JP4311038B2 - 学習装置および方法、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

学習装置および方法、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、学習装置および方法、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、例えば、画像をより高画質の画像に変換すること等ができるようにする学習装置および方法、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、例えば、画像の画質等の向上その他の画像の変換を行うデータ変換処理として、クラス分類適応処理を、先に提案している。
【0003】
クラス分類適応処理は、クラス分類処理と適応処理とからなり、クラス分類処理によって、データを、その性質に基づいてクラス分けし、各クラスごとに適応処理を施すものであり、適応処理とは、以下のような手法の処理である。
【0004】
即ち、適応処理では、例えば、低画質または標準画質の画像(以下、適宜、SD(Standard Definition)画像という)データが、所定のタップ係数(以下、適宜、予測係数とも称する)を用いてマッピング(写像)されることにより、高画質の画像(以下、適宜、HD(High Definition)画像という)データに変換される。
【0005】
いま、このタップ係数を用いてのマッピング方法として、例えば、線形1次結合モデルを採用することとすると、HD画像データを構成する画素(以下、適宜、HD画素という)(の画素値)yは、SD画像データを構成する画素(以下、適宜、SD画素という)から、HD画素を予測するための予測タップとして抽出される複数のSD画素と、タップ係数とを用いて、次の線形1次式(線形結合)によって求められる。
【数1】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0006】
但し、式(1)において、xnは、HD画素yについての予測タップを構成する、n番目のSD画像データの画素の画素値を表し、wnは、n番目のSD画素(の画素値)と乗算されるn番目のタップ係数を表す。なお、式(1)では、予測タップが、N個のSD画素x1,x2,・・・,xNで構成されるものとしてある。
【0007】
ここで、HD画素の画素値yは、式(1)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求めるようにすることも可能である。
【0008】
いま、第kサンプルのHD画素の画素値の真値をykと表すとともに、式(1)によって得られるその真値ykの予測値をyk'と表すと、その予測誤差ekは、次式で表される。
【数2】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0009】
式(2)の予測値yk'は、式(1)にしたがって求められるため、式(2)のyk'を、式(1)にしたがって置き換えると、次式が得られる。
【数3】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0010】
但し、式(3)において、xn,kは、第kサンプルのHD画素についての予測タップを構成するn番目のSD画素を表す。
【0011】
式(3)の予測誤差ekを0とするタップ係数wnが、HD画素を予測するのに最適なものとなるが、すべてのHD画素について、そのようなタップ係数wnを求めることは、一般には困難である。
【0012】
そこで、タップ係数wnが最適なものであることを表す規範として、例えば、最小自乗法を採用することとすると、最適なタップ係数wnは、統計的な誤差としての、例えば、次式で表される自乗誤差の総和Eを最小にすることで求めることができる。
【数4】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0013】
但し、式(4)において、Kは、HD画素ykと、そのHD画素ykについての予測タップを構成するSD画素x1,k,x2,k,・・・,xN,kとのセットのサンプル数を表す。
【0014】
式(4)の自乗誤差の総和Eを最小(極小)にするタップ係数wnは、その総和Eをタップ係数wnで偏微分したものを0とするものであり、従って、次式を満たす必要がある。
【数5】
Figure 0004311038
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【0015】
そこで、上述の式(3)をタップ係数wnで偏微分すると、次式が得られる。
【数6】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0016】
式(5)と(6)から、次式が得られる。
【数7】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0017】
式(7)のekに、式(3)を代入することにより、式(7)は、式(8)で示される正規方程式で表すことができる。
【数8】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0018】
式(8)の正規方程式は、HD画素ykとSD画素xn,kのセットを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wnの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(8)を解くことで(但し、式(8)を解くには、式(8)において、タップ係数wnにかかる左辺の行列が正則である必要がある)、最適なタップ係数wnを求めることができる。なお、式(8)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを採用することが可能である。
【0019】
以上のように、多数のHD画素y1,y2,・・・,yKを、タップ係数の学習の教師となる教師データとするとともに、各HD画素ykについての予測タップを構成するSD画素x1,k,x2,k,・・・,xN,kを、タップ係数の学習の生徒となる生徒データとして、式(8)を解くことにより、最適なタップ係数wnを求める学習を行っておき、さらに、そのタップ係数wnを用い、式(1)により、SD画像データを、HD画像データにマッピング(変換)するのが適応処理である。
【0020】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていないが、HD画像に含まれる成分が再現される点で、例えば、単なる補間処理等とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当するタップ係数wnが、教師データとしてのHD画像データと生徒データとしてのSD画像データとを用いての学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造(解像度想像)作用がある処理ということができる。
【0021】
ここで、タップ係数wnの学習では、教師データyと生徒データxとの組み合わせとして、どのようなものを採用するかによって、各種の変換を行うタップ係数wnを求めることができる。
【0022】
即ち、例えば、教師データyとして、HD画像データを採用するとともに、生徒データxとして、そのHD画像データにノイズやぼけを付加したSD画像データを採用した場合には、画像を、そのノイズやぼけを除去した画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。また、例えば、教師データyとして、HD画像データを採用するとともに、生徒データxとして、そのHD画像データの解像度を劣化させたSD画像データを採用した場合には、画像を、その解像度を向上させた画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。さらに、例えば、教師データyとして、画像データを採用するとともに、生徒データxとして、その画像データをDCT(Discrete Cosine Transform)変換したDCT係数を採用した場合には、DCT係数を画像データに変換するタップ係数wnを得ることができる。
【0023】
次に、クラス分類適応処理を実行する、従来の画像処理装置の構成を説明する。
【0024】
図1は、クラス分類適応処理により、SD画像である入力画像から、HD画像である出力画像を創造する、従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【0025】
図1に構成が示される画像処理装置において、入力画像は、クラスタップ抽出部11および予測タップ抽出部15に供給される。
【0026】
クラスタップ抽出部11は、注目している画素(以下、注目画素とも称する)に対応する、所定の画素であるクラスタップを入力画像から抽出し、抽出したクラスタップを入力画像と共に特徴量演算部12に供給する。特徴量演算部12は、クラスタップ抽出部11から供給された入力画像から、注目している画素に対応する画像の特徴量を演算し、クラスタップと共に演算した特徴量をクラス分類部13に供給する。画像の特徴量とは、動き、またはフレーム内の画素値の変化などをいう。
【0027】
クラス分類部13は、特徴量演算部12から供給されたクラスタップおよび特徴量を基に、注目している画素に対応して、クラス分けし、クラス分けの結果を示すクラスコードを係数メモリ14および予測タップ抽出部15に供給する。
【0028】
係数メモリ14は、クラス分類部13から供給されたクラスコードを基に、注目している画素のクラスに対応するタップ係数を画素値演算部16に供給する。
【0029】
予測タップ抽出部15は、クラス分類部13から供給されたクラスコードを基に、注目している画素に対応して、所定の予測タップを入力画像から抽出する。予測タップ抽出部15は、抽出した予測タップを画素値演算部16に供給する。
【0030】
画素値演算部16は、予測タップ抽出部15から供給された予測タップおよび係数メモリ14から供給されたタップ係数から、式(1)で示される演算により、HD画像の注目している画素の画素値を演算し、演算されたHD画像を出力する。
【0031】
図2は、クラス分類適応処理により、SD画像である入力画像から、HD画像である出力画像を創造する、従来の画像処理装置による画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【0032】
ステップS11において、クラスタップ抽出部11は、入力画像から、注目画素に対応するクラスタップを抽出する。ステップS12において、特徴量演算部12は、入力画像から、注目画素に対応する特徴量を演算する。
【0033】
ステップS13において、クラス分類部13は、ステップS11の処理により抽出されたクラスタップ、およびステップS12の処理により演算された特徴量を基に、注目画素に対応して、クラスを分類する。
【0034】
ステップS14において、予測タップ抽出部15は、ステップS13の処理によるクラスの分類の結果に対応して、入力画像から、注目画素に対応する予測タップを抽出する。ステップS15において、係数メモリ14は、ステップS13の処理によるクラスの分類の結果に対応して、予め記憶している予測係数のなかから、分類されたクラスに対応する予測係数を読み出す。
【0035】
ステップS16において、画素値演算部16は、ステップS14の処理で抽出された予測タップ、およびステップS15の処理で読み出された予測係数を基に、注目画素に対応する画素値を演算する。
【0036】
ステップS17において、画像処理装置は、全ての画素について予測が終了したか否かを判定し、全ての画素について予測が終了していないと判定された場合、次の画素を注目画素として、ステップS11に戻り、クラスの分類および適応の処理を繰り返す。
【0037】
ステップS17において、全ての画素について予測が終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0038】
図3は、SD画像である入力画像からHD画像である出力画像を創造するクラス分類適応処理に使用される予測係数を生成する、従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【0039】
図3で示される画像処理装置に入力される入力画像は、HD画像である教師画像であり、生徒画像生成部31および教師画素抽出部38に供給される。教師画像に含まれる画素は、教師データとして使用される。
【0040】
生徒画像生成部31は、入力されたHD画像である教師画像から、画素を間引いて、教師画像に対応するSD画像である生徒画像を生成し、生成した生徒画像を画像メモリ32に供給する。
【0041】
画像メモリ32は、生徒画像生成部31から供給されたSD画像である生徒画像を記憶し、記憶している生徒画像をクラスタップ抽出部33および予測タップ抽出部36に供給する。
【0042】
クラスタップ抽出部33は、注目している画素に対応して生徒画像からクラスタップを抽出し、生徒画像と共に抽出されたクラスタップを特徴量演算部34に供給する。特徴量演算部34は、生徒画像から特徴量を演算し、演算された特徴量をクラスタップと共にクラス分類部35に供給する。
【0043】
クラス分類部35は、特徴量演算部34から供給されたクラスタップおよび特徴量を基に、注目している画素に対応してクラスを分類し、分類されたクラスを示すクラスコードを予測タップ抽出部36および学習メモリ39に供給する。
【0044】
予測タップ抽出部36は、クラス分類部35から供給されたクラスコードを基に、画像メモリ32から供給された生徒画像から、分類されたクラスに対応する予測タップを抽出して、抽出された予測タップを足し込み演算部37に供給する。
【0045】
教師画素抽出部38は、教師データ、すなわち、教示画像の注目している画素を抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部37に供給する。
【0046】
足し込み演算部37は、式(8)の正規方程式に、HD画素である教師データおよびSD画素である予測タップを足し込み、教師データおよび予測タップを足し込んだ正規方程式を学習メモリ39に供給する。
【0047】
学習メモリ39は、クラス分類部35から供給されたクラスコードを基に、足し込み演算部37から供給された正規方程式をクラス毎に記憶する。学習メモリ39は、クラス毎に記憶している、教師データおよび予測タップが足し込まれた正規方程式を正規方程式演算部40に供給する。
【0048】
正規方程式演算部40は、学習メモリ39から供給された正規方程式を掃き出し法により解いて、クラス毎に予測係数を求める。正規方程式演算部40は、クラス毎の予測係数を係数メモリ41に供給する。
【0049】
係数メモリ41は、正規方程式演算部40から供給された、クラス毎の予測係数を記憶する。
【0050】
図4は、SD画像である入力画像からHD画像である出力画像を創造するクラス分類適応処理に使用される予測係数を生成する、従来の画像処理装置による学習の処理を説明するフローチャートである。
【0051】
ステップS31において、生徒画像生成部31は、教師画像である入力画像から生徒画像を生成する。ステップS32において、クラスタップ抽出部33は、注目している画素に対応するクラスタップを生徒画像から抽出する。
【0052】
ステップS33において、特徴量演算部34は、生徒画像から、特徴量を演算する。
【0053】
ステップS34において、クラス分類部35は、ステップS32の処理により抽出されたクラスタップ、およびステップS33の処理により演算された特徴量を基に、注目している画素のクラスを分類する。
【0054】
ステップS35において、予測タップ抽出部36は、ステップS34の処理により分類されたクラスを基に、注目している画素に対応する予測タップを生徒画像から抽出する。
【0055】
ステップS36において、教師画素抽出部38は、教師画像である入力画像から教師画素(教師データ)を抽出する。
【0056】
ステップS37において、足し込み演算部37は、ステップS35の処理で抽出された予測タップ、およびステップS36の処理で抽出された教師画素(教師データ)を正規方程式に足し込む演算を実行する。
【0057】
ステップS38において、画像処理装置は、全画素について足し込みの処理が終了したか否かを判定し、全画素について足し込みの処理が終了していないと判定された場合、ステップS32に戻り、次の画素を注目画素として、予測タップおよび教師画素を抽出して、正規方程式に足し込む処理を繰り返す。
【0058】
ステップS38において、全画素について足し込みの処理が終了したと判定された場合、ステップS39に進み、正規方程式演算部40は、予測タップおよび教師画素が足し込まれた正規方程式を演算して、予測係数を求める。
【0059】
ステップS40において、画像処理装置は、全クラスの予測係数を演算したか否かを判定し、全クラスの予測係数を演算していないと判定された場合、ステップS39に戻り、正規方程式を演算して、予測係数を求める処理を繰り返す。
【0060】
ステップS40において、全クラスの予測係数を演算したと判定された場合、処理は終了する。
【0061】
また、生成されるべき注目画素の周囲に存在する第1のディジタルビデオ信号に含まれる複数の周辺画素を受け取り、その複数の周辺画素からその注目画素のパターンを検出し、検出されたパターンを示すパターンデータを発生し、基準のデータを用いて、生成されるべき注目画素と真値との誤差の自乗和が最小となるように、最小自乗和法により予め定められた各パターン毎の係数群を格納し、パターンデータに基づいて読み出されたパターンデータに対応する係数群と第1のディジタルビデオ信号を受け取り、係数群と第1のディジタルビデオ信号から注目画素を生成しているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0062】
【特許文献1】
特開平8−317346号公報
【0063】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、より精度の高い画像を予測するには、クラスタップまたは予測タップの数を増やさなければならず、クラスタップまたは予測タップの数を増やしたとき、画像の予測のための演算量が多くなってしまうという問題があった。
【0064】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようにすることを目的とする。
【0065】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の学習装置は、数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、入力画像データよりも高解像度な高質画像データを予測する演算に利用する予測係数を学習する学習装置であって、教師データとして既知の高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、注目画素の画素値および第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により注目画素の画素値を予測する予測係数を学習する学習手段と、学習手段により学習された予測係数を記憶する記憶手段とを含むことを特徴とする。
【0066】
本発明の第1の学習方法、第1の記録媒体、および第1のプログラムのそれぞれは、上述した本発明の第1の学習装置に対応する方法、記録媒体、およびプログラムのそれぞれである。
【0069】
本発明の第2の学習装置は、数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、入力画像データよりも高解像度な高質画像データの隣接する2つの画素の差分値を予測する演算に利用する予測係数を学習する学習装置であって、教師データとして既知の高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、注目画素と高質画像内に画素値が含まれる注目画素に隣接する他の画素との差分値および第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により注目画素と他の画素との差分値を予測する予測係数を学習する学習手段と、学習手段により学習された予測係数を記憶する記憶手段とを含むことを特徴とする。
【0070】
本発明の第2の学習方法、第2の記録媒体、および第2のプログラムのそれぞれは、上述した本発明の第2の学習装置に対応する方法、記録媒体、およびプログラムのそれぞれである。
【0073】
本発明の第1の画像処理装置は、数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理装置であって、高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測手段と、入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が第1の注目画素である場合、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測手段とを含むことを特徴とする。
【0074】
本発明の第1の画像処理方法、第3の記録媒体、および第3のプログラムのそれぞれは、上述した本発明の第1の画像処理装置に対応する方法、記録媒体、およびプログラムのそれぞれである。
【0077】
本発明の第2の画像処理装置は、数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理装置であって、高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が第1の注目画素である場合、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、特徴量検出手段により検出された特徴量に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値と第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値を予測する第1の予測手段と、第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する第2の予測手段とを含むことを特徴とする。
【0078】
本発明の第2の画像処理方法、第4の記録媒体、および第4のプログラムのそれぞれは、上述した本発明の第2の画像処理装置に対応する方法、記録媒体、およびプログラムのそれぞれである。
【0081】
本発明の第1の学習装置および方法、第1の記録媒体、並びに第1のプログラムにおいては、教師データとして既知の高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素が抽出され、注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素が抽出され、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量が検出され、検出された特徴量毎に、注目画素の画素値および抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により注目画素の画素値を予測する予測係数が学習される。
【0082】
本発明の第2の学習装置および方法、第2の記録媒体、並びに第2のプログラムにおいては、教師データとして既知の高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素が抽出され、注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素が抽出され、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量が検出され、検出された特徴量毎に、注目画素と高質画像内に画素値が含まれる注目画素に隣接する他の画素との差分値および抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により注目画素と他の画素との差分値を予測する予測係数が学習される。
【0083】
学習装置は、独立した装置であっても良いし、学習処理を行うブロックであっても良い。
【0084】
本発明の第1の画像処理装置および方法、第3の記録媒体、並びに第3のプログラムにおいては、高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素が抽出され、第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素が抽出され、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量が検出され、検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより第1の注目画素の画素値が予測され、入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が第1の注目画素である場合、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、第2の注目画素の画素値が予測される。
【0085】
本発明の第2の画像処理装置および方法、第4の記録媒体、並びに第4のプログラムにおいては、高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素が抽出され、第1の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素が抽出され、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量が検出され、入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が第1の注目画素である場合、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値と第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値が予測され、第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素が予測される。
【0086】
画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、画像処理を行うブロックであっても良い。
【0087】
【発明の実施の形態】
図5は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0088】
この画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像の差分画像を生成し、その差分画像に対して、クラス分類適応処理が適用されることにより、HD画像が出力されるようになっている。
【0089】
即ち、この画像処理装置は、差分画像生成部101、クラスタップ抽出部102、特徴量演算部103、クラス分類部104、係数メモリ105、予測タップ抽出部106、および画素値演算部107から構成される。画像処理装置には、空間解像度の創造の対象となる入力画像、例えば、SD画像が入力される。
【0090】
入力されたSD画像である入力画像は、差分画像生成部101、クラスタップ抽出部102、および特徴量演算部103に供給される。
【0091】
差分画像生成部101は、SD画像である入力画像から、差分画像を生成し、生成した差分画像をクラスタップ抽出部102、特徴量演算部103、および予測タップ抽出部106に供給する。
【0092】
図6は、差分画像生成部101により生成される差分画像を説明する図である。
【0093】
図6中の横方向は、例えば、画像上の横方向である空間方向Xを示し、図6中の縦方向は、例えば、画像上の縦方向である空間方向Yを示す。また、図6において、個々の四角(マス目)は、入力画像の画素を示し、x0乃至x14は、入力画像の各画素の画素値を示す。
【0094】
図6において、d0乃至d12は、横方向に隣接する画素の画素値の差分値を示す。すなわち、d0,d1,d2、およびd3は、それぞれ、x1からx0を減算した値、x2からx1を減算した値、x3からx2を減算した値、x4からx3を減算した値を示す。また、d5,d6,d7、およびd8は、それぞれ、x6からx5を減算した値、x7からx6を減算した値、x8からx7を減算した値、x9からx8を減算した値を示す。同様に、d9,d10,d11、およびd12は、それぞれ、x11からx10を減算した値、x12からx11を減算した値、x13からx12を減算した値、x14からx13を減算した値を示す。
【0095】
差分画像生成部101は、例えば、図6に示すように、入力画像の全ての画素について、その画素値から、その画素の左側に隣接する画素の画素値を減算して、差分値を算出する処理を適用して、入力画像の画素値に対応する差分値からなる差分画像を生成する。すなわち、差分画像生成部101は、入力画像の画素の数と略同数の差分値からなる差分画像を生成する。
【0096】
なお、差分画像生成部101は、例えば、入力画像の全ての画素について、その画素値から、その画素の右側に隣接する画素の画素値を減算して、差分値を算出する処理を適用して、入力画像の画素値に対応する差分値からなる差分画像を生成するようにしても良いことは勿論である。
