JP4311800B2 - 各々粒子サイズの異なる第1および第2凝結体を有するシリカを含有するゴム組成物 - Google Patents

各々粒子サイズの異なる第1および第2凝結体を有するシリカを含有するゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各々粒子サイズの異なる第1および第2凝結体を有するシリカを含有するゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
極小物質は、直径1〜30ナノメートルの大きさの粒子である。ゴムに極小物質を用いることは知られている。例えば、米国特許第4,644,988号には、N103と呼ばれる高組織カーボンブラックおよび20ナノメートルより小さい粒子で強化されたスチレン−ブタジエンコポリマーゴムを含むタイヤトレッドコンパウンドが開示されている。さらに、米国特許第4,474,908号からは、最終粒子サイズ15〜30ナノメートルの珪酸質充填材がゴムに用いられていることが分かる。そのような極小物質をゴムに用いる1つの利点は、耐トレッド摩耗性を改善することである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
都合の悪いことには、極小物質をゴム組成物に混合すると、そのような極小物質は再凝集し、従って、個々の粒子サイズが大きくなる傾向があり、その結果、これらを加える利点が減少してしまう。さらに、より大きな粒子(直径>100ナノメートル)の代わりに極小物質の量をしだいに増加すると、ゴムはよりヒステリシス的になる。
【0004】
日本の未審査請求特許出願第8−133720号には、(a)平均粒子サイズ60μm以上および粒子硬度10〜30gの沈降シリカ粉末100%と、平均粒子サイズ20μm未満の沈降シリカ粉末5〜30%とを混合すること、並びに(b)粒状化することを含む、沈降シリカ粒状体の製造法が開示されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各々粒子サイズの異なる2種類の凝結体を有する沈降シリカを含有し、シリカの細孔サイズ分布が水銀多孔度測定法により測定して単一モードである、ゴム組成物に関する。
【0006】
(a) オレフィン系不飽和を含む少なくとも1種のゴム 100重量部;並びに
(b) 第1および第2凝結体を有する沈降シリカ 1〜250phr、ここで、
(1) 第1凝結体は、シリカの全重量%の10〜90重量%であり、直径5〜15ナノメートルの小さい粒子より本質的になり;
(2) 第2凝結体は、シリカの全重量%の90〜10重量%であり、直径17〜30ナノメートルの小さい粒子から本質的になり;そして
(3) シリカの細孔サイズ分布は、水銀多孔度測定法により測定して、単一モードである
を混合することを含む充填材含有ゴム組成物の製造方法を開示する。
【0007】
さらに、
(a) オレフィン系不飽和を含む少なくとも1種のゴム 100重量部;並びに
(b) 第1および第2凝結体を有する沈降シリカ 1〜250phr、ここで、
(1) 第1凝結体は、シリカの全重量の10〜90重量%であり、直径5〜15ナノメートルの小さい粒子より本質的になり;
(2) 第2凝結体は、シリカの全重量の90〜10重量%であり、直径17〜30ナノメートルの小さい粒子から本質的になり;そして
(3) シリカの細孔サイズ分布は、水銀多孔度測定法により測定して、単一モードである
を含む充填材を含有するゴム組成物を開示する。
【0008】
本発明は、オレフィン系不飽和を含む硫黄加硫性ゴムまたはエラストマーの製造に用いうる。”オレフィン系不飽和を含むゴムまたはエラストマー”とは、天然ゴムおよびその様々な未加工形および再生形、並びに各種合成ゴムを包含するものである。本発明の説明において、用語”ゴム”および”エラストマー”は特に断りがなければ互換性がある。用語”ゴム組成物”、”配合ゴム”および”ゴムコンパウンド”は互換性があり、各種成分および材料とブレンドまたは混合したゴムを指し、そしてそのような用語はゴムの混合またはゴムの配合分野における当業者には周知である。代表的な合成ポリマーは、ブタジエンのホモ重合生成物、その同族体および誘導体、例えば、メチルブタジエン、ジメチルブタジエンおよびペンタジエン、並びにコポリマー、例えばブタジエンまたはその同族体および誘導体と他の不飽和モノマーとから形成されるものである。後者の中には、アセチレン類、例えばビニルアセチレン;オレフィン、例えば、イソプレンと共重合してブチルゴムを形成するイソブチレン;ビニル化合物、例えばアクリル酸、アクリロニトリル(ブタジエンと重合してNBRを形成する)、メタクリル酸およびスチレン(ブタジエンと重合してSBRを形成する)、並びにビニルエステルおよび各種不飽和アルデヒド、ケトンおよびエーテル、例えば、アクロレイン、メチルイソプロペニルケトンおよびビニルエチルエーテルがある。