JP4333161B2 - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、例えば、画像をより高画質の画像に変換すること等ができるようにする画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、例えば、画像の画質等の向上その他の画像の変換を行う画像処理として、クラス分類適応処理を、先に提案している。
【0003】
クラス分類適応処理は、クラス分類処理と適応処理とからなり、クラス分類処理によって、画像のデータを、その性質に基づいてクラス分けし、各クラスごとに適応処理を施すものであり、適応処理とは、以下のような手法の処理である。
【0004】
即ち、適応処理では、例えば、低画質または標準画質の画像(以下、適宜、SD(Standard Definition)画像という)が、所定のタップ係数(以下、適宜、予測係数とも称する)を用いてマッピング(写像)されることにより、高画質の画像(以下、適宜、HD(High Definition)画像という)に変換される。
【0005】
いま、このタップ係数を用いてのマッピング方法として、例えば、線形1次結合モデルを採用することとすると、HD画像を構成する画素(以下、適宜、HD画素という)(の画素値)yは、SD画像を構成する画素(以下、適宜、SD画素という)から、HD画素を予測するための予測タップとして抽出される複数のSD画素と、タップ係数とを用いて、次の線形1次式(線形結合)によって求められる。
【数1】
Figure 0004333161
・・・(1)
【0006】
但し、式(1)において、xnは、HD画素yについての予測タップを構成する、n番目のSD画像の画素の画素値を表し、wnは、n番目のSD画素(の画素値)と乗算されるn番目のタップ係数を表す。なお、式(1)では、予測タップが、N個のSD画素x1,x2,・・・,xNで構成されるものとしてある。
【0007】
ここで、HD画素の画素値yは、式(1)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求めるようにすることも可能である。
【0008】
いま、第kサンプルのHD画素の画素値の真値をykと表すとともに、式(1)によって得られるその真値ykの予測値をyk'と表すと、その予測誤差ekは、次式で表される。
【数2】
Figure 0004333161
・・・(2)
【0009】
式(2)の予測値yk'は、式(1)にしたがって求められるため、式(2)のyk'を、式(1)にしたがって置き換えると、次式が得られる。
【数3】
Figure 0004333161
・・・(3)
【0010】
但し、式(3)において、xn,kは、第kサンプルのHD画素についての予測タップを構成するn番目のSD画素を表す。
【0011】
式(3)の予測誤差ekを0とするタップ係数wnが、HD画素を予測するのに最適なものとなるが、すべてのHD画素について、そのようなタップ係数wnを求めることは、一般には困難である。
【0012】
そこで、タップ係数wnが最適なものであることを表す規範として、例えば、最小自乗法を採用することとすると、最適なタップ係数wnは、統計的な誤差としての、例えば、次式で表される自乗誤差の総和Eを最小にすることで求めることができる。
【数4】
Figure 0004333161
・・・(4)
【0013】
但し、式(4)において、Kは、HD画素ykと、そのHD画素ykについての予測タップを構成するSD画素x1,k,x2,k,・・・,xN,kとのセットのサンプル数を表す。
【0014】
式(4)の自乗誤差の総和Eを最小(極小)にするタップ係数wnは、その総和Eをタップ係数wnで偏微分したものを0とするものであり、従って、次式を満たす必要がある。
【数5】
Figure 0004333161
・・・(5)
【0015】
そこで、上述の式(3)をタップ係数wnで偏微分すると、次式が得られる。
【数6】
Figure 0004333161
・・・(6)
【0016】
式(5)と(6)から、次式が得られる。
【数7】
Figure 0004333161
・・・(7)
【0017】
式(7)のekに、式(3)を代入することにより、式(7)は、式(8)に示す正規方程式で表すことができる。
【数8】
Figure 0004333161
・・・(8)
【0018】
式(8)の正規方程式は、HD画素ykとSD画素xn,kのセットを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wnの数と同じ数だけたてることができ、従って、式(8)を解くことで(但し、式(8)を解くには、式(8)において、タップ係数wnにかかる左辺の行列が正則である必要がある)、最適なタップ係数wnを求めることができる。なお、式(8)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを採用することが可能である。
【0019】
以上のように、多数のHD画素y1,y2,・・・,yKを、タップ係数の学習の教師となる教師データとするとともに、各HD画素ykについての予測タップを構成するSD画素x1,k,x2,k,・・・,xN,kを、タップ係数の学習の生徒となる生徒データとして、式(8)を解くことにより、最適なタップ係数wnを求める学習を行っておき、さらに、そのタップ係数wnを用い、式(1)により、SD画像を、HD画像にマッピング(変換)するのが適応処理である。
【0020】
以下、タップ係数は、予測係数とも称する。
【0021】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていないが、HD画像に含まれる成分が再現される点で、例えば、単なる補間処理等とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ係数に相当するタップ係数wnが、教師データとしてのHD画像と生徒データとしてのSD画像とを用いての学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造(解像度想像)作用がある処理ということができる。
【0022】
ここで、タップ係数wnの学習では、教師データyと生徒データxとの組み合わせとして、どのようなものを採用するかによって、各種の変換を行うタップ係数wnを求めることができる。
【0023】
即ち、例えば、教師データyとして、HD画像を採用するとともに、生徒データxとして、そのHD画像にノイズやぼけを付加したSD画像を採用した場合には、画像を、そのノイズやぼけを除去した画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。また、例えば、教師データyとして、HD画像を採用するとともに、生徒データxとして、そのHD画像の解像度を劣化させたSD画像を採用した場合には、画像を、その解像度を向上させた画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。さらに、例えば、教師データyとして、画像を採用するとともに、生徒データxとして、その画像をDCT(Discrete Cosine Transform)変換したDCT係数を採用した場合には、DCT係数を画像に変換するタップ係数wnを得ることができる。
【0024】
次に、クラス分類適応処理を実行する、従来の画像処理装置の構成を説明する。
【0025】
図1は、クラス分類適応処理により、SD画像である入力画像から、HD画像である出力画像を創造する、従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【0026】
図1に構成を示す画像処理装置において、入力画像は、クラスタップ抽出部11および予測タップ抽出部15に供給される。
【0027】
クラスタップ抽出部11は、注目している画素(以下、注目画素とも称する)に対応する、所定の画素であるクラスタップを入力画像から抽出し、抽出したクラスタップを入力画像と共に特徴量検出部12に供給する。特徴量検出部12は、クラスタップ抽出部11を介して供給された入力画像から、注目画素に対応する画像の特徴量を検出し、クラスタップと共に検出した特徴量をクラス分類部13に供給する。画像の特徴量とは、動き、またはフレーム内の画素値の変化などをいう。
【0028】
クラス分類部13は、特徴量検出部12から供給されたクラスタップおよび特徴量を基に、注目画素をクラス分けし、クラス分けの結果を示すクラスコードを係数メモリ14および予測タップ抽出部15に供給する。
【0029】
係数メモリ14は、クラス分類部13から供給されたクラスコードを基に、注目画素のクラスに対応するタップ係数を画素値演算部16に供給する。
【0030】
予測タップ抽出部15は、クラス分類部13から供給されたクラスコードを基に、注目画素に対応して、所定の予測タップを入力画像から抽出する。予測タップ抽出部15は、抽出した予測タップを画素値演算部16に供給する。
【0031】
画素値予測部16は、予測タップ抽出部15から供給された予測タップおよび係数メモリ14から供給されたタップ係数から、式(1)に示す演算により、HD画像の注目画素の画素値を予測する。画素値予測部16は、HD画像の全ての画素を順次注目画素として予測された画素値からなるHD画像を出力する。
【0032】
図2は、クラス分類適応処理により、SD画像である入力画像から、HD画像である出力画像を創造する、従来の画像処理装置による画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【0033】
ステップS11において、クラスタップ抽出部11は、SD画像である入力画像から、選択された注目画素に対応するクラスタップを抽出する。ステップS12において、特徴量検出部12は、入力画像から、注目画素に対応する特徴量を検出する。
【0034】
ステップS13において、クラス分類部13は、ステップS11の処理により抽出されたクラスタップ、およびステップS12の処理により検出された特徴量を基に、注目画素のクラスを分類する。
【0035】
ステップS14において、予測タップ抽出部15は、ステップS13の処理によるクラスの分類の結果に対応して、入力画像から、注目画素に対応する予測タップを抽出する。ステップS15において、係数メモリ14は、ステップS13の処理によるクラスの分類の結果に対応して、予め記憶している予測係数のなかから、分類されたクラスに対応する予測係数を読み出す。
【0036】
ステップS16において、画素値予測部16は、ステップS14の処理で抽出された予測タップ、およびステップS15の処理で読み出された予測係数を基に、適応処理により注目画素に対応する画素値を予測する。
【0037】
ステップS17において、画像処理装置は、全ての画素について予測が終了したか否かを判定し、全ての画素について予測が終了していないと判定された場合、次の画素を注目画素として、ステップS11に戻り、クラスの分類および適応の処理を繰り返す。
【0038】
ステップS17において、全ての画素について予測が終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0039】
図3は、SD画像である入力画像からHD画像である出力画像を創造するクラス分類適応処理に使用される予測係数を生成する、従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【0040】
図3に示す画像処理装置に入力される入力画像は、HD画像である教師画像であり、生徒画像生成部31および教師画素抽出部38に供給される。教師画像に含まれる画素(の画素値)は、教師データとして使用される。
【0041】
生徒画像生成部31は、入力されたHD画像である教師画像から、画素を間引いて、教師画像に対応するSD画像である生徒画像を生成し、生成した生徒画像を画像メモリ32に供給する。
【0042】
画像メモリ32は、生徒画像生成部31から供給されたSD画像である生徒画像を記憶し、記憶している生徒画像をクラスタップ抽出部33および予測タップ抽出部36に供給する。
【0043】
クラスタップ抽出部33は、注目画素を順次選択し、選択された注目画素に対応して生徒画像からクラスタップを抽出し、生徒画像と共に抽出されたクラスタップを特徴量検出部34に供給する。特徴量検出部34は、注目画素に対応して、生徒画像から特徴量を検出し、検出された特徴量をクラスタップと共にクラス分類部35に供給する。
【0044】
クラス分類部35は、特徴量検出部34から供給されたクラスタップおよび特徴量を基に、注目画素のクラスを分類し、分類されたクラスを示すクラスコードを予測タップ抽出部36および学習メモリ39に供給する。
【0045】
予測タップ抽出部36は、クラス分類部35から供給されたクラスコードを基に、画像メモリ32から供給された生徒画像から、分類されたクラスに対応する予測タップを抽出して、抽出した予測タップを足し込み演算部37に供給する。
【0046】
教師画素抽出部38は、教師データ、すなわち、教師画像の注目画素を抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部37に供給する。
【0047】
足し込み演算部37は、式(8)の正規方程式に、HD画素である教師データおよびSD画素である予測タップを足し込み、教師データおよび予測タップを足し込んだ正規方程式を学習メモリ39に供給する。
【0048】
学習メモリ39は、クラス分類部35から供給されたクラスコードを基に、足し込み演算部37から供給された正規方程式をクラス毎に記憶する。学習メモリ39は、クラス毎に記憶している、教師データおよび予測タップが足し込まれた正規方程式を正規方程式演算部40に供給する。
【0049】
正規方程式演算部40は、学習メモリ39から供給された正規方程式を掃き出し法により解いて、クラス毎に予測係数を求める。正規方程式演算部40は、クラス毎の予測係数を係数メモリ41に供給する。
【0050】
係数メモリ41は、正規方程式演算部40から供給された、クラス毎の予測係数を記憶する。
【0051】
図4は、SD画像である入力画像からHD画像である出力画像を創造するクラス分類適応処理に使用される予測係数を生成する、従来の画像処理装置による学習の処理を説明するフローチャートである。
【0052】
ステップS31において、生徒画像生成部31は、教師画像である入力画像から生徒画像を生成する。ステップS32において、クラスタップ抽出部33は、注目画素を順次選択し、選択された注目画素に対応するクラスタップを生徒画像から抽出する。
【0053】
ステップS33において、特徴量検出部34は、生徒画像から、注目画素に対応する特徴量を検出する。ステップS34において、クラス分類部35は、ステップS32の処理により抽出されたクラスタップ、およびステップS33の処理により検出された特徴量を基に、注目画素のクラスを分類する。
【0054】
ステップS35において、予測タップ抽出部36は、ステップS34の処理により分類されたクラスを基に、注目画素に対応する予測タップを生徒画像から抽出する。
【0055】
ステップS36において、教師画素抽出部38は、教師画像である入力画像から注目画素、すなわち教師画素(教師データ)を抽出する。
【0056】
ステップS37において、足し込み演算部37は、ステップS35の処理で抽出された予測タップ、およびステップS36の処理で抽出された教師画素(教師データ)を正規方程式に足し込む演算を実行する。
【0057】
ステップS38において、画像処理装置は、教師画像の全画素について足し込みの処理が終了したか否かを判定し、全画素について足し込みの処理が終了していないと判定された場合、ステップS32に戻り、まだ注目画素とされていない画素を注目画素として、予測タップおよび教師画素を抽出して、正規方程式に足し込む処理を繰り返す。
【0058】
ステップS38において、教師画像の全画素について足し込みの処理が終了したと判定された場合、ステップS39に進み、正規方程式演算部40は、予測タップおよび教師画素が足し込まれた正規方程式を演算して、予測係数を求める。
【0059】
ステップS40において、画像処理装置は、全クラスの予測係数を演算したか否かを判定し、全クラスの予測係数を演算していないと判定された場合、ステップS39に戻り、正規方程式を演算して、予測係数を求める処理を繰り返す。
【0060】
ステップS40において、全クラスの予測係数を演算したと判定された場合、処理は終了する。
【0061】
また、生成されるべき注目画素の周囲に存在する第1のディジタルビデオ信号に含まれる複数の周辺画素を受け取り、その複数の周辺画素からその注目画素のパターンを検出し、検出されたパターンを示すパターンデータを発生し、基準のデータを用いて、生成されるべき注目画素と真値との誤差の自乗和が最小となるように、最小自乗和法により予め定められた各パターン毎の係数群を格納し、パターンデータに基づいて読み出されたパターンデータに対応する係数群と第1のディジタルビデオ信号を受け取り、係数群と第1のディジタルビデオ信号から注目画素を生成しているものもある(特許文献1参照)。
【0062】
さらに、第1の次元を有する現実世界の信号である第1の信号をセンサによって検出することにより得た、第1の次元に比較し次元が少ない第2の次元を有し、第1の信号に対する歪みを含む第2の信号を取得し、第2の信号に基づく信号処理を行うことにより、第2の信号に比して歪みの軽減された第3の信号を生成しているものもある(特許文献2参照)。
【0063】
【特許文献1】
特開平8−317346号公報
【0064】
【特許文献2】
特開2001−250119号公報
【0065】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、より精度の高い画像を予測するには、クラスタップまたは予測タップの数を増やさなければならず、クラスタップまたは予測タップの数を増やしたとき、画像の予測のための演算量が多くなってしまうという問題があった。
【0066】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようにすることを目的とする。
【0067】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素の画素値を抽出する第1の抽出手段と、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、第1の抽出手段により抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、特徴量検出手段により検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測手段と、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測手段とを含むことを特徴とする。
【0068】
本発明の画像処理方法は、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0069】
本発明の記録媒体のプログラムは、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0070】
本発明のプログラムは、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、特徴量検出ステップにおいて検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0107】
本発明の画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムにおいては、入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、高質画像データ内に画素値が含まれ、対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素の画素値が抽出され、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素が抽出され、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量が検出され、検出された特徴量毎に、高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、第2の抽出手段により抽出された複数の第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測手段と、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算することで、高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値が予測される。
【0109】
画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、画像処理を行うブロックであっても良い。
【0119】
【発明の実施の形態】
図5は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。図5に構成を示す画像処理装置は、入力画像を取得し、入力された入力画像に対して、画面の水平方向に2倍の解像度の画像を創造して出力する。
【0120】
図5に示す画像処理装置においては、例えば、入力画像の一例であるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、SD画像に対して、画面の水平方向に2倍の数の画素からなる画像(以下、水平倍密画像と称する。)を構成する画素(以下、水平倍密画素とも称する。)のうち、水平方向に1つおきの画素が創造される。そして、創造された、1つおきの画素からなる水平倍密画像から、水平倍密画像の全体が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。なお、水平倍密画像における、画面の垂直方向の画素の数は、SD画像の垂直方向の画素の数と同じである。
【0121】
すなわち、この画像処理装置は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、クラス分類部103、係数メモリ104、予測タップ抽出部105、画素値予測部106、および画素値予測部107から構成される。さらに、クラスタップ抽出部101には、注目画素選択部121が設けられている。画像処理装置に入力された、空間解像度の創造の対象となる入力画像は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107に供給される。
【0122】
クラスタップ抽出部101の注目画素選択部121は、クラス分類適応処理により求めようとする水平倍密画像の水平倍密画素のうちの、水平方向に1つおきの水平倍密画素の1つを、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部101は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、入力画像から抽出し、抽出したクラスタップを特徴量検出部102に出力する。すなわち、クラスタップ抽出部101は、例えば、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素を、入力された入力画像から抽出することによりクラスタップとし、特徴量検出部102に出力する。
【0123】
なお、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107は、それぞれの内部の前段に、図示せぬフレームメモリを内蔵し、画像処理装置に入力されたSD画像を、例えば、フレーム(またはフィールド)単位で一時記憶する。本実施の形態では、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107は、内蔵しているフレームメモリに、複数フレームの入力画像を、バンク切換によって記憶することができるようになっており、これにより、画像処理装置に入力される入力画像が動画であっても、その処理をリアルタイムで行うことができるようになっている。
【0124】
この場合、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107のそれぞれにフレームメモリを設けることにより、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107のそれぞれが、要求するフレームを即座に読み出すことができるようになり、より高速に処理を実行することができるようになる。
【0125】
また、画像処理装置は、入力側に1つのフレームメモリを設け、複数フレームの入力画像を、バンク切換によって記憶し、記憶した入力画像を、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107に供給するようにしてもよい。この場合、1つのフレームメモリで足り、画像処理装置をより簡単な構成とすることができる。
【0126】
図6は、注目画素およびクラスタップを説明する図である。図6において、図の横方向は、入力画像の一例であるSD画像および出力画像の一例である水平倍密画像の一方の空間方向、例えば、画面の横方向である空間方向Xに対応し、図の縦方向は、SD画像および水平倍密画像の他の空間方向、例えば、画面の縦方向である空間方向Yに対応する。
【0127】
ここで、図6において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印が水平倍密画像を構成する水平倍密画素を表している。また、図6では、水平倍密画像は、水平方向に、SD画像の2倍の数の画素を配置し、垂直方向に、SD画像と同じ数の画素を配置した画像になっている。
【0128】
クラスタップ抽出部101は、注目画素について、例えば、図6に示すように、その注目画素の位置から近い横×縦が3×3個の画素をSD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0129】
なお、図6において、水平倍密画像の注目している1つの水平倍密画素を、y(1)と表す。図6において、水平倍密画像の水平倍密画素のうち、第1列、第3列、第5列、第7列、・・・のように、例えば、画面の左側から奇数番目の列の水平倍密画素の1つが、注目画素として順次選択される。
【0130】
また、図6において、クラスタップを構成する3×3個のSD画像の画素のうちの、第1行第1列、第1行第2列、第1行第3列、第2行第1列、第2行第2列、第2行第3列、第3行第1列、第3行第2列、第3行第3列の画素の画素値を、それぞれx(1),x(2),x(3),x(4),x(5),x(6),x(7),x(8),x(9)と表す。
【0131】
例えば、クラスタップ抽出部101は、注目画素y(1)について、図6に示す、3×3個の画素の画素値x(1)乃至x(9)を、SD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0132】
クラスタップ抽出部101は、抽出されたクラスタップを、特徴量検出部102に供給する。
【0133】
特徴量検出部102は、クラスタップ抽出部101から供給されたクラスタップまたは入力画像から特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部103に供給する。
【0134】
例えば、特徴量検出部102は、クラスタップ抽出部101から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、入力画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部103に供給する。また、例えば、特徴量検出部102は、クラスタップ抽出部101から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、クラスタップまたは入力画像の複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部103に供給する。
【0135】
さらに、例えば、特徴量検出部102は、クラスタップ抽出部101から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、クラスタップまたは入力画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部103に供給する。
【0136】
なお、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0137】
特徴量検出部102は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部103に供給する。
【0138】
クラス分類部103は、特徴量検出部102からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ104と予測タップ抽出部105とに供給する。例えば、クラス分類部103は、クラスタップ抽出部101からのクラスタップを、1ビットADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0139】
なお、KビットADRC処理においては、クラスタップを構成する入力画像の画素値の最大値MAXと最小値MINが検出され、DR=MAX-MINを、局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、クラスタップを構成する画素値がKビットに再量子化される。即ち、クラスタップを構成する各画素値から、最小値MINが減算され、その減算値がDR/2Kで除算(量子化)される。従って、クラスタップが、1ビットADRC処理された場合には、そのクラスタップを構成する各画素値は1ビットとされることになる。そして、この場合、以上のようにして得られる、クラスタップを構成する各画素値についての1ビットの値を、所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。
【0140】
ただし、クラス分類は、その他、例えば、クラスタップを構成する画素値を、ベクトルのコンポーネントとみなし、そのベクトルをベクトル量子化すること等によって行うことも可能である。また、クラス分類としては、1クラスのクラス分類を行うことも可能である。この場合、クラス分類部103は、どのようなクラスタップが供給されても、固定のクラスコードを出力するものとなる。
【0141】
また、例えば、クラス分類部103は、特徴量検出部102からの特徴量を、そのままクラスコードとする。さらに、例えば、クラス分類部103は、特徴量検出部102からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0142】
例えば、クラス分類部103は、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ104と予測タップ抽出部105とに供給する。
【0143】
なお、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか一方を、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0144】
係数メモリ104は、学習の教師となる、出力画像の一例である水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、学習の生徒となる、入力画像の一例であるSD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ104は、クラス分類部103から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値予測部106に供給する。なお、係数メモリ104に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0145】
