JP4313446B2 - 遠隔監視制御システムのリレー端末器 - Google Patents

遠隔監視制御システムのリレー端末器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔制御監視システムに用いるリレー端末器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図43は、この遠隔制御監視システムの基本的な概略構成を示しており、この従来例は、制御用端末器1と、操作用端末器2とを2線の信号線3を通じて伝送ユニット4に接続され、操作用端末器2及び制御用端末器1には各別にアドレスが設定されており、伝送ユニット4はアドレスによって各操作用端末器2及び各制御用端末器1を個別に認識する。操作用端末器2はスイッチSW1…を備え、このスイッチSW1…の操作により発生した割込信号を伝送ユニット4に伝送する。伝送ユニット4は割込信号を受信すると割り込みを要求している操作用端末器2を検索し、さらに検索した操作用端末器2とアドレスによって対応関係が予め設定されている制御用端末器1に対して制御データを伝送する。制御データを受け取った制御用端末器1では、接続されている磁気保持型のラッチングリレー5をスイッチSW1…点の操作に対応させて駆動し、リレー5の主開閉接点を通じて電源に接続されている負荷をオン又はオフさせるようになっている。
【0003】
ここで伝送ユニット4は信号線3に対して、図44(a)に示すフォーマットの時分割多重伝送信号(以下伝送信号という)Vsを送出する。すなわち、信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、端末器1,2を各別に呼び出すためのアドレスデータAD、負荷(図43の場合リレー5)を制御する制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、端末器1,2からの返信信号を受信するタイムスロットである返信信号返信期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている(図44(b))。端末器1,2では、それぞれ信号線3を介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADがあらかじめ設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返信期間WTにデータを電流モード信号(信号線3を適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返信する。
【0004】
伝送ユニット4から所望の端末器1,2にデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、端末器1,2のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを信号線3に送出すれば、アドレスデータADに一致する端末器1,2が制御データCDを受け取り、制御データCDにパリティビットを付加した信号を信号返信期間WTに返信する。伝送ユニット4では送出した信号と信号返信期間WTにおける受信信号との一致によって制御データCDが所望の端末器1,2に伝送されたことを確認する。また、オ制御用端末器1や操作用端末器2は受け取った制御データCDに従って制御動作を行う。
【0005】
一方、伝送ユニット4は常時はモードデータMDをダミーモードとして或いは常時ポーリングとしてダミー用のアドレスに又は接続されている全端末器のアドレスに伝送信号Vsを一定時間間隔で送出しており、端末器1,2が伝送ユニット4に対して何らかの情報を伝送しようとするときには、ダミーモード或いはポーリング中の伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図44(c)のような割込信号を発生させる。このとき、端末器1,2は割込フラグを設定して伝送ユニット4との以後の情報授受に備える。伝送ユニット4では割込信号を受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとしかつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出し、割込信号を発生した端末器1,2では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位4ビットが端末器1,2に設定されているアドレスの上位4ビットに一致するときに、信号返信期間WTにアドレスの下位の半数のビットを伝送ユニット4に返信する。このように、伝送ユニット4は割込信号を発生した端末器1,2を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で端末器1,2を発見することができる。伝送ユニット4が割込信号を発生した端末器1,2のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号を信号線3に送出し、これに対して端末器1,2は伝送しようとする情報を信号返信期間WTに返信するのである。最後に、伝送ユニット4は割込信号を発生した端末器1,2に対して割込リセットを指示する信号を送出し、端末器1,2の割込フラグを解除する。以上のようにして、端末器1,2から伝送ユニット4への情報伝送は、伝送ユニット4から端末器1,2への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送ユニット4が所望の端末器1,2の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視データとした伝送信号を送出するだけでよい。
【0006】
而して、伝送ユニット4では、操作用端末器2に設けたスイッチSW1が操作されると、操作用端末器2から返信された監視データに基づいて、スイッチSbとの対応関係があらかじめ設定されている制御用端末器1に伝送する制御データを生成し、その制御データCDを含む伝送信号Vsを信号線3に送出し、対応する制御用端末器1に制御データCDを伝送し、制御データCDに含まれるスイッチSW1に対応せる負荷番号のリレー5を駆動して、その主開閉接点をオン又はオフさせることにより負荷をオン又はオフする。また、操作用端末器2に設けた別の操作スイッチSW2が操作されると、前記のスイッチSW1が操作されたときと同様に割込信号を送出し、伝送ユニット4の割り込みポーリングに応じてアドレス返信を行い、伝送ユニット4から割込み要求監視のアクセスに対応して操作スイッチSW2の操作データを監視データとして伝送ユニット4へ返信する。
【0007】
伝送ユニット4は割り込み処理後、スイッチSW1に対応する負荷番号に対する制御データCDを対応する制御用端末器1をアクセスして伝送する。制御用端末器1は待機状態において、制御データCDを受信すると制御データの負荷番号に対応するリレー(図示せず)を上述と同様駆動する。
【0008】
ここで1つのアドレスに対応して例えば4つの負荷番号を設定できるようにしておけば、4つのスイッチで夫々に対応する4つの負荷、図43の場合には4つのリレー5を制御駆動できるようになっている。
【0009】