合成ゴムの具体例は、ネオプレン(ポリクロロプレン)、ポリブタジエン(シス−1,4−ポリブタジエンを含む)、ポリイソプレン(シス−1,4−ポリイソプレンを含む)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、例えばクロロブチルゴムまたはブロモブチルゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、1,3−ブタジエンまたはイソプレンとスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレートのようなモノマーとのコポリマー、並びにエチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)としても公知のエチレン/プロピレンターポリマー、特に、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーである。用いうるゴムのさらなる例は、珪素結合およびスズ結合星型分枝ポリマーである。好ましいゴムまたはエラストマーはポリブタジエンおよびSBRである。
【0009】
1つの側面では、ゴムは、少なくとも2種のジエンに基づくゴムであるのが好ましい。例えば、シス−1,4−ポリイソプレンゴム(天然または合成、天然の方が好ましい)、3,4−ポリイソプレンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、乳化重合および溶液重合誘導スチレン/ブタジエンゴム、シス−1,4−ポリブタジエンゴム、および乳化重合で製造されるブタジエン/アクリロニトリルコポリマーのような2種以上のゴムの組み合わせが好ましい。
【0010】
本発明の1つの側面では、結合スチレンが約20〜28%の比較的に一般的なスチレン含有率の乳化重合誘導スチレン/ブタジエン(E−SBR)あるいは、ある用途に対しては、結合スチレン含有率が中程度ないし比較的高い、すなわち、結合スチレン含有率が約30〜約45%のE−SBRを用いうる。
【0011】
E−SBRの場合、約30〜約45%の比較的高いスチレン含有率が、タイヤトレッドのけん引力またはスキッド抵抗を高めるのに有利であると考えられる。特に、溶液重合で製造されたSBR(S−SBR)を利用するのと比べて、E−SBR自体の存在は、未硬化エラストマー組成物混合物の加工性を高めるのに有利であると考えられる。
【0012】
乳化重合で製造されたE−SBRとは、スチレンおよび1,3−ブタジエンを水性エマルジョンとして共重合したものを意味する。そのようなものは本技術分野における当業者には周知である。結合スチレン含有率は、例えば、5〜50%で変えることができる。1つの側面では、E−SBRはまたアクリロニトリルを含有していて、例えば、ターポリマー中に約2〜約30重量%の量の結合アクリロニトリルを含有していて、E−SBARのようなターポリマーゴムを形成していてもよい。
【0013】
コポリマー中に約2〜約40重量%の結合アクリロニトリルを含有する乳化重合で製造されたスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルコポリマーゴムも、本発明で用いるためのジエンに基づくゴムとして考えられる。
【0014】
溶液重合で製造されたSBR(S−SBR)は一般に、結合スチレン含有率が約5〜約50%、好ましくは約9〜約36%である。S−SBRは、例えば、有機炭化水素溶媒の存在下、有機リチウム触媒作用によって都合よく製造することができる。
【0015】
S−SBRを用いるのは、これをタイヤトレッド組成物に用いると、ヒステリシスが低下して、タイヤの転がり抵抗が改善されるからである。
3,4−ポリイソプレンゴム(3,4−PI)は、これをタイヤトレッド組成物に用いると、タイヤのけん引力を高めるため有利であると考えられる。3,4−PIおよびその使用については米国特許第5,087,668号(参照することによってここに記載されたものとする)にさらに詳しく記載されている。Tgとは、10℃/分の加熱速度で示差走査熱量計によって都合よく測定することができるガラス転移温度を意味する。
【0016】
シス−1,4−ポリブタジエンゴム(BR)は、タイヤトレッドの耐摩耗性、すなわち耐トレッド摩耗性を高めるために有利であると考えられる。そのようなBRは、例えば、1,3−ブタジエンの有機溶液重合によって製造することができる。そのようなBRは、例えば、シス−1,4−含有率が少なくとも90%であるということによって特徴づけると好都合である。
【0017】
シス−1,4−ポリイソプレンおよびシス−1,4−ポリイソプレン天然ゴムは本技術分野における当業者によく知られている。
ここでおよび慣用的に用いられる”phr”という用語は、”ゴムすなわちエラストマー100重量部当たりの各材料の重量部”を意味する。
【0018】
基本粒子としても知られる”粒子”という用語は、本技術分野における当業者によく知られている。3〜15個の粒子のクラスターより一般になる”凝結体”という用語も知られている。凝結体のクラスターは凝集体を構成し、凝集体のクラスターは粒状体を構成する。
【0019】