【0097】
差分画像生成部101は、図示せぬフレームメモリを内蔵し、画像処理装置に入力されたSD画像の差分画像、およびSD画像である入力画像のそれぞれを、例えば、フレーム(またはフィールド)単位で一時記憶する。なお、本実施の形態では、差分画像生成部101は、内蔵しているフレームメモリに、複数フレームの入力画像および差分画像を、バンク切換によって記憶することができるようになっており、これにより、画像処理装置に入力されるSD画像が動画であっても、その処理をリアルタイムで行うことができるようになっている。
【0098】
クラスタップ抽出部102は、クラス分類適応処理により求めようとするHD画像のHD画素(サンプル)を、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部102は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、差分画像生成部101に記憶されている差分画像から抽出して生成し、特徴量演算部103に出力する。すなわち、クラスタップ抽出部102は、入力画像に比較して高質な高質画像の注目画素に対応する、入力画像内の複数の周辺画素(クラスタップ)を抽出する。
【0099】
より具体的には、例えば、クラスタップ抽出部102は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の差分値を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することによりクラスタップとし、特徴量演算部103に出力する。
【0100】
ここで、図7において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印がHD画像を構成するHD画素を表している。また、図7では、HD画像は、水平方向と垂直方向それぞれの画素数が、SD画像の2倍の画像になっている。
【0101】
また、図7において、△印が差分画像を構成する差分値を表す。
【0102】
クラスタップ抽出部102は、注目画素について、例えば、図7で示されるように、その注目画素の位置から近い横×縦が3×3個の差分値を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することによりクラスタップ(周辺画素)とする。
【0103】
なお、図7において、HD画像の注目している1つのHD画素を、y(1)と表す。また、図7において、クラスタップを構成する3×3個の差分値のうちの、第1行第1列、第1行第2列、第1行第3列、第2行第1列、第2行第2列、第2行第3列、第3行第1列、第3行第2列、第3行第3列の差分値を、それぞれd(1),d(2),d(3),d(4),d(5),d(6),d(7),d(8),d(9)と表す。差分値d(1),d(2),d(3),d(4),d(5),d(6),d(7),d(8),d(9)の右側に位置するSD画素を、それぞれ、x(2),x(3),x(4),x(6),x(7),x(8),x(10),x(11),x(12)と表す。差分値d(1)の左側のSD画素を、x(1)で表し、差分値d(4)の左側のSD画素を、x(5)で表し、差分値d(7)の左側のSD画素を、x(9)で表す。
【0104】
図7で示される場合において、差分値d(1)は、SD画素x(2)からSD画素x(1)を減算した値であり、差分値d(2)は、SD画素x(3)からSD画素x(2)を減算した値であり、差分値d(3)は、SD画素x(4)からSD画素x(3)を減算した値である。
【0105】
また、図7で示される場合において、差分値d(4)は、SD画素x(6)からSD画素x(5)を減算した値であり、差分値d(5)は、SD画素x(7)からSD画素x(6)を減算した値であり、差分値d(6)は、SD画素x(8)からSD画素x(7)を減算した値である。
【0106】
同様に、図7で示される場合において、差分値d(7)は、SD画素x(10)からSD画素x(9)を減算した値であり、差分値d(8)は、SD画素x(11)からSD画素x(10)を減算した値であり、差分値d(9)は、SD画素x(12)からSD画素x(11)を減算した値である。
【0107】
すなわち、差分値d(1)乃至差分値d(9)を含む差分値dは、SD画像の隣接する画素の画素値の差分値である。
【0108】
例えば、クラスタップ抽出部102は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が3×3個の差分値d(1)乃至差分値d(9)を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより差分画像のクラスタップとする。
【0109】
クラスタップ抽出部102は、抽出された差分画像のクラスタップを、特徴量演算部103を介してクラス分類部104に供給する。
【0110】
また、クラスタップ抽出部102は、差分画像のクラスタップとは別に、SD画像である入力画像から、入力画像のクラスタップ(入力画像の画素)を抽出して特徴量演算部103に供給する。
【0111】
例えば、クラスタップ抽出部102は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)を、入力画像から抽出することにより入力画像のクラスタップとする。
【0112】
特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102により抽出された複数の周辺画素、すなわち、差分画像のクラスタップまたは入力画像のクラスタップに基づいて、複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部104に供給する。換言すれば、特徴量演算部103は、差分画像のクラスタップまたは入力画像のクラスタップから特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部104に供給する。差分画像のクラスタップは、周辺画素の差分からなるので、差分画像のクラスタップに基づく特徴量は、複数の周辺画素の特徴量であるとも言える。
【0113】
例えば、特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102から供給されたSD画像である入力画像のクラスタップを基に、周辺画素の動きベクトルを演算して、演算した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部104に供給する。また、例えば、特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102から供給されたSD画像である入力画像のクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある入力画像の複数の画素(周辺画素)の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を演算して、演算した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部104に供給する。
【0114】
さらに、例えば、特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102から供給されたSD画像である入力画像のクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的に近い位置にある入力画像の複数の画素(周辺画素)の画素値の空間的な変化の傾きを演算して、演算した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部104に供給する。
【0115】
また、例えば、特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102から供給された差分画像のクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある差分画像の複数の差分値の空間的または時間的な変化を演算して、演算した差分値の変化を特徴量としてクラス分類部104に供給する。例えば、特徴量演算部103は、クラスタップ抽出部102から供給された差分画像のクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある差分値の自己相関係数を演算して、演算した自己相関係数を特徴量としてクラス分類部104に供給する。
【0116】
このように、特徴量演算部103は、差分画像のクラスタップまたは入力画像のクラスタップに基づいて、例えば、上述した演算により、複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部104に供給する。
【0117】
さらに、特徴量演算部103は、特徴量とは別に、差分画像のクラスタップおよび入力画像のクラスタップをそのままクラス分類部104に供給する。
【0118】
なお、特徴量として、差分画像のクラスタップまたは入力画像のクラスタップの、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0119】
さらにまた、特徴量演算部103は、入力画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部104に供給する。例えば、特徴量演算部103は、入力画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部104に供給する。
【0120】
また、特徴量演算部103は、差分画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部104に供給する。例えば、特徴量演算部103は、差分画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部104に供給する。
【0121】
本発明の画像処理装置によれば、SD画像から演算される特徴量とは異なる特徴量を差分画像から簡単に演算することができる。これにより、クラス分類の処理において、注目画素をより詳細なクラスにクラス分類することができ、その結果、画素値の予測の精度を向上させることができる。
【0122】
クラス分類部104は、差分画像のクラスタップ、入力画像のクラスタップ、および特徴量演算部103からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ105と予測タップ抽出部106とに供給する。
【0123】
例えば、クラス分類部104は、差分画像のクラスタップを、1ビットADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0124】
なお、KビットADRC処理においては、クラスタップを構成する差分画像の差分値の最大値MAXと最小値MINが検出され、DR=MAX-MINを、局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、クラスタップを構成する差分値がKビットに再量子化される。即ち、クラスタップを構成する各差分値から、最小値MINが減算され、その減算値がDR/2Kで除算(量子化)される。従って、クラスタップが、1ビットADRC処理された場合には、そのクラスタップを構成する各差分値は1ビットとされることになる。そして、この場合、以上のようにして得られる、クラスタップを構成する各差分値についての1ビットの値を、所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。
【0125】
但し、クラス分類は、その他、例えば、クラスタップを構成する差分値を、ベクトルのコンポーネントとみなし、そのベクトルをベクトル量子化すること等によって行うことも可能である。
【0126】
また、クラス分類としては、1クラスのクラス分類を行うことも可能である。この場合、クラス分類部104は、どのようなクラスタップが供給されても、固定のクラスコードを出力するものとなる。
【0127】
ここで、ADRCコードは、差分画像のクラスタップに基づいて検出された、複数の周辺画素の特徴量の1つであるとも言える。すなわち、差分画像のクラスタップを1ビットADRC処理し、その結果得られたADRCコードからなるクラスコードは、複数の周辺画素の特徴量を示している。
【0128】
同様に、例えば、クラス分類部104は、入力画像のクラスタップを、1ビットADRC処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0129】
また、例えば、クラス分類部104は、特徴量演算部103からの特徴量を、そのままクラスコードとする。例えば、クラス分類部104は、特徴量演算部103からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0130】
さらに例えば、クラス分類部104は、差分画像のクラスタップを基にしたクラスコード、入力画像のクラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ105と予測タップ抽出部106とに供給する。
【0131】
なお、差分画像のクラスタップを基にしたクラスコード、入力画像のクラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか1つを、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0132】
このように、クラス分類部104から出力されるクラスコードは、注目画素の周辺の、複数の周辺画素の特徴量を示している。
【0133】
係数メモリ105は、学習の教師となるHD画像データである教師データと、学習の生徒となる差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ105は、クラス分類部104から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部107に供給する。なお、係数メモリ105に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0134】
予測タップ抽出部106は、画素値演算部107において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる、注目画素に対応する、注目画素の周辺の、差分画像の複数の差分値を抽出する。
【0135】
すなわち、予測タップ抽出部106は、クラス分類部104から供給されるクラスコードを基に、画素値演算部107において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出して生成し、生成した予測タップを画素値演算部107に供給する。例えば、予測タップ抽出部106は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の差分値を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより予測タップとし、画素値演算部107に供給する。
【0136】
例えば、予測タップ抽出部106は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が3×3個の差分値d(1)乃至差分値d(9)を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより予測タップとする。
【0137】
なお、クラスタップとする差分値と、予測タップとする差分値とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。
【0138】
また、予測タップとする差分値は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0139】
なお、クラスタップや予測タップのタップ構造は、図7で示される、3×3個の差分値または4×3個のSD画素に限定されるものではない。
【0140】
画素値演算部107は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する。
【0141】
より詳しく説明すれば、画素値演算部107は、係数メモリ105から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d1,d2,・・・とを用いて、注目画素y(の予測値)を演算し、これを、HD画素の画素値とする。画素値演算部107は、このように演算された画素値からなるHD画像を出力画像として出力する。
【0142】
すなわち、本発明に係る画像処理装置における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の差分値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、HD画像に変換される。
【0143】
いま、このタップ係数を用いてのマッピング方法として、例えば、線形1次結合モデルを採用することとすると、HD画素(の画素値)yは、差分画像を構成する差分値から、HD画素を予測するための予測タップとして抽出される複数の差分値と、タップ係数とを用いて、次の線形1次式(線形結合)によって求められる。
【数9】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0144】
但し、式(9)において、dnは、HD画素yについての予測タップを構成する、n番目の差分画像の差分値を表し、wnは、n番目の差分値と乗算されるn番目のタップ係数を表す。なお、式(9)では、予測タップが、N個の差分値d1,d2,・・・,dNで構成されるものとしてある。
【0145】
ここで、HD画素の画素値yは、式(9)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求めるようにすることも可能である。
【0146】
いま、第kサンプルのHD画素の画素値の真値をykと表すとともに、式(9)によって得られるその真値ykの予測値をyk'と表すと、その予測誤差ekは、次式で表される。
【数10】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0147】
式(10)の予測値yk'は、式(9)にしたがって求められるため、式(10)のyk'を、式(9)にしたがって置き換えると、次式が得られる。
【数11】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0148】
但し、式(11)において、dn,kは、第kサンプルのHD画素についての予測タップを構成するn番目の差分値を表す。
【0149】
式(11)の予測誤差ekを0とするタップ係数wnが、HD画素を予測するのに最適なものとなるが、すべてのHD画素について、そのようなタップ係数wnを求めることは、一般には困難である。
【0150】
そこで、タップ係数wnが最適なものであることを表す規範として、例えば、最小自乗法を採用することとすると、最適なタップ係数wnは、統計的な誤差としての、例えば、次式で表される自乗誤差の総和Eを最小にすることで求めることができる。
【数12】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0151】
但し、式(12)において、Kは、HD画素ykと、そのHD画素ykについての予測タップを構成する差分値d1,k,d2,k,・・・,dN,kとのセットのサンプル数を表す。
【0152】
式(12)の自乗誤差の総和Eを最小(極小)にするタップ係数wnは、その総和Eをタップ係数wnで偏微分したものを0とするものであり、従って、次式を満たす必要がある。
【数13】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0153】
そこで、上述の式(11)をタップ係数wnで偏微分すると、次式が得られる。
【数14】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0154】
式(13)と(14)から、次式が得られる。
【数15】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0155】
式(15)のekに、式(11)を代入することにより、式(15)は、式(16)で示される正規方程式で表すことができる。
【数16】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0156】
式(16)の正規方程式は、HD画素ykと差分値dn,kのセットを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wnの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(16)を解くことで(但し、式(16)を解くには、式(16)において、タップ係数wnにかかる左辺の行列が正則である必要がある)、最適なタップ係数wnを求めることができる。なお、式(16)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを採用することが可能である。
【0157】
以上のように、多数のHD画素y1,y2,・・・,yKを、タップ係数の学習の教師となる教師データとするとともに、各HD画素ykについての予測タップを構成する差分値d1,k,d2,k,・・・,dN,kを、タップ係数の学習の生徒となる生徒データとして、式(16)を解くことにより、最適なタップ係数wnを求める学習を行っておき、さらに、そのタップ係数wnを用い、式(9)により、差分画像を、HD画像データにマッピング(変換)するのが本発明における適応処理である。
【0158】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていないが、HD画像に含まれる成分が再現される点で、例えば、単なる補間処理等とは異なる。即ち、適応処理では、式(9)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当するタップ係数wnが、教師データとしてのHD画像データと生徒データとしての差分画像とを用いての学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造(解像度想像)作用がある処理ということができる。
【0159】
ここで、タップ係数wnの学習では、教師データyと生徒データdとの組み合わせとして、どのようなものを採用するかによって、各種の変換を行うタップ係数wnを求めることができる。
【0160】
即ち、例えば、教師データyとして、HD画像データを採用するとともに、生徒データdとして、そのHD画像データにノイズやぼけを付加したSD画像データの差分値を採用した場合には、画像を、そのノイズやぼけを除去した画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。また、例えば、教師データyとして、HD画像データを採用するとともに、生徒データdとして、そのHD画像データの解像度を劣化させたSD画像データの差分値を採用した場合には、画像を、その解像度を向上させた画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。
【0161】
次に、図8のフローチャートを参照して、図5の画像処理装置が行う、SD画像からHD画像を創造する画像処理について説明する。
【0162】
ステップS101において、差分画像生成部101は、SD画像である入力画像から、図7を参照して説明したように、SD画像の画素値の差分を算出して、差分値を求め、差分値からなる差分画像を生成する。差分画像は、クラスタップ抽出部102、特徴量演算部103、および予測タップ抽出部106に供給され、手続は、ステップS102に進む。また、差分画像生成部101は、SD画像である入力画像を、クラスタップ抽出部102に供給する。
【0163】
ステップS102において、クラスタップ抽出部102は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の差分値を差分画像から差分画像のクラスタップとして抽出して、差分画像のクラスタップを生成する。クラスタップ抽出部102は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素を入力画像から入力画像のクラスタップとして抽出して、入力画像のクラスタップを生成する。差分画像のクラスタップおよび入力画像のクラスタップは、特徴量演算部103およびクラス分類部104に供給され、手続は、ステップS103に進む。ステップS103において、特徴量演算部103は、差分画像のクラスタップ、入力画像のクラスタップ、入力画像、または差分画像から特徴量を演算して、演算された特徴量をクラス分類部104に供給し、ステップS104に進む。
【0164】
ステップS104において、クラス分類部104は、差分画像のクラスタップ、入力画像のクラスタップ、または特徴量演算部103から供給される特徴量に基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ105および予測タップ抽出部106に供給して、ステップS105に進む。
【0165】
ステップS105において、予測タップ抽出部106は、クラス分類部104から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の差分値を差分画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、画素値演算部107に供給され、手続は、ステップS106に進む。
【0166】
ステップS106において、係数メモリ105は、クラス分類部104から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得して、タップ係数を画素値演算部107に供給し、ステップS107に進む。
【0167】
ステップS107において、画素値演算部107は、特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素(の予測値)を算出して、ステップS108に進む。即ち、ステップS107では、画素値演算部107は、予測タップ抽出部106からの予測タップと、係数メモリ105からのタップ係数とを用いて、式(9)に示した演算を行い、注目画素(の予測値)を求める。
【0168】
ステップS108において、クラスタップ抽出部102は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS101に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0169】
また、ステップS108において、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべてのHD画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0170】
このように、図5で構成が示される画像処理装置は、SD画像である入力画像から、HD画像を生成して、生成したHD画像を出力することができる。
【0171】
ここで、SD画像の自己相関係数(水平方向)、および差分画像の自己相関係数(水平方向)の一例を示す。
【0172】
SD画像において、距離が1画素(自分自身であるとき)、2画素、3画素、4画素、5画素、6画素であるとき、自己相関係数は、それぞれ、1.000,0.969,0.915,0.866,0.826,0.795であった。
【0173】
これに対して、同じSD画像の差分画像において、距離が1画素、2画素、3画素、4画素、5画素、6画素であるとき、自己相関係数は、それぞれ、1.000,0.368,-0.070,-0.153,-0.147,-0.116であった。
【0174】
差分画像において、3画素離れると負の相関をもち、非常に相関が低いことがわかる。
【0175】
実験により、クラスタップの数が同じで、予測タップの数も同じ場合、通常のSD画像を基にクラス分類処理を行ったときに比較して、差分画像を基にクラス分類処理を行ったとき、より高いSN比の画像を得られることが確認できた。
【0176】
通常のSD画像の9つの画素でクラス分類を行い、予測タップとして通常のSD画像から9つの画素を抽出して予測した場合、R信号、G信号、B信号のSN比は、それぞれ、37.060dB,34.605dB,32.542dBであった。
【0177】
これに対して、差分画像の9つの差分値でクラス分類を行い、予測タップとして通常のSD画像から9つの画素を抽出して予測した場合、R信号、G信号、B信号のSN比は、それぞれ、37.595dB,34.939dB,32.655dBであった。
【0178】
さらに、実験により、クラスタップの数が同じで、予測タップの数も同じ場合、通常のSD画像に適応処理を適用したときに比較して、差分画像に適応処理を適用したとき、より高いSN比の画像を得られることが確認できた。
【0179】
すなわち、差分画像の9つの差分値でクラス分類を行い、予測タップとして差分画像から9つの差分値を抽出して予測した場合、R信号、G信号、B信号のSN比は、それぞれ、37.838dB,35.089dB,32.704dBであった。