また制御用端末器1はリレー5の動作状態を示す監視データを伝送ユニット4へ返信させるようになっており、伝送ユニット4はこの監視データに基づいて対応する操作用端末器2に対してリレー5の負荷番号に対応するスイッチSW1…に付設している動作モニタ用のLED1又はLED2を点灯/消灯させる制御データCDを伝送し、この制御データCDを受け取った操作用端末器2では制御データに基づいて対応する負荷番号のスイッチに付設してある動作モニタ用のLED1又はLED2を点灯又は消灯させることにより、対応リレー5の動作状態、つまりオン又はオフ状態を表示する。
【0010】
図43の遠隔監視制御システムでは伝送ユニット1を中心として伝送信号により、各端末器1、2の監視制御を行うとともに、複極の伝送信号Vsを各端末器1、2において整流することにより各端末器1、2内の動作電源を得るようになっている。一方リレー5は外付けのトランス6に電源を得るようになっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように前記の制御用端末器1では、リレー5を駆動する電源をトランス6により得るため制御用端末器1と、リレー5及びトランス5とが分離され、これらを分電盤内に配設する場合に、取り付けスペースの確保と、これらを接続するための結線が複雑になるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、分電盤への取り付けが容易な遠隔監視制御システムのリレー端末器を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1の発明では、伝送ユニットに端末器を信号線を介して接続し、伝送ユニットから伝送される多重伝送信号により端末器のアドレスをアクセスして伝送ユニットから制御用のデータを当該アドレスの端末器に伝送するとともに、多重伝送信号に設けられた返信信号返信期間において当該アドレスの端末器から監視用のデータを伝送ユニットに返信させることにより端末器の遠隔監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、1乃至複数の1回路用のラッチングリレーと、前記伝送ユニットからの多重伝送信号を受信するとともに返信信号を送信する多重伝送信号送受信回路、アドレス設定部、受信する多重伝送信号により前記アドレス設定部で設定されたアドレスがアクセスされると多重伝送信号の制御データを読み取り、制御データに基づいて、前記ラッチングリレーを制御駆動する多重伝送信号処理部、前記ラッチングリレーの駆動電源及び各部の電源を多重伝送信号から得る電源回路からなる端末処理ブロックとを少なくとも分電盤協約型寸法の単位モジュールで形成した器体内に収納し、前記器体の一端部には前記信号線を接続する信号線接続端子を設けるとともに、他端には前記ラッチングリレーの主開閉接点の両端が接続される対の負荷接続端子を前記器体内に収納される前記ラッチングリレーの数に対応して設け、前記器体は、当該器体3方向の寸法のうち最小寸法となる方向において分割されて互いに突き合わせ、結合されるボディ及び第1のカバーと、前記ボディと前記カバーとを突き合わせた状態で表面側に形成される開口部に被着されるとともに、前記信号線接続端子を装着する端子配設部を備えた第2のカバーとで少なくとも構成され、前記ボディと、前記第1のカバーとの間の収納空間に前記ラッチングリレー及び前記端末処理ブロックを収納し、前記端未処理ブロックは、前記多重伝送信号受信回路、前記多重伝送信号処理部、及び前記電源回路を実装した伝送・制御用回路基板と、前記アドレス設定部を実装し前記伝送・制御用回路基板と連結される回路基板とで構成され、前記回路基板は、前記開口部を通して、前記ラッチングリレー及び前記伝送・制御用回路基板が収納された前記収納空間に収納されて前記伝送・制御用回路基板と連結され、前記第2のカバーは、前記回路基板が前記収納空間に収納された状態で前記開口部に被着されていることを特徴とする。
【0015】
請求項の発明では、請求項1の発明において、前記ボディと前記第1のカバーバーとの間に介装されることにより前記ボディ及び前記第1のカバーバーとともに器体を形成しかつ一面側が前記ボディとの間で収納空間を形成可能な形状に形成され他面側が前記カバーとの間で収納空間を形成可能な形状に形成されたセパレータを少なくとも1個備え、複数組の端末処理ブロックおよびラッチングリレーがセパレータを介して配設されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記ラッチングリレーは、前記伝送・制御用回路基板に実装されていることを特徴とする。
【0017】
請求項の発明では、請求項1乃至の何れかの発明において、前記ラッチングリレーと前記収納空間の内周面との間の適所に前記ラッチングリレーの励磁コイルブロック収納部分に弾接する板ばねよりなる緩衝ばねが介装されていることを特徴とする。
【0018】
請求項の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記ラッチングリレーの出力用の端子、負荷接続端子との間の接続を編組線により行うことを特徴とする。
【0019】
請求項の発明では、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記アドレス設定部をディップスイッチで構成し、該ディプスイッチの操作部を前記器体の表面に露出させて成ることを特徴とする。
【0020】
請求項の発明では、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記アドレス設定部は、前記アドレスを含む機能データを記憶保持するメモリと、前記メモリに書き込まれる機能データを含んだ外部からの信号を受信する受信手段とを備え、前記信号を受信すると前記メモリに機能データを記憶保持させることを特徴とする
【0021】
請求項の発明では、請求項1乃至の何れの発明において、前記ラッチングリレーの主開閉接点を手動で開閉する手動操作手段を器体表面に露出させことを請求項の発明では、請求項1乃至の何れの発明において、前記ラッチングリレーの手動操作手段の移動に共動して主開閉接点の開閉状態を表示する表示手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明では、請求項1乃至の何れの発明において、少なくとも前記負荷接続端子を速結端子で構成して成ることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図1は1回路両切り型のラッチングリレーを1つ組み込んだ本実施形態の分解斜視図を示しており、図示するように器体10はJISC8370−1996の付属書5電灯分電盤用協約型配線用遮断器の規定で示される単位寸法(BAKモジュールの1個モジュール寸法)に形成されたもので、図1に示すように、器体10は直交する3方向の寸法のうち最小寸法の方向(以下では幅方向という)において分割され、その一方側のボディ11と他方側の第1のカバー12と、カバ−12とボディ11とを突き合わせた状態で表面(前面)側に形成される開口部に被せるための第2のカバー13とで構成されており、ボディ11とカバー12とを分離した状態で器体10の内部がもっとも広く開放されるようにボディ11とカバー12との分割方向が決められている。このような分割方向を選択することにより、器体10への部品の組み付け作業が容易になるのである。ボディ11とカバー12とは4本のかしめ鋲15を用いて結合される。かしめ鋲15はボディ11およびカバー12に形成された貫通孔32に挿通された後にかしめられる。
【0024】
