JP2003232654A - ブラシレスレゾルバ - Google Patents

ブラシレスレゾルバ

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JP2003232654A
JP2003232654A JP2002032937A JP2002032937A JP2003232654A JP 2003232654 A JP2003232654 A JP 2003232654A JP 2002032937 A JP2002032937 A JP 2002032937A JP 2002032937 A JP2002032937 A JP 2002032937A JP 2003232654 A JP2003232654 A JP 2003232654A
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transformer
rotor
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iron core
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Satoshi Kimura
諭 木村
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Tamagawa Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減することによってコスト低減
を図り、かつ、励磁側の磁気回路と出力側の磁気回路の
干渉を低減することができ、さらに、検出精度や検出分
解能を高め得る構成を備えた、新規なブラシレスレゾル
バを提供すること。 【解決手段】 ブラシレスレゾルバ10において、ステ
ータトランス鉄心51およびステータトランス巻線52
からなるステータトランス5を有し、かつ、ロータトラ
ンス鉄心61およびロータトランス巻線62からなるロ
ータトランス6を有しており、該ステータトランス5お
よび該ロータトランス6は、ステータ側からロータ側へ
レゾルバ励磁信号を非接触で伝達し、かつ、回転角に応
じた該レゾルバ励磁信号を変調するための、鉄心を用い
たトランス部を構成する。該ステータトランス鉄心51
およびロータトランス鉄心61としては、積層加工され
た積層鉄心を用いることができ、またスロットのある鉄
心を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレスレゾルバ
に関し、特に、トランス部における新規な構成により、
コスト低減と性能改善を同時に実現することのできるブ
ラシレスレゾルバに関する。
【0002】
【従来の技術】回転位置検出器の一つであるレゾルバ
は、励磁側巻線を交流電圧により励磁すると、回転角度
によって出力側巻線において誘起される交流の出力電圧
の位相もしくは振幅が変化することを利用して、回転機
器の回転角度を検出するものである。作動原理はトラン
スと共通するが、トランスにおける鉄心がロータとステ
ータに分かれている点が異なる。レゾルバは、高温、高
振動等の環境下でも使用でき、故障しにくく、さらにノ
イズにも強いため、高度な信頼性を要求される機器の検
出器として広く用いられている。
【0003】レゾルバのうち、ブラシレスレゾルバで
は、ロータに信号を伝達する手段として、従前のブラシ
およびスリップリングの代わりに、回転トランスを用い
るのが一般的である。
【0004】図3は、従来のブラシレスレゾルバの構造
を示す半断面図である。図において従来のブラシレスレ
ゾルバは、ステータレゾルバ鉄心131ならびにステー
タレゾルバ巻線132からなるステータと、および、ロ
ータレゾルバ鉄心141ならびにロータレゾルバ巻線1
42からなるロータとにより構成される検出部(以下、
「レゾルバ部」ともいう。)と、ステータトランス15
1ならびにステータトランス巻線152からなるステー
タトランスと、および、ロータトランス161ならびに
ロータトランス巻線162からなるロータトランスとに
より構成される回転トランス(以下、「トランス部」と
もいう。)と、から主として構成される。
【0005】つまりブラシレスレゾルバは、回転角に応
じた電圧が得られるレゾルバ部と、ロータへの信号伝達
を目的とするトランス部とを主たる構成としており、こ
れを製造面からみると、従来のブラシレスレゾルバのト
ランス部には円筒形状をした切削トランスが使用され、
一方レゾルバ部には積層加工された積層鉄心が使用され
ており、ブラシレスレゾルバの製造の際、各部において
使用される部品は異なるものだった。
【0006】また機能面からみると、ブラシレスレゾル
バは、ステータトランス、ロータトランス、ロータ鉄
心、ステータ鉄心によって磁気回路を構成し、ステータ