【0180】
比較のために、差分画像の9つの差分値でクラス分類を行い、予測タップとして通常のSD画像から12の画素を抽出して予測した場合、R信号、G信号、B信号のSN比は、それぞれ、37.946dB,35.177dB,32.766dBであった。
【0181】
これにより、差分画像の9つの差分値でクラス分類を行い、予測タップとして差分画像から9つの差分値を抽出して予測した場合、差分画像の9つの差分値でクラス分類を行い、予測タップとして通常のSD画像から12の画素を抽出して予測した場合とほぼ等しいSN比の画像を得られることがわかる。
【0182】
このように、差分画像でクラス分類をおこない、差分画像から予測タップを抽出した場合、より少ないクラスタップまたはより少ない予測タップで、より高いSN比の画像、すなわち、より精度の高い画像を得ることができる。
【0183】
また、実験において、差分画像を用いて画像を予測した場合、画像のエッジの近傍でより良い精度の画像を予測できることが確認された。
【0184】
以上のように、本発明の画像処理装置によれば、比較的簡単で演算量の少ない画素値の減算の処理で、差分画像を求め、より少ない数のクラスタップまたは予測タップで画像を創造することにより、多数のクラスタップおよび予測タップを用いて画像を創造する場合に比較して、全体として、処理をより簡単にすることができ、また、演算量をより少なくすることができる。
【0185】
さらに、実験の結果から、本発明の画像処理装置において、より少ない数のクラスタップまたは予測タップであっても、より精度の高い画像を創造することができることがわかる。
【0186】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、第1の画像(入力画像)に対応する、より高画質の第2の画像(出力画像)を得ることができる。
【0187】
また、第1の画像(入力画像)の空間方向に隣接する画素の画素値の差分値からなる差分画像を生成し、第2の画像(出力画像)の注目している画素である注目画素を1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、差分画像から生成し、クラスタップに基づいて、注目画素をクラス分類し、注目画素を求めるのに用いる予測タップを、差分画像から生成し、学習の教師となる、第2の画像に対応する教師データと、学習の生徒となる、差分画像に対応する生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数から、注目サンプルのクラスのタップ係数を取得し、注目サンプルのクラスのタップ係数と、予測タップとを用いて、注目画素を演算し、第2の画像を求めるようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0188】
次に、図9は、図5の係数メモリ105に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う画像処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0189】
図9の画像処理装置には、タップ係数の学習用の画像データとしての、例えばHD画像が入力される。画像処理装置に入力されたHD画像は、SD画像生成部131および教師画素抽出部139に供給される。
【0190】
SD画像生成部131は、入力された教師画像から、SD画像を生成し、差分画像生成部132および画像メモリ133に供給する。SD画像生成部131は、例えば、教師画像としてのHD画像データの画素を間引く、またはHD画像データの4つの画素の平均値を求めてSD画像の画素値とすること等により、その教師画像としてのHD画像に対応したSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図5の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。
【0191】
SD画像生成部131は、上述のようにして、教師画像に対応するSD画像(教師画像から生成されたSD画像)を生成すると、そのSD画像を差分画像生成部132および画像メモリ133に供給する。
【0192】
差分画像生成部132は、差分画像生成部101と同様の処理で、SD画像から、生徒画像である差分画像を生成し、生成した差分画像を画像メモリ133に供給する。すなわち、差分画像生成部132は、例えば、図6で示されるように、SD画像の全ての画素について、その画素値から、その画素の左側に隣接する画素の画素値を減算して、差分値(サンプル)を算出する処理を適用して、SD画像の画素値に対応する差分値からなる、生徒画像である差分画像を生成する。
【0193】
画像メモリ133は、差分画像生成部132からの生徒画像である差分画像を一時記憶する。また、画像メモリ133は、SD画像生成部131から供給されたSD画像を一時記憶する。
【0194】
図9で示される画像処理装置においては、SD画像の差分画像を生徒データとして、タップ係数が生成される。
【0195】
クラスタップ抽出部134は、画像133に記憶されている生徒画像である差分画像に対応する教師画像としてのHD画像に含まれる画素を、図5のクラスタップ抽出部102における場合と同様に、順次、注目画素とする。
【0196】
さらに、クラスタップ抽出部134は、注目画素についての差分画像のクラスタップを、画像メモリ133に記憶された差分画像から抽出して生成し、特徴量演算部135に供給する。例えば、クラスタップ抽出部134は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が3×3個の差分値d(1)乃至差分値d(9)を、画像メモリ133に記憶された差分画像から抽出することにより差分画像のクラスタップとする。
【0197】
また、クラスタップ抽出部134は、注目画素についてのSD画像のクラスタップを、画像メモリ133に記憶されたSD画像から抽出して生成し、特徴量演算部135に供給する。例えば、クラスタップ抽出部134は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(1 2)を、画像メモリ133に記憶されたSD画像から抽出することによりSD画像のクラスタップとする。
【0198】
ここで、クラスタップ抽出部134は、図5のクラスタップ抽出部102が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0199】
なお、クラスタップ抽出部134において生成されるSD画像のクラスタップは、クラスタップ抽出部102において生成される入力画像のクラスタップに対応する。
【0200】
特徴量演算部135は、クラスタップ抽出部134により抽出された複数の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出する。すなわち、特徴量演算部135は、特徴量演算部103と同様の処理で、差分画像のクラスタップまたはSD画像のクラスタップから特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部136に供給する。
【0201】
例えば、特徴量演算部135は、SD画像のクラスタップを基に、注目画素の動きベクトルを演算して、演算した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部136に供給する。また、例えば、特徴量演算部135は、SD画像のクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にあるSD画像の複数の画素(周辺画素)の画素値の空間的または時間的な変化を演算して、演算した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部136に供給する。
【0202】
なお、特徴量演算部135は、特徴量演算部103と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0203】
さらに、特徴量演算部135は、特徴量演算部103と同様に、差分画像のクラスタップから特徴量を求める。
【0204】
このように、特徴量演算部135は、SD画像のクラスタップまたは差分画像のクラスタップ、すなわち複数の周辺画素を基に、検出された注目画素の特徴量をクラス分類部136に供給する。また、特徴量演算部135は、SD画像のクラスタップおよび差分画像のクラスタップをクラス分類部136に供給する。
【0205】
さらにまた、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。例えば、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されているSD画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部136に供給する。
【0206】
また、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されている差分画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。例えば、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されている差分画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部136に供給する。
【0207】
クラス分類部136は、図5のクラス分類部104と同様に構成され、SD画像のクラスタップ、差分画像のクラスタップ、または特徴量演算部135からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部137および学習メモリ140に供給する。
【0208】
予測タップ抽出部137は、注目画素に対応する、注目画素の周辺の、差分画像の複数の差分値を抽出する。
【0209】
すなわち、予測タップ抽出部137は、クラス分類部136から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ133に記憶された差分画像から抽出して生成し、足し込み演算部138に供給する。ここで、予測タップ抽出部137は、図5の予測タップ抽出部106が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0210】
例えば、予測タップ抽出部137は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が3×3個の差分値d(1)乃至差分値d(9)を、画像メモリ133に記憶された差分画像から抽出することにより予測タップとする。
【0211】
教師画素抽出部139は、教師画像である入力画像から、注目している画素を教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部138に供給する。例えば、教師画素抽出部139は、教師画像である入力画像から、注目画素y(1)を教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部138に供給する。
【0212】
即ち、教師画素抽出部139は、入力された学習用の画像データであるHD画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図5の画像処理装置で得られるHD画像は、図9の画像処理装置で教師データとして用いられるHD画像データの画質に対応したものとなる。
【0213】
足し込み演算部138および正規方程式演算部141は、注目画素となっている教師データと、予測タップ抽出部137から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部136から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。換言すれば、足し込み演算部138および正規方程式演算部141は、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段を学習する。
【0214】
この場合、予測手段は、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する具体的手段であり、例えば、クラス毎のタップ係数により動作が規定される画素値演算部107、または画素値演算部107における処理を言う。複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する予測手段を学習するとは、例えば、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する予測手段の実現(構築)を可能にすることを意味する。
【0215】
従って、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段を学習するとは、例えば、クラス毎のタップ係数を得ることを言う。クラス毎のタップ係数を得ることにより、画素値演算部107、または画素値演算部107における処理が具体的に特定され、画素値演算部107を実現し、または画素値演算部107における処理を実行することができるようになるからである。
【0216】
即ち、足し込み演算部138は、予測タップ抽出部137から供給される予測タップ(差分値)と、教師画素抽出部139から供給される、注目画素となっている教師データであるHD画素とを対象とした、式(16)の足し込みを行う。
【0217】
具体的には、足し込み演算部138は、予測タップを構成する生徒データとしての差分値dn,kを用い、式(16)の左辺の行列における差分値どうしの乗算(dn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0218】
さらに、足し込み演算部138は、予測タップを構成する生徒データとしての差分値dn,kと、注目画素となっている教師データであるHD画素ykを用い、式(16)の右辺のベクトルにおける差分値およびHD画素ykの乗算(dn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0219】
ここで、足し込みとは、各行列の要素における、乗算の処理およびサメーション(Σ)の処理、並びに乗算の処理およびサメーション(Σ)の処理の結果を正規方程式に設定する処理を言う。
【0220】
足し込み演算部138は、教師データとしてのHD画像の画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(16)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ140に供給する。
【0221】
学習メモリ140は、足し込み演算部138から供給された、生徒データとして差分値、教師データとしてHD画素が足し込まれた、式(16)に対応した正規方程式を記憶する。
【0222】
正規方程式演算部141は、学習メモリ140から、各クラスについての式(16)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0223】
係数メモリ142は、正規方程式演算部141が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。すなわち、係数メモリ142は、学習された予測手段を記憶する。
【0224】
次に、図10のフローチャートを参照して、図9の画像処理装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0225】
最初に、ステップS131において、SD画像生成部131は、入力画像である学習用の画像データを取得し、入力画像からSD画像を生成する。SD画像は、差分画像生成部132および画像メモリ133に供給される。画像メモリ133は、SD画像を記憶する。
【0226】
そして、ステップS132に進み、差分画像生成部132は、SD画像生成部131から供給されたSD画像の画素値の差を求めて、差分値からなる、生徒画像である差分画像を生成する。差分画像は、画像メモリ133に供給され、画像メモリ133は、差分画像を記憶し、手続は、ステップS133に進む。
【0227】
ステップS133において、クラスタップ抽出部134は、図5のクラスタップ抽出部102における場合と同様に、教師データとしてのHD画像の画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、注目画素に対応する差分画像のクラスタップを、画像メモリ133に記憶されている生徒画像としての差分画像から生成すると共に、SD画像のクラスタップを画像メモリ133に記憶されているSD画像から生成し、生成した差分画像のクラスタップおよびSD画像のクラスタップを特徴量演算部135に供給して、ステップS134に進む。
【0228】
ステップS134において、特徴量演算部135は、図5の特徴量演算部103における場合と同様に、複数の周辺画素である、差分画像のクラスタップおよびSD画像のクラスタップから、例えば、動きベクトル、または注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数のSD画像の画素の画素値の変化などの、注目画素の特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部136に供給し、ステップS135に進む。
【0229】
また、ステップS134において、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。さらに、特徴量演算部135は、画像メモリ133に記憶されている差分画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。
【0230】
ステップS135では、クラス分類部136が、図5のクラス分類部104における場合と同様にして、クラスタップ抽出部134からのクラスタップ、および特徴量演算部135からの特徴量を用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部137および学習メモリ140に供給して、ステップS136に進む。
【0231】
ステップS136において、予測タップ抽出部137は、クラス分類部136から供給されるクラスコードに基づいて、図5の予測タップ抽出部106における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ133に記憶されている生徒画像としての差分画像から抽出して生成し、足し込み演算部138に供給して、ステップS137に進む。
【0232】
ステップS137において、教師画素抽出部139は、注目画素、すなわち教師画素(教師データ)であるHD画素を入力画像から抽出し、抽出した教師データを足し込み演算部138に供給し、ステップS138に進む。
【0233】
ステップS138では、足し込み演算部138が、分類されたクラス毎に、予測タップ抽出部137から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部139から供給される教師データを対象とした、上述した式(16)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ140に記憶させ、ステップS139に進む。
【0234】
そして、ステップS139では、クラスタップ抽出部134は、教師データとしてのHD画像データの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS139において、教師データの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS133に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0235】
また、ステップS139において、教師データの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS140に進み、正規方程式演算部141は、いままでのステップS138における足し込みによって、クラスごとに得られた式(16)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ140から読み出し、読み出した式(16)の正規方程式を解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ142に供給して記憶させ、ステップS141に進む。
【0236】
すなわち、ステップS138およびステップ140において、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段が学習される。
【0237】
ステップS141において、正規方程式演算部141は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS140に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0238】
ステップS141において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、係数メモリ142は、全クラスのタップ係数を記憶し、すなわち、学習された予測手段を記憶して、処理は終了する。
【0239】
以上のようにして、係数メモリ142に記憶されたクラスごとのタップ係数が、図5の画像処理装置における係数メモリ105に記憶されている。
【0240】
なお、以上のようなタップ係数の学習処理において、用意する学習用の画像データ等によっては、タップ係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があり得るが、そのようなクラスについては、例えば、正規方程式演算部141において、デフォルトのタップ係数を出力するようにすること等が可能である。あるいは、タップ係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じた場合には、新たに学習用の画像データを用意して、再度、タップ係数の学習を行うようにしても良い。このことは、後述する学習装置におけるタップ係数の学習についても、同様である。
【0241】
このように、第1の画像(入力画像)と第2の画像(出力画像)とを基に、クラス毎に学習するようにした場合には、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得るためのタップ係数を得ることができる。
【0242】
また、タップ係数の学習の生徒となる、第1の画像(入力画像)の空間方向に隣接する画素の画素値の差分値からなる差分画像を生成し、タップ係数の学習の教師となる、第2の画像(出力画像)の画素のうちの注目している注目画素を1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、学習の生徒となる、差分画像から生成し、クラスタップに基づいて、注目画素をクラス分類し、注目画素を求めるのに用いる予測タップを、差分画像から生成し、注目画素と予測タップとを用い、第2の画像と差分画像との関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、1以上のクラスごとのタップ係数を求めるようにした場合には、求めたタップ係数を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0243】
図11は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【0244】
この画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像にクラス分類処理が適用され、SD画像の画素値の差分が算出され、その差分に対して、適応処理が適用されることにより、HD画像が出力されるようになっている。
【0245】
即ち、この画像処理装置は、クラスタップ抽出部151、特徴量演算部152、クラス分類部153、係数メモリ154、予測タップ抽出部155、差分算出部156、および画素値演算部157から構成される。
【0246】
画像処理装置には、空間解像度の創造の対象となるSD画像が入力される。SD画像である入力画像は、クラスタップ抽出部151、特徴量演算部152、および予測タップ抽出部155に供給される。
【0247】
クラスタップ抽出部151は、クラス分類適応処理により求めようとするHD画像のHD画素(サンプル)を、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部151は、SD画像である入力画像から、クラスタップを抽出して特徴量演算部152に供給する。すなわち、クラスタップ抽出部151は、注目画素に対する複数の周辺画素である、SD画像のSD画素を抽出して、SD画素からなるクラスタップを特徴量演算部152に供給する。
【0248】
例えば、クラスタップ抽出部151は、図7で示されるように、注目画素y(1)について、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)を、入力画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0249】
特徴量演算部152は、クラスタップ抽出部151により抽出された複数の周辺画素、すなわち、クラスタップに基づいて、複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部153に供給する。換言すれば、特徴量演算部152は、クラスタップから特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部153に供給する。
【0250】
例えば、特徴量演算部152は、クラスタップ抽出部151から供給されたSD画像である入力画像から抽出されたクラスタップを基に、周辺画素の動きベクトルを演算して、演算した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部153に供給する。また、例えば、特徴量演算部152は、クラスタップ抽出部151から供給されたSD画像である入力画像から抽出されたクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある入力画像の複数の画素(周辺画素)の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を演算して、演算した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部153に供給する。
【0251】
さらに、例えば、特徴量演算部152は、クラスタップ抽出部151から供給されたSD画像である入力画像から抽出されたクラスタップを基に、注目画素の位置から空間的に近い位置にある入力画像の複数の画素(周辺画素)の画素値の空間的な変化の傾きを演算して、演算した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部153に供給する。
【0252】
このように、特徴量演算部152は、クラスタップに基づいて、例えば、上述した演算により、複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部153に供給する。
【0253】
さらに、特徴量演算部152は、特徴量とは別に、クラスタップをそのままクラス分類部153に供給する。
【0254】
なお、特徴量として、クラスタップの、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0255】
さらにまた、特徴量演算部152は、入力画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部153に供給する。例えば、特徴量演算部152は、入力画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部153に供給する。
【0256】
クラス分類部153は、クラスタップおよび特徴量演算部152からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ154と予測タップ抽出部155とに供給する。
【0257】
例えば、クラス分類部153は、入力画像のクラスタップを、1ビットADRC処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0258】
また、例えば、クラス分類部153は、特徴量演算部152からの特徴量を、そのままクラスコードとする。例えば、クラス分類部153は、特徴量演算部152からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0259】
さらに例えば、クラス分類部153は、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ154と予測タップ抽出部155とに供給する。
【0260】
