿入して送信しても良い。その場合であって、緊急電話番号で繋がった場合にのみ、操作キー10a上の所定のボタンを押すと位置情報を送信するようにしても良い。
[4−12.地図選択機能]
ところで、上述したように所定の縮尺の地図データの上に2つ以上の位置情報を携帯電話装置1のLCD10bに表示する場合に、一方の位置情報(例えば、携帯電話装置1の位置)を地図データの領域内に表示できても、他方の位置情報(例えば、通信相手装置)が表示する地図データの領域外になってしまうという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、所定の数の位置情報が地図データの領域内になるように、複数の位置情報が示す位置関係に応じて所定の縮尺の地図データを使用する地図選択機能を備えている。
ここで、地図選択機能の具体例として、2つの位置情報を地図上に表示する場合を図15を参照して説明する。一方の位置情報と他方の位置情報のX方向とY方向の距離差をそれぞれx2、y2とし、携帯電話装置1(自装置)のLCD10bに表示する地図データの水平方向の最大距離x1と、垂直方向の最大距離y1とすると、
x1≧x2 かつ y1≧y2
となる地図の縮尺をSとすると、S以上の縮尺を持つ地図データの中から適宜選択する。この場合、通常は縮尺Sまたはそれに近い縮尺を選択するがそれに限定されない。一方の位置情報を地図の中心付近に表示したい場合は、Sの2倍の縮尺以上を持つ地図データを使用すれば良い。図15に示す例では、最初はs1の縮尺の地図とその地図上に片方(携帯電話装置1)の位置を表示している(図15(a))。次に、“x2÷x1>y2÷y1”なので、縮尺が“s1×x2÷x1”の地図を選択し表示する(図15(b))。次に、携帯電話装置1を地図の中央に表示するために、縮尺が“2×s1×x2÷x1”の地図を選択し表示し、携帯電話装置1のマークを地図の中央に表示し、他の装置もマークも所定の地図上の位置に表示する(図15(c))。
なお、以上の実施例を応用して、3以上の複数の装置を地図上の所定の位置に配置することができる。また、縮尺の異なる地図を選択する地図選択機能はこれに限定する必要はなく、他の公知技術を適用しても良い。
また、地図選択機能として、複数の位置情報に応じて表示する元の地図データをずらす場合について図16を参照して説明する。具体例として、2つの位置情報を地図上に表示する場合を説明する。一方の位置は地図データの領域の中にあり、他方の位置は地図データの左辺方向の領域外とする。一方の位置と地図データの右辺との距離差をx5、他方の位置と地図データの左辺との距離差をx6とすると、“x5−x6≧0”であれば、左辺側へx6移動した地図データを表示し(図16(b))、それぞれの位置情報に相当するマークを地図上に表示する。このままでは、他方の位置は地図の左辺上にあるので、さらに“(x5−x6)÷2”だけ左辺方向に地図データをずらすと丁度、それぞれの位置の辺からの距離が等分となる(図16(c))。これと同じように垂直方向にも適用すれば2つの位置情報を同一の地図データの領域上に表示することができる。
なお、以上の実施例を応用して、3以上の複数の装置を地図上の所定の位置に配置することができる。この場合、地図選択機能は携帯電話装置1の位置が必ず地図上に表示されるようにしても良い。また、通信端末装置に優先順位をつけて(例えば、通信が開始された順番)、地図上に表示するようにしても良い。
また、複数の位置情報を地図上に表示する場合において、すべての位置情報が地図上に表示できない場合もある。その場合には、地図の領域外であることを示すマーク(印)を地図上に表示することもできる。マークとしてどのようなものでも可能であるが、マーク位置から該当する位置の方向を指し示す矢印が良い。また、地図上に表示できない通信端末装置の名称や識別情報や、表示できない通信端末装置の数などの情報を携帯電話装置1(自装置)のLCD10bに表示することができる。また、通信端末装置同士の距離情報を表示しても良い。
なお、上記においては通話しながら、位置情報を載せた制御プロトコルを送受信する場合を説明してきたが、通信端末装置同士では通話せずに、制御プロトコル(制御情報)のみで位置情報を逐次送受信するGPS専用の通信モードであるGPS通信手段を備えるようにしても良い。
[4−13.コード情報変換機能]
前述したように、携帯電話装置1のLCD10bに表示された地図上に目的とする場所を表示させるためには、携帯電話装置1に住所情報を入力する必要があって、入力作業が手間であり、また入力ミス等も起こり得るという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、位置情報をバーコードデータ化した位置情報データを用意する。
具体的には、図17に示すように、位置情報をバーコードデータ化した位置情報データをこの位置情報データDを、例えば雑誌等に場所の写真や紹介記事や住所とともに記載(印刷)しておく(図17(a))。ユーザは、携帯電話装置1の撮影手段(カメラ手段)14によって、雑誌に印刷されている位置情報データ(バーコードデータ)Dを読み込み、RAM5に記憶する(図17(b))。読み込まれた位置情報データ(バーコードデータ)Dは、GPS手段が利用できる位置情報データに変換される。変換された位置情報データは、携帯電話装置1のデータ通信機能によって地図データ用のサーバ装置に送信され、サーバ装置は受信した位置情報データに基づいて、最適な地図データを携帯電話装置1に送信する。地図データを受信した携帯電話装置1は、目的地の位置を示すマークと地図データを、LCD10bに表示するものである。
なお、サーバ装置から地図データをダウンロードする代わりに、あらかじめ携帯電話装置1のRAM5に地図データを記憶しておき、取得した位置情報データに基づいて、RAM5から地図データを読み出して表示しても良い。
バーコードデータとしては一次元バーコードデータ、二次元バーコードデータ等がある。また、バーコードデータの他に、ICタグにGPS用の位置情報データを格納しておき、携帯電話装置1に内蔵されているICタグリーダライタ手段22により、位置情報データを取得しても良い。また、位置情報データの他に、名称、電話番号、住所、メールアドレス、URI等をバーコードデータ化しておき、そのバーコードデータを撮影手段(カメラ手段)14で読み取り、読み込んだバーコードデータをテキストデータに変換して、RAM5等に記憶しても良い。
[4−14.プリペイド機能]
本実施の形態の携帯電話装置1においては、ICタグ手段21をプリペイド機能として使用可能である。プリペイド機能とは、前もって所定の方法で支払精算を済ませておき、支払い精算で支払った金額情報に相当する価値情報を記憶手段に蓄積しておくものである。所定の方法とは、入金装置(チャージ装置)に対してある料金を支払い(通常は現金を投入するが、クレジットカードやその他の支払い可能なカードで支払っても良い)、その支払った金額に相当する価値情報(電子マネー情報)を入金装置から携帯電話装置1に転送し、ICタグ手段21に蓄積するものである。また、携帯電話装置1の無線通信手段12(携帯電話と基地局間)を使用して、電子マネー情報を蓄積しているサーバ装置に接続し、電子マネー情報をサーバ装置から携帯電話装置1に移すようにしても良い。一方、例えばある商品を買った場合に代金の精算は、代金の精算を行う精算装置を使用するものである。実際には、携帯電話装置1と精算装置を接続して、精算装置から携帯電話装置1に対して、精算代金に相当する精算情報と精算を実施するための命令信号である精算信号情報を送信する。携帯電話装置1は、携帯電話装置1のICタグ手段21に蓄積されているその時の価値情報から受信した精算情報を減じ、その結果の価値情報をICタグ手段21に記憶することにより、精算を行うものである。
入金装置または精算装置と自装置との接続は、無線通信手段12のみならず、携帯電話装置1にあらかじめ備えられている外部I/F手段18あるいは無線I/F手段23を利用する。また他の公知技術を使用しても良い。
ここで、携帯電話装置1に1つのICタグ手段21を内蔵して、精算する対象が複数ある場合の実施例を説明する。複数の精算対象として、運賃、買物代金(ショッピング、飲食、各種サービスに対する支払い)、電話代(パケット代も含む)の3つの例で説明するが、もちろんこの3つに限定する必要はなく、他の支払い対象にも実施可能である。まず、ICタグ手段21を使用して、ICタグリーダライタ装置を内蔵している入金装置から、電子マネー情報(価値情報)を自装置のICタグ手段21に蓄積する。この場合、対象となる電子マネーを扱う提供会社が3つの支払い対象を扱っている場合には、1つの入金装置から電子マネー情報を蓄積して、実際の精算も場合も、3つの支払い対象に対して蓄積した電子マネーを共通に使用することができる。しかしながら、電子マネーを異なった支払い対象に共通に使用できるため、ある支払い対象の金額が高額になった場合に、残りの電子マネーで他の支払い対象を精算できないという不具合が生じる可能性がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、おのおのの支払い対象に対して、精算できる最大の電子マネーの金額を設定する支払い限度設定機能を備えるようにしたものである。
支払い限度設定機能の1つの実施例としては、おのおのの支払い対象に対して支払いできる限度額を、蓄積した電子マネーの割合としてあらかじめ設定しておくものである。例えば、買物、電話代、運賃の割合をそれぞれ50%、20%、30%と設定しおくと、電子マネーの蓄積が1万円だった場合には、それぞれの支払い限度額は5千円、2千円、3千円となる。次に、買物で2千円分を支払った後に、さらなる電子マネーの蓄積が2万円だったとすると、それぞれの支払い限度額は1万3千円(3千円+1万円)、6千円(2千円+4千円)、9千円(3千円+6千円)となる。この場合、後述する支払い残高表示手段には、それぞれ1万3千円、6千円、9千円の残高が表示される。また別の実施例として、おのおのの支払い対象の支払い限度額を直接設定する場合も考えられる。例えば、買物、電話代、運賃をそれぞれ1万円、4千円、6千円と設定するものである。精算する場合に、支払い限度額を超える場合には、精算を行えないようにするのが通常であるが、後述するように限度を超えることを警告しておいて、蓄積された電子マネー全体で支払うことができれば精算を行うようにしても良い。また支払い限度設定機能は前述した実施例に限定されるものではなく、他の公知技術を適用できる。