トランスおよびロータトランスからなるトランス部は、
ステータ側からロータ側へレゾルバ励磁信号を非接触で
伝達する機能のみを担い、一方ロータ鉄心およびレゾル
バ鉄心からなるレゾルバ部は、回転角に応じたレゾルバ
励磁信号の変調というレゾルバ本来の機能を担ってい
た。したがって、従来のブラシレスレゾルバにおいて
は、トランス部はレゾルバ本来の機能に寄与するもので
はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
ブラシレスレゾルバでは、トランス部およびレゾルバ部
において使用される部品が異なるため、製造コストの低
減が困難であるという問題があった。また、トランス部
はレゾルバのブラシレス化には寄与しているものの、レ
ゾルバ本来の機能であるレゾルバ励磁信号の変調には寄
与せず、むしろ、トランス部において発生する磁束がレ
ゾルバ部と干渉しやすい方向に流れるため、レゾルバの
回転角検出性能面からみた場合、性能阻害原因の一つと
なることがあった。
【0008】他方、レゾルバ応用分野拡大の観点から
は、ブラシレスレゾルバにおける回転角検出精度や検出
分解能等における、さらなる性能改善が求められるとこ
ろである。
【0009】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を
除き、トランス部における新規な構成により、コスト低
減と性能改善を同時に実現することのできるブラシレス
レゾルバを提供することである。すなわち、製造面から
は、部品点数を削減することによってコスト低減を図
り、性能面からは、励磁側の磁気回路と出力側の磁気回
路の干渉を低減することができ、さらに、検出精度や検
出分解能を高め得る構成を備えた、新規なブラシレスレ
ゾルバを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記課題に
ついて鋭意検討した結果、従来切削トランスを使用して
いたトランス部において、レゾルバ部と同じく鉄心を使
用し、さらにはトランス部の鉄心においても巻線を施す
ことによって上記課題の解決が可能であることを見出
し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するた
めの手段として本願で特許請求される発明は、以下のと
おりである。
【0011】(1)ステータ側からロータ側へレゾルバ
励磁信号を非接触で伝達するためのトランス部と、検出
すべき回転角に応じて該レゾルバ励磁信号を変調するた
めのレゾルバ部と、を備えたブラシレスレゾルバにおい
て、該トランス部が鉄心を用いたものであることを特徴
とする、ブラシレスレゾルバ。
【0012】(2)前記鉄心が、積層加工された積層鉄
心であり、かつスロットを有することを特徴とする、
(1)のブラシレスレゾルバ。
【0013】(3)前記トランス部および前記レゾルバ
部において設けられる巻線の相数の構成により、2相励
磁2相出力、1相励磁2相出力、または2相励磁1相出
力の、いずれかの信号処理方式とすることができること
を特徴とする、(1)または(2)のブラシレスレゾル
バ。
【0014】(4)巻線が、励磁側および出力側に2相
ずつ設けられているか、励磁側に1相および出力側に2
相設けられているか、または励磁側に2相および出力側
に1相設けられているか、のいずれかであることを特徴
とする、(1)または(2)のブラシレスレゾルバ。
【0015】(5)2種類の電気角を発生させることの
できる電気角複発生手段を有することを特徴とする、
(1)ないし(4)のいずれかのブラシレスレゾルバ。
【0016】(6)前記電気角複発生手段が、前記レゾ
ルバ部およびトランス部の少なくともいずれか一方にお
ける鉄心のスロット数、励磁側巻線、および出力側巻線
の組み合わせにより、該レゾルバ部およびトランス部の
それぞれにおいて極構成を生じさせるものであることを
特徴とする、(5)のブラシレスレゾルバ。
【0017】(7)前記レゾルバ部またはトランス部の
少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、励
磁側巻線、および出力側巻線の適宜の組み合わせによ
り、任意の軸倍角による角度信号を得られることを特徴
とする、(1)ないし(4)のいずれかのブラシレスレ
ゾルバ。
【0018】(8)励磁側磁気回路が、出力側磁気回路
の磁束方向と互いに干渉しない磁束方向を有することを
特徴とする、(1)ないし(7)のいずれかのブラシレ
スレゾルバ。
【0019】(9)前記トランス部のロータトランスお
よび前記レゾルバ部のロータレゾルバにおいて、これら
に用いられる鉄心およびコイルの仕様が共通化されてい
ることを特徴とする、(1)ないし(8)のいずれかの
ブラシレスレゾルバ。
【0020】すなわち本発明は、コスト低減の課題を解
