JP4311523B2 - ブラシレスレゾルバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレスレゾルバに関し、特に、トランス部を設けないこととする新規な構成により、コスト低減を可能とするとともに任意の軸倍角を得ることのできるブラシレスレゾルバに関する。
【0002】
【従来の技術】
回転位置検出器の一つであるレゾルバは、励磁側巻線を交流電圧により励磁すると、回転角度によって出力側巻線において誘起される交流の出力電圧の位相もしくは振幅が変化することを利用して、回転機器の回転角度を検出するものである。作動原理はトランスと共通するが、トランスにおける鉄心がロータとステータに分かれている点が異なる。レゾルバは、高温、高振動等の環境下でも使用でき、故障しにくく、さらにノイズにも強いため、高度な信頼性を要求される機器の検出器として広く用いられている。
【0003】
レゾルバのうち、ブラシレスレゾルバでは、ロータに信号を伝達する手段として、従前のブラシおよびスリップリングの代わりに、回転トランスを用いるのが一般的である。
【0004】
図7は、従来のブラシレスレゾルバの構造を示す半断面図である。図において従来のブラシレスレゾルバは、ステータレゾルバ鉄心131ならびにステータレゾルバ巻線132からなるステータと、および、ロータレゾルバ鉄心141ならびにロータレゾルバ巻線142からなるロータとにより構成される検出部(以下、「レゾルバ部」ともいう。)と、ステータトランス151ならびにステータトランス巻線152からなるステータトランスと、および、ロータトランス161ならびにロータトランス巻線162からなるロータトランスとにより構成される回転トランス(以下、「トランス部」ともいう。)と、から主として構成される。
【0005】
つまりブラシレスレゾルバは、回転角に応じた電圧が得られるレゾルバ部と、ロータへの信号伝達を目的とするトランス部とを主たる構成としており、これを製造面からみると、従来のブラシレスレゾルバのトランス部には円筒形状をした切削トランスが使用され、一方レゾルバ部には積層加工された積層鉄心が使用されており、ブラシレスレゾルバの製造の際、各部において使用される部品は異なり、それに対応して製造コストおよび工程数のかかるものだった。
【0006】
また機能面からみると、ブラシレスレゾルバは、ステータトランス、ロータトランス、ロータ鉄心、ステータ鉄心によって磁気回路を構成し、ステータトランスおよびロータトランスからなるトランス部は、ステータ側からロータ側へレゾルバ励磁信号を非接触で伝達する機能のみを担い、一方ロータ鉄心およびレゾルバ鉄心からなるレゾルバ部は、回転角に応じたレゾルバ励磁信号の変調というレゾルバ本来の機能を担っていた。したがって、従来のブラシレスレゾルバにおいては、トランス部はレゾルバ本来の機能に寄与するものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のブラシレスレゾルバでは、トランス部およびレゾルバ部において使用される部品が異なるため、製造コストの低減が困難であるという問題があった。また、トランス部はレゾルバのブラシレス化には寄与しているものの、レゾルバ本来の機能であるレゾルバ励磁信号の変調には寄与せず、むしろ、トランス部において発生する磁束がレゾルバ部と干渉しやすい方向に流れるため、レゾルバの回転角検出性能面からみた場合、性能阻害原因の一つとなることがあった。
【0008】
他方、レゾルバ応用分野拡大の観点からは、ブラシレスレゾルバにおける回転角検出精度のさらなる性能改善、軸倍角選択自由度の増大、レゾルバ構成自由度の増大が求められていた。
【0009】
VRレゾルバの場合はロータは鉄心のみで構成され、部品点数、部品個数削減の効果はあるが、軸倍角選択の自由度拡大の中で、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られる特徴を有する軸倍角1のレゾルバをVRレゾルバで実現することは、そのロータ形状が回転中心に対して扁芯した形状をとることになるため不可能であった。
【0010】
以上を踏まえて、本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、コスト低減を可能とするとともに、軸倍角1を含む任意の軸倍角を得ることのできるブラシレスレゾルバを提供することである。すなわち製造面からは、部品点数および部品個数を削減することによってコスト低減を図り、軸倍角1を含む任意の軸倍角を得られることにより、軸倍角選択の自由度を増大し、検出精度の点で用途に応じた任意のレゾルバ構成の自由度を増大し、さらに性能面からは、励磁側の磁気回路と出力側の磁気回路の干渉を低減することができる、新規なブラシレスレゾルバを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記課題について鋭意検討した結果、従来レゾルバ励磁信号の非接触伝達のため設けていたトランス部を設けないこととする新規な構成をとり、ステータおよびロータにおける巻線構成等を検討することによって上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求もしくは少なくとも開示される発明は、以下のとおりである。
【0012】
(1) ステータ側からロータ側へレゾルバ励磁信号を非接触で伝達するための励磁信号伝達手段を兼ねるレゾルバ部を有するブラシレスレゾルバにおいて、該レゾルバ部は、スロットを有し巻線(「ロータ巻線」ともいう。)の施されたロータ鉄心からなるロータおよびスロットを有し巻線(「ステータ巻線」ともいう。)の施されたステータ鉄心からなるステータ、の一組から構成されており、
該ステータ巻線は、交流電圧により励磁されて該ロータにレゾルバ励磁信号を伝達するための巻線であるステータ励磁巻線部と、該ロータに顕現する検出すべき回転に応じた信号が出力される巻線であるステータ出力巻線部とからなり、該ステータ励磁巻線部は2相の巻線からなり、該ステータ励磁巻線部および該ステータ出力巻線部は同一の一の該ステータ鉄心上に設けられ、該ロータ巻線は、該ステータ励磁巻線部からのレゾルバ励磁信号伝達を受けるための巻線であるロータ励磁巻線と、該ステータ出力巻線部に出力信号を発生させるための巻線であるロータ出力巻線の計2相の巻線からなるロータ巻線部を構成しており、該ロータ励磁巻線および該ロータ出力巻線は同一の一の該ロータ鉄心上に設けられており、
該ステータ励磁巻線部と該ロータ励磁巻線からなる励磁機能ブロックにおける極対数をmとしたとき、
(A)該ステータ励磁巻線部において2相ともに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線には、