次に、実際に精算する場合に、支払い限度額を超える場合に警告をする支払い限度警告機能を備えていても良い。例えば、警告音を発する、警告メッセージをLCD10bに表示する等が考えられる。また、支払い限度の設定を解除する支払い限度解除機能を備えていても良い。この場合、支払い限度警告機能により警告された場合、支払い限度解除機能によって、その支払い対象の支払い限度を解除することにより、蓄積されている電子マネーのすべてから精算することができるようにするものである。
また、所定の支払い対象に対して支払いすることができる電子マネー情報(残高)を、支払い対象毎に表示する支払い残高表示機能を備えていても良い。具体的には、LCD10bに支払い対象の名称、すなわち前述した例では、「買物」「電話」「運賃」等の名称と、それに対応する残高、すなわち「1万3千円」「6千円」「9千円」の電子マネー情報を表示するものである。
また、前実施例では、電子マネーと取り扱う提供会社が1社の場合を想定したが、複数の提供会社の場合を説明する。ICタグの通信方式は、その提供会社が異なるとその通信方式も異なるのが通常である。従って従来では、1種類のICタグには1つの通信方式しか対応していないため、1台の携帯電話装置1では別の電子マネー提供会社の電子マネーを扱うことができないという問題が生じることが予想される。本発明はそのような課題を解決するものであり、ICタグ手段21に前述したような複数の通信方式を持つマルチ通信機能あるいは通信方式切替機能を備えるものである。例えば、ICタグ手段21にA通信方式とB通信方式を備えた場合を考えると、A通信方式に対応している提供会社の入金装置から電波を受信するとA通信方式で交信を行い、入金装置から電子マネーをチャージして、A通信に関連した記憶媒体に電子マネー情報を記憶する。次に、B通信方式に対応している提供会社の入金装置からの電波を受信するとB通信方式で交信を行い、B通信に関連した記憶媒体に電子マネー情報を記憶するものである。それぞれの提供会社で使用できる残高情報は、支払い残高表示機能により、その提供会社のサービス名などの名称とともに表示される。
また、提供会社が異なっていても、提供会社同士で電子マネーサービスを相互に使用できるのであれば、別々にチャージされた電子マネーを一方から他方に移すことができる。これはあらかじめ共通で使用できる提供会社の情報を示す共通電子マネー情報を電子マネー情報に付加しておき、その共通電子マネー情報に応じて電子マネーの移動を携帯電話装置1上で行うものである。具体的には、携帯電話装置1上で電子マネーの移動を指示した場合に、共通電子マネー情報を解析し、その結果、共通で使用できる電子マネーと判断した場合に、電子マネーを移動させるものである。
なお、前述した実施例では、1台の携帯電話装置1に1種類のICタグ手段21を搭載した場合であるが、これに限るものではなく、1台の携帯電話装置1に複数のICタグ手段21を搭載するようにしても良い。
また、別の実施例として、ICタグ手段21をプリペイド機能として利用した場合に、その利用の態様を示す情報を利用ごとにRAM5に記憶するプリペイド利用ログ機能を備えるようにしても良い。利用の場面として、入金時、支払い時、残高の照会時などがあり、利用の態様を示す情報として、利用日時、入金か支払いか、入金金額、支払い金額、支払い対象、入金あるいは支払い時のICタグリーダライタ装置の情報等がある。また,上記ログ情報を定期的にあるいは所定のログ量(またはログ件数)に達した場合所定の通信アドレスに対して送信しても良い。送信手段としては,メール、FTTP、HTTPなどを使用できるが、他の公知技術でも可能である。
運賃や買物の精算は、ICリーダ装置を内蔵した専用の精算装置によって精算を行うが、電話代の精算方法はそれと違っているため、携帯電話装置1の電話代をICタグ手段21を利用したプリペイド機能で精算する実施例を説明する。1つの実施例としては、前述したように携帯電話装置1に内蔵されているICタグ手段21に電子マネーを蓄積し、そこから使用した電話料金を逐次差し引く方法がある。この場合、通話の終了時の基地局とのプロトコルを使用して、ICタグ手段21に蓄積されている電子マネー情報から、基地局から受信した料金データを差し引くことにより精算を行う。あるいは、通話時に、制御プロトコルを使用して逐次基地局から受信した料金データを差し引いても良い。また、通話開始前の基地局とのプロトコル(呼制御プロトコル)において、携帯電話装置1のプリペイド手段に電子マネーが残っているかどうかを検査し、電子マネーが残っていなければ通話を禁止することができる。この通話の禁止は、携帯電話装置1が発信する場合も受信する場合も可能である。
また別の実施例としては、使用する通話料金を支払うための電子マネー情報を、基地局側のサーバ装置等に記憶する方法も考えられる。まず、サーバ装置に接続されている入金装置に携帯電話装置1の電話番号あるいは携帯電話装置1を特定するための識別情報を入力し、次に通話料金を現金あるいはカード等で支払う。電話番号を入力する代わりに、携帯電話装置1を入金装置に接続して、入金装置が携帯電話装置1のRAM5に記憶されている電話番号あるいは携帯電話を特定するための識別情報を読み出しても良い。さらに、携帯電話装置1のICタグ手段21に蓄積されている電子マネーを通話料金として入金しても良い。その通話料金は電話番号あるいは識別情報と対応付けられて、電子マネーとしてサーバ装置の記憶手段に記憶される。次に通話する場合には、携帯電話装置1からの発呼時に、基地局との通信プロトコルで、携帯電話装置1の電話番号あるいは識別情報を、基地局側が受け取り、その情報に基づいて、サーバ手段に電子マネーの残高が残っているかどうか検査する。電子マネーの残高がなければ通話は行われない。電子マネーの残高が残っている場合には、通話が開始され、通話時間に応じて電子マネーは減じられる。電子マネーがなくなれば通話は中止される。通話中、サーバ手段に記憶されている電子マネー情報を、サーバ装置から受信して、携帯電話装置1のLCD10bに表示しても良い。
なお、プリペイド機能の通信方法としては、ICタグ手段21の代わりに携帯電話装置1にあらかじめ備えられている外部I/F手段18あるいは無線I/F手段23を利用しても良い。
なお、携帯電話装置1が所定のコマンド情報を受信した場合に、ICタグ手段21の利用を禁止、あるいは禁止解除するようにしても良い。また、操作キー10aからの所定の入力によってICタグ手段21の利用を禁止、あるいは禁止を解除するようにしても良い。
[4−15.ポイントシステム機能]
自端末識別情報を利用した買物ポイントシステムあるいはマイレージシステムについての発明を説明する。
現在の百貨店等のポイントカードあるいは航空会社のマイレージカード等は、1つのカードに対するサービスであり、家族の間で使いまわすことは基本的には出来なかった。また、家族一人一人のカードを作成しても、いつも携帯していなくてはならず、その種類が増えるといくつものカードを持ち歩かなくてはならないという問題もあった。本実施の形態の携帯電話装置1は、そのような不具合を解決するポイントシステム機能を備えるものである。
ここで、図18は買物ポイントシステムの構成及びデータの流れを示す説明図である。図18に示すように、ポイント管理サーバS1は買物客が買物した金額に応じた買物ポイントを記憶する装置である。アプリケーションサーバS2は、携帯電話装置1によってダウンロードして、携帯電話装置1上で動作する買物ポイント用アプリケーションを記憶しておく装置である。ポイント用アプリケーションは、例えば異なった百貨店毎に複数記憶されている。買物決済手段70は、携帯電話装置1で動作している買物ポイントアプリケーションとポイント管理サーバS1との間で通信を行いながら、買物ポイントをポイント管理サーバS1に登録したり、ポイントで支払いの決済を行う等のポイントの管理や、支払いの決済等の管理、携帯電話装置1の認証等の管理等を行う。
次に、この買物ポイントシステムの動作説明を行う。携帯電話装置1は、あらかじめアプリケーションサーバS2から、例えば無線通信手段12を使用して、ある百貨店の買物ポイントシステムに対応した買物ポイント用アプリケーションをダウンロードして(複数のアプリケーションをダウンロードしておいてもよい)RAM5等の記憶手段に保存しておく。また、あらかじめ携帯電話装置1を買物ポイントシステムに登録しておく。登録すると、携帯電話装置1の電話番号と対応させたポイント用の口座がポイント管理サーバS1に開設される。以降、買物ポイントのこの口座(ポイント管理サーバS1の記憶手段)で管理される。買物客は、買物を済ませた後に、精算所に行き、精算所に設置されている買物決済手段70で買物の決済を行う。買物決済手段70には買物の合計金額が入力され(店員が入力したり、無線ICタグにより自動的に入力される等、その手段は問わない)、それに対応したポイントが算出される。このとき、携帯電話装置1においては、複数保存してある買物ポイント用アプリケーションのうち、使用する買物ポイント用アプリケーションを選択するとともに起動しておく(常駐プログラムであってもよい)。
次に、ポイントを追加する口座を特定するために、買物決済手段70と携帯電話装置1との間で通信が行われるが、その手段としては、無線I/F手段(RFID、ブルートゥース、赤外線等)23や有線I/F手段等を使用して交信が行われる。交信が開始されると、起動している買物ポイント用アプリケーションは、携帯電話装置1の端末識別情報、たとえば電話番号を、携帯電話装置1のOSから受け取り、その電話番号を買物決済手段70に送信する。買物決済手段70は、受信した電話番号が買物ポイントシステムに登録してある電話番号であるかどうかを買物ポイント登録手段(ポイント管理サーバS1であってもよい)に問い合わせる。買物決済手段70と買物ポイント登録手段(ポイント管理サーバS1)とは、インターネットN等に通信手段で接続されている。その電話番号が登録されている電話番号であれば、買物ポイント登録手段は、買物決済手段70に対して登録済みである旨の信号を送信する。登録済みである旨の信号を受信した買物決済手段70は、次に買物の決済を行う。買物の決済は、現金、クレジットカード、キャッシュカード等の支払いでもよいし、前述した携帯電話装置1の電子マネー手段で決済してもよい。決済が終了すると、買物決済手段70はポイント管理サーバS1に買物ポイントと電話番号を送信する。買物ポイントと電話番号を受信したポイント管理サーバS1は、受信した電話番号に該当する口座に、受信した買物ポイントを追加(貯める)する。また、このとき買物決済手段70は、買物ポイントを携帯電話装置1に送信するとともに、買物ポイント用アプリケーションは、買物ポイントを受信し、RAM5等の記憶手段に記憶してもよい。ポイント管理サーバS1の口座に貯めたポイントは、携帯電話装置1の無線通信手段12を使用して、ブラウザ等で確認できる。