決するために、ブラシレスレゾルバの円筒形状の切削ト
ランスの代わりに積層加工されたスロットのある鉄心を
使用し、また、トランス部の磁束方向を変えて励磁側の
磁気回路と出力側の磁気回路の干渉低減の課題を解決す
るためにもトランス部に鉄心を使用し、さらに検出精度
や検出分解能向上の課題を解決するために、励磁側鉄心
および出力側鉄心の双方に回転角をもった巻線を施す、
という手段を講じたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。
【0022】
【構成】図1は、本発明のブラシレスレゾルバの構造を
示す半断面図である。図において本発明のブラシレスレ
ゾルバ10は、ステータトランス鉄心51およびステー
タトランス巻線52からなるステータトランス5を有
し、かつ、ロータトランス鉄心61およびロータトラン
ス巻線62からなるロータトランス6を有しており、該
ステータトランス5および該ロータトランス6は、ステ
ータ側からロータ側へレゾルバ励磁信号を非接触で伝達
し、かつ、回転角に応じた該レゾルバ励磁信号を変調す
るための、鉄心を用いたトランス部を構成する。該ステ
ータトランス鉄心51およびロータトランス鉄心61と
しては、積層加工された積層鉄心を用いることができ、
またスロットのある鉄心を用いることができる。
【0023】図1において、また、本発明のブラシレス
レゾルバ10は、ステータレゾルバ鉄心31およびステ
ータレゾルバ巻線32からなるステータレゾルバ3を有
し、かつ、ロータレゾルバ鉄心41およびロータレゾル
バ巻線42からなるロータレゾルバ4を有しており、該
ステータレゾルバ3および該ロータレゾルバ4は、検出
すべき回転角に応じて該レゾルバ励磁信号を変調するた
めのレゾルバ部を構成する。
【0024】すなわち本発明のブラシレスレゾルバは、
レゾルバ励磁信号の非接触伝達、および回転角に応じた
レゾルバ励磁信号変調のための、鉄心を用いたトランス
部と、回転角に応じたレゾルバ励磁信号変調のためのレ
ゾルバ部と、から主として構成される。
【0025】そして前記トランス部の鉄心として、積層
鉄心、またはスロットのある積層鉄心を用いることがで
きる。したがって、前記レゾルバ部および前記トランス
部のステータおよびロータのすべてについて、スロット
を有する積層鉄心を用いることができる。これら前記ス
テータレゾルバ鉄心31、前記ロータレゾルバ鉄心4
1、前記ステータトランス鉄心51、および前記ロータ
トランス鉄心61は、スロット数やサイズなどその仕様
や規格を共通化することができる。さらには、これらの
鉄心に巻線として施すコイルの仕様や規格も共通化する
ことができる。
【0026】図1において、鉄心を用いた該ステータト
ランス鉄心51には、隣接して設けられる該ステータレ
ゾルバ鉄心31に施された該ステータレゾルバ巻線32
により発生する磁束の方向と干渉しない方向の磁束を発
生させる、前記ステータトランス巻線52が施される。
同様に、鉄心を用いた該ロータトランス鉄心61には、
隣接して設けられる該ロータレゾルバ鉄心41に施され
た前記ロータレゾルバ巻線42により発生する磁束の方
向と干渉しない方向の磁束を発生させる、前記ロータト
ランス巻線62が施される。
【0027】
【作用】図1において、本発明のブラシレスレゾルバ1
0は、前記ステータトランス巻線52が施された前記ス
テータトランス鉄心51、および前記ロータトランス巻
線62が施された前記ロータトランス鉄心61からなる
前記トランス部により、ステータ側からロータ側へレゾ
ルバ励磁信号が非接触で伝達される。すなわち、ブラシ
レスによる信号伝達がなされる。さらに該トランス部に
おいて鉄心が用いられることにより、回転角に応じた該
レゾルバ励磁信号変調がなされる。
【0028】また、本発明のブラシレスレゾルバ10
は、前記ステータレゾルバ巻線32が施された前記ステ
ータレゾルバ鉄心31、および前記ロータレゾルバ巻線
42が施された前記ロータレゾルバ鉄心41、からなる
レゾルバ部により、検出すべき回転角に応じてレゾルバ
出力信号が変調される。
【0029】前記レゾルバ部および前記トランス部のス
テータおよびロータのすべてについて、スロットを有す
る積層鉄心を用いることにより、これら該ステータレゾ
ルバ鉄心31、該ロータレゾルバ鉄心41、該ステータ
トランス鉄心51、および該ロータトランス鉄心61
は、その仕様や規格が共通化され、製造工程において部
品点数が低減されるため、製造コストの低減を図ること
ができる。さらには、これらにおけるコイルの仕様や規
格も共通化することにより、同様に製造コストの低減を
図ることができる。
【0030】図1において、また、鉄心を用いた前記ス
テータトランス鉄心51に施される前記ステータトラン
ス巻線52により、隣接して設けられる前記ステータレ
ゾルバ鉄心31に施された前記ステータレゾルバ巻線3
