JP4310869B2 - 液圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物や産業車両等に搭載される液圧アクチュエータを駆動するための液圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の液圧装置としては、電動機とポンプとのシャフト同士を連結し、その直径方向周りを取り囲むように液圧制御弁等の補機類やタンクを配置したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなものであると、筐体の形状は、その幅、奥行き、高さ方向にあまり差のない円柱形状や立方体形状に近いものにならざるを得ないため、狭い隙間に取り付けたり、産業車両のシャーシの幅内に取り付けたりするといった要請に応えることができない。
【0004】
このような点に鑑みて本発明はなされたものであって、液圧制御弁、マニホールド、電動機、液圧ポンプ等の構成要素を平面的に一体的に配置して、薄い液圧装置を提供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかる液圧装置は、少なくとも液圧制御弁、マニホールド、電動機及びこの電動機により駆動される液圧ポンプを構成要素とし、これら構成要素を筐体に一体的に設けて構造物や車両等を構成するシャーシ間に収まるように該シャーシ取り付けられるようにしたものであって、各構成要素を平面的に並べるように配置し、各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法を、前記シャーシの幅寸法と同一またはこれより小さくなるように構成したことを特徴とする。
【0006】
このようなものであれば、構造物や産業車両等であって取付スペースが制約されるものであっても狭い隙間さえあれば、取付けることができるようになり、スペースの有効利用を図れる。また、従来取付けるのが不可能であると考えられていた場所等にも取付けられるので、その適用範囲を拡大することができる。
具体的には、各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の寸法が、電動機の最大径寸法と略同一となるように構成したものが好ましい。
【0007】
さらに、各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法を、シャーシの幅寸法以下に構成しているので、構造物や車両等の他の構成要素に干渉することなく好適に取り付けられるようにすることができる
特に車両のシャーシに無理なく取り付けるためには、前記寸法を60mm以上100mm以下としているものが好適である。産業車両のシャーシには、その幅が略100mmのものを用いることが多い一方、本液圧装置をこのような産業車両の液圧アクチュエータ用に用いる場合には、その構成要素の寸法に60mm以下のものを適用するのは難しいからである。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
本実施例に係る液圧装置100は、図1〜図5に示すように、構造物や車両等を構成するシャーシ8に取り付けられるようにしたものであって、電動機3と、この電動機3により駆動される液圧ポンプ4と、タンク2と、外部液圧機器P(シリンダS1、S2、S3、S4)との接続のための8つの接続ポートA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2と、液圧ポンプ4から吐出される作動液の方向等を制御するための制御部5と、内部液圧経路を構成するマニホールド61、62及び配管7とを構成要素とし、これら構成要素を筐体1に一体的に設けてなる。なお、本実施例におけるシャーシ8は、例えばチャネル状のものであり基板83と、その両側縁から屈曲させた一対の垂直板81、82とからなるものである。
【0009】
各部を詳述すると、電動機3は、直流式のものであり、車両のバッテリ等の外部電源から電力を供給されて回転する。そしてその回転、停止制御のために、電力供給線上には、図示しないスイッチング素子等が設けられている。
液圧ポンプ4は、タンク2からフィルタF1を介して作動油を吸入し、その吐出口から作動油を吐出する固定容量型のものである。
【0010】
接続ポートA1〜D2は、一対のマニホールド61、62にその半分づつが設けられてなる。本実施例では、接続ポートA1、A2、B1、B2が、第1のマニホールド61に、また接続ポートC1、C2、D1、D2が、第2のマニホールド62に設けられている。
制御部5は、液圧制御弁から構成されるものであって、2つの4ポート電磁パイロット切換弁(第1切換弁51、第2切換弁52)と、各切換弁51、52及び接続ポート間にそれぞれ介在する2つのダブルパイロットチェック弁(第1パイロットチェック弁53、第2パイロットチェック弁54)とを具備する。
【0011】
第1切換弁51は、一対の入力ポート51a、51bと一対の出力ポート51c、51dとを具備し、これら入力ポート51a、51bと出力ポート51d、51dとを接続する内部流体経路を、電気信号により正、逆、停止位置の3段階に切り変えられるように構成してなるものである。そして、一方の入力ポート51aがポンプ吐出口4aに、他方の入力ポート51bがタンク2に連通させてある。また、各出力ポートは、第1ダブルパイロットチェック弁53を介してその一方51cが接続ポートA1、B1に、その他方51dが接続ポートA2、B2に連通させてある。しかして、この第1切換弁51に外部電気信号を与えて、その内部流体経路を正位置にすることにより、ポンプ吐出口4aが接続ポートA1、B1に、タンク2が接続ポートA2、B2に連通し、内部流体経路を逆位置にすることにより、ポンプ吐出口4aが接続ポートA2、B2に、タンク2が接続ポートA1、B1に連通するように構成してある。さらに、内部流体経路を停止位置にすることにより、タンク2と接続ポートA1、B1、A2、B2とが連通するようにしてある。
【0012】
第2切換弁52は、第1切換弁51と同様の構成のものであり、第1切換弁51と並列的に配置してある。すなわち、一方の入力ポート52aがポンプ吐出口4aに、他方の入力ポート52bがタンク2に連通させてあって、第2ダブルパイロットチェック弁54を介してその一方52cが接続ポートC1、D1に、その他方52dが接続ポートC2、D2に連通させてある。そして、その内部流体経路を切り換えることにより、第1切換弁51同様、接続ポートC1、D1と接続ポートC2,D2との高低圧等が切換えられるようにしてある。
