JP4308284B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する発明は、薄膜トランジスタ(以下本明細書ではTFTと称する)の構造に関する。またその作製方法に関する。
ガラス基板や石英基板上に形成された珪素薄膜を用いて作製されたTFTが知られている。
現在実用化されている大部分のTFTは、非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)を活性層に用いたものである。
非晶質珪素膜は、プラズマCVD法を用いて比較的簡単に成膜を行うことができる。
アクティブマトリクス型の液晶表示装置の今後の技術トレンドとしては、一枚のガラス基板や石英基板上にアクティブマトリクス回路と該回路を駆動する回路、さらに画像情報や各種情報を取り扱う各種回路を集積化したシステムオンパネルという構成が追及されるものと考えられている。
このような構成を実現するには、非晶質珪素膜を用いたTFTでは、その特性が低すぎる。
非晶質珪素膜を用いたTFTは、その特性が低く、アクティブマトリクス型の液晶表示装置のアクティブマトリクス回路に利用する程度のことしかできない。
具体的には、非晶質珪素膜を用いたTFTはその移動度が1cm2 /Vs以下である。しかも、実用化できるのはNチャネル型だけであり、Pチャネル型は特性が低すぎ実用にならないという問題もある。
なお、単結晶珪素ウエハーを利用したMOS型トランジスタの移動度は、1000cm2 /Vs以上あるのが普通である。
この問題を解決するために一部で実用化されているのが、結晶性珪素膜を用いたTFTである。
結晶性珪素膜を得る方法としては、非晶質珪素膜を加熱により結晶化させる方法が一般的である。
例えば、プラズマCVD法や減圧熱CVD法で非晶質珪素膜を成膜し、その膜を800℃〜1000℃程度の温度で数時間加熱することにより、多結晶状態を有した結晶性珪素膜を得ることができる。
この方法は、通常のICの作製に必要とされるような高温が利用されるので、高温プロセスと称されている。
この方法で得られた結晶性珪素膜を用いたTFTは、Nチャネル型で移動度が100cm2 /Vs程度、Pチャネル型で移動度が60cm2 /Vs程度のものが得られる。
この程度の特性を有していると、集積回路を構成する上で必要とされるCMOS回路を作ることができる。また、特性的には及ばないにしても、従来の単結晶シリコンウエハーを利用したICでもって構成されていた回路をTFTでもって構成することも可能となる。
しかし、結晶性珪素膜を用いたTFTを作製するには、基板に耐熱性を有するもの(現状では石英に限定される)を用いる必要があり、コスト的に高くなる。
(石英基板は高価である)
そこで考えられているのは、基板として安価なガラス基板を用い、結晶化の方法を工夫する方法である。
この方法は、ガラス基板が耐えるような温度でのプロセスで作製されるので、低温プロセスと称されている。
この方法として第1に挙げられるのは、加熱温度をガラス基板が耐える程度のものとし、非晶質珪素膜の結晶化を行う技術である。
例えば、ガラス基板上に非晶質珪素膜を成膜し、それを600℃、48時間程度加熱すると結晶性珪素膜を得ることができる。
しかし、この方法で得られる結晶性珪素膜を用いたTFTは、満足のゆく特性を示さない。
また、加熱時間が長くなるので、作製コストがそれ程低くならないという問題もある。
低温プロセスの他の方法としては、レーザー光を照射することにより非晶質珪素膜を結晶性珪素膜へと変成する技術がある。
この方法では、ガラス基板がほとんど加熱されないという優位性がある。
この方法(レーザープロセスと称される)で得られるTFTは、高温プロセスで得られるTFTに匹敵する特性を得ることができる。
前述したようなシステムオンパネルを実現するには、上述した低温プロセスで得られたTFTでは、まだその特性が低いことが判明している。
ここで必要とする技術には、
(1)低温プロセスであること。
(2)レーザープロセスで得られるTFTよりさらに高い特性を得られること。
といったことが要求される。
この要求事項を満足する技術として、本出願人らは、非晶質珪素膜の微量の金属元素を導入し、しかる後に加熱処理を行うことにより結晶化させる技術を開発した。この技術は、特開平7−321337号公報に記載されている。
方法で得られた結晶性珪素膜を用いたTFTは、極めて高い性能を有したものとなる。しかしこの方法で得られた結晶性珪素膜中には、すくなからず結晶化に利用した金属元素が残留しており、その影響がTFTの特性に及ぶことが懸念される。
実際、信頼性や素子毎の特性の均一性といった項目では、従来の特性の低いTFTに比較して劣っていることが確認されている。
本発明者らの研究によれば、上記素子特性の信頼性や特性の均一性が低いのは、結晶性珪素膜中に残留する金属元素の影響であることが判明している。
本明細書で開示する発明は、上述したある種の金属元素を用いて結晶化させた結晶性珪素膜を用いて作製したTFTにおいて、当該金属元素の影響がTFTの素子特性に悪影響を及ぼすことを抑制する技術を提供することを課題とする。
本明細書で開示する発明の一つは、 チャネル領域に隣接して配置された高抵抗領域と、 前記高抵抗領域に隣接して配置されたソースまたはドレイン領域と、 を有し、 前記ソースまたはドレイン領域には珪素の結晶化を助長する金属元素が高濃度に含まれており、 前記高抵抗領域には前記金属元素が低濃度に含まれていることを特徴とする。
他の発明の構成は、 チャネル領域に隣接して配置された高抵抗領域と、 前記高抵抗領域に隣接して配置されたソースまたはドレイン領域と、 を有し、 前記ソースまたはドレイン領域には珪素の結晶化を助長する金属元素が1×1019原子/cm3 以上の濃度で含まれており、 前記チャネル領域と前記高抵抗領域には前記金属元素が1×1017原子/cm3 以下の濃度で含まれていることを特徴とする。