2により発生する磁束の方向と干渉しない方向の磁束が
発生する。同様に、鉄心を用いた前記ロータトランス鉄
心61に施された該ロータトランス巻線62により、隣
接して設けられる前記ロータレゾルバ鉄心41に施され
た前記ロータレゾルバ巻線42により発生する磁束の方
向と干渉しない方向の磁束が発生する。すなわち、励磁
側磁気回路において、出力側磁気回路の磁束方向と互い
に干渉しない磁束方向を有する磁束が発生する。これに
より、従来のブラシレスレゾルバにおける問題であっ
た、トランス部からレゾルバ部への磁気回路の干渉の低
減が図られる。
【0031】
【構成】図2は、本発明のブラシレスレゾルバ10の等
価回路を示す回路図である。図において本発明のブラシ
レスレゾルバ10は、ステータトランス5、ロータトラ
ンス6、ステータレゾルバ3、およびロータレゾルバ4
を含む。
【0032】該ステータトランス5は、ステータトラン
ス巻線52(図示せず)の施されたステータトランス鉄
心51(図示せず)からなっており、該ステータトラン
ス巻線52としては、回転角度に対して位相のずれた巻
線521と巻線522の二つの巻線を備えることができ
る。ただし該巻線521、522は、少なくともその一
方を備えることとすることができる。該巻線521の両
端には励磁電圧Eが供給される。また、該巻線522
の両端には励磁電圧Eが供給される。該巻線521、
522間の位相のずれは、90°とすることができる。
このとき、各励磁電圧E1、は、数式1のとおりで
ある。
【0033】
【数1】
【0034】ロータトランス6は、ロータトランス巻線
62(図示せず)の施されたロータトランス鉄心61
(図示せず)からなっており、該ロータトランス巻線6
2としては、回転角度に対して位相のずれた巻線621
と巻線622の二つの巻線を備えている。該巻線62
1、622間の位相のずれは、90°とすることができ
る。該ロータトランス6と前記ステータトランス5はと
もに鉄心が用いられているため、両者間の相対回転によ
る機械角α(図示せず)に基づき、ブラシレスレゾルバ
励磁側における電気角(以下、これを「第一の電気角」
という。)とは異なる第二の電気角φが発生する。
【0035】ロータレゾルバ4は、ロータレゾルバ巻線
42(図示せず)の施されたロータレゾルバ鉄心41
(図示せず)からなっており、該ロータレゾルバ巻線4
2としては、回転角度に対して位相のずれた巻線421
と巻線422の二つの巻線を備えている。該巻線42
1、422間の位相のずれは、90°とすることができ
る。該ロータレゾルバ4と後記ステータレゾルバ3間の
相対回転による機械角α(図示せず)に基づき、前記第
二の電気角φとは異なる、ブラシレスレゾルバ励磁側に
おける電気角である第一の電気角θが発生する。
【0036】ステータレゾルバ3は、ステータレゾルバ
巻線32(図示せず)の施されたステータレゾルバ鉄心
31(図示せず)からなっており、該ステータレゾルバ
巻線32としては、回転角度に対して位相のずれた巻線
323と巻線324の二つの巻線を備えることができ
る。ただし該巻線323、324は、少なくとも一方を
備えることとすることができる。該巻線323、324
間の位相のずれは、90°とすることができる。該巻線
323の両端には出力電圧Eが出力される。また、該
巻線324の両端には出力電圧Eが出力される。
【0037】
【作用】図2において、励磁側および出力側の各巻線5
21、522、323、および324の配設の有無によ
り、ブラシレスレゾルバ10は三種類の信号処理方式を
とることができる。まず、上記各巻線がすべて配設され
た場合は、位相変調型の信号処理が可能である。すなわ
ち、2相の励磁電圧EおよびEを供給することによ
り、2相の出力電圧EおよびEが得られる。巻線5
21および522、巻線323および324のそれぞれ
において、位相のずれが90°であるとき、出力電圧E
およびEは、数式2のとおりである。
【0038】
【数2】
【0039】したがって、ロータ回転角である機械角α
に基づいて発生する第一の電気角θ、および第二の電気
角φの和として得られる電気角の分だけ位相のずれた信
号を、EおよびEの2相得ることができ、2相励磁
2相出力のレゾルバを構成する。
【0040】上記各巻線のうち、励磁側巻線の一つであ
る巻線522(または521)がない場合は、励磁電圧
がなくEのみ(または、EがなくEのみ)で
あり、振幅変調型の信号処理となる。すなわち、1相の
励磁電圧E(またはE)を供給することにより、2
相の出力電圧EおよびEが得られる。巻線323お
よび324の位相のずれが90°であるとき、出力電圧
およびEは、数式3のとおりである。
【0041】
【数3】
【0042】したがって、ロータ回転角である機械角α
に基づいて発生する第一の電気角θ、および第二の電気