〔数式〕
E1=Esinωt、E2=Ecosωt としたとき、
E3=K1Esin(ωt+mθ)、E4=K1Ecos(ωt+mθ)
で表される2の信号E3およびE4が得られ、
(B)該ステータ励磁巻線部において1相のみに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線には、
〔数式〕
E3=K1E1cos(mθ)、E4=K1E1sin(mθ)
で表される2の信号E3およびE4が得られる巻線構造を備えることを特徴とする、ブラシレスレゾルバ(ただし、K1は変圧比、Eは入力信号、E1およびE2は励磁信号、ωは角速度、tは時間、θは回転角とする。)。
【0013】
(2) ブラシレスレゾルバにおける励磁信号E、E、および出力信号E、Eが、
(I)信号処理方式が2相励磁2相出力の場合は、
〔数式〕
=Esinωt−−−−〈1〉
=Ecosωt−−−−〈2〉
=KEsin{ωt+(m+n)θ}−−−−〈5〉
=KEcos{ωt+(m+n)θ}−−−−〈6〉
で表され、ただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
〔数式〕
=KEsin{ωt+(m−n)θ}−−−−〈7〉
=KEcos{ωt+(m−n)θ}−−−−〈8〉
で表されるものであり、
(II)信号処理方式が1相励磁2相出力の場合は、
〔数式〕
=Esinωt−−−−〈1〉
=KEcos{(m+n)θ}−−−−〈11〉
=KEsin{(m+n)θ}−−−−〈12〉
で表され、ただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
〔数式〕
=KEcos{(m−n)θ}−−−−〈13〉
=KEsin{(m−n)θ}−−−−〈14〉
で表されるものであり、
(III)信号処理方式が2相励磁1相出力の場合は、
〔数式〕
=Esinωt−−−−〈1〉
=Ecosωt−−−−〈2〉
=KEsin{ωt+(m+n)θ}−−−−〈17〉
で表されただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
〔数式〕
=KEsin{ωt+(m−n)θ}−−−−〈18〉
で表されるものである、ことを特徴とする、(1)に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、Kは変圧比、Eは入力信号、ωは角速度、tは時間、θは回転角、mは前記励磁機能ブロックにおける極対数、nは前記出力機能ブロックにおける極対数、とする。)。
【0015】
(3) ロータ軸またはケースの少なくともいずれか一方の具備が省かれていることを特徴とする、(1)または(2)に記載のブラシレスレゾルバ。
【0018】
(4) 前記ステータ鉄心または前記ロータ鉄心の少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、前記ステータ励磁巻線部および前記ロータ励磁巻線からなる励磁機能ブロックにおける極対数、および、前記ステータ出力巻線部および前記ロータ出力巻線からなる出力機能ブロックにおける極対数、の組合せにおいて、これらのうち少なくともいずれか一つが任意に設定されていることにより、レゾルバ1回転に対してN倍の回転数の角度信号を得ることができることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、Nは1以上の整数であり、任意の数である。)。
【0019】
(5) 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、m−n=1、であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、軸倍角1のレゾルバが構成されることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。あるいは、
(5’)前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、m−n=1、であり、前記ロータ内のロータ励磁巻線とロータ出力巻線の配線において相回転が逆相とされていることにより、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、軸倍角1のレゾルバが構成されることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
【0020】
(6) 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、n−m=1、であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、レゾルバ1回転により回転量が1回転分の角度信号が得られるレゾルバが構成されることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。あるいは、
(6’)前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、n−m=1、であり、前記ロータ内のロータ励磁巻線とロータ出力巻線の配線において相回転が逆相とされていることにより、レゾルバ1回転により回転量が1回転分の角度信号が得られるレゾルバが構成されることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)
【0021】
(7) 前記励磁機能ブロックにおけるレゾルバ励磁信号と前記出力機能ブロックにおける出力信号との間における磁束の干渉を防止するために、該励磁機能ブロックにおける極対数mと、該出力機能ブロックにおける極対数nを異なる数とすることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
【0022】
(8) 前記ステータ鉄心または前記ロータ鉄心の少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、前記励磁機能ブロックにおける極対数、および、前記出力機能ブロックにおける極対数、の組合せにおいて、これらのうち少なくともいずれか一つが任意に設定されていることにより、レゾルバ1回転に対してN倍の回転数の角度信号を得ることができることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、Nは1以上の整数であり、任意の数である。)。
【0023】