ソースまたはドレイン領域には、当該金属元素が1×1019原子/cm3 以上の濃度で含まれていても特に問題はない。しかし、高抵抗領域(本明細書でいうオフセット領域や低濃度不純物領域)においては、当該金属元素の濃度が1×1017原子/cm3 以下であることが重要である。これは、高抵抗領域中における金属元素の存在は、不要な準位の形成に大きく寄与するからである。また、ソースおよびドレイン領域における金属元素の濃度は、当該領域における欠陥密度よりも大きくて構わない。しかし、高抵抗領域においては、当該金属元素の濃度は当該領域の欠陥密度よりも小さいことが必要である。
また他の発明の構成は、ソースまたはドレイン領域には燐がドーピングされており、燐の濃度は当該金属元素の濃度よりも高いことを特徴とする。こうすることで、ソースまたはドレイン領域にニッケル元素をゲッタリングさせる効果をより高く得ることができる。
また、他の発明の構成は、ソースまたはドレイン領域はP型であり、かつソース及びドレイン領域には燐がドーピングされていることを特徴とする。
珪素の結晶化を助長する金属元素としては、ニッケル(Ni)を用いることがその再現性や効果の点から最も好ましい。
また、金属元素としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類のものを用いることができる。
本明細書で開示する発明を利用することで、特定の金属元素を用いて結晶化させた結晶性珪素膜を用いて作製したTFTにおいて、当該金属元素の影響がTFTの素子特性に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
低濃度不純物領域やオフセット領域等の高抵抗領域をチャネル領域に隣接して配置した構造において、ソース及びドレイン領域(少なくと一方の領域)をゲッタリングサイトとすることにより、高抵抗領域におけるニッケル濃度を低下させる。
ソース/ドレイン領域をゲッタリングサイトとするには、これらの領域に燐をドーピングさせ、燐に当該金属元素をゲッタリングさせる。このゲッタリング効果は、金属元素にニッケルを選択した場合に特に顕著になる。
ニッケルに代表される珪素の結晶化を助長する金属元素の存在は、以下の領域において問題となる。
(1)チャネル領域(2)チャネル領域とそれに隣接する領域との界面及びその近傍 チャネル領域に当該金属元素が存在すると、チャネル本来の機能であるゲイト電極から印加される電界によって、ゲイト絶縁膜側の表面の導電型が変化し、所謂反転層を形成するという機能が阻害される。
これは、当該金属元素が存在すると、チャネル領域における禁制体内に不要な準位が多数形成されることに起因する。
一般にチャネル領域とチャネル領域に隣接する領域との界面には、IN接合やPN接合部分といった異種導電型同士の接合が形成される。
例えば、最も基本的なTFT構造においては、チャネル領域に隣接してソース/ドレイン領域は配置される。この構造では、TFTのOFF動作時において、チャネル領域とソース/ドレイン領域の界面にPN接合が形成される。
また、LDD領域に代表されるような低濃度不純物領域をチャネル領域に隣接した配置した構造においては、やはりOFF動作時において、チャネル領域と低濃度不純物領域の界面にPN接合が形成される。
またオフセット領域をチャネル領域に隣接して配置した構造においては、やはりOFF動作時において、チャネル領域と低濃度不純物領域の界面にPIまたはNI接合が形成される。
一般に当該金属元素が異種導電型の接合部分に存在すると、異種接合部分における本来の半導体接合としての作用や機能が損なわれる。これは、当該金属元素の存在に起因して禁制体中に多数に準位が形成されるからである。
例えば、上記異種接合部分において、当該金属元素の存在に起因する不要な準位が形成され、そこを経由してのキャヤリアの移動が生じてしまう。
これは、耐圧の低下やリーク電流の増加の要因となる。また、その状態が安定して生じるものではないので、信頼性の低下や素子毎の特性のバラツキといった問題が発生してしまう。
本明細書で開示する発明を採用した場合、まずチャネル領域における当該金属元素の濃度を大きく下げることができる。また、チャネル領域に隣接する高抵抗領域における当該金属元素の濃度を大きく低減できる。実験ではSIMSで検出不可能な1×1016原子/cm3 レベルまで低減することもできている。なお、高抵抗領域における当該金属濃度は、1×1017原子/cm3 レベル以下にまで低減できれば、所定の効果を得ることができる。
図12に発明を利用した場合に得られるTFTの活性層各部のNi濃度の相対分布を示す。(A)に示すのはTFTの概略の構成であり、(B)に示すのは各部における相対濃度の分布である。
(B)に示される矢印は、ゲッタリング工程におけるNiの濃度変化の方向(濃度が高くなるのか、低くなるのか)を示すものである。また、矢印の長さは、濃度変化の割合の大小関係を示すものである。
また、HRDというのは、高抵抗領域のことであり、実施例に示す低濃度不純物領域のことである。
図12に示すように本明細書で開示する発明を利用することで、低濃度不純物領域やオフセット領域といった高抵抗領域における金属元素の濃度を低減することで、異種導電型の接合が形成される部分における当該金属元素の濃度を大きく低減することができる。
そして、耐圧の低下やリーク電流の増加の要因といった問題を解決することができ、さらに信頼性の低下や素子毎の特性のバラツキといった問題を解決することができる。
本実施例では、Nチャネル型の薄膜トランジスタを作製する例を示す。図1及び図2に本実施例の作製工程を示す。
まず、図1(A)に示すようにガラス基板101上に下地膜として酸化珪素膜102を300nmの厚さに成膜する。ここでは、ガラス基板としてコーニング1737ガラス基板を利用する。
次にジシランを原料ガスとした減圧熱CVD法により、非晶質珪素膜103を50nmの厚さに成膜する。
次に酸化珪素膜でなるマスク104を形成する。このマスク104は厚さ120nmの酸化珪素膜でなり、105で示す開口が形成されている。
この開口105は、図面手前側から奥行き方向に延在する長手形状を有している。
マスク104を形成したら所定のニッケル濃度に調整したニッケル酢酸塩溶液を塗布し、106で示されるようにニッケル元素が表面に接して保持された状態が得られる。