また、あらかじめ買物ポイント用の口座に複数の電話番号を登録しておくことによって、複数の携帯電話装置1を使用してポイントを貯めることが出来る。また、1つの携帯電話装置1で複数の電話番号を使用できる場合にも、その複数の電話番号を登録することが出来る。あるいは、複数の口座を1つのグループとして登録しておき、複数の口座をグループ管理できるようにしてもよい。口座に貯めた買物ポイントを使用して決済する場合には、決済するときに、ポイント管理サーバS1は口座に貯められた買物ポイントから、決済で使う買物ポイント(買物決済手段から受信しておく)を差し引く。
なお、航空会社のマイレージシステムやその他のポイントシステムについても買物ポイントシステムと同様に実施することが出来る。
また、前述したように複数のアプリケーションが記憶手段に記憶されている場合、使用するアプリケーションを使用する前にあらかじめ起動しておくのが普通であるが、使用するアプリケーションを選択して起動する手間がかかるという問題がある。そこで、買物決済に携帯電話装置1のICタグ手段21を使用する場合を例にとって説明すると、決済するときに携帯電話装置1を買物決済手段70(ICタグリーダ装置)にかざすと、所定のアプリケーション(所定の買物決済装置用のアプリケーション)を起動する命令情報(特定のアプリケーションを指定するアプリケーション識別情報とアプリケーション起動命令を含む)が、買物決済手段70から携帯電話装置1に内蔵されているICタグ手段21に送信される。買物決済手段70からの命令情報を受信した携帯電話装置1のICタグ手段21は、その情報を携帯電話装置1の制御手段に伝達する。携帯電話装置1の制御手段は伝達された命令情報を解析し、あらかじめ記憶手段にダウンロードしておいたアプリケーションのうち、受信したアプリケーション識別情報に該当するアプリケーションを選択して、起動する。このとき、アプリケーションを起動するに必要なメモリ容量が確保できない場合には、その旨を知らせる警報情報をLCD10bに表示したり、警告音を発生させる。あるいは、すでに起動していてメモリを使用している他のアプリケーションを強制的に終了させて、起動に必要なメモリ容量を確保してもよい。起動したアプリケーションと買物決済手段70との間で決済が終了すると、買物決済手段70からの決済終了信号を受信した携帯電話装置1の制御手段は、アプリケーションを終了させる。
決済に必要な情報(電子マネー、定期券情報、各種ポイント、クレジット情報、認証情報等)は、ICタグ手段21の記憶手段に格納してもよいし、あるいは携帯電話装置1の制御手段が制御する記憶手段に格納してもよい。
[4−16.画面上下切替機能]
前述したように、本実施の形態においては、携帯電話装置1を電話として使用する場合とTV受信機として使用する場合とでは、携帯電話装置1のLCD10bに表示される画面を90度回転して表示するようにしている。また、本実施の形態の携帯電話装置1のLCD10bは、折りたたみ式または回転式とされており、LCD10bを開いて、あるいは回転させて、LCD10bに表示されているTV画面を横長に見るためには、テンキー等のボタンが配置されている操作キー10aを備えたグリップ部分を握ることになる。ところが、操作キー10aを備えたグリップ部分を左手で握るか、右手で握るかによって、LCD10bに表示されている横長の画面が逆さまになるという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、左右、どちらの手で握っても画面が逆さまにならないように、画面上下切替機能を備えている。
具体的には、画像処理回路13はフレームメモリ(画像メモリ)16へTV画像信号を書き込む時に、図19に示すように、上下逆さまになるように書き込むことにより実現する。通常の場合は、フレームメモリ(画像メモリ)16の座標の(0,0)から(X,0)へ表示データを書き込む。次に、(0,1)から(X,1)へ書き込んでいき、最後に(0,Y)から(X,Y)へ表示データを書き込んで終了する。表示装置に表示データを表示する時に、同様の順番で表示データを読み出す。一方、上下逆さまに表示する場合には、(X,Y)から(0,Y)へ表示データを書き込む。次に、(X,Y−1)から(0,Y−1)へ書き込んでいき、最後に(X,0)から(0,0)へ表示データを書き込んで終了する。なお、LCD10bに表示データを表示する時には、通常の場合と同じ順序で表示データを読み出す。このようにすることにより、図20に示すように、携帯電話装置1のLCD10bに表示されている横長画面の上下を切り替えることができる。このようにすることで、携帯電話装置1を右手あるいは左手で持った場合でも、LCD10bに表示されている横長画面が逆さまになることを防ぐことができる。
なお、画面上下切替機能は、画像処理回路13がフレームメモリ(画像メモリ)16からTV画像信号を読み出す時に、読み出す順番を上下逆になるように読み出すことにより実現することもできる。また、上下を逆にする画像処理を行う他の公知技術を適用することもできる。
以上のような画面の上下切替は、操作キー10aからの上下切替指示によって行うもので、上下切替用の専用のスイッチを設けても良い。また、そのスイッチが押されるたびに上下の切替を交互に行うようにしても良い。
ところで、携帯電話装置1のLCD10bに表示される画面の縦長表示と横長表示の切替は、縦長横長自動切替機能が自動で行う。縦長横長自動切替機能は、携帯電話として使用されている場合には表示画面を縦長で使用し、TV受信機として使用している場合には横長で使用する。どちらで使用されているかどうかは、TV受信機として使用することを示す操作入力があったかどうかで判断する。具体的には、TV画像を表示するTVモードに切替えるための専用スイッチを設けても良い。このTV画像表示スイッチが押されると、横長画面に横長のTV画像を表示する。また、専用スイッチを電話として使用する電話モードとTV画像を表示するTVモードとを交互に切替えるようにしても良い。また、他の機能操作するスイッチと兼用しても良い。その場合、スイッチの長押し等で、他の機能の操作と区別する。
なお、上述したような画面上下切替機能は、図21に示すように、縦長画面の上下切り替えにも応用可能である。具体的には、どちらが上になっているか下になっているかを検出する上下検出機能を備え、上下検出機能が出力する検出結果に応じて自動的に画面の上下切替を設定するものである。上下検出機能は、例えば重力の方向を検出することよって実現可能である。また、ジャイロ装置も上下検出機能に応用できる。また、上下検出する他の公知技術を適用しても良い。
なお、ここではTV放送を受信したTV画像についての適用例を説明したが、他の入力手段、すなわち、メール、インターネットを使用したダウンロード、外部メモリ、外部機器をケーブルで接続して画像を受信、撮影手段(カメラ手段)14等で入力したデジタル画像、すなわち、ビデオ画像、ムービー画像、写真画像等の画像を表示する場合にも適用できることは言うまでもない。
[4−17.番組検索機能]
携帯電話装置1のLCD10bが小さく、またバッテリも長時間は持たないという特殊事情により、携帯電話装置1は、長時間の録画データの視聴には向かない。そのため、録画した放送において、特に視聴したい放送や見たい番組、場面などを検索することが重要となり、その検索の方法が将来の課題として認識されている。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、番組検索機能を備えている。
前述したように、TV受信手段17で受信したTV放送データは、RAM(メモリ手段)5に記憶される。このとき、放送局が送るTV放送データはすでに圧縮されたデータ(例えば、MPEG等)であって、それをそのままRAM(メモリ手段)5に記憶しても良いし、あるいは別の圧縮方式に変換してからRAM(メモリ手段)5に記憶しても良い。さらに、本実施の形態の携帯電話装置1においては、TV放送データの内容情報(TV放送の番組表データ)に関するメタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)も無線I/F手段23を使用して受信し(データ受信、電子メール等)、RAM(メモリ手段)5に記憶しておく。なお、メタデータは、ユーザが操作キー10aを利用して作成しても良い。TV放送データを再生する際には、このメタデータを使用して、見たい番組や場面にアクセスし再生する。RAM(メモリ手段)5に記憶されたTV放送データは、再生機能により、再生伸張され、携帯電話装置1のLCD10bに表示される。
なお、メタデータ(番組名、放送時刻、放送チャンネル、キーワード、出演者名、放送局名などの番組の内容に関する情報)を無線I/F手段23で受信するにあたっては、GPS手段20により現在地の位置データを取得して、メタデータ(番組表データ)を管理しているサーバ装置に送信するようにしても良い。位置データを受信したサーバ装置は、受信した位置データに基づき、その位置で受信できるTV放送の番組表データを送信する。番組表を受信した携帯電話装置1においては、メタデータ(番組表データ)をタイマー予約あるいはタイマー録画用のアプリケーション(アプリケーションとTV受信手段17とは、所定のプロトコル(例えば、Gコード)を使用して交信することができる)で使用する。携帯電話装置1は、アプリケーションが起動されると、番組表をLCD10bに表示し、タイマー予約あるいはタイマー録画する放送番組を選択して決定する。その後、タイマー予約あるいはタイマー録画の時刻になれば、アプリケーションからTV受信手段17にコマンドを送信され、TV放送を受信したり、TV放送の録画を開始するものである。また、メタデータ(番組表データ)をキーワードとして使用し、そのキーワードに合致した放送番組あるいは放送場面を録画することも可能である。