(9) 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nが異なる数であることによって、励磁信号および出力信号の干渉を防止できることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
【0024】
(10) 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がm−n=1 であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、回転方向が励磁信号と等しい軸倍角1の角度信号の発生が得られることを特徴とする、(9)に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。あるいは、
(10’)前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がm−n=1 であり、前記ロータ内のロータ励磁巻線とロータ出力巻線の配線において相回転が逆相とされていることにより、回転方向が励磁信号と等しい軸倍角1の角度信号の発生が得られることを特徴とする、(9)に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
【0025】
(11) 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がn−m=1 であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、回転量が1回転分の角度信号の発生が得られることを特徴とする、(9)に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。あるいは、
(11’)前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がn−m=1 であり、前記ロータ内のロータ励磁巻線とロータ出力巻線の配線において相回転が逆相とされていることにより、回転量が1回転分の角度信号の発生が得られることを特徴とする、(9)に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
【0026】
(12) (1)ないし(11)のいずれかに記載のブラシレスレゾルバに用いるためのロータであって、該ロータは2相の巻線の施されたスロットを有する鉄心からなることを特徴とする、ブラシレスレゾルバ用ロータ。
【0028】
つまり本発明は、コスト低減の課題を解決するために、従来レゾルバ励磁信号の非接触伝達のため設けていたトランス部を設けないこととし、また軸倍角1を含む任意の軸倍角を得るために、ステータおよびロータにおける巻線構成等を新規な構成とし、さらに励磁側の磁気回路と出力側の磁気回路の干渉を低減するためにも、ステータおよびロータにおける巻線構成等を新規な構成とする、という手段を講じたものである。
【0029】
すなわち、ブラシレスレゾルバにおいて回転トランスを使用しないこととし、スロットを有するロータ鉄心とステータ鉄心の一組によりレゾルバを構成することで、コストを低減するものである。また、各鉄心には相互に90°位相のずれた2相の巻線を施し、励磁巻線ならびに出力巻線の回転角、およびロータ鉄心ならびにステータ鉄心のスロット数の組合せを変えることにより、軸倍角1を含む任意の軸倍角を得るものである。係る構成により、軸倍角はスロット数および巻線構成によって決定されるため、ロータ鉄心形状が軸倍角によって限定されることはなく、扁芯などレゾルバ構成上とることのできない不利な形状でロータ鉄心を構成することなく、軸倍角1のレゾルバを構成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。なお、同一機能を有する同一構成要素に対しては、先に説明した従来技術に係る図7も含めて、同一の符号を付して説明する。
【0031】
【構成】
図1は、本発明のブラシレスレゾルバの構造を示す半断面図である。図において本発明のブラシレスレゾルバ10は、ステータ3側からロータ4側へレゾルバ励磁信号を非接触で伝達するための励磁信号伝達手段と、検出すべき回転角に応じて該レゾルバ励磁信号を変調するためのレゾルバ部7と、を備え、該レゾルバ部7が該励磁信号伝達手段を兼ねるものであることを主たる構成とする。該レゾルバ部7は、スロットを有し、かつ巻線(以下「ロータ巻線」ともいう。)44の施されたロータ鉄心43からなるロータ4、および、スロットを有し、かつ巻線(以下、「ステータ巻線」ともいう。)34の施されたステータ鉄心33からなるステータ3、の一組から構成することができる。
【0032】
すなわち本発明のブラシレスレゾルバは、レゾルバ励磁信号の非接触伝達のためのトランス部を備えず、回転角に応じたレゾルバ励磁信号変調のためのレゾルバ部7のみから主として構成される。
【0033】
図において、前記ステータ巻線34は、交流電圧により励磁されて前記ロータ4にレゾルバ励磁信号を伝達するための巻線であるステータ励磁巻線部341(図示せず。図2参照。)と、該ロータ4に顕現する検出すべき回転に応じた信号が出力される巻線であるステータ出力巻線部342(図示せず。図2参照。)とからなり、該ステータ励磁巻線部341および該ステータ出力巻線部342は、同一の一のステータ鉄心33上に設けることとすることができる。一方、前記ロータ巻線44は、該ステータ励磁巻線部341からのレゾルバ励磁信号伝達を受けるための巻線であるロータ励磁巻線441(図示せず。図2参照。)と、該ステータ出力巻線部342に出力信号を発生させるための巻線であるロータ出力巻線442(図示せず。図2参照。)とからなるロータ巻線部44を構成しており、該ロータ励磁巻線441および該ロータ出力巻線442は同一の一のロータ鉄心43上に設けられることとすることができる。該ステータ鉄心33および該ロータ鉄心43はともに、プレス加工により製造するものとすることができる。
【0034】
図において本発明のブラシレスレゾルバの構造は、ステータ鉄心33およびステータ巻線34からなるステータ3を有し、かつ、ロータ鉄心43およびロータ巻線44からなるロータ4を有しており、該ステータ3および該ロータ4は、検出すべき回転角に応じて該レゾルバ励磁信号を変調するためのレゾルバ部7を成しており、さらに該ロータ4が設けられるロータ軸1、該ステータ巻線34に接続されたリード線8、および該ステータ3ならびに該ロータ4を収容するケース2を備えることを基本的な構成とする。
【0035】