【0013】
このような構成の下、第1切換弁51を制御することによりシリンダS1、S2を、また、第2の切換弁51を制御することによりシリンダS3、S4を互いに独立して伸縮させ得るようにしている。
しかして、本実施例では、筐体1を、底板12、天板11、及び4つの周壁板13、14、15、16からなる扁平直方体形状のものとし、この筐体1内に各構成要素を底板12に沿って平面的に並べるように配置することにより、その並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法、すなわち筐体1の厚さ寸法Tを前記シャーシ8の幅寸法tと等しくなるように構成している。
【0014】
配置について具体的に述べると、電動機3は、筐体1の長手方向一端部において、その軸方向を筐体1の長手方向と一致させるように横向きに配置され、筐体1内に起立させた取付板17及び底板12に固定してある。そしてこの電動機1から筐体2の長手方向他端部に向かって、液圧ポンプ4、制御部5、タンク2をその順に並べるように配置している。液圧ポンプ4は、電動機1とシャフト同士を連結されて、前記取付板17及び底板12に固定してある。制御部5は底板12に固定してあり、この制御部11を挟み込むようにして、筐体1の長手方向に沿った周壁板13、14にそれぞれマニホールド61、62が添設されている。タンク2は、筐体1の天板11、底板12、及び3方の周壁板13、14、15を共用するようにして、筐体1の他端部に配設されている。配管類7は、筐体1内においてこれら電動機1等を配設して残ったスペースに適宣這わせるようにしている。なお、接続ポートA1〜D2は、筐体1の前記各周壁板13、14から外方に開口するようにしてある。
【0015】
そして、例えば、図示しないブラケット等の取付具を用いる等して、この液圧装置を産業車両のシャーシ8に、互いの厚み方向を一致させるようにして取付けられるようにしている。そして取付状態では、筐体1の天板11がシャーシ8の一方の垂直板81と面一になり、筐体1の底板12がシャーシ8の他方の垂直板82と面一になるようにしてある。
【0016】
したがって、本実施例に係る液圧装置100は、シャーシ8の幅から突出することなく、該シャーシ8に沿わせるようにして取り付けることができるので、車両の他の構成部品に干渉することなく、スペースの有効利用が図れる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものではない。例えば、液圧装置100を図6に示すように縦置きにしてもよい。又、筐体内における電動機等の構成要素の並べ方は、他に種々考えられるであろうし、筐体はその厚さがシャーシより小さければ、直方体形状に限ったものでもない。筐体を構成する天板や底板あるいは周壁板は一部が省略されているものでも構わない。さらにマニホールドの形状等も、例えば図7に示すような変形が可能である。この図では、前記実施例においては2分割していたマニホールド61、62を、一体のもの6としている。なお、図6、図7において、前記実施例と対応する部材には同一の符号を付している。
【0017】
その他各部の具体的な構成は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明に係る液圧装置は、構造物や産業車両等の取付スペースが制約されるものに対しても狭い隙間さえあれば、取付けることができるので、スペースの有効利用を図れるうえ、従来取付けるのが不可能であると考えられていた場所等にも取付けられるので、その適用範囲を拡大することができる。さらに、各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法を、シャーシの幅寸法以下に構成しているので、構造物や車両等の他の構成要素に干渉することなく好適に取り付けられるようにすることができる
【0019】
しかして、特に各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の寸法を、60mm以上100mm以下としたものが好ましい。すなわち、前記寸法を100mm以下としておくことによって、幅に略100mmのものを用いることが多い産業車両のシャーシ間に好適に収まるように取付けることができる。また前記寸法を60mm以上としておくことによって、選定できる部品の種類が増大し、その機能や形状等を考慮して無理なく部品選定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における液圧装置を示す全体斜視図。
【図2】同実施例における液圧装置の内部構造を示した平面図。
【図3】同実施例における液圧装置の内部構造を示した右側面図。
【図4】同実施例における液圧装置の内部構造を示した部分左側面図。
【図5】同実施例における液圧装置の回路構成を示した液圧回路図。
【図6】本発明の変形例を示す全体斜視図。
【図7】本発明の他の変形例における液圧装置の内部構造を示した部分平面図。
【符号の説明】
1…筐体
2…タンク
3…電動機
4…液圧ポンプ
51、52…液圧制御弁(第1、第2切換弁)
53、54…液圧制御弁(第1、第2パイロットチェック弁)
8…シャーシ
T…平面方向と直交する方向の寸法
t…シャーシの幅寸法

Claims (2)

  1. 少なくとも液圧制御弁、マニホールド、電動機及びこの電動機により駆動される液圧ポンプを構成要素とし、これら構成要素を筐体に一体的に設けて構造物や車両等を構成するシャーシ間に収まるように該シャーシに取り付けられるようにしたものであって、
    各構成要素を平面的に並べるように配置し、各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法を、前記シャーシの幅寸法と同一またはこれより小さくなるように構成したことを特徴とする液圧装置。
  2. 各構成要素を並べた平面方向と直交する方向の筐体寸法を、60mm以上100mm以下としたことを特徴とする請求項1記載の液圧装置。
    理由書内で次を補足する
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