ゴム組成物は、妥当な高さのモジュラスおよび高い引き裂き抵抗に寄与するのに十分な量の第1および第2凝結体を有する沈降シリカ充填材を含有すべきである。充填材は1〜250phrの量で加えうる。そのような充填材は10〜100phrの量で存在するのが好ましい。
【0020】
本発明で用いるためのシリカは、第1および第2凝結体によって特徴づけられる。第1凝結体は、直径約5〜15ナノメートルの個々の粒子より本質的になる。好ましくは、第1凝結体の粒子の直径は10〜15ナノメートルである。第2凝結体は、直径約17〜30ナノメートルの個々の粒子より本質的になる。好ましくは、第2凝結体の粒子の直径は18〜25ナノメートルである。”本質的になる”という用語は、ここでは、第1または第2凝結体が特定の直径の粒子を少なくとも70重量%有することを特徴づけるのに用いる。本技術分野における当業者には公知のように、粒子サイズ直径はTEMまたは電子顕微鏡によって測定しうる。
【0021】
第1凝結体は、第1および第2凝結体を有するシリカの全重量%の10〜90重量%である。好ましくは第1凝結体は、第1および第2凝結体を有するシリカの全重量%の15〜50重量%である。
【0022】
第2凝結体は、第1および第2凝結体を有するシリカの全重量%の10〜90重量%である。好ましくは第2凝結体は、第1および第2凝結体を有するシリカの全重量%の85〜50重量%である。
【0023】
上記の粒子直径は、電子顕微鏡を含む多くの手段によって確認することができる。
本発明で用いうる沈降珪酸質充填材には、BET表面積が50〜400m2/g、好ましくは70〜250m2/gのそのような高分散シリカ(二酸化珪素)が含まれる。表面積を測定するBET法は、Journal of the American ChemicalSociety, Volume 60, p.304(1930)に記載されている。
【0024】
沈降珪酸質充填材のDOPオイル吸収値は100〜300ml/100gである。好ましくは、沈降珪酸質充填材のDOPオイル吸収値は150〜250ml/100gである。
【0025】
そのようなシリカ充填材は、例えば、同時噴霧することによって製造することができる。沈降シリカの製造は周知である。例えば、合成沈降シリカは、アルカリ性珪酸塩溶液と酸とを(例えば珪酸ナトリウムとシュウ酸とを)混合することによって製造される。溶液を撹拌し、沈殿したシリカを濾過する。沈殿したシリカは、回転ドラムまたはフィルタープレスで濾過すると、ポンプ吸引可能なフィルターケーキが得られる。次に2つの異なるポンプ吸引可能なフィルターケーキをブレンドし、NaAlO2のような適切な添加剤を用いて流動化する。得られる混合物を多数のノズルを用いて同時噴霧して、シリカを乾燥させる。次に、同時噴霧シリカをミル内で粉砕して、望ましい粒子サイズにする。
【0026】
シリカの細孔サイズ分布は、水銀多孔度測定法および図形描写法により測定して、単一モードである。
単一モードとは、ここでは、図形描写における単一ピークを意味するのに用いる。水銀多孔度測定法は、加えた圧力の関数としての、シリカも含有する測定セル中の水銀の体積変化を記録するものである。直径10〜100nmの細孔に相当する領域に導き出されたこの曲線が単一のピークであるとき、細孔サイズ分布はここでは”単一モード”と考えられる。2つのピークが描かれたら、細孔サイズ分布は2モードと考えられる。3つのピークが描かれたら、3モードである。
【0027】
水銀表面積/多孔度は、水銀多孔度測定法により測定される比表面積である。そのような方法では、揮発性物質を除去するための熱処理後、水銀を試料の細孔に浸透させる。設定条件は、100mgの試料を用いること;105℃および周囲大気圧で2時間、揮発性物質を除去すること;周囲圧ないし2000バールで測定することとするのが適している。そのような評価は Winslow, Shapiro in ASTM bulletin, p.39(1959)に記載の方法またはDIN 66133に従って行いうる。そのような評価には、CARLO−ERBA多孔度測定装置2000を用いうる。
【0028】
報告される細孔体積は水銀多孔度測定法により測定する。細孔直径は、接触シータ角度141.3および表面張力ガンマ480ダイン/cmを用いて、WASHBURN方程式により計算する。
【0029】
シリカの平均水銀多孔度比表面積は約50〜300m2/gにすべきである。第1および第2凝結体を含有するシリカの適当な細孔サイズ分布は、そのような水銀多孔度評価によると、その細孔の5%以下が約10nm未満の直径を有し;その細孔の60〜90%が約10〜約100nmの直径を有し;その細孔の10〜40%が約100〜約1000nmの直径を有し;そしてその細孔の0〜5%が約1000nmより大きい直径を有するとここでは考えられる。
【0030】
ゴム組成物は一般的な硫黄含有有機珪素化合物をさらに含んでいるのが好ましい。適した硫黄含有有機珪素化合物の例は式:
Z−Alk−Sn−Alk−Z (I)
{式中、Zは、
【0031】
【化1】
Figure 0004311800