予測タップ抽出部105は、クラス分類部103から供給されるクラスコードを基に、画素値予測部106において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを入力画像から抽出し、抽出した予測タップを画素値予測部106に供給する。例えば、予測タップ抽出部105は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素値を、入力画像から抽出することにより予測タップとし、画素値予測部106に供給する。例えば、予測タップ抽出部105は、注目画素y(1)について、図6に示す、3×3個の画素の画素値x(1)乃至x(9)を、SD画像から抽出することにより予測タップとする。
【0146】
なお、クラスタップとする画素値と、予測タップとする画素値とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。また、予測タップとする画素値は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0147】
なお、クラスタップや予測タップのタップ構造は、図6に示した、3×3個の画素値に限定されるものではない。
【0148】
画素値予測部106は、係数メモリ104から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部105からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した積和演算を行うことにより、注目画素y(の予測値)を予測し、これを、水平倍密画素の画素値とする。画素値予測部106は、このように演算された画素値からなる水平倍密画像を画素値予測部107に供給する。
【0149】
なお、注目画素選択部121が水平倍密画像の水平倍密画素のうちの、水平方向に1つおきの水平倍密画素を、順次、注目画素とするので、画素値予測部106は、注目画素とされた、水平方向に1つおきの水平倍密画素のみを予測する。従って、水平方向に1つおきの水平倍密画素からなる水平倍密画像、すなわち、出力しようとする水平倍密画像の水平倍密画素の半数の水平倍密画素からなる水平倍密画像が、画素値予測部107に供給される。
【0150】
このように、本発明に係る画像処理装置における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、水平倍密画像の水平方向に1つおきの水平倍密画素に変換される。例えば、図6に示す水平倍密画素のうち、第1列、第3列、第5列、第7列、・・・のように、例えば、画面の左側から奇数番目の列の水平倍密画素が、画素値予測部106により予測される。
【0151】
画素値予測部107は、画素値予測部106から供給された、水平方向に1つおきの水平倍密画素からなる水平倍密画像、および入力画像の一例であるSD画像から、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画像との関係により、SD画像に対して、水平倍密画像の残った水平倍密画素の画素値(画素値予測部106では予測されなかった画素値)を予測して、全ての画素の画素値を含む水平倍密画像を出力する。
【0152】
図7乃至図10を参照して、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画像との関係を説明する。
【0153】
まず、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサにおける、撮像された画像の画素の空間的な積分効果について説明する。
【0154】
イメージセンサは、現実世界のオブジェクトを撮像し、撮像の結果得られた画像を1フレーム単位で出力する。例えば、イメージセンサは、1秒間に30フレームから成る画像を出力する。この場合、イメージセンサの露光時間は、1/30秒とすることができる。露光時間は、イメージセンサが入力された光の電荷への変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時間とも称する。
【0155】
図7は、イメージセンサ上の画素の配置を説明する図である。図7中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。1つの画素に対応する1つの検出素子は、イメージセンサ上に配置されている。イメージセンサが画像を撮像するとき、1つの検出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0156】
図8に示すように、例えば、CCDである検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、受光面に入力された光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷の量は、個々の検出素子の受光面の全体に入力された光の強さと、光が入力されている時間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応する期間において、受光面の全体に入力された光から変換された電荷を、既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、受光面の全体に入力される光を積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積する。検出素子は、空間(受光面)および時間(シャッタ時間)に対して、積分効果があるとも言える。
【0157】
検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデータなどの画素値に変換されて出力される。従って、イメージセンサから出力される個々の画素値は、現実世界のオブジェクト(被写体)の時間的空間的に広がりを有するある部分を、シャッタ時間の時間方向および検出素子の空間方向について積分した結果である、1次元の空間に射影された値を有する。
【0158】
図9は、図7に対応する、CCDであるイメージセンサに設けられている画素の配置、および水平倍密画像の画素に対応する領域を説明する図である。図9中において、A乃至Iは、個々の画素を示す。領域a乃至rは、画素A乃至Iの個々の画素を縦に半分にした受光領域である。画素A乃至Iの受光領域の幅が、2Lであるとき、領域a乃至rの幅は、Lである。図5に構成を示す画像処理装置は、領域a乃至rに対応する画素の画素値を算出する。
【0159】
図10は、領域a乃至rに入射される光に対応する画素の画素値を説明する図である。図10のf(x)は、入射される光および空間的な微少区間に対応する、空間的に見て理想的な画素値を示す。
【0160】
1つの画素の画素値が、理想的な画素値f(x)の一様な積分で表されるとすれば、領域iに対応する画素の画素値Y1は、式(9)で表され、領域jに対応する画素の画素値Y2は、式(10)で表され、画素Eの画素値Y3は、式(11)で表される。
【数9】
Figure 0004333161
・・・(9)
【0161】
【数10】
Figure 0004333161
・・・(10)
【0162】
【数11】
Figure 0004333161
・・・(11)
【0163】
式(9)乃至式(11)において、x1,x2、およびx3は、画素Eの受光領域、領域i、および領域jのそれぞれの境界の空間座標である。
【0164】
式(9)乃至式(11)における、Y1およびY2は、それぞれ、図5の画像処理装置が求めようとする、SD画像に対する水平倍密画像の水平倍密画素の画素値に対応する。また、式(11)における、Y3は、水平倍密画像の水平倍密画素の画素値Y1およびY2に対応するSD画素xの画素値に対応する。
【0165】
Y3をxに、Y1をy(1)に、Y2をy(2)にそれぞれ置き換えると、式(11)から、式(12)を導くことができる。
x=(y(1)+y(2))/2 ・・・(12)
【0166】
式(12)を、y(2)について変形すると、式(13)が得られる。
(2)=2x-y(1) ・・・(13)
【0167】
例えば、図6に示すように、画素値予測部107は、画素値予測部106から供給された、水平方向に1つおきの水平倍密画素の画素値y(1)、およびSD画像である入力画像の画素値x(5)に、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画素との関係に対応した演算、すなわち、式(13)を適用して、2x(5)からy(1)を引き算することにより、水平倍密画像の残った水平倍密画素(画素値予測部106では予測されなかった画素)の画素値y(2)を予測する。
【0168】
例えば、図6において、水平倍密画像の水平倍密画素のうち、第2列、第4列、第6列、第8列、・・・のように、例えば、注目画素の右側に隣接する、画面の左側から偶数番目の列の水平倍密画素が画素値予測部107において予測される。
【0169】
すなわち、画素値予測部107は、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素を予測する。
【0170】
このように、注目画素選択部121は、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、2つの水平倍密画素のうちの1つを注目画素として選択し、画素値予測部106は、注目画素の画素値を予測する。画素値予測部107は、注目画素を含む2つの水平倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、SD画素の画素値および注目画素の画素値から、残りの水平倍密画素の画素値を予測する。
【0171】
以上のように、図5に構成を示す画像処理装置は、入力されたSD画像に対応する水平倍密画像を創造して、出力することができる。図5に構成を示す画像処理装置は、クラス分類適応処理により、水平倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値を予測し、残りの画素の画素値を、SD画像が空間的に積分されることに基づく、より簡単な演算で予測するので、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。
【0172】
なお、図5に構成を示す画像処理装置は、SD画像に対応する水平倍密画像を生成して出力すると説明したが、水平倍密画像に限らず、垂直方向に画素の数が2倍の垂直倍密画像を生成するようにすることができる。
【0173】
次に、図11のフローチャートを参照して、図5の画像処理装置が行う、SD画像から水平倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0174】
ステップS101において、クラスタップ抽出部101の注目画素選択部121は、創造しようとする水平倍密画像の注目している水平倍密画素である注目画素を選択する。注目画素選択部121は、創造しようとする水平倍密画像の水平倍密画素のうち、水平方向に1つおきの水平倍密画素を注目画素として選択し、手続は、ステップS102に進む。すなわち、ステップS101において、加算した値が1つの入力画素の画素値に等しい、2つの水平倍密画素のうちの1つが注目画素として選択される。
【0175】
ステップS102において、クラスタップ抽出部101は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を入力画像からクラスタップとして抽出して、クラスタップを生成する。クラスタップは、特徴量検出部102に供給され、手続は、ステップS103に進む。ステップS103において、特徴量検出部102は、入力画像またはクラスタップから特徴量を検出して、検出された特徴量をクラス分類部103に供給すると共に、クラスタップをクラス分類部103に供給して、ステップS104に進む。
【0176】
ステップS104において、クラス分類部103は、特徴量検出部102から供給される特徴量またはクラスタップに基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ104および予測タップ抽出部105に供給して、ステップS105に進む。
【0177】
ステップS105において、予測タップ抽出部105は、クラス分類部103から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を入力画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、画素値予測部106に供給され、手続は、ステップS106に進む。
【0178】
ステップS106において、係数メモリ104は、クラス分類部103から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されている予測係数(タップ係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスの予測係数を取得して、予測係数を画素値予測部106に供給し、ステップS107に進む。
【0179】
ステップS107において、画素値予測部106は、適応処理により、注目画素(の予測値)を予測し、予測した注目画素を画素値予測部107に供給して、ステップS108に進む。即ち、ステップS107では、画素値予測部106は、予測タップ抽出部105からの予測タップと、係数メモリ104からの予測係数(タップ係数)とを用いて、式(1)に示した演算を行い、注目画素(の予測値)を予測する。ステップS107においては、加算した値が1つの入力画素の画素値に等しい、2つの水平倍密画素のうちの1つの画素である注目画素が予測される。
【0180】
ステップS108において、画素値予測部107は、SD画像が空間的に積分されることに基づいて、注目画素に対応する水平倍密画素の画素値を予測して、ステップS109に進む。すなわち、ステップS108では、画素値予測部107は、画素値予測部106からの予測された注目画素の画素値と、注目画素に対応する入力画像の画素の画素値とを用いて、式(13)に示した演算を行い、注目画素に隣接する画素の画素値を予測する。ステップS108においては、注目画素の画素値と、注目画素に対応する入力画素の画素値とから、注目画素の画素値と加算した値が入力画素の画素値に等しい、水平倍密画素の画素値が予測される。
【0181】
言い換えれば、画素値予測部107は、注目画素と、注目画素の画素値、および注目画素に空間方向に隣接する水平倍密画素の画素値を含むSD画素とから、SD画像が空間的に積分されること(空間混合)に基づいて、注目画素に隣接する水平倍密画素の画素値を予測する。
【0182】
このように、ステップS108において、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素が予測される。
【0183】
ステップS109において、注目画素選択部121は、水平倍密画像の注目しているフレームの水平方向に1つおきの画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS101に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0184】
また、ステップS109において、注目フレームの水平方向に1つおきの画素のうち、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての水平倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0185】
このように、図5に構成を示す画像処理装置は、SD画像である入力画像から、水平倍密画像を生成して、生成した水平倍密画像を出力することができる。
【0186】
以上のように、本発明においては、水平倍密画像の水平倍密画素のうち、半数の水平倍密画素がクラス分類適応処理により予測され、入力画像が空間的に積分されていることに基づいた演算により、残りの水平倍密画素が予測される。
【0187】
このように、入力画像にクラス分類適応処理を適用するようにした場合には、より高画質の画像を得ることができる。
【0188】
高質画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出し、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の第2の周辺画素から第1の注目画素を予測し、第1の注目画素に空間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素を予測するようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0189】
なお、注目画素と、入力画像が空間的に積分されていることに基づいた演算により予測される画素との位置関係は、左右を逆にしてもよいことは当然である。
【0190】
次に、図12は、図5の係数メモリ104に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0191】
図12の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)としての、例えば水平倍密画像が入力される。学習装置に入力された入力画像は、SD画像生成部141および教師画素抽出部148に供給される。
【0192】
SD画像生成部141は、入力された入力画像(教師画像)から、生徒画像であるSD画像を生成し、画像メモリ142に供給する。SD画像生成部141は、例えば、教師画像としての水平倍密画像の水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の平均値を求めてSD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての水平倍密画像に対応した生徒画像としてのSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図5の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。画像メモリ142は、SD画像生成部141からの生徒画像であるSD画像を一時記憶する。
【0193】
図12に示す学習装置においては、SD画像を生徒データとして、タップ係数が生成される。
【0194】
クラスタップ抽出部143の注目画素選択部161は、図5のクラスタップ抽出部101の注目画素選択部121における場合と同様に、画像メモリ142に記憶された生徒画像であるSD画像に対応する教師画像としての水平倍密画像に含まれる画素のうちの、水平方向に1つおきの画素を、順次、注目画素とする。すなわち、注目画素選択部161は、入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択する。
【0195】
さらに、クラスタップ抽出部143は、注目画素についてのクラスタップを、画像メモリ142に記憶されたSD画像から抽出し、特徴量検出部144に供給する。ここで、クラスタップ抽出部143は、図5のクラスタップ抽出部101が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0196】
特徴量検出部144は、図5の特徴量検出部102と同様の処理で、画像メモリ142に記憶された生徒画像またはクラスタップ抽出部143から供給されたクラスタップから特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部145に供給する。
【0197】
例えば、特徴量検出部144は、画像メモリ142に記憶されたSD画像またはクラスタップ抽出部143から供給されたクラスタップを基に、SD画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部145に供給する。また、例えば、特徴量検出部144は、画像メモリ142に記憶されたSD画像またはクラスタップ抽出部143から供給されたクラスタップを基に、SD画像またはクラスタップの複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部145に供給する。
【0198】
さらに、例えば、特徴量検出部144は、画像メモリ142に記憶されたSD画像またはクラスタップ抽出部143から供給されたクラスタップを基に、クラスタップまたはSD画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部145に供給する。
【0199】
なお、特徴量検出部144は、特徴量検出部102と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0200】
すなわち、特徴量検出部144は、図5の特徴量検出部102と同一の特徴量を検出する。
【0201】
特徴量検出部144は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部145に供給する。
【0202】
クラス分類部145は、図5のクラス分類部103と同様に構成され、特徴量検出部144からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部146および学習メモリ149に供給する。
【0203】
予測タップ抽出部146は、図5の予測タップ抽出部105と同様に構成され、クラス分類部145から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ142に記憶されたSD画像から抽出し、足し込み演算部147に供給する。ここで、予測タップ抽出部146は、図5の予測タップ抽出部105が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0204】
教師画素抽出部148は、教師画像である入力画像(水平倍密画像)から、注目画素を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部147に供給する。即ち、教師画素抽出部148は、入力された学習用の画像である水平倍密画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図5の画像処理装置で得られる水平倍密画像は、図12の学習装置で教師データとして用いられる水平倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0205】
足し込み演算部147および正規方程式演算部150は、注目画素となっている教師データと、予測タップ抽出部146から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部145から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0206】
即ち、足し込み演算部147は、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(SD画素)と、注目画素となっている教師データである水平倍密画素とを対象とした、式(8)の足し込みを行う。
【0207】
具体的には、足し込み演算部147は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kを用い、式(8)の左辺の行列におけるSD画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0208】
さらに、足し込み演算部147は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kと、注目画素となっている教師データである水平倍密画素ykを用い、式(8)の右辺のベクトルにおけるSD画素xn,kおよび水平倍密画素ykの乗算(xn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0209】
足し込み演算部147は、教師データとしての水平倍密画像の画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(8)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ149に供給する。
【0210】
学習メモリ149は、足し込み演算部147から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして水平倍密画素が設定された、式(8)に対応した正規方程式を記憶する。
【0211】
正規方程式演算部150は、学習メモリ149から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0212】
すなわち、足し込み演算部147および正規方程式演算部150は、検出された特徴量毎に、抽出された複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習する。
【0213】
この場合、予測手段は、複数の周辺画素から注目画素を予測する具体的手段であり、例えば、クラス毎のタップ係数により動作が規定される画素値予測部106、または画素値予測部106における処理を言う。複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習するとは、例えば、複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段の実現(構築)を可能にすることを意味する。
【0214】
従って、複数の周辺画素から注目画素を予測するための予測手段を学習するとは、例えば、クラス毎のタップ係数を得ることを言う。クラス毎のタップ係数を得ることにより、画素値予測部106、または画素値予測部106における処理が具体的に特定され、画素値予測部106を実現し、または画素値予測部106における処理を実行することができるようになるからである。
【0215】
係数メモリ151は、正規方程式演算部150が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0216】
次に、図13のフローチャートを参照して、図12の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0217】
まず最初に、ステップS141において、SD画像生成部141は、例えば、水平倍密画像である、学習用の入力画像(教師画像)を取得し、画素を間引くことにより、例えば、SD画像である生徒画像を生成する。例えば、SD画像生成部141は、水平倍密画像の水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の平均値を求めて、平均値をSD画像の画素値とすることにより、SD画像を生成する。SD画像は、画像メモリ142に供給される。
【0218】
そして、ステップS142に進み、クラスタップ抽出部143の注目画素選択部161は、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素であって、水平方向に1つおきの水平倍密画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、手続は、ステップS143に進む。すなわち、ステップS142において、入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものが選択される。
【0219】
ステップS143において、クラスタップ抽出部143は、図5のクラスタップ抽出部101における場合と同様に、注目画素に対応するクラスタップを、画像メモリ142に記憶されている生徒画像としてのSD画像から抽出する。クラスタップ抽出部143は、クラスタップを特徴量検出部144に供給して、ステップS144に進む。
【0220】
ステップS144において、特徴量検出部144は、図5の特徴量検出部102における場合と同様に、ステップS141の処理において生成された生徒画像またはステップS143の処理において抽出されたクラスタップから、例えば、動きベクトル、またはSD画像の画素の画素値の変化などの特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部145に供給し、ステップS145に進む。
【0221】
ステップS145では、クラス分類部145が、図5のクラス分類部103における場合と同様にして、特徴量検出部144からの特徴量またはクラスタップを用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部146および学習メモリ149に供給して、ステップS146に進む。
【0222】
ステップS146において、予測タップ抽出部146は、クラス分類部145から供給されるクラスコードに基づいて、図5の予測タップ抽出部105における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ142に記憶されている生徒画像としてのSD画像から抽出し、足し込み演算部147に供給して、ステップS147に進む。
【0223】
ステップS147において、教師画素抽出部148は、注目画素、すなわち水平倍密画素である教師画素(教師データ)を入力画像から抽出し、抽出した教師画素を足し込み演算部147に供給し、ステップS148に進む。
【0224】
ステップS148では、足し込み演算部147が、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部148から供給される教師画素(教師データ)を対象とした、上述した式(8)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ149に記憶させ、ステップS149に進む。
【0225】
そして、ステップS149では、注目画素選択部161は、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS149において、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS142に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0226】
また、ステップS149において、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS150に進み、正規方程式演算部150は、いままでのステップS148における足し込みによって、クラスごとに得られた式(8)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ149から読み出し、読み出した式(8)の正規方程式を掃き出し法などで解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスの予測係数(タップ係数)を求め、係数メモリ151に供給して、ステップS151に進む。
【0227】
ステップS151において、係数メモリ151は、正規方程式演算部150から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS152に進む。
【0228】
ステップS152において、正規方程式演算部150は、全クラスの予測係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスの予測係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS150に戻り、次のクラスの予測係数を求める処理を繰り返す。
【0229】
ステップS152において、全クラスの予測係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0230】
以上のようにして、係数メモリ151に記憶されたクラスごとの予測係数が、図5の画像処理装置における係数メモリ104に記憶されている。
【0231】
なお、以上のような予測係数(タップ係数)の学習処理において、用意する学習用の画像等によっては、タップ係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があり得るが、そのようなクラスについては、例えば、正規方程式演算部150において、デフォルトのタップ係数を出力するようにすること等が可能である。あるいは、タップ係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じた場合には、新たに学習用の画像を用意して、再度、タップ係数の学習を行うようにしても良い。このことは、後述する学習装置におけるタップ係数の学習についても、同様である。
【0232】
このように、学習を行うようにした場合には、予測において、より高画質の画像を得ることができるようになる。
