JP4307626B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波ガイド下治療、穿刺等の処置を行う際の注目組織の視認性を向上させることのできる超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療現場においては、腫瘍等の注目組織に穿刺針を刺した後、組織片若しくは細胞を吸引し、病理学的な精密検査を行う、いわゆる生検が広く普及している。この生検が、例えば、腫瘍の良性/悪性の鑑別等、病変の確定診断の為に不可欠のものであるということは、周知の事実である。
【0003】
又、穿刺針を刺した後、患部に直接薬剤を注入する治療を試みられている。このような方法による薬剤投与は、経口投与よりも薬剤が少なく済み、副作用が少なく安全であるという利点がある。更に、患部に直接投与するので薬効が経口投与よりもより効果的であるという利点もある。
【0004】
このように穿刺には種々の利点があるが、穿刺を行う際に穿刺針の先端が正しく注目組織に位置しているか否かは、生検若しくは治療の成否を大きく左右する。このため、超音波を注目組織と穿刺針とを含んだ断面で走査し、超音波画像上でリアルタイムにモニターしながら穿刺を行う、いわゆる超音波ガイド下穿刺が普及している。
【0005】
又、超音波ガイド下では治療のための様々な試みがなされており、収束超音波(High Intensity Focused Ultrasound;HIFU)やレーザー素子を用いて腫瘍等の患部を焼灼する超音波ガイド下治療も行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波ガイド下穿刺、超音波ガイド下治療については、主に以下の2つの問題点がある。
【0007】
(1)超音波画像上において、注目組織がどこにあるかはっきりしないこと、すなわち、注目組織の視認性が悪いことがある。
【0008】
(2)穿刺針が曲がり、超音波の走査平面内からずれて、超音波画像上に穿刺針が描出されないこと、すなわち、穿刺針の視認性が悪いことがある。
【0009】
上記(1)については、特開平4−236952号公報、特開平10−258050号公報、特公平7−32777号公報に開示されているような、超音波画像にテクスチャー解析等の画像処理を施し、注目組織を超音波画像上で異なる色相で表示したり、注目組織の境界を抽出したりする超音波診断装置が知られている。
【0010】
上記(2)については、特開平9−135498号公報に開示されているような、超音波振動子アレイを構成する各エレメントの励起電極と接地電極のうち、接地電極を複数に分割して、通常の走査と穿刺時の走査とでビーム幅を変更できる超音波診断装置が知られている。この装置では、通常の走査時にはすべての接地電極を用いて超音波を励起することで、開口を広く取り、超音波ビームを絞って分解能の高い超音波画像を得ることができる。又、穿刺時には、一部の接地電極のみを用いて超音波を励起することで、開口を狭く取り、超音波ビームを広げて、事実上、走査面を「厚く」することで、穿刺針が曲がっても穿刺針を超音波画像上に描出し、穿刺針の位置の確認が容易にできる。
【0011】
しかしながら、特開平4−236952号公報、特開平10−258050号公報、特公平7−32777号公報の中では、超音波画像処理が超音波ガイド下治療、超音波ガイド下穿刺に使用される際の構成、作用、効果について何ら示唆が与えられていない。
【0012】
又、特開平9−135498号公報に開示されているような超音波診断装置では、穿刺する際には、超音波ビームを広げてしまうので、どうしても分解能の良い画像の下で穿刺を行うことができない。又、超音波振動子アレイを構成する各エレメントの接地電極を複数に分解し、通常の走査と穿刺時の走査とでビーム幅を変更する構成であるため、数十〜数百個あるエレメントの電極の数が数倍程度で多くなり、電極の形成作業が大変難しくなる。更に、各エレメント毎に接地電極のON/OFFを切り替える回路が必要になり、回路規模も大きくなる。
【0013】