【0032】
(式中、R1は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、シクロヘキシルまたはフェニルであり;R2は、1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ、または5〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシである)よりなる群から選択され、Alkは、1〜18個の炭素原子を有する2価の炭化水素であり;そしてnは、2〜8の整数である}
で表される化合物である。
【0033】
本発明で用いうる硫黄含有有機珪素化合物の具体例を以下に挙げる:
3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、
3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
2,2′−ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、
3,3′−ビス(トリメトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、
3,3′−ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(トリ−2″−エチルヘキソキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(トリイソオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(トリ−t−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
2,2′−ビス(メトキシジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
2,2′−ビス(トリプロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、
3,3′−ビス(トリシクロネクソキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(トリシクロペントキシシリルプロピル)トリスルフィド、
2,2′−ビス(トリ−2″−メチルシクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフィド、
ビス(トリメトキシシリルメチル)テトラスルフィド、
3−メトキシエトキシプロポキシシリル−3′−ジエトキシブトキシシリルプロピルテトラスルフィド、
2,2′−ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、
2,2′−ビス(ジメチル−sec−ブトキシシリルエチル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(メチルブチルエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(ジ−t−ブチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
2,2′−ビス(フェニルメチルメトキシシリルエチル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(ジフェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(ジメチルエチルメルカプトシリルプロピル)テトラスルフィド、
2,2′−ビス(メチルジメトキシシリルエチル)トリスルフィド、
2,2′−ビス(メチルエトキシプロポキシシリルエチル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(ジエチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(エチルジ−sec−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
3,3′−ビス(ブチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
3−フェニルエトキシブトキシシリル−3′−トリメトキシシリルプロピルテトラスルフィド、
4,4′−ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、
6,6′−ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テトラスルフィド、
12,12′−ビス(トリイソプロポキシシリルドデシル)ジスルフィド、
18,18′−ビス(トリメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、
18,18′−ビス(トリプロポキシシリルオクタデセニル)テトラスルフィド、