角φの和として得られる電気角に応じたsin、cos
の電圧振幅信号を、EおよびEとして2相得ること
ができ、1相励磁2相出力のレゾルバが構成される。
【0043】上記各巻線のうち、出力側巻線の一つであ
る巻線324(または、323)がない場合は、出力電
圧EがなくEのみ(または、EがなくEのみ)
であり、位相変調型の信号処理となる。すなわち、2相
の励磁電圧EおよびEを供給することにより、1相
の出力電圧E(または、E)が得られる。巻線52
1および522の位相のずれが90°であるとき、出力
電圧E(または、E )は、数式4のとおりである。
【0044】
【数4】
【0045】したがって、ロータ回転角である機械角α
に基づいて発生する第一の電気角θ、および第二の電気
角φの和として得られる電気角の分だけ位相のずれた信
号を、E(または、E)において1相得ることがで
き、2相励磁1相出力のレゾルバが構成される。
【0046】すなわち、本発明のブラシレスレゾルバに
よれば、前記トランス部および前記レゾルバ部において
設けられる巻線の相数の構成により、2相励磁2相出
力、1相励磁2相出力、または2相励磁1相出力の信号
処理方式とすることができる。
【0047】上記第一の電気角θ、および第二の電気角
φの二種類の電気角を発生させることのできる電気角複
発生手段としては、前記レゾルバ部およびトランス部の
少なくともいずれか一方における鉄心のスロット数、励
磁側巻線、および出力側巻線の適宜の組み合わせによ
り、該レゾルバ部およびトランス部のそれぞれにおいて
極構成を生じさせる構成をとることができる。
【0048】すなわち、該レゾルバ部およびトランス部
における鉄心に設けられるスロット数の如何により、該
レゾルバ部およびトランス部における励磁側および出力
側巻線の構成を多様化でき、さらに設ける極数の選択自
由度の拡大とも相まって、二種類の電気角θおよびφの
組合せの自由度が拡大し、その結果、軸倍角選択の自由
度が拡大する。つまり、軸倍角をNとした場合、ロータ
回転角である機械角αのN倍の角度信号が得られるが、
本発明のブラシレスレゾルバにおいて二種類の電気角が
得られることにより、N選択の幅が広がり、個々のブラ
シレスレゾルバにおいて求められる性能に応じて、必要
とされる任意の軸倍角の信号を得ることができる。これ
により、たとえば高倍角を得ることにより回転角検出を
高分解能化できるなど、ブラシレスレゾルバの回転角検
出性能を改善することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明のブラシレスレゾルバにおけ
る、巻線構成例を示すが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0050】1.機械角と電気角の関係を、α=θ=φ
とした場合 この場合は、第一の電気角θ、第二の電気角φとも、電
気角を発生する巻線構成において、極数はいずれも2で
あり、機械角αに対し、電気角θ+φ=2αであるた
め、機械角1回転で2回転分の角度信号が得られ、角度
検出精度は2倍となる。
【0051】2.機械角と電気角の関係を、θ=φ=2
α とした場合 この場合は、第一の電気角θ、第二の電気角φとも、電
気角を発生する巻線構成において、極数はいずれも4で
あり、機械角αに対し、電気角θ+φ=4αであるた
め、機械角1回転で4回転分の角度信号が得られ、角度
検出精度は4倍となる。
【0052】3.機械角と電気角の関係を、θ=2α、
φ=−α とした場合 この場合は、第一の電気角θを発生する巻線構成におい
て極数は4であり、一方、第二の電気角φを発生する巻
線構成において極数は2で、発生信号は逆相であり、し
たがって機械角αに対し、電気角θ+φ=αであるた
め、機械角1回転で、機械角と等しい1回転分の角度信
号が得られ、角度検出精度は等倍となる。
【0053】4.機械角と電気角の関係を、θ=φ=8
α とした場合 この場合は、第一の電気角θ、第二の電気角φとも、電
気角を発生する巻線構成において、極数はいずれも16
であり、機械角αに対し、電気角θ+φ=16αである
ため、機械角1回転で16回転分の角度信号が得られ、
角度検出精度は16倍となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように構成され
ているため、コスト低減と性能改善を同時に実現するこ
とができる。すなわち、製造面からは、従来のブラシレ
スレゾルバが備える信号伝達機能におけるブラシレス化
の利点を維持したまま、部品点数の削減によるコスト低
減を実現することができる。
【0055】また機能面からは、信号処理方法の多様性
によるレゾルバ構成の自由度を拡大することができる。
【0056】また性能面からは、トランス部構成の改良
により、励磁側の磁気回路と出力側の磁気回路の干渉を
低減して、回転角検出性能を改善することができる。さ