図2に示すように、器体10の長手方向(図2(b)の左右方向)の一端部には信号線3を接続する一対の信号線接続端子16が露出するように設けられ、他端部には負荷及び電源が接続される2組の負荷接続端子19が露出するように設けられる。信号線接続端子16および負荷接続端子19はそれぞれねじ付き端子であって、端子板33a,33bおよび端子板33a,33bにそれぞれ螺合する端子ねじ34を備える。一対の信号線接続端子16の間には絶縁用の隔壁17’が配置され、また、負荷接続端子19も2個ずつが絶縁用の隔壁体17により分離されている。負荷接続端子19は同じ接点に接続されるもの同士が図2(a)及び図9に示すように上下に階段状に段差もたして配列される。この段差を持たせることにより、端子配置の省スペース化を図るとともに端子ねじ34のねじ締めに対しても影響を与えないようにしてある。勿論端子配置位置を左右にずらすなど,配置を変更すれば施工時の作業性も向上する。
【0025】
カバー13は一端部に前記信号線接続端子16、16を取着する取着部を設け、結合されるボディ11、カバー12の表面側の中央部から一端部にかけて形成される開口窓35に被着され、取着部に取着した信号線接続端子16,16を、ボディ11の一端部の側壁と、カバー12の一端部の側壁との間に形成され器体10外部に開口するとともに器体10内に連通せる端子配設部14に配置するようになっている。
【0026】
器体10の他端部にはボディ11の他端部の側壁と、カバー12の他端部の側壁との間に形成され、器体10外部に開口するとともに器体10内に連通した空間を隔壁体17で左右に仕切った端子配設部18を設け、この端子配設部18のボディ11の他端部側壁の内側面と隔壁体17の対向面との間、カバ−12の他端部側壁の内側面と、隔壁体17の対向面との間に夫々前記負荷接続端子19、19を隔離配設してある。隔壁体17はボディ1とカバー12との間に装着される。
【0027】
器体10の内部には、1回路両切り型のラッチングリレー25および図3に示す端末処理ブロックが納装される。ラッチングリレー25は図4に示すように器体10の幅方向および長手方向に直交する方向(以下では上下方向という)の両側面に負荷接続端子19の端子板33bにそれぞれ平編組銅線からなる接続線36を介して接続される出力用端子を構成する端子片37を備える。端子片37はラッチングリレー25の2個の接点ブロック25B内に設けた主開閉接点Sに接続されている。また、端子片37は、器体10にラッチングリレー25を組み込んだ状態で、ボディ11とカバー12との分割面に直交する方向に延長された部分と前記分割面に平行になる向きに折曲された部分とを有する略L形に形成されている(図5参照)。接続線36は、一端部が端子板33bに半田または溶接によって接続され、他端部がかしめ板41にかしめられ、該かしめ板41を端子片37に半田または溶接することにより接続される。
【0028】
端末処理ブロックは図3に示す回路構成からなり、ラッチングリレー25およびラッチングリレー25のリレー駆動回路20、多重伝送信号受信回路21、多重伝送信号処理部22、電源回路23、状態監視回路24を実装した伝送・制御用回路基板31と、アドレス設定部26を構成するディップスイッチ27a,27bを実装した回路基板30とからなり、回路基板31と回路基板30とは回路基板31の基板面に平行するように基板端部より突出させた端子群28を回路基板30の基板面に開口した挿入孔群29に挿入して互いに電気的に接続されるとともに直交する形で連結されている。ここに、回路基板30は器体10内において図2(a)における上部側に配置され、回路基板31は信号線接続端子16に近い部位に位置するように図2(a)における右側に配置される。ラッチングリレー25は回路基板31に対してはリセットコイルやセットコイルに接続された制御用端子が半田付け固定され,図10(a)(b)に示すようにラッチングリレー25と回路部とが密着することとなる。器体10内に後述するように組み込んだ後に、回路基板30を取り付けることができるようし,組み立て性の向上を図っている。またラッチングリレー25が寿命となって交換が必要な場合に回路基板30側を流用することができるようにしてある。また後述するような光ワイヤレス信号等を用いてEEPROMからなるアドレス設定部26を用いる場合の信号入力手段を実装している基板と交換することも容易にできる。
【0029】
図11(a)(b)はカバー13を取り外した状態を示しており、この図示している状態は未だ回路基板30を取り付けていない組み立て途中で、回路基板30を取り付けていないため組み立て作業性が良い。
【0030】
勿論回路基板30を回路基板31に半田付けしてブロック化する構造でも良い。尚信号線3が接続される信号線接続端子16は回路基板31に対してリード線48で接続される。
【0031】
本実施形態は端末処理ブロックのアドレスおよび負荷番号を回路基板30に実装したディップスイッチ27a、27bで設定するように構成してあり、アドレスは6ビット、負荷番号は2ビットで設定される。器体10においてディップスイッチ27a,27bに対応する部位には、図9に示すように、器体10の表面(前面)の開口窓35に被着されるカバー13に形成した開口窓45a、45bが形成され回路基板30に実装したディップスイッチ27a、27bの操作部が器体10の外面側に露出するようにしてある。
【0032】
ところで、ラッチングリレー25には図5に示すように、主開閉接点の開閉に連動して往復移動する手動操作片38が突設されており、この手動操作片38は主開閉接点Sが開閉するのに伴って移動するだけではなく、手動操作片38を移動させれば接点が開閉するようになっている。手動操作片38の先端は表示シート40の窓孔40aに挿通され、更に前記カバー13に設けた開口窓39より外部に対して露出する。しかして、手動操作片38を操作すればラッチングリレー25の主開閉接点Sを強制的に開閉することができ、また、ラッチングリレー24の主開閉接点の開閉状態に応じて手動操作片38とともに表示シート40が動き、図6(a)に示すように表示シート40の端部に夜間でも視認可能な蛍光塗料等で着色(たとえば、赤色)した表示部位40bが図6(c)に示すように開口窓35から見える位置(オン位置)と図6()に示すように見えない位置(オフ位置)との間で移動する。ラッチングリレー25に手動操作によって主開閉接点Sを開閉することができる手動操作片38を設けたことにより、遠隔監視制御システム系に電源が供給されずシステムダウン状態においても主開閉接点Sに接続されている負荷をオンオフさせることができる。その結果、たとえば壁スイッチの施工前に試験的に照明負荷の点灯・消灯を操作するというような場合に対応が可能になる。尚カバー13の開口窓35及び45a,45bを形成した表面部には銘板46が貼着しており、この銘板46には開口窓35及び45a,45bに対応する窓46a〜46cを形成してある。
【0033】
ところで、回路基板31に取り付けられたラッチングリレー25を器体10の中の定位置に固定するするには板ばねよりなる緩衝ばね42を用いている。緩衝ばね42はラッチングリレー25の下面と器体10のリブ47との間に配置され、ラッチングリレー25に弾接する。ラッチングリレー25の背面には位置決めリブ43が突設されており、緩衝ばね42には位置決めリブ43が挿入される長孔状の位置決めスリット44が形成されている(図7参照)。
【0034】