この状態において、ニッケル元素は開口105が形成された領域において、非晶質珪素膜103の表面に接して保持された状態となる。こうして図1(A)に示すようにニッケル元素が非晶質珪素膜103の表面の一部に選択的に接して保持された状態が得られる。
ここでは溶液を用いてニッケル元素を導入する例を示したが、他にイオン注入法を用いるのでもよい。この場合、当該金属元素の導入量を精密に制御することができる。
次に図1(A)に示す状態を有する試料に対して、窒素雰囲気中において、570℃、12時間の加熱処理を施す。
この工程において、ニッケル元素が開口105が形成された領域から非晶質珪素膜中に拡散し、107で示されるような結晶成長が進行する。
この結晶成長は、膜面に平行な方向進行する。また、この結晶成長方向は、開口105の延在する方向に垂直な方向に一致する。また、その成長方向がそろったものとなる。(開口105の端の部分では結晶成長方向は放射状となる)
この107で示されるような結晶成長は、100μm以上に渡り行わすことができる。この結晶成長を便宜上横成長と称する。
この結晶成長が終了した時点では、膜中には比較的高濃度にニッケル元素が残留している。
結晶化が終了したら、珪素膜をパターニングすることにより、図1(C)の108で示されるパターンを得る。このパターンは、後にTFTの活性層を構成するものとなる。
ここでは、珪素膜のパターン108は、107で示される横成長が行われた領域を用いて構成するようにする。
なお、パターン108の膜厚は、100nm以下、好ましくは50nm以下となるようにする。
次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜109をプラズマCVD法により100nmの厚さに成膜する。こうして図1(C)に示す状態を得る。
次にアルミニウムパターン110を形成する。ここでは、まずアルミニウム膜をスパッタ法でもって400nmの厚さに成膜する。そして、さらにそれをレジストマスク100を用いてパターニングすることにより、110で示されるパターンを得る。こうして図1(D)に示す状態を得る。
次にレジストマスク100を残存させた状態でアルミニウムパターン110を陽極とした陽極酸化を行う。この工程において、111で示される陽極酸化膜を400nmの厚さに形成する。
ここでは、レジストマスク100を残存させた状態で陽極酸化を行う関係上、パターンの側面方向に選択的に陽極酸化が進行し、111で示されるような形状に陽極酸化膜が形成される。
ここでは、白金を陰極とし、また電解溶液として3体積%の蓚酸を含んだ水溶液を用いて陽極酸化を行う。また、この陽極酸化膜は、多孔質状(ポーラス状)
を有したものとして得られる。
次にレジストマスク100を除去し、再度の陽極酸化を行う。ここでは、この112で示される陽極酸化膜を70nmの厚さに成膜する。
ここでは、電解溶液として、3%の酒石酸を含んだエチレングリコール溶液をアンモニア水で中和したものを用いる。この工程で形成される陽極酸化膜は、緻密なバリア型の膜質を有したものとなる。
この工程では、電解溶液が多孔質状の陽極酸化膜111内に侵入する関係から、112で示すされるようにアルミニウムパターン113の周囲に陽極酸化膜が形成される。こうして図1(E)に示す状態を得る。
ここで112で示すパターンがゲイト電極及びそこから延在したゲイト配線のパターンとなる。
なお、陽極酸化膜112の膜厚分でもって後にチャネル領域に隣接してオフセット領域を形成することができる。
しかし、本実施例では、陽極酸化膜112の膜厚が70nmと薄いので、有効に機能するようなオフセット領域は形成されない。よって、ここではオフセット領域の存在は無視することとする。
なお、陽極酸化膜112の膜厚を150nm以上とすると、その機能が無視できないオフセット領域が形成される。
陽極酸化膜112を形成したら、次に燐のドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。燐のドーズ量は、被ドーピング領域をソース及びドレイン領域とする条件でもって行う。また、このドーピングは、最終的に存在する燐の濃度が、ゲッタリング後のニッケルの濃度よりも大きくなる条件でもって行うことが好ましい。こうすることで、後の工程において、ニッケル元素のゲッタリングをより効果的に行うことができる。
この工程においては、図2(A)に示すように114、116の領域に自己整合的に燐のドーピングが行われる。また、115の領域にはドーピングは行われない。
なお、ドーピングは、イオン注入法を用いてもよい。いずれにせよ、このドーピング工程は、不純物元素をイオン化し、それを電気的に加速注入する方法を用いることが好ましい。
また、ドーピングの前に露呈した酸化珪素膜109を除去してもよい。この場合、図2(A)の114及び116の表面に形成された酸化珪素膜が除去されることになる。
図2(A)に示すドーピングの終了後、多孔質状の陽極酸化膜111を除去する。そして再度、燐のドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。
この工程では、図2(A)の工程におけるドーズ量に比較して、低ドーズ量でもってドーピングを行う。
この工程では、117と119の領域が低濃度不純物領域として形成される。
低濃度不純物領域というのは、114及び116の領域に比較すれば、含まれる燐の濃度が低濃度であるということを意味している。
また、この工程の結果、118で示されるドーピングが行われなかった領域がTFTのチャネル領域となる。こうして図2(B)に示す状態が得られる。
次に窒素雰囲気中において、450℃、2時間の加熱処理を施す。この工程では、ニケッル元素が拡散する過程で燐にゲッタリングされる。そして結果として、114と116の領域及び、117と119の領域、次いで115の領域のニッケル濃度が低くなる。
ここで、117、119の領域にも燐が低ドーズ量ながらドーピングされているが、実験によると、ニッケルのゲッタンリングは主に114、116の領域において行われる。
燐とニッケルは、NiP、NiP2 、Ni2 P・・・・・というような多様な化合物の形態をなす。また、その結合状態は極めて安定なものであり、450℃程度の加熱温度では安定な状態で存在する。