【0233】
入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0234】
次に、図14は、図5の係数メモリ104に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図12に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0235】
図14に示す学習装置は、SD画像の画素が空間積分されることに基づき、水平倍密画素である注目画素に水平方向に隣接する水平倍密画素と、注目画素に対応するSD画素を教師データとして、タップ係数を求める。
【0236】
図14の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)としての、例えば水平倍密画像が入力される。学習装置に入力された水平倍密画像は、SD画像生成部141および教師画素抽出部182に供給される。
【0237】
教師画素抽出部182は、水平倍密画像である入力画像の注目画素に水平方向に隣接する水平倍密画素と、注目画素に対応するSD画像のSD画素とを教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部181に供給する。
【0238】
ここで、式(11)のY3をxk'に、Y1をyk (1)に、Y2をyk (2)に置き換えると、式(14)を導くことができる。
k'=(yk (1)+yk (2))/2 ・・・(14)
【0239】
式(14)において、xk'は、注目画素に対応するSD画素の画素値であり、yk (1)は、注目画素の画素値であり、yk (2)は、注目画素に水平方向に隣接する水平倍密画素の画素値である。
【0240】
k (1)は、式(15)で表すことができる。
k (1)=2xk'-yk (2) ・・・(15)
【0241】
k (1)を注目画素の画素値として、式(15)を式(3)に代入すると、式(16)が得られる。
【数12】
Figure 0004333161
・・・(16)
【0242】
式(16)についての正規方程式は、式(17)で表すことができる。
【数13】
Figure 0004333161
・・・(17)
【0243】
足し込み演算部181および正規方程式演算部184は、注目画素に隣接する水平倍密画素と、注目画素に対応するSD画像のSD画素とからなる教師データ、および予測タップ抽出部146から供給される予測タップを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部145から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0244】
即ち、足し込み演算部181は、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(SD画素)と、教師データである、注目画素に隣接する水平倍密画素、および注目画素に対応するSD画素とを対象とした、式(17)の足し込みを行う。
【0245】
具体的には、足し込み演算部181は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kを用い、式(17)の左辺の行列におけるSD画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0246】
さらに、足し込み演算部181は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kと、注目画素に隣接する水平倍密画素yk (2)と、注目画素に対応するSD画像のSD画素xk'とを用い、式(17)の右辺のベクトルにおける、SD画素xk'と水平倍密画素yk (2)との演算(2xk'-yk (2))と、その結果とSD画素xn,kとの乗算(xn,k(2xk'-yk (2)))と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0247】
足し込み演算部181は、教師データとしての水平倍密画像の対象となる画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(17)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ183に供給する。
【0248】
学習メモリ183は、足し込み演算部181から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして水平倍密画素およびSD画素が設定された、式(17)に対応した正規方程式を記憶する。
【0249】
正規方程式演算部184は、学習メモリ183から、各クラスについての式(17)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0250】
このように、足し込み演算部181および正規方程式演算部184は、対応画素と、空間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習する。
【0251】
係数メモリ185は、正規方程式演算部184が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0252】
次に、図15のフローチャートを参照して、図14に構成を示す学習装置の学習の処理を説明する。ステップS181乃至ステップS186の処理は、図13のステップS141乃至ステップS146の処理と、それぞれ同様なので、その説明は省略する。
【0253】
ステップS187において、教師画素抽出部182は、注目画素に隣接する水平倍密画素を水平倍密画像から教師画素として抽出するとともに、注目画素に対応するSD画素を、画像メモリ142に記憶されているSD画像から教師画素として抽出して、抽出した教師画素を足し込み演算部181に供給し、ステップS188に進む。
【0254】
ステップS188において、足し込み演算部181が、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部182から供給される、注目画素に隣接する水平倍密画素を水平倍密画像と注目画素に対応するSD画素とからなる教師画素(教師データ)を対象とした、上述した式(17)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ183に記憶させ、ステップS189に進む。
【0255】
ステップS189では、クラスタップ抽出部143の注目画素選択部161は、水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS189において、水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS182に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0256】
また、ステップS189において、水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS190に進み、正規方程式演算部184は、いままでのステップS188における足し込みによって、クラスごとに得られた式(17)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ183から読み出し、読み出した式(17)の正規方程式を、例えば掃き出し法により、解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ185に供給して、ステップS191に進む。
【0257】
このように、ステップS188およびステップS190において、対応画素と、空間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段が学習される。
【0258】
ステップS191において、係数メモリ185は、正規方程式演算部184から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS192に進む。
【0259】
ステップS192において、正規方程式演算部184は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS190に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0260】
ステップS192において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0261】
以上のようにして、係数メモリ185に記憶されたクラスごとのタップ係数を、図5の画像処理装置における係数メモリ104に記憶するようにすることができる。
【0262】
入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、対応画素と、空間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0263】
次に、時間方向に高解像度の画像を創造する画像処理装置について説明する。
【0264】
図16は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【0265】
図16に示す画像処理装置においては、例えば、1秒間当たり30フレームからなるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、1秒間あたり60フレームからなる画像(以下、時間倍密画像と称する。)を構成する画素(以下、時間倍密画素とも称する。)のうち、1つおきのフレームの画素が創造される。そして、創造された、1つおきのフレームから、時間倍密画像の全体が生成され、生成された時間倍密画像が出力されるようになっている。
【0266】
即ち、この画像処理装置は、クラスタップ抽出部211、特徴量検出部212、クラス分類部213、係数メモリ214、予測タップ抽出部215、画素値予測部216、および画素値予測部217から構成される。さらに、クラスタップ抽出部211には、注目画素選択部221が設けられている。画像処理装置に入力された、時間解像度の創造の対象となるSD画像は、クラスタップ抽出部211、予測タップ抽出部215、特徴量検出部212、および画素値予測部217に供給される。
【0267】
クラスタップ抽出部211の注目画素選択部221は、クラス分類適応処理により求めようとする時間倍密画像の時間倍密画素のうちの、所定のフレームの時間倍密画素を、順次、注目画素とする。例えば、注目画素選択部221は、SD画像のフレームに対して、直前の時間倍密画像のフレーム、すなわち、1/120秒前の時間倍密画像のフレームの時間倍密画素を、順次、注目画素とする。
【0268】
そして、クラスタップ抽出部211は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、入力画像であるSD画像から抽出し、抽出したクラスタップを特徴量検出部212に出力する。すなわち、クラスタップ抽出部211は、例えば、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素を、入力されたSD画像から抽出することによりクラスタップとし、特徴量検出部212に供給する。
【0269】
なお、クラスタップ抽出部211、予測タップ抽出部215、および画素値予測部217は、クラスタップ抽出部101、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107と同様に、フレームメモリを内蔵し、画像処理装置に入力されたSD画像を、例えば、フレーム(またはフィールド)単位で一時記憶する。
【0270】
また、画像処理装置は、入力側に1つのフレームメモリを設けるようにしてもよい。
【0271】
図17は、注目画素およびクラスタップを説明する図である。図17において、図の横方向は、SD画像および時間倍密画像の時間方向に対応し、図の縦方向は、SD画像および時間倍密画像の一方の空間方向、例えば、画面の縦方向である空間方向Yに対応する。なお、図17において、過去の時刻が、図中の左側の位置に対応し、未来の時刻が、図中の右側の位置に対応する。
【0272】
ここで、図17において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印が時間倍密画像を構成する時間倍密画素を表している。また、図17では、時間倍密画像は、SD画像に対して、時間方向に2倍の数のフレームを配置した画像になっている。例えば、1秒間に30フレームからなるSD画像に対して、時間倍密画像は、1秒間に60フレームからなる。なお、時間倍密画像の1つのフレームに配置されている画素の数は、SD画像の1つのフレームに配置されている画素の数と同じである。
【0273】
図17において、f-2,f-1,f0,f1,f2は、SD画像のフレームを示し、F-4,F-3,F-2,F-1,F0,F1,F2,F3,F4,F5は、時間倍密画像のフレームを示す。
【0274】
図17において、時間倍密画像の注目しているフ注目フレームをF0と表し、時間倍密画像の注目している1つの時間倍密画素を、y(1)と表す。時間倍密画像のフレームのうち、F-4,F-2,F0,F2,F4,・・・のように、例えば、SD画像のフレームの前のフレームが注目フレームとされ、注目フレームの画素が順次注目画素として選択される。
【0275】
クラスタップ抽出部211は、注目画素について、例えば、図17に点線の四角で囲んで示すように、その注目画素の位置から近い横×縦が3×3個の画素をSD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0276】
図17において、クラスタップを構成する3×3個のSD画像の画素のうちの、フレームf-1の第1行、フレームf0の第1行、フレームf1の第1行、フレームf-1の第2行、フレームf0の第2行、フレームf1の第2行、フレームf-1の第3行、フレームf0の第3行、フレームf1の第3行の画素の画素値を、それぞれx(1),x(2),x(3),x(4),x(5),x(6),x(7),x(8),x(9)と表す。例えば、クラスタップ抽出部211は、注目画素y(1)について、図17に示す、3×3個の画素の画素値x(1)乃至x(9)を、SD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0277】
クラスタップ抽出部211は、抽出されたクラスタップを、特徴量検出部212に供給する。
【0278】
特徴量検出部212は、クラスタップ抽出部211から供給されたクラスタップまたは入力画像から特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部213に供給する。
【0279】
例えば、特徴量検出部212は、クラスタップ抽出部211から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、入力画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部213に供給する。また、例えば、特徴量検出部212は、クラスタップ抽出部211から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、入力画像の複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部213に供給する。
【0280】
さらに、例えば、特徴量検出部212は、クラスタップ抽出部211から供給されたクラスタップまたは入力画像を基に、入力画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部213に供給する。
【0281】
なお、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0282】
特徴量検出部212は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部213に供給する。
【0283】
クラス分類部213は、特徴量検出部212からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ214と予測タップ抽出部215とに供給する。
【0284】
例えば、クラス分類部213は、クラスタップ抽出部211からのクラスタップを、1ビットADRC処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0285】
また、例えば、クラス分類部213は、特徴量検出部212からの特徴量を、そのままクラスコードとする。例えば、クラス分類部213は、特徴量検出部212からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0286】
例えば、クラス分類部213は、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ214と予測タップ抽出部215とに供給する。
【0287】
なお、クラス分類部103の場合と同様に、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか一方を、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0288】
係数メモリ214は、学習の教師となる時間倍密画像である教師データと、学習の生徒となるSD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ214は、クラス分類部213から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値予測部216に供給する。なお、係数メモリ214に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0289】
予測タップ抽出部215は、クラス分類部213から供給されるクラスコードを基に、画素値予測部216において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを入力画像から抽出し、抽出した予測タップを画素値予測部216に供給する。例えば、予測タップ抽出部215は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素値を、入力画像から抽出することにより予測タップとし、画素値予測部216に供給する。より具体的には、例えば、予測タップ抽出部215は、注目画素y(1)について、図17に示す、3×3個の画素の画素値x(1)乃至x(9)を、SD画像から抽出することにより予測タップとする。
【0290】
なお、クラスタップとする画素値と、予測タップとする画素値とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。
【0291】
また、予測タップとする画素値は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0292】
なお、クラスタップや予測タップのタップ構造は、図17に示した、3×3個の画素値に限定されるものではない。
【0293】
画素値予測部216は、係数メモリ214から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部215からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した積和演算を行うことにより、注目画素y(1)(の予測値)を予測し、これを、時間倍密画素の画素値とする。画素値予測部216は、このように演算された画素値からなる時間倍密画像を画素値予測部217に供給する。
【0294】
なお、注目画素選択部221が時間倍密画像の時間倍密画素のうちの、SD画像のフレームの前のフレームの画素を、順次、注目画素とするので、画素値予測部216は、1つおきのフレームの時間倍密画素のみを予測し、1つおきのフレームからなる時間倍密画像、すなわち、創造しようとする時間倍密画像の半数のフレームからなる時間倍密画像を画素値予測部217に供給する。
【0295】
すなわち、図16の本発明に係る画像処理装置における適応処理では、SD画像である入力画像の画素値の画素値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、時間倍密画像の1つおきのフレームの時間倍密画素に変換される。例えば、図17において、時間倍密画像の時間倍密画素のうち、F-4,F-2,F0,F2,F4,・・・のように、1つおきの注目フレーム上の注目画素が、画素値予測部216により予測される。
【0296】
画素値予測部217は、画素値予測部216から供給された、1つおきのフレームの時間倍密画素からなる時間倍密画像、およびSD画像である入力画像を基に、SD画像が時間的に積分されることに基づく、SD画像と時間倍密画像との関係により、時間倍密画像の残ったフレームの時間倍密画素の画素値(画素値予測部216では予測されなかった画素値)を予測して、全ての画素の画素値を含む時間倍密画像を出力する。
【0297】
次に、図18を参照して、SD画像が時間的に積分されることに基づく、SD画像と時間倍密画像との関係を説明する。
【0298】
図18のf(t)は、入力される光および微少な時間に対応する、時間的に理想的な画素値を示す。図18において、SD画像を撮像するセンサのシャッタ時間は、時刻t1から時刻t3までの期間であり、2tsで示す。
【0299】
SD画像の1つの画素値が、理想的な画素値f(t)の一様な積分で表されるとすれば、時刻t1から時刻t2までの期間に対応する画素の画素値Y1は、式(18)で表され、時刻t2から時刻t3までの期間に対応する画素の画素値Y2は、式(19)で表され、SD画像としてセンサから出力される画素値Y3は、式(20)で表される。
【数14】
Figure 0004333161
・・・(18)
【0300】
【数15】
Figure 0004333161
・・・(19)
【0301】
【数16】
Figure 0004333161
・・・(20)
【0302】
式(18)乃至式(20)における、Y1およびY2は、それぞれ、図16の画像処理装置が求めようとする、SD画像に対する時間倍密画像の時間倍密画素の画素値に対応する。また、式(20)における、Y3は、時間倍密画像の時間倍密画素の画素値Y1およびY2に対応するSD画素xの画素値に対応する。
【0303】
Y3をx(5)に、Y1をy(1)に、Y2をy(2)にそれぞれ置き換えると、式(20)から、式(21)を導くことができる。
(5)=(y(1)+y(2))/2 ・・・(21)
【0304】
式(21)を、y(2)について変形すると、式(22)が得られる。
(2)=2x(5)-y(1) ・・・(22)
【0305】
従って、センサから出力される画素値Y3および時刻t1から時刻t2までの期間に対応する画素の画素値y(1)(Y1)が既知であれば、式(22)により、時刻t2から時刻t3までの期間に対応する画素の画素値y(2)(Y2)を算出することができる。
【0306】
このように、画素に対応する画素値と、その画素の2つの期間に対応する画素のいずれか一方の画素値とを知ることができれば、画素の2つの期間に対応する他の画素の画素値を算出することができる。
【0307】
画素値予測部217は、画素値予測部216から供給された、1つおきのフレームの時間倍密画素の画素値y(1)、およびSD画像である入力画像の画素値x(5)に、SD画像が時間的に積分されることによる関係に基づく演算、すなわち、式(22)を適用して、2x(5)からy(1)を引き算することにより、時間倍密画像の残ったフレームの時間倍密画素(画素値予測部216では予測されなかった画素)の画素値y(2)を予測する。
【0308】
例えば、図17において、時間倍密画像の時間倍密画素のうち、F-3,F-1,F1,F3,F5,・・・のように、例えば、SD画像のフレームの後に隣接する、時間倍密画像のフレームの時間倍密画素が画素値予測部217において予測される。
【0309】
すなわち、画素値予測部217は、第1の注目画素に時間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素を予測する。
【0310】
このように、注目画素選択部221は、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、2つの時間倍密画素のうちの1つを注目画素として選択し、画素値予測部216は、注目画素の画素値を予測する。画素値予測部217は、注目画素を含む2つの時間倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、SD画素の画素値および注目画素の画素値から、残りの時間倍密画素の画素値を予測する。
【0311】
次に、図19のフローチャートを参照して、図16の画像処理装置が行う、SD画像から時間倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0312】
ステップS211において、クラスタップ抽出部211の注目画素選択部221は、創造しようとする時間倍密画像の、注目している時間倍密画素である注目画素を選択する。注目画素選択部121は、創造しようとする時間倍密画像の時間倍密画素のうち、1つおきのフレームの時間倍密画素を注目画素として選択し、手続は、ステップS212に進む。すなわち、ステップS211において、加算した値が1つの入力画素の画素値に等しい、2つの時間倍密画素のうちの1つが注目画素として選択される。
【0313】
ステップS212において、クラスタップ抽出部211は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を入力画像からクラスタップとして抽出して、クラスタップを生成する。クラスタップは、特徴量検出部212に供給され、手続は、ステップS213に進む。ステップS213において、特徴量検出部212は、入力画像またはステップS212の処理において抽出されたクラスタップから特徴量を検出して、検出された特徴量をクラス分類部213に供給すると共に、クラスタップをクラス分類部213に供給して、ステップS214に進む。
【0314】
ステップS214において、クラス分類部213は、特徴量検出部212から供給される特徴量またはクラスタップに基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ214および予測タップ抽出部215に供給して、ステップS215に進む。
【0315】
ステップS215において、予測タップ抽出部215は、クラス分類部213から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を入力画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、画素値予測部106に供給され、手続は、ステップS216に進む。
【0316】
ステップS216において、係数メモリ214は、クラス分類部213から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数(予測係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得して、タップ係数を画素値予測部216に供給し、ステップS217に進む。
【0317】
ステップS217において、画素値予測部216は、適応処理により、注目画素(の予測値)を予測し、予測した注目画素を画素値予測部217に供給して、ステップS218に進む。即ち、ステップS217では、画素値予測部216は、予測タップ抽出部215からの予測タップと、係数メモリ214からのタップ係数とを用いて、式(1)に示した演算を行い、注目画素(の予測値)を予測する。ステップS217においては、加算した値が1つの入力画素の画素値に等しい、2つの時間倍密画素のうちの1つの画素である注目画素が予測される。
【0318】
ステップS218において、画素値予測部217は、SD画像が時間的に積分されることに基づいて、注目画素に対応する時間倍密画素の画素値を予測して、ステップS219に進む。すなわち、ステップS218では、画素値予測部217は、画素値予測部216からの予測された注目画素の画素値と、注目画素に対応する入力画像の画素の画素値とを用いて、式(22)に示した演算を行い、注目画素の注目フレームに時間的に隣接するフレームの、注目画素に対応する位置の画素の画素値を予測する。ステップS218においては、注目画素の画素値と、注目画素に対応する入力画素の画素値とから、注目画素の画素値と加算した値が入力画素の画素値に等しい、時間倍密画素の画素値が予測される。
【0319】
言い換えれば、画素値予測部217は、注目画素と、注目画素の画素値、および注目画素に時間方向に隣接する時間倍密画素の画素値を含むSD画素とから、SD画像が時間的に積分されること(時間混合)に基づいて、注目画素に隣接する時間倍密画素の画素値を予測する。
【0320】
このように、ステップS218において、第1の注目画素に時間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素が予測される。
【0321】
ステップS219において、クラスタップ抽出部211の注目画素選択部221は、注目フレームの画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS211に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0322】
また、ステップS219において、注目フレームの画素のうち、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての時間倍密画素、および注目フレームに隣接するフレームのすべての時間倍密画素が予測された場合、処理は終了する。
【0323】
このように、図16に構成を示す画像処理装置は、SD画像である入力画像から、時間倍密画像を生成して、生成した時間倍密画像を出力することができる。
【0324】
高質画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素の特徴量を検出し、検出された特徴量に基づいて、抽出された複数の第2の周辺画素から第1の注目画素を予測し、第1の注目画素に時間的に近接する位置に配される高質画像データ内の第2の注目画素および第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の対応画素の画素値から、第1の注目画素の画素値を減算した値に基づいて、第2の注目画素を予測するようにした場合には、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0325】
次に、図20は、図16の係数メモリ214に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0326】
図20の学習装置には、タップ係数の学習用の画像としての、例えば時間倍密画像が入力される。学習装置に入力された時間倍密画像は、SD画像生成部241および教師画素抽出部248に供給される。
【0327】
SD画像生成部241は、入力された教師画像から、フレームを間引きして、SD画像を生成し、画像メモリ242に供給する。SD画像生成部241は、例えば、教師画像としての時間倍密画像の、時間方向に隣接する2つのフレームの、対応する位置の2つの画素の画素値の平均値を求めて、SD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての時間倍密画像に対応した生徒画像であるSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図16の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。
【0328】
画像メモリ242は、SD画像生成部241からの生徒画像であるSD画像を一時記憶する。
【0329】
図20に示す学習装置においては、SD画像を生徒データとして、タップ係数が生成される。
【0330】