なお、TV放送を受信し映像表示を開始する時刻をタイマー設定した場合、設定した時間になっても気が付かない場合があると、TV放送を見逃してしまうという問題がある。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、タイマー設定した時間になった場合には、ユーザに知らせるための報知手段(鳴動手段25の鳴動、表示手段に表示等)による報知を行うとともに、受信開始したTV放送の映像をRAM(メモリ手段)5に蓄積(TV画像録画手段)する。
[4−18.録画再生頭出し機能]
本実施の形態の携帯電話装置1においては、録画した映像データ(録画データ)の、ある時間の映像データをいくつか取り出して、それをLCD10bに表示し、ユーザに所望の映像データを選択させ、その選択した映像データから録画再生をスタートさせる録画再生頭出し機能を備えている。例えば、録画された1つの映像データの再生にかかる総時間をTとし、LCD10bに表示する映像データの数をNとすると、映像データを時間軸でN分割し、その分割されたおのおののブロックの先頭の映像データ(0,T/N,,,(N−1)T/N)をLCD10bに表示するものである。Nは映像データを表示する毎にユーザが設定してもよいし、あらかじめ設定されてもよい。
まず、ユーザは頭出しをするために、頭出し用映像データ表示機能を実行する。ユーザは表示された映像データのうち、再生を開始したい映像データを選択して再生を命令する。再生はユーザが選択した映像データの場所(時間)から再生をスタートさせる。あるいは再生の代わりに、映像データを選択した後に、さらにそのブロックの中から再生させる場所を選択したい場合には、頭出し用映像データ表示機能を実行する。すると、先に選択されたブロックをさらにN(このNはユーザが変更してもよい)分割し、その分割されたおのおののブロックの先頭の映像データをLCD10bに表示するものである。ユーザは、表示された映像データのうち、再生を開始したい映像データを選択して再生を命令する。再生はユーザが選択した映像データの場所(時間)から再生をスタートさせる。
なお、頭出し用映像データ表示機能は、録画映像の再生時にも、例えば別の表示ウィンドに表示させるようにして、再生時にも頭出し機能を使用出来るようにしてもよい。
前述した例では再生時間(録画時間)を基にしたが、時間の代わりに、1つの映像データを構成している映像データの数(フレーム数、またはいつくかのフレームのかたまり)を使用してもよい。総再生時間とフレーム数の関係はフレームレートに基づいて関係付けることができる。ここまでは、映像データを分割する数によって等分割した例を示したが、表示する画像データを比較して、同じデータあるいは似たような画像と判断した場合には、そのブロックを飛ばして、残りの映像を分割するようにしてもよい。
また、頭出し用映像データを表示する場合に、表示画面いっぱいに1枚ずつ表示させてもよいし、小画面の映像データを複数表示(いわゆるプレビュー画面表示)させてもよい。表示する映像データの画面サイズは任意に設定できる。
録画の記録方式は、JPEGで圧縮された静止画で構成されているMotionJPEG、MPEG(MPEG1,MPEG4等)等の方式があるが、その他の公知技術を使用した録画方式であってもよい。
また、この頭出し手段は、TV放送を録画した映像の他に、デジタルカメラで撮影した動画像、その他の動画像(他のメディアで録画されたもの、ICカード等によって供給された動画像)にも適用できる。
[4−19.エネルギー消費制御機能]
従来、携帯電話では、消費電力を少なくすることを目的として、操作キー10aからの操作入力が所定時間なかった場合に、LCD10bの表示画面あるいはバックライトを消すことを行っている。しかしながら、LCD10bにTV画面を表示している場合、表示画面あるいはバックライトが消えると不具合である。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、TV画面を表示している場合、すなわち携帯電話装置1をTV受信機として使用している場合には、表示画面あるいはバックライトを消さないようにするか、あるいは第1の所定時間の間に操作入力がない場合にLCD10bの表示画面あるいはバックライトを消すようにするエネルギー消費制御機能を備えている。また、エネルギー消費制御機能は、携帯電話装置1をTV受信機として使用していない場合には、第2の所定時間(第2の所定時間<第1の所定時間)の操作入力がない場合に、LCD10bの表示画面あるいはバックライトを消すように制御する。
このようにエネルギー消費制御機能により、TV受信機として使用している場合に省エネモードに移行するのを防ぐことにより、LCD10bにTV画面を表示している場合に表示画面あるいはバックライトが消えることを防止することができる。
なお、ここではTV受信の場合を説明したが、ムービー画像、ビデオ画像のような動画像を再生する場合等のように比較的長時間の表示が必要な場合にも、前述したエネルギー消費制御機能を適用することができる。
また、バックライトの光量の強さを段階的に変化させる光量設定機能を備え、操作キー10aからの操作入力がない時間の長さに応じて段階的に光量を弱くすることも考えられる。また、操作キー10aからの操作入力がない時間の長さに応じて、表示画面の表示領域を段階的に小さくすることにより、画面の表示に必要な消費電力を少なくするようにしても良い。
なお、携帯電話装置1をTV受信機として使用していない場合において、第2の所定時間(第2の所定時間<第1の所定時間)の操作入力がない場合に、表示画面あるいはバックライトを消す省エネモードが有効になっている場合、通常はその設定された時間(例えば、1分)で十分であるが、場合によってはもっと表示画面を見たいという場合がある。従来においては、操作キー10aからの操作入力を行うことによりバックライトをオンにしていたが、それが度重なると煩わしいし、そのダミーのキー操作がたまたま操作に有効である場合に、思いがけない操作を実行してしまうという課題があった。そこで、本実施の形態の携帯電話装置1においては、操作キー10aの1つとして、バックライト継続スイッチを設ける。少なくともこのスイッチが押さえ続けられている間は、バックライトを点灯し続ける。また、バックライト継続スイッチは専用のスイッチである必要はなく、他のキーと兼用しても良いし、複数のキーと兼用しても良い。また、このバックライト継続スイッチの押し下げによってバックライトの点灯を開始するようにしても良い。
また、バックライトの種類として、通常はLCD10bのバックライトと操作キー10aのバックライトがある。前述の動画像の表示の場合のように、入力操作をほとんど行わない場合には、操作キー10aのバックライトを点灯する必要はない。そこで、前述したTV画面の表示や動画像の表示などのようにほとんど表示を見るための場合には、所定の表示の場合において、第3の所定時間の入力操作がない場合には、操作キー10aのバックライトを消すようにしても良い。あるいは、動画像の表示に限らずすべての場合において、所定の時間の入力操作がない場合に、操作キー10aのバックライトを消すようしても良い。また、操作キー10aのバックライトを消すための所定時間を複数備えていても良い。このように操作キー10aのバックライトとの制御と、LCD10bのバックライトの制御とを別々にすることにより、より省エネ効果が高まる。
さらに、RAM(メモリ手段)5に記憶される画像等のデータは一般的には、High(0)かLow(1)のどちらかの2値であるが、RAM(メモリ手段)5のデバイスの種類(C-MOS、N-MOS等)の違いにより、どちらかの場合のほうが消費電力が低い場合がある。例えば、Highのほうが電荷をためるデバイスであれば、Lowのデータが多いほうが消費電力は少なくても済む。そこで、消費電力が少ないほうのデータが多くなるように、データを変換(リバース手段)して、RAM(メモリ手段)5にデータを記憶させることが考えられる。今、Low(0)のほうが消費電力が少ない場合を考えると、記憶させようとしている画像データにおいて、Lowのビットの個数を計数する。その結果、総ビット数よりもLowのビットの数が少なければ、画像データ全体において、LowをHighに変換するとともに、HighをLowに変換する(リバースする)し、RAM(メモリ手段)5に記憶する。このとき、リバースしたことを示す情報も記憶手段に記憶し、画像データを再生する場合に使用する。また、総ビット数よりもLowのビットの数が多ければ、そのまま変換せずにRAM(メモリ手段)5に記憶する。また、このときは、リバースしなかったことを示す情報をRAM(メモリ手段)5に記憶しても良い。
[第二の実施の形態]
本発明の第二の実施の形態を図22ないし図30に基づいて説明する。なお、前述した第一の実施の形態と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。本実施の形態は、通信端末装置としてIP(Internet Protocol)を使用したIP携帯電話装置を適用したものである。
[1.IP携帯電話装置31のブロック図]
IP携帯電話装置31には、図22に示すように、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)32が備えられており、このCPU32からのシステムバス33には、フラッシュメモリで構成されたROM(Read Only Memory)34が接続されている。このROM34には、携帯電話装置31を動作させるための各種のプログラムが記憶されている。すなわち、ROM34はプログラムを記憶する記憶媒体である。加えて、CPU32からのシステムバス33には、制御に必要なワークエリアが形成されるとともに保存パラメータやその他の制御に必要な各種パラメータや管理情報等を記憶するRAM(Random Access Memory)35も接続されている。すなわち、CPU32は、実行プログラムをROM34から読み出しRAM35をワークエリアとして利用しつつ、その実行プログラムに含まれる命令を逐次解釈して装置全体の制御を行うものである。また、CPU32からのシステムバス33には、操作入力・表示部40、通話部41、IP部42、画像処理回路43も接続されている。以下において、システムバス33を介してCPU32に接続される各部について詳述する。