なお、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか1つを、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0261】
このように、クラス分類部153から出力されるクラスコードは、注目画素の周辺の、複数の周辺画素の特徴量を示している。
【0262】
係数メモリ154は、学習の教師となるHD画像データである教師データと、学習の生徒となる差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ154は、クラス分類部153から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部157に供給する。なお、係数メモリ154に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0263】
予測タップ抽出部155は、注目画素に対応する、入力画像内の複数の周辺画素を抽出する。
【0264】
すなわち、予測タップ抽出部155は、クラス分類部153から供給されるクラスコードを基に、画素値演算部157において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを、入力画像から抽出して生成し、生成した予測タップを差分算出部156に供給する。
【0265】
例えば、予測タップ抽出部155は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素の画素値を抽出することにより予測タップとし、差分算出部156に供給する。予測タップ抽出部155は、図7で示されるように、注目画素y(1)について、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)を、入力画像から抽出することにより予測タップとする。
【0266】
なお、クラスタップとする画素と、予測タップとする画素とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。
【0267】
また、予測タップとする画素は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0268】
なお、クラスタップや予測タップのタップ構造は、図7に示した、4×3個のSD画素に限定されるものではない。
【0269】
差分算出部156は、予測タップ抽出部155から供給された予測タップについて、差分値を算出し、算出した差分値を画素値演算部157に供給する。
【0270】
例えば、差分算出部156は、予測タップ抽出部155から供給された、図7で示される、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)からなる予測タップから、差分値d(1)乃至d(9)を算出し、算出した差分値d(1)乃至d(9)を画素値演算部157に供給する。
【0271】
画素値演算部157は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する。
【0272】
より詳しく説明すれば、画素値演算部157は、係数メモリ154から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部155からの予測タップの差分値d1,d2,・・・とを用いて、注目画素y(の予測値)を演算し、これを、HD画素の画素値とする。画素値演算部157は、このように演算された画素値からなるHD画像を出力画像として出力する。
【0273】
すなわち、本発明に係る画像処理装置における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の差分値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、HD画像に変換される。
【0274】
画素値演算部157は、画素値演算部107と同様の処理を実行するので、詳細な説明は省略する。
【0275】
次に、図12のフローチャートを参照して、図11の画像処理装置が行う、SD画像からHD画像を創造する画像処理について説明する。
【0276】
ステップS151において、クラスタップ抽出部151は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い(注目画素の周辺の)複数の画素を入力画像からクラスタップとして抽出して、入力画像の画素からなるクラスタップを生成する。クラスタップは、特徴量演算部152およびクラス分類部153に供給され、手続は、ステップS152に進む。ステップS152において、特徴量演算部152は、クラスタップから特徴量を演算して、演算された特徴量をクラス分類部153に供給し、ステップS153に進む。また、ステップS152において、特徴量演算部152は、入力画像から特徴量を演算して、演算された特徴量をクラス分類部153に供給する。
【0277】
ステップS153において、クラス分類部153は、クラスタップまたは特徴量演算部152から供給される特徴量に基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ154および予測タップ抽出部155に供給して、ステップS154に進む。
【0278】
ステップS154において、予測タップ抽出部155は、クラス分類部153から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素を入力画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、差分算出部156に供給され、手続は、ステップS155に進む。
【0279】
ステップS155において、差分算出部156は、予測タップ抽出部155から供給された予測タップから、図7を参照して説明したように、差分値を求め、求めた差分値を画素値演算部157に供給し、手続きは、ステップS156に進む。
【0280】
ステップS156において、係数メモリ154は、クラス分類部153から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得して、タップ係数を画素値演算部157に供給し、ステップS157に進む。
【0281】
ステップS157において、画素値演算部157は、特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素(の予測値)を算出して、ステップS158に進む。即ち、ステップS157では、画素値演算部157は、差分算出部156からの予測タップの差分値と、係数メモリ154からのタップ係数とを用いて、式(9)で示される演算を行い、注目画素(の予測値)を求める。
【0282】
ステップS158において、クラスタップ抽出部151は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS151に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0283】
また、ステップS158において、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべてのHD画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0284】
このように、図11で構成が示される画像処理装置は、SD画像である入力画像から、HD画像を生成して、生成したHD画像を出力することができる。
【0285】
次に、図13は、図11の係数メモリ154に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う画像処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0286】
図13の画像処理装置には、タップ係数の学習用の画像データとしての、例えばHD画像が入力される。画像処理装置に入力されたHD画像は、SD画像生成部171および教師画素抽出部179に供給される。
【0287】
SD画像生成部171は、入力された教師画像から、SD画像を生成し、画像メモリ172に供給する。SD画像生成部171は、例えば、教師画像としてのHD画像データの画素を間引く、またはHD画像データの4つの画素の平均値を求めてSD画像の画素値とすること等により、その教師画像としてのHD画像に対応したSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図11の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。
【0288】
SD画像生成部171は、上述のようにして、教師画像に対応するSD画像(教師画像から生成されたSD画像)を生成すると、そのSD画像を画像メモリ172に供給する。
【0289】
画像メモリ172は、SD画像生成部171から供給されたSD画像を一時記憶する。
【0290】
クラスタップ抽出部173は、画像メモリ172に記憶されているSD画像に対応する教師画像としてのHD画像に含まれる画素を、図11のクラスタップ抽出部151における場合と同様に、順次、注目画素とする。
【0291】
さらに、クラスタップ抽出部173は、注目画素に対応する、SD画像内の周辺画素を抽出する。すなわち、クラスタップ抽出部173は、注目画素についてのクラスタップを、画像メモリ172に記憶されたSD画像から抽出して生成し、特徴量演算部174に供給する。ここで、クラスタップ抽出部173は、図11のクラスタップ抽出部151が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0292】
例えば、クラスタップ抽出部173は、注目画素y(1)について、図7で示される、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)を、画像メモリ172に記憶されたSD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0293】
特徴量演算部174は、クラスタップ抽出部173により抽出された複数の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出する。すなわち、特徴量演算部174は、特徴量演算部152と同様の処理で、クラスタップから特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部175に供給する。
【0294】
例えば、特徴量演算部174は、クラスタップを基に、注目画素の動きベクトルを演算して、演算した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部175に供給する。また、例えば、特徴量演算部174は、クラスタップを基に、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にあるSD画像の複数の画素(注目画素の周辺画素)の画素値の空間的または時間的な変化を演算して、演算した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部175に供給する。
【0295】
なお、特徴量演算部174は、特徴量演算部152と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0296】
特徴量演算部174は、クラスタップすなわち複数の周辺画素を基に、検出された注目画素の特徴量をクラス分類部175に供給する。また、特徴量演算部174は、クラスタップをクラス分類部175に供給する。
【0297】
さらにまた、特徴量演算部174は、画像メモリ172に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部175に供給する。例えば、特徴量演算部174は、画像メモリ172に記憶されているSD画像に基づいて、動きベクトル、周辺画素の画素値の空間的または時間的な変化、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを演算し、演算した結果を特徴量としてクラス分類部175に供給する。
【0298】
クラス分類部175は、図11のクラス分類部153と同様に構成され、クラスタップまたは特徴量演算部174からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部176および学習メモリ180に供給する。
【0299】
予測タップ抽出部176は、クラス分類部175から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ172に記憶されたSD画像から抽出して生成し、差分算出部177に供給する。ここで、予測タップ抽出部176は、図11の予測タップ抽出部155が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0300】
例えば、予測タップ抽出部176は、図7で示されるように、注目画素y(1)について、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)を、画像メモリ172に記憶されたSD画像から抽出することにより予測タップとする。
【0301】
差分算出部177は、差分算出部156と同様の処理で、予測タップ抽出部176から供給された予測タップについて、差分値を算出し、算出した差分値を足し込み演算部178に供給する。例えば、差分算出部177は、予測タップ抽出部176から供給された、図7で示される、横×縦が4×3個のSD画素x(1)乃至SD画素x(12)からなる予測タップから、差分値d(1)乃至d(9)を算出し、算出した差分値d(1)乃至d(9)を足し込み演算部178に供給する。
【0302】
従って、足し込み演算部178には、足し込み演算部138に供給される予測タップと同様の差分値が供給されることになる。
【0303】
教師画素抽出部179は、教師画像である入力画像から、注目している画素を教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部178に供給する。例えば、教師画素抽出部179は、教師画像である入力画像から、注目画素y(1)を教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部178に供給する。
【0304】
即ち、教師画素抽出部179は、入力された学習用の画像データであるHD画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図11の画像処理装置で得られるHD画像は、図13の画像処理装置で教師データとして用いられるHD画像データの画質に対応したものとなる。
【0305】
足し込み演算部178および正規方程式演算部181は、注目画素となっている教師データと、差分算出部177から供給される予測タップの差分値となっている生徒データとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部175から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。換言すれば、足し込み演算部178および正規方程式演算部181は、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段を学習する。
【0306】
この場合、予測手段は、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する具体的手段であり、例えば、クラス毎のタップ係数により動作が規定される画素値演算部157、または画素値演算部157における処理を言う。複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する予測手段を学習するとは、例えば、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測する予測手段の実現(構築)を可能にすることを意味する。
【0307】
従って、複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段を学習するとは、例えば、クラス毎のタップ係数を得ることを言う。クラス毎のタップ係数を得ることにより、画素値演算部157、または画素値演算部157における処理が具体的に特定され、画素値演算部157を実現し、または画素値演算部157における処理を実行することができるようになるからである。
【0308】
即ち、足し込み演算部178は、足し込み演算部138と同様の処理で、差分算出部177から供給される予測タップの差分値と、教師画素抽出部179から供給される、注目画素となっている教師データであるHD画素とを対象とした、式(16)の足し込みを行う。
【0309】
学習メモリ180は、足し込み演算部178から供給された、生徒データとして差分値、および教師データとしてHD画素が足し込まれた、式(16)に対応した正規方程式を記憶する。
【0310】
正規方程式演算部181は、学習メモリ180から、各クラスについての式(16)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0311】
係数メモリ182は、正規方程式演算部181が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。すなわち、係数メモリ182は、学習された予測手段を記憶する。
【0312】
次に、図14のフローチャートを参照して、図13の画像処理装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0313】
最初に、ステップS171において、SD画像生成部171は、入力画像である学習用の画像データを取得し、入力画像からSD画像を生成する。SD画像は、画像メモリ172に供給される。
【0314】
ステップS172において、クラスタップ抽出部173は、図11のクラスタップ抽出部151における場合と同様に、教師データとしてのHD画像の画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、注目画素に対応する、複数の周辺画素をSD画像から抽出することによって、クラスタップを画像メモリ172に記憶されているSD画像から生成し、生成したクラスタップを特徴量演算部174に供給して、ステップS173に進む。
【0315】
ステップS173において、特徴量演算部174は、図11の特徴量演算部152における場合と同様に、複数の周辺画素であるクラスタップから、例えば、動きベクトル、または注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数のSD画像の画素の画素値の変化などの、注目画素の特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部175に供給し、ステップS174に進む。また、ステップS173において、特徴量演算部174は、図11の特徴量演算部152における場合と同様に、画像メモリ172に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部175に供給する。
【0316】
ステップS174では、クラス分類部175が、図11のクラス分類部153における場合と同様にして、クラスタップ抽出部173からのクラスタップ、および特徴量演算部174からの特徴量を用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部176および学習メモリ180に供給して、ステップS175に進む。
【0317】
ステップS175において、予測タップ抽出部176は、クラス分類部175から供給されるクラスコードに基づいて、図11の予測タップ抽出部155における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ172に記憶されているSD画像から抽出して生成し、差分算出部177に供給して、ステップS176に進む。
【0318】
ステップS176において、差分算出部177は、予測タップ抽出部176から供給された予測タップに含まれる画素の画素値の差を算出し、差分値を求める。算出された差分値は、足し込み演算部178に供給され、手続は、ステップS177に進む。
【0319】
ステップS177において、教師画素抽出部179は、注目画素、すなわち教師画素(教師データ)であるHD画素を入力画像から抽出し、抽出した教師データを足し込み演算部178に供給し、ステップS178に進む。
【0320】
ステップS178では、足し込み演算部178が、分類されたクラス毎に、差分算出部177から供給される予測タップの差分値、および教師画素抽出部179から供給される教師データを対象とした、上述した式(16)における足し込みを行い、生徒データである差分値および教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ180に記憶させ、ステップS179に進む。
【0321】
そして、ステップS179では、クラスタップ抽出部173は、教師データとしてのHD画像データの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS179において、教師データの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS172に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0322】
また、ステップS179において、教師データの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS180に進み、正規方程式演算部181は、いままでのステップS178における足し込みによって、クラスごとに得られた式(16)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ180から読み出し、読み出した式(16)の正規方程式を解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ182に供給して記憶させ、ステップS181に進む。
【0323】
すなわち、ステップS178およびステップ180において、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段が学習される。
【0324】
ステップS181において、正規方程式演算部181は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS180に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0325】
ステップS181において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、係数メモリ182は、全クラスのタップ係数を記憶し、すなわち、学習された予測手段を記憶して、処理は終了する。
【0326】
以上のようにして、係数メモリ182に記憶されたクラスごとのタップ係数が、図11の画像処理装置における係数メモリ154に記憶されている。
【0327】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、第1の画像(入力画像)に対応する、より高画質の第2の画像(出力画像)を得ることができる。
【0328】
また、第2の画像(出力画像)の注目している画素である注目画素を1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、第1の画像(入力画像)から生成し、クラスタップに基づいて、注目画素をクラス分類し、注目画素を求めるのに用いる予測タップを、第1の画像(入力画像)から生成し、予測タップの差分を算出し、学習の教師となる、第2の画像に対応する教師データと、学習の生徒となる、予測タップの差分に対応する生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数から、注目サンプルのクラスのタップ係数を取得し、注目サンプルのクラスのタップ係数と、予測タップの差分とを用いて、注目画素を演算し、第2の画像を求めるようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0329】
さらに、第1の画像(入力画像)と第2の画像(出力画像)とを基に、クラス毎に学習するようにした場合には、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得るためのタップ係数を得ることができる。
【0330】
また、タップ係数の学習の教師となる、第2の画像(出力画像)の画素のうちの注目している注目画素を1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、第1の画像(入力画像)から生成し、クラスタップに基づいて、注目画素をクラス分類し、注目画素を求めるのに用いる予測タップを、第1の画像(入力画像)から生成し、予測タップの差分を算出し、注目画素と予測タップの差分とを用い、第2の画像と差分との関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、1以上のクラスごとのタップ係数を求めるようにした場合には、求めたタップ係数を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0331】
図15は、本発明に係る画像処理装置の他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0332】
図15で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像の差分画像が生成され、その差分画像に対して、クラス分類適応処理が適用されることにより、1つのフレーム当たり水平方向に2倍の数の画素を配置した、空間方向により高解像度の画像(以下、適宜、水平倍密画像と称する)の差分画像が創造される。そして、創造された水平倍密画像の差分画像から、水平倍密画像が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0333】
なお、図中、図5における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。即ち、図15の画像処理装置は、画素値算出部203が新たに設けられ、入力画像が差分画像生成部101と共に画素値算出部203に供給され、図5における係数メモリ105および画素値演算部107に代えて、係数メモリ201および差分演算部202が設けられている他は、図5における場合と同様に構成されている。
【0334】
係数メモリ201は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像の画素値の差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ201は、クラス分類部104から、水平倍密画像の注目している注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分演算部202に供給する。
【0335】
差分演算部202は、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である予測タップから、第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。
【0336】
より具体的に説明すると、差分演算部202は、係数メモリ201から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d1,d2,・・・とを用いて、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値の差分値である注目している差分値D(の予測値)を演算し、これを、水平倍密画像の画素値の差分値とする。差分演算部202は、このよう演算された差分値からなる差分画像を画素値算出部203に供給する。
【0337】
すなわち、差分演算部202における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の差分値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、水平倍密画像の画素値の差分値に変換される。
【0338】
このタップ係数を用いてのマッピング方法として、例えば、線形1次結合モデルを採用することとすると、水平倍密画像の画素値の差分値Dは、差分画像を構成する差分値から、水平倍密画像の画素値の差分値を予測するための予測タップとして抽出される複数の差分値と、タップ係数とを用いて、式(17)の線形1次式(線形結合)によって求められる。
【数17】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0339】
但し、式(17)において、dnは、水平倍密画像の画素値の差分値Dについての予測タップを構成する、n番目の差分画像の差分値を表し、wnは、n番目の差分値と乗算されるn番目のタップ係数を表す。なお、式(17)では、予測タップが、N個の差分値d1,d2,・・・,dNで構成されるものとしてある。