しかし本発明においては、該ロータ軸1、または該ケース2の少なくともいずれか一方を備えないこととする構成をとることもできる。すなわち本発明のブラシレスレゾルバは、上述したレゾルバ構成をとる限り、該ロータ軸1を設けずに、あるいは該ケース2によりレゾルバ部を収容することをせずに、または該ロータ軸1も該ケース2もともに設けずに構成することができる。
【0036】
【作用】
図1において本発明のブラシレスレゾルバは上述のように構成されているため、ステータ3側からロータ4側へのレゾルバ励磁信号の非接触伝達は、回転トランスではなくレゾルバ部7により行われ、検出すべき回転角に応じた該レゾルバ励磁信号の変調もまたレゾルバ部7によりなされる。該レゾルバ部7は、スロットを有ステータ巻線44の施されたロータ鉄心43からなるロータ4、および、スロットを有しロータ巻線34の施されたステータ鉄心33からなるステータ3、の一組のみから構成できるため、レゾルバ構成を簡素にし、製造コストを低減することができる。
【0037】
図において前記ステータ巻線34においては、これを構成するステータ励磁巻線部341(図示せず。図2参照。)が交流電圧により励磁されて前記ロータ4にレゾルバ励磁信号が伝達される。また、該ロータ4に顕現する検出すべき回転角度に応じた信号が、同じく該ステータ巻線34を構成するステータ出力巻線部342(図示せず。図2参照。)に出力される。
【0038】
つまり、該ステータ励磁巻線部341(図示せず。図2参照。)に交流電圧が印加され、これによって生じた磁束により、磁気回路を構成する後記ロータ励磁巻線441(図示せず。図2参照。)には電圧が励起されて電流が生じ、これと回路を構成する後記ロータ出力巻線442(図示せず。図2参照。)において出力される磁束が生じて、これと磁気回路を構成する前記ステータ出力巻線341(図示せず。図2参照。)に、検出すべき回転角度に応じた電圧が出力され、電気信号が発生する。
【0039】
該ステータ励磁巻線部341および該ステータ出力巻線部342は、同一の一のステータ鉄心33上に設けることができるため、製造工程において部品個数を最少にとどめ、製造コストを削減することができる。
【0040】
一方、前記ロータ巻線44においては、これを構成するロータ励磁巻線441(図示せず。図2参照。)が該ステータ励磁巻線部341からのレゾルバ励磁信号伝達を受ける。また、同じく該ロータ巻線44を構成するロータ出力巻線442(図示せず。図2参照。)により、前記ステータ出力巻線部342において出力信号が発生させられる。
【0041】
つまり、前記ステータ励磁巻線部341(図示せず。図2参照。)に交流電圧が印加され、これによって生じた磁束により、磁気回路を構成する該ロータ励磁巻線441(図示せず。図2参照。)には電圧が励起されて電流が生じ、これと回路を構成する該ロータ出力巻線442(図示せず。図2参照。)において出力される磁束が生じて、これと磁気回路を構成する前記ステータ出力巻線341(図示せず。図2参照。)に、検出すべき回転角度に応じた電圧が出力され、電気信号が発生する。
【0042】
該ロータ励磁巻線441および該ロータ出力巻線442は、同一の一のステータ鉄心43上に設けることができるため、製造工程において部品個数を最少にとどめ、製造コストを削減することができる。
【0043】
図において本発明のブラシレスレゾルバの構造は、該ロータ軸1、または該ケース2の少なくともいずれか一方を備えないこととし、すなわち本発明のブラシレスレゾルバは、上述したレゾルバ構成をとる限り、該ロータ軸1を設けずに、あるいは該ケース2によりレゾルバ部を収容することをせずに、または該ロータ軸1も該ケース2もともに設けずに構成することができるため、用途に応じた最小限の構成により、部品点数、部品個数を削減し、製造コストを低減することができる。
【0044】
図1において、本発明のブラシレスレゾルバはトランス部を設けない構成であるため、従来のブラシレスレゾルバにおける問題であった、トランス部からレゾルバ部への磁気回路の干渉は解消され、レゾルバ性能は安定化されたものとなっている。
【0045】
【構成】
図2は、本発明のブラシレスレゾルバ10の構成を示す回路図であり、図2(a)はステータ3およびロータ4の各構成を示す結線図、図2(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。なお図2は、後述する2相励磁2相出力のレゾルバの構成を示すものでもあるが、ここでは、励磁側と出力側の適宜選択により、1相励磁2相出力、および2相励磁1相出力の信号処理方式をも選択し得る、本発明ブラシレスレゾルバの基本的構成として、説明する。
【0046】
図2において本発明のブラシレスレゾルバ10においては、前記ステータ3は、交流電圧により励磁されて前記ロータ4にレゾルバ励磁信号を伝達するための巻線であるステータ励磁巻線部341と、該ロータ4に顕現する検出すべき回転に応じた信号が出力される巻線であるステータ出力巻線部342とを有し、該ステータ励磁巻線部341または該ステータ出力巻線部342の少なくともいずれか一方が、相互に90°位相のずれた2相の巻線を備えたものとして構成される。本発明においては、該ステータ励磁巻線部341および該ステータ出力巻線部342の双方とも回転角度に対して相互に位相のずれた2相の巻線を備えたものとして構成することができる。
【0047】
図において、一方前記ロータ4は、該ステータ励磁巻線部341からのレゾルバ励磁信号伝達を受けるための巻線であるロータ励磁巻線441と、該ステータ出力巻線部342に出力信号を発生させるための巻線であるロータ出力巻線442とからなるロータ巻線部44を有し、該ロータ励磁巻線441と該ロータ出力巻線442は、相互に90°位相のずれた2相の巻線となるように構成される。
【0048】
図において、前記ステータ励磁巻線部341および前記ステータ出力巻線部342は、いずれも回転角度に対して相互に位相のずれた2相の巻線、3411と3412、および3425と3426を備えており、励磁電圧を印加する相、および出力信号を取り出す相を選択することにより、2相励磁2相出力、1相励磁2相出力、または2相励磁1相出力の、3形式の信号処理方式を選択することができるように構成することができる。
【0049】
図において本発明のブラシレスレゾルバは、前記ステータ鉄心33または前記ロータ鉄心43の少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、前記ステータ励磁巻線部341および前記ロータ励磁巻線441からなる励磁機能ブロックBRにおける極対数、および、前記ステータ出力巻線部342および前記ロータ出力巻線442からなる出力機能ブロックBSにおける極対数、の組合せにおいて、該スロット数、励磁機能ブロックBRにおける極対数、または該出力機能ブロックBSにおける極対数、のうち少なくともいずれか一つを任意に設定することにより、レゾルバ1回転に対してN倍の回転数の角度信号を得ることが可能な構成とすることができる。ただし、Nは1以上の整数(自然数)であり、任意の数である。