操作入力・表示部40は、オペレータがIP携帯電話装置31を操作するためのものである。このような操作入力・表示部40は、前述した携帯電話装置1の操作入力・表示部10と同様なものであるため、その詳細な説明は省略する。
画像処理回路43は、前述した携帯電話装置1の画像処理回路13と同様なものであるため、その詳細な説明は省略する。
通話部41は、網側との間で音声信号を送受信するものであり、音声を出力するスピーカ41aと音声を入力するマイク41bと通話回路41cとから構成されている。通話回路41cは、マイク41bから入力された音声信号をIP部42に送出し、IP部42から入力された音声信号をスピーカ41aに出力するものである。また、通話回路41cには、音声信号を増幅したりあるいは減衰することにより音量を調整したり、音声信号の周波数特性を変化させることにより音質を良くしたりする回路も含まれている。さらにまた、通話回路41cは、マイク41bからスピーカ41aへの音の回り込みを制御するいわゆる側音制御も行う。また、この通話回路41cにおいては、マイク41bから入力されたアナログの音声信号はデジタル音声信号に変換され、スピーカ41aへ出力するために入力されたデジタル音声信号はアナログ音声信号に変換される。
IP部42は、IP手段42aと基地局用無線I/F手段42bとLAN用無線I/F手段42cとから構成されている。基地局用無線I/F手段42bは、IP携帯電話装置31と基地局との間でIP(Internet Protocol)を使用した無線交信を行うI/Fである。LAN用無線I/F手段42cは、IP携帯電話装置31とLAN用無線基地局との間でIP(Internet Protocol)を使用した無線交信を行うI/Fであり、イーサネット、トークンリング、FTTH、無線LAN等である。
IP手段42aは、音声に使用するVoIP手段と、データ通信に使用するデータ用IP手段の2種類がある。VoIP手段は、通話回路41cから送られてきたアナログの音声信号をデジタルデータに変換し、さらに必要であれば符号化圧縮する。そして、VoIP手段は、音声信号データを送信用のIPパケットに埋め込み、基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cに送り出す。また、VoIP手段は、基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cから入力される受信用のIPパケットから音声信号データを取り出し、必要であれば復号伸張し、さらにデジタルの音声信号データをアナログの音声信号に変換し、通話回路41cに送出する。データ用IP手段の場合は、VoIP手段の通話回路41cの代わりに、例えばRAM35と入出力を行っても良いし、専用のデータ処理機能を備えても良い。
また、IP手段42aは、画像データを送信用のIPパケットに埋め込み、基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cに送り出す。IP手段42aは、基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cから入力される受信用のIPパケットから画像データを取り出してRAM35や、画像処理回路43へ出力する。
さらに、IP手段42aは、呼制御を行うための制御用IPパケットを組立て、順次基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cに送り出す。さらに、基地局用無線I/F手段42bまたはLAN用無線I/F手段42cから入力される受信した制御用IPパケットを分解する。このような制御用IPパケットの送出、受信は、IP手段42aとは独立した別の手段で構成しても良い。なお、IP手段42aの動作制御は、専用のLSIを使用しても良い。
[2.IP携帯電話装置31で使用する通信プロトコル]
IP携帯電話装置31で使用する通信プロトコルの一例について説明する。
まず、標準の呼制御プロトコルのうちの1つであるSIPのプロトコルスタックについて図23を参照しつつ説明する。図23に示すように、呼・セッション制御用プロトコルとしてSIPを使用する場合、Network Layer(ネットワーク層)においてIP(Internet Protocol)が使用される。また、この場合、Transport Layer(トランスポート層)においてUDP(User Datagram Protocol)、TCP(Transmission Control Protocol)、またはSCTP(Stream Control Transmission Protocol)が使用される。また、この場合、SIPメッセージを記述する制御情報記述プロトコルとしてSDP(Session Description Protocol)が使用される。また、この場合、UDP(トランスポート層)とともに、動画/音声の送受信プロトコルとして、RTP(Realtime Transport Protocol)が使用される。
図24は、SIPの制御用パケットの構造を示す模式図である。図24に示すように、SIPの制御用パケットには、IPヘッダと、UDP(TCP)ヘッダと、SIPメッセージとが含まれている。
図25は、SIPのデータ用パケットの構造を示す模式図である。図25に示すように、SIPのデータ用パケットには、IPヘッダと、UDPヘッダと、RTPヘッダと、音声・画像データとが含まれている。
図26は、UDPデータグラムの構造を示す模式図である。図26に示すように、UDPデータグラムには、送信ポート番号と、宛先ポート番号と、データ長と、チェックサムと、データとが含まれている。
図27は、SIPで使用されるIPデータグラムの構造を示す模式図である。図27に示すように、IPパケットの構成は、バージョン情報と、ヘッダ長情報と、サービスタイプ情報と、トータル長情報と、識別子(ID)と、フラグ情報と、フラグメント・オフセット情報と、生存時間(TTL)情報と、プロトコルタイプ情報と、ヘッダチェックサム情報と、送信元アドレスと、宛先アドレスと、オプションと、パディングと、データ領域とからなる。
次に、標準の呼制御プロトコルのうちの1つであるSIPの通信シーケンスについて図28を参照しつつ説明する。図28に示すように、まず、発呼側から「INVITE」というリクエストメッセージを送出する。「INVITE」信号はセッションの起動信号であり、それには発呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。具体的には、発呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示するものである。着呼側は、「INVITE」を受信し、呼び出し状態になったことを通知するために「180 RINGING」信号を発呼側へ送信する。この「180 RINGING」信号で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示しても良いが、通常は次の「200 OK」信号で提示する。次に、着呼側が通話可能状態になったことを通知するために「200 OK」信号を発呼側へ送信する。それには着呼側が受信可能なセッションの属性がSDPで示されている。この「200 OK」信号で着呼側の受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件を提示する。次に、発呼側が「ACK」信号を着呼側へ送信し、これにより通信に利用可能な属性がネゴシエーションされる。本発明では便宜上ここまでを接続フェーズと定義している。次に、メディア(音声、画像、動画等)の転送が開始される。本実施の形態ではこのメディアの転送期間中を便宜上、データ送受信フェーズと定義している。通信を終了するときには止める側が「BYE」信号を送信することにより通信終了を要求し、それを受信した側は、その応答である「200 OK」信号を送信して通信を終了する。本実施の形態ではこのフェーズを便宜上、切断フェーズと定義している。
これらのプロトコルとインターネットプロトコルを使用したWebサーバも考えられる。Webサーバは、記憶手段に複数のML(Markup Language)ベースのファイル(XML,HTML,SGML,XHTML,CHTML,HDML,DHTML等)を記憶しており、クライアントの要求に応じてファイルを送信するものである。このファイルにはマネー情報が含まれる。発呼側の通信装置はWebサーバに発呼を行い、呼設定(SIPの接続フェーズ)をした後に通信接続する。接続中(SIPのデータ送受信フェーズ)に、発呼側は着呼側に対して、HTTPプロトコルを使用して、MLベースのファイルの送受信を行う。発呼側はMLベースのファイルを表示部に表示させるためのWebブラウザ手段を備えている。通信装置としてはICカード、買い物カゴ用ICタグリーダ装置、IP電話、携帯IP電話等があり、基地局端末間無線プロトコル上で呼設定プロトコル(PPP等)とHTTPプロトコルが動作する。また、ICカード、買い物カゴ用ICタグリーダ装置、IP電話、携帯IP電話が備えている赤外線I/F、ブルートゥースI/F、無線LANI/Fあるいは専用I/Fのプロトコル上でも呼設定プロトコルとHTTPプロトコルを動作させても良い。
次に、標準の呼制御プロトコルのうちの1つであるSIPの別の通信シーケンスについて図29を参照しつつ説明する。
標準呼設定プロトコルとはSIP、H.323、HTTP、MEGACO、PPP等に代表されるように、その仕様が広く一般の使用者やメーカ等に開放されているものであり、ローカル呼設定手段またはローカル呼設定プロトコルは、その仕様は原則的には一般の使用者やメーカ等には非公開であり、それを開発あるいは使用するメーカあるいは、複数のメーカが集まって構成されたグループ内のみに公開されるものである。ローカル呼設定手段は、標準呼設定プロトコルのセッションの属性の他に(重複して持っていてもいいが)、独自のセッションの属性である受信条件(コーデック、ポート番号等)と送信条件と、さらに標準呼設定プロトコルが持っていない、装置に関わる独自の情報(装置が装備している機能、装置の状態を示す情報、相手装置の設定を変更する情報、相手装置の機能を実行する情報等)をIPパケットに挿入し、それを相手装置に送信するものである。