【0340】
ここで、水平倍密画像の画素値の差分値Dは、式(17)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求めるようにすることも可能である。
【0341】
画素値算出部203は、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。
【0342】
すなわち、画素値算出部203は、差分演算部202から供給された、水平倍密画像の差分画像、およびSD画像である入力画像を基に、SD画像が空間的に積分されることに基づく、水平倍密画像との関係により、SD画像に対して、水平倍密画像の画素値を算出して、算出により得られた水平倍密画像を出力する。
【0343】
SD画像が空間的に積分されることに基づく水平倍密画像との関係、およびこの関係に基づく画素値算出部203の算出の処理の詳細は、後述する。
【0344】
図16は、図15で示される画像処理装置に入力されるSD画像と、SD画像の差分画像と、生成される水平倍密画像の差分画像と、画像処理装置から出力される水平倍密画像との関係を説明する図である。
【0345】
図16において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印が水平倍密画像を構成する水平倍密画素を表している。また、図16では、水平倍密画像は、水平方向の画素数が、SD画像の2倍の画像になっている。水平倍密画像における、垂直方向の画素数は、SD画像と同じである。
【0346】
また、図16において、△印は、SD画像に対応する差分画像を構成する差分値を表す。図16において、□印は、水平倍密画像に対応する差分画像を構成する差分値を表す。
【0347】
図15で示される画像処理装置のクラスタップ抽出部102は、注目画素について、例えば、図16で示されるように、その注目画素の位置から近い横×縦が4×3個の差分値を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより差分画像のクラスタップとする。
【0348】
図16において、水平倍密画像の注目画素に対応する注目している差分値をDで表す。図16において、水平倍密画像の注目している差分値に対応する、空間方向に隣接する(空間的に近接する)、水平倍密画像の2つの画素を、y(1)またはy(2)と表す。ここで、y(1)は、第1の注目画素の一例であり、y(2)は、第2の注目画素の一例である。
【0349】
すなわち、水平倍密画像の注目している差分値Dは、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値y(1)と、第2の注目画素の画素値y(2)との差分値である。水平倍密画像の注目している差分値D、並びに水平倍密画像の画素値y(1)およびy(2)の間には、D=y(2)-y(1)の関係がある。
【0350】
また、図16において、差分画像のクラスタップを構成する4×3個の差分値のうちの、第1行第1列、第1行第2列、第1行第3列、第1行第4列、第2行第1列、第2行第2列、第2行第3列、第2行第4列、第3行第1列、第3行第2列、第3行第3列、第3行第4列の差分値を、それぞれd(1),d(2),d(3),d(4),d(5),d(6),d(7),d(8),d(9),d(10),d(11),d(12)と表す。差分値d(1),d(2),d(3),d(4),d(5),d(6),d(7),d(8),d(9),d(10),d(11),d(12)の右側に位置するSD画素を、それぞれ、x(2),x(3),x(4),x(5),x(7),x(8),x(9),x(10),x(12),x(13),x(14),x(15)と表す。差分値d(1)の左側のSD画素を、x(1)で表し、差分値d(5)の左側のSD画素を、x(6)で表し、差分値d(9)の左側のSD画素を、x(11)で表す。
【0351】
なお、yまたはxは、画素を示すと共に、その画素値を示す。以下、同様である。
【0352】
図16で示される場合において、差分値d(1)は、SD画素x(2)からSD画素x(1)を減算した値であり、差分値d(2)は、SD画素x(3)からSD画素x(2)を減算した値であり、差分値d(3)は、SD画素x(4)からSD画素x(3)を減算した値であり、差分値d(4)は、SD画素x(5)からSD画素x(4)を減算した値である。
【0353】
また、図16で示される場合において、差分値d(5)は、SD画素x(7)からSD画素x(6)を減算した値であり、差分値d(6)は、SD画素x(8)からSD画素x(7)を減算した値であり、差分値d(7)は、SD画素x(9)からSD画素x(8)を減算した値であり、差分値d(8)は、SD画素x(10)からSD画素x(9)を減算した値である。
【0354】
同様に、図16で示される場合において、差分値d(9)は、SD画素x(12)からSD画素x(11)を減算した値であり、差分値d(10)は、SD画素x(13)からSD画素x(12)を減算した値であり、差分値d(11)は、SD画素x(14)からSD画素x(13)を減算した値であり、差分値d(12)は、SD画素x(15)からSD画素x(14)を減算した値である。
【0355】
すなわち、差分値d(1)乃至d(12)は、空間方向に隣接するSD画素の画素値の差分値からなる。
【0356】
例えば、クラスタップ抽出部102は、注目している第1の注目画素について、図16で示される、4×3個の差分値d(1)乃至差分値d(12)を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより差分画像のクラスタップとする。
【0357】
例えば、クラスタップ抽出部102は、注目している第1の注目画素について、図16で示される、3×3個のSD画素x(2)乃至SD画素x(4)、SD画素x(7)乃至SD画素x(9)、およびSD画素x(12)乃至SD画素x(14)を、差分画像生成部101に記憶されたSD画像から抽出することによりSD画像のクラスタップとする。
【0358】
例えば、予測タップ抽出部106は、クラス分類部104から供給されるクラスコードに基づき、第1の注目画素について、図16で示される、4×3個の差分値d(1)乃至差分値d(12)を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより予測タップとする。
【0359】
例えば、差分演算部202は、係数メモリ201から供給される、第1の注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・,w12と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d(1),d(2),・・・,d(12)とを用いて、式(17)により、注目している差分値D(の予測値)を求め、これを、水平倍密画像の画素値の差分値とする。差分演算部202は、このよう演算された差分値からなる差分画像を画素値算出部203に供給する。
【0360】
次に、図17乃至図20を参照して、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画像との関係を説明する。
【0361】
まず、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサにおける、撮像された画像の画素の空間的な積分効果について説明する。
【0362】
イメージセンサは、現実世界のオブジェクトを撮像し、撮像の結果得られた画像を1フレーム単位で出力する。例えば、イメージセンサは、1秒間に30フレームから成る画像を出力する。この場合、イメージセンサの露光時間は、1/30秒とすることができる。露光時間は、イメージセンサが入力された光の電荷への変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時間とも称する。
【0363】
図17は、イメージセンサ上の画素の配置を説明する図である。図17中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画素に対応する1つの検出素子は、イメージセンサ上に配置されている。イメージセンサが画像を撮像するとき、1つの検出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0364】
図18で示されるように、例えば、CCDである検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、受光面に入力された光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の量は、受光面の全体に入力された光の強さと、光が入力されている時間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する期間において、受光面の全体に入力された光から変換された電荷を、既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、受光面の全体に入力される光を積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。検出素子は、空間(受光面)および時間(シャッタ時間)に対して、積分効果があるとも言える。
【0365】
検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデータなどの画素値に変換されて出力される。従って、イメージセンサから出力される個々の画素値は、現実世界のオブジェクトの時間的空間的に広がりを有するある部分を、シャッタ時間の時間方向および検出素子の空間方向について積分した結果である、1次元の空間に射影された値を有する。
【0366】
図19は、図17に対応する、CCDであるイメージセンサに設けられている画素の配置、および水平倍密画像の画素データに対応する領域を説明する図である。図19中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。領域a乃至rは、画素A乃至Iの個々の画素を縦に半分にした受光領域である。画素A乃至Iの受光領域の幅が、2Lであるとき、領域a乃至rの幅は、Lである。図15で構成が示される画像処理装置は、領域a乃至rに対応する画素データの画素値を算出する。
【0367】
図20は、領域g乃至領域lに入力される光に対応する画素データを説明する図である。図20のf(x)は、入力される光および空間的な微少区間に対応する、空間的に見て理想的な画素値を示す。
【0368】
1つの画素データの画素値が、理想的な画素値f(x)の一様な積分で表されるとすれば、領域iに対応する画素データの画素値Y1は、式(18)で表され、領域jに対応する画素データの画素値Y2は、式(19)で表され、画素Eの画素値Y3は、式(20)で表される。
【数18】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0369】
【数19】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0370】
【数20】
Figure 0004311038
Figure 0004311038
【0371】
式(18)乃至式(20)において、x1,x2、およびx3は、画素Eの受光領域、領域i、および領域jのそれぞれの境界の空間座標である。
【0372】
式(20)における、Y3は、上述したSD画素xに対応する。また、式(18)乃至式(20)における、Y1およびY2は、それぞれ、図15の画像処理装置が求めようとする、SD画像に対する水平倍密画像の画素値に対応する。
【0373】
Y3をxに、Y1をy(1)に、Y2をy(2)にそれぞれ置き換えると、式(20)から、式(21)を導くことができる。
x=(y(1)+y(2))/2 ・・・(21)
【0374】
式(21)を、y(2)について変形すると、式(22)が得られる。
(1)=2x-y(2) ・・・(22)
【0375】
(1)とy(2)の差をD、すなわちD=y(2)-y(1)とすれば、y(1)は、式(23)で表すことができる。
(1)=y(2)−D ・・・(23)
【0376】
式(23)を式(22)の左辺に代入すると、式(24)で示されるように、y(2)は、xおよびDから算出できることがわかる。
(2)=(2x+D)/2 ・・・(24)
【0377】
同様に、式(25)で示されるように、y(1)は、xおよびDから算出できる。
(1)=(2x-D)/2 ・・・(25)
【0378】
画素値算出部203は、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。すなわち、画素値算出部203は、差分演算部202から供給された、水平倍密画像の差分画像の差分値D、およびSD画像である入力画像の画素値xに、SD画像が空間的に積分されることによる関係に基づく演算、すなわち、式(24)を適用して、第2の注目画素の画素値である、水平倍密画像の画素値y(2)を算出する。また、画素値算出部203は、差分演算部202から供給された、水平倍密画像の差分画像の差分値D、およびSD画像である入力画像の画素xに、式(25)を適用して、第1の注目画素の画素値である、水平倍密画像の画素値y(1)を算出する。
【0379】
図21は、水平倍密画像の差分画像の差分値と、水平倍密画像の画素値との関係の一例を説明する図である。
【0380】
図21において、横方向は、空間方向Xを示し、縦方向は、空間方向Yを示す。また、図21において、四角(マス目)は、入力画像の画素を示し、x0乃至x14は、入力画像の各画素の画素値を示す。
【0381】
図21において、d0乃至d12は、入力画像の差分値を示す。なお、d0乃至d12の差分値は、図6の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0382】
図21において、水平倍密画像の差分画像の注目している差分値Dは、入力画像の画素値x7を有する画素に対応する、受光領域の幅を1/2とした水平倍密画像の画素値の差分値である。
【0383】
図21において、斜線で示す部分は、1つのオブジェクト(前景のオブジェクト)が撮像された領域を示し、白い部分は、背景が撮像された領域を示す。
【0384】
すなわち、入力画像の画素値x3,x4,x8,x9,およびx14は、オブジェクトのみに対応する画素値を有する。入力画像の画素値x0,x5,x6,x10,およびx11は、背景のみに対応する画素値を有する。入力画像の画素値x1,x7,x12,およびx13は、オブジェクトおよび背景に対応する画素値を有する。
【0385】
画素値x7に対応するイメージセンサの画素は、そのほぼ半分の領域において、オブジェクトを撮像し、他のほぼ半分の領域において、背景を撮像したので、画素値x7には、イメージセンサの積分効果により、イメージセンサの画素の半分の領域で撮像されたオブジェクトに対応する画像の成分と、イメージセンサの画素の他の半分の領域で撮像された背景に対応する画像の成分とが含まれる。
【0386】
言い換えれば、画素値x7には、ほぼ同じ量の、オブジェクトに対応する画像の成分および背景に対応する画像の成分が含まれていると言える。ここで言う「同じ量」とは、「同じ面積の領域で取得された」という意味である。同じ量の画像の成分が同じ値(画素値)であるとは限らない。
【0387】
ここで、画素値x7を有する画素を縦に半分にした受光領域について考える。
【0388】
画素値x7を有する画素を縦に半分にした受光領域に対応する、水平倍密画像の2つの画素のうち、右側の画素は、オブジェクトに対応する画像の成分でほぼ占められ、左側の画素は、背景に対応する画像の成分でほぼ占められる。
【0389】
従って、図21で示される差分値Dは、入力画像の画素値x7を有する画素に含まれる、オブジェクトに対応する画像の成分と、背景の画像の成分との差分にほぼ等しい。
【0390】
画素値算出部203は、入力画像の画素値x7を有する画素に含まれる、オブジェクトに対応する画像の成分と、背景の画像の成分との差分にほぼ等しい差分値D、および入力画像の画素値x7から、画素値x7を有する画素を縦に半分にした受光領域に対応する水平倍密画像の画素であって、オブジェクトに対応する画像の成分からなる画素と、背景に対応する画像の成分からなる画素とを求める。
【0391】
画素値算出部203は、このように算出された画素値からなる水平倍密画像を出力する。
【0392】
なお、図15で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像について、水平倍密画像を生成し、生成した水平倍密画像に対して、さらに、縦方向に上述した処理を適用することにより、HD画像を生成することができる。
【0393】
次に、図22のフローチャートを参照して、図15で構成が示される画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0394】
ステップS201乃至ステップS205の処理は、それぞれ、図8のステップS101乃至ステップS105の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0395】
ステップS206において、係数メモリ201は、クラス分類部104から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目している注目画素のクラスのタップ係数を取得して、差分演算部202に供給し、ステップS207に進む。
【0396】
ステップS207において、差分演算部202は、注目している差分値(サンプル)(の予測値)を演算して、ステップS208に進む。即ち、ステップS207では、差分演算部202は、検出された特徴量に基づいて、予測タップ抽出部106により抽出された複数の周辺画素同士の差分値である、予測タップから、出力画像データ内の第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、出力画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。例えば、差分演算部202は、予測タップ抽出部106からの予測タップと、係数メモリ201からのタップ係数とを用いて、式(17)の演算を行い、水平倍密画像の差分画像を構成する、注目している差分値(注目サンプル)(の予測値)を求める。
【0397】
ステップS208において、画素値算出部203は、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。例えば、画素値算出部203は、ステップS207の処理で算出された差分値、およびSD画像である入力画像に、SD画像が空間的に積分されることによる、水平倍密画像との関係に基づく演算、すなわち、式(24)および式(25)を適用して、水平倍密画像の2つの画素値を算出する。
【0398】
ステップS209において、クラスタップ抽出部102は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、算出されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS201に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0399】
また、ステップS209において、算出されていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0400】
このように、図15で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0401】
図15で構成が示される画像処理装置においては、水平倍密画像を構成する水平倍密画素に対して半数の、差分画像の差分値を予測し、差分画像の差分値から、式(24)または式(25)で示される簡単な演算で、水平倍密画像の画素値を算出するようにしたので、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0402】
次に、図23は、図15の係数メモリ201に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う画像処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0403】
図9で示される場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は適宜省略する。即ち、図23の画像処理装置は、差分画像生成部221が新たに設けられ、図9における足し込み演算部138、教師画素抽出部139、学習メモリ140、正規方程式演算部141、および係数メモリ142に代えて、足し込み演算部222、教師画素抽出部223、学習メモリ224、正規方程式演算部225、および係数メモリ226が設けられている他は、図9における場合と同様に構成されている。
【0404】
図23の画像処理装置には、タップ係数の学習用の画像データとしての、水平倍密画像が入力される。画像処理装置に入力された水平倍密画像は、SD画像生成部131および差分画像生成部221に供給される。
【0405】
図23のSD画像生成部131は、入力された水平倍密画像から、SD画像を生成し、差分画像生成部132および画像メモリ133に供給する。SD画像生成部131は、例えば、水平倍密画像の水平に並ぶ2つの画素の平均値を求めてSD画像の画素値とすること等により、その水平倍密画像に対応したSD画像を生成する。
【0406】
差分画像生成部221は、入力画像である水平倍密画像から、教師画像である差分画像を生成し、生成した差分画像を教師画素抽出部223に供給する。すなわち、差分画像生成部221は、左右に隣り合う2つの画素からなる組の1つに、水平倍密画像のそれぞれの画素を振り分けて、その組毎に画素値の差を算出して、差分とし、例えば、図16で示される、水平倍密画像の画素値の差分値からなる、教師画像である差分画像を生成する。差分画像生成部221で生成される差分画像の差分値の数は、水平倍密画像の画素に対して半数になる。
【0407】
教師画素抽出部223は、教師画像である、水平倍密画像の差分画像から、注目している差分値である教師データを抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部222に供給する。
【0408】
足し込み演算部222および正規方程式演算部225は、検出された特徴量毎に、予測タップ抽出部137により抽出された複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段を学習する。
【0409】
この場合、予測手段は、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する具体的手段であり、例えば、クラス毎のタップ係数により動作が規定される差分演算部202、または差分演算部202における処理を言う。複数の周辺画素同士の差分値から注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段を学習するとは、例えば、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する予測手段の実現(構築)を可能にすることを意味する。
【0410】
従って、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する予測手段を学習するとは、例えば、クラス毎のタップ係数を得ることを言う。クラス毎のタップ係数を得ることにより、差分演算部202、または差分演算部202における処理が特定され、差分演算部202を実現し、または差分演算部202における処理を実行することができるようになるからである。
【0411】
すなわち、足し込み演算部222および正規方程式演算部225は、注目している差分値である教師データと、予測タップ抽出部137から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部136から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0412】
即ち、足し込み演算部222は、予測タップ抽出部137から供給される予測タップ(差分値)と、教師画素抽出部223から供給される教師データである差分値とを対象とした、式(26)の足し込みを行う。
【数21】
Figure 0004311038
・・・(26)
【0413】
具体的には、足し込み演算部222は、予測タップを構成する生徒データとしての差分値dn,kを用い、式(26)の左辺の行列における差分値どうしの乗算(dn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0414】
さらに、足し込み演算部222は、予測タップを構成する生徒データとしての差分値dn,kと、教師データである差分値Dkを用い、式(26)の右辺のベクトルにおける差分値および差分値Dkの乗算(dn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0415】
足し込み演算部222は、教師データとしての、水平倍密画像の差分画像の差分値すべてを注目している差分値として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(26)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ224に供給する。
【0416】
なお、画素値yを差分値Dに置き換えることにより、式(9)乃至式(15)から式(16)を導く場合と同様に、式(26)を導くことができ、その説明は省略する。
【0417】
学習メモリ224は、足し込み演算部222から供給された、生徒データとして差分値、教師データとして差分値が足し込まれた、式(26)に対応した正規方程式を記憶する。
【0418】
正規方程式演算部225は、学習メモリ224から、各クラスについての式(26)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(学習することにより)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0419】
係数メモリ226は、正規方程式演算部225が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0420】
次に、図24のフローチャートを参照して、図23に構成を示す画像処理装置による学習の処理を説明する。
【0421】
ステップS221において、SD画像生成部131は、入力画像(水平倍密画像)である学習用の画像データを取得し、SD画像を生成する。SD画像は、差分画像生成部132に供給され、手続は、ステップS222に進む。
【0422】
ステップS222に進み、差分画像生成部132は、SD画像生成部131から供給されたSD画像の画素値の差を求めて、差分値からなる生徒画像である、SD画像の差分画像を生成する。生成されたSD画像の差分画像は、画像メモリ133に記憶され、手続は、ステップS223に進む。
【0423】
ステップS223において、差分画像生成部221は、入力画像である水平倍密画像の画素値の差を求めて、差分値からなる教師画像である、水平倍密画像の差分画像を生成する。生成された水平倍密画像の差分画像は、教師画素抽出部223に供給され、手続は、ステップS224に進む。
【0424】
ステップS224において、クラスタップ抽出部134は、図15のクラスタップ抽出部102における場合と同様に、教師データとしての水平倍密画像の差分画像の差分値の中から、まだ注目されていないもののうちの1つを注目している差分値として選択し、注目画素に対応する差分画像のクラスタップを、画像メモリ133に記憶されている生徒画像としての差分画像から生成すると共に、SD画像のクラスタップを、画像メモリ133に記憶されているSD画像から生成し、生成した差分画像のクラスタップおよびSD画像のクラスタップを特徴量演算部135に供給して、ステップS225に進む。
【0425】
ステップS225において、特徴量演算部135は、図15の特徴量演算部103における場合と同様に、複数の周辺画素である、差分画像のクラスタップおよびSD画像のクラスタップから、例えば、動きベクトル、または注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数のSD画像の画素の画素値の変化などの、注目画素の特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部136に供給し、ステップS226に進む。
【0426】
また、ステップS225において、特徴量演算部135は、図15の特徴量演算部103における場合と同様に、画像メモリ133に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。さらに、ステップS225において、特徴量演算部135は、図15の特徴量演算部103における場合と同様に、画像メモリ133に記憶されている差分画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部136に供給する。
【0427】