【0050】
【作用】
図2において本発明のブラシレスレゾルバは上述のように構成されているため、前記ステータ3においては、前記ステータ励磁巻線部341は交流電圧により励磁されて、これにより前記ロータ4にレゾルバ励磁信号が伝達され、ステータ出力巻線部342では該ロータ4に顕現する検出すべき回転に応じた信号が出力される。
【0051】
つまり、前記ステータ励磁巻線部341に交流電圧が印加され、これによって生じた磁束により、磁気回路を構成する該ロータ励磁巻線441には電圧が励起されて電流が生じ、これと回路を構成する該ロータ出力巻線442において出力される磁束が生じて、これと磁気回路を構成する前記ステータ出力巻線341に、検出すべき回転角度に応じた電圧が出力され、電気信号が発生する。
【0052】
そして、該ステータ励磁巻線部341または該ステータ出力巻線部342の少なくともいずれか一方は、その備える2相の巻線においてその位相が相互に90°ずれたものとなる。本発明においては、該ステータ励磁巻線部341および該ステータ出力巻線部342の双方とも、その備える2相の巻線(ステータ励磁巻線部341については巻線3411と3412、ステータ出力巻線部342については巻線3425と3426)においてその位相が相互に90°ずれたものとすることができ、したがって、相互に位相のずれた2相の励磁電圧、および相互に位相のずれた2相の出力電圧を得ることができる。
【0053】
図において、一方前記ロータ4においては、前記ロータ励磁巻線441により前記ステータ励磁巻線部341からのレゾルバ励磁信号伝達が受けられ、前記ロータ出力巻線442により前記ステータ出力巻線部342に出力信号が発生させられる。
【0054】
つまり、前記ステータ励磁巻線部341に交流電圧が印加され、これによって生じた磁束により、磁気回路を構成する該ロータ励磁巻線441には電圧が励起されて電流が生じ、これと回路を構成する該ロータ出力巻線442において出力される磁束が生じて、これと磁気回路を構成する前記ステータ出力巻線341に、検出すべき回転角度に応じた電圧が出力され、電気信号が発生する。
【0055】
該ロータ励磁巻線441と該ロータ出力巻線442は、その備える2相の巻線においてその位相が相互に90°ずれたものとすることができ、したがって、相互に位相のずれた2相の電圧が得られる。
【0056】
したがって、ステータ4において励磁電圧を印加する相、および出力信号を取り出す相が選択されることにより、2相励磁2相出力、1相励磁2相出力、または2相励磁1相出力の、3形式の信号処理方式が選択され得る。
【0057】
また、前記スロット数、前記励磁機能ブロックBRにおける極対数、または前記該出力機能ブロックBSにおける極対数、のうち少なくともいずれか一つが任意に設定されて、レゾルバ1回転に対してN倍の回転数の角度信号が得られる。すなわち、前記ステータ鉄心33のスロット数、前記ロータ鉄心43のスロット数、該励磁機能ブロックBRにおける励磁巻線の構成、および該出力機能ブロックBSにおける出力巻線の構成が任意に設定されて、必要な軸倍角が設定される。これにより、軸倍角選択の自由度が増大し、その結果レゾルバ構成・設計の自由度が増大する。ただしNは1以上の整数(自然数)であり、任意の数である。
【0058】
図において本発明のブラシレスレゾルバはまた、前記励磁機能ブロックBRにおける極対数mと、前記出力機能ブロックBSにおける極対数nとの関係を、m−n=1、とし、すなわち、該励磁機能ブロックBRにおける極対数mを該出力機能ブロックBSにおける極対数nよりも1対多く構成し、かつ前記ロータ4内のロータ励磁巻線441とロータ出力巻線442の配線において相回転を逆相とし、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られる軸倍角1のレゾルバとすることができる。
【0059】
また、前記励磁機能ブロックBRにおける極対数mと、前記出力機能ブロックBSにおける極対数nとの関係を、n−m=1、とし、すなわち、該励磁機能ブロックBRにおける極対数mを該出力機能ブロックBSにおける極対数nよりも1対少なく構成し、前記ロータ4内のロータ励磁巻線441とロータ出力巻線442の配線において相回転を逆相とし、レゾルバ1回転により回転方向が逆で回転量が1回転分の角度信号が得られるレゾルバとすることができる。
【0060】
図において本発明のブラシレスレゾルバは、前記励磁機能ブロックBRにおけるレゾルバ励磁信号と前記出力機能ブロックBSにおける出力信号との間における磁束の干渉を防止するために、該励磁機能ブロックBRにおける極対数mと、該出力機能ブロックBSにおける極対数nを異なる数とする構成とすることができる。
【0061】
【構成】
次に、上述した本発明ブラシレスレゾルバの基本的構成を踏まえ、各信号処理方式のブラシレスレゾルバの構成例について、説明する。
図3は、本発明のブラシレスレゾルバにおいて2相励磁2相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図3(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図3(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。本構成において、ステータはステータ励磁巻線a(m極対)、ステータ出力巻線c(n極対)、ロータはロータ励磁巻線b(m極対)、ロータ出力巻線d(n極対)にて構成される。E、Eは励磁信号であり、E、Eは出力信号である。理論式は数式1の〈1〉〜〈6〉のとおりである。数式中、K、K、Kは変圧比、ωは角速度(rad/s)、tは時間(s)、θは回転角(rad)である。以下も同じである。
【0062】
Figure 0004311523
【0063】
すなわち2相励磁2相出力の信号処理方式により、得られる出力信号EおよびEは、それぞれ励磁信号EおよびEと比べて(m+n)θだけ位相のずれた信号である。
【0064】
ここで、ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えて、相回転を変更すれば理論式は数式2の〈7〉、〈8〉にて表される。
【0065】
Figure 0004311523
【0066】
すなわちこの場合、2相励磁2相出力の信号処理方式により、得られる出力信号EおよびEは、それぞれ励磁信号EおよびEと比べて(m−n)θだけ位相のずれた信号となる。