そこで、本発明の第1の目的は、超音波ガイド下治療、超音波ガイド下穿刺等の処置を行う際の注目組織の視認性を向上させることにある。
【0014】
又、本発明の第2の目的は、超音波ガイド下穿刺を行う際の穿刺針等の処置手段の視認性を、画像の分解能を犠牲にすることなく、向上させることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、観察対象の組織に超音波を送受波して得られたエコーデータより超音波画像データを生成する信号処理手段と、前記観察対象の組織に処置を施す処置手段と、前記信号処理手段により得られた超音波画像データの中の注目組織を認識して、強調するための解析データを得る解析手段と、前記処置手段の進行方向を示す経路データを生成する処置経路データ生成手段と、前記処置手段で処置を施す際のガイド手段とするために前記解析データと前記経路データとを互いに異なる色相若しくは階調で前記超音波画像データに合成させる合成手段と、前記合成手段により合成されたデータを画像として表示するための表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成よれば、観察対象の組織に超音波を送受波して得られたエコーデータより超音波画像データを生成し、又、この超音波画像データの中の注目組織を認識して、強調するための解析データを取得し、又、処置手段の進行方向を示す経路データを生成し、この解析データと経路データとを互いに異なる色相若しくは階調で超音波画像データに合成し、この合成されたデータを表示手段に画像として表示し、観察対象の組織に対し処置手段を用いて処置を施す際のガイドとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1は体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブの挿入側先端の概略図、図2は超音波プローブ内部の機構を示す説明図、図3は音響レンズを設けた場合と音響レンズが設けられていない場合の超音波ビームの指向性の違いを示す説明図である。尚、この場合の超音波プローブは、光学系を設けたいわゆる超音波内視鏡が含まれる。図4は超音波診断装置の全体構成を示す説明図、図5は画像処理ルーチンを示すフローチャート、図6は各判別窓に色を割り当てる状態を示す画像データの説明図、図7は悪性度を反映した解析データの説明図、図8は穿刺経路データの説明図、図9は解析データと穿刺経路データとが背景画像に加算された画像データの説明図、図10は変形例を示す図6相当の説明図、図11は他の変形例を示す説明図である。
【0020】
図1に示すように、超音波プローブの挿入側先端1には、先端キャップ1aと鉗子突出口1bとが設けられており、同図には、穿刺時に、体外から挿入された処置手段の一例である穿刺針2が、超音波プローブ内の管路(図示せず)を経由して鉗子突出口1bから突出し、患部を穿刺する様子が描かれている。ところで、この鉗子突出口1bの向きは固定されており、穿刺針2は常に同じ方向へ突出するように設定されている。
【0021】
図2に示すように、先端キャップ1a内には、その表面に音響レンズ3を設けた超音波振動子4が保持されている。この超音波振動子4は、互いに直角に嵌合した2つの傘歯車5a,5bを介してフレキシブルシャフト6に接続されている。フレキシブルシャフト6の後端には、モータ7と、光学式のロータリーエンコーダー等で構成される角度検出器8とが設けられている。このモータ7は、図4に示す超音波診断装置に設けた駆動部10からの駆動信号を受けて回転駆動され、モータ7に連設するフレキシブルシャフト6及び角度検出器8を回転させる。
【0022】
図4に示すように、超音波振動子4は、信号増幅、対数変換、包絡線検波、A/D変換等、超音波信号に関する周知の信号処理を行う送受信回路11に接続されている。
【0023】
送受信回路11から出力されるエコーデータは信号処理回路13に入力され、ここで表示手段であるモニタ12に出力可能な直交座標系の画像データに変換するスキャンコンバートが行われる。
【0024】