しかして、器体10にラッチングリレー25を組み込む際には、図8(a)〜(c)に示すような手順になり、図8(b)の状態において緩衝ばね42の位置決めスリット44をラッチングリレー25の位置決めリブ43に係合させた状態で、図8(c)のように器体10のリブ47とラッチングリレー25との間に圧入すればよい。この構成によって、ラッチングリレー25は緩衝ばね42のばね力によって器体10の内周面に押し付けられ、器体10の定位置に固定される。
【0035】
つまり、器体10の内部空間とラッチングリレー25との寸法精度の管理が容易になるとともに、組立作業においてもねじ締めなどが不要であって作業工程が簡単になるのである。ここでラッチングリレー25は励磁コイル部と、主開閉接点部とをブロック化して結合する構成であり、緩衝ばね42の弾発によって固定される側を開閉音の発生しない励磁コイルブロック25A側とし、開閉音が駆動時に発生する主開閉接点部を収納している主開閉接点ブロック25B,25B側を固定しないようにして、開閉音が直接ボディ11、カバー12に伝わらないないように構成してある。
【0036】
上述の構成によって、図2に示すような遠隔制御用リレー端末器1’を構成することができる。尚図1中49はボディ11の外側面に貼着する銘板、50はカバー12の外側面に貼着する銘板である。
【0037】
上述した遠隔制御用リレー端末器1’は、図12に示すように、伝送ユニット4に接続された2線式の信号線3を信号線接続端子16に接続する形で使用される。つまり、信号線3に対して複数個の遠隔制御用リレーユニット1’が分岐接続(ないしバス接続)されるのである。信号線3には図示していないが、図43に示したように、操作用端末器2を信号線3に接続し、操作用端末器2との間でアドレスによる対応関係を設定しておけば、スイッチSW1…の操作によってラッチングリレー25の開閉を制御することができる。つまり、負荷接続端子19に照明負荷等の負荷を電源を介して接続しておけば、スイッチSW1…の操作によって負荷のオン・オフを制御することができる。
【0038】
本実施形態によれば、負荷制御用のラッチングリレー25と、伝送信号Vsに基づいてラッチングリレー25を制御する端末処理ブロックとを1つの器体10に納装しているから、リレー及びトランスを用いて負荷を制御する従来例に比べて省スペース化が可能になるとともに、配線数を大幅に削減することができるのである。
【0039】
ここで端末処理ブロックのラッチングリレー25のリレー駆動回路20、多重伝送信号受信回路21、多重伝送信号処理部22、電源回路23、状態監視回路24を実装した伝送・制御用回路基板31と、アドレス設定部26の機能について概略的に説明する。
【0040】
ラッチングリレー25は2巻線の磁気保持型ラッチングリレーからなり、リレー駆動回路20によりセットコイル又はリセットコイルに1ショットで励磁電流が流れると、反転動作して、主開閉接点Sを現在の状態から反転動作させ、その動作状態を励磁電流が無くなっても永久磁石により保持し、この永久磁石の保持状態を解除する方向の励磁電流がセットコイル又はリセットコイルに流れると反転動作を行い、その動作状態を保持するものであり、実施形態のラッチングリレー25は主開閉接点Sの開閉容量が例えば20Aのように大電流に対応するようになっており、2つの主開閉接点ブロック25B、25Bに夫々1回路の主開閉接点部を備えて全体で1回路両切り型のラッチングリレーを構成している。
【0041】
電源回路23は伝送信号Vsを整流して回路部の電源を得るとともに、ラッチングリレー25の駆動電源を得るためのものである。多重伝送信号送受信回路21は伝送信号Vsを受信して多重伝送信号処理部22へ送るとともに、多重伝送信号処理部22からの返信データに基づいて所定のインピーダンスを介して信号線3を短絡し、電流モードの返信信号を送信する機能を持つ。多重伝送信号処理部22はアドレス設定部26の設定アドレス及び設定負荷番号に一致するアドレスデータADを持つ伝送信号Vsが受信されると制御データCDを取り込み、制御データCDに基づいてリレー駆動回路20を通じてラッチングリレー25を動作させる。またラッチングリレー25の動作データを状態監視回路24を通じて取り込み、監視データとして多重伝送信号送受信回路21より返信信号により返信させる機能を備えている。
【0042】
ところで負荷接続端子19、19は電源が接続されるため,人が触れることができないように図13に示す透明な樹脂製の端子カバー51で図14(a)(b)に示すように負荷接続端子19、19の配置部位を被蔽するようにしても良い。この場合端子カバー51の一端部の両側より突出せる突起51aをボディ11とカバー12に夫々形成した係止凹部52に係止させるとともに、ボディ11とカバー12に対向突設した小突起53で端子カバー51を押さえるようにして端子カバー51を固定するようになっている。
【0043】
(実施形態2)
前記実施形態1では負荷接続端子19としてねじ締め型の端子を用いているが図15,図16に示すように鎖錠ばね54と、端子板55とで構成される速結端子を用いても良い。この速結端子は隔壁体17に設けたカバー部17aに形成せる電線挿入孔56より挿入される電線の芯線を鎖錠ばね54と端子板55の間で鎖錠して電気的機械的に接続固定するもので、接続状態を解除するには解除釦58を窓孔57を介して外部よりドライバーなどの治具で押すことにより、解除釦56で鎖錠ばね54を撓ませ、端子板55との鎖錠状態を解除することにより行う。
【0044】
(実施形態3)
本実施形態は、図17乃至図19に示すように、ラッチングリレー25として1つの主開閉接点ブロック25Bを持つ片切り型のものを用いた点で実施形態1と相違するものである。すなわち、負荷と電源との間の給電経路の1箇所にのみ接点を挿入するものであり、いわゆる片切型の構成を備える。本実施形態の場合には負荷接続端子19は2個設けられることになる。他の構成および動作は実施形態1と同様であるので説明は省略する。
【0045】
尚実施形態2の端子構成を用いても勿論良い。
【0046】
(実施形態4)
上述した各実施形態の制御用リレー端末器1’を分電盤などの定位置に固定する際には、図20に示す形状の取付ベース60を用いる。また、器体10としては、長手方向の一端面の下部に固定凹所61が形成され、長手方向の他端面の下部に示すような固定孔62が形成されたものを用いる。固定孔62の中には平型の接続端子片63が挿入接続される端子64が配設される。この端子64はファストン端子として知られているものであり、信号線接続端子16に対してリード線48を用いて接続されている。つまり、器体10には信号線3に接続される信号線接続端子16と、信号線接続端子16に電気的に接続された端子64とが設けられることになる。
【0047】
取付ベース60は大部分が板金を用いて形成されており、単位寸法の1個の器体10に対して1組の接続端子片63および固定爪65を備えた構成を有する。固定爪65は上述した固定凹所61に係合する。つまり、接続端子片63が固定孔62の中に配置された端子64に挿入され、かつ固定爪65が固定凹所61に係合することによって、接続端子片63と固定爪65との間で器体10を保持することができる。固定爪65は弾性を有する金属線材を用いて形成されたレバー体66の一部に設けたものであり、レバー体66の撓みを利用して器体10の固定凹所61に対して固定爪65を係脱することができるようになっている。接続端子片63と固定爪65との間には複数箇所で載置片67が設けられており、図21(a)に示すように接続端子片63を固定孔62に挿入した後、図21(b)に示すように器体10を載置片67の上に載せるように取付ベース60に向かって押し付けると、固定爪65が固定凹所61に係合し、取付ベース60に器体10が固定されるのである。