即ち、一旦ニッケルと燐とが結合すると、その状態からまた分解することはない。(少なくとも本実施例のプロセスにおける温度ではない)
また、珪素中における燐は800℃程度以上でないと拡散しない。
従って、結果として燐が高濃度に存在している114、116の領域にニッケル元素が集中することになる。
こうして図2(C)に示すようにニッケル元素が114、116の領域に矢印120、121で示されるように移動した状態が得られる。
なお、低濃度不純物領域である117、119の領域へのニケッル元素の移動も存在するが、より高濃度に燐がドーピングされた114、116の領域へのニッケル元素の移動の方が顕著に観察される。
図3には、上記加熱処理後におけるニッケル元素と燐元素の分布状態を示す。
また、この加熱処理の段階において、不純物イオンの加速注入によって結晶性が破壊された領域114、116、117、119の領域の結晶性の改善が進行する。
これは、それらの領域(特に114と116の領域)にニッケル元素が集中することに大きく関係する。
即ち、ニッケル元素が集中した領域は、それだけニッケル元素の作用による結晶化が強く促進され、燐イオンのドーピング時に生じた結晶構造の損傷が回復される。
特に本実施例に示す構成では、燐が高濃度にドーピングされた領域(即ち、より結晶性が破壊された領域)には、より高濃度に燐イオンが集中するので、この工程における結晶性の改善は効果的に進行する。
次にレーザー光の照射を行い、ドーピングされた燐の活性化を行う。ドーピング時に生じた結晶性の損傷のアニールは、上述したように加熱処理によって行うことができる。
しかしその温度は450℃と低いためにドーパント(燐)の活性化率は低いものとなってしまう。そこで、本実施例では、加熱に加えてレーザー光の照射を行うことで、ドーパントの活性化を行う。
この工程を行うことにより、114及び116の領域をソース及びドレイン領域として機能させることができる。
レーザー光の照射が終了したら、図2(D)に示すように窒化珪素膜122をプラズマCVD法により200nmの厚さに成膜する。
さらにプラズマCVD法により酸化珪素膜123を400nmの厚さに成膜する。
さらにアクリル樹脂膜124を成膜する。アクリル樹脂膜の膜厚は、最小の部分でその厚さが700nmとなるようにする。
アクリル以外の材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、エポキシ等の材料を用いることができる。
本実施例に示す構成を採用した場合、得られるNチャネル型のTFTは、ソース及びドレイン領域に高濃度に燐とニッケルが含まれる。そして、低濃度不純物領域114及び116にはより低濃度に燐が含まれる。
また、チャネル領域118と低濃度不純物領域117、119には、ほとんどニッケルは含まれない。
この濃度分布の状態に関して図3に示す。このようにニッケルと燐に関して特別な濃度分布を有したTFTが得られる。
本実施例に示すTFTは、プロセス温度がガラス基板の耐える600℃程度以下であり、しかもニッケル元素を利用することにより高い結晶性を有した活性層とすることができ、そのことで高い特性を得ることができる。
本実施例で得られるTFTの特性は、高温多結晶ポリシリコンTFTを凌ぐものである。
また、ニッケル元素をその動作に影響が及ばないソース/ドレイン領域に固定化しているので、高い特性を安定して得ることができる。また、多数のTFTを同時に作製した場合であってもその特性のばらつきを少ないものとすることができる。
本実施例は、実施例1に示す作製工程をさらに改良した場合の例である。図4及び図5に本実施例の作製工程を示す。
なお、符号が図1と同じものは、図1に示すのとその作製工程や機能は同じである。
まず、図4(A)に示すようにガラス基板101上に酸化珪素膜102を成膜し、さらに非晶質珪素膜103を成膜する。
次に酸化珪素膜でなるマスク104を形成し、ニッケル酢酸塩溶液を塗布し、106で示されるようにニッケル元素が表面に接して保持された状態を得る。
次に加熱処理を施し、107で示されるような横成長を行わす。(図4(B))
図4(B)に示す横成長が終了したら、酸化珪素膜でなるマスク104を除去し、再度酸化珪素膜でなるマスク401を配置する。
そして、マスク401を用いて燐イオンのドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。
この工程において、403の領域に燐のドーピングが行われる。次に加熱処理を行う。この加熱処理は、窒素雰囲気中において600℃、2時間の条件でもって行う。
この際、ニッケル元素は403の領域にゲッタリングされる。そして、燐がドーピングされなかった402の領域においては、ニッケル元素の濃度は大きく低下する。
上記ゲッタリングの工程が終了したら、酸化珪素膜でなるマスク401を除去し、さらにレジストマスクを配置してパターニングを行い、図4(D)の108で示すパターンを得る。このパターンは、後にTFTの活性層となるパターンである。
このパターン108は、マスク401で覆われた402の領域よりもさらに小さくなるパターンとして形成する。
これは、ゲッタタリングが行われた領域(402の領域)内を利用して、TFTの活性層パターン108を形成することで、ニッケルの影響をより積極的に排除するためである。
活性層のパターン108を形成したら、ゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜109をプラズマCVD法で成膜する。このようにして図4(D)に示す状態を得る。
次に図4(E)に示すアルミニウムパターン110をレジストマスク100を用いて形成する。
次に図5(A)に示すように多孔質状の陽極酸化膜111と緻密な膜質を有する陽極酸化膜112とを形成する。
次にこの状態で燐のドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。プラズマドーピング法以外にはプラズマドーピング法を用いることができる。