更に、信号処理回路13では、角度検出器8からの角度信号を入力して、前述のスキャンコンバートに必要な超音波振動子4の向きに関する角度情報を得る。そして、信号処理回路13で所定に処理された画像データが、解析手段の一例である画像処理回路14と合成手段の一例である加算回路15とへそれぞれ出力される。
【0025】
画像処理回路14では、信号処理回路13から入力された画像データの各部の悪性度を反映した解析データ処理を行い、スイッチAへ出力する。一方、本実施の形態では、処置経路データである穿刺経路データを生成する穿刺経路データ生成回路16が設けられており、この穿刺経路データ生成回路16からの出力がスイッチBへ入力される。
【0026】
スイッチA,Bは、入力制御回路17を経由した、入力部18からの制御信号により連動して同時に開閉される。尚、入力部18はキーボード、マウス、トラックボール等、公知の入力手段で構成される。こうして、画像処理回路14、穿刺経路データ生成回路16からの各出力が、スイッチA,Bを経由して加算回路15に入力される。
【0027】
そして、加算回路15の出力が表示回路19へ入力され、表示回路19では入力信号をアナログのテレビ信号に変換し、モニタ12へ出力する。
【0028】
次に、上記構成による本実施の形態の作用について説明する。
駆動部10からの駆動信号がモータ7に入力されると、フレキシブルシャフト6、傘歯車5a,5bを介して超音波振動子4が機械的に回転駆動される。
【0029】
一方、送受信回路11は、超音波振動子4に高電圧パルスを印加し、超音波を励起させて、超音波振動子4を電気的に駆動させる。そして、励起した超音波は音響レンズ3を経由して、指向性の強い鋭いビーム(図3(a)参照)として先端キャップ1aを経由し、体腔内に放射される。尚、図3(b)に一点鎖線で示すように、超音波が音響レンズ3を介さずに出力された場合、ビームの指向性は弱くなる。
【0030】
このように、超音波振動子4が回転しながら、超音波を放射することにより、図1に一点鎖線で示すように、先端キャップ1aから外側へ扇形の走査面を形成する、いわゆるセクタ走査が実現される。尚、同図に示すように、穿刺の際には、固定した開口方向をもつ鉗子突出口1bから突出する穿刺針2は、常にこの走査面内に存在するように突出方向が固定される。
【0031】
そして、体腔内に放射された超音波の生体から反射したエコーは、超音波振動子4で受波され、電気的なエコー信号として送受信回路11へ出力する。送受信回路11は、エコー信号に信号増幅、対数変換、包絡線検波、A/D変換等、超音波信号に関する周知の信号処理を施してデジタル的なエコーデータに変換し、信号処理回路13へ出力する。
【0032】
信号処理回路13は、角度検出器8からの角度信号を用いて、エコーデータにスキャンコンバートを施し、モニタ12に出力可能な直交座標系の画像データに変換し、この画像データを画像処理回路14と加算回路15とへ出力する。
【0033】
このとき、スイッチA,Bが同時に開いている場合には、加算回路15への入力は、信号処理回路13からの画像データのみとなり、このときには超音波画像が超音波振動子4による走査に合わせて順次モニタ12に表示される。
【0034】
そして、操作者が穿刺を始める際に、入力部18を介して穿刺のガイドを出力させるよう入力制御回路17へ指令すると、入力制御回路17から制御信号がスイッチA,Bへ出力され、この両スイッチA,Bが閉じ、信号処理回路13からの画像データに加えて、画像処理回路14と穿刺経路データ生成回路16からのデータが加算回路15へ出力される。
【0035】
画像処理回路14の内部に設けられたメモリには、例えば腫瘍等、問題となっている注目組織の典型的なエコーパターンが表現されている画像データにテクスチャー解析を施して定量化された特徴量が記憶されている。尚、このとき算出される特徴量については、種々の特徴量が既に公知であり、例えば特開平4−236952号公報、特開平10−258050号公報、特公平7−32777号公報に記載されている様々な特徴量を用いることができる。
【0036】
画像処理回路14では、信号処理回路13から出力される画像データを区分した小部分(以下、「判別窓」)と、注目組織の典型的な画像データとの類似度(以下、悪性度)を算出し、各判別窓毎に悪性度に応じた色を割り当てる。
