JP4308826B2 - 橋脚用排水管 - Google Patents
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Description
この橋脚用排水管として、内部が中空とされた塩化ビニル製の円筒排水管から形成されているものが多く、この排水管を上下に複数直列配置して継ぎ合わせ、これらが橋脚に固定されている。この排水管の固定に際して、排水管の外周を係止する円弧状の係止部と橋脚にボルト止めするための取付片部とが一体に形成された取付金具が利用されている。
そのため、排水管の露出部を少なくして橋脚の外観を向上させるために、橋脚の橋脚用排水管を取り付ける箇所に凹みを形成し、この凹みの底部に橋脚用金具を固定し、橋脚用排水管の裏面に排水管用金具を固定し、この排水管用金具と橋脚用金具とを互いに係合して前記橋脚用排水管を前記橋脚に取り付け、橋脚用排水管が前記橋脚に取り付けられた状態で前記橋脚の正面から突出しない従来例がある(特許文献1)。
従来例の技術を橋脚の凹みのない平坦な場所に適用すると、排水管が断面矩形であるため、それを取り付ける金具が排水管の側部側から露出することになり、排水管の取り付けた状態の外観が損なわれる。
この構成の発明では、押出成形等の成形方法によって橋脚用排水管が容易に形成されることになる。しかも、ガラス繊維強化プラスチック又は硬質塩化ビニルから成形されることで、橋脚用排水管が軽量かつ大きな強度を得ることができる。
図1は、鉄道用橋梁1の正断面図であり、図2は、鉄道用橋梁1の側断面図である。
図1及び図2において、橋梁1は平面部1Aとこの平面部1Aの下部に設けられた複数の補強部1Bとを備えている。隣り合う補強部1Bの間には橋梁1を支持する橋脚2が設けられ、この橋脚2は基礎の上に立設されている。
平面部1Aの上面には鉄道用レール3Aが載置されたレール載置部3が設けられている。
橋脚2は略角柱状に形成されており、その側面は平面状に形成されている。
レール載置部3の近傍にはドレンボックス4が橋梁1に設けられており、このドレンボックス4には橋脚用排水管5及び接続用排水管61〜65からなる排水路が接続されている。つまり、橋梁1の上面に降った雨や雪が溶けた水は、橋梁1のドレンボックス4に集まり、ここから橋脚2の一方の壁面に沿って設けられた橋脚用排水管5及び接続管61〜65の内部を流下して橋脚2の下に設けられた溝7に流れる。
この第2の接続用排水管62の他端部にはステンレス製取付金具631で橋梁1の補強部1Bの側面に取り付けられた第3の接続用排水管63が接続され、この第3の接続用排水管63の他端部にはステンレス製取付金具641で橋脚2の側面に取り付けられた第4の接続用排水管64が接続されている。
この第4の接続用排水管64の他端部には橋脚用排水管5が接続され、この橋脚用排水管5は上下2本が直列接続されている。下側に配置された橋脚用排水管5の他端部は第5の接続用排水管65が接続され、この第5の接続用排水管65の他端部が溝7に向けて開口されている。
図3は橋脚用排水管5の水平断面図、図4は橋脚用排水管5を橋脚2に取り付ける状態を示す分解斜視図である。
図3において、橋脚用排水管5は、橋脚2の壁面に対向配置される断面略直線状の裏面部51と、この裏面部51の両側縁部に両端部が接続された正面部52と、この正面部52の両端にそれぞれ連続して形成された延出部53とを備え、これらの裏面部51、正面部52及び延出部53はガラス繊維強化プラスチック(FRP)から押出成形、その他の成形手段によって一体形成されている。裏面部51、正面部52及び延出部53はそれぞれ厚み寸法が略等しい。ここで、正面部52の断面形状は略円弧状であればよく、例えば、半円状でもよい。
裏面部51と正面部52との間に形成される空間は雨水を流通させる空間である。延出部53は裏面部51に対して略直交している。
橋脚用排水管5は複数個(図1、2では2個)上下に連結されているが、橋脚用排水管5の両端には、内側に図示しない接続用ソケットが取り付けられており、このソケットの先端には漏水防止を目的としてゴムパッキン(図示せず)が設けられている。
橋脚2の排水管用金具80と対向する位置には橋脚用金具90が固定されている。
この橋脚用金具90は、橋脚2に埋設されたアンカー91(図3参照)と、このアンカー91に係止される取付金具本体92と、この取付金具本体92をアンカー91に取り付けるボルト93とを備える。
アンカー91は、橋脚2の壁面に打ち込むと底部が拡張してしっかりと橋脚2に食い込む構造とされる。
図3に示される通り、取付金具本体91の幅寸法は裏面部51の幅寸法よりも短い。
延出部53は、その先端から正面部52の裏面までの寸法がDである。この寸法Dは排水管用金具80及び橋脚用金具90を覆うに十分な長さであるとともに橋脚用排水管5を橋脚2に設置した際に延出部53の先端が橋脚2の壁面と干渉しない長さとされる。