【0067】
図4は、本発明のブラシレスレゾルバにおいて1相励磁2相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図4(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図4(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。本構成において、ステータはステータ励磁巻線a(m極対)、ステータ出力巻線c(n極対)、ロータはロータ励磁巻線b(m極対)、ロータ出力巻線d(n極対)にて構成される。Eは励磁信号であり、E、Eは出力信号である。理論式は数式3の〈11〉、〈12〉のとおりである。
【0068】
Figure 0004311523
【0069】
すなわち1相励磁2相出力の信号処理方式により、得られる出力信号EおよびEは、励磁信号Eと比べて軸倍角は(m+n)倍となり、すなわち1回転で(m+n)回転分の角度信号が得られる。
【0070】
ここで、ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えて、相回転を変更すれば理論式は数式4の〈13〉、〈14〉にて表される。
【0071】
Figure 0004311523
【0072】
すなわちこの場合、1相励磁2相出力の信号処理方式により、得られる出力信号EおよびEは、励磁信号Eと比べて軸倍角は(m−n)倍となり、すなわち1回転で(m−n)回転分の角度信号が得られる。
【0073】
図5は、本発明のブラシレスレゾルバにおいて2相励磁1相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図5(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図5(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。本構成において、ステータはステータ励磁巻線a(m極対)、ステータ出力巻線c(n極対)、ロータはロータ励磁巻線b(m極対)、ロータ出力巻線d(n極対)にて構成される。E、Eは励磁信号であり、Eは出力信号である。理論式は数式5の〈17〉のとおりである。
【0074】
Figure 0004311523
【0075】
すなわち2相励磁1相出力の信号処理方式により、得られる出力信号Eは、励磁信号E、Eと比べて(m+n)θだけ位相のずれた信号である。
【0076】
ここで、ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えて、相回転を変更すれば理論式は数式6の〈18〉にて表される。
【0077】
Figure 0004311523
【0078】
すなわちこの場合、2相励磁1相出力の信号処理方式により、得られる出力信号Eは、励磁信号E、Eと比べて(m−n)θだけ位相のずれた信号である。
【0079】
以上のように、本発明のブラシレスレゾルバにおいて、2相励磁2相出力、1相励磁2相出力、2相励磁1相出力の各信号処理方式のレゾルバを構成することができ、またその位相のずれを任意に構成し、励磁側および出力側における極対数mおよびnの組合せを選択することにより、回転角θに対してN倍(軸倍角N)の角度信号を得ることができる。さらに鉄心のスロット数およびm、nの組合せにより、必要とするN倍の信号を得ることができる。
【0080】
また、本発明のブラシレスレゾルバは、前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとを異なる数とすることによって、ステータとロータにおいてそれぞれ同一鉄心を用いる際の、励磁信号および出力信号の干渉を防止することができる。ここで、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。以下も同様である。
【0081】
また、本発明のブラシレスレゾルバは、前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係を、その差が1となるように極を構成することによって、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られるように構成することができる。回転方向の等しい軸倍角1のレゾルバを得ようとする場合は、各ブロックにおける極対数mとnの関係をm−n=1、となるように極を構成することにより、これを構成することができる。一方回転方向が逆で回転量が1回転分の角度信号を発生するレゾルバを得ようとする場合は、mとnの関係をn−m=1、となるように極を構成するとともに、前記ロータ内のロータ励磁巻線とロータ出力巻線の配線において相回転を逆相とすることにより、これを構成することができる。
【0082】
本発明のブラシレスレゾルバに用いられるロータは、上述のように2相の巻線の施されたスロットを有する鉄心からなるものであり、該2相の巻線は、レゾルバ信号変調のために相互に90°位相がずれたものとして構成されており、これにより上述した本発明のブラシレスレゾルバにおけるさまざまな信号変調がなされる。
【0083】
すなわち本発明のブラシレスレゾルバは、レゾルバ部として、2相の巻線からなるステータ励磁巻線部、ならびにステータ出力巻線部を構成する巻線が施されたステータ、およびロータ励磁巻線ならびにロータ出力巻線の計2相の巻線が施されたロータ、を有しており、該ステータ励磁巻線と該ロータ励磁巻線からなる励磁機能ブロックにおける極対数をmとしたとき、該ロータには次のような信号が発生する。
【0084】
(A)該ステータ励磁巻線部において2相ともに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線においては、
〔数式〕E=KEsin(ωt+mθ)、E=KEcos(ωt+mθ)
で表される2の信号E、Eが得られる。
(B)該ステータ励磁巻線部において1相のみに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線においては、
〔数式〕E=Kcos(mθ)、E=Ksin(mθ)
で表される2の信号E、Eが得られる。これらの信号に基づいて、ステータ出力巻線部における出力信号E、Eが決定される。各文字の意味は、先に述べたとおり、Kは変圧比、EおよびEは励磁信号、ωは角速度、tは時間、θは回転角である。
【0085】
【実施例】