【0037】
画像処理回路14での複数の判別窓に色をそれぞれ割り当てる画像処理は、図5に示す画像処理ルーチンに従って行われる。
【0038】
このルーチンでは、先ず、ステップS1で判別窓の特徴量を算出する。次いで、ステップS2で、ステップS1で算出した特徴量と、メモリに記憶されている注目組織の典型的な特徴量とを比較し、悪性度を算出する。尚、この比較の方法については、種々の方法が公知であり、いわゆる判別分析や、特開平10−258050号公報に開示されているような特徴量を直交軸とする特徴空間内でのFS変換や分類平面内での距離を用いる方法や、特公平7−32777号公報に開示されているようなファジー合意を用いる方法等を採用することができる。
【0039】
次いで、ステップS3で、判別窓に悪性度に応じた色を割り当てる。
【0040】
そして、ステップS4へ進み、画像全てについて解析が終了したか否かを判別し、未了のときは、ステップS5へ進み、テクスチャー解析を施す判別窓を一つ隣りの判別窓に変更し、ステップS1へ戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS4で全ての画像について解析が終了したと判定したときは、ルーチンを終了する。その結果、図6に示すように、複数の判別窓の各々に色が割り当てられる。
【0041】
そして、信号処理回路13から入力する画像データの各部の悪性度を反映した解析データが、画像処理回路14からスイッチAを経由して加算回路15へ出力される。図7に、このときの解析データの一例を示す。尚、同図(a)に示す各判別窓に記されたA〜Cには、実際には同図(b)の対照表に示す色が表示されており、本実施の形態では色調が濃くなるに従い、悪性度が強調されるように設定されている。尚、この場合、階調の変化により悪性度を強調するように設定してもよい。
【0042】
又、穿刺経路データ生成回路16は、穿刺の経路について、画像データに重畳、表示すべき位置を計算し、図8に一点鎖線で示すような、穿刺針が刺されると予測される進行方向、すなわち穿刺針の向きを示す穿刺経路データを加算回路15へ出力する。
【0043】
加算回路15は、画像処理回路14から出力された解析データ(図7参照)と、穿刺経路データ生成回路16から出力された穿刺経路データ(図8参照)とを色相を変えて、信号処理回路13から出力されている画像データに加算する。
【0044】
そして、図9に示すように、解析結果と穿刺経路とが、背景画像とは異なる色相で示された画像データに加工されて表示回路19へ出力し、モニタ12に表示させる。
【0045】
操作者はモニタ12に表示された画像上で、図9に破線で示す注目組織と一点鎖線で示す穿刺経路とを確認した後、穿刺を行い、生検や薬剤の投与を行う。尚、図9の点Oは超音波振動子4の回転中心である。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、体腔内に超音波を送受波し、エコーデータを取得する超音波プローブと、エコーデータより画像データを構築する送受信回路11、信号処理回路13と、生体内の注目組織へ穿刺する穿刺針2と、生体の組織性状を反映した画像データ上にエコーパターンを処理し、超音波画像上に表現された注目組織を、注目組織の色相若しくは階調を変化させることで強調する画像処理回路14とを設け、穿刺のガイドとしたので、超音波ガイド下穿刺を行う際の、注目組織の視認性を向上させることができる。
【0047】
又、本実施の形態では、画像処理回路14の他に、穿刺針2が穿刺する経路を超音波画像上に表示する穿刺経路データ生成回路16を設け、注目組織の強調と、穿刺経路の表示とを同時に行うことで穿刺の際のガイドとしたので、操作者は穿刺経路と、強調された注目組織とが交わっていることをモニタ12上で確認することで、より安全に穿刺を行うことができる。
【0048】
一般に体腔内の超音波画像の読み方を理解するには高度の熟練が必要であるが、このように構成することで、操作者が体腔内の超音波画像を病理学的、解剖学的に理解することが難しい場合でも、簡単かつ安全に穿刺を行うことができる。