このドーピングは、後に行われるドーピングよりも高濃度に行うので便宜上ヘビードーピングと称することとする。
このドーピングにおいて、114及び116の領域にヘビードーピングが行われる。また115の領域にはドーピングは行われない。
次に多孔質状の陽極酸化膜111を除去する。そして再度、燐のドーピングを行う。このドーピングは、先のドーピングに比較して低ドーズ量でもって行う。
この工程の結果、低濃度不純物領域117、119が形成される。また、チャネル領域118が形成される。(図5(C))
本実施例においては、これらの領域は自己整合的に形成される。
次に加熱処理を施し、活性層パターン中に残存するニッケル元素を114及び116の領域に集中させる。即ち、活性層パターン中に残存するニッケル元素を114及び116の領域にゲッタリングさせる。(図5(D))
こうして、TFTの動作に問題となるチャネル領域やチャネル領域と低濃度不純物領域との境界付近におけるニッケルの存在をより徹底的に排除することができる。
またこの際、ドーピング時に生じた結晶構造の損傷のアニールが同時に行われる。
次にレーザー光の照射を行い、ドーパントの活性化を行う。
次に図6(A)に示すように窒化珪素膜122と酸化珪素膜123とをプラズマCVD法により成膜する。そしてアクリル樹脂膜124を成膜する。
次にコンタクトホールを形成し、ソース電極125及びドレイン電極126とを形成する。こうしてより徹底的にニッケル元素をチャネル領域及び異種導電型の接合を有する領域から排除したNチャネル型のTFTを得ることができる。
本実施例では、実施例1に示す構造において、低濃度不純物領域117、119(図2参照)の代わりにオフセット領域を配置した場合の例を示す。
本実施例では、図2(B)で示す工程において、低ドーズ量での燐イオンの注入を行わない。即ち、図2(B)におけるドーピングを実施しない。
こうした場合、117及び119の領域には燐のドーピングは行われない。そして、この部分の導電型は、基本的にチャネル領域118と同じになる。
しかし、この117及び119の領域では、チャネルと異なりゲイト電極からの電界の印加により反転層が形成されることはない。(ゲイト電極からの電界は広がりを有するものであり、厳密にはそう言い切れるものではない。しかし、議論を簡単にするめにここではそう考える)
117及び119の領域は、低濃度不純物領域と同様にTFTの動作時において、高抵抗領域として機能する。即ち、チャネル領域とドレイン領域との間に形成される電界強度を緩和し、耐圧やリーク特性を改善する機能を有している。
本実施例の場合、117及び119の領域がオフセット領域となる。
本実施例に示すTFTの場合においてもチャネル領域、さらにはチャネルとチャネルに隣接する領域との境界及びその近傍における当該金属元素の濃度を低減できる。
そして、・耐圧やリーク電流特性の向上・信頼性の向上・素子毎における特性のばらつきの低減 といった効果を得ることができる。
本実施例では、実施例1の構成において、図1(E)の緻密な膜質の陽極酸化膜112の膜厚を200nmと厚くし、その厚さでもってオフセット領域を形成する技術に関する。
本実施例の場合、オフセット領域は、図2(B)に示すチャネル領域118と低濃度不純物領域117との間、及びチャネル領域118と低濃度不純物領域119との間に形成される。
本実施例の場合も図2(C)に示す工程を経るので、チャネル領域におけるニッケル濃度、及びチャネル領域とオフセット領域との界面におけるニッケル濃度を低減することができる。
本実施例は、実施例1やその他の実施例に示す構成において、チャネル領域に導電型を付与する不純物をドーピングした場合の例である。
一般に薄膜トランジスタの場合は、チャネル領域には特に人為的なドーピングを行わない真性または実質的に真性な半導体が利用される。
しかし、しきい値の制御に代表されるような特性の制御のためにチャネル領域の導電型を微妙に制御する技術も知られている。この技術はチャネルドープ技術と称されている。
チャネルドープを実施する方法としては、主に以下の2つの手法が採用されている。
(1)イオン注入法やプラズマドーピング法を用いる。
(2)活性層を構成する出発膜中にドーパントをドーピングしておく。
本実施例では、(2)に方法を用いる。ここでは、Nチャネル型のTFTを作製することを前提として、チャネルにボロンをドーピングする例を示す。
本実施例では、図1(A)に示す段階における非晶質珪素膜103の成膜をジシランとジボランとを原料ガスとして用いた減圧熱CVD法により行う。
この際、ジボランの添加量を変化させることで、チャネルドープのドーピング量を変化させることができる。
ここではんチャネル型のTFTを作製する場合の例を示したが、Pチャネル型のTFTを作製するのであれば、ドーピングガスとしてフォスフィンを用いる。
本実施例では、本明細書で開示する発明を用いてPチャネル型のTFTを作製する場合の例を示す。
ニッケルのゲッタリングは、ボロンでは行うことができない。少なくとも燐を用いた場合のような顕著なゲッタリング効果を得ることはできない。
従って、本明細書で開示する発明を利用してPチャネル型のTFTを作製する場合には、ニッケルのゲッタリングに利用するための燐のドーピングとソース及びドレイン領域を形成するためのドーパント(この場合はボロン)のドーピングとを別々に行う必要がある。
図1及び図2を用いて本実施例の作製工程を示す。まず、実施例1に示した作製工程に従って、図1(E)に示す状態を得る。
この状態で燐のドーピングをプラズマドーピング法(またはイオン注入法)でもって行う。この状態では、図7(A)の701及び703に示す領域に燐のドーピングが行われた状態となる。また、702の領域には、燐のドーピングは行われない。
ここで、701及び703の領域に燐をドーピングするのは、この領域をゲッタリングサイトとして、702の領域に存在するニッケル元素を除去させるためである。
図7(A)に示すドーピングが終了したら、450℃、2時間の加熱処理を窒素雰囲気中で行う。この工程において、702の領域から701及び703の領域に矢印704で示されるようにニッケル元素の移動が行われる。
即ち、領域702のニッケル元素が領域701及び703の領域にゲッタリングされる。