【0048】
ところで、取付ベース60に設けた接続端子片63は、図22に示すように、合成樹脂のような絶縁材料よりなる突台67から横方向に突設されており、取付ベース60の他の部位とは絶縁されている。また、上述した端子64は2個設けられており、各端子64に対応するように接続端子片63も2個設けられている。さらに、取付ベース60は複数個の器体10を並設することができるように、上述した構成のものを単位構成として複数個が連結された形になっている。つまり、隣接する単位構成のものが薄肉の切り離し溝60aを介して結合されており、さらに接続端子片63同士も薄肉の切り離し部68aを備えた導電板68によって電気的に接続されている。このように、単位構成のものが機械的強度を他の部位よりも小さくした切り離し溝60aや切り離し部68aを介して連結されているのである。したがって、上述した単位構成を多数個連結した状態で取付ベース60を供給し、器体10を並設する個数に応じて取付ベース60を適宜箇所で切り離して用いることができる。また、隣接する器体10の端子64に接続される接続端子片63同士を導電板68を介して電気的に接続しているから、伝送線Lsの送り配線を導電板68を用いて行なうことができることになる。つまり、端子16に信号線3を接続して送り配線を行なうのではなく、導電板68を介して送り配線を行なうから、送り配線について結線作業が不要であり、結果的に配線施工が容易になる。
【0049】
要するに、接続端子片63は器体10を取付ベース60に機械的に固定する機能と、信号線3に電気的に接続されることを利用して送り配線の省力化を行な う機能とを備えるのである。なお、導電板68は切り離し部68aを除いて絶縁材によって覆ってあり、異物の付着などによる信号線3の短絡を防止している 。
【0050】
(実施形態5)
上述した各実施形態では、1個モジュール寸法の器体10に1個のラッチングリレー25を納装した例を示したが、上述のように負荷番号を指定することにより、同じアドレスで4個まで負荷を制御することが可能であるから、1つの器体10に4個のラッチングリレー25を納装することが考えられる。本実施形態はこのような要求に対応するものであり、図23乃至図26に示すように、図1に示した実施形態1と同様の両切り型のラッチングリレー25を用いた構成を基本構成とし、ボディ11とカバー12との間にセパレータ70を介在させることで、器体10の寸法を拡張したものである。
【0051】
セパレータ70は、ボディ11との対向面側がボディ11とともにラッチングリレー25の収納空間を形成できる形状に形成され、カバー12との対向面側がカバー12とともにラッチングリレー25の収納空間を形成できる形状に形成されている。したがって、セパレータ70同士の間にもラッチングリレー25の収納空間を形成することができる。このような形状のセパレータ70を用いると、セパレータ70を設けた数だけ器体10に設けるラッチングリレー25の個数を増加させることができる。ただし、負荷番号は2ビットであるから、ラッチングリレー25を1つの器体10の中に設ける個数は4個を最大とする。
【0052】
ここで1つの端末処理ブロックのリレー駆動回路20は破線で示す分を含めて計4個のラッチングリレー25を制御することができる。そこで、セパレータ70には回路基板30に対応する部位にセパレータ70の両面に貫通した切欠部71を形成している。この切欠部71は開口窓17に対応する部位に形成されている。しかして、回路基板30として器体10の中のすべての収納空間(各ラッチングリレー25を収納する空間)に跨がる寸法を有したものを用い、各収納空間に配置された回路基板31の端子群28を夫々に対応して設けた挿入孔群29に接続して電気的に接続を行なう。この構成を採用すれば、個々の収納空間に回路基板30を配置する場合よりも組立作業が容易になるのである。
【0053】
またカバー13も各器体10の中のすべての収納空間(各ラッチングリレー25を収納する空間)に跨がる寸法に対応したものを用い、一対の信号線接続端子16、16を取着し、また各ラッチングリレー25の手動操作片38を露出させる開口窓39を設け、更に回路基板30に実装しているアドレス設定部26を構成するディップスイッチ27aの操作部を露出させる開口窓45aを開口している。また銘板46も各器体10の中のすべての収納空間(各ラッチングリレー25を収納する空間)に跨がる寸法を有したものを用い、各ラッチングリレー25の手動操作片38を露出させる窓46a、及びディップスイッチ27aの操作部を露出させる窓46bを開口して有る。
【0054】
ところで、本実施形態では4回路分のラッチングリレー25を設けているから、負荷番号の選択が不要になっている。したがって、ディップスイッチはアドレスの設定用のみになり、信号線3を接続する信号線接続端子16も4回路で共通になり、1対だけ設けてある。
【0055】
尚その他の構成は基本的には実施形態1と同じであるから,同じ部材には同じ番号,記号を付し説明は省略する。図25はカバー12を外した状態を示す図であり、図26は更に隔壁体17を外した状態を示す図である。
【0056】
而して本実施形態の構成を採用すれば、任意個数のラッチングリレー25を器体10に収納することができ、しかもラッチングリレー25の個数にかかわらず同形状のセパレータ70を用いることができる。つまり、部品の共用化によって部品コストを低減することができる。
【0057】
端子構成として実施形態2の構成を、また分電盤取り付け構成を実施形態4の構成を採用しても良い。
【0058】
(実施形態6)
本実施形態は、図27、図28に示すように、実施形態5の構成を実施形態3と同様の片切り型のラッチングリレー25を用いたもので、4回路分のラッチングリレー25を器体10に納装してある。他の構成は実施形態5と同様であり、同一符号を付した部材は同様の機能を有するものである。
【0059】
また端子構成として実施形態2の構成を、また分電盤取り付け構成を実施形態4の構成を採用しても良い。
【0060】
(実施形態7)
ところで、上述した各実施形態では、アドレスおよび負荷番号をディップスイッチにより設定していたが、EEPROMのような書き換え可能な不揮発性メモリをアドレス設定部26として用い、外部よりアドレス、負荷番号以外に、個別制御、パターン制御、グループ制御などの制御機能データも設定登録できるようにしたのが本実施形態である。
【0061】
本実施形態は実施形態1と同様に1個の両切型のラッチングリレー25を1個モジュールの器体10内に収納したもので、端末処理ブロックとしては、図29に示すようにEEPROMからなるアドレス設定部26と、このアドレス設定部26に機能データを書き込んだり、メモリに書き込まれている機能データを読み出すために、光ワイヤレス信号を送受信するためのワイヤレス信号送受信回路部80を設けてあり、多重伝送信号処理部22は外部の設定器81から光ワイヤレス信号を受信すると設定器81からの指示に応じて、アドレス設定部26に機能データを書き込んだり、書き込まれている機能データを設定器81に返送したりする。つまり、設定器81からの光ワイヤレス信号は、登録モード、確認モード、修正モードがあり、登録モードでは機能データをアドレス設定部26に書き込むことを指示し、確認モードでは機能データを読み出して設定器81に表示させ、修正モードでは機能データを読み出して設定器81に表示させた後に別の機能データに修正してアドレス設定部26に書き込むことを指示する。
【0062】