【0049】
尚、本実施の形態では、画像処理回路14で画像データにテクスチャー解析を施して、画像処理により注目組織を強調したが、画像処理によらず、超音波の音速や減衰率等を用いた公知の組織性状診断方法を用いても良い。
【0050】
又、本実施の形態では、加算回路15で解析データと画像データとを単純に加算したが、適当に重みを加えた重み付け加算や、画像データの場所によって重みを変更した種々の合成でも良い。
【0051】
又、本実施の形態では、加算回路15で穿刺経路と注目組織とがその背景画像とはそれぞれ異なる色相で示された画像データに加工したが、単に色相だけではなく、階調やその他の彩度を異ならせる等、他の方法を用いて、解析結果と穿刺経路とが背景画像と異なる態様で示される画像データに加工しても良い。
【0052】
又、本実施の形態では、体腔内に挿入する超音波プローブについて説明したが、体外から超音波を照射し、診断、処置をする超音波プローブであっても良い。
【0053】
又、本実施の形態では、単一の超音波振動子4をフレキシブルシャフト6を介して回転駆動するメカニカル走査型の超音波プローブを用いたが、これは、複数の超音波振動子を駆動して走査する電子走査型の超音波プローブであっても良い。
【0054】
ところで、本実施の形態では、図6に示すように、画像データの縦横に対し、判別窓の縦横の向きが固定されているが、図10に示すように複数の判別窓の縦方向がいつも超音波振動子4の方向を向くように設定しても良い。これは、前述の特開平4−236952号公報、特開平10−258050号公報、特公平7−32777号公報で開示されているような特徴量は判別窓の縦、横、斜めの各方向別に算出され、判別の精度が判別窓の向きに依存するためである。判別窓の縦方向がいつも超音波振動子4の方向を向くようにしたのは、超音波画像を構成する斑点状のスペックルが作るテクスチャーパターンは、超音波ビームの方向に依存することが多いためである。
【0055】
又、胃壁の超音波画像における層構造のように、生体自身が方向性をもった組織構造の場合には、複数の判別窓を組織構造の方向に沿うように配置し、又その向きも組織構造の方向に沿うように設定しても良い。
【0056】
この場合、図11に示すように、判別窓内の画像データの空間周波数が最小となるような方向(すなわち最も層の間隔が狭くなるように切断する方向)を、判別窓を回転させながら探索し、y軸方向と一致させることで、判別窓の向きを組織構造の方向に沿うようにすることが可能となる。
【0057】
同様に判別窓内の画像データの空間周波数が最大となるような方向(すなわち最も層の間隔が広くなるように切断する方向)を、判別窓を回転させながら探索し、x軸方向と一致させることでも可能である。
【0058】
更に、このように生体自身が方向性をもった組織構造の場合には、判別窓の縦、横、斜めの各方向別に算出された特徴量を積算し、図5のステップS1〜S5に示した処理を、この積算された特徴量に基づいて行っても良い。このようにすることで、生体組織構造の方向依存性を低減したテクスチャー解析を行うことができる。
【0059】
ところで、図1〜図11においては、超音波プローブの先端キャップ1aに1つの超音波振動子4を配設した場合について説明したが、図12〜図15に示すように、先端キャップ1aに2つの超音波振動子を配設するようにしても良い。ここで、図12は体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブの挿入側先端の概略図、図13は超音波プローブ内部の機構を示す説明図である。尚、この場合の超音波プローブは、光学系を設けたいわゆる超音波内視鏡を含む。又、図14は超音波診断装置の全体構成を示す説明図、図15は二値化処理後の画像データの説明図、図16は穿刺針が背景画像に加算された画像データの説明図である。
【0060】
図12に示すように、超音波プローブの挿入側先端1には、先端キャップ1aと鉗子突出口1bとが設けられており、同図には、穿刺時に、体外から挿入された穿刺針2が、超音波プローブ内の管路(図示せず)を経由して鉗子突出口1bから突出し、患部を穿刺する様子が描かれている。尚、この鉗子突出口1bの向きは固定されており、穿刺針2は常に同じ方向へ突出するように設定されている。