ここで、加熱温度を450℃とするのは、ゲイト電極にアルミニウムを利用しているからである。ゲイト電極に珪素材料やシリサイド材料、さらには金属材料を用いた場合には、その耐熱性さらは基板の耐熱性に鑑みてさらに高い温度とすることが好ましい。
次に図7(C)に示すようにボロンのドーピングをプラズマドーピング法でもって行う。ドーピングの方法は、イオン注入法であってもよい。
この工程におけるドーピングは、705及び707の領域をソース及びドレイン領域とするためのものである。従って、図7(A)に示す工程においてドーピングされた燐よりも高濃度にボロンをドーピングし、N型化した701及び703の領域をP型へと反転させるドーピング条件が必要とされる。
図7(C)に示すドーピングが終了したら、多孔質状の陽極酸化膜111を除去する。
そして、図7(D)に示すように再度ボロンのドーピングを行う。この工程は、低濃度不純物領域を形成するためのものであるから、(C)の工程でドーピングが行われた705及び707の領域よりも導電型が弱くなるようような条件でもって行う。
708及び710の領域は、図7(A)の工程において、燐のドーピングが行われていないので、711や712の領域のように特に導電型を反転させるようなドーピング条件としなくてもよい。
ドーピングの終了後、レーザー光の照射を行い、被ドーピング領域に生じたドーピング時における損傷の修復と、ドーパントの活性化とを行う。この工程は加熱によって行ってもよい。
このようにして、ソース領域711、ドレイン領域712、チャネル領域709、低濃度不純物領域708及び710を形成する。
ここで、ソース領域711及びドレイン領域712にニッケル元素がゲッタリングされた状態となっている。
この構成においてもチャネルとチャネルに隣接する領域との境界に存在する接合付近において、ニッケル元素が減少させられたものとなっている。
そしてそのことにより、Pチャネル型のTFTにおいて、耐圧の向上、OFF電流の低減、信頼性の向上、素子毎の特性のばらつきの低減、といった効果を得ることができる。
本実施例で示すTFTが特徴とするのは、ソース及びドレイン領域には、燐とボロンがドーピングされ、かつボロンの濃度が燐よりも高いことである。
また、それに加えてソース及びドレイン領域におけるニッケル濃度が、チャネル領域や低濃度不純物領域よりも大きいことである。
本実施例では、実施例6に示す構成を改良した構成を示す。実施例6に示す構成にでは、チャネル領域に隣接して低濃度不純物領域を配置する場合の例を示した。(陽極酸化膜の膜厚分によるオフセット領域の存在は無視する)
ここでは、この低濃度不純物領域であった領域をオフセット領域とする場合の例を示す。
本実施例では、図6(D)に示す段階において、ボロンのライトドーピングを行わない。こうすると、708及び710の領域にボロンのドーピングが行われず、その領域がオフセット領域となる。
なお、本実施例に示す構成を採用しなくてもゲイト電極の周囲に形成される緻密な膜質の陽極酸化膜の膜厚を厚くすれば、チャネル領域に隣接してオフセット領域を形成することができる。
本実施例は、他の実施例において、ゲイト電極としてアルミニウムでなくタンタル(Ta)を用いた場合の例である。
タンタルを用いた場合も陽極酸化技術を利用することができる。そして陽極酸化膜を利用した低濃度不純物領域の形成やオフセット領域の形成をアルミニウムを用いた場合と同様に行うことができる。
またタンタルは、アルミニウムに比較して耐熱性が高いので、例えば図2(C)に示す加熱処理の工程における加熱温度を600℃、2時間というような条件とすることができる。
タンタルの融点は2000℃以上であるので、加熱処理温度に関しては、特に考慮を払う必要はない。
本実施例は、他の実施例において、ゲイト電極としてアルミニウムでなく導電型を付与した珪素を用いる場合の例である。
ここでは、燐またはボロンをドーピングした珪素膜を用いてゲイト電極を構成する。ゲイト電極に珪素材料を用いた場合にも図2(C)に示す加熱処理の工程における加熱温度を600℃、2時間というような条件とすることができる。
また、ゲイト電極としては、各種シリサイド材料や金属材料を用いることもできる。
ゲイト電極材料に珪素材料やシリサイド材料を用いた場合には、低濃度不純物領域を形成するための手段として、陽極酸化技術に変わるものを用いる必要がある。
図8にゲイト電極として珪素材料を用いた場合におけるTFTの作製工程の一例を示す。
まず、実施例1に示した図1(A)〜図1(C)の作製工程に従って、図8(A)に示すようにガラス基板101上に下地膜として酸化珪素膜102を成膜し、さらに結晶性珪素膜でなる活性層108を形成する。
この状態においては、活性層108中にはニッケル元素が比較的高濃度に含まれている。また、ニッケル元素の分布状態も特に偏ったものではなく、一様なものとなっている。
ゲイト絶縁膜109を形成した段階で減圧熱CVD法を用いて燐を高濃度にドーピングした珪素膜を成膜し、それをレジストマスク802を用いてパターニングする。こうして801で示すパターンを得る。この珪素膜でなるパターン801を基にして後にゲイト電極が形成される。こうして図8(A)に示す状態を得る。
次に等方性のドライエッチングまたはウェットエッチングを用いて、珪素膜でなるパターン801をエッチングする。この際、レジストマスク802が存在する関係上エッチングは図8(B)に示すようにサイドエッチングとなる。
サイドエッチングが終了したら、燐のドーピングを行い803及び805の領域に燐のドーピングを行う。このドーピングは、ソース及びドレイン領域を形成するためと、ゲッタリングサイトを形成するために行う。
このドーピングは、後に行われるドーピングに比較して高ドーズ量で行うので、便宜上ヘビードーピングと称する。
図8(C)に示すドーピングを終了後、レジストマスク802を除去する。次に再度、燐のドーピングを行う。この際におけるドーピングは、(C)の工程におけるものより低ドーズ量でもって行う。この工程におけるドーピングを便宜上ライトドーピングと称する。