クラスタップ抽出部243の注目画素選択部261は、画像メモリ242に記憶された生徒画像であるSD画像に対応する教師画像としての時間倍密画像の1つおきのフレームに含まれる画素を、図16のクラスタップ抽出部211の注目画素選択部221における場合と同様に、順次、注目画素とする。すなわち、注目画素選択部261は、入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択する。
【0331】
さらに、クラスタップ抽出部243は、注目画素についてのクラスタップを、画像メモリ242に記憶された生徒画像から抽出し、特徴量検出部244を介してクラス分類部245に供給する。ここで、クラスタップ抽出部243は、図16のクラスタップ抽出部211が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0332】
特徴量検出部244は、特徴量検出部212と同様の処理で、画像メモリ242に記憶されている生徒画像であるSD画像またはクラスタップ抽出部243から供給されたクラスタップから特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部245に供給する。
【0333】
例えば、特徴量検出部244は、画像メモリ242に記憶されているSD画像またはクラスタップ抽出部243から供給されたクラスタップを基に、SD画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部245に供給する。また、例えば、特徴量検出部244は、画像メモリ242に記憶されているSD画像またはクラスタップ抽出部243から供給されたクラスタップを基に、SD画像またはクラスタップの複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部245に供給する。
【0334】
さらに、例えば、特徴量検出部244は、画像メモリ242に記憶されているSD画像またはクラスタップ抽出部243から供給されたクラスタップを基に、クラスタップまたはSD画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部245に供給する。
【0335】
なお、特徴量検出部244は、特徴量検出部212と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0336】
すなわち、特徴量検出部244は、図16の特徴量検出部212と同一の特徴量を検出する。
【0337】
特徴量検出部244は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部245に供給する。
【0338】
クラス分類部245は、図16のクラス分類部213における場合と同様に、特徴量検出部244からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部246および学習メモリ249に供給する。
【0339】
予測タップ抽出部246は、クラス分類部245から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ242に記憶されたSD画像から抽出し、足し込み演算部247に供給する。ここで、予測タップ抽出部246は、図16の予測タップ抽出部215が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0340】
教師画素抽出部248は、教師画像である入力画像(時間倍密画像)から、注目している画素を教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部247に供給する。即ち、教師画素抽出部248は、入力された学習用の画像である時間倍密画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図16の画像処理装置で得られる時間倍密画像は、図20の学習装置で教師データとして用いられる時間倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0341】
足し込み演算部247および正規方程式演算部250は、注目画素となっている教師データと、予測タップ抽出部246から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部245から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0342】
即ち、足し込み演算部247は、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(SD画素)と、注目画素となっている教師データである時間倍密画素とを対象とした、式(8)の足し込みを行う。
【0343】
具体的には、足し込み演算部247は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kを用い、式(8)の左辺の行列におけるSD画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0344】
さらに、足し込み演算部247は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kと、注目画素となっている教師データである時間倍密画素ykを用い、式(8)の右辺のベクトルにおけるSD画素xn,kおよび時間倍密画素ykの乗算(xn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0345】
足し込み演算部247は、教師データとしての時間倍密画像の画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(8)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ249に供給する。
【0346】
学習メモリ249は、足し込み演算部247から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして時間倍密画素が設定された、式(8)に対応した正規方程式を記憶する。
【0347】
正規方程式演算部250は、学習メモリ249から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0348】
係数メモリ251は、正規方程式演算部250が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0349】
次に、図21のフローチャートを参照して、図20の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0350】
まず最初に、ステップS241において、SD画像生成部241は、例えば、時間倍密画像である、学習用の入力画像(教師画像)を取得し、フレームを間引くことにより、例えば、SD画像である生徒画像を生成する。例えば、SD画像生成部241は、隣接する2つのフレームの対応する位置の2つの画素の平均値を求めて、平均値をSD画像の画素値とすることにより、SD画像を生成する。SD画像は、画像メモリ242に供給される。
【0351】
そして、ステップS242に進み、クラスタップ抽出部243の注目画素選択部261は、教師データとしての時間倍密画像の1つおきのフレームの時間倍密画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、手続は、ステップS243に進む。すなわち、ステップS242において、入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものが選択される。
【0352】
ステップS243において、クラスタップ抽出部243は、図16のクラスタップ抽出部211における場合と同様に、注目画素に対応するクラスタップを、画像メモリ242に記憶されている生徒画像としてのSD画像から抽出し、クラスタップを特徴量検出部244に供給して、ステップS244に進む。
【0353】
ステップS244において、特徴量検出部244は、図16の特徴量検出部212における場合と同様に、ステップS241の処理において生成された生徒画像であるSD画像またはステップS243の処理において抽出されたクラスタップから、例えば、動きベクトル、またはSD画像の画素の画素値の変化などの特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部245に供給し、ステップS245に進む。
【0354】
ステップS245では、クラス分類部245が、図16のクラス分類部213における場合と同様にして、特徴量検出部244からの特徴量またはクラスタップを用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部246および学習メモリ249に供給して、ステップS246に進む。
【0355】
ステップS246において、予測タップ抽出部246は、クラス分類部245から供給されるクラスコードに基づいて、図16の予測タップ抽出部215における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ242に記憶されている生徒画像としてのSD画像から抽出し、足し込み演算部247に供給して、ステップS247に進む。
【0356】
ステップS247において、教師画素抽出部248は、注目画素、すなわち教師画素(教師データ)である時間倍密画素を入力画像から抽出し、抽出した教師データを足し込み演算部247に供給し、ステップS248に進む。
【0357】
ステップS248では、足し込み演算部247が、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部248から供給される教師データを対象とした、上述した式(8)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ249に記憶させ、ステップS249に進む。
【0358】
そして、ステップS249では、クラスタップ抽出部243は、教師データとしての時間倍密画像の1つおきのフレームの時間倍密画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS249において、教師データとしての時間倍密画像の1つおきのフレームの時間倍密画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS242に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0359】
また、ステップS249において、教師データとしての時間倍密画像の1つおきのフレームの時間倍密画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS250に進み、正規方程式演算部250は、いままでのステップS248における足し込みによって、クラスごとに得られた式(8)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ249から読み出し、掃き出し法などにより、読み出した式(8)の正規方程式を解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ251に供給して記憶させ、ステップS251に進む。
【0360】
ステップS251において、係数メモリ251は、正規方程式演算部250から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS252に進む。
【0361】
ステップS252において、正規方程式演算部250は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS250に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0362】
ステップS252において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0363】
以上のようにして、係数メモリ251に記憶されたクラスごとのタップ係数が、図16の画像処理装置における係数メモリ214に記憶されている。
【0364】
入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0365】
次に、図22は、図16の係数メモリ214に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図20に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0366】
図22に示す学習装置は、SD画像の画素が時間積分されることに基づき、時間倍密画素である注目画素に時間方向に隣接する時間倍密画素と、注目画素に対応するSD画素を教師データとして、タップ係数を求める。
【0367】
図22の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)としての、例えば時間倍密画像が入力される。学習装置に入力された時間倍密画像は、SD画像生成部241および教師画素抽出部282に供給される。
【0368】
教師画素抽出部282は、時間倍密画像である入力画像の注目画素に時間方向に隣接する時間倍密画素と、注目画素に対応するSD画像のSD画素とを教師データとして抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部281に供給する。
【0369】
ここで、式(20)のY3をxk'に、Y1をyk (1)に、Y2をyk (2)に置き換えると、式(23)を導くことができる。
k'=(yk (1)+yk (2))/2
・・・(23)
【0370】
式(23)において、xk'は、注目画素に対応するSD画素の画素値であり、yk (1)は、注目画素の画素値であり、yk (2)は、注目画素に水平方向に隣接する時間倍密画素の画素値である。
【0371】
k (1)は、式(24)で表すことができる。
k (1)=2xk'-yk (2)
・・・(24)
【0372】
k (1)を注目画素の画素値として、式(24)を式(3)に代入すると、式(25)が得られる。
【数17】
Figure 0004333161
・・・(25)
【0373】
式(25)についての正規方程式は、式(26)で表すことができる。
【数18】
Figure 0004333161
・・・(26)
【0374】
足し込み演算部281および正規方程式演算部284は、注目画素に隣接する時間倍密画素と、注目画素に対応するSD画像のSD画素とからなる教師データ、および予測タップ抽出部246から供給される予測タップを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部245から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0375】
即ち、足し込み演算部281は、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(SD画素)と、教師データである、注目画素に隣接する時間倍密画素、および注目画素に対応するSD画素とを対象とした、式(26)の足し込みを行う。
【0376】
具体的には、足し込み演算部281は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kを用い、式(26)の左辺の行列におけるSD画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0377】
さらに、足し込み演算部281は、予測タップを構成する生徒データとしてのSD画素xn,kと、注目画素に隣接する時間倍密画素yk (2)と、注目画素に対応するSD画像のSD画素xk'とを用い、式(26)の右辺のベクトルにおける、SD画素xk'と時間倍密画素yk (2)との演算(2xk'-yk (2))と、その結果とSD画素xn,kとの乗算(xn,k(2xk'-yk (2)))と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0378】
足し込み演算部281は、教師データとしての時間倍密画像の対象となる画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(26)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ283に供給する。
【0379】
学習メモリ283は、足し込み演算部281から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして時間倍密画素およびSD画素が設定された、式(26)に対応した正規方程式を記憶する。
【0380】
正規方程式演算部284は、学習メモリ283から、各クラスについての式(26)の正規方程式を取得し、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて出力する。
【0381】
このように、足し込み演算部281および正規方程式演算部284は、対応画素と、時間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、検出された特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習する。
【0382】
係数メモリ285は、正規方程式演算部284が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0383】
次に、図23のフローチャートを参照して、図22に構成を示す学習装置の学習の処理を説明する。ステップS281乃至ステップS286の処理は、図21のステップS241乃至ステップS246の処理と、それぞれ同様なので、その説明は省略する。
【0384】
ステップS287において、教師画素抽出部282は、注目画素に隣接する時間倍密画素を時間倍密画像から教師画素として抽出するとともに、注目画素に対応するSD画素を、画像メモリ242に記憶されているSD画像から教師画素として抽出して、抽出した教師画素を足し込み演算部281に供給し、ステップS288に進む。
【0385】
ステップS288において、足し込み演算部281が、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部282から供給される、注目画素に隣接する時間倍密画素を時間倍密画像と注目画素に対応するSD画素とからなる教師画素(教師データ)を対象とした、上述した式(26)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ283に記憶させ、ステップS289に進む。
【0386】
ステップS289では、クラスタップ抽出部243の注目画素選択部261は、時間倍密画像の1つおきのフレームのうちの時間倍密画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS289において、時間倍密画像の1つおきのフレームのうちの時間倍密画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS282に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0387】
また、ステップS289において、時間倍密画像の1つおきのフレームのうちの時間倍密画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS290に進み、正規方程式演算部284は、いままでのステップS288における足し込みによって、クラスごとに得られた式(26)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ283から読み出し、読み出した式(26)の正規方程式を、例えば掃き出し法により、解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスのタップ係数を求め、係数メモリ285に供給して、ステップS291に進む。
【0388】
このように、ステップS288およびステップS290において、対応画素と、時間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、検出された特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から注目画素を予測する予測手段が学習される。
【0389】
ステップS291において、係数メモリ285は、正規方程式演算部284から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS292に進む。
【0390】
ステップS292において、正規方程式演算部284は、全クラスのタップ係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスのタップ係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS290に戻り、次のクラスのタップ係数を求める処理を繰り返す。
【0391】
ステップS292において、全クラスのタップ係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0392】
以上のようにして、係数メモリ285に記憶されたクラスごとのタップ係数を、図16の画像処理装置における係数メモリ214に記憶するようにすることができる。
【0393】
入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素と注目画素とから、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、対応画素と、時間的に対応画素内に含まれる注目画素との関係を拘束条件として、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から注目画素を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0394】
図24は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図5に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0395】
図24に構成を示す画像処理装置は、入力画像を取得し、入力された入力画像に対して、画面の水平方向に2倍の解像度および画面の垂直方向に2倍の解像度の画像(以下、空間4倍密画像と称する)を創造して出力する。
【0396】
図24に示す画像処理装置においては、例えば、入力画像の一例であるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、水平倍密画像を構成する水平倍密画素のうち、水平方向に1つおきの画素が創造される。そして、水平方向に1つおきの画素からなる水平倍密画像から、水平倍密画像の全体が生成される。さらに、水平倍密画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、空間4倍密画像を構成する画素である空間4倍密画素のうち、垂直方向に1つおきの画素が創造される。そして、垂直方向に1つおきの画素からなる空間4倍密画像から、空間4倍密画像の全体が生成され、生成された空間4倍密画像が出力されるようになっている。
【0397】
すなわち、この画像処理装置は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、クラス分類部103、係数メモリ104、予測タップ抽出部105、画素値予測部106、および画素値予測部107に加えて、クラスタップ抽出部301、特徴量検出部302、クラス分類部303、係数メモリ304、予測タップ抽出部305、画素値予測部306、および画素値予測部307から構成される。さらに、クラスタップ抽出部301には、注目画素選択部311が設けられている。
【0398】
画像処理装置に入力された、空間解像度の創造の対象となる入力画像は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107に供給される。クラスタップ抽出部101乃至画素値予測部107は、上述した処理により、水平倍密画像を生成する。
【0399】
画素値予測部107は、クラスタップ抽出部301、特徴量検出部302、予測タップ抽出部305、および画素値予測部307に水平倍密画像を供給する。
【0400】
クラスタップ抽出部301の注目画素選択部311は、クラス分類適応処理により求めようとする空間4倍密画像の空間4倍密画素のうちの、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素の1つを、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部301は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、水平倍密画像から抽出し、抽出したクラスタップを特徴量検出部302に出力する。すなわち、クラスタップ抽出部301は、例えば、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素を、入力された水平倍密画像から抽出することによりクラスタップとし、特徴量検出部302に出力する。
【0401】
特徴量検出部302は、クラスタップ抽出部301から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像から特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部303に供給する。
【0402】
例えば、特徴量検出部302は、クラスタップ抽出部301から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、水平倍密画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部303に供給する。また、例えば、特徴量検出部302は、クラスタップ抽出部301から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部303に供給する。
【0403】
さらに、例えば、特徴量検出部302は、クラスタップ抽出部301から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部303に供給する。
【0404】
なお、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0405】
特徴量検出部302は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部303に供給する。
【0406】
クラス分類部303は、特徴量検出部302からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ304と予測タップ抽出部305とに供給する。例えば、クラス分類部303は、クラスタップ抽出部301からのクラスタップを、1ビットADRC処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0407】
ただし、クラス分類は、その他、例えば、クラスタップを構成する画素値を、ベクトルのコンポーネントとみなし、そのベクトルをベクトル量子化すること等によって行うことも可能である。また、クラス分類としては、1クラスのクラス分類を行うことも可能である。この場合、クラス分類部303は、どのようなクラスタップが供給されても、固定のクラスコードを出力するものとなる。
【0408】
また、例えば、クラス分類部303は、特徴量検出部302からの特徴量を、そのままクラスコードとする。さらに、例えば、クラス分類部303は、特徴量検出部302からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0409】
例えば、クラス分類部303は、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ304と予測タップ抽出部305とに供給する。
【0410】
なお、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか一方を、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0411】
係数メモリ304は、学習の教師となる、出力画像の一例である空間4倍密画像の空間4倍密画素である教師データと、学習の生徒となる、水平倍密画像の水平倍密画素の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ304は、クラス分類部303から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値予測部306に供給する。なお、係数メモリ304に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0412】
予測タップ抽出部305は、クラス分類部303から供給されるクラスコードを基に、画素値予測部306において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを水平倍密画像から抽出し、抽出した予測タップを画素値予測部306に供給する。例えば、予測タップ抽出部305は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素値を、水平倍密画像から抽出することにより予測タップとし、画素値予測部306に供給する。
【0413】
なお、クラスタップとする画素値と、予測タップとする画素値とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。また、予測タップとする画素値は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0414】
画素値予測部306は、係数メモリ304から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部305からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した積和演算を行うことにより、注目画素y(の予測値)を予測し、これを、空間4倍密画素の画素値とする。画素値予測部306は、このように演算された画素値からなる空間4倍密画像を画素値予測部307に供給する。
【0415】
なお、注目画素選択部311が空間4倍密画像の空間4倍密画素のうちの、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素を、順次、注目画素とするので、画素値予測部306は、注目画素とされた、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素のみを予測する。従って、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素からなる空間4倍密画像、すなわち、出力しようとする空間4倍密画像の空間4倍密画素の半数の空間4倍密画素からなる空間4倍密画像が、画素値予測部307に供給される。
【0416】
このように、本発明に係る画像処理装置における適応処理では、水平倍密画像の画素値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、空間4倍密画像の垂直方向に1つおきの空間4倍密画素に変換される。
【0417】
画素値予測部307は、画素値予測部306から供給された、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素からなる空間4倍密画像、および水平倍密画像から、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づく、水平倍密画像と空間4倍密画像との関係により、水平倍密画像に対して、空間4倍密画像の残った空間4倍密画素の画素値(画素値予測部306では予測されなかった画素値)を予測して、全ての画素の画素値を含む空間4倍密画像を出力する。
【0418】