らに、トランス部の鉄心にも回転角を持った巻線が施さ
れること等により、軸倍角選択の自由度が拡大するた
め、ブラシレスレゾルバの検出精度や検出分解能の一層
の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブラシレスレゾルバの構造を示す半
断面図である。
【図2】 本発明のブラシレスレゾルバの等価回路を示
す回路図である。
【図3】 従来のブラシレスレゾルバの構造を示す半断
面図である。
【符号の説明】
1…軸、 2…ケース、 3…ステータレゾルバ、 3
1…ステータレゾルバ鉄心、 32…ステータレゾルバ
巻線、 4…ロータレゾルバ、 41…ロータレゾルバ
鉄心、 42…ロータレゾルバ巻線、 5ステータトラ
ンス、 51…ステータトランス鉄心、 52…ステー
タトランス巻線、 6…ロータトランス、61…ロータ
トランス鉄心、 62…ロータトランス巻線、 8…リ
ード線、10…ブラシレスレゾルバ、 131…ステー
タレゾルバ鉄心、 132…ステータレゾルバ巻線、
141…ロータレゾルバ鉄心、 142…ロータレゾル
バ巻線、 151…ステータトランス、 152…ステ
ータトランス巻線、 161…ロータトランス、 16
2…ロータトランス巻線、 E、E…励磁電圧、
、E…出力電圧、 θ…第一の電気角、 φ…第
二の電気角

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ側からロータ側へレゾルバ励磁
    信号を非接触で伝達するためのトランス部と、検出すべ
    き回転角に応じて該レゾルバ励磁信号を変調するための
    レゾルバ部と、を備えたブラシレスレゾルバにおいて、
    該トランス部が鉄心を用いたものであることを特徴とす
    る、ブラシレスレゾルバ。
  2. 【請求項2】 前記鉄心が、積層加工された積層鉄心で
    あり、かつスロットを有することを特徴とする、請求項
    1に記載のブラシレスレゾルバ。
  3. 【請求項3】 前記トランス部および前記レゾルバ部に
    おいて設けられる巻線の相数の構成により、2相励磁2
    相出力、1相励磁2相出力、または2相励磁1相出力
    の、いずれかの信号処理方式とすることができることを
    特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスレゾ
    ルバ。
  4. 【請求項4】 巻線が、励磁側および出力側に2相ずつ
    設けられているか、励磁側に1相および出力側に2相設
    けられているか、または励磁側に2相および出力側に1
    相設けられているか、のいずれかであることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載のブラシレスレゾルバ。
  5. 【請求項5】 2種類の電気角を発生させることのでき
    る電気角複発生手段を有することを特徴とする、請求項
    1ないし4のいずれかに記載のブラシレスレゾルバ。
  6. 【請求項6】 前記電気角複発生手段が、前記レゾルバ
    部およびトランス部の少なくともいずれか一方における
    鉄心のスロット数、励磁側巻線、および出力側巻線の組
    み合わせにより、該レゾルバ部およびトランス部のそれ
    ぞれにおいて極構成を生じさせるものであることを特徴
    とする、請求項5に記載のブラシレスレゾルバ。
  7. 【請求項7】 前記レゾルバ部またはトランス部の少な
    くともいずれか一方における鉄心のスロット数、励磁側
    巻線、および出力側巻線の適宜の組み合わせにより、任
    意の軸倍角による角度信号を得られることを特徴とす
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載のブラシレスレ
    ゾルバ。
  8. 【請求項8】 励磁側磁気回路が、出力側磁気回路の磁
    束方向と互いに干渉しない磁束方向を有することを特徴
    とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のブラシレ
    スレゾルバ。
  9. 【請求項9】 前記トランス部のロータトランスおよび
    前記レゾルバ部のロータレゾルバにおいて、これらに用
    いられる鉄心およびコイルの仕様が共通化されているこ
    とを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の
    ブラシレスレゾルバ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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