この工程において、低濃度不純物領域807及び808が形成される。そして、窒素雰囲気中において、600℃、2時間の加熱処理を施す。この加熱処理は、燐が拡散しない条件でもって、かつできるだけ高い温度で、かつガラス基板101の歪点以下の温度で行う。
この工程において、活性層パターン108中に存在していたニッケル元素は、803及び805の領域に集中する。この状態は、807、808、809の領域のニッケル元素が803及び805の領域にゲッタリングされたものと見ることもできる。
こうして、図8(C)の804で示される領域はニッケル元素が減少させられたものとなる。
次にレジストマスク802を取り除き、(D)に示す状態において燐のドーピングを行う。この工程は、(C)の工程におけるドーピングよりも低ドーズ量でもって行う。この工程におけるドーピングを便宜上ライトドーピングと称する。
この工程において、低濃度不純物領域807及び808が自己整合的に形成される。また、チャネル形成領域809も自己整合的に形成される。
この後は、実施例1に示すのと同じ工程に従ってTFTを作製すればよい。
本実施例に示す作製工程において、(D)に示す工程におけるライトドーピングを行わなければ807及び808の領域をオフセット領域として形成することができる。
本実施例に示したように、陽極酸化技術を利用しない方法により低濃度不純物領域やオフセット領域を形成する構造とすれば、本明細書で開示する発明は、ゲイト電極の材料としてアルミニウムやタンタルのような材料を利用した場合のみに限定されるものではない。
ただし、本明細書で開示する発明を利用するには、低濃度不純物領域及び/またはオフセット領域が配置された構造であることが必要である。
本実施例は、本明細書で開示する発明を逆スタガー型のTFTに利用した場合の例である。
図9及び図10に本実施例の作製工程を示す。まず、ガラス基板901上にゲイト電極902を形成する。ここでは、タングテンシリサイドを用いてゲイト電極902を形成する。
次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜903を成膜する。さらに活性層を構成する出発膜として、非晶質珪素膜904を成膜する。こうして図9(A)
に示す状態を得る。
図9(A)に示す状態を得たら、ニッケルを利用した結晶化を行い結晶性珪素膜900を得る。(図9(B))
次にレジストマスク905を配置する。そして燐のドーピングを行い906の領域に選択的に燐がドーピングされた状態とする。(図9(B))
次にレジストマスク905を除去する。そして、窒素雰囲気中において、600ど、2時間の加熱処理を行う。この時の加熱温度は、ガラス基板の耐熱性でほぼ律則される。
この加熱処理時において、907で示される経路でもって膜中のニッケル元素が906の領域に向かって移動する。即ち、珪素膜中のニッケル元素は、906の領域にゲッタリングされる。(図9(C))
次に珪素膜をパターニングし、908で示すパターンを得る。このパターンは、TFTの活性層を構成する。(図9(D))
このパターン908は、ゲッタリングサイトとなる906の領域を避けるようにすることが重要である。
これは、ゲッタリングサイトには、高濃度でニッケル元素が含まれているからである。
即ち、906で示されるようなニッケルのゲッタリングサイトは、完全に除去されるようにすることが重要である。
次に図10(A)に示すようにレジストマスク909を配置する。
そして、レジストマスク909を用いて、910及び911の領域に燐のドーピングを行う。このドーピングは、ヘビードーピングの条件でもって行う。(図10(B))
次に等方性のアッシングにより、レジストマスク909を後退させ、図10(C)の912で示されるようなレジストマスクのパターンを形成する。
そしてこの状態で燐のライトドーピングを行う。この工程において、914、915の領域に燐のライトドーピングが行われる。
次に窒素雰囲気中において、600℃、2時間の加熱処理を行う。こうすると、主に910及び911の領域になお活性層中に残留しているニッケル元素がゲッタリングされる。
次にレジストマスク912を除去し、レーザー光の照射及び/または加熱処理を行い、ドーピングが行われた領域の活性化を行う。
こうして、ソース領域910、ドレイン領域911、低濃度不純物領域914及び915、チャネル領域913が形成される。
次に層間絶縁膜として、酸化珪素膜916を成膜し、さらに樹脂膜917を成膜する。(図10(D))
さらにコンタクトホールを形成して、ソース電極918、ドレイン電極919を形成する。こうしてボトムゲイト型のTFTが完成する。
本実施例では、他の実施例において示したニッケルを利用した結晶化の方法とは異なる方法を利用する。
図1に示す結晶成長方法は、横成長と呼ばれるもので、その結晶成長方向の軸とニッケルのゲッタリング方向の軸、さらに動作時におけるキャリアの移動方向の軸とを一致させることにより、非常に高い電気的な特性が得られる。
しかし、この方法は、結晶化に利用するニッケル元素(その他の金属元素を利用した場合でも同じ)の導入方法が煩雑であり、その分だけ工程が増えてしまうという問題がある。
本実施例で示す方法では、非晶質珪素膜を成膜した後に、その表面の全面に対してニッケル元素の導入を行う。(その他の金属元素を用いる場合でも同じ)
例えば、図1に示す工程において、酸化珪素膜でなるマスク104を配置せずに、非晶質珪素膜103の表面全体が露呈している段階において、ニッケル酢酸塩溶液を全面に塗布する。
こうすることで、マスクを配置する手間を省くこができる。ただし、結晶化が全面において進行するので、横成長の場合程の高い特性を得ることができない。
即ち、得られるTFTの特性は、横成長を利用した場合の程ではない。しかし、従来の当該金属元素を用いないで得られる結晶性珪素膜を用いたTFTよりは高い特性を得ることができる。
本実施例では、本明細書で開示する発明を利用した半導体装置の例を示す。即ち、本明細書で開示する発明を利用したTFTを用いた半導体装置の例を示す。
図11に各種半導体装置の例を示す。これらの半導体装置は、TFTを少なくとも一部に用いている。