例えば、画素値予測部307は、画素値予測部306から供給された、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素の画素値y4 (1)、および水平倍密画像の画素値yに、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づく、水平倍密画像と空間4倍密画素との関係に対応した演算、すなわち、式(13)を適用して、2yからy4 (1)を引き算することにより、空間4倍密画像の残った空間4倍密画素(画素値予測部306では予測されなかった画素)の画素値y4 (2)を予測する。
【0419】
このように、図24に構成を示す画像処理装置は、入力画像に対応する空間4倍密画像を創造して、出力することができる。図24に構成を示す画像処理装置は、クラス分類適応処理により、水平倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値を予測し、水平倍密画像の残りの画素の画素値を、入力画像が空間的に積分されることに基づく、より簡単な演算で予測し、クラス分類適応処理により、空間4倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値を予測し、空間4倍密画像の残りの画素の画素値を、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づく、より簡単な演算で予測するので、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。図24に構成を示す画像処理装置においては、係数メモリ104に記憶されているタップ係数(の組)および係数メモリ304に記憶されているタップ係数(の組)の2つのタップ係数を基に、空間4倍密画像を予測することができる。
【0420】
なお、図24に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、垂直方向に画素の数が2倍の垂直倍密画像を生成し、垂直倍密画像から、空間4倍密画像を生成するようにしてもよいことは勿論である。
【0421】
次に、図25および図26のフローチャートを参照して、図24の画像処理装置が行う、SD画像から空間4倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0422】
ステップS301乃至ステップS309の処理は、それぞれ、図11のステップS101乃至ステップS109の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0423】
ステップS309において、全画素の予測が終了したと判定された場合、画素値予測部107は、水平倍密画像をクラスタップ抽出部301、特徴量検出部302、予測タップ抽出部305、および画素値予測部307に供給する。
【0424】
ステップS310において、クラスタップ抽出部301の注目画素選択部311は、創造しようとする空間4倍密画像の注目している空間4倍密画素である注目画素を選択する。注目画素選択部311は、創造しようとする空間4倍密画像の空間4倍密画素のうち、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素を注目画素として選択し、手続は、ステップS311に進む。
【0425】
ステップS311において、クラスタップ抽出部301は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を水平倍密画像からクラスタップとして抽出して、クラスタップを生成する。クラスタップは、特徴量検出部302に供給され、手続は、ステップS312に進む。ステップS312において、特徴量検出部302は、ステップS307およびステップS308の処理において予測された水平倍密画像またはステップS311の処理において抽出されたクラスタップから特徴量を検出して、検出された特徴量をクラス分類部303に供給すると共に、クラスタップをクラス分類部303に供給して、ステップS313に進む。
【0426】
ステップS313において、クラス分類部303は、特徴量検出部302から供給される特徴量またはクラスタップに基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ304および予測タップ抽出部305に供給して、ステップS314に進む。
【0427】
ステップS314において、予測タップ抽出部305は、クラス分類部303から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を水平倍密画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、画素値予測部306に供給され、手続は、ステップS315に進む。
【0428】
ステップS315において、係数メモリ304は、クラス分類部303から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されている予測係数(タップ係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスの予測係数を取得して、予測係数を画素値予測部306に供給し、ステップS316に進む。
【0429】
ステップS316において、画素値予測部306は、適応処理により、注目画素(の予測値)を予測し、予測した注目画素を画素値予測部307に供給して、ステップS317に進む。即ち、ステップS316では、画素値予測部306は、予測タップ抽出部305からの予測タップと、係数メモリ304からの予測係数(タップ係数)とを用いて、式(1)に示した演算を行い、注目画素(の予測値)を予測する。
【0430】
ステップS317において、画素値予測部307は、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づいて、注目画素に対応する空間4倍密画素の画素値を予測して、ステップS318に進む。すなわち、ステップS317では、画素値予測部307は、画素値予測部306からの予測された注目画素の画素値と、注目画素に対応する水平倍密画像の画素の画素値とを用いて、式(13)に示した演算を行い、注目画素に隣接する画素の画素値を予測する。言い換えれば、画素値予測部307は、注目画素と、注目画素の画素値、および注目画素に空間方向に隣接する空間4倍密画素の画素値を含む水平倍密画素とから、水平倍密画像が空間的に積分されていること(空間混合)に基づいて、注目画素に隣接する空間4倍密画素の画素値を予測する。
【0431】
ステップS318において、注目画素選択部311は、空間4倍密画像の注目しているフレームの垂直方向に1つおきの画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS310に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0432】
また、ステップS318において、注目フレームの垂直方向に1つおきの画素のうち、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての空間4倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0433】
このように、図24に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、空間4倍密画像を生成して、生成した空間4倍密画像を出力することができる。
【0434】
以上のように、本発明においては、クラス分類適応処理により、水平倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値が予測され、水平倍密画像の残りの画素の画素値が、入力画像が空間的に積分されることに基づく、より簡単な演算で予測され、クラス分類適応処理により、空間4倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値が予測され、空間4倍密画像の残りの画素の画素値が、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づく、より簡単な演算で予測される。
【0435】
次に、図27は、図24の係数メモリ104に記憶させるクラスごとのタップ係数、および係数メモリ304に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0436】
図12に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0437】
図27の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)としての、例えば空間4倍密画像が入力される。学習装置に入力された入力画像は、SD画像生成部321、水平倍密画像生成部322、および教師画素抽出部329に供給される。
【0438】
SD画像生成部321は、入力された入力画像(教師画像)から、生徒画像であるSD画像を生成し、画像メモリ142に供給する。SD画像生成部321は、例えば、教師画像としての空間4倍密画像の水平方向および垂直方向に互いに隣接する4つの空間4倍密画素の画素値の平均値を求めてSD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての空間4倍密画像に対応した生徒画像としてのSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図24の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。画像メモリ142は、SD画像生成部321からの生徒画像であるSD画像を一時記憶する。
【0439】
水平倍密画像生成部322は、入力された入力画像(教師画像)から、水平倍密画像を生成し、教師画素抽出部148および画像メモリ323に供給する。水平倍密画像生成部322は、例えば、教師画像としての空間4倍密画像の垂直方向に隣接する2つの空間4倍密画素の画素値の平均値を求めて水平倍密画像の画素値とすることにより、その教師画像としての空間4倍密画像に対応した水平倍密画像を生成する。
【0440】
ここで、水平倍密画像は、図24の画像処理装置で中間的に生成される水平倍密画像に対応した画質のものとする必要がある。画像メモリ323は、水平倍密画像生成部322からの水平倍密画像を一時記憶する。
【0441】
水平倍密画像生成部322により生成される水平倍密画像は、SD画像生成部321により生成されたSD画像に対する教師画像として使用されると共に、入力された空間4倍密画像に対する生徒画像として使用される。
【0442】
図27に示す学習装置においては、水平倍密画像生成部322により生成された水平倍密画像を教師データとし、SD画像生成部321により生成されたSD画像を生徒データとして、タップ係数が生成されるとともに、空間4倍密画像を教師データとし、水平倍密画像生成部322により生成された水平倍密画像を生徒データとして、タップ係数が生成される。
【0443】
教師画素抽出部148は、教師画像としての水平倍密画像から、注目画素を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部147に供給する。ここで、図24の画像処理装置で中間的に生成される水平倍密画像は、図27の学習装置で教師データとして用いられる水平倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0444】
正規方程式演算部150は、学習メモリ149から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより、すなわち、水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、タップ係数を求めて、クラスごとのタップ係数を係数メモリ332に供給する。
【0445】
クラスタップ抽出部324の注目画素選択部341は、図24のクラスタップ抽出部301の注目画素選択部311における場合と同様に、画像メモリ323に記憶された生徒画像としての水平倍密画像に対応する教師画像としての空間4倍密画像に含まれる画素のうちの、垂直方向に1つおきの画素を、順次、注目画素とする。さらに、クラスタップ抽出部324は、注目画素についてのクラスタップを、画像メモリ323に記憶された水平倍密画像から抽出し、特徴量検出部325に供給する。ここで、クラスタップ抽出部324は、図24のクラスタップ抽出部301が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0446】
特徴量検出部325は、図24の特徴量検出部302と同様の処理で、画像メモリ323に記憶されている生徒画像である水平倍密画像またはクラスタップ抽出部324から供給されたクラスタップから特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部326に供給する。
【0447】
例えば、特徴量検出部325は、画像メモリ323に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部324から供給されたクラスタップを基に、水平倍密画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部326に供給する。また、例えば、特徴量検出部325は、画像メモリ323に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部324から供給されたクラスタップを基に、水平倍密画像またはクラスタップの複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部326に供給する。
【0448】
さらに、例えば、特徴量検出部325は、画像メモリ323に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部324から供給されたクラスタップを基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部326に供給する。
【0449】
なお、特徴量検出部325は、特徴量検出部302と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0450】
すなわち、特徴量検出部325は、図24の特徴量検出部302と同一の特徴量を検出する。
【0451】
特徴量検出部325は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部326に供給する。
【0452】
クラス分類部326は、図24のクラス分類部303と同様に構成され、特徴量検出部325からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部327および学習メモリ330に供給する。
【0453】
予測タップ抽出部327は、図24の予測タップ抽出部305と同様に構成され、クラス分類部326から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ323に記憶された水平倍密画像から抽出し、足し込み演算部328に供給する。ここで、予測タップ抽出部327は、図24の予測タップ抽出部305が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0454】
教師画素抽出部329は、教師画像である入力画像(空間4倍密画像)から、注目画素を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部328に供給する。即ち、教師画素抽出部329は、入力された学習用の画像である空間4倍密画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図24の画像処理装置で得られる空間4倍密画像は、図27の学習装置で教師データとして用いられる空間4倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0455】
足し込み演算部328および正規方程式演算部331は、注目画素となっている教師データと、予測タップ抽出部327から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部326から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0456】
即ち、足し込み演算部328は、予測タップ抽出部327から供給される予測タップ(水平倍密画素)と、注目画素となっている教師データである空間4倍密画素とを対象とした、式(8)の足し込みを行う。
【0457】
具体的には、足し込み演算部328は、予測タップを構成する生徒データとしての水平倍密画素xn,kを用い、式(8)の左辺の行列における水平倍密画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0458】
さらに、足し込み演算部328は、予測タップを構成する生徒データとしての水平倍密画素xn,kと、注目画素となっている教師データである空間4倍密画素ykを用い、式(8)の右辺のベクトルにおける水平倍密画素xn,kおよび空間4倍密画素ykの乗算(xn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0459】
足し込み演算部328は、教師データとしての空間4倍密画像の画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(8)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ330に供給する。
【0460】
学習メモリ330は、足し込み演算部328から供給された、生徒データとして水平倍密画素、教師データとして空間4倍密画素が設定された、式(8)に対応した正規方程式を記憶する。
【0461】
正規方程式演算部331は、学習メモリ330から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより、すなわち、空間4倍密画像の空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、タップ係数を求めて、クラスごとのタップ係数を係数メモリ332に供給する。
【0462】
係数メモリ332は、正規方程式演算部150から供給された、水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数、および正規方程式演算部331から供給された、空間4倍密画像の空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数をそれぞれ記憶する。
【0463】
次に、図28および図29のフローチャートを参照して、図27の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0464】
ステップS331において、SD画像生成部321は、教師画像である入力された入力画像から、生徒画像であるSD画像を生成し、画像メモリ142に供給し、ステップS332に進む。SD画像生成部321は、例えば、教師画像としての空間4倍密画像の水平方向および垂直方向に互いに隣接する4つの空間4倍密画素から、1つの空間4倍密画素の画素値を抽出してSD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての空間4倍密画像に対応した生徒画像としてのSD画像を生成する。
【0465】
ステップS332において、水平倍密画像生成部322は、教師画像である入力された入力画像から、水平倍密画像を生成し、教師画素抽出部148および画像メモリ323に供給し、ステップS333に進む。水平倍密画像生成部322は、例えば、教師画像としての空間4倍密画像の垂直方向に隣接する2つの空間4倍密画素から、1つの空間4倍密画素の画素値を抽出して水平倍密画像の画素値とすることにより、その教師画像としての空間4倍密画像に対応した水平倍密画像を生成する。
【0466】
ステップS333乃至ステップS343の処理は、それぞれ、図13のステップS142乃至ステップS152の処理と同様なので、その説明は省略する。なお、ステップS333乃至ステップS343の処理においては、ステップS331の処理において生成されたSD画像が生徒画像とされ、ステップS332の処理において生成された水平倍密画像が教師画像とされる。また、ステップS342において、係数メモリ332が、正規方程式演算部150から供給された、タップ係数を記憶する。
【0467】
ステップS344において、クラスタップ抽出部324の注目画素選択部341は、教師データとしての空間4倍密画像の空間4倍密画素であって、垂直方向に1つおきの空間4倍密画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、手続は、ステップS345に進む。
【0468】
ステップS345において、クラスタップ抽出部324は、図24のクラスタップ抽出部301における場合と同様に、注目画素に対応するクラスタップを、画像メモリ323に記憶されている生徒画像としての水平倍密画像から抽出する。クラスタップ抽出部324は、クラスタップを特徴量検出部325に供給して、ステップS346に進む。
【0469】
ステップS346において、特徴量検出部325は、図24の特徴量検出部302における場合と同様に、ステップS322の処理において生成された生徒画像である水平倍密画像またはステップS345の処理において抽出されたクラスタップから、例えば、動きベクトル、または水平倍密画像の画素の画素値の変化などの特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部326に供給し、ステップS347に進む。
【0470】
ステップS347では、クラス分類部326が、図24のクラス分類部303における場合と同様にして、特徴量検出部325からの特徴量またはクラスタップを用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部327および学習メモリ330に供給して、ステップS348に進む。
【0471】
ステップS348において、予測タップ抽出部327は、クラス分類部326から供給されるクラスコードに基づいて、図24の予測タップ抽出部305における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ323に記憶されている生徒画像としての水平倍密画像から抽出し、足し込み演算部328に供給して、ステップS349に進む。
【0472】
ステップS349において、教師画素抽出部329は、注目画素、すなわち空間4倍密画素である教師画素(教師データ)を入力画像から抽出し、抽出した教師画素を足し込み演算部328に供給し、ステップS350に進む。
【0473】
ステップS350では、足し込み演算部328が、予測タップ抽出部327から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部329から供給される教師画素(教師データ)を対象とした、上述した式(8)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ330に記憶させ、ステップS351に進む。
【0474】
そして、ステップS351では、注目画素選択部341は、教師データとしての空間4倍密画像の空間4倍密画素のうちの垂直方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS351において、教師データとしての空間4倍密画像の空間4倍密画素のうちの垂直方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS344に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0475】
また、ステップS351において、教師データとしての空間4倍密画像の空間4倍密画素のうちの垂直方向に1つおきの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS352に進み、正規方程式演算部331は、いままでのステップS350における足し込みによって、クラスごとに得られた式(8)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ330から読み出し、読み出した式(8)の正規方程式を掃き出し法などで解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスの予測係数(タップ係数)を求め、係数メモリ332に供給する、ステップS353に進む。
【0476】
ステップS353において、係数メモリ332は、正規方程式演算部331から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS354に進む。
【0477】
ステップS354において、正規方程式演算部331は、全クラスの予測係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスの予測係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS352に戻り、次のクラスの予測係数を求める処理を繰り返す。
【0478】
ステップS354において、全クラスの予測係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0479】
以上のようにして、係数メモリ332に記憶された、水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られた、クラスごとの予測係数が、図24の画像処理装置における係数メモリ104に記憶され、空間4倍密画像の空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られた、クラスごとの予測係数が、図24の画像処理装置における係数メモリ304に記憶されている。
【0480】
入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、中間画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである第1の対応画素に空間的に含まれる第1の注目画素であって、第1の対応画素と第1の注目画素とから、第1の対応画素に含まれる中間画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、中間画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、第1の注目画素の第1の特徴量を検出し、検出された第1の特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から第1の注目画素を予測する第1の予測手段を学習し、中間画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、中間画像データ内の画素のうちの1つである第2の対応画素に空間的に含まれる第2の注目画素であって、第2の対応画素と第2の注目画素とから、第2の対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の第2の注目画素に対応する、中間画像データ内の複数の第3の周辺画素を抽出し、第2の注目画素に対応する、中間画像データ内の複数の第4の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第3の周辺画素に基づいて、第2の注目画素の第2の特徴量を検出し、検出された第2の特徴量毎に、抽出された複数の第4の周辺画素から第2の注目画素を予測する第2の予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0481】
図30は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図5に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0482】
図30に構成を示す画像処理装置は、入力画像を取得し、入力された入力画像に対して、画面の水平方向に2倍の解像度および時間方向に2倍の解像度の画像(以下、時時空間4倍密画像と称する)を創造して出力する。
【0483】
図30に示す画像処理装置においては、例えば、入力画像の一例であるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、水平倍密画像を構成する水平倍密画素のうち、水平方向に1つおきの画素が創造される。そして、水平方向に1つおきの画素からなる水平倍密画像から、水平倍密画像の全体が生成される。さらに、水平倍密画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、時空間4倍密画像を構成する画素である時空間4倍密画素のうち、1つおきのフレームが創造される。そして、1つおきのフレームからなる時空間4倍密画像から、時空間4倍密画像の全体が生成され、生成された時空間4倍密画像が出力されるようになっている。
【0484】
すなわち、この画像処理装置は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、クラス分類部103、係数メモリ104、予測タップ抽出部105、画素値予測部106、および画素値予測部107に加えて、クラスタップ抽出部351、特徴量検出部352、クラス分類部353、係数メモリ354、予測タップ抽出部355、画素値予測部356、および画素値予測部357から構成される。さらに、クラスタップ抽出部351には、注目画素選択部371が設けられている。
【0485】
画像処理装置に入力された、空間解像度の創造の対象となる入力画像は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、予測タップ抽出部105、および画素値予測部107に供給される。クラスタップ抽出部101乃至画素値予測部107は、上述した処理により、水平倍密画像を生成する。
【0486】
画素値予測部107は、クラスタップ抽出部351、特徴量検出部352、予測タップ抽出部355、および画素値予測部357に水平倍密画像を供給する。
【0487】
クラスタップ抽出部351の注目画素選択部371は、クラス分類適応処理により求めようとする時空間4倍密画像のフレームのうちの、1つおきのフレームの時空間4倍密画素の1つを、順次、注目画素とする。そして、クラスタップ抽出部351は、注目画素についてのクラス分類に用いるクラスタップを、水平倍密画像から抽出し、抽出したクラスタップを特徴量検出部352に出力する。すなわち、クラスタップ抽出部351は、例えば、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素を、入力された水平倍密画像から抽出することによりクラスタップとし、特徴量検出部352に出力する。
【0488】
特徴量検出部352は、クラスタップ抽出部351から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像から特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部353に供給する。
【0489】
例えば、特徴量検出部352は、クラスタップ抽出部351から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、水平倍密画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部353に供給する。また、例えば、特徴量検出部352は、クラスタップ抽出部351から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化(アクティビティ)を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部353に供給する。
【0490】
