JP4313596B2 - 親水性物質含有成型体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、親水性物質を含む成型体に関するものであり、医療材料などの表面が親水性でかつ平滑であることが好ましい用途に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
ポリスルホンをはじめとするポリスルホン系ポリマーはその耐熱性、耐薬品性、成形性の面から、優れた材料であり、幅広い分野で用いられている。しかしながら、これらの材料は疎水性であるために、生体関連物質の付着が多い、すなわち生体適合性が低いという問題点があった。
【0003】
それらを改善するために、様々な検討がなされており、例えば、親水性ポリマーであるポリビニルピロリドンを適正量含有させることにより、ポリスルホンに親水性を与え、それにより膜への汚れを抑制する方法が特公平2−18695号公報、特開昭61−238834号公報に開示されている。また、親水性ポリマーセグメントと疎水性セグメントからなるグラフトまたはブロックコポリマーをブレンドすることにより、ポリスルホン系膜へ親水性を与え、それにより膜の汚れを抑制する方法が特開昭62−201603号公報、特開昭63−77941号公報に開示されている。更には、特開平2−2862号公報には、ポリスルホン中空糸膜を濃硫酸中に浸漬させてスルホン化することが開示されている。また、ポリマー表面に、放射線、紫外線等を照射したり、アーク、直流グロー、高周波、マイクロ波、コロナ放電等によりプラズマ処理したり、UV−オゾン処理する等の方法において発生させたラジカルを開始点として、これにラジカル重合性モノマーを作用させて表面にグラフト重合層を形成させる方法も広く用いられている。例えば、A.Henglein, Angew. Chem., 70,461(1955)には、放射線を用いたグラフト重合が、またY. Ogiwara, et. al., Poym. Sci., Polym Letter Ed., 19,457(1981)には、ポリ酢酸ビニル水溶液を用いたメチルメタクリレート又はアクリル酸を、ポリプロピレン表面上あるいはポリエチレン表面上でグラフト重合させる方法等が提案されている。
【0004】
このように、表面を親水性化させるだけであれば種々の方法が知られている。さらに、その効果を最大限に発揮するためには材料表面の親水性物質を最適な状態で存在させる必要があると考えられるが、その方法はこれまで知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特公平2−18695号公報
【特許文献2】
特開昭61−238834号公報
【特許文献3】
特開昭62−201603号公報
【特許文献4】
特開昭63−77941号公報
【特許文献5】
特開平2−2862号公報
【非特許文献1】
A.Henglein, Angew. Chem., 70,461(1955)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、表面が効率的に親水性化された、すなわち、血小板、タンパク質などの生体成分の付着が低減された成型体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成するため、以下の構成を有する。
(1)ポリスルホン系ポリマー及びポリビニルピロリドンを含む成型溶液を作製後、溶媒を蒸発することで製造される、乾燥状態の自乗平均粗さ(RMS)に対する湿潤状態でのRMSの比(RWD)が0.6以上以下であることを特徴とするポリビニルピロリドン含有成型体。
(2)該RWDが1.5未満であることを特徴とする(1)項に記載親水性物質含有成型体。
【0008】
本発明で言うポリビニルピロリドン含有成型体とはポリビニルピロリドンを成型体中に含む疎水性ポリマーからなる成型体のことである。
【0009】
疎水性ポリマー、ポリスルホン系ポリマーである。ポリスルホン系ポリマーは、近年血液透析膜などに多く使われているが、本来親水性が高くない成型体であり、本発明の効果が顕著に現れるポリマーである。
【0010】
ポリスルホン系ポリマーとしては、主鎖に芳香環、スルホニル基およびエーテル基をもつもので、例えば、次式(1)、(2)の化学式で示されるポリスルホンが好適に使用されるが、本発明ではこれらに限定されない。式中のnは、例えば50〜80の如き整数である。
【0011】
【化1】
Figure 0004313596
【0012】
ポリスルホンの具体例としては、ユーデルポリスルホンP−1700、P−3500(ソルベイ社製)、ウルトラソンS3010、S6010(BASF社製)、ビクトレックス(住友化学)、レーデルA(ソルベイ社製)、ウルトラソンE(BASF社製)等のポリスルホンが挙げられる。又、本発明で用いられるポリスルホンは上記式(1)及び/又は(2)で表される繰り返し単位のみからなるポリマーが好適ではあるが、本発明の効果を妨げない範囲で他のモノマーと共重合していても良い。また、ベンゼン環部分をアミノ基やスルホン酸基で置換修飾した様な変性ポリスルホンも用いることができる。