図29に示すように、発呼端末は発呼する際に自端末に備わっているプロトコルを調査し、最初に送出するプロトコルとして優先設定されているプロトコルで通信を開始するため(この例では標準プロトコルが設定されている)、標準のプロトコルであるSIPの「INVITE」信号を着呼側へ送信する。次に、そのすぐ後にローカル呼設定手段によってローカルプロトコルの1つである「invite」信号を送信する(プロトコル切替手段あるいはマルチプロトコル手段)(標準プロトコル信号を大文字で表し、それに相当するローカルプロトコル信号を小文字で表す)。着呼側は、「INVITE」信号と「invite」信号の両方を受信し(マルチプロトコル手段)(順次メモリに蓄えておくことにより複数の制御信号を受信することができる)、「invite」信号を選択するとともに、呼び出し状態になったことを通知するために「180 ringing」信号を発呼側へ送信する(プロトコル選択手段)(もちろん場合によっては、例えば標準プロトコルを優先設定されている場合等、INVITE信号を選択しても良い)。この後の動作は標準プロトコルがローカルプロトコルに代わる以外は、図28に示したプロトコルとシーケンスは同じである。
その他の独自の受信条件としては、前記の他に、装備している通信プロトコルの種類、呼設定の方式に関係するもの、ネゴシエーションに関係するもの、端末の通信能力、データの圧縮方式、デジタル化方式、プロトコルの種類、それに使用するIPパケットの種類、IPパケットの構造、IPパケットの定義、再送処理方式、エラー処理方式、セキュリティ方式等、通信条件に関するあらゆるものが考えられる。また、標準プロトコルの「INVITE」信号を送出する前に、すなわち最初からローカルプロトコルの「invite」信号を送信しても良い。また、「invite」信号は接続フェーズまたはデータ送受信フェーズまたは切断フェーズの期間中のどこでも送信しても良い。例えば、データ送受信フェーズの場合には、ユーザが例えば音声の品質がよくないとか、画像の品質がよくない場合に、高品質な方式に切り換えたい場合に、例えば端末の入力手段から方式を切り替える操作を入力した場合に、「invite」信号を送出することが考えられる。着呼側は標準プロトコルである「INVITE」信号に対して「180 RINGING」信号または「200 OK」信号を送信した場合、すなわち標準プロトコルで接続(ネゴシエーションが成立)した後でも、接続フェーズまたはデータ送受信フェーズまたは切断フェーズの期間中に「invite」信号を受信することができ、その場合は再びネゴシエーションをやり直すことになる。
装置に関わる独自の情報(装置が装備している機能、装置の状態を示す情報、相手装置の設定を変更する情報、相手装置の機能を実行する情報等)とは、具体的には、
1.装置が装備している機能:Webブラウザ機能、ストリームデータ再生機能、テレビ電話機能、留守番電話機能、留守番録画機能、録音機能、録画機能、着信メモリ、リダイヤルメモリ、電話帳機能、発信元番号通知機能、発信者名称通知機能、着信拒否機能、着信メロディ変更機能、転送機能、キャッチホン機能等
2.装置の状態を示す情報:留守番電話がセットされている情報、留守番録画がセットされている情報、装置に不具合があることを示す情報、装置が使用されていることを示す情報、装置のなんらかの機能がセットされていることを示す情報等
3.相手装置の設定を変更する情報:留守番電話をセットあるいは解除する命令、留守番録画をセットあるいは解除する命令、装置に備わっている機能が動作するようにセットあるいは解除する命令等
4.相手装置の機能を実行する情報:留守番電話に録音されている音声を再生させ送信させる命令、留守番録画に録画されている画像を再生させ送信させる命令、着信メロディの変更させる命令等
がある。
ローカル呼設定手段の他の実施例として、標準の呼制御プロトコルであるSIPのIPパケットに、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報を含ませる方法がある。図30にその一実施例を示す。SIPの制御用パケットのSIPメッセージ部分に、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報(ローカルプロトコル情報)を含ませた一実施例である。また、IPヘッダのオプションフィールドにローカルプロトコル情報を載せても良い。SIPプロトコルのみしか対応していない端末はローカル部分を無視するため、SIPで呼制御を行うが、ローカル呼設定手段に対応している端末は、このローカル部分を解釈し、必要に応じてローカルプロトコルで呼制御を行うものである。すなわち標準のセッションからローカルなセッションに移行することができる。
図31に別の一実施例を示す。これはSIPのデータ用パケットのRTPヘッダ以下の音声、画像データを載せる部分に、ローカル呼設定手段で使用するローカルプロトコルで使用する情報を含ませた一実施例である。また、IPヘッダのオプションフィールドにローカルプロトコル情報を載せても良い。SIPプロトコルのみしか対応していない端末はローカル部分を無視するため、SIPで呼制御を行うが、ローカル呼設定手段に対応している端末は、このローカル部分を解釈し、必要に応じてローカルプロトコルで呼制御を行うものである。すなわち標準のセッションからローカルなセッションに移行することができる。
このように独自のローカルプロトコルに対応している端末は、IPパケットのどの部分にローカルプロトコル情報が載せられているのかは、あらかじめ認識しているので、ローカルプロトコルの搭載形態は任意に構成することができる。
また、IP端末は発呼側および着呼側にもなりえるように、発呼側および着呼側で使用する両方のプロトコルを備えているのが一般的である。
また、標準のプロトコルでセッションが開始されたのか、あるいは独自のプロトコルでセッションが開始されたのかを表示部に表示することができる。例えば、「SIP」「H.323」「独自方式」等の表示をする。ユーザをこれを見ることにより通信の状態あるいは使用できる機能等を知ることができる。また、接続に使用したプロトコルによって使用できる機能等を表示することもできる。また、発呼する場合、相手装置がどのプロトコルを装備しているか分からない場合には、発呼端末が装備している複数のプロトコルまたはすべてのプロトコルの「INVITE」または「invite」信号を順次送出することができる。着呼側はその複数のプロトコルのうちの1つを選択し、その選択したプロトコルに相当する応答信号を1つだけ返信することができる。または、複数のプロトコルのうち複数のプロトコルを選択し、その選択した複数のプロトコルに相当する応答信号を複数返信することもできる。この場合、発呼側は優先順位の高いプロトコルを選択することができる。
また、ローカルプロトコル信号にプバイナリーデータのプログラムやソースプログラム等のプログラム(例えばアプリケーションプログラム)を含ませて、相手装置に送信することも考えられる。この場合、その信号を受信した装置は、プロトコル信号に含まれているプログラムを検出した場合には、プロトコル信号から分離し、メモリ手段に記憶する。場合によってはそのプログラムを起動して、ある作業を実行するか、あるいは相手装置からの次のプロトコル信号に含まれている命令を実行する。具体的な例を挙げると、「invite」信号のSIPメッセージの中にプログラムを挿入して着呼側装置に送信する。着呼側装置は、受信した「invite」信号のSIPメッセージを検査し、プログラムを検出するとそれをメモリ手段に記憶させる。次に、そのプログラムを起動することによりプログラムを待機させる(待機させることにより素早く次の作業を実行できる)。次の「ack」信号のSIPメッセージの含まれている命令情報を受信し、その命令をプログラムが実行する。逆に、着呼側が「180 ringing」信号あるいは「200 ok」信号にプログラムを挿入して発呼側に送信し、発呼側で受信したプログラムを実行しても良い。プログラムとしてJAVA(登録商標)などに代表されるように実行環境に左右されないマルチプラットホーム型のプログラムが適しているが、それに限定されるものではない。また、ローカル呼設定手段は複数の呼設定プロトコルを備えていても良い。
このようにローカル呼設定手段を備えることにより、標準呼設定手段で使用できる機能以外の機能を使用することができるので、利便性が向上する。またローカル呼設定手段はメーカ独自に作成し実装することができるため、さまざまな制約を受けることなく仕様を決定することができるという利点がある。従って、ローカル呼設定手段は同一のメーカの製品の間で使用したり、同一のメーカではないが同一のグループ(例えば異なるメーカが集めって成立した通信グループなど)に所属するメーカの製品の間で使用することになるが、これに限定されない(デファクトスタンダードのような使用の仕方もある)。
[3.IP携帯電話装置31の機能]
次に、IP携帯電話装置31に内蔵されたROM34に格納されたプログラムがCPU32に実行させる機能のうち、本実施の形態のIP携帯電話装置31が備える特長的な機能について説明する。
[3−1.端末識別情報通知機能]
IP携帯電話装置31のCPU32が実行する端末識別情報通知処理について説明する。IPを使用したIP電話サービスとしては、固定電話のメタリックケーブルにIP電話用アダプタを接続し、さらにそのアダプタに市販の電話機を接続して、IP電話サービスを行っている例がある。この場合、固定電話の電話番号と、IP電話用の電話番号(いわゆる050番号)の2種類を使用することができる。ここで、電話を受ける側が前述したIP電話であって、電話をかけるほうが一般の固定電話を想定した場合、電話を受ける側の固定電話の電話番号でかけるか、あるいはIP電話用の電話番号でかけるかによって、電話をかける側にかかる電話料金が変わってくる。それはまた、市内通話、市外通話、遠距離通話によっても電話料金が変わる。