【0061】
図13に示すように、先端キャップ1a内には、180°方向向きに2つの超音波振動子4a,4bが配設されている。このうち一方の超音波振動子4aの表面に音響レンズ3が設けられ、他方の超音波振動子4bの表面には音響レンズは設けられていない。各超音波振動子4a,4bは、互いに直角に嵌合した2つの傘歯車5a,5bを介してフレキシブルシャフト6に接続されている。
【0062】
フレキシブルシャフト6の後端には、モータ7と、光学式のロータリーエンコーダー等で構成される角度検出器8とが設けられている。このモータ7は、図14に示す駆動部10からの駆動信号を受けて回転駆動され、モータ7に連設するフレキシブルシャフト6及び角度検出器8を回転させる。
【0063】
図14に示すように、各超音波振動子4a,4bはスイッチCを介して、信号増幅、対数変換、包絡線検波、A/D変換等、超音波信号に関する周知の信号処理を行う送受信回路11に接続されている。
【0064】
送受信回路11からの出力は信号処理回路13に入力され、エコーデータをモニタ12に出力可能な直交座標系の画像データに変換するスキャンコンバートが行われる。
【0065】
更に、信号処理回路13では、角度検出器8から角度信号を入力して、前述のスキャンコンバートに必要な超音波振動子4a,4bの向きに関する角度情報を得る。そして、信号処理回路13により所定に処理された画像データは、スイッチDを介して、バッファメモリαと二値化回路20とに対し選択的に出力される。
【0066】
二値化回路20では入力された画像データを二値化処理し、マスク回路21へ出力する。マスク回路21では、二値化された画像データにマスク処理を施す。
【0067】
マスク回路21でマスク処理が施された画像データは、バッファメモリβへ出力される。
【0068】
そして、バッファメモリα、βに記憶されている画像データが、加算回路15にて読み出される。
【0069】
又、本実施の形態では、スイッチを切換える切換え信号をスイッチC,Dへ出力するコントローラ22が設けられており、このコントローラ22へも角度検出器8からの角度信号が出力されている。スイッチC,Dはコントローラ22からの切換え信号により、端子I若しくは端子IIへ連動して同時に切り換わる。
【0070】
又、コントローラ22は、加算回路15、バッファメモリα、バッファメモリβへ、加算回路15がバッファメモリα、βに記憶された画像データを読み出すよう、読み出し制御信号を出力する。
【0071】
更に、本実施の形態には、マウス、トラックボール等公知の入力手段から構成される入力部18からの指令を受けて出力される入力制御回路17からの制御信号により制御されるスレショールド調整回路23が設けられている。このスレショールド調整回路23は、二値化処理に必要なスレショールドデータを二値化回路20へ出力するもので、スレショールドデータは、入力制御回路17を経由した入力部18からの指令により、その値を変更することができる。
【0072】
そして、加算回路15からの画像データが表示回路19へ出力される。表示回路19では入力された画像データをアナログのテレビ信号に変換してモニタ12へ出力する。
【0073】
このような構成によれば、超音波プローブに設けたモータ7が、図14に示す駆動部10からの駆動信号により回転すると、このモータ7に連設するフレキシブルシャフト6、超音波振動子4が機械的に回転駆動する。又、このとき、コントローラ22は、角度検出器8からの角度信号をもとにフレキシブルシャフト6が180°回転する度にスイッチC,Dを切換える。
【0074】
すなわち、超音波振動子4aが前方を向いているときは、スイッチC,Dを端子Iに切換え、又、超音波振動子4bが前方を向いているときはスイッチC,Dを端子IIに切換える。
【0075】
又、送受信回路11は、スイッチCを介して超音波振動子4a,4bに高電圧パルスを印加し、超音波を励起させて、超音波振動子4a,4bを電気的に駆動させる。尚、このときスイッチCにより送受信回路11と超音波振動子4a,4bとが選択的に切換えられるため、超音波振動子4a,4bの一方に高電圧パルスが印加されている間、他方は非通電状態となる。