【0013】
本発明のポリビニルピロリドン含有成型体を製造する方法としては、ポリスルホン系ポリマーとポリビニルピロリドンの混合溶液を成型する方法が挙げられる。
【0016】
本発明でいう自乗平均粗さ(RMS)とは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した場合の凹凸度のことであり単位はnmで示される。RMSはAFMにより得られた3次元凹凸情報をイメージ分析ソフト(市販の原子間力顕微鏡に付属のもの)を用いて測定、計算することによって得られる。乾燥状態でのRMSの測定は水に24時間以上浸漬させた湿潤状態での成型体を25℃、1mmHg以下の圧力で水分率10%以下まで乾燥させたサンプルを用いて行う。湿潤状態での測定は、乾燥したサンプルを水に24時間浸漬させた後に行う。血小板やタンパク質等の血液成分、フミン質などの水中の不純物の付着を抑制するためには、親水性物質が水によって適度に膨潤することが重要であり、本発明においては、これを乾燥状態の自乗平均粗さ(RMS)に対する湿潤状態でのRMSの比(RWD=湿潤状態でのRMS/乾燥状態でのRMS)によって示し、RWDが0.6以上であることを必要とする。さらには、1.0より大きいことがより好ましい。
【0017】
ポリビニルピロリドンが少ないと、材料は乾燥状態のRMSよりも小さくなることがあるが、これは、乾燥状態ではポリビニルピロリドンが材料表面に不均一に存在して、ポリビニルピロリドンの凹凸が観測されるのに対して、湿潤状態では観測され難いためと考えられる。好ましい親水性表面を得るためにはRWD値が0.6以上であることが必要であるが、1.0より大きい事が好ましい。ポリビニルピロリドンを多くするとRWDは大きくなる傾向があるが、この値があまりにも多くなると、低分子量のタンパク質などが膨潤した親水性層の中に潜り込んでしまい、実質的な付着・汚れが生じてしまうことが懸念されるためにRWDの値は2以下であ、1.5以下であることが好ましい。さらに、RWDの値が1.0より大きく1.5以下である表面はポリビニルピロリドンが適度に表面を覆っている状態と考えられるため最も好ましい範囲である。このような表面を有する成型体は優れた親水性表面特性を有しており、医療材料として用いた場合には生体成分の付着を抑制する効果を有する。例えば、血液中の血小板付着性試験を行った際に血小板の付着を抑制することができる。
【0018】
本発明における成型体溶液の調製については特に限定されるものではないが、成型体溶液の粘度は添加したポリビニルピロリドンの分子量及びその添加量に依存する傾向があるため、成型性の良い範囲となるように調製することが重要である。具体的には、成型体溶液の粘度は高くても1000ポイズ程度までが成型に支障が少なく好ましい範囲とされる。成型溶液におけるポリビニルピロリドンの濃度を高くするにつれて、成型体の表面はより親水性になり、生体適合性が向上する。高いRWDを持つ表面は成型溶液におけるポリビニルピロリドンの濃度を高くする事により得られる。ポリビニルピロリドンの濃度はポリスルホン系ポリマーに対して2〜100重量%が好ましく、更には3〜50重量%が好ましい。成型体中のポリビニルピロリドン濃度が2重量%未満の場合、得られる成型体表面の親水性の量が不十分となる傾向があり、高いRWDをもった材料を得難い。
【0019】
また、前述のように、分子量の大きいポリビニルピロリドンを用いる場合、溶液の粘度が著しく上昇するので成型性に支障のない範囲の溶液組成を選択することが好ましい。また、分子量の小さいポリビニルピロリドンを用いる場合は、RWDが小さく十分な生体適合性を発揮できないことがあったり、医療材料として使用する場合に溶出する傾向がある。ポリビニルピロリドンは、重量平均分子量が3万〜200万のものが好ましく用いられる。
【0020】
成型溶液におけるポリスルホン系成型体の濃度について、ポリビニルピロリドンとの相溶状態を発現させるために、ポリビニルピロリドンに対して少なくとも20重量%以上存在することが好ましく、更には25重量%以上存在することが好ましい。
【0021】
成型溶液における溶媒の選択においては、ポリスルホン系成型体及びポリビニルピロリドンの良溶媒が用いられる。具体的には、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトアルデヒド、2−メチルピロリドンなどであるがこれらに限定されない。安全性、毒性の面からジメチルアセトアミドが好ましい。高いRWDを有する成型体を得るためには、ポリスルホン系成型体とポリビニルピロリドンの高濃度溶液を作製後、溶媒を蒸発させることで成型体が製造できるが、これを延伸成型・射出成型・押し出し成型をすることによって様々な成型体を形成できる。たとえば円形口金から押し出せば、チューブを成型することも可能である。
【0022】