本実施形態ではアドレス設定部26を構成するEEPROMは回路基板31に実装され、ワイヤレス信号送受信回路80を構成する発光素子LEDaや受光素子PDを回路基板30に実装して図30、図31に示すようにディップスイッチに代えてカバー13に形成した開口部82を通じて銘板46の窓46dに望ませてある。また。ワイヤレス信号送受信回路80には光ワイヤレス信号を受信したことを発光表示させる発光素子LEDbもカバー13に形成した開口部82を通じて銘板46の窓46eに臨ませてある。
【0063】
このような構成を採用すれば、アドレスや負荷番号の設定はもちろんのこと、上述した各種機能の設定も光ワイヤレス信号を用いて行なうことができるから、同種製品を各種機能に共用することができ、しかもディップスイッチを操作する場合に比較すると、設定作業が容易になるのである。
【0064】
尚その他の構成は実施形態1と同じである。また端子構成として実施形態2の構成を、また分電盤取り付け構成を実施形態4の構成を採用しても良い。
(実施形態8)
本実施形態は、実施形態3と同様の片切り型のラッチングリレー25に適用した1回路型のもので、片切り型のラッチングリレー25に対応して図32に示すように1対の負荷接続端子19、19を設けてある。ワイヤレス信号送受信回路80周りの構成は実施形態7と同様であり、その他の構成は実施形態3と同じである。
【0065】
尚端子構成として実施形態2の構成を、また分電盤取り付け構成を実施形態4の構成を採用しても良い。
(実施形態9)
上述した実施形態7、8では、1個モジュール寸法の器体10に1個のラッチングリレー25を納装した例を示したが、本実施形態は、実施形態7と同様の両切り型のラッチングリレー25を4個、4個モジュール寸法の1つの器体10に納装した4回路用のもので、図33,図34に示すようにワイヤレス信号送受信回路80周りの構成は実施形態7と同様であり、その他の構成は実施形態5と同じである。本実施形態の場合、アドレス設定部26にEEPROMを用いるため各ラッチングリレー25毎に同一アドレスにおける負荷番号を割り付けるのではなく、異なるアドレスを設定することができる。
(実施形態10)
上述した実施形態9では、両切り型のラッチングリレー25を4個、4個モジュール寸法の1つの器体10に納装した4回路用のものであるが、本実施形態は片切り型のラッチングリレー25を4個、4個モジュール寸法の1つの器体10に納装した4回路用のものであり、図35に示すようにワイヤレス信号送受信回路80周りの構成は実施形態7と同様であり、その他の構成は実施形態6と同様である。
【0066】
本実施形態の場合も、アドレス設定部26にEEPROMを用いるため各ラッチングリレー25毎に同一アドレスにおける負荷番号を割り付けるのではなく、異なるアドレスを設定することができる。
【0067】
尚端子構成として実施形態2の構成を、また分電盤取り付け構成を実施形態4の構成を採用しても良い。
【0068】
(実施形態11)
前記各実施形態3或いは6(同様に実施形態8、10)では片切り型のラッチングリレー25を用いているため、1個のラッチングリレー25に対して負荷接続端子19は2個設けられた構成であるが、隔壁体17においては、両切り型のラッチングリレー25に対応して4個の負荷接続端子19を設けることができるようになっている。
【0069】
そこで片切り型のラッチングリレー25を用いた場合に、余る端子取付スペースを送り端子の取り付けスペースとして用いるようにしたのが本実施形態である。
【0070】
図36〜図38に示すものは実施形態3の構成を基本構成として、図示するように送り端子90、90’を設けたもので、下段側に設けられる端子が負荷接続端子19、19であり、上段側に設けられる端子が送り端子90、90’であり、一方の送り端子90’と負荷接続端子19は夫々の端子ねじ34が締結される端子板33b同士が連結片91で一体連結されたものを用いてある。
【0071】
図39、図40に示すものは実施形態6の構成を基本構成として、図示するように送り端子90、90’を設けたもので、各ラッチングリレー25に対応する端子配置部において下段側に設けられる端子が負荷接続端子19、19であり、上段側に設けられる端子が送り端子90、90’であり、前記の場合と同様に一方の送り端子90’と負荷接続端子19は夫々の端子ねじ34が締結される端子板33b同士が連結片91で一体連結されたものを用いる。
【0072】
このようにして構成される本実施形態は、送り端子90、90’を設けることにより、結線作業の向上を図ることができる。
【0073】
尚本実施形態の構成は実施形態8、10の実施形態に用いることができる。
【0074】
(実施形態12)
前記実施形態7〜11では光ワイヤレス信号を用いてデータ設定を行うようにしているが、図41に示すようにワイヤード信号を送受信する送受信回路83を備え、ワイヤード設定器85からの伝送信号線86のプラグ87を図42に示すように器体10の表面に設けたプラグさし込み口84にさし込むことによりワイヤード設定器85との間でデータの授受を行えるようにしたものである。本実施形態の構成を用いれば、近接する端末器に影響を与えることなくデータ設定ができる。勿論片切,両切の何れのラッチングリレーを用いても良く,また4回路型にも適用しても良く,更に実施形態7〜11の構成に併設するようも良い。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明は、伝送ユニットに端末器を信号線を介して接続し、伝送ユニットから伝送される多重伝送信号により端末器のアドレスをアクセスして伝送ユニットから制御用のデータを当該アドレスの端末器に伝送するとともに、多重伝送信号に設けられた返信信号返信期間において当該アドレスの端末器から監視用のデータを伝送ユニットに返信させることにより端末器の遠隔監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、1乃至複数の1回路用のラッチングリレーと、前記伝送ユニットからの多重伝送信号を受信するとともに返信信号を送信する多重伝送信号送受信回路、アドレス設定部、受信する多重伝送信号により前記アドレス設定部で設定されたアドレスがアクセスされると多重伝送信号の制御データを読み取り、制御データに基づいて、前記ラッチングリレーを制御駆動する多重伝送信号処理部、前記ラッチングリレーの駆動電源及び各部の電源を多重伝送信号から得る電源回路からなる端末処理ブロックとを少なくとも分電盤協約型寸法の単位モジュールで形成した器体内に収納し、前記器体の一端部には前記信号線を接続する信号線接続端子を設けるとともに、他端には前記ラッチングリレーの主開閉接点の両端が接続される対の負荷接続端子を前記器体内に収納される前記ラッチングリレーの数に対応して設け、前記器体は、当該器体3方向の寸法のうち最小寸法となる方向において分割されて互いに突き合わせ、結合されるボディ及び第1のカバーと、前記ボディと前記カバーとを突き合わせた状態で表面側に形成される開口部に被着されるとともに、前記信号線接続端子を装着する端子配設部を備えた第2のカバーとで少なくとも構成され、前記ボディと、前記第1のカバーとの間の収納空間に前記ラッチングリレー及び前記端末処理ブロックを収納し、前記端未処理ブロックは、前記多重伝送信号受信回路、前記多重伝送信号処理部、及び前記電源回路を実装した伝送・制御用回路基板と、前記アドレス設定部を実装し前記伝送・制御用回路基板と連結される回路基板とで構成され、前記回路基板は、前記開口部を通して、前記ラッチングリレー及び前記伝送・制御用回路基板が収納された前記収納空間に収納されて前記伝送・制御用回路基板と連結され、前記第2のカバーは、前記回路基板が前記収納空間に収納された状態で前記開口部に被着されていることを特徴とするので、1乃至複数回路のリレー端末器を、従来の端末器と連接することができ、しかも施工性が良く、更にリレーを外付けする場合に比べて取付スペースが少なく、またトランスを併設する必要がないため分電盤への取り付けが容易であるという効果がある。