4,4′−ビス(トリメトキシシリル−ブテン−2−イル)テトラスルフィド、
4,4′−ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラスルフィド、
5,5′−ビス(ジメトキシメチルシリルペンチル)トリスルフィド、
3,3′−ビス(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)テトラスルフィド、
3,3′−ビス(ジメトキシフェニルシリル−2−メチルプロピル)ジスルフィド。
【0034】
好ましい硫黄含有有機珪素化合物は、3,3′−ビス(トリメトキシまたはトリエトキシシリルプロピル)スルフィドである。最も好ましい化合物は、3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドおよび3,3′−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドである。従って、式Iに関しては、好ましくは、Zは、R2が2〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、特に好ましくは2個の炭素原子を有するアルコキシである、
【0035】
【化2】
Figure 0004311800
【0036】
であり;Alkは2〜4個の炭素原子を有する2価の炭化水素であり、3個の炭素原子であるのが特に好ましく;そしてnは2〜5の整数であり、2および4が特に好ましい。
【0037】
ゴム組成物中の式Iの硫黄含有有機珪素化合物の量は、用いられるシリカ充填材の量によって変わる。一般に、式Iの化合物の量はシリカ1重量部当たり0.00〜1.0重量部である。好ましくは、シリカ1重量部当たり0.00〜0.4重量部である。
【0038】
各々粒子サイズの異なる第1および第2凝結体を有するシリカの他に、一般的な充填材を存在させてもよい。そのような一般的な充填材の量は10〜250phrである。好ましくは、充填材は20〜100phrの量で存在させる。
【0039】
ゴムコンパウンドに一般に用いられる珪酸質顔料には、一般的な熱分解および沈降珪酸質顔料(シリカ)が含まれるが、沈降シリカが好ましい。本発明で用いるのが好ましい一般的な珪酸質顔料は沈降シリカ、例えば、珪酸ナトリウムのような可溶性珪酸塩の酸性化によって得られるものである。
【0040】
そのような一般的なシリカは、例えば、窒素ガスを用いて測定したBET表面積が好ましくは約40〜約600m2/g、より一般的には約50〜約300m2/gであることを特徴とする。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society, Volume60, p.304(1930)に記載されている。
【0041】
一般的なシリカはまた通常は、ジブチルフタレート(DBP)吸収値が約100〜約400、より一般的には約150〜約300であるという特徴も有する。一般的なシリカは、電子顕微鏡による測定で平均最終粒子サイズが例えば0.01〜0.05ミクロンであることが予想されるが、シリカ粒子はそれよりも小さくても大きくてもよい。
【0042】
様々な商業的に入手しうるシリカ、例えばPPGインダストリーズ社からHi−Silの商標で商業的に入手しうる210、243等のシリカ;ローム−ポウレンク社から入手しうるシリカ、例えばZ1165MPおよびZ165GR、並びにデグサAG社から入手しうるシリカ、例えばVN2およびVN3等を用いうるが、これらは単なる例であり、これらに限定されない。
【0043】
通常用いられるカーボンブラックを一般的な充填材として用いることができる。そのようなカーボンブラックの代表的な例は、N110、N121、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、N332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990およびN991である。これらのカーボンブラックのヨウ素吸収は9〜145g/kgおよびDBP値は34〜150cm3/100gである。
【0044】
ゴム組成物がゴム配合分野で一般に公知の方法、例えば各種の硫黄加硫性成分ゴムと、各種の一般に用いられる添加剤、例えば硫黄供給物質、硬化助剤、例えば活性剤および遅延剤、および加工添加剤、例えばオイル、粘着付与樹脂および可塑剤を含む樹脂、充填材、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤およびオゾン亀裂防止剤およびしゃく解剤とを混合するような方法によって配合されることは、本技術分野における当業者に容易に理解されることである。本技術分野における当業者に公知のように、硫黄加硫性および硫黄加硫物質(ゴム)の使用目的によって、上記添加剤は選択され、かつ慣用的な量で一般に用いられる。硫黄供給物質の代表例は、元素硫黄(遊離硫黄)、二硫化アミン、高分子量ポリスルフィドおよび硫黄オレフィン付加物である。