本発明における成形体の製造方法として、ポリビニルピロリドンポリスルホン系ポリマーを含む混合溶液から作成するフィルムを例に以下のとおりに示す。まず、成型体溶液をガラス板上前端に横に広げながら適量を静かに垂らし、キャスト厚みを一定にすることができるアプリケーターをガラス板上で一定の速さで手前に引き、成型体溶液をむらなく広げる公知の方法を用いる。
【0023】
透明な成型体が必要な場合には、最適な成型条件を整えることが重要であり、ポリビニルピロリドンが入った成型体溶液ではキャスト中に空気中の水分による吸湿の影響で、相分離を起こしてしまうことが懸念されるために、キャスト温度については適宜最良の条件を決めなければならないが80〜150度、更には100〜130度が好ましい。低温でキャストする場合は吸湿しない環境下で長時間かけて成型を行う必要がある。キャスト厚みについては、薄すぎるとフィルムとして成形しにくくなる。また厚すぎると溶媒の蒸発に時間を要することとなり、50〜500μmが好ましく、更には100〜300μmが好ましい。
【0024】
上記条件により成型した後、所定の水洗、剥離工程を経た後、乾燥しフィルムを得る。
【0025】
本発明により得られる成型体は、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ等の医療材料、血液回路、人工腎臓、人工肺、人工肝臓、人工心臓、人工膵臓などの人工臓器、水処理用膜などの親水性を要求として幅広く用いられる。
【0026】
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
用いた測定方法は以下の通りである。
(1)血小板付着実験
フィルム状の成型体を18mmφのポリスチレン製の円筒管の底に平板状に設置し、生理食塩水で満たした。3.2%クエン酸三ナトリウム2水和物水溶液と家兎新鮮血を1:9(容積比)で混合した血液を1000rpmで10分間遠心分離し、上清を取り出した(血漿1とする)。その後、上清を取り出したあとの血液を3000rpmで10分間再度遠心分離し、上清を取り出した(血漿2とする)。血漿1に血漿2を添加することで希釈(血漿2は血漿1に比べて血小板の濃度が低い)し、血小板数20×10個/mlの富血小板血漿(PRP)を調製した。準備した円筒管の生理食塩水を捨てた後PRPを1.0ml入れて37℃にてタイテック社製MICROTUBE MIXER(EN−36N)を用いて1時間振盪させた。その後、生理食塩水で3回洗浄し、3%グルタルアルデヒド水溶液で血液成分の固定を行い、蒸留水にて洗浄した後、減圧乾燥を5時間以上行った。このフィルムを走査型電子顕微鏡の試料台に両面テープで貼り付けた。その後、スパッタリングにより、Pt−Pdの薄膜を試料に形成させた。走査型電子顕微鏡(日立社製S800)にて試料表面を観察し(フィルムと円筒管の接着部は血液が溜まりやすいので、主としてフィルム中央部を3000倍で観察した)、1.0×103μmの面積中の付着血小板数を数えた。観察部位20ヶ所での平均値をとった。
【0028】
この実験には、コントロールが必要である。すなわち、以下のようにして作成したサンプルを、実験毎に水準にいれておく必要がある。ポリスルホン(アモコ社製Udel−P3500)10重量%をジメチルアセトアミド90重量%に加えて室温で溶解し、ホットプレートにて、表面温度が100度になっているガラス板上で厚さ203μmでキャストした。表面の温度は、接触式温度計により測定した。キャスト後、5分間ホットプレート上で放置し、溶媒を蒸発させた後、ガラス板ごと、水浴へ浸漬し透明フィルムを得た。このポリスルホンフィルムの血小板付着数が40個以下の場合は、血液の鮮度が欠けているなど、実験が失敗している可能性が高いので、その際のデータは用いることができない。
【0029】
(2)表面ポリビニルピロリドン量の測定
表面のポリビニルピロリドン量は、X線光電子分光(ESCA)によって決定される。装置はESCALAB220iXLを用いた。ESCAの測定により得た、C1s、N1s、S2pスペクトルの面積強度より、装置付属の相対感度係数を用いて窒素の表面量(A)と硫黄の表面量(B)を求め、
表面ポリビニルピロリドン量(%)=Ax111x100/(Ax111+Bx442)よりフィルム表面ポリビニルピロリドン量を算出した。X線の入射角に対する検出器の角度は90度にて測定を行った。
【0030】
(3)接触角の測定
協和界面化学社製の接触角計CA−Dを用いて測定した。測定は室温が25度に温調された部屋で行った。
【0031】
(4)自乗平均粗さ(RMS)の測定
フィルムサンプルは、5 mm四方に切り出し、スチール製円板(Nihon VEECO, Tokyo, Japan)上に市販の透明マニキュアを用いて固定した。固定後、室温で24時間乾燥させ、乾燥サンプルとした。コンタクトモードで、NP-Sプローブの120 μm, wideチップを使用し(200 μm, wideチップは使用前に折る)は、2 mm x 2 mmの範囲を、オペレーティングポイント0.3 V、0.2 Hzの十分遅い走査速度で観察した。Pゲイン、Iゲインは、サンプルごとに調整した(おおよそPゲイン:8-15、Iゲイン:0.001-0.003)。乾燥サンプルを、観察後固定円板ごと装置附属のガラスセルに透明マニキュアで固定し、RO水で24時間十分湿潤させ、湿潤サンプルとした。湿潤サンプルも、乾燥サンプルと同じ方法で観察した。観察モード、プローブ、その他走査条件を変えないことで、乾燥状態と湿潤状態間の変化を定量的に評価することができる。測定は5カ所で行い平均値を採用した。