また、現在の電話サービスの1つにナンバーディスプレイがあり、前述した例で言うと、IP電話から相手側の電話に、IP電話を使用して電話番号通知で電話した場合、相手側の電話側がナンバーディスプレイのサービスを受けている時は、かけた側のIP電話用の電話番号が、一般の電話側のディスプレイに表示される。また、IP電話から相手側の電話に、固定電話を使用して電話番号通知で電話した場合、相手側の電話側のディスプレイには固定電話の電話番号が表示される。
しかしながら、前述したように、電話をかける側(IP電話)には2つの電話番号があるにも関わらず、電話を受ける側には1通話のなかで1つの電話番号しか通知されないため、通知されない電話番号のほうが通話料金が安い場合でも、その安い電話番号を使用できないという問題がある。
そこで、本実施の形態のIP携帯電話装置31は、発呼するIP携帯電話装置31側が、複数の端末識別情報(端末識別番号、機番、移動機番号、ID、電話番号、通信アドレス等)を持っている場合に、少なくとも2以上の端末識別情報を相手通信端末装置に伝える端末識別情報通知処理を実行するようにした。
具体的には、例えば、端末識別情報が電話番号である場合を考えると、発呼側のIP携帯電話装置31が持っている電話番号と、受信側の通信端末装置の電話番号を比較する。電話番号からプロバイダを特定できる場合には(例えば、050の次の4桁はプロバイダに固有の番号と仮定する)、発呼側のIP携帯電話装置31が持っている複数の電話番号のうち、同じプロバイダの電話番号があれば、その電話番号を受信側の通信端末装置に通知する。
また、発呼側のIP携帯電話装置31が、IP電話用の電話番号と一般の電話番号を持っている場合に、受信側の電話番号(発呼側が発呼する電話番号あるいは受信側が知らせてくる場合)がIP電話用の電話番号であれば(あるいは一般の電話番号以外の電話番号である場合、たとえば携帯電話、PHS)、IP電話用の電話番号を通知することも考えられる。あるいは、発呼側のIP携帯電話装置31が、IP電話用の電話番号と一般の電話番号を持っている場合に、相手通信端末装置が一般の電話番号を持っている場合、お互いの一般の電話番号の市外局番を比較し、同じであれば(市内通話)一般の電話番号を通知し、違っていれば(市外通話または遠距離通話)IP電話用の電話番号を通知する。この場合、市内通話は一般電話から一般電話へかけた方が、一般電話からIP電話網を使用してかけるよりも電話料金が安く、市外通話の場合はその逆になるということを前提にしているが、その通話料金の条件が変わっても対応できるように、発呼側のIP携帯電話装置31あるいは通信網側の通信制御装置の電話番号通知の設定を変えることができるようにしたほうが良い。また、電話料金を推定できる情報であれば、市外局番の比較に限定されないものである。また、電話番号の比較に限らず、電話番号そのものから判断しても良い。また、相手装置から受信したプロトコルから、相手装置の機能や情報を取り出し、それに基づいて判断しても良い。このようにすることにより複数の端末識別情報を持つ場合、最適な端末識別情報を相手装置に通知することができる。
このような複数の端末識別情報を持つIP携帯電話装置31において、端末識別情報毎に電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段(発信した通信の所定の情報を通信毎に記憶する)、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段(1通話分(1通信分)の料金情報や積算通話料金(積算通信料金)等の通話料金あるいは通信料金に関する情報)、装置の機能設定手段(着信音の種類、着信音量等の音に関する設定、待ち受け画面、照明等の表示画面に関する設定等のように装置に関する各設定)のような端末識別情報に関係する諸機能(通信情報手段)を備える場合、使用する端末識別情報が選択された場合には、それ以降、選択された端末識別情報に対応した電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段を使用するように制御される(制御手段)。これにより、端末識別情報に合わせた最適な設定を行うことができる。また、使用する端末識別情報を変更するまで、変更する前の端末識別情報の通信情報手段を使用し続けることができる。
[第三の実施の形態]
本発明の第三の実施の形態を図32ないし図36に基づいて説明する。なお、前述した第一の実施の形態と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。本実施の形態は、通信端末装置としてモバイルセントレックスを適用したものである。
近年、モバイルセントレックスなるシステムが開発されている。モバイルセントレックスとは、携帯電話装置(モバイルセントレックス端末)を企業の内線電話として使用できるようにしたものであり、会社の外では、従来の携帯電話装置として使用できる。このようなモバイルセントレックス用の携帯電話装置は、外線用電話番号と内線用電話番号というように複数の電話番号を持つ。モバイルセントレックスの方式としては、携帯電話装置に無線LANのI/Fを搭載して内線通話を実現する方法(方式A)と、通常の携帯電話装置を使用して、企業内に無線基地局を設置して内線通話を実現する方法(方式B)の2つの方法が考えられる。以下の実施の形態は、その2つの方式に適用できるものである。
[1.モバイルセントレックス51のシステム構成]
図32は、方式Aのモバイルセントレックス51のシステム構成を示すブロック図である。図32に示すように、方式Aのモバイルセントレックス端末52は、社内では、社内に設置された無線LAN基地局(AP)53につながるVoIP電話として利用でき、社外では携帯電話会社の基地局57につながる携帯電話装置として利用できる。社内において、内線で通話する場合には、近くのAP53に接続し、LAN54及びIP−PBX55を介して、あるいは直接相手端末に接続されているAP53を通して、相手端末と通話を行う。また、IP―PBX55を介して、あるいはインターネットを介して外線で通話することもできる。また、通話中でもインターネットやサーバ56を利用してデータ通信を行うこともできる。電話網から到来する外線通話の場合には、IP―PBX55にダイレクトインダイヤル機能を備えることにより、各モバイルセントレックス端末52を呼び出すことができる。このような方式Aのモバイルセントレックス51は、一般の家庭にも適用できる。
図33は、方式Bのモバイルセントレックス61のシステム構成を示すブロック図である。図33に示すように、方式Bのモバイルセントレックス端末62は、社内では、社内に設置された小型基地局63につながる内線電話として、社外では、携帯電話会社の基地局64につながる携帯電話として利用できる。内線で通話する場合には、近くの小型基地局63に接続し、小型交換機65を介して、あるいは直接相手端末に接続されている小型基地局63を通して、相手端末と通話を行う。また、PBX66または小型交換機65を介して、外線で通話することもできる。また、通話中でも小型交換機65を利用してデータ通信を行うこともできる。電話網からの外線通話の場合には、PBX66または小型交換機65、小型基地局63にダイレクトインダイヤル機能を備えることにより、各モバイルセントレックス端末62を呼び出すことができる。
なお、モバイルセントレックス端末52,62の構成については、前述した携帯電話装置1の構成やIP携帯電話装置31の構成と略同一であるので、その説明は省略する。
[2・モバイルセントレックス51,61の機能]
本実施の形態のモバイルセントレックス51,61が備える特長的な機能について説明する。
[2−1.モバイルセントレックス端末52,62による端末識別情報通知機能]
まず、モバイルセントレックス端末52,62に内蔵されるCPUが実行する端末識別情報通知処理の1つである発信者番号通知について説明する。
発信者番号通知としては、発呼するモバイルセントレックス端末52,62自身が、相手装置に通知する電話番号を決定する方式がある。今、モバイルセントレックス端末52,62が外線電話用の電話番号(携帯電話として使用する通常の電話番号)と、内線電話用の電話番号の2つの電話番号を使用できる場合において、内線電話番号として4桁の電話番号を使用すると仮定する。会社の中で内線電話番号を使用して電話をする場合、通常は相手の内線電話番号を発呼する。この場合、内線電話番号は4桁であるので、発呼するモバイルセントレックス端末52,62は、4桁の電話番号で発呼した場合は、内線電話による通話あるいは通信であることが判別できる。この通話あるいは通信が内線電話番号によるものと判断した場合には、相手先あるいは通信網へ通知する自端末52,62の電話番号は、自端末52,62の内線番号である。また、発呼する電話番号が内線電話番号ではない場合(外線電話番号の場合)、すなわち、発呼した電話番号が例えば5桁以上の場合は外線電話番号と判断して、自端末52,62の外線電話番号を相手先あるいは通信網に通知する。あるいは、発呼する電話番号に限らず、自端末52,62の持つすべての電話番号(外線電話番号と内線電話番号の2つ)を通知しても良い。通知された相手は、通知された電話番号の桁数から、どちらの番号が内線番号なのか外線番号なのかを知ることができる。また、会社の外(会社内の無線基地局のエリア外)から電話をかける場合には、自端末52,62の外線電話番号を、相手装置あるいは通信網側に通知する。
このような複数の端末識別情報を持つモバイルセントレックス端末52,62において、端末識別情報毎に電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段(発信した通信の所定の情報を通信毎に記憶する)、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段(1通話分(1通信分)の料金情報や積算通話料金(積算通信料金)等の通話料金あるいは通信料金に関する情報)、装置の機能設定手段(着信音の種類、着信音量等の音に関する設定、待ち受け画面、照明等の表示画面に関する設定等のように装置に関する各設定)のような端末識別情報に関係する諸機能(通信情報手段)を備える場合、使用する端末識別情報が選択された場合には、それ以降、選択された端末識別情報に対応した電話帳(アドレス帳)手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段を使用するように制御される(制御手段)。これにより、端末識別情報に合わせた最適な設定を行うことができる。また、使用する端末識別情報を変更するまで、変更する前の端末識別情報の通信情報手段を使用し続けることができる。