硫黄加硫剤は元素硫黄であるのが好ましい。硫黄加硫剤は0.5〜8phr、好ましくは1.5〜6phrの量で用いうる。使用するのならば、粘着付与樹脂の一般的な量は約0.5〜約10phr、通常は約1〜約5phrである。加工助剤の一般的な量は約1〜約50phrである。そのような加工助剤は、例えば芳香族、ナフテン系および/またはパラフィン系プロセス油である。酸化防止剤の一般的な量は約1〜約5phrである。代表的な酸化防止剤は、例えば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、およびVanderbilt Rubber Handbook(1978)、第344−346頁に開示されているようなものである。酸化防止剤の一般的な量は約1〜5phrである。使用するのならば、ステアリン酸のような脂肪酸の一般的な量は約0.5〜約3phrである。酸化亜鉛の一般的な量は約2〜約5phrである。ワックスの一般的な量は約1〜約5phrである。マイクロクリスタリンワックスがしばしば用いられる。しゃく解剤の一般的な量は約0.1〜約1phrである。一般的なしゃく解剤は、例えばペンタクロロチオフェノールおよびジベンズアミドジフェニルジスルフィドである。
【0045】
本発明の1つの側面では、硫黄加硫性ゴム組成物は、その後、硫黄硬化すなわち加硫される。
促進剤は、加硫に要する時間および/または温度の調整、および加硫ゴムの性質の改質に用いられる。1つの態様では、単一促進剤系、すなわち、第1促進剤を用いうる。第1促進剤は約0.5〜約4phr、好ましくは約0.8〜約1.5phrの合計量で用いうる。別の態様では、活性化および加硫ゴムの性質の改質のために、第1および第2促進剤の組み合わせを用い、第2促進剤は約0.05〜約3phrのようなより少ない量で用いる。これらの促進剤を組み合わせることで、最終的な性質に相乗効果が生じることが期待され、促進剤のいずれかを単独で用いることによって製造されたものよりいくらかよくなる。さらに、遅延作用促進剤を用いてもよく、これらは普通の加工温度に影響されず、通常の加硫温度で満足な加硫が得られる。加硫遅延剤も用いうる。本発明で用いうる適した種類の促進剤は、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類およびキサンテート類である。第1促進剤はスルフェンアミドであるのが好ましい。第2促進剤を用いるならば、第2促進剤はグアニジン、ジチオカルバメートまたはチウラム化合物であるのが好ましい。
【0046】
ゴム組成物の混合は、ゴム混合分野における当業者に公知の方法によって行うことができる。例えば、成分は少なくとも2つの段階、すなわち、少なくとも1つのノンプロダクティブ段階およびその後のプロダクティブ混合段階で一般に混合される。硫黄加硫剤を含めた最終硬化剤は、”プロダクティブ”混合段階と慣用的に呼ばれる最終段階で混合されるのが一般的であり、この段階では、先のノンプロダクティブ混合段階よりも低い混合温度である温度または最終温度で一般に混合される。ゴム並びに第1および第2凝結体を有する充填材は1つ以上のノンプロダクティブ混合段階で混合される。”ノンプロダクティブ”および”プロダクティブ”混合段階という用語は、ゴム混合分野に詳しい人々には周知の用語である。第1および第2凝結体を有する充填材を含有するゴム組成物、並びに、用いるのならば、硫黄含有有機珪素化合物は、熱機械的混合工程で混合する。熱混合工程は、ゴム温度を140〜190℃にするために適した時間、ミキサーまたは押し出し機中で機械処理することを一般に含む。熱機械処理の適切な時間は、操作条件、並びに成分の体積および性質の関数として変化する。例えば、熱機械処理は1〜20分にしうる。
【0047】
本発明のゴム組成物の加硫は約100〜200℃の一般的な温度で行う。好ましくは、加硫は約110〜180℃の温度で行う。プレスまたは型内での加熱、過熱蒸気もしくは熱空気でのまたは塩溶液中での加熱のようなどのような通常の加硫プロセスも用いうる。
【0048】
硫黄加硫組成物の加硫後、本発明のゴム組成物は様々な目的に用いることができる。例えば、硫黄加硫ゴム組成物はタイヤ、ベルトまたはホースの形にしうる。タイヤの場合、これは各種タイヤ構成部材に用いることができる。そのようなタイヤは、公知の様々な方法により組み立て、成形および硬化することができ、これは本技術分野における当業者にとって明らかなことである。ゴム組成物はタイヤのトレッドに用いられるのが好ましい。明らかなように、タイヤは自動車、航空機、トラック等のタイヤである。自動車のタイヤであるのが好ましい。タイヤはラジアルでもバイアスでもよく、ラジアルタイヤが好ましい。
【0049】
【実施例】
実施例1