【0032】
AFM観察条件として装置に走査型プローブ顕微鏡SPM 9500-J3(SHIMADZU, Kyoto, Japan)、観察モードはコンタクトモード、プローブはNP-S(120 mm, wide)(Nihon VEECO KK, Tokyo, Japan),スキャナ標準はStandard(30 mm x 30 mm x 5 mm)、走査範囲は2 mm x 2 mm(画像のzスケールは10 nmに統一)、走査速度は0.2 Hz 、画素数は512 x 512の条件にて行った。画像処理は、得られた生画像から、x、yラインごとに平均値を算出し、データからその平均値差し引いて傾斜補正し、ノイズラインは測定時のカンチレバーの針とびや瞬時的なノイズに起因する画像データ上のラインノイズを、前後のラインの明暗とそのラインの明暗が反転していることを基準とし、消去する事により行った。また、画像に空間周波数的に規則的なノイズが含まれる場合、周波数フィルタを使用して画像処理を行った。
【0033】
RMSの算出には、オフライン機能の「面粗さ解析」を用いた。特異的な形状を拾わないように、解析範囲は1-4 μm2で調整した(標準は4μm2)。1次元のRMSは、粗さ曲線(JIS B601参照)からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取ったときに、以下のようにして求められる標準偏差をいう。ここでは、これを2次元に拡張したものを測定した。
RMS=(Σ(Yi−Yave)/N)0.5
Yi:任意の測定点の高さ、Yave:全測定点の高さ平均、N:測定点の数
以下実施例において、「部」は「重量部」を意味する。
【0034】
実施例1
ポリスルホン(ソルベイ社製Udel−P3500)10部、ポリビニルピロリドン(ISP社製K90 重量平均分子量120万)5部をジメチルアセトアミド85部に加え室温にて溶解し、成型溶液とした。この溶液をホットプレートにて、表面温度が100度になっているガラス板上で厚さ203μmでキャストした。表面の温度は、接触式温度計により測定した。キャスト後、5分間ホットプレート上で放置し、溶媒を蒸発させた後、ガラス板ごと、水浴へ浸漬し透明フィルムを得た(水浴に浸漬させるのは、フィルムをガラス板からはがしやすくさせるためである。)。得られたフィルムの血小板付着数は12個であった。表面接触角は38°であった。乾燥状態でのRMSは1.6、湿潤状態でのRMSは1.2、RWDは0.7であった。
【0035】
実施例2
ポリスルホン(ソルベイ社製Udel−P3500)10部、ポリビニルピロリドン(ISP社製K90 重量平均分子量120万)10部をジメチルアセトアミド80部に加え室温にて溶解し、成型溶液とした。実施例1と同様にして光透過率90.3%の透明フィルムを得た。得られたフィルムの血小板付着数は7個であった。表面接触角は35°であった。乾燥状態でのRMSは1.3、湿潤状態でのRMSは2.7、RWDは2.1であった。
【0036】
比較例1
ポリスルホン(ソルベイ社製Udel−P3500)10部をジメチルアセトアミド90部に加え、実施例1と同様にして光透過率88.9%の透明フィルムを得た。得られたフィルムの血小板付着数は70個であった。表面接触角は82°であった。乾燥状態でのRMSは1.2、湿潤状態でのRMSは0.6、RWDは0.5であった。
【0037】
比較例2
ポリスルホン(ソルベイ社製Udel−P3500)10部、ポリビニルピロリドン(ISP社製K90 重量平均分子量120万)0.01部をジメチルアセトアミド90部に加え、実施例1と同様にして光透過率88.8%の透明フィルムを得た。得られたフィルムの血小板付着数は60個であった。表面接触角は74°であった。乾燥状態でのRMSは1.4、湿潤状態でのRMSは0.6、RWDは0.4であった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によって、血小板、タンパク質などの生体成分の付着が低減された成型体を提供することができる。

Claims (2)

  1. ポリスルホン系ポリマー及びポリビニルピロリドンを含む成型溶液を作製後、溶媒を蒸発することで製造される、乾燥状態の自乗平均粗さに対する湿潤状態での自乗平均粗さの比が0.6以上以下であることを特徴とするポリビニルピロリドン含有成型体。
  2. 前記比が1.5未満であることを特徴とする請求項1記載の親水性物質含有成型体。
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