【0076】
また、器体を構成するボディと第1のカバーとは3方向の寸法のうち最小寸法となる方向において分割され、しかも信号線接続端子を第2のカバーに装着しているから、器体内に端末処理ブロックやラッチングリレーを収納する作業が容易になり、組立性がよいという効果がある。
【0077】
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記ボディと前記第1のカバーバーとの間に介装されることにより前記ボディ及び前記第1のカバーバーとともに器体を形成しかつ一面側が前記ボディとの間で収納空間を形成可能な形状に形成され他面側が前記カバーとの間で収納空間を形成可能な形状に形成されたセパレータを少なくとも1個備え、複数組の端末処理ブロックおよびラッチングリレーがセパレータを介して配設されているので、ボディとセパレータ、セパレータ同士、セパレータとカバーとの間にそれぞれラッチングリレーを収納する収納空間を形成することができ、セパレータを適宜個数設けることによって複数個のラッチングリレーを備えた器体を構成することができ、しかも、ラッチングリレーの個数にかからわず同一種類のセパレータの個数を増減するだけで対応することができ、多品種を製造するに際しても設備費の増加が少なく、また在庫管理も容易になるという効果がある。
【0078】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記ラッチングリレーは、前記伝送・制御用回路基板に実装されているので、ラッチングリレーが寿命となっても、前記回路基板を流用することができ、しかもラッチングリレーを端末処理ブロックの主要部の前記伝送・制御用回路基板に実装することにより、組み立て性の向上と、部材ブロックの小型化が図れるという効果がある。
【0079】
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかの発明において、前記ラッチングリレーと前記収納空間の内周面との間の適所に前記ラッチングリレーの励磁コイルブロック収納部分に弾接する板ばねよりなる緩衝ばねが介装されているので、器体内にラッチングリレーを組み込むに際して器体の内面の一部にラッチングリレーを当接させるように緩衝ばねのばね力を作用させることで、ラッチングリレーを固定することができ、ラッチングリレーの器体内での固定作業が容易になるという効果があり、しかも、ラッチングリレーの衝撃を緩衝ばねが緩和し、しかも主開閉接点ブロック側の動作時に生じる音が直接器体へ伝達されのを抑制でき、ラッチングリレーの動作音を低減させることができるという効果がある。
【0080】
請求項の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記ラッチングリレーの出力用の端子、負荷接続端子との間の接続を編組線により行うので、ラッチングリレーで生じる音の外部への伝達を小さくすることができるとともに、配線に融通性をもたらし、組み立て作業が容易となるという効果がある。
【0081】
請求項の発明は、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記アドレス設定部をディップスイッチで構成し、該ディプスイッチの操作部を前記器体の表面に露出させてあるので、設定アドレスが外部から一目で確認できるという効果がある。
【0082】
請求項の発明は、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記アドレス設定部は、前記アドレスを含む機能データを記憶保持するメモリと、前記メモリに書き込まれる機能データを含んだ外部からの信号を受信する受信手段とを備え、前記信号を受信すると前記メモリに機能データを記憶保持させるので、端末回路の動作をメモリに格納する機能データにより変更することができ、同一製品を用いながらも施工目的に応じた動作の設定が可能になり、しかもアドレスの設定に際して機械的スイッチを操作する場合に比較すると個々の端末器に触れる必要がなく、端末器の施工後でもアドレスを容易に設定することができ、更に複数のラッチングリレーを内蔵する場合に、夫々のラッチングリレーに異なるアドレスを設定することも可能となるという効果がある。
【0083】
請求項の発明は、請求項1乃至の何れの発明において、前記ラッチングリレーの主開閉接点を手動で開閉する手動操作手段を器体表面に露出させので、手動操作手段によってラッチングリレーを強制的に開閉することができ、システムダウンにおいても、負荷の強制的なオンオフが可能となるという効果がある。
【0084】
請求項の発明は、請求項1乃至の何れの発明において、前記ラッチングリレーの手動操作手段の移動に共動して主開閉接点の開閉状態を表示する表示手段を設けたので、負荷のオン・オフ状態を容易に確認することができるという効果がある。
【0085】
請求項10の発明は、請求項1乃至の何れの発明において、少なくとも前記負荷接続端子を速結端子で構成してあるので、負荷や電源を接続するのが容易に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の分解斜視図である。
【図2】(a)は同上の一側面図である。
(b)は同上の正面図である。
(c)は同上の下面図である。
(d)は同上の他側面図である。
【図3】同上の回路ブロック図である。
【図4】同上に用いる負荷接続端子との接続状態をラッチングリレーの側面図である。
【図5】(a)は同上に用いるラッチングリレーの一側面図である。
(b)は同上に用いるラッチングリレーの正面図である。
(c)は同上に用いるラッチングリレーの下面図である。
(d)は同上に用いるラッチングリレーの他側面図である。
【図6】同上に用いるラッチングリレーの手動操作片と表示シートの関係説明図である。
【図7】(a)は同上に用いる緩衝ばねの側面図である。
(b)は同上に用いる緩衝ばねの上面図である。
(c)は同上に用いる緩衝ばねの正面図である。
【図8】同上に用いるラッチングリレーの固定手順の説明図である。
【図9】同上の第1のカバーを外した状態の拡大下面図である。
【図10】(a)は同上に用いるラッチングリレーを第1の回路基板に実装した状態の側面図である。
(b)は同上に用いるラッチングリレーを第1の回路基板に実装した状態の上面図である。
【図11】(a)は同上の第2のカバーを外した状態の正面図である。
(b)は同上の第2のカバーを外した状態の一側面図である。
【図12】同上を用いた配線施工を示す結線図である。
【図13】同上の他例として用いる端子カバーの平面図である。
【図14】(a)は同上の他例の正面図である。
(b)は同上のカバーを外した状態の下面図である。
【図15】(a)は本発明の実施形態2の一側面図である。
(b)は同上の正面図である。
(c)は同上の下面図である。
(d)は同上の他側面図である。
【図16】同上の第1のカバー及び隔壁体を外した状態の拡大下面図である。
【図17】本発明の実施形態3の分解斜視図である。
【図18】(a)は同上の一側面図である。
(b)は同上の正面図である。