ステップS226では、クラス分類部136が、図15のクラス分類部104における場合と同様にして、クラスタップ抽出部134からのクラスタップ、および特徴量演算部135からの特徴量を用いて、注目している注目画素をクラス分類し、その注目している注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部137および学習メモリ224に供給して、ステップS227に進む。
【0428】
ステップS227において、予測タップ抽出部137は、クラス分類部136から供給されるクラスコードに基づいて、図15の予測タップ抽出部106における場合と同様に、注目している注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ133に記憶されている生徒画像としての差分画像から抽出して生成し、足し込み演算部222に供給して、ステップS228に進む。
【0429】
ステップS228において、教師画素抽出部223は、注目している注目画素に対応する差分値、すなわち教師画素(教師データ)を水平倍密画像の差分画像から抽出し、抽出した教師データを足し込み演算部222に供給し、ステップS229に進む。
【0430】
ステップS229では、足し込み演算部222が、予測タップ抽出部137から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部223から供給される教師データを対象とした、上述した式(26)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ224に記憶させ、ステップS230に進む。
【0431】
そして、ステップS230では、クラスタップ抽出部134は、教師データとしての水平倍密画像の差分値の中に、まだ注目している差分値としていないものがあるかどうか、すなわち全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS230において、教師データの画素の中に、まだ注目している差分値としていないものがあると判定された場合、ステップS224に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0432】
また、ステップS230において、教師画像の中に、注目している差分値としていないものがない、すなわち全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS231に進み、正規方程式演算部225は、いままでのステップS229における足し込みによって、クラスごとに得られた式(26)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ224から読み出し、読み出した式(26)の正規方程式を解くことにより(学習することにより)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ226に供給して記憶させ、ステップS232に進む。
【0433】
すなわち、ステップS229およびステップS231において、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段が学習される。
【0434】
ステップS232において、正規方程式演算部225は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS231に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0435】
ステップS232において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、係数メモリ226は、全クラスのタップ係数を記憶し、処理は終了する。すなわち、係数メモリ226は、学習された予測手段を記憶する。
【0436】
以上のようにして、係数メモリ226に記憶されたクラスごとのタップ係数が、図15の画像処理装置における係数メモリ201に記憶されている。
【0437】
図25は、本発明に係る画像処理装置の他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0438】
図25で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像にクラス分類処理が適用され、SD画像の画素値の差分が算出され、その差分に対して、適応処理が適用されることにより、水平倍密画像の差分画像が創造される。そして、創造された水平倍密画像の差分画像から、水平倍密画像が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0439】
なお、図中、図11における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。即ち、図25の画像処理装置は、画素値算出部253が新たに設けられ、入力画像がクラスタップ抽出部151、特徴量演算部152、および予測タップ抽出部155と共に画素値算出部253に供給され、図11における係数メモリ154および画素値演算部157に代えて、係数メモリ251および差分演算部252が設けられている他は、図11における場合と同様に構成されている。
【0440】
係数メモリ251は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像の画素値の差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ251は、クラス分類部153から、水平倍密画像の注目している注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分演算部252に供給する。
【0441】
差分演算部252は、検出された特徴量に基づいて、差分算出部156から供給された、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である、予測タップの差分値から、第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。
【0442】
より具体的に説明すると、差分演算部252は、係数メモリ251から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、差分算出部156からの予測タップの差分値d1,d2,・・・とを用いて、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値の差分値である注目している差分値D(の予測値)を演算し、これを、水平倍密画像の画素値の差分値とする。差分演算部252は、このよう演算された差分値からなる差分画像を画素値算出部253に供給する。
【0443】
すなわち、差分演算部252は、差分演算部202と同様の処理により、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値の差分値である注目している差分値D(の予測値)を演算する。
【0444】
画素値算出部253は、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。
【0445】
例えば、画素値算出部253は、差分演算部252から供給された、水平倍密画像の差分画像、およびSD画像である入力画像を基に、SD画像が空間的に積分されることに基づく、水平倍密画像との関係により、SD画像に対して、水平倍密画像の画素値を算出して、算出により得られた水平倍密画像を出力する。
【0446】
すなわち、画素値算出部253は、画素値算出部203と同様の処理により、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。
【0447】
なお、図25で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像について、水平倍密画像を生成し、生成した水平倍密画像に対して、さらに、縦方向に上述した処理を適用することにより、HD画像を生成することができる。
【0448】
次に、図26のフローチャートを参照して、図25に構成を示す画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0449】
ステップS251乃至ステップS255の処理は、それぞれ、図12のステップS151乃至ステップS155の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0450】
ステップS256において、係数メモリ251は、クラス分類部153から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目している注目画素のクラスのタップ係数を取得して、差分演算部252に供給し、ステップS257に進む。
【0451】
ステップS257において、差分演算部252は、注目している差分値(サンプル)(の予測値)を演算して、ステップS258に進む。即ち、ステップS257では、差分演算部252は、検出された特徴量に基づいて、差分算出部156から供給された、複数の周辺画素同士の差分値から、出力画像データ内の第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、出力画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。例えば、差分演算部252は、差分算出部156からの予測タップの差分値と、係数メモリ251からのタップ係数とを用いて、式(17)の演算を行い、水平倍密画像の差分画像を構成する、注目している差分値(注目サンプル)(の予測値)を求める。
【0452】
ステップS258において、画素値算出部253は、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測する。例えば、画素値算出部253は、ステップS257の処理で算出された差分値、およびSD画像である入力画像に、SD画像が空間的に積分されることによる、水平倍密画像との関係に基づく演算、すなわち、式(24)および式(25)を適用して、水平倍密画像の2つの画素値を算出する。
【0453】
ステップS259において、クラスタップ抽出部151は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、算出されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS251に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0454】
また、ステップS259において、算出されていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0455】
このように、図25で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0456】
図25で構成が示される画像処理装置においては、水平倍密画像を構成する水平倍密画素に対して半数の、差分画像の差分値を予測し、差分画像の差分値から、式(24)または式(25)で示される簡単な演算で、水平倍密画像の画素値を算出するようにしたので、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0457】
次に、図27は、図25の係数メモリ251に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う画像処理装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0458】
図13で示される場合と同様の部分には、同一の番号を付してあり、その説明は適宜省略する。即ち、図27の画像処理装置は、差分画像生成部271が新たに設けられ、入力画像がSD画像生成部171および差分画像生成部271に供給され、図13における足し込み演算部178、教師画素抽出部179、学習メモリ180、正規方程式演算部181、および係数メモリ182に代えて、足し込み演算部272、教師画素抽出部273、学習メモリ274、正規方程式演算部275、および係数メモリ276が設けられている他は、図13における場合と同様に構成されている。
【0459】
図27の画像処理装置には、タップ係数の学習用の画像データとしての、水平倍密画像が入力される。画像処理装置に入力された水平倍密画像は、SD画像生成部171および差分画像生成部271に供給される。
【0460】
差分画像生成部271は、入力画像である水平倍密画像から、教師画像である差分画像を生成し、生成した差分画像を教師画素抽出部273に供給する。すなわち、差分画像生成部271は、左右に隣り合う2つの画素からなる組の1つに、水平倍密画像のそれぞれの画素を振り分けて、その組毎に画素値の差を算出して、差分とし、例えば、図16に示す、水平倍密画像の画素値の差分値からなる、教師画像である差分画像を生成する。差分画像生成部271で生成される差分画像の差分値の数は、水平倍密画像の画素に対して半数になる。
【0461】
教師画素抽出部273は、教師画像である、水平倍密画像の差分画像から、注目している差分値(第1の注目画素と第2の注目画素の差分値)である教師データを抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部272に供給する。
【0462】
足し込み演算部272および正規方程式演算部275は、検出された特徴量毎に、差分算出部177により算出された、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段を学習する。
【0463】
この場合、予測手段は、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する具体的手段であり、例えば、クラス毎のタップ係数により動作が規定される差分演算部252、または差分演算部252における処理を言う。複数の周辺画素同士の差分値から注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段を学習するとは、例えば、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する予測手段の実現(構築)を可能にすることを意味する。
【0464】
従って、複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測する予測手段を学習するとは、例えば、クラス毎のタップ係数を得ることを言う。クラス毎のタップ係数を得ることにより、差分演算部252、または差分演算部252における処理が特定され、差分演算部252を実現し、または差分演算部252における処理を実行することができるようになるからである。
【0465】
すなわち、足し込み演算部272および正規方程式演算部275は、注目している差分値である教師データと、差分算出部177から供給される予測タップの差分値とを用い、教師データと差分値である生徒データとの関係を、クラス分類部175から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0466】
より具体的には、足し込み演算部272は、予測タップ抽出部176から供給される予測タップの差分値と、教師画素抽出部273から供給される教師データである差分値とを対象とした、式(26)の足し込みを行う。足し込み演算部272は、教師データとしての、水平倍密画像の差分画像の差分値すべてを注目している差分値として、足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(26)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ274に供給する。
【0467】
学習メモリ274は、足し込み演算部272から供給された、生徒データとして差分値、教師データとして差分値が足し込まれた式(26)に対応した正規方程式を記憶する。
【0468】
正規方程式演算部275は、学習メモリ274から、各クラスについての式(26)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(学習することにより)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0469】
係数メモリ276は、正規方程式演算部275が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0470】
次に、図28のフローチャートを参照して、図27に構成を示す画像処理装置による学習の処理を説明する。
【0471】
ステップS271において、SD画像生成部171は、入力画像(水平倍密画像)である学習用の画像データを取得し、入力画像からSD画像を生成する。SD画像は、画像メモリ172に供給され、画像メモリ172に記憶されて、手続は、ステップS277に進む。
【0472】
ステップS272において、差分画像生成部271は、入力画像である水平倍密画像の画素値の差を求めて、差分値からなる教師画像である、水平倍密画像の差分画像を生成する。生成された水平倍密画像の差分画像は、教師画素抽出部273に供給され、手続は、ステップS273に進む。
【0473】
ステップS273において、クラスタップ抽出部173は、図25のクラスタップ抽出部151における場合と同様に、教師データとしての水平倍密画像の差分画像の画素のうち1つおきの画素の中から、まだ注目されていないもののうちの1つを注目している画素として選択し、注目画素に対応する、SD画像内の複数の周辺画素を抽出することにより、注目画素に対応するクラスタップを、画像メモリ172に記憶されているSD画像から生成し、生成したクラスタップを特徴量演算部135に供給して、ステップS274に進む。
【0474】
ステップS274において、特徴量演算部174は、図25の特徴量演算部152における場合と同様に、複数の周辺画素であるクラスタップから、例えば、動きベクトル、または注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数のSD画像の画素の画素値の変化などの、注目画素の特徴量を演算して、演算した特徴量をクラス分類部175に供給し、ステップS275に進む。また、ステップS274において、特徴量演算部174は、図25の特徴量演算部152における場合と同様に、画像メモリ172に記憶されているSD画像に基づいて、注目画素に対する複数の周辺画素の特徴量を検出し、検出した特徴量をクラス分類部175に供給する。
【0475】
ステップS275では、クラス分類部175が、図25のクラス分類部153における場合と同様にして、クラスタップ抽出部173からのクラスタップ、および特徴量演算部174からの特徴量を用いて、注目している注目画素をクラス分類し、その注目している注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部176および学習メモリ274に供給して、ステップS276に進む。
【0476】
ステップS276において、予測タップ抽出部176は、クラス分類部175から供給されるクラスコードに基づいて、図25の予測タップ抽出部155における場合と同様に、注目している注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ172に記憶されているSD画像から抽出して生成し、差分算出部177に供給して、ステップS277に進む。
【0477】
ステップS277に進み、差分算出部177は、予測タップ抽出部176から供給された予測タップの画素値の差を求めて、差分値を生成する。生成された差分値は、足し込み演算部272に供給され、手続は、ステップS278に進む。
【0478】
ステップS278において、教師画素抽出部273は、注目している注目画素に対応する差分値、すなわち教師画素(教師データ)を水平倍密画像の差分画像から抽出し、抽出した教師データを足し込み演算部272に供給し、ステップS279に進む。
【0479】
ステップS279では、足し込み演算部272が、差分算出部177から供給される差分値(生徒データ)、および教師画素抽出部273から供給される教師データを対象とした、上述した式(26)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ274に記憶させ、ステップS280に進む。
【0480】
そして、ステップS280では、クラスタップ抽出部173は、教師データとしての水平倍密画像の画素のうちの1つおきの画素の中に、まだ注目している画素としていないものがあるかどうか、すなわち全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS280において、教師データの画素の中に、まだ注目している画素としていないものがあると判定された場合、ステップS273に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0481】
また、ステップS280において、教師画像の中に、注目している画素としていないものがない、すなわち全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS281に進み、正規方程式演算部275は、いままでのステップS279における足し込みによって、クラスごとに得られた式(26)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ274から読み出し、読み出した式(26)の正規方程式を解くことにより(学習することにより)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ276に供給して記憶させ、ステップS282に進む。
【0482】
すなわち、ステップS279およびステップS281において、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段が学習される。
【0483】
ステップS282において、正規方程式演算部275は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS281に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0484】
ステップS282において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、係数メモリ276は、全クラスのタップ係数を記憶し、処理は終了する。すなわち、係数メモリ276は、学習された予測手段を記憶する。
【0485】
以上のようにして、係数メモリ276に記憶されたクラスごとのタップ係数が、図25の画像処理装置における係数メモリ251に記憶されている。
【0486】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、第1の画像(入力画像)に対応する、より高画質の第2の画像(出力画像)を得ることができる。
【0487】
また、高質画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出し、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値から、第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測し、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する入力画像データ内の対応画素の画素値、および第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値から、第1の注目画素および第2の注目画素を予測するようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0488】
さらに、第1の画像(入力画像)と第2の画像(出力画像)とを基に、クラス毎に学習するようにした場合には、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得るためのタップ係数を得ることができる。
【0489】
また、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値から、注目画素と高質画像データ内の注目画素に隣接する他の画素との差分値を予測するための予測手段を学習するようにした場合には、予測手段を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0490】
図29は、本発明に係る画像処理装置のさらに他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0491】
図29で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像の差分画像が生成され、その差分画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、水平倍密画像を構成する画素のうち、水平方向に1つおき画素が創造される。
【0492】
例えば、図16の×印で示される水平倍密画像の画素のうちの、第1行第1列、第1行第3列、第1行第5列、第1行第7列、第2行第1列、第2行第3列、第2行第5列、第2行第7列、第3行第1列、第3行第3列、第3行第5列、第3行第7列、第4行第1列、第4行第3列、第4行第5列、第4行第7列、第5行第1列、第5行第3列、第5行第5列、第5行第7列の画素が創造される。
【0493】
そして、創造された、半数の画素からなる水平倍密画像から、水平倍密画像の全体が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0494】
なお、図中、図15における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。即ち、図29の画像処理装置は、図15における係数メモリ201、差分演算部202、および画素値算出部203に代えて、係数メモリ301、画素値演算部302、および画素値算出部303が設けられている他は、図15における場合と同様に構成されている。
【0495】
図29で示される画像処理装置のクラスタップ抽出部102は、クラス分類適応処理により求めようとする水平倍密画像の水平倍密画素(サンプル)を、水平方向に1つおきに、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部102は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、差分画像生成部101に記憶された差分画像から生成し、特徴量演算部103に出力する。
【0496】
すなわち、クラスタップ抽出部102は、注目画素についてのクラス分類に用いる差分画像のクラスタップを、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出して生成し、特徴量演算部103に出力する。
【0497】
また、クラスタップ抽出部102は、差分画像のクラスタップとは別に、SD画像である入力画像から、入力画像のクラスタップを抽出して特徴量演算部103に供給する。
【0498】
このように、クラスタップ抽出部102は、入力画像に比較して高質な高質画像の注目画素に対応する、入力画像内の複数の周辺画素(クラスタップ)を抽出する。
【0499】
図29で示される画像処理装置の予測タップ抽出部106は、クラス分類部104から供給されるクラスコードを基に、画素値演算部302において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出して生成し、画素値演算部302に供給する。例えば、予測タップ抽出部106は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の差分値を、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出することにより予測タップとし、画素値演算部302に供給する。
【0500】
係数メモリ301は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像データの差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ301は、クラス分類部104から、水平倍密画像の注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部302に供給する。
【0501】
画素値演算部302は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から、水平倍密画像の第1の注目画素を予測する。
【0502】
より詳しく説明すれば、画素値演算部302は、係数メモリ301から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d1,d2,・・・とを用いて、水平倍密画像において水平方向に1つおきに注目された注目画素y(の予測値)を演算して求め、これを、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値とする。画素値演算部302は、このように1つおきに演算された画素値からなる水平倍密画像を画素値算出部303に供給する。
【0503】