さらに、例えば、特徴量検出部352は、クラスタップ抽出部351から供給されたクラスタップまたは画素値予測部107から供給された水平倍密画像を基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部353に供給する。
【0491】
なお、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを採用することができる。
【0492】
特徴量検出部352は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部353に供給する。
【0493】
クラス分類部353は、特徴量検出部352からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その結果得られる注目画素のクラスに対応するクラスコードを、係数メモリ354と予測タップ抽出部355とに供給する。例えば、クラス分類部353は、クラスタップ抽出部351からのクラスタップを、1ビットADRC処理し、その結果得られるADRCコードを、クラスコードとする。
【0494】
ただし、クラス分類は、その他、例えば、クラスタップを構成する画素値を、ベクトルのコンポーネントとみなし、そのベクトルをベクトル量子化すること等によって行うことも可能である。また、クラス分類としては、1クラスのクラス分類を行うことも可能である。この場合、クラス分類部353は、どのようなクラスタップが供給されても、固定のクラスコードを出力するものとなる。
【0495】
また、例えば、クラス分類部353は、特徴量検出部352からの特徴量を、そのままクラスコードとする。さらに、例えば、クラス分類部353は、特徴量検出部352からの複数の特徴量を、直交変換して、得られた値をクラスコードとする。
【0496】
例えば、クラス分類部353は、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードを結合し(合成し)、最終的なクラスコードを生成して、最終的なクラスコードを係数メモリ354と予測タップ抽出部355とに供給する。
【0497】
なお、クラスタップを基にしたクラスコード、および特徴量を基にしたクラスコードのいずれか一方を、最終的なクラスコードとするようにしてもよい。
【0498】
係数メモリ354は、学習の教師となる、出力画像の一例である時空間4倍密画像の時空間4倍密画素である教師データと、学習の生徒となる、水平倍密画像の水平倍密画素の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ354は、クラス分類部353から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、画素値予測部356に供給する。なお、係数メモリ354に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0499】
予測タップ抽出部355は、クラス分類部353から供給されるクラスコードを基に、画素値予測部356において注目画素(の予測値)を求めるのに用いる予測タップを水平倍密画像から抽出し、抽出した予測タップを画素値予測部356に供給する。例えば、予測タップ抽出部355は、注目画素の位置から空間的または時間的に近い位置にある複数の画素値を、水平倍密画像から抽出することにより予測タップとし、画素値予測部356に供給する。
【0500】
なお、クラスタップとする画素値と、予測タップとする画素値とは、同一であっても、異なるものであってもよい。即ち、クラスタップと予測タップは、それぞれ独立に構成(生成)することが可能である。また、予測タップとする画素値は、クラス毎に異なるものであっても、同一であってもよい。
【0501】
画素値予測部356は、係数メモリ354から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部355からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、式(1)に示した積和演算を行うことにより、注目画素y(の予測値)を予測し、これを、時空間4倍密画素の画素値とする。画素値予測部356は、このように演算された画素値からなる時空間4倍密画像を画素値予測部357に供給する。
【0502】
なお、注目画素選択部371が時空間4倍密画像のフレームのうちの、1つおきのフレームの時空間4倍密画素を、順次、注目画素とするので、画素値予測部356は、注目画素とされた、1つおきのフレームの時空間4倍密画素のみを予測する。従って、1つおきのフレームからなる時空間4倍密画像、すなわち、出力しようとする時空間4倍密画像のフレームの半数のフレームからなる時空間4倍密画像が、画素値予測部357に供給される。
【0503】
このように、本発明に係る画像処理装置における適応処理では、水平倍密画像の画素値が、所定のタップ係数を用いてマッピング(写像)されることにより、時空間4倍密画像の1つおきのフレームの時空間4倍密画素に変換される。
【0504】
画素値予測部357は、画素値予測部356から供給された、1つおきのフレームからなる時空間4倍密画像、および水平倍密画像から、水平倍密画像が時間的に積分されていることに基づく、水平倍密画像と時空間4倍密画像との関係により、水平倍密画像に対して、時空間4倍密画像の残った時空間4倍密画素のフレームの画素値(画素値予測部356では予測されなかったフレームの画素値)を予測して、全てのフレームを含む時空間4倍密画像を出力する。
【0505】
例えば、画素値予測部357は、画素値予測部356から供給された、1つおきのフレームの時空間4倍密画素の画素値y4T (1)、および水平倍密画像の画素値yに、水平倍密画像が空間的に積分されていることに基づく、水平倍密画像と時空間4倍密画素との関係に対応した演算、すなわち、式(22)を適用して、2yからy4T (1)を引き算することにより、時空間4倍密画像の残った時空間4倍密画素(画素値予測部356では予測されなかったフレームの画素)の画素値y4T (2)を予測する。
【0506】
このように、図30に構成を示す画像処理装置は、入力画像に対応する時空間4倍密画像を創造して、出力することができる。図30に構成を示す画像処理装置は、クラス分類適応処理により、水平倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値を予測し、水平倍密画像の残りの画素の画素値を、入力画像が空間的に積分されることに基づく、より簡単な演算で予測し、クラス分類適応処理により、時空間4倍密画像のフレームのうちの半数のフレームの画素の画素値を予測し、時空間4倍密画像の残りのフレームの画素の画素値を、水平倍密画像が時間的に積分されていることに基づく、より簡単な演算で予測するので、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができる。図30に構成を示す画像処理装置においては、係数メモリ104に記憶されているタップ係数(の組)および係数メモリ354に記憶されているタップ係数(の組)の2つのタップ係数を基に、時空間4倍密画像を予測することができる。
【0507】
なお、図30に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、垂直方向に画素の数が2倍の垂直倍密画像を生成し、垂直倍密画像から、時空間4倍密画像を生成するようにしてもよいことは勿論である。
【0508】
次に、図31および図32のフローチャートを参照して、図30の画像処理装置が行う、SD画像から時空間4倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0509】
ステップS371乃至ステップS379の処理は、それぞれ、図11のステップS101乃至ステップS109の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0510】
ステップS379において、全画素の予測が終了したと判定された場合、画素値予測部107は、水平倍密画像をクラスタップ抽出部351、予測タップ抽出部355、および画素値予測部357に供給する。
【0511】
ステップS380において、クラスタップ抽出部351の注目画素選択部371は、創造しようとする時空間4倍密画像の注目している時空間4倍密画素である注目画素を選択する。注目画素選択部371は、創造しようとする時空間4倍密画像の時空間4倍密画素のうち、1つおきのフレームの時空間4倍密画素を注目画素として選択し、手続は、ステップS381に進む。
【0512】
ステップS381において、クラスタップ抽出部351は、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を水平倍密画像からクラスタップとして抽出して、クラスタップを生成する。クラスタップは、特徴量検出部352に供給され、手続は、ステップS382に進む。ステップS382において、特徴量検出部352は、ステップS377およびステップS378の処理において予測された水平倍密画像またはステップS381の処理において抽出されたクラスタップから特徴量を検出して、検出された特徴量をクラス分類部353に供給すると共に、クラスタップをクラス分類部353に供給して、ステップS383に進む。
【0513】
ステップS383において、クラス分類部353は、特徴量検出部352から供給される特徴量またはクラスタップに基づき、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに、注目画素についてクラス分類を行い、その結果得られる注目画素のクラスを表すクラスコードを、係数メモリ354および予測タップ抽出部355に供給して、ステップS384に進む。
【0514】
ステップS384において、予測タップ抽出部355は、クラス分類部353から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素の位置に空間的または時間的に近い複数の画素値を水平倍密画像から予測タップとして抽出して、予測タップを生成する。予測タップは、画素値予測部356に供給され、手続は、ステップS385に進む。
【0515】
ステップS385において、係数メモリ354は、クラス分類部353から供給されるクラスコードに対応するアドレスに記憶されている予測係数(タップ係数)を読み出し、これにより、注目画素のクラスの予測係数を取得して、予測係数を画素値予測部356に供給し、ステップS386に進む。
【0516】
ステップS386において、画素値予測部356は、適応処理により、注目画素(の予測値)を予測し、予測した注目画素を画素値予測部357に供給して、ステップS387に進む。即ち、ステップS386では、画素値予測部356は、予測タップ抽出部355からの予測タップと、係数メモリ354からの予測係数(タップ係数)とを用いて、式(1)に示した演算を行い、注目画素(の予測値)を予測する。
【0517】
ステップS387において、画素値予測部357は、水平倍密画像が時間的に積分されていることに基づいて、注目画素に対応する時空間4倍密画素の画素値を予測して、ステップS388に進む。すなわち、ステップS387では、画素値予測部357は、画素値予測部356からの予測された注目画素の画素値と、注目画素に対応する水平倍密画像の画素の画素値とを用いて、式(22)に示した演算を行い、注目画素に隣接する画素の画素値を予測する。言い換えれば、画素値予測部357は、注目画素と、注目画素の画素値、および注目画素に時間方向に隣接する時空間4倍密画素の画素値を含む水平倍密画素とから、水平倍密画像が時間的に積分されていること(時間混合)に基づいて、注目画素に隣接する時空間4倍密画素の画素値を予測する。
【0518】
ステップS388において、注目画素選択部371は、時空間4倍密画像の注目している1つおきのフレームの画素のうち、まだ、注目画素としていない画素が存在するかどうかを判定し、存在すると判定した場合、ステップS380に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0519】
また、ステップS388において、注目フレームの画素のうち、注目画素としていない画素が存在しないと判定された場合、即ち、注目フレームを構成するすべての時空間4倍密画素が、予測された場合、処理は終了する。
【0520】
このように、図30に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、時空間4倍密画像を生成して、生成した時空間4倍密画像を出力することができる。
【0521】
以上のように、本発明においては、クラス分類適応処理により、水平倍密画像の画素のうちの半数の画素の画素値が予測され、水平倍密画像の残りの画素の画素値が、入力画像が空間的に積分されることに基づく、より簡単な演算で予測され、クラス分類適応処理により、時空間4倍密画像のフレームのうちの半数のフレームの画素の画素値が予測され、時空間4倍密画像の残りのフレームの画素の画素値が、水平倍密画像が時間的に積分されていることに基づく、より簡単な演算で予測される。
【0522】
次に、図33は、図30の係数メモリ104に記憶させるクラスごとのタップ係数、および係数メモリ354に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0523】
図12に示す場合と同様の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0524】
図33の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)としての、例えば時空間4倍密画像が入力される。学習装置に入力された入力画像は、SD画像生成部381、フレーム間引画像生成部382、および教師画素抽出部389に供給される。
【0525】
SD画像生成部381は、入力された入力画像(教師画像)から、生徒画像であるSD画像を生成し、画像メモリ142に供給する。SD画像生成部381は、例えば、教師画像としての時空間4倍密画像の水平方向および時間方向に互いに隣接する4つの時空間4倍密画素(1つのフレームの水平方向に隣接する画素と、このフレームに連続するフレームの対応する位置の画素)の画素値の平均値を求めてSD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての時空間4倍密画像に対応した生徒画像としてのSD画像を生成する。ここで、SD画像は、図30の画像処理装置で処理対象となるSD画像に対応した画質のものとする必要がある。画像メモリ142は、SD画像生成部381からの生徒画像であるSD画像を一時記憶する。
【0526】
フレーム間引画像生成部382は、入力された入力画像(教師画像)から、フレームを間引いて、単位時間当たりのフレームの数がSD画像のフレームの数と同じである水平倍密画像を生成し、教師画素抽出部148および画像メモリ383に供給する。フレーム間引画像生成部382は、例えば、教師画像としての時空間4倍密画像の連続する2つのフレームの対応する位置の時空間4倍密画素の画素値の平均値を求めて水平倍密画像の画素値とすることにより、その教師画像としての時空間4倍密画像からフレームを間引いて、時空間4倍密画像に対応した水平倍密画像を生成する。
【0527】
ここで、水平倍密画像は、図30の画像処理装置で中間的に生成される水平倍密画像に対応した画質のものとする必要がある。画像メモリ383は、フレーム間引画像生成部382からの水平倍密画像を一時記憶する。
【0528】
フレーム間引画像生成部382により生成される水平倍密画像は、SD画像生成部381により生成されたSD画像に対する教師画像として使用されると共に、入力された時空間4倍密画像に対する生徒画像として使用される。
【0529】
図33に示す学習装置においては、フレーム間引画像生成部382により生成された水平倍密画像を教師データとし、SD画像生成部381により生成されたSD画像を生徒データとして、タップ係数が生成されるとともに、時空間4倍密画像を教師データとし、フレーム間引画像生成部382により生成された水平倍密画像を生徒データとして、タップ係数が生成される。
【0530】
教師画素抽出部148は、教師画像としての水平倍密画像から、注目画素を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部147に供給する。ここで、図30の画像処理装置で中間的に生成される水平倍密画像は、図33の学習装置で教師データとして用いられる水平倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0531】
正規方程式演算部150は、学習メモリ149から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより、すなわち、水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、タップ係数を求めて、クラスごとのタップ係数を係数メモリ392に供給する。
【0532】
クラスタップ抽出部384の注目画素選択部411は、図30のクラスタップ抽出部351の注目画素選択部371における場合と同様に、画像メモリ383に記憶された生徒画像としての水平倍密画像に対応する教師画像としての時空間4倍密画像に含まれる画素のうちの、1つおきのフレームの画素を、順次、注目画素とする。さらに、クラスタップ抽出部384は、注目画素についてのクラスタップを、画像メモリ383に記憶された水平倍密画像から抽出し、特徴量検出部385に供給する。ここで、クラスタップ抽出部384は、図30のクラスタップ抽出部351が生成するのと同一のタップ構造のクラスタップを生成する。
【0533】
特徴量検出部385は、図30の特徴量検出部352と同様の処理で、画像メモリ383に記憶されている生徒画像としての水平倍密画像またはクラスタップ抽出部384から供給されたクラスタップから特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部386に供給する。
【0534】
例えば、特徴量検出部385は、画像メモリ383に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部384から供給されたクラスタップを基に、水平倍密画像の画素の動きベクトルを検出して、検出した動きベクトルを特徴量としてクラス分類部386に供給する。また、例えば、特徴量検出部385は、画像メモリ383に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部384から供給されたクラスタップを基に、水平倍密画像またはクラスタップの複数の画素の画素値の空間的または時間的な変化を検出して、検出した画素値の変化を特徴量としてクラス分類部386に供給する。
【0535】
さらに、例えば、特徴量検出部385は、画像メモリ383に記憶されている水平倍密画像またはクラスタップ抽出部384から供給されたクラスタップを基に、クラスタップまたは水平倍密画像の複数の画素の画素値の空間的な変化の傾きを検出して、検出した画素値の変化の傾きを特徴量としてクラス分類部386に供給する。
【0536】
なお、特徴量検出部385は、特徴量検出部352と同様に、特徴量として、画素値の、ラプラシアン、ソーベル、または分散などを求めることができる。
【0537】
すなわち、特徴量検出部385は、図30の特徴量検出部352と同一の特徴量を検出する。
【0538】
特徴量検出部385は、特徴量とは別に、クラスタップをクラス分類部386に供給する。
【0539】
クラス分類部386は、図30のクラス分類部353と同様に構成され、特徴量検出部385からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部387および学習メモリ390に供給する。
【0540】
予測タップ抽出部387は、図30の予測タップ抽出部355と同様に構成され、クラス分類部386から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ383に記憶された水平倍密画像から抽出し、足し込み演算部388に供給する。ここで、予測タップ抽出部387は、図30の予測タップ抽出部355が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0541】
教師画素抽出部389は、教師画像である入力画像(時空間4倍密画像)から、注目画素を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部388に供給する。即ち、教師画素抽出部389は、入力された学習用の画像である時空間4倍密画像を、例えば、そのまま教師データとする。ここで、図30の画像処理装置で得られる時空間4倍密画像は、図33の学習装置で教師データとして用いられる時空間4倍密画像の画質に対応したものとなる。
【0542】
足し込み演算部388および正規方程式演算部391は、注目画素となっている教師データと、予測タップ抽出部387から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部386から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0543】
即ち、足し込み演算部388は、予測タップ抽出部387から供給される予測タップ(水平倍密画素)と、注目画素となっている教師データである時空間4倍密画素とを対象とした、式(8)の足し込みを行う。
【0544】
具体的には、足し込み演算部388は、予測タップを構成する生徒データとしての水平倍密画素xn,kを用い、式(8)の左辺の行列における水平倍密画素どうしの乗算(xn,kn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0545】
さらに、足し込み演算部388は、予測タップを構成する生徒データとしての水平倍密画素xn,kと、注目画素となっている教師データである時空間4倍密画素ykを用い、式(8)の右辺のベクトルにおける水平倍密画素xn,kおよび時空間4倍密画素ykの乗算(xn,kk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0546】
足し込み演算部388は、教師データとしての時空間4倍密画像の画素すべてを注目画素として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(8)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ390に供給する。
【0547】
学習メモリ390は、足し込み演算部388から供給された、生徒データとして水平倍密画素、教師データとして時空間4倍密画素が設定された、式(8)に対応した正規方程式を記憶する。
【0548】
正規方程式演算部391は、学習メモリ390から、各クラスについての式(8)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより、すなわち、時空間4倍密画像の時空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより、タップ係数を求めて、クラスごとのタップ係数を係数メモリ392に供給する。
【0549】
係数メモリ392は、正規方程式演算部150から供給された、水平倍密画像の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数、および正規方程式演算部391から供給された、時空間4倍密画像の時空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数をそれぞれ記憶する。
【0550】
次に、図34および図35のフローチャートを参照して、図33の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0551】
ステップS401において、SD画像生成部381は、教師画像である入力された入力画像から、生徒画像であるSD画像を生成し、画像メモリ142に供給し、ステップS402に進む。SD画像生成部381は、例えば、教師画像としての時空間4倍密画像の水平方向および時間方向に互いに隣接する4つの時空間4倍密画素(1つのフレームの水平方向に隣接する画素と、このフレームに連続するフレームの対応する位置の画素)から、1つの時空間4倍密画素の画素値を抽出してSD画像の画素値とすることにより、その教師画像としての時空間4倍密画像に対応した生徒画像としてのSD画像を生成する。
【0552】
ステップS402において、フレーム間引画像生成部382は、教師画像である入力された入力画像から、1つおきのフレームを間引いて、水平倍密画像であるフレーム間引画像を生成し、教師画素抽出部148および画像メモリ383に供給し、ステップS403に進む。フレーム間引画像生成部382は、例えば、教師画像としての時空間4倍密画像の連続する2つのフレームの対応する位置の時空間4倍密画素から、1つの時空間4倍密画素の画素値を抽出して水平倍密画像の画素値とすることにより、その教師画像としての時空間4倍密画像に対応した水平倍密画像であるフレーム間引画像を生成する。
【0553】
ステップS403乃至ステップS413の処理は、それぞれ、図13のステップS142乃至ステップS152の処理と同様なので、その説明は省略する。なお、ステップS403乃至ステップS413の処理においては、ステップS401の処理において生成されたSD画像が生徒画像とされ、ステップS402の処理において生成された水平倍密画像であるフレーム間引画像が教師画像とされる。また、ステップS412において、係数メモリ392が、正規方程式演算部150から供給された、タップ係数を記憶する。
【0554】
ステップS414において、クラスタップ抽出部384の注目画素選択部411は、教師データとしての時空間4倍密画像の時空間4倍密画素であって、1つおきのフレームの時空間4倍密画素の中から、まだ注目画素としていないもののうちの1つを注目画素として選択し、手続は、ステップS415に進む。
【0555】
ステップS415において、クラスタップ抽出部384は、図30のクラスタップ抽出部351における場合と同様に、注目画素に対応するクラスタップを、画像メモリ383に記憶されている生徒画像としての水平倍密画像であるフレーム間引画像から抽出する。クラスタップ抽出部384は、クラスタップを特徴量検出部385に供給して、ステップS416に進む。
【0556】
ステップS416において、特徴量検出部385は、図30の特徴量検出部352における場合と同様に、ステップS402の処理において生成された生徒画像としての水平倍密画像であるフレーム間引画像またはステップS415の処理において抽出されたクラスタップから、例えば、動きベクトル、または水平倍密画像の画素の画素値の変化などの特徴量を検出して、検出した特徴量をクラス分類部386に供給し、ステップS417に進む。
【0557】
ステップS417では、クラス分類部386が、図30のクラス分類部353における場合と同様にして、特徴量検出部385からの特徴量またはクラスタップを用いて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、その注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部387および学習メモリ390に供給して、ステップS418に進む。
【0558】
ステップS418において、予測タップ抽出部387は、クラス分類部386から供給されるクラスコードに基づいて、図30の予測タップ抽出部355における場合と同様に、注目画素に対応する予測タップを、画像メモリ383に記憶されている生徒画像としての水平倍密画像であるフレーム間引画像から抽出し、足し込み演算部388に供給して、ステップS419に進む。
【0559】
ステップS419において、教師画素抽出部389は、注目画素、すなわち時空間4倍密画素である教師画素(教師データ)を入力画像から抽出し、抽出した教師画素を足し込み演算部388に供給し、ステップS420に進む。
【0560】
ステップS420では、足し込み演算部388が、予測タップ抽出部387から供給される予測タップ(生徒データ)、および教師画素抽出部389から供給される教師画素(教師データ)を対象とした、上述した式(8)における足し込みを行い、生徒データおよび教師データが足し込まれた正規方程式を学習メモリ390に記憶させ、ステップS421に進む。
【0561】
そして、ステップS421では、注目画素選択部411は、教師データとしての時空間4倍密画像の時空間4倍密画素のうちの1つおきのフレームの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS421において、教師データとしての時空間4倍密画像の時空間4倍密画素のうちの1つおきのフレームの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS414に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0562】
また、ステップS421において、教師データとしての時空間4倍密画像の時空間4倍密画素のうちの1つおきのフレームの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS422に進み、正規方程式演算部391は、いままでのステップS420における足し込みによって、クラスごとに得られた式(8)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ390から読み出し、読み出した式(8)の正規方程式を掃き出し法などで解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスの予測係数(タップ係数)を求め、係数メモリ392に供給する、ステップS423に進む。
【0563】
ステップS423において、係数メモリ392は、正規方程式演算部391から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS424に進む。
【0564】
ステップS424において、正規方程式演算部391は、全クラスの予測係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスの予測係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS422に戻り、次のクラスの予測係数を求める処理を繰り返す。
【0565】
ステップS424において、全クラスの予測係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0566】
以上のようにして、係数メモリ392に記憶された、水平倍密画像(フレーム間引画像)の水平倍密画素である教師データと、SD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られた、クラスごとの予測係数が、図30の画像処理装置における係数メモリ104に記憶され、時空間4倍密画像の時空間4倍密画素である教師データと、水平倍密画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られた、クラスごとの予測係数が、図30の画像処理装置における係数メモリ354に記憶されている。
【0567】