[2−2.通信網側による端末識別情報通知機能]
次に、通信網側(AP53,サーバ56、IP−PBX55、小型基地局63、小型交換機65等)が実行する端末識別情報通知処理の1つである発信者番号通知について説明する。すなわち、通信網側(基地局側、無線局側、通信網側の装置)が、通知する電話番号を選択して、相手側装置(被呼側)に通知する方式である。
通信網側(AP53,サーバ56、IP−PBX55、小型基地局63、小型交換機65等)は、図34に示すようなモバイルセントレックス端末52,62の外線電話番号と内線電話番号の対応テーブルを、モバイルセントレックス端末52,62の台数分、電話番号対応テーブルTとしてあらかじめ記憶している。
発呼側のモバイルセントレックス端末52,62は、発呼するときに、通信網側に、相手側(被呼側)の電話番号を通知するとともに、自端末52,62の電話番号(外線用電話番号あるいは内線電話番号のうち少なくとも1以上の電話番号)を通知する。通信網側は、発呼側のモバイルセントレックス端末52,62が発呼した相手側の電話番号を受信し、それが内線電話番号であれば、その電話番号が存在する基地局を探して(位置管理サーバ装置に問い合わせる)呼接続するとともに、その電話番号あるいは電話番号対応テーブルTに記憶されている発呼側のモバイルセントレックス端末52,62の内線電話番号を、相手側に通知する。受信した相手側の電話番号が外線用電話番号であれば、その電話番号が存在する基地局(会社の外の基地局、一般の基地局)を探して(モバイルセントレックス端末52,62の位置を管理する位置管理サーバ装置に問い合わせる)呼接続するとともに、電話番号対応テーブルTに記憶されている発呼側のモバイルセントレックス端末52,62の外線電話番号を、相手側に通知する。また、通信網側は、受信した被呼側の電話番号に関わらず、電話番号対応テーブルTに記憶されている発呼側の外線電話番号と内線電話番号の2つ電話番号を通知しても良い。
[2−3.内線と外線との自動選択機能]
例えば、電話をかける場合、使用する電話番号として使用者が手動で選択しても良いが、本実施の形態のモバイルセントレックス端末52,62は、内線番号と外線番号を自動的に選択する自動選択機能を備えている。このような自動選択機能について、図35のフローチャートを参照して説明する。
図35に示すように、電話帳から通話相手を選択して(ステップS81)、発呼動作が行なわれると(ステップS82)、モバイルセントレックス端末52,62が会社内の無線エリアにあるか否かが検出される(ステップS83)。モバイルセントレックス端末52,62が会社内の無線エリアにあることが検出されると(ステップS83のY)、自動的に内線番号を選択する(ステップS84)。一方、モバイルセントレックス端末52,62が会社内の無線エリアにないことが検出されると(ステップS83のN)、自動的に外線番号を選択する(ステップS85)。なお、モバイルセントレックス端末52,62が会社内にあるかどうかの検出は、モバイルセントレックス端末52,62が会社内に設置された小型基地局63あるいはAP53の無線エリアに入っているかどうか(通信端末装置と基地局で通信が可能かどうか、あるいは位置検出がされているかどうか)で判断する。また、相手通信端末装置が会社内にあるかどうか(相手が会社内にいるかどうか)を、あらかじめ基地局側に問い合わせ、その結果をサーバ装置56等の記憶手段に記憶しておくことにより、電話をかける前に確認することができるプレゼンス手段を提供することもできる。
また、モバイルセントレックス端末52,62が備える自端末識別情報が増えた場合に、それに対応した電話帳手段、発信履歴手段、着信履歴手段、通話または通信料金情報手段、装置の機能設定手段が必要とするデータ量が増えるため、バックアップ手段が必要になる。そこで、無線基地局側に用意されたデータ蓄積装置に、モバイルセントレックス端末52,62に記憶されているデータをバックアップする。小型基地局63あるいはAP53側とモバイルセントレックス端末52,62の間で所定の通信プロトコルを使用して通信路を確保し、モバイルセントレックス端末52,62のデータを小型基地局63あるいはAP53側に送信することにより、データ蓄積装置にデータをバックアップする。自装置は必要なときにバックアップデータをダウンロードする。
また、使用できる自端末識別情報が少ない場合はいいが、それが多くなると、主に数字や記号等で構成される自端末識別情報が何の情報であるかを憶えておくことが困難となる問題がある。そこで、おのおのの自端末識別情報に、名称を設定或いは設定の後に変更できると、使い勝手がより向上する。例えば、自端末識別情報が電話番号である場合、数字そのものを扱うよりは、名称を付して扱うほうが利点がある場合がある。例えば電話番号Aに「仕事」、電話番号Cに「プライベート」、電話番号Bに「内線」等の名称を設定することできる。このようにして、電話番号そのものではなく、その名称を選択することにより、より確実に装置の操作をすることができる。
[2−4.内線と外線との自動切替機能]
次に、会社内から会社内の相手側に内線電話番号で電話をかける場合、相手側が会社内にいないと電話が繋がらない場合がある。このような場合に、会社内の無線基地局53,63(またはサーバ装置56)が、内線と外線を自動的に切り替える自動切替機能について、図36のフローチャートを参照して説明する。
会社内の無線基地局53,63(またはサーバ装置56)は、相手先の内線電話番号を受信すると(ステップS91のY)、その内線電話番号のモバイルセントレックス端末52,62が会社内にいるかどうかを調査する(ステップS92)。
調査の結果、会社内に存在すれば(ステップS93のY)、該当エリアを担当している会社内の無線基地局53,63を通して該当の相手先を呼び出す(ステップS94)。
一方、調査の結果、会社内にいなければ(ステップS93のN)、電話番号対応テーブルTにより、受信した相手先の内線電話番号に対応している外線電話番号を取得し(ステップS95)、取得した外線電話番号によって、どこの基地局57,64のエリアにいるかどうかを、会社外にある一般的な位置確認用サーバ装置に問い合わせる(ステップS96)。その結果により、該当エリアを担当している一般の基地局57,64を通して相手先を呼び出す(ステップS97)。
また、会社内の無線基地局53,63が相手先の外線番号を受信した場合は(ステップS91のN、ステップS98のY)、電話番号対応テーブルTにより、受信した相手先の外線電話番号に対応している内線電話番号を取得し(ステップS99)、その内線電話番号のモバイルセントレックス端末52,62が会社内にいるかどうかを調査する(ステップS100)。
調査の結果、会社内に存在すれば(ステップS101のY)、該当エリアを担当している会社内の無線基地局53,63を通して該当の相手先を呼び出す(ステップS102)。
一方、調査の結果、会社内にいなければ(ステップS101のN)、先に受信した外線電話番号によって、どこの基地局57,64のエリアにいるかどうかを、会社外にある一般的な位置確認用サーバ装置に問い合わせる(ステップS103)。その結果により、該当エリアを担当している一般の基地局57,64を通して相手先を呼び出す(ステップS104)。
なお、この両方の機能を備えたものも考えられる。たとえば、発呼するモバイルセントレックス端末52,62が、電話番号ではなく相手先の名称を選択して発呼する場合である。モバイルセントレックス端末52,62は、相手装置の名称、外線電話番号、内線電話番号のうち少なくとも1つ以上を無線基地局53,63側へ通知するものである。基地局53,63側は、受信した名称あるいは電話番号と電話番号対応テーブルTを使用して、相手装置が会社内にいるかどうかを調査して、外線電話番号と内線電話番号のどちらを使用するか決定するものである(電話番号自動選択手段)。
この時、基地局53,63側は、内線で繋がったか、外線で繋がったかの情報を発呼したモバイルセントレックス端末52,62に送信し、その情報を受信したモバイルセントレックス端末52,62は、表示部にその情報を表示する。
また、無線基地局53,63側は、内線で繋がった場合の通話時間と、外線で繋がった場合の通話時間を記憶し管理することにより、それぞれの通話料金を算出することができる。このように別々に管理することにより、内線の場合は、無料にしたり、あるいは定額制にするというようなサービスを行うことができる。
なお、各実施の形態においては、ICカードやICタグリーダ装置を備えた携帯電話装置、IP携帯電話装置、モバイルセントレックス端末を挙げたが、通信端末装置としてはその他に移動無線機、無線LANを使用したIP電話、IPテレビ電話、IP通信端末装置、一般加入者電話機、通信機能付コンピュータ、携帯電話、PHS、PDA、腕時計等の通信機能を備えた通信端末装置があり、それぞれの通信端末装置が使用できる通信プロトコルを使用して実施可能である。ぞれぞれの通信端末装置の構成は公知であるため、ブロック図による図示は省略するが、本発明の特徴に係る手段は前記実施例と同様に備えているものである。
また、特にブロック図に図示していない「〜手段」は、ソフトウェア(プログラム)で実現するものに限るものではなく、専用ハードウェアで構成されているか、あるいはCPU,ROM,RAMと若干のハードウェアで構成されているものであっても良い。
さらに、各実施の形態及び各構成は、本発明の特徴を備えている限り適宜組み合わせ可能であり、1つの実施の形態の中で直接言及していない他の実施の形態及び構成も適用可能である。多数の発明が本明細書に記載されているため、そのすべての組み合わせの説明とその効果を記載することは事実上不可能であるが、その組み合わせの具体的な実施と効果については当業者が想定できるものは、本明細書に記載されているものとみなすことができるのは言うまでもないことである。
さらにまた、各実施の形態において複数の要素(構成)を持つ場合には、その要素の数は記載している要素の数には限定されるものではない。
また、各実施の形態中に記述したプログラムは、JAVA(登録商標)等のようにCPUあるいはOSに依存しないプログラム言語で作成してもよい。