すなわち、画素値演算部302における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の差分値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、水平倍密画像の1つおきの画素値に変換される。
【0504】
画素値算出部303は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、水平倍密画像の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。
【0505】
換言すれば、画素値算出部303は、画素値演算部302から供給された、水平方向に1つおきの画素からなる水平倍密画像、およびSD画像である入力画像を基に、SD画像が空間的に積分されることに基づく関係から、SD画像に対して、残った水平倍密画像の画素値(水平倍密画像の1つおきの画素に隣接する画素であって、画素値演算部302で演算されなかった画素の画素値)を算出して、画素値演算部302で得られた画素と、画素値算出部303で算出された画素とからなる水平倍密画像を出力する。すなわち、例えば、画素値算出部303は、画素値演算部302から供給された、水平倍密画像の1つおきの画素の画素値をy(1)とし、およびSD画像である入力画像の画素値をxとするとき、xおよびy(1)に対応する、画素値演算部302で演算されなかった画素の画素値y(2)を算出する。
【0506】
式(21)を変形することにより、y(2)について、式(27)を導くことができる。
(2)=2x-y(1) ・・・(27)
【0507】
従って、式(22)および式(27)により、SD画素x、およびSD画素xに対応する水平倍密画像の画素値y(1)およびy(2)のいずれか一方が既知であれば、水平倍密画像の画素値y(1)およびy(2)の他の一方を算出することができる。
【0508】
すなわち、SD画像が空間的に積分されることに基づく、水平倍密画像とSD画像との関係から、1つおきの画素からなる水平倍密画像、およびSD画像である入力画像を知ることができれば、SD画像に対応する、残った水平倍密画像の画素値を算出することができる。
【0509】
例えば、画素値演算部302において、図16に×印で示される水平倍密画像の画素値y(2)が算出され、画素値y(2)に対応する、SD画像である入力画像の画素値がx(8)であるとき、画素値算出部303は、画素値x(8)およびy(2)に、y(1)=2x(8)-y(2)の演算を適用して、水平倍密画像の画素値y(1)を算出する。
【0510】
なお、図29で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像について、水平倍密画像を生成し、生成した水平倍密画像に対して、さらに、縦方向に上述した処理を適用することにより、HD画像を生成することができる。
【0511】
次に、図30のフローチャートを参照して、図29に構成を示す画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0512】
ステップS301乃至ステップS305の処理は、ステップS302の処理において、水平倍密画像の水平方向に1つおきの画素が注目画素として選択される点を除き、それぞれ、図8のステップS101乃至ステップS105の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0513】
ステップS306において、係数メモリ301は、クラス分類部104から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得して、画素値演算部302に供給し、ステップS307に進む。
【0514】
ステップS307において、画素値演算部302は、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である、予測タップから第1の注目画素を予測する。換言すれば、画素値演算部302は、水平倍密画像の水平方向に1つおきの画素である注目画素(の予測値)を演算して、ステップS308に進む。即ち、ステップS307では、画素値演算部302は、予測タップ抽出部106からの予測タップと、係数メモリ301からのタップ係数とを用いて、線形1次式(線形結合)によって、注目画素(の予測値)を求める。
【0515】
例えば、ステップS307において、画素値演算部302は、予測タップ抽出部106からの予測タップと、係数メモリ301からのタップ係数とを用いて、式(9)で示される演算により、注目画素(の予測値)を求める。
【0516】
なお、式(9)で示される演算により、画素値演算部107において、HD画像の画素値が演算されるのに対して、係数メモリ301が、学習の教師となる、水平倍密画像である教師データと、学習の生徒となる、SD画像の差分画像である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶しているので、画素値演算部302においては、式(9)で示される演算により、水平倍密画像の画素値が求められる。
【0517】
ステップS308において、画素値算出部303は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像である出力画像内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。換言すれば、画素値算出部303は、ステップS307の処理で算出された、1つおきの画素からなる水平倍密画像、およびSD画像である入力画像に、SD画像が空間的に積分されることによる、水平倍密画像とSD画像との関係に基づく演算、すなわち、式(22)(または式(27))の演算を適用して、水平倍密画像の残った画素値(水平倍密画像の1つおきの画素に隣接する画素であって、画素値演算部302で演算されなかった画素の画素値)を算出する。
【0518】
ステップS309において、クラスタップ抽出部102は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、演算されるかまたは算出されて予測されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS301に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0519】
また、ステップS309において、注目フレームの全ての画素が演算されるかまたは算出されたと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0520】
なお、係数メモリ301に格納されるタップ係数は、入力画像を水平倍密画像とし、注目画素として、水平倍密画像の水平方向に1つおきの画素に注目するようにして、図9で構成が示される画像処理装置の学習の処理により求めることができる。
【0521】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、第1の画像(入力画像)に対応する、より高画質の第2の画像(出力画像)を得ることができる。
【0522】
また、第1の画像(入力画像)の空間方向に隣接する画素の画素値の差分値からなる差分画像を生成し、第2の画像(出力画像)に関係する第3の画像の注目しているサンプルである注目サンプルを1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、差分画像から生成し、クラスタップに基づいて、注目サンプルをクラス分類し、注目サンプルを求めるのに用いる予測タップを、差分画像から生成し、学習の教師となる、第3の画像に対応する教師データと、学習の生徒となる、差分画像に対応する生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数から、注目サンプルのクラスのタップ係数を取得し、注目サンプルのクラスのタップ係数と、予測タップとを用いて、注目サンプルを演算し、第3の画像を求め、第1の画像の画素値と、第2の画像の画素値と、第3の画像のサンプルとの関係を基に、第3の画像のサンプル、およびサンプルに対応する第1の画像の画素値から、第2の画像の画素値を算出して、第2の画像を求めるようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0523】
第1の画像(入力画像)と第2の画像(出力画像)とを基に、クラス毎に学習するようにした場合には、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得るためのタップ係数を得ることができる。
【0524】
また、タップ係数の学習の生徒となる、第1の画像(入力画像)の空間方向に隣接する画素の画素値の差分値からなる生徒画像を生成し、タップ係数の学習の教師となる、第2の画像(出力画像)に関係する第3の画像を生成し、タップ係数の学習の教師となる、第3の画像のサンプルうちの注目している注目サンプルを1以上のクラスのうちのいずれかのクラスにクラス分けするクラス分類を行うのに用いるクラスタップを、学習の生徒となる、生徒画像から生成し、クラスタップに基づいて、注目サンプルをクラス分類し、注目サンプルを求めるのに用いる予測タップを、生徒画像から生成し、注目サンプルと予測タップとを用い、教師画像と生徒画像との関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、1以上のクラスごとのタップ係数を求めるようにした場合には、求めたタップ係数を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0525】
図31は、本発明に係る画像処理装置のさらに他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0526】
図31で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像にクラス分類処理が適用され、SD画像の画素値の差分が算出され、その差分に対して、適応処理が適用されることにより、水平倍密画像を構成する画素のうち、水平方向に1つおき画素が創造される。
【0527】
そして、創造された、半数の画素からなる水平倍密画像から、水平倍密画像の全体が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0528】
なお、図中、図11における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。即ち、図31の画像処理装置は、画素値算出部323が新たに設けられ、入力画像がクラスタップ抽出部151、特徴量演算部152、および予測タップ抽出部155と共に画素値演算部323に供給され、図11における係数メモリ154、および画素値演算部157に代えて、係数メモリ321、および画素値演算部322が設けられている他は、図11における場合と同様に構成されている。
【0529】
係数メモリ321は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像データの差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ321は、クラス分類部153から、水平倍密画像の注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部322に供給する。
【0530】
画素値演算部322は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から、水平倍密画像の第1の注目画素を予測する。
【0531】
より詳しく説明すれば、画素値演算部322は、画素値演算部302と同様の処理で、係数メモリ321から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、差分算出部156からの差分値d1,d2,・・・とを用いて、水平倍密画像において水平方向に1つおきに注目された注目画素y(の予測値)を演算して求め、これを、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値とする。画素値演算部322は、このように1つおきに演算された画素値からなる水平倍密画像を画素値算出部323に供給する。
【0532】
すなわち、画素値演算部322における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の差分値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、水平倍密画像の1つおきの画素の画素値に変換される。
【0533】
画素値算出部323は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、水平倍密画像の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。
【0534】
換言すれば、画素値算出部323は、画素値演算部322から供給された、水平方向に1つおきの画素からなる水平倍密画像、およびSD画像である入力画像を基に、SD画像が空間的に積分されることに基づく関係から、SD画像に対して、残った水平倍密画像の画素値(水平倍密画像の1つおきの画素に隣接する画素であって、画素値演算部322で演算されなかった画素の画素値)を算出して、画素値演算部322で得られた画素と、画素値算出部323で算出された画素とからなる水平倍密画像を出力する。すなわち、例えば、画素値算出部323は、画素値演算部322から供給された、水平倍密画像の1つおきの画素の画素値をy(1)とし、およびSD画像である入力画像の画素値をxとするとき、式(27)で示される演算により、xおよびy(1)に対応する、画素値演算部322で演算されなかった画素の画素値y(2)を算出する。
【0535】
例えば、画素値算出部323は、画素値演算部322から供給された、水平倍密画像の1つおきの画素が、図16で示される水平倍密画素y(1)であり、水平倍密画素y(1)および水平倍密画素y(2)に対応する入力画像の画素がSD画素x(8)であるとき、SD画素x(8)の画素値から水平倍密画素y(1)の画素値を引き算することにより、図16で示される水平倍密画素y(2)を算出する。
【0536】
なお、図31で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像について、水平倍密画像を生成し、生成した水平倍密画像に対して、さらに、縦方向に上述した処理を適用することにより、HD画像を生成することができる。
【0537】
次に、図32のフローチャートを参照して、図31で構成が示される画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0538】
ステップS321乃至ステップS325の処理は、それぞれ、図12のステップS151乃至ステップS155の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0539】
ステップS326において、係数メモリ321は、クラス分類部153から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得して、画素値演算部322に供給し、ステップS327に進む。
【0540】
ステップS327において、画素値演算部322は、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である、予測タップの差分値から第1の注目画素を予測する。換言すれば、画素値演算部322は、水平倍密画像の水平方向に1つおきの画素である注目画素(の予測値)を演算して、ステップS328に進む。
【0541】
例えば、ステップS327において、画素値演算部322は、差分算出部156からの差分値と、係数メモリ321からのタップ係数とを用いて、式(9)で示される演算により、注目画素(の予測値)を求める。
【0542】
ステップS328において、画素値算出部323は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像である出力画像内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。換言すれば、画素値算出部323は、ステップS327の処理で算出された、1つおきの画素からなる水平倍密画像、およびSD画像である入力画像に、SD画像が空間的に積分されることによる、水平倍密画像とSD画像との関係に基づく演算、すなわち、式(22)(または式(27))の演算を適用して、水平倍密画像の残った画素値(水平倍密画像の1つおきの画素に隣接する画素であって、画素値演算部322で演算されなかった画素の画素値)を算出する。
【0543】
ステップS329において、クラスタップ抽出部151は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、演算されるかまたは算出されて予測されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS321に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0544】
また、ステップS329において、注目フレームの全ての画素が演算されるかまたは算出されたと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0545】
なお、係数メモリ321に格納されるタップ係数は、入力画像を水平倍密画像とし、注目画素として、水平倍密画像の水平方向に1つおきの画素に注目するようにして、図13で構成が示される画像処理装置の学習の処理により求めることができる。
【0546】
図33は、本発明に係る画像処理装置のさらに他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0547】
図33で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像の差分画像が生成され、その差分画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、水平倍密画像を構成する画素のうち、水平方向に1つおき画素が創造されると共に、水平倍密画像の画素の画素値の差分値が創造される。そして、水平倍密画像の1つおき画素と差分値とから、水平倍密画像が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0548】
なお、図33中、図29における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。また、図33中、図15における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。
【0549】
図33における、クラス分類部104は、差分画像のクラスタップ、入力画像のクラスタップ、および特徴量演算部103からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに第1の注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ301、係数メモリ201、および予測タップ抽出部106に供給する。
【0550】
予測タップ抽出部106は、クラス分類部104から供給されるクラスコードを基に、予測タップを、差分画像生成部101に記憶された差分画像から抽出して生成し、生成した予測タップを画素値演算部302および差分演算部202に供給する。
【0551】
係数メモリ301は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像データの差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ301は、クラス分類部104から、水平倍密画像の注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部302に供給する。
【0552】
画素値演算部302は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から、水平倍密画像の第1の注目画素を予測する。
【0553】
より詳しく説明すれば、画素値演算部302は、係数メモリ301から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d1,d2,・・・とを用いて、水平倍密画像において水平方向に1つおきに注目された注目画素y(の予測値)を演算して求め、これを、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値とする。画素値演算部302は、このように1つおきに演算された画素値からなる水平倍密画像を画素値算出部401に供給する。
【0554】
係数メモリ201は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像の画素値の差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ201は、クラス分類部104から、水平倍密画像の注目している第1の注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、第1の注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分演算部202に供給する。
【0555】
差分演算部202は、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である予測タップから、第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。
【0556】
より具体的に説明すると、差分演算部202は、係数メモリ201から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部106からの予測タップ(を構成する差分値)d1,d2,・・・とを用いて、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値の差分値である注目している差分値D(の予測値)を演算する。差分演算部202は、このよう演算された差分値を画素値算出部401に供給する。
【0557】
画素値算出部401は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。例えば、画素値算出部401は、画素値演算部302から供給された、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値に、差分演算部202から供給された、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値を加算することにより、第2の注目画素の画素値を算出することにより、第2の注目画素を予測する。
【0558】
このように、図33で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0559】
次に、図34のフローチャートを参照して、図33に構成を示す画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0560】
ステップS401乃至ステップS407の処理は、それぞれ、図30のステップS301乃至ステップS307の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0561】
ステップS408およびステップS409の処理は、それぞれ、図22のステップS206およびステップS207の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0562】
ステップS410において、画素値算出部401は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。例えば、図16を参照して説明したように、差分値D並びに水平倍密画像の画素値y(1)およびy(2)の間には、D=y(2)-y(1)の関係があるので、画素値算出部401は、画素値演算部302から供給された、水平倍密画像の第1の注目画素y(1)に、差分演算部202から供給された、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値Dを加算することにより、第2の注目画素の画素値を算出して、第2の注目画素y(2)を予測する。
【0563】
ステップS411において、クラスタップ抽出部102は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、演算されるかまたは算出されて予測されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS401に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0564】
また、ステップS411において、注目フレームの全ての画素が演算されるかまたは算出されたと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0565】
このように、図33で構成が示される画像処理装置は、図34のフローチャートを参照して説明した処理により、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0566】
図35は、本発明に係る画像処理装置のさらに他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0567】
図35で示される画像処理装置においては、例えば、SD画像が入力され、入力されたSD画像にクラス分類処理が適用され、SD画像の画素値の差分が算出され、その差分に対して、適応処理が適用されることにより、水平倍密画像を構成する画素のうち、水平方向に1つおき画素が創造されると共に、水平倍密画像の画素の画素値の差分値が創造される。そして、水平倍密画像の1つおき画素と差分値とから、水平倍密画像が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0568】
なお、図35中、図31における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。また、図35中、図25における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は適宜省略する。
【0569】
図35における、クラス分類部153は、入力画像の画素からなるクラスタップ、および特徴量演算部152からの特徴量に基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ321、係数メモリ251、および予測タップ抽出部155に供給する。
【0570】
予測タップ抽出部155は、クラス分類部153から供給されるクラスコードを基に、画素値演算部157において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを、入力画像から抽出して生成し、生成した予測タップを差分算出部156に供給する。差分算出部156は、予測タップ抽出部155から供給された予測タップについて、差分値を算出し、算出した差分値を画素値演算部322および差分演算部252に供給する。
【0571】
係数メモリ321は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像データの差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ321は、クラス分類部153から、水平倍密画像の注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値演算部322に供給する。
【0572】
画素値演算部322は、検出された特徴量に基づいて、複数の周辺画素同士の差分値から、水平倍密画像の第1の注目画素を予測する。
【0573】
より詳しく説明すれば、画素値演算部322は、係数メモリ321から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、差分算出部156からの予測タップの差分値d1,d2,・・・とを用いて、水平倍密画像において水平方向に1つおきに注目された注目画素y(の予測値)を演算して求め、これを、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値とする。画素値演算部302は、このように1つおきに演算された画素値からなる水平倍密画像を画素値算出部421に供給する。
【0574】
係数メモリ251は、学習の教師となる、水平倍密画像の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、SD画像の画素値の差分値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ251は、クラス分類部153から、水平倍密画像の注目している注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分演算部252に供給する。