入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、中間画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである第1の対応画素に空間的に含まれる第1の注目画素であって、第1の対応画素と第1の注目画素とから、第1の対応画素に含まれる中間画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、中間画像データ内の第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、第1の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、第1の注目画素の第1の特徴量を検出し、検出された第1の特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から第1の注目画素を予測する第1の予測手段を学習し、中間画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、中間画像データ内の画素のうちの1つである第2の対応画素に時間的に含まれる第2の注目画素であって、第2の対応画素と第2の注目画素とから、第2の対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の第2の注目画素に対応する、中間画像データ内の複数の第3の周辺画素を抽出し、第2の注目画素に対応する、中間画像データ内の複数の第4の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第3の周辺画素に基づいて、第2の注目画素の第2の特徴量を検出し、検出された第2の特徴量毎に、抽出された複数の第4の周辺画素から第2の注目画素を予測する第2の予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0568】
図36は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図5に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0569】
図36に構成を示す画像処理装置は、入力画像を取得し、入力された入力画像に対して、水平倍密画像を創造して出力する。
【0570】
図36で示される画像処理装置においては、例えば、入力画像の一例であるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値からなる差分画像が創造される。そして、差分画像から、水平倍密画像が生成され、生成された水平倍密画像が出力されるようになっている。
【0571】
すなわち、この画像処理装置においては、図5で示される係数メモリ104、画素値予測部106、および画素値予測部107に代えて、係数メモリ501、差分予測部502、および画素値予測部503が設けられている。
【0572】
画像処理装置に入力された、空間解像度の創造の対象となる入力画像は、クラスタップ抽出部101、特徴量検出部102、予測タップ抽出部105、および画素値予測部503に供給される。
【0573】
係数メモリ501は、学習の教師となる、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、入力画像の一例であるSD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ501は、クラス分類部103から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分予測部502に供給する。なお、係数メモリ501に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0574】
差分予測部502は、係数メモリ501から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部105からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、積和演算を行うことにより、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値(の予測値)を予測し、これを、差分画像の画素の画素値とする。差分予測部502は、このように演算された差分値からなる差分画像を画素値予測部503に供給する。
【0575】
このタップ係数を用いてのマッピング方法として、例えば、線形1次結合モデルを採用することとすると、差分画像の画素値である差分値dは、差分値dを予測するための予測タップとして入力画像から抽出される複数の画素値xと、タップ係数wとを用いて、式(27)の線形1次式(線形結合)によって求められる。
【数19】
Figure 0004333161
・・・(27)
【0576】
但し、式(27)において、xnは、差分画像の差分値dについての予測タップを構成する、n番目の入力画像の画素値を表し、wnは、n番目の画素値と乗算されるn番目のタップ係数を表す。なお、式(27)では、予測タップが、N個の画素値x1,x2,・・・,xNで構成されるものとしてある。
【0577】
ここで、差分画像の差分値dは、式(27)に示した線形1次式ではなく、2次以上の高次の式によって求めるようにすることも可能である。
【0578】
画素値予測部503は、差分予測部502から供給された、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値からなる差分画像、および入力画像の一例であるSD画像から、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画像との関係により、水平倍密画像の水平倍密画素の画素値を予測して、予測された水平倍密画像を出力する。
【0579】
図37は、図36で示される画像処理装置に入力されるSD画像と、差分予測部502によって生成される差分画像と、画像処理装置から出力される水平倍密画像との関係を説明する図である。
【0580】
図37において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印が水平倍密画像を構成する水平倍密画素を表している。図37では、水平倍密画像は、水平方向の画素数が、SD画像の2倍の画像になっている。水平倍密画像における、垂直方向の画素数は、SD画像と同じである。
【0581】
また、図37において、△印は、水平倍密画像に対応する差分画像を構成する差分値を表す。なお、図37において、SD画素x(1)乃至SD画素x(9)は、注目画素y(1)についてのクラスタップを構成する画素の一例である。
【0582】
図37において、水平倍密画像の注目画素をy(1)で表し、水平倍密画像の注目画素y(1)に対応する注目している差分値をd(1)で表す。図37において、注目している差分値d(1)に対応する、注目画素y(1)に空間方向に隣接する、水平倍密画像の水平倍密画素をy(2)と表す。
【0583】
すなわち、水平倍密画像の注目している差分値d(1)は、水平倍密画像の注目画素の画素値y(1)と、注目画素y(1)に水平方向に隣接する水平倍密画素の画素値y(2)との差分値である。水平倍密画像の注目している差分値d(1)、並びに水平倍密画像の画素値y(1)および画素値y(2)の間には、式(28)で示される関係がある。
d(1)=y(2)-y(1) ・・・(28)
【0584】
図37において、水平倍密画素の画素値y(1)および画素値y(2)が空間的に含まれる、SD画素をx(5)で表す。すなわち、図10(式(12))を参照して説明したように、SD画素の画素値x(5)、並びに水平倍密画素の画素値y(1)および画素値y(2)の間には、式(29)で示される関係がある。
x(5)=(y(1)+y(2))/2 ・・・(29)
【0585】
式(29)を、y(1)について変形すると、式(30)が得られる。
(1)=2x(5)-y(2) ・・・(30)
【0586】
式(28)から、y(2)は、式(31)で表すことができる。
(2)=d(1)+y(1) ・・・(31)
【0587】
式(31)を式(30)の右辺に代入すると、式(32)で示されるように、y(1)は、x(5)およびd(1)から算出できることがわかる。
(1)=(2x(5)-d(1))/2 ・・・(32)
【0588】
同様に、式(33)で示されるように、y(2)は、x(5)およびd(1)から算出できる。
(2)=(2x(5)+d(1))/2 ・・・(33)
【0589】
画素値予測部503は、SD画像が空間的に積分されていることに基づき、差分値d(1)および画素値x(5)に、式(32)で示される演算を適用して、注目画素の画素値y(1)を求め、差分値d(1)および画素値x(5)に、式(33)で示される演算を適用して、注目画素に水平方向(空間方向)に隣接する水平倍密画素の画素値y(2)を求めることにより、水平倍密画像を予測して、予測した水平倍密画像を出力する。
【0590】
すなわち、差分予測部502は、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、空間方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値を予測し、画素値予測部503は、2つの水平倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、差分値から2つの水平倍密画素の画素値を予測する。
【0591】
このように、図36に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、水平倍密画像を生成して出力することができる。
【0592】
次に、図38のフローチャートを参照して、図36の画像処理装置が行う、SD画像から水平倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0593】
ステップS501乃至ステップS505の処理は、それぞれ、図11のステップS101乃至ステップS105の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0594】
ステップS506において、係数メモリ501は、クラス分類部103から供給された注目画素のクラスコードに基づき、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、差分予測部502に供給し、ステップS507に進む。
【0595】
ステップS507において、差分予測部502は、係数メモリ501から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部105からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、式(27)に示した積和演算を行うことにより、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値(の予測値)を予測し、ステップS508に進む。差分予測部502は、このように予測された差分値からなる差分画像を画素値予測部503に供給する。例えば、ステップS507において、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、空間方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値が予測される。
【0596】
ステップS508において、画素値予測部503は、差分予測部502から供給された、水平倍密画像における水平方向に隣接する2つの水平倍密画素の画素値の差分値からなる差分画像、および入力画像の一例であるSD画像から、SD画像が空間的に積分されることに基づく、SD画像と水平倍密画像との関係により、水平倍密画像の水平倍密画素の画素値を予測して、ステップS509に進む。例えば、画素値予測部503は、SD画像が空間的に積分されていることに基づき、注目画素に対応する差分値d、および注目画素に対応するSD画像の画素の画素値xに、式(32)で示される演算を適用して、注目画素の画素値yを求め、差分値dおよび画素値xに、式(33)で示される演算を適用して、注目画素に水平方向(空間方向)に隣接する水平倍密画素の画素値yを求めることにより、水平倍密画像を予測する。すなわち、例えば、ステップS508において、2つの水平倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、2つの水平倍密画素の画素値の差分値から2つの水平倍密画素の画素値が予測される。
【0597】
ステップS509の処理は、図11のステップS109と同様の処理なので、その説明は省略する。
【0598】
以上のように、図36に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、水平倍密画像を生成して出力することができる。
【0599】
次に、図39は、図36の係数メモリ501に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0600】
図12に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0601】
図39の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)の元になる、例えば水平倍密画像が入力される。学習装置に入力された入力画像は、SD画像生成部141および差分画像生成部541に供給される。
【0602】
差分画像生成部541は、入力画像である水平倍密画像から、教師画像である差分画像を生成し、生成した差分画像を教師画素抽出部543に供給する。すなわち、差分画像生成部541は、左右に隣り合う2つの水平倍密画素からなる組の1つに、水平倍密画像のそれぞれの水平倍密画素を振り分けて、その組毎に画素値の差を算出して、差分値とし、例えば、図37において△印で示される差分値からなる、教師画像である差分画像を生成する。差分画像生成部541で生成される差分画像の差分値の数は、水平倍密画像の水平倍密画素の数の半分になる。
【0603】
図39に示す注目画素選択部161は、入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択する。
【0604】
クラス分類部145は、図36のクラス分類部103と同様に構成され、特徴量検出部144からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部146および学習メモリ544に供給する。
【0605】
予測タップ抽出部146は、図36の予測タップ抽出部105と同様に構成され、クラス分類部145から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ142に記憶されたSD画像から抽出し、足し込み演算部542に供給する。ここで、予測タップ抽出部146は、図36の予測タップ抽出部105が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0606】
教師画素抽出部543は、差分画像生成部541から供給された教師画像である差分画像から、注目画素に対応する差分値を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部542に供給する。すなわち、教師画素抽出部543は、注目画素に空間的に隣接する水平倍密画素であって、注目画素の画素値とその隣接する水平倍密画素の画素値との和が1つのSD画素の画素値に等しい水平倍密画素について、その水平倍密画素の画素値と注目画素の画素値との差分値を教師データして足し込み演算部542に供給する。
【0607】
足し込み演算部542および正規方程式演算部545は、差分値である教師データと、予測タップ抽出部146から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部145から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0608】
即ち、足し込み演算部542は、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(SD画素)と、教師画素抽出部543から供給される教師データである差分値とを対象とした、式(34)の足し込みを行う。
【数20】
Figure 0004333161
・・・(34)
【0609】
具体的には、足し込み演算部542は、予測タップを構成する生徒データとしての画素値xn,kを用い、式(34)の左辺の行列における画素値どうしの乗算(xn,kxn',k)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0610】
さらに、足し込み演算部542は、予測タップを構成する生徒データとしての画素値xn,kと、教師データである差分値dkを用い、式(34)の右辺のベクトルにおける画素値xn,kおよび差分値dkの乗算(xn,kdk)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0611】
足し込み演算部542は、教師データとしての、水平倍密画像の注目画素に対応する差分画像の差分値すべてを注目している差分値として、上述の足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(34)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ544に供給する。
【0612】
なお、画素値yを差分値dに置き換えることにより、式(1)乃至式(7)から式(8)を導く場合と同様に、式(34)を導くことができ、その説明は省略する。
【0613】
学習メモリ544は、足し込み演算部542から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして差分値が設定された、式(34)に対応した正規方程式を記憶する。
【0614】
正規方程式演算部545は、学習メモリ544から、各クラスについての式(34)の正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて係数メモリ546に出力する。
【0615】
すなわち、足し込み演算部542および正規方程式演算部545は、検出された特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段を学習する。
【0616】
係数メモリ546は、正規方程式演算部545が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0617】
次に、図40のフローチャートを参照して、図39の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0618】
ステップS541の処理は、図13のステップS141の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0619】
ステップS542において、差分画像生成部541は、入力画像である水平倍密画像から、教師画像である差分画像を生成して、処理はステップS543に進む。差分画像生成部541は、生成した差分画像を教師画素抽出部543に供給する。
【0620】
例えば、差分画像生成部541は、左右に隣り合う2つの水平倍密画素からなる組の1つに、水平倍密画像のそれぞれの水平倍密画素を振り分けて、その組毎に画素値の差を算出して、差分値とし、差分値からなる、教師画像である差分画像を生成する。
【0621】
ステップS543乃至ステップS547の処理は、図13のステップS142乃至ステップS146の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0622】
なお、ステップS543においては、入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものが選択される。
【0623】
ステップS548において、教師画素抽出部543は、差分画像生成部541から供給された差分画像から、注目画素に対応する差分値を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部542に供給し、ステップS549に進む。
【0624】
ステップS549において、足し込み演算部542は、予測タップ抽出部146から供給される予測タップ(SD画素)と、教師画素抽出部543から供給される教師データである差分値とを対象とした足し込みの演算を行い、ステップS550に進む。例えば、足し込み演算部542は、生徒データとしての、SD画素からなる予測タップ、および教師データとしての、水平倍密画像の注目画素に対応する差分画像の差分値に対して、足し込みを行うことにより、各クラスについて、式(34)に対応した正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ544に記憶させる。
【0625】
ステップS550において、注目画素選択部161は、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS550において、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS543に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0626】
また、ステップS550において、教師データとしての水平倍密画像の水平倍密画素のうちの水平方向に1つおきの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS551に進み、正規方程式演算部545は、いままでのステップS549における足し込みによって、クラスごとに得られた式(34)の正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ544から読み出し、読み出した式(34)の正規方程式を掃き出し法などで解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスの予測係数(タップ係数)を求め、係数メモリ546に供給して、ステップS552に進む。
【0627】
すなわち、ステップS549およびステップS551において、検出された特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段が学習される。
【0628】
ステップS552において、係数メモリ546は、正規方程式演算部545から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS553に進む。
【0629】
ステップS553において、正規方程式演算部545は、全クラスの予測係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスの予測係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS551に戻り、次のクラスの予測係数を求める処理を繰り返す。
【0630】
ステップS553において、全クラスの予測係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0631】
以上のようにして、係数メモリ546に記憶されたクラスごとの予測係数が、図36の画像処理装置における係数メモリ501に記憶されている。
【0632】
入力画像データの画素よりも空間積分面積が小さい、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に空間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0633】
図41は、本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。図16に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0634】
図41に示す画像処理装置においては、例えば、1秒間当たり30フレームからなるSD画像が入力され、入力されたSD画像に対して、クラス分類適応処理が施されることにより、1秒間あたり60フレームからなる時間倍密画像を構成する時間倍密画素について、時間方向に隣接する2つのフレームの対応する位置の時間倍密画素の画素値の差分値(時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値)が創造される。この場合の時間倍密画像の時間方向に隣接する2つのフレームは、SD画像の1つのフレームに対応している。
【0635】
そして、創造された差分値から、時間倍密画像が生成され、生成された時間倍密画像が出力されるようになっている。
【0636】
すなわち、この画像処理装置においては、図16で示される係数メモリ214、画素値予測部216、および画素値予測部217に代えて、係数メモリ601、フレーム差分予測部602、および画素値予測部603が設けられている。
【0637】
画像処理装置に入力された、空間解像度の創造の対象となる入力画像は、クラスタップ抽出部211、特徴量検出部212、予測タップ抽出部215、および画素値予測部603に供給される。
【0638】
係数メモリ601は、学習の教師となる、時間倍密画像における時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値である教師データと、学習の生徒となる、入力画像の一例であるSD画像の画素値である生徒データとの関係を、1以上のクラスごとに学習することにより得られたタップ係数を記憶している。そして、係数メモリ601は、クラス分類部213から注目画素のクラスコードが供給されると、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、フレーム差分予測部602に供給する。なお、係数メモリ601に記憶されるタップ係数の学習方法についての詳細は、後述する。
【0639】
フレーム差分予測部602は、係数メモリ601から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部215からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、積和演算を行うことにより、時間倍密画像における時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値(の予測値)を予測し、これを、フレーム差分画像の画素の画素値とする。フレーム差分予測部602は、このように演算された差分値からなるフレーム差分画像を画素値予測部603に供給する。
【0640】
フレーム差分予測部602における、マッピング方法は、差分予測部502における場合と同様なので、その説明は省略する。なお、差分予測部502においては、空間方向に隣接する画素の画素値の差分値が得られるのに対して、フレーム差分予測部602においては、時間方向に隣接する画素の画素値の差分値が得られる。
【0641】
画素値予測部603は、フレーム差分予測部602から供給された、時間倍密画像における時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値からなるフレーム差分画像、および入力画像の一例であるSD画像から、SD画像が時間的に積分されることに基づく、SD画像と時間倍密画像との関係により、時間倍密画像の時間倍密画素の画素値を予測して、予測された時間倍密画像を出力する。
【0642】
図42は、図41で示される画像処理装置に入力されるSD画像と、フレーム差分予測部602によって生成されるフレーム差分画像と、画像処理装置から出力される時間倍密画像との関係を説明する図である。
【0643】
図42は、注目画素およびクラスタップを説明する図である。図42において、図の横方向は、SD画像および時間倍密画像の時間方向に対応し、図の縦方向は、SD画像および時間倍密画像の一方の空間方向、例えば、画面の縦方向である空間方向Yに対応する。なお、図42において、過去の時刻が、図中の左側の位置に対応し、未来の時刻が、図中の右側の位置に対応する。
【0644】
ここで、図42において、○印がSD画像を構成するSD画素を表し、×印が時間倍密画像を構成する時間倍密画素を表している。また、図42では、時間倍密画像は、SD画像に対して、時間方向に2倍の数のフレームを配置した画像になっている。例えば、1秒間に30フレームからなるSD画像に対して、時間倍密画像は、1秒間に60フレームからなる。なお、時間倍密画像の1つのフレームに配置されている画素の数は、SD画像の1つのフレームに配置されている画素の数と同じである。
【0645】
図42において、f-2,f-1,f0,f1,f2は、SD画像のフレームを示し、F-4,F-3,F-2,F-1,F0,F1,F2,F3,F4,F5は、時間倍密画像のフレームを示す。
【0646】
図42において、時間倍密画像の注目しているフ注目フレームをF0と表し、時間倍密画像の注目している1つの時間倍密画素を、y(1)と表す。時間倍密画像のフレームのうち、F-4,F-2,F0,F2,F4,・・・のように、例えば、SD画像のフレームの前のフレームが注目フレームとされ、注目フレームの画素が順次注目画素として選択される。
【0647】
クラスタップ抽出部211は、注目画素について、例えば、図42に点線の四角で囲んで示すように、その注目画素の位置から近い横×縦が3×3個の画素をSD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0648】
図42において、クラスタップを構成する3×3個のSD画像の画素のうちの、フレームf-1の第1行、フレームf0の第1行、フレームf1の第1行、フレームf-1の第2行、フレームf0の第2行、フレームf1の第2行、フレームf-1の第3行、フレームf0の第3行、フレームf1の第3行の画素の画素値を、それぞれx(1),x(2),x(3),x(4),x(5),x(6),x(7),x(8),x(9)と表す。例えば、クラスタップ抽出部211は、注目画素y(1)について、図42に示す、3×3個の画素の画素値x(1)乃至x(9)を、SD画像から抽出することによりクラスタップとする。
【0649】
また、図42において、△印は、時間倍密画像に対応するフレーム差分画像を構成する差分値を表す。
【0650】
図42において、時間倍密画像の注目画素y(1)に対応する注目している差分値をd(1)で表す。図42において、注目している差分値d(1)に対応する、注目画素y(1)に時間方向に隣接する、時間倍密画像の時間倍密画素をy(2)と表す。
【0651】
すなわち、時間倍密画像の注目している差分値d(1)は、時間倍密画像の注目画素の画素値y(1)と、注目画素y(1)に時間方向に隣接する時間倍密画素の画素値y(2)との差分値である。時間倍密画像の注目している差分値d(1)、並びに時間倍密画像の画素値y(1)および画素値y(2)の間には、式(35)で示される関係がある。
d(1)=y(2)-y(1) ・・・(35)
【0652】
図42において、時間倍密画素の画素値y(1)および画素値y(2)が空間的に含まれる、SD画素をx(5)で表す。すなわち、図18を参照して説明したように、SD画素の画素値x(5)、並びに時間倍密画素の画素値y(1)および画素値y(2)の間には、式(21)で示される関係がある。
【0653】
式(21)を、y(2)について変形すると、式(36)が得られる。
(1)=2x(5)-y(2) ・・(36)
【0654】
式(35)から、y(2)は、式(37)で表すことができる。
(2)=d(1)+y(1) ・・・(37)
【0655】
式(37)を式(36)の右辺に代入すると、式(38)で示されるように、y(1)は、x(5)およびd(1)から算出できることがわかる。
(1)=(2x(5)-d(1))/2 ・・・(38)
【0656】
同様に、式(39)で示されるように、y(2)は、x(5)およびd(1)から算出できる。
(2)=(2x(5)+d(1))/2 ・・・(39)
【0657】
画素値予測部603は、SD画像が時間的に積分されていることに基づき、差分値d(1)および画素値x(5)に、式(38)で示される演算を適用して、注目画素の画素値y(1)を求め、差分値d(1)および画素値x(5)に、式(39)で示される演算を適用して、注目画素に時間方向(時間方向)に隣接する時間倍密画素の画素値y(2)を求めることにより、時間倍密画像を予測して、予測した時間倍密画像を出力する。
【0658】
すなわち、フレーム差分予測部602は、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値を予測し、画素値予測部603は、2つの時間倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、差分値から2つの時間倍密画素の画素値を予測する。
【0659】
このように、図41に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、時間倍密画像を生成して出力することができる。
【0660】