この実施例は、本発明で用いるシリカと、機械ブレンドまたは混合物および単一タイプのシリカとを比較および対比させるために行った。比較する第1対照シリカ(シリカ1)はローム−ポウレンク社から得たZ1115MPであった。シリカ1は、単一モード(PSDMaxが1つの数字)であるが、シリカが基本粒子サイズ20ナノメートルの1種類のみの凝結体を有するので、対照となる。第2シリカ(シリカ2)はやはりローム−ポウレンク社から得たRP240HDであった。シリカ2は、単一モード(PSDMaxが1つの数字)であるが、シリカが基本粒子サイズ11ナノメートルの1種類のみの凝結体を有するので、対照となる。第3シリカ(シリカ3)は、Z1115MPとRP240HDとの50:50(重量比)機械ブレンドであった。シリカ3は、粒子サイズ11ナノメートルの第1凝結体および粒子サイズ20ナノメートルの第2凝結体を有するが2モードであるので、対照となる。本発明で用いるシリカ(シリカ4)はやはりローム−ポウレンク社から得た。シリカ4は、粒子サイズ11ナノメートルの第1凝結体および粒子サイズ20ナノメートルの第2凝結体を有し、そして単一モードである。これらの4つの各シリカに対する分析データを以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004311800
【0051】
図1は、シリカ試料4の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
図2は、シリカ3の機械ブレンド(試料3)の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
【0052】
PSDmax(mm)は、ナノメートルで測定した細孔サイズ分布最大を意味する。1つの数字は単一モード分布、2つの数字は2モード分布を示す。
上記シリカを表2のゴムコンパウンドに配合した。
【0053】
【表2】
Figure 0004311800
【0054】
以下の表3に、表2の4種のゴムコンパウンドの物理的データを示す。
【0055】
【表3】
Figure 0004311800
【0056】
試料1から分かるように、表面積の小さいシリカ(シリカ1)を用いると、ヒステリシスは低下する(+50℃でより低いタンデルタ値)が、強化値が犠牲になる(より低いモジュラス100%およびより低いG′値)。試料2からのデータは、表面積の大きなシリカ(シリカ2)をより少ない添加量で用いると、試料1に関連する不利益がいくらか補われることを示している;しかしながら、充填材分散(WSA%が高すぎる)並びに関連した性質(モジュラス100%およびモジュラス比)に影響を及ぼす。シリカ1とシリカ2との物理的ブレンド(シリカ3)を用いると、シリカ1およびシリカ2を用いた場合と比較して、WSA%、モジュラス比および硬度の面で中間の結果が得られる。シリカ4を用いると、より良好な分散(WSA%)、より低いモジュラス100%およびG′(1%)およびより高いモジュラス比の面で、シリカ3を用いる場合よりも有意な改善がもたらされる。そのような改善された特性は、ゴムコンパウンドがより良好な耐摩耗性を有することを示している。試料4の特性はまた、高温でのヒステリシスの低下(改善された50℃でのタンデルタおよびより高い熱弾性反撥)により、タイヤのトレッドに用いたとき、改善された転がり抵抗および燃費を示す。最後に、試料4が低温でより高いヒステリシスを示すこと(改善された−20℃でのタンデルタ値およびより高い冷弾性反撥値)は、ウエットスキッドにおける性能がより良好であることを示している。試料1および2と比較すると、試料4は、+50℃でのタンデルタが低く、−20℃でのタンデルタが高いという特異な利点を有し、シリカのブレンドを含有する試料3と比較して、許容される分散値を有する。
実施例2
この実施例は、本発明で用いるシリカと、機械ブレンドまたは混合物および単一タイプのシリカとを比較および対比させるために行った。比較する第1対照シリカ(シリカ1)はローム−ポウレンク社から得たZ1115MPであった。シリカ1は、単一モード(PSDMaxが1つの数字)であるが、シリカが基本粒子サイズ20ナノメートルの1種類のみの凝結体を有するので、対照となる。第2シリカ(シリカ2)はやはりローム−ポウレンク社から得たZ1165MPであった。シリカ2は、単一モード(PSDMaxが1つの数字)であるが、シリカが基本粒子サイズ14ナノメートルの1種類のみの凝結体を有するので、対照となる。第3シリカ(シリカ3)は、Z1115MP(シリカ1)とZ1165MP(シリカ2)との50:50(重量比)機械ブレンドであった。シリカ3は、粒子サイズ14ナノメートルの第1凝結体および粒子サイズ20ナノメートルの第2凝結体を有するが、2モードであるので対照となる。本発明で用いるシリカ(シリカ4)はやはりローム−ポウレンク社から得た。シリカ4は、粒子サイズ14ナノメートルの第1凝結体および粒子サイズ20ナノメートルの第2凝結体を有し、そして単一モードである。これらの4種の各シリカに対する分析データを以下の表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 0004311800
【0058】
図3は、表4のシリカ試料4の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