【0575】
差分演算部252は、検出された特徴量に基づいて、差分算出部156から供給された、抽出された複数の周辺画素同士の差分値である、予測タップの差分値から、第1の注目画素の画素値と、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素の画素値との差分値を予測する。
【0576】
より具体的に説明すると、差分演算部252は、係数メモリ251から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、差分算出部156からの予測タップの差分値d1,d2,・・・とを用いて、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値の差分値である注目している差分値D(の予測値)を演算する。差分演算部252は、このよう演算された差分値を画素値算出部421に供給する。
【0577】
画素値算出部421は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。例えば、画素値算出部421は、画素値演算部302から供給された、水平倍密画像の第1の注目画素の画素値に、差分演算部202から供給された、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値を加算することにより、第2の注目画素の画素値を算出することにより、第2の注目画素を予測する。
【0578】
このように、図35で構成が示される画像処理装置は、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0579】
次に、図36のフローチャートを参照して、図35に構成を示す画像処理装置による水平倍密画像を創造する画像処理を説明する。
【0580】
ステップS421乃至ステップS427の処理は、それぞれ、図32のステップS321乃至ステップS327の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0581】
ステップS428およびステップS429の処理は、それぞれ、図26のステップS256およびステップS257の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0582】
ステップS430において、画素値算出部421は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測する。例えば、図16を参照して説明したように、差分値D並びに水平倍密画像の画素値y(1)およびy(2)の間には、D=y(2)-y(1)の関係があるので、画素値算出部421は、画素値演算部302から供給された、水平倍密画像の第1の注目画素y(1)に、差分演算部202から供給された、第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との差分値Dを加算することにより、第2の注目画素の画素値を算出して、第2の注目画素y(2)を予測する。
【0583】
ステップS431において、クラスタップ抽出部102は、注目フレームを構成する画素のうち、まだ、演算されるかまたは算出されて予測されていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS421に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0584】
また、ステップS431において、注目フレームの全ての画素が演算されるかまたは算出されたと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0585】
このように、図35で構成が示される画像処理装置は、図36のフローチャートを参照して説明した処理により、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を生成することができる。
【0586】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、第1の画像(入力画像)に対応する、より高画質の第2の画像(出力画像)を得ることができる。
【0587】
また、高質画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出し、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値から第1の注目画素を予測し、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される、高質画像データ内の第2の注目画素を、第1の注目画素および第2の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて予測するようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0588】
さらに、第1の画像(入力画像)と第2の画像(出力画像)とを基に、クラス毎に学習するようにした場合には、学習の結果得られた予測手段を基に、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得ることができる。
【0589】
また、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素同士の差分値から注目画素を予測するための予測手段を学習するようにした場合には、予測手段を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0590】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0591】
図37は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502、または記憶部508に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)503には、CPU501が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU501、ROM502、およびRAM503は、バス504により相互に接続されている。
【0592】
CPU501にはまた、バス504を介して入出力インタフェース505が接続されている。入出力インタフェース505には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507が接続されている。CPU501は、入力部506から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU501は、処理の結果得られた画像や音声等を出力部507に出力する。
【0593】
入出力インタフェース505に接続されている記憶部508は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU501が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部509は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部509は、入力画像を取得するか、または出力画像を出力する、外部とのインタフェースとして動作する。
【0594】
また、通信部509を介してプログラムを取得し、記憶部508に記憶してもよい。
【0595】
入出力インタフェース505に接続されているドライブ510は、磁気ディスク551、光ディスク552、光磁気ディスク553、或いは半導体メモリ554などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部508に転送され、記憶される。
【0596】
一連の処理をさせるプログラムが格納されている記録媒体は、図37に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク551(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク552(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク553(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、若しくは半導体メモリ554などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM502や、記憶部508に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0597】
なお、上述した一連の処理を実行させるプログラムは、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を介してコンピュータにインストールされるようにしてもよい。
【0598】
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0599】
【発明の効果】
以上のように、第1の本発明によれば、学習の結果得られた予測手段を基に、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得ることができる。
【0600】
また、第1の本発明によれば、学習の結果得られた予測手段を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0601】
第2の本発明によれば、学習の結果得られた予測手段を基に、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得ることができる。
【0602】
また、第2の本発明によれば、学習の結果得られた予測手段を基に、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0603】
第3の本発明によれば、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得ることができる。
【0604】
また、第3の本発明によれば、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0605】
第4の本発明によれば、第1の画像に対応する、より高画質の第2の画像を得ることができる。
【0606】
また、第4の本発明によれば、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】従来の画像処理装置による画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図3】従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】従来の画像処理装置による学習の処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】差分画像生成部101により生成される差分画像を説明する図である。
【図7】SD画像と、差分画像と、HD画像との関係を説明する図である。
【図8】SD画像からHD画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図10】学習処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図12】SD画像からHD画像を創造する他の画像処理を説明するフローチャートである。
【図13】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図14】学習処理を説明するフローチャートである。
【図15】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図16】SD画像と、SD画像の差分画像と、水平倍密画像と、水平倍密画像の差分画像との関係を説明する図である。
【図17】イメージセンサ上の画素の配置を説明する図である。
【図18】検出素子を説明する図である。
【図19】イメージセンサに設けられている画素の配置、および水平倍密画像の画素データに対応する領域を説明する図である。
【図20】領域a乃至rに入力される光に対応する画素データを説明する図である。
【図21】水平倍密画像の差分画像の差分値と、水平倍密画像の画素値との関係の一例を説明する図である。
【図22】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図23】画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図24】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図25】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図26】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図27】画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図28】学習の他の処理を説明するフローチャートである。
【図29】本発明に係る画像処理装置のさらに他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図30】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図31】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図32】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図33】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図34】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図35】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図36】水平倍密画像を創造する画像処理を説明するフローチャートである。
【図37】一連の処理をソフトウェアにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 差分画像生成部, 102 クラスタップ抽出部, 103 特徴量演算部, 104 クラス分類部, 105 係数メモリ, 106 予測タップ抽出部, 107 画素値演算部, 131 SD画像生成部, 132 差分画像生成部, 133 画像メモリ, 134 クラスタップ抽出部, 135 特徴量演算部, 136 クラス分類部, 137 予測タップ抽出部, 138 足し込み演算部, 139 教師画素抽出部, 140 学習メモリ,141 正規方程式演算部, 142 係数メモリ, 151 クラスタップ抽出部, 152 特徴量演算部, 153 クラス分類部, 154 係数メモリ, 155 予測タップ抽出部, 156 差分算出部, 157 画素値演算部, 171 SD画像生成部, 172 画像メモリ, 173 クラスタップ抽出部, 174 特徴量演算部, 175 クラス分類部, 176 予測タップ抽出部, 177 差分算出部, 178 足し込み演算部, 179 教師画素抽出部, 180 学習メモリ, 181 正規方程式演算部, 182 係数メモリ, 201 係数メモリ, 202 差分演算部, 203画素値算出部, 221 差分画像生成部, 222 足し込み演算部, 223 教師画素抽出部, 224 学習メモリ, 225 正規方程式演算部,226 係数メモリ, 251 係数メモリ, 252 差分演算部, 253 画素値算出部, 271 差分画像生成部, 272 足し込み演算部, 273 教師画素抽出部, 274 学習メモリ, 275 正規方程式演算部, 276 係数メモリ, 301 係数メモリ, 302 画素値演算部, 303 画素値算出部, 321 係数メモリ, 322 画素値演算部, 323 画素値算出部, 401 画素値算出部, 421 画素値算出部, 501 CPU, 502 ROM, 503 RAM, 508 記憶部, 551 磁気ディスク, 552 光ディスク, 553 光磁気ディスク, 554 半導体メモリ

Claims (16)

  1. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データを予測する演算に利用する予測係数を学習する学習装置において、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記特徴量検出手段により検出された前記特徴量毎に、前記注目画素の画素値および前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素の画素値を予測する予測係数を学習する学習手段と、
    前記学習手段により学習された前記予測係数を記憶する記憶手段と
    を含むことを特徴とする学習装置。
  2. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データを予測する演算に利用する予測係数を学習する学習方法において、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記注目画素の画素値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素の画素値を予測する予測係数を学習する学習ステップと、
    前記学習ステップにおいて学習された前記予測係数を記憶する記憶ステップと
    を含むことを特徴とする学習方法。
  3. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データを予測する演算に利用する予測係数を学習する学習処理用のプログラムであって、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記注目画素の画素値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素の画素値を予測する予測係数を学習する学習ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  4. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データを予測する演算に利用する予測係数を学習する学習処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記注目画素の画素値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値と予測係数との積和演算により前記注目画素の画素値を予測した場合の予測値とその真値との誤差が最小になるように、前記予測係数を学習する学習ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  5. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データの隣接する2つの画素の差分値を予測する演算に利用する予測係数を学習する学習装置において、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、前記注目画素と前記高質画像内に画素値が含まれる前記注目画素に隣接する他の画素との前記差分値および前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素と前記他の画素との前記差分値を予測する前記予測係数を学習する学習手段と、
    前記学習手段により学習された前記予測係数を記憶する記憶手段と
    を含むことを特徴とする学習装置。
  6. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データの隣接する2つの画素の差分値を予測する演算に利用する前記予測係数を学習する学習方法において、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記注目画素と前記高質画像内に画素値が含まれる前記注目画素に隣接する他の画素との前記差分値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素と前素と前記他の画素との前記差分値を予測する予測係数を学習する学習ステップと、
    前記学習ステップにおいて学習された前記予測係数を記憶する記憶ステップと
    を含むことを特徴とする学習方法。
  7. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データの隣接する2つの画素の差分値を予測する演算に利用する予測係数を学習する学習処理用のプログラムであって、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記注目画素と前記高質画像内に画素値が含まれる前記注目画素に隣接する他の画素との前記差分値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素と前記他の画素との前記差分値を予測する予測係数を学習する学習ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  8. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データから、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データの隣接する2つの画素の差分値を予測する演算に利用する予測係数を学習する学習処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    教師データとして既知の前記高質画像データ内に画素値が含まれる注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素に基づいて、前記注目画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記注目画素と前記高質画像内に画素値が含まれる前記注目画素に隣接する他の画素との前記差分値および前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値に基づいて、複数の前記第2の周辺画素同士の差分値との積和演算により前記注目画素と前記他の画素との前記差分値を予測する前記予測係数を学習する学習ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  9. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理装置において、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測手段と、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素に対応する前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  10. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理方法において、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素に対応する前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  11. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理用のプログラムであって、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素に対応する前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  12. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素に対応する前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  13. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理装置において、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値と前記第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値と前記第2の注目画素の画素値との差分値を予測する第1の予測手段と、
    前記第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる前記対応画素の画素値、および前記第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との前記差分値から、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素を予測する第2の予測手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  14. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理方法において、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値と前記第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値と前記第2の注目画素の画素値との差分値を予測する第1の予測ステップと、
    前記第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる前記対応画素の画素値、および前記第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との前記差分値から、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  15. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理用のプログラムであって、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値と前記第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値と前記第2の注目画素の画素値との差分値を予測する第1の予測ステップと、
    前記第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる前記対応画素の画素値、および前記第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との前記差分値から、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  16. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも高解像度な高質画像データに変換する画像処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記高質画像データ内に画素値が含まれる第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる画素である対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の2倍である、2つの注目画素のうちの一方が前記第1の注目画素である場合、前記第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される他方の注目画素を第2の注目画素として、前記特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素同士の差分値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値と前記第2の注目画素に相当する画素の画素値との差分値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素同士の差分値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値と前記第2の注目画素の画素値との差分値を予測する第1の予測ステップと、
    前記第1の注目画素および第2の注目画素に対応し、前記入力画像データ内に画素値が含まれる前記対応画素の画素値、および前記第1の注目画素の画素値と第2の注目画素の画素値との前記差分値から、前記第1の注目画素および前記第2の注目画素を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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