次に、図43のフローチャートを参照して、図41の画像処理装置が行う、SD画像から時間倍密画像を創造する画像創造処理について説明する。
【0661】
ステップS601乃至ステップS605の処理は、それぞれ、図19のステップS211乃至ステップS215の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0662】
ステップS606において、係数メモリ601は、クラス分類部213から供給された注目画素のクラスコードに基づき、そのクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を読み出すことにより、注目画素のクラスのタップ係数を取得し、フレーム差分予測部602に供給し、ステップS607に進む。
【0663】
ステップS607において、フレーム差分予測部602は、係数メモリ601から供給される、注目画素のクラスについてのタップ係数w1,w2,・・・と、予測タップ抽出部215からの予測タップ(を構成する画素値)x1,x2,・・・とを用いて、積和演算を行うことにより、時間倍密画像における時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値(の予測値)を予測し、ステップS608に進む。フレーム差分予測部602は、このように予測された差分値からなるフレーム差分画像を画素値予測部603に供給する。ステップS607において、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値が予測される。
【0664】
ステップS608において、画素値予測部603は、フレーム差分予測部602から供給された、時間倍密画像における時間方向に隣接する2つの時間倍密画素の画素値の差分値からなるフレーム差分画像、および入力画像の一例であるSD画像から、SD画像が時間的に積分されること(時間混合)に基づく、SD画像と時間倍密画像との関係により、時間倍密画像の時間倍密画素の画素値を予測して、ステップS609に進む。
【0665】
例えば、画素値予測部603は、SD画像が空間的に積分されていることに基づき、注目画素に対応する差分値d、および注目画素に対応するSD画像の画素の画素値xに、式(38)で示される演算を適用して、注目画素の画素値yを求め、差分値dおよび画素値xに、式(39)で示される演算を適用して、注目画素に時間方向に隣接する時間倍密画素の画素値yを求めることにより、時間倍密画像を予測する。すなわち、例えば、ステップS608において、2つの時間倍密画素の画素値を加算した値が1つのSD画素の画素値に等しいことを利用して、2つの時間倍密画素の画素値の差分値から2つの時間倍密画素の画素値が予測される。
【0666】
ステップS609の処理は、図19のステップS219と同様の処理なので、その説明は省略する。
【0667】
以上のように、図41に構成を示す画像処理装置は、入力画像から、時間倍密画像を生成して出力することができる。
【0668】
次に、図44は、図41の係数メモリ601に記憶させるクラスごとのタップ係数を求める学習を行う学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0669】
図20に示す場合と同様に部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0670】
図44の学習装置には、タップ係数の学習用の画像(教師画像)の元になる、例えば時間倍密画像が入力される。学習装置に入力された入力画像は、SD画像生成部241およびフレーム差分画像生成部641に供給される。
【0671】
フレーム差分画像生成部641は、入力画像である時間倍密画像から、教師画像であるフレーム差分画像を生成し、生成したフレーム差分画像を教師画素抽出部643に供給する。すなわち、フレーム差分画像生成部641は、時間的に隣り合う2つの時間倍密画素からなる組の1つに、時間倍密画像のそれぞれの時間倍密画素を振り分けて、その組毎に画素値の差を算出して、差分値とし、例えば、図42において△印で示される差分値からなる、教師画像であるフレーム差分画像を生成する。フレーム差分画像生成部641は、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、2つの時間倍密画素の画素値の差分を算出する。
【0672】
フレーム差分画像生成部641で生成されるフレーム差分画像のフレームの数は、時間倍密画像のフレームの数の半分になる。
【0673】
図44の注目画素選択部261は、入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択する。
【0674】
図44の注目画素選択部261は、入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択する。
【0675】
クラス分類部245は、図41のクラス分類部213と同様に構成され、特徴量検出部212からの特徴量またはクラスタップに基づいて、1以上のクラスのうちのいずれかのクラスに注目画素をクラス分類し、注目画素のクラスを表すクラスコードを、予測タップ抽出部246および学習メモリ644に供給する。
【0676】
予測タップ抽出部246は、図41の予測タップ抽出部215と同様に構成され、クラス分類部245から供給されたクラスコードに基づいて、注目画素についての予測タップを、画像メモリ242に記憶されたSD画像から抽出し、足し込み演算部642に供給する。ここで、予測タップ抽出部246は、図41の予測タップ抽出部215が生成するのと同一のタップ構造の予測タップを生成する。
【0677】
教師画素抽出部643は、フレーム差分画像生成部641から供給された教師画像であるフレーム差分画像から、注目画素に対応する差分値を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部642に供給する。すなわち、教師画素抽出部643は、注目画素に時間的に隣接する時間倍密画素であって、注目画素の画素値とその隣接する時間倍密画素の画素値との和が1つのSD画素の画素値に等しい時間倍密画素について、その時間倍密画素の画素値と注目画素の画素値との差分値を教師データして足し込み演算部642に供給する。
【0678】
足し込み演算部642および正規方程式演算部645は、差分値である教師データと、予測タップ抽出部246から供給される予測タップとを用い、教師データと生徒データとの関係を、クラス分類部245から供給されるクラスコードで示されるクラスごとに学習することにより、クラスごとのタップ係数を求める。
【0679】
すなわち、足し込み演算部642は、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(SD画素)と、教師画素抽出部643から供給される教師データである差分値とを対象として足し込みを行う。
【0680】
足し込み演算部642における、足し込みの演算は、足し込み演算部542における場合と同様なので、その詳細の説明は省略する。なお、足し込み演算部542においては、空間方向に隣接する画素の画素値の差分値が足し込まれるのに対して、足し込み演算部642においては、時間方向に隣接する画素の画素値の差分値が足し込まれる。
【0681】
足し込み演算部642は、教師データとしての、時間倍密画像の注目画素に対応するフレーム差分画像の差分値すべてを注目している差分値として、足し込みを行うことにより、各クラスについて、正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ644に供給する。
【0682】
学習メモリ644は、足し込み演算部642から供給された、生徒データとしてSD画素、教師データとして差分値が設定された正規方程式を記憶する。
【0683】
正規方程式演算部645は、学習メモリ644から、各クラスについての正規方程式を取得し、例えば、掃き出し法により、その正規方程式を解くことにより(クラスごとに学習し)、クラスごとのタップ係数を求めて係数メモリ646に出力する。
【0684】
このように、足し込み演算部642および正規方程式演算部645は、検出された特徴量毎に、抽出された注目画素の複数の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段を学習する。
【0685】
係数メモリ646は、正規方程式演算部645が出力するクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0686】
次に、図45のフローチャートを参照して、図44の学習装置において行われる、クラスごとのタップ係数を求める学習処理について説明する。
【0687】
ステップS641の処理は、図21のステップS241の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0688】
ステップS642において、フレーム差分画像生成部641は、入力画像である時間倍密画像から、教師画像であるフレーム差分画像を生成して、処理はステップS643に進む。フレーム差分画像生成部641は、生成したフレーム差分画像を教師画素抽出部643に供給する。
【0689】
例えば、フレーム差分画像生成部641は、時間に隣り合う2つのフレームの、画面上の対応する位置の時間倍密画素から、画素値の差を算出して、差分値とし、差分値からなる、教師画像であるフレーム差分画像を生成する。ステップS642において、加算した値が1つのSD画素の画素値に等しい、2つの時間倍密画素の画素値の差分が算出される。
【0690】
ステップS643乃至ステップS647の処理は、図21のステップS242乃至ステップS246の処理と同様なので、その説明は省略する。
【0691】
なお、ステップS643において、入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものが選択される。
【0692】
ステップS648において、教師画素抽出部643は、フレーム差分画像生成部641から供給されたフレーム差分画像から、注目画素に対応する差分値を教師データ(教師画素)として抽出して、抽出した教師データを足し込み演算部642に供給し、ステップS649に進む。
【0693】
ステップS649において、足し込み演算部642は、予測タップ抽出部246から供給される予測タップ(SD画素)と、教師画素抽出部643から供給される教師データである差分値とを対象とした足し込みの演算を行い、ステップS650に進む。例えば、足し込み演算部642は、生徒データとしての、SD画素からなる予測タップ、および教師データとしての、時間倍密画像の注目画素に対応するフレーム差分画像の差分値に対して、足し込みを行うことにより、各クラスについて、正規方程式をたてると、その正規方程式を、学習メモリ644に記憶させる。
【0694】
すなわち、ステップS649において、注目画素に時間的に隣接する時間倍密画素であって、注目画素の画素値とその隣接する時間倍密画素の画素値との和が1つのSD画素の画素値に等しい時間倍密画素についての、その時間倍密画素の画素値と注目画素の画素値との差分値、および予測タップであるSD画素の画素値が正規方程式に足し込まれる。
【0695】
ステップS650において、注目画素選択部261は、教師データとしての時間倍密画像の時間倍密画素のうちの時間方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあるかどうか、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したか否かを判定する。ステップS650において、教師データとしての時間倍密画像の時間倍密画素のうちの時間方向に1つおきの画素の中に、まだ注目画素としていないものがあると判定された場合、ステップS643に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0696】
また、ステップS650において、教師データとしての時間倍密画像の時間倍密画素のうちの時間方向に1つおきの画素の中に、注目画素としていないものがない、すなわち対象となる全画素の足し込みを終了したと判定された場合、ステップS651に進み、正規方程式演算部645は、いままでのステップS649における足し込みによって、クラスごとに得られた正規方程式から、まだタップ係数が求められていないクラスの正規方程式を、学習メモリ644から読み出し、読み出した正規方程式を掃き出し法などで解くことにより(クラス毎に学習し)、所定のクラスの予測係数(タップ係数)を求め、係数メモリ646に供給して、ステップS652に進む。
【0697】
ステップS652において、係数メモリ646は、正規方程式演算部645から供給された所定のクラスの予測係数(タップ係数)を、クラス毎に記憶し、ステップS653に進む。
【0698】
このように、ステップS649およびステップS651において、検出された特徴量毎に、抽出された注目の複数の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段が学習される。
【0699】
ステップS653において、正規方程式演算部645は、全クラスの予測係数の演算を終了したか否かを判定し、全クラスの予測係数の演算を終了していないと判定された場合、ステップS651に戻り、次のクラスの予測係数を求める処理を繰り返す。
【0700】
ステップS653において、全クラスの予測係数の演算を終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0701】
以上のようにして、係数メモリ646に記憶されたクラスごとの予測係数が、図41の画像処理装置における係数メモリ601に記憶されている。
【0702】
入力画像データの画素よりも時間積分時間が短い、高質画像データ内の画素のうちの注目している画素であり、入力画像データ内の画素のうちの1つである対応画素に時間的に含まれる注目画素であって、対応画素、および対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値から、注目画素および高質画像データ内の他の画素を予測できるようになるものを選択し、高質画像データ内の注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出し、注目画素に対応する、入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出し、抽出された複数の第1の周辺画素に基づいて、注目画素の特徴量を検出し、検出された特徴量毎に、抽出された複数の第2の周辺画素から、対応画素に含まれる高質画像データ内の他の画素と注目画素との差分値を予測する予測手段を学習するようにした場合には、予測において、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【0703】
なお、本発明に係る画像処理装置は、SD画像を入力して、SD画像に対応する空間方向または時間方向により高解像度の画像を生成して出力すると説明したが、入力される画像が、SD画像に限られるものではないことは勿論である。例えば、画像処理装置は、時間倍密画像または垂直倍密画像を入力して、HD画像を出力するようにしてもよい。
【0704】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0705】
図46は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702、または記憶部708に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)703には、CPU701が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704により相互に接続されている。
【0706】
CPU701にはまた、バス704を介して入出力インタフェース705が接続されている。入出力インタフェース705には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部706、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部707が接続されている。CPU701は、入力部706から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU701は、処理の結果得られた画像や音声等を出力部707に出力する。
【0707】
入出力インタフェース705に接続されている記憶部708は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU701が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部709は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部709は、入力画像を取得するか、または出力画像を出力する、外部とのインタフェースとして動作する。
【0708】
また、通信部709を介してプログラムを取得し、記憶部708に記憶してもよい。
【0709】
入出力インタフェース705に接続されているドライブ710は、磁気ディスク751、光ディスク752、光磁気ディスク753、或いは半導体メモリ754などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部708に転送され、記憶される。
【0710】
一連の処理をさせるプログラムが格納されている記録媒体は、図46に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク751(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク752(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク753(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、若しくは半導体メモリ754などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0711】
なお、上述した一連の処理を実行させるプログラムは、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を介してコンピュータにインストールされるようにしてもよい。
【0712】
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0713】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、より高画質の画像を得ることができるようになる。
【0714】
また、より演算量の少ない、より簡単な処理で、より精度の高い画像を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】従来の画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図3】予測係数を生成する、従来の画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図4】従来の学習の処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】注目画素およびクラスタップを説明する図である。
【図7】イメージセンサ上の画素の配置を説明する図である。
【図8】検出素子を説明する図である。
【図9】画素の配置、および水平倍密画像の画素に対応する領域を説明する図である。
【図10】領域a乃至rに入射される光に対応する画素の画素値を説明する図である。
【図11】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図12】学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図13】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図14】学習装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図15】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図16】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図17】注目画素およびクラスタップを説明する図である。
【図18】SD画像と時間倍密画像との関係を説明する図である。
【図19】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図20】学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図21】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図22】学習装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図23】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図24】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図25】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図26】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図27】本発明に係る学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図28】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図29】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図30】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図31】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図32】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図33】本発明に係る学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図34】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図35】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図36】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図37】SD画像と差分画像と水平倍密画像との関係を説明する図である。
【図38】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図39】本発明に係る学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図40】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図41】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
【図42】SD画像とフレーム差分画像と時間倍密画像との関係を説明する図である。
【図43】画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【図44】本発明に係る学習装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図45】学習の処理を説明するフローチャートである。
【図46】パーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 クラスタップ抽出部, 102 特徴量検出部, 103 クラス分類部, 104係数メモリ, 105 予測タップ抽出部, 106 画素値予測部, 107 画素値予測部, 121 注目画素選択部, 141 SD画像生成部, 142 画像メモリ, 143 クラスタップ抽出部, 144 特徴量検出部, 145 クラス分類部, 146 予測タップ抽出部, 147 足し込み演算部, 148 教師画素抽出部, 149 学習メモリ, 150 正規方程式演算部, 151 係数メモリ, 161 注目画素選択部,181 足し込み演算部, 182 教師画素抽出部, 183 学習メモリ, 184 正規方程式演算部, 185 係数メモリ, 211 クラスタップ抽出部, 212 特徴量検出部, 213 クラス分類部, 214 係数メモリ, 215 予測タップ抽出部, 216 画素値予測部, 217 画素値予測部, 221 注目画素選択部, 241 SD画像生成部, 242画像メモリ, 243 クラスタップ抽出部, 244 特徴量検出部, 245 クラス分類部, 246 予測タップ抽出部, 247 足し込み演算部, 248 教師画素抽出部, 249 学習メモリ, 250 正規方程式演算部, 251 係数メモリ, 261 注目画素選択部, 281 足し込み演算部, 282 教師画素抽出部, 283 学習メモリ, 284 正規方程式演算部, 285 係数メモリ, 301 クラスタップ抽出部, 302特徴量検出部, 303 クラス分類部, 304 係数メモリ, 305 予測タップ抽出部, 306 画素値予測部, 307 画素値予測部, 311 注目画素選択部, 321 SD画像生成部, 322 水平倍密画像生成部, 323 画像メモリ, 324 クラスタップ抽出部, 325 特徴量検出部, 326 クラス分類部, 327 予測タップ抽出部, 328 足し込み演算部, 329 教師画素抽出部, 330 学習メモリ, 331 正規方程式演算部, 332 係数メモリ, 341 注目画素選択部, 351 クラスタップ抽出部, 352 特徴量検出部, 353 クラス分類部,354 係数メモリ, 355 予測タップ抽出部, 356 画素値予測部, 357 画素値予測部, 371 注目画素選択部, 381 SD画像生成部, 382 フレーム間引画像生成部, 383 画像メモリ, 384 クラスタップ抽出部, 385 特徴量検出部, 386 クラス分類部, 387 予測タップ抽出部, 388 足し込み演算部, 389 教師画素抽出部, 390 学習メモリ, 391 正規方程式演算部, 392 係数メモリ, 411 注目画素選択部, 501 係数メモリ, 502 差分予測部, 503 画素値予測部, 541 差分画像生成部, 542 足し込み演算部, 543 教師画素抽出部, 544 学習メモリ, 545 正規方程式演算部, 546 係数メモリ, 601 係数メモリ, 602 フレーム差分予測部, 603 画素値予測部, 641 フレーム差分画像生成部, 642 足し込み演算部, 643 教師画素抽出部, 644 学習メモリ,645 正規方程式演算部, 646 係数メモリ, 701 CPU, 702 ROM, 703 RAM, 708 記憶部, 751 磁気ディスク, 752 光ディスク, 753 光磁気ディスク, 754 半導体メモリ

Claims (4)

  1. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも空間方向または時間方向において高解像度な高質画像データに変換する画像処理装置において、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、前記入力画像データ内の複数の第1の周辺画素の画素値を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の注目画素に対応する、前記入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段により抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出手段と、
    前記特徴量検出手段により検出された前記特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出手段により抽出された複数の前記第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測手段と、
    前記入力画像データ内の前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも空間方向または時間方向において高解像度な高質画像データに変換する画像処理方法において、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、前記入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応する、前記入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内の前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  3. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも空間方向または時間方向において高解像度な高質画像データに変換する画像処理用のプログラムであって、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、前記入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応する、前記入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内の前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  4. 数の画素を有する撮像素子により取得された複数の画素データからなる入力画像データを、前記入力画像データよりも空間方向または時間方向において高解像度な高質画像データに変換する画像処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    前記入力画像データ内に画素値が含まれる対応画素のそれぞれに対応し、前記高質画像データ内に画素値が含まれ、前記対応画素の位置の周辺に配されると共に互いの画素値の和が当該対応画素の画素値の2倍である、2つの注目画素のうちの一方である第1の注目画素の位置の周辺に配される、前記入力画像データ内の複数の第1の周辺画素を抽出する第1の抽出ステップと、
    前記第1の注目画素に対応する、前記入力画像データ内の複数の第2の周辺画素を抽出する第2の抽出ステップと、
    前記第1の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第1の周辺画素の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    前記特徴量検出ステップにおいて検出された前記特徴量毎に、前記高質画像データの質に相当する教師データに画素値が含まれる前記第1の注目画素に相当する画素の周辺に配される、前記入力画像データの質に相当する生徒データに画素値が含まれる前記第2の周辺画素に相当する周辺画素の画素値との積和演算により、前記第1の注目画素に相当する画素の画素値を予測する係数が予め学習され、記憶されており、その係数と、前記第2の抽出ステップにおいて抽出された複数の前記第2の周辺画素の画素値とに積和演算を適用することにより、前記第1の注目画素の画素値を予測する第1の予測ステップと、
    前記入力画像データ内の前記対応画素の画素値から、前記第1の注目画素の画素値を減算することで、前記高質画像データ内の2つの注目画素の画素値のうちの他方である第2の注目画素の画素値を予測する第2の予測ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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