図4は、表4のシリカ3の機械ブレンド(試料3)の%に換算した水銀体積%および細孔体積偏差を示すグラフである。
【0059】
上記の4種のシリカを、以下の表5のゴムコンパウンドに配合した。
【0060】
【表5】
Figure 0004311800
【0061】
以下の表6に、表5の4種のゴムコンパウンドの物理的データを示す。
【0062】
【表6】
Figure 0004311800
【0063】
試料1から分かるように、表面積の小さいシリカ(シリカ1)を用いると、ヒステリシスは低下する(+50℃でより低いタンデルタ値)が、強化値が犠牲になる(より低いモジュラス100%およびより低いG′値)。試料2からのデータは、シリカ1の反対の歩み寄りが得られることを示している。シリカ1とシリカ2との物理的ブレンド(シリカ3)を用いると、シリカ1およびシリカ2を用いた場合と比較して、性質の面で中間の結果が得られる。シリカ4を用いると、より良好な分散(WSA%)、より高いモジュラス比の面で、シリカ3を用いる場合よりも有意な改善がもたらされる。そのような改善された特性は、ゴムコンパウンドがより良好な耐摩耗性を有することを示す。試料4の特性はまた、高温でのヒステリシスの低下(改善された50℃でのタンデルタ値およびより高い熱弾性反撥)により、タイヤのトレッドに用いたとき、改善された転がり抵抗および燃費を示す。最後に、試料4が低温でより高いヒステリシスを示すこと(改善された−20℃でのタンデルタ値およびより高い冷弾性反撥値)は、ウエットスキッドにおける性能がより良好であることを示している。試料1および2と比較すると、試料4は+50℃でのタンデルタが低く、−20℃でのタンデルタが高いという利点を有し、シリカのブレンドを含有する試料3と比較して、許容される分散値を有する。
【0064】
本発明を説明するために、特定の代表的な態様および詳細を示したが、本発明の精神または範囲を逸脱することなく様々な変更が可能なことは、本技術分野における当業者にとって明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1のシリカ試料4の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
【図2】表1のシリカ3の機械ブレンド(試料3)の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
【図3】表4のシリカ試料4の%に換算した細孔体積%および水銀体積偏差を示すグラフである。
【図4】表4のシリカ3の機械ブレンド(試料3)の%に換算した水銀体積%および細孔体積偏差を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 充填材含有ゴム組成物の加工方法であって、
    (a)天然ゴムおよび合成ゴムよりなる群から選択されるオレフィン系不飽和を含む少なくとも1種のジエン系ゴム 100重量部;並びに
    (b)第1および第2凝結体を有する沈降シリカ 1〜250phr、ここで、
    (1)第1凝結体は、シリカの全重量%の10〜90重量%であり、直径5〜15ナノメートルの小さい粒子から本質的になり;
    (2)第2凝結体は、シリカの全重量%の90〜10重量%であり、直径17〜30ナノメートルの小さい粒子から本質的になり、ここで粒子直径は透過形電子顕微鏡により測定されたものである;そして
    (3)シリカの細孔サイズ分布は、水銀多孔度測定法により測定して、単一モードである
    を混合することを特徴とする方法。
  2. (a)天然ゴムおよび合成ゴムよりなる群から選択されるオレフィン系不飽和を含む少なくとも1種のジエン系ゴム 100重量部;並びに
    (b)第1および第2凝結体を有する沈降シリカ 1〜250phr、ここで、
    (1)第1凝結体は、シリカの全重量%の10〜90重量%であり、直径5〜15ナノメートルの小さい粒子から本質的になり;
    (2)第2凝結体は、シリカの全重量%の90〜10重量%であり、直径17〜30ナノメートルの小さい粒子から本質的になり、ここで粒子直径は透過形電子顕微鏡により測定されたものである;そして
    (3)シリカの細孔サイズ分布は、水銀多孔度測定法により測定して、単一モードである
    を含むシリカ充填材含有ゴム組成物、を含むトレッドを特徴とするタイヤ。
  3. 該ジエン系ゴムが、天然ゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエンコポリマー、イソプレン−スチレンコポリマー、メチルメタクリレート−イソプレンコポリマー、アクリロニトリル−イソプレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、EPDMおよびこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項2に記載のタイヤ。
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