図1に示される通り、第1の接続用排水管61はFRPから直線上に延びた筒状に形成されており、その断面は橋梁1の底面と対向する平板状の裏面部と略円弧状の正面部とが一体に形成された略半円形である。第1の接続用排水管61の一端は蓋で閉塞されており、裏面部の一部にはドレンボックス4との接続用筒部61Aが形成されている。
図5には第2の接続用排水管62から第4の接続用排水管64の構成がそれぞれ示されている。
図5(A)には第2の接続用排水管62が示されている。図5(A)において、第2の接続用排水管62は、その断面は橋梁1の底面と対向する平板状の裏面部と略円弧状の正面部とが一体に形成された略半円形であり、一端部が第1の接続用排水管61と接続される水平部62Aと、この水平部62Aと接続された折曲部62Bと、この折曲部62Bと接続された垂直部62Cとを備えている。これらの部材はFRPから一体形成されている。曲線部62Bは正面側の曲率より裏面側の曲率がやや大きい。
第1の折曲部63Bは垂直部63Aと第1の折曲部63Bとの軸線同士を鉛直面内で略直交させるものであり、正面側の曲率より裏面側の曲率がやや大きい。
第2の折曲部63Dは第1の折曲部63Bと第2の折曲部64Dとの軸線同士を水平面内で略直交させるものである。
図1において、第5の接続用排水管65は、その断面は裏面部と略円弧状の正面部とが一体に形成された略半円形であり、水平部65Aと垂直部65Bとが折り曲げて形成される。
(1)橋脚2に予め取り付けられた橋脚用金具90と互いに係合する排水管用金具80が固定される裏面部51と、この裏面部51の両端部に断面略円弧状の正面部52の両側を接続し、この正面部52の両端に連続して形成され排水管用金具80及び前記橋脚用金具90を覆う延出部53とを備えて橋脚用排水管5を構成した。そのため、正面部52が断面円弧状に形成されているので、正面あるいは側方から見た場合に正面部52に角部が目視できず、従来の角部が目立つ断面矩形状の排水管に比べて外観が良好となる。しかも、裏面部51に設けられた排水管用金具80と橋脚2に設けられた橋脚用金具90とは延出部53で覆われているため、これらの金具が露出しないから、この点からも外観が良好となる。
(3)裏面部51、正面部52及び延出部53はガラス繊維強化プラスチックから成形されるから、橋脚用排水管5を軽量かつ大きな強度とすることができる。
(5)橋脚用排水管5だけでなく接続用排水管61〜65も円弧状断面を有する正面部を備えて構成したから、橋梁1や橋脚2に取り付けられる排水管が全体として統一のとれたデザインとされるから、外観が良好となる。
(6)接続用排水管61〜64の折曲部の曲率を裏面側に比べて正面側を小さくしたから、接続用排水管61〜64の角部の曲面を強調することになり、外観が向上する。
例えば、前記実施形態では、橋脚用排水管5と橋脚2の取付場所及びその個数は限定されるものではなく、橋脚2の構造や大きさに応じて適宜設定されるものである。
また、前記実施形態では、鉄道用の橋脚2について説明したが、道路用、その他の用途で用いられる橋脚にも適用することができる。
また、裏面部51、正面部52及び延出部53を一体形成するものに限定されるものではなく、これらの部材を別々に製造し、接着剤等で互いに固定する構成でもよい。
2…橋脚
5…橋脚排水管
51…裏面部
52…正面部
53…延出部
80…排水管用金具
90…橋脚用金具
Claims (2)
- 橋脚に沿って取り付けられる橋脚用排水管であって、
前記橋脚に固定された橋脚用金具と互いに係合する排水管用金具が固定され断面が略直線状の裏面部と、この裏面部の両端部に両側が接続された断面略円弧状の正面部と、この正面部の両端に連続して形成され前記排水管用金具及び前記橋脚用金具を覆う延出部とを備え、
前記橋脚用金具は取付金具本体とこの取付金具本体を前記橋脚に取り付けるためのボルトとを備え、前記取付金具本体はコ字状本体とこのコ字状本体の両側に接続され前記ボルトを接合する取付片部とを備え、前記取付金具本体の幅寸法は前記裏面部の幅寸法より短く形成され、
前記延出部は、その突出先端から前記正面部の裏面までの寸法が前記排水管用金具を覆うに十分な長さであるとともに、前記突出先端が前記橋脚の壁面と干渉しない位置にあり、かつ、前記裏面部に対して略直交していることを特徴とする橋脚用排水管。 - 請求項1に記載した橋脚用排水管において、
前記裏面部、前記正面部及び前記延出部はガラス繊維強化プラスチック又は硬質塩化ビニルから一体形成されていることを特徴とする橋脚用排水管。
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