本発明のブラシレスレゾルバにおける入出力巻線の構成を、1相励磁2相出力の場合(図4参照)を例に、以下に示す。mおよびnの組み合わせを変えることにより、回転角度θに対してN(軸倍角N)倍の角度信号が得られる。このときN倍の信号は例にとどまらず、鉄心のスロット数およびm、nとの組み合わせにより、必要とするN倍の信号を得ることができる。以下の各式において、θは回転角度、mは励磁側極対数、nは出力側極対数である。
【0086】
1.励磁側および出力側における極対数がそれぞれ、m=1、n=2の場合の出力信号は数式7に示したようになる。軸倍角は3となり、1回転で3回転分の角度信号が得られるブラシレスレゾルバが構成される。
【0087】
Figure 0004311523
【0088】
2.励磁側および出力側における極対数がそれぞれ、m=3、n=1の場合の出力信号は数式8に示したようになる。軸倍角は4となり、1回転で4回転分の角度信号が得られるブラシレスレゾルバが構成される。
【0089】
Figure 0004311523
【0090】
3.励磁側および出力側における極対数がそれぞれ、m=8、n=7で、相回転が逆の場合の出力信号は数式9に示したようになる。軸倍角は1となり、1回転で1回転分の角度信号が得られるブラシレスレゾルバが構成される。
【0091】
Figure 0004311523
【0092】
4.励磁側および出力側における極対数がそれぞれ、m=1、n=2で、相回転が逆の場合の出力信号は数式10に示したようになる。相回転が逆で、1回転で1回転分の角度信号が得られるブラシレスレゾルバが構成される。
【0093】
Figure 0004311523
【0094】
図6は、上記実施例3.の構成のブラシレスレゾルバにおいて実測した、軸角度と出力信号レベルの関係を示すグラフ図である(m=8、n=7、 相回転逆の場合)。軸倍角は1となり、1回転で1回転分の角度信号が得られるブラシレスレゾルバが構成されていることが示されている。図において、横軸に表す軸角度の単位は、radではなく、°(度)である。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、上述のように構成されているため、ブラシレスレゾルバの製造コストの低減を可能とするとともに、軸倍角1を含む任意の軸倍角を得ることができる。すなわち製造面からは、回転トランス部を不要とする簡素な構成により、部品個数あるいは部品点数、および製造工程数を削減することができ、製造コストを低減することができる。
【0096】
また、軸倍角1を含む任意の軸倍角を、鉄心形状における扁芯など不利な構成をとることなく得ることができ、検出精度や検出分解能等の点で用途に応じた任意のレゾルバ構成をとることができる。すなわち、軸倍角選択自由度が増大し、可能な信号処理方式の多様性とも相まって、レゾルバ構成の自由度増大を図ることができる。
【0097】
さらに性能面からは、トランス部不要の構成としたことにより、励磁側の磁気回路と出力側の磁気回路の干渉の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブラシレスレゾルバの構造を示す半断面図である。
【図2】 本発明のブラシレスレゾルバ10の構成を示す回路図であり、図2(a)はステータ3およびロータ4の各構成を示す結線図、図2(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。
【図3】 本発明のブラシレスレゾルバにおいて2相励磁2相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図3(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図3(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。
【図4】 本発明のブラシレスレゾルバにおいて1相励磁2相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図4(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図4(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。
【図5】 本発明のブラシレスレゾルバにおいて2相励磁1相出力の信号処理方式を採る場合の構成を示す回路図であり、図5(a)はステータおよびロータの各構成を示す結線図、図5(b)はレゾルバとしての励磁、出力各機能別にブロック分けした結線図である。
【図6】 実施例3.の構成のブラシレスレゾルバにおいて実測した、軸角度と出力信号レベルの関係を示すグラフ図である(m=8、n=7、 相回転逆の場合)。
【図7】 従来のブラシレスレゾルバの半断面図である。
【符号の説明】
1…軸、 2…ケース、 3…ステータ、 4…ロータ、 8…リード線、 10…ブラシレスレゾルバ、 33…ステータ鉄心、 34…ステータ巻線、 43…ロータ鉄心、 44…ロータ巻線、 341…ステータ励磁巻線部、 342…ステータ出力巻線部、 441…ロータ励磁巻線、 442…ロータ出力巻線、 3411、3412、3425、3426…ステータ巻線、 BR…励磁機能ブロック、 BS…出力機能ブロック、 E、E…励磁電圧、 E、E…出力電圧

Claims (7)

  1. ステータ側からロータ側へレゾルバ励磁信号を非接触で伝達するための励磁信号伝達手段を兼ねるレゾルバ部を有するブラシレスレゾルバにおいて、該レゾルバ部は、スロットを有し巻線(「ロータ巻線」ともいう。)の施されたロータ鉄心からなるロータおよびスロットを有し巻線(「ステータ巻線」ともいう。)の施されたステータ鉄心からなるステータ、の一組から構成されており、
    該ステータ巻線は、交流電圧により励磁されて該ロータにレゾルバ励磁信号を伝達するための巻線であるステータ励磁巻線部と、該ロータに顕現する検出すべき回転に応じた信号が出力される巻線であるステータ出力巻線部とからなり、該ステータ励磁巻線部は2相の巻線からなり、該ステータ励磁巻線部および該ステータ出力巻線部は同一の一の該ステータ鉄心上に設けられ、該ロータ巻線は、該ステータ励磁巻線部からのレゾルバ励磁信号伝達を受けるための巻線であるロータ励磁巻線と、該ステータ出力巻線部に出力信号を発生させるための巻線であるロータ出力巻線の計2相の巻線からなるロータ巻線部を構成しており、該ロータ励磁巻線および該ロータ出力巻線は同一の一の該ロータ鉄心上に設けられており、該ステータ励磁巻線部と該ロータ励磁巻線からなる励磁機能ブロックにおける極対数をmとしたとき、
    (A)該ステータ励磁巻線部において2相ともに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線には、