図11(A)に示すのは、携帯型の情報処理端末である。この情報処理端末は、本体2001にアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイまたはアクティブマトリクス型のELディスプレイを備え、さらに外部から情報を取り込むためのカメラ部2002を備えている。
カメラ部2002には、受像部2003と操作スイッチ2004が配置されている。
情報処理端末は、今後益々その携帯性を向上させるために薄く、また軽くなるもと考えられている。
このような構成においては、アクティブマトリクス型のディスプレイ2005が形成された基板上周辺駆動回路や演算回路や記憶回路がTFTでもって集積化されることが好ましい。
図11(B)に示すのは、ヘッドマウントディスプレイである。この装置は、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイやELディスプレイ2102を本体2101に備えている。また、本体2101は、バンド2103で頭に装着できるようになっている。
図11(C)に示すのは、投影型の液晶表示装置であって、フロントプロジェクション型と称される装置である。
この装置は、本体2201内に備えられた光源原2202からの光を反射型の液晶表示装置2203で光学変調し、光学系2204で拡大してスクリーン2205に画像を投影する機能を有している。
このような構成において、光学系2204はコストの関係からなるべく小型化することが求められている。そしてそれに対応して表示装置2203も小型化することが求められている。
アクティブマトリクス型のフラットパネルディスプレイを小型化した場合、アクティブマトリクス回路を駆動する周辺駆動回路をもアクティブマトリクス回路と同じ基板上に集積化することが求められる。
これは、アクティブマトリクス回路が小型化した場合、周辺駆動回路を構成する回路を外付けのICでもって構成してもそれを装着することが困難になるからである。
よって、表示装置2203には、同一の基板上にアクティブマトリクス回路と周辺駆動回路とをTFTでもって集積化する構成が採用される。
ここでは、液晶表示装置2503として反射型のものを用いる例を示した。しかし、ここに透過型の液晶表示装置を用いてもよい。この場合、光学系を異なるものとなる。
図11(D)に示すのは、携帯電話である。この装置は、本体2301にアクティブマトリクス型の液晶表示装置2304、操作スイッチ2305、音声入力部2303、音声出力部2302、アンテナ2306を備えている。
また、最近は、(A)に示す携帯型情報処理端末と(D)に示す携帯電話とを組み合わせたような構成も商品化されている。
図11(E)に示すのは、携帯型のビデオカメラである。これは、本体2401に受像部2406、音声入力部2403、操作スイッチ2404、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイ2402、バッテリー2405を備えている。
図11(F)に示すのは、リアプロジェクシン型の液晶表示装置である。この構成は、本体2501に投影用のスクリーンを備えた構造となっている。表示は、光源2502からの光を偏光ビームスプリッタ2504で分離し、この分離された光を反射型の液晶表示装置2503で光学変調し、この光学変調された画像を反射してリフレクター2505、2506で反射し、それをスクリーン2507に投影するものである。
ここでは、液晶表示装置2503として反射型のものを用いる例を示した。しかし、ここに透過型の液晶表示装置を用いてもよい。この場合、光学系を変更すればよい。
TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの活性層中におけるニッケルと燐の濃度分布を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 TFTの作製工程を示す図。 半導体装置の例を示す図。 TFTの活性層におけるNi濃度の分布を示す図。
符号の説明
101 ガラス基板
102 下地膜(酸化珪素膜)
103 非晶質珪素膜
104 酸化珪素膜でなる
105 開口部
106 表面に接して保持されたニッケル元素
107 結晶成長方向
108 活性層のパターン
109 ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)
110 アルミニウムパターン
100 レジストマスク
111 多孔質状の陽極酸化膜
112 緻密な膜質を有する陽極酸化膜
113 ゲイト電極
114 ソース領域となる高濃度不純物領域
115 ドーピングが行われない領域
116 ドレイン領域となる高濃度不純物領域
117 低濃度不純物領域
118 チャネル領域
119 低濃度不純物領域
120 ニッケル元素の移動方向
121 ニッケル元素の移動方向
122 窒化珪素膜
123 酸化珪素膜
124 アクリル樹脂膜
125 ソース電極
126 ドレイン電極

Claims (2)

  1. 珪素の結晶化を助長する金属元素を用いて結晶化させた結晶性珪素膜を有する薄膜トランジスタを用いた半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、チャネル領域と、
    前記チャネル領域に隣接したオフセット領域と、
    前記オフセット領域に隣接した低濃度不純物領域と、
    前記低濃度不純物領域に隣接したソース領域またはドレイン領域と、を有し、
    前記ソース領域または前記ドレイン領域には前記金属元素が1×1019原子/cm以上の濃度で含まれており、
    前記チャネル領域、前記オフセット領域、及び前記低濃度不純物領域には前記金属元素が1×1017原子/cm以下の濃度で含まれていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記金属元素はFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類であることを特徴とする半導体装置。




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