(c)は同上の下面図である。
(d)は同上の他側面図である。
【図19】(a)は同上に用いるラッチングリレーを第1の回路基板に実装した状態の側面図である。
(b)は同上に用いるラッチングリレーを第1の回路基板に実装した状態の上面図である。
【図20】本発明の実施形態4を取付ベースに固定した状態の一部破断せる下面図である。
【図21】同上の取付ベースへの取付手順を示す説明図である。
【図22】(a)は同上に用いる取付ベースの平面図である。
(b)は同上に用いる取付ベースの側面図である。
【図23】本発明の実施形態5の分解斜視図である。
【図24】(a)は同上の一側面図である。
(b)は同上の正面図である。
(c)は同上の下面図である。
(d)は同上の他側面図である。
【図25】同上の第1のカバーを外した状態の拡大下面図である。
【図26】同上の第1のカバー及び隔壁体を外した状態の拡大下面図である。
【図27】本発明の実施形態6の分解斜視図である。
【図28】(a)は同上の一側面図である。
(b)は同上の正面図である。
(c)は同上の下面図である。
(d)は同上の他側面図である。
【図29】本発明の実施形態7の回路ブロック図である。
【図30】同上の正面図である。
【図31】同上の第1のカバーを外した状態の拡大下面図である。
【図32】本発明の実施形態8の正面図である。
【図33】本発明の実施形態9の第1のカバーを外した状態の拡大下面図である。
【図34】同上の正面図である。
【図35】本発明の実施形態10の正面図である。
【図36】本発明の実施形態11の1回路型の例の分解斜視図である。
【図37】同上の1回路型の例の正面図である。
【図38】同上の要部説明図である。
【図39】同上の4回路型の例の分解斜視図である。
【図40】同上の4回路型の例の正面図である。
【図41】本発明の実施形態12の回路ブロック図である。
【図42】同上の正面図である。
【図43】遠隔制御監視システムの基本的な概略構成図である。
【図44】同上に用いる伝送信号の説明図である。
【符号の説明】
10 器体
11 ボディ
12 カバー
13 カバー
15 かしめ鋲
16 信号線接続端子
17 隔壁体
17’隔壁
18 端子配設部
19 負荷接続端子
25 ラッチングリレー
31 回路基板
32 回路基板

Claims (10)

  1. 伝送ユニットに端末器を信号線を介して接続し、伝送ユニットから伝送される多重伝送信号により端末器のアドレスをアクセスして伝送ユニットから制御用のデータを当該アドレスの端末器に伝送するとともに、多重伝送信号に設けられた返信信号返信期間において当該アドレスの端末器から監視用のデータを伝送ユニットに返信させることにより端末器の遠隔監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、
    1乃至複数の1回路用のラッチングリレーと、
    前記伝送ユニットからの多重伝送信号を受信するとともに返信信号を送信する多重伝送信号送受信回路、アドレス設定部、受信する多重伝送信号により前記アドレス設定部で設定されたアドレスがアクセスされると多重伝送信号の制御データを読み取り、制御データに基づいて、前記ラッチングリレーを制御駆動する多重伝送信号処理部、前記ラッチングリレーの駆動電源及び各部の電源を多重伝送信号から得る電源回路からなる端末処理ブロックとを少なくとも分電盤協約型寸法の単位モジュールで形成した器体内に収納し、
    前記器体の一端部には前記信号線を接続する信号線接続端子を設けるとともに、他端には前記ラッチングリレーの主開閉接点の両端が接続される対の負荷接続端子を前記器体内に収納される前記ラッチングリレーの数に対応して設け、
    前記器体は、当該器体3方向の寸法のうち最小寸法となる方向において分割されて互いに突き合わせ、結合されるボディ及び第1のカバーと、前記ボディと前記カバーとを突き合わせた状態で表面側に形成される開口部に被着されるとともに、前記信号線接続端子を装着する端子配設部を備えた第2のカバーとで少なくとも構成され、
    前記ボディと、前記第1のカバーとの間の収納空間に前記ラッチングリレー及び前記端末処理ブロックを収納し、
    前記端未処理ブロックは、前記多重伝送信号受信回路、前記多重伝送信号処理部、及び前記電源回路を実装した伝送・制御用回路基板と、前記アドレス設定部を実装し前記伝送・制御用回路基板と連結される回路基板とで構成され、
    前記回路基板は、前記開口部を通して、前記ラッチングリレー及び前記伝送・制御用回路基板が収納された前記収納空間に収納されて前記伝送・制御用回路基板と連結され、
    前記第2のカバーは、前記回路基板が前記収納空間に収納された状態で前記開口部に被着されていることを特徴とする遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  2. 前記ボディと前記第1のカバーとの間に介装されることにより前記ボディ及び前記第1のカバーとともに器体を形成しかつ一面側が前記ボディとの間で収納空間を形成可能な形状に形成され他面側が前記第1のカバーとの間で収納空間を形成可能な形状に形成されたセパレータを少なくとも1個備え、複数組の端末処理ブロックおよびラッチングリレーがセパレータを介して配設されていることを特徴とする請求項1記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  3. 記ラッチングリレーは、前記伝送・制御用回路基板に実装されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  4. 前記ラッチングリレーと前記収納空間の内周面との間の適所に前記ラッチングリレーの励磁コイルブロック収納部分に弾接する板ばねよりなる緩衝ばねが介装されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  5. 前記ラッチングリレーの出力用の端子と、負荷接続端子との間の接続を編組線により行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  6. 前記アドレス設定部をディップスイッチで構成し、該ディプスイッチの操作部を前記器体の表面に露出させて成ることを特徴とする請求項1乃至5の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  7. 前記アドレス設定部は、前記アドレスを含む機能データを記憶保持するメモリと、前記メモリに書き込まれる機能データを含んだ外部からの信号を受信する受信手段とを備え、前記信号を受信すると前記メモリに機能データを記憶保持させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  8. 前記ラッチングリレーの主開閉接点を手動で開閉する手動操作手段を器体表面に露出させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  9. 前記ラッチングリレーの手動操作手段の移動に共動して主開閉接点の開閉状態を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
  10. 少なくとも前記負荷接続端子を速結端子で構成して成ることを特徴とする請求項1乃至9の何れか記載の遠隔監視制御システムのリレー端末器。
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