    〔数式〕
    =Esinωt、E=Ecosωt としたとき、
    =KEsin(ωt+mθ)、E=KEcos(ωt+mθ)
    で表される2の信号EおよびEが得られ、
    (B)該ステータ励磁巻線部において1相のみに励磁電圧が印加された場合には、該ロータの巻線には、
    〔数式〕
    =Kcos(mθ)、E=Ksin(mθ)
    で表される2の信号EおよびEが得られる巻線構造を備えており(ただし、Kは変圧比、Eは入力信号、EおよびEは励磁信号、ωは角速度、tは時間、θは回転角とする。)、さらに、ブラシレスレゾルバにおける励磁信号E、E、および出力信号E、Eが、
    (I)信号処理方式が2相励磁2相出力の場合は、
    〔数式〕
    =Esinωt−−−−〈1〉
    =Ecosωt−−−−〈2〉
    =KEsin{ωt+(m+n)θ}−−−−〈5〉
    =KEcos{ωt+(m+n)θ}−−−−〈6〉
    で表され、ただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
    〔数式〕
    =KEsin{ωt+(m−n)θ}−−−−〈7〉
    =KEcos{ωt+(m−n)θ}−−−−〈8〉
    で表されるものであり、
    (II)信号処理方式が1相励磁2相出力の場合は、
    〔数式〕
    =Esinωt−−−−〈1〉
    =KEcos{(m+n)θ}−−−−〈11〉
    =KEsin{(m+n)θ}−−−−〈12〉
    で表され、ただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
    〔数式〕
    =KEcos{(m−n)θ}−−−−〈13〉
    =KEsin{(m−n)θ}−−−−〈14〉
    で表されるものであり、
    (III)信号処理方式が2相励磁1相出力の場合は、
    〔数式〕
    =Esinωt−−−−〈1〉
    =Ecosωt−−−−〈2〉
    =KEsin{ωt+(m+n)θ}−−−−〈17〉
    で表されただしロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されている場合の出力信号は、
    〔数式〕
    =KEsin{ωt+(m−n)θ}−−−−〈18〉
    で表されるものであることを特徴とする、ブラシレスレゾルバ(ただし、KおよびKは変圧比、EおよびEは励磁信号、Eは入力信号、ωは角速度、tは時間、θは回転角、mは前記励磁機能ブロックにおける極対数、nは前記出力機能ブロックにおける極対数、とする。)。
  2. 前記ステータ鉄心または前記ロータ鉄心の少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、前記ステータ励磁巻線部および前記ロータ励磁巻線からなる励磁機能ブロックにおける極対数、および、前記ステータ出力巻線部および前記ロータ出力巻線からなる出力機能ブロックにおける極対数、の組合せにおいて、これらのうち少なくともいずれか一つが任意に設定されていることにより、レゾルバ1回転に対してN倍の回転数の角度信号を得ることができることを特徴とする、請求項1に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、Nは1以上の整数であり、任意の数である。)。
  3. 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、m−n=1、であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、レゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、軸倍角1のレゾルバが構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
  4. 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと、前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係が、n−m=1、であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、レゾルバ1回転により回転量が1回転分の角度信号が得られるレゾルバが構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
  5. 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がm−n=1 であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、回転方向が励磁信号と等しい軸倍角1の角度信号の発生が得られ、極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nが異なる数であることによって、励磁信号および出力信号の干渉を防止できることを特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
  6. 前記励磁機能ブロックにおける極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nとの関係は、その差が1となるように極対が構成されていることによってレゾルバ1回転により1回転分の角度信号が得られ、mとnの関係がn−m=1 であり、前記ロータ内の入力と出力コイル間の配線を変えたことによって出力される信号の符号が変更されていることにより、回転量が1回転分の角度信号の発生が得られ、極対数mと前記出力機能ブロックにおける極対数nが異なる数であることによって、励磁信号および出力信号の干渉を防止できることを特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスレゾルバ(ただし、m、nはともに、正の整数であり、任意の数である。)。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のブラシレスレゾルバに用いるためのロータであって、該ロータは2相の巻線の施されたスロットを有する鉄心からなることを特徴とする、ブラシレスレゾルバ用ロータ。
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