【0076】
そして、スイッチCが端子Iに切換えられて、高電圧パルスが音響レンズ3を設けた超音波振動子4aに印加されると、超音波振動子4aで励起された超音波が音響レンズ3を経由して、指向性の強い鋭いビームとして先端キャップ1aから体腔内に放射される。
【0077】
一方、スイッチCが端子IIに切換えられて、高電圧パルスが、音響レンズを設けていない超音波振動子4bに印加されると、超音波振動子4bで励起された超音波は、指向性の弱いビームとして先端キャップ1aから体腔内に放射される。
【0078】
そして、超音波振動子4a,4bが回転しながら、超音波を交互に放射することにより、先端キャップ1aから外側へ扇形の走査面を形成する、いわゆるセクタ走査が、各超音波振動子4a,4b毎に実現される。
【0079】
尚、音響レンズ3を設けた超音波振動子4aでのセクタ走査は、図1の一点鎖線で示す通りとなり、又、音響レンズを設けていない超音波振動子4bでのセクタ走査は、図12に一点鎖線で示す通りとなる。又、このとき、固定した開口方向をもつ鉗子突出口1bを経由した穿刺針2は、突出方向が固定される。
【0080】
放射された超音波が生体で反射したエコーは、超音波振動子4a,4bで受波され、電気的なエコー信号として送受信回路11へ出力される。
【0081】
送受信回路11は、エコー信号に信号増幅、対数変換、包絡線検波、A/D変換等、超音波信号に関する周知の信号処理を施してデジタル的なエコーデータに変換し、信号処理回路13へ出力する。
【0082】
信号処理回路13は、角度検出器8からの角度信号を用いることで、エコーデータにスキャンコンバートを施し、モニタ12に出力可能な直交座標系の画像データに変換して、画像データをスイッチDへ出力する。
【0083】
スイッチDは、コントローラ22からの切換え信号により、スイッチCに連動して、端子I若しくは端子IIを同時に切換えられる。
【0084】
従って、スイッチDが端子Iに切換えられている場合、バッファメモリαには音響レンズ3を設けた超音波振動子4aから生成された指向性の強い鋭い超音波ビームにより得られた画像データが記憶される。一方、スイッチDが端子IIに切換えられている場合は、以下の通りとなる。
【0085】
すなわち、音響レンズを設けていない超音波振動子4bから生成された指向性の弱い超音波ビームにより得られた画像データは、二値化回路20により二値化処理を施されて穿刺針2が有るか無いかが判断される。
【0086】
具体的には、穿刺針2は、通常、画素値の大きな画像データで表現される場合が多く、最終的にモニタ12に出力される超音波画像上でもハイエコーで表現される。そのため、画像データの画素超音波をもとにスレショールド調整回路23からのスレショールドデータをしきい値にして二値化処理を施すことにより、超音波画像のどの部分に穿刺針2が存在するか判断することができる。
【0087】
次に、二値化回路20で二値化処理が施された画像データは、マスク回路21により穿刺針2以外の部分に対しマスク処理が施され、穿刺針2以外の部分のデータは「0」に変換される。このとき、穿刺針2が写っている部分と、穿刺針2以外の部分との区別は、二値化処理された画像データ上で、ある程度塊状に写っている部分を穿刺針2とし、そうでない部分を穿刺針2以外の部分として認識するものとする。
【0088】
その結果、画像データ上で穿刺針2以外の部分の画素値が「0」に置きかえられるため、図15に表示されているようなノイズが画像データ上から自動的に除去される。
【0089】
そして、マスク回路21から出力された画像データ、すなわち、音響レンズ3を設けない超音波振動子4bから生成された指向性の弱い超音波ビームにより得られた画像データが、バッファメモリβに記憶される。
【0090】
その結果、バッファメモリαには、超音波振動子4aから放射された指向性の強い鋭い超音波ビームにより得られた画像データが半周分だけ記憶され、又、バッファメモリβには、超音波振動子4bから放射された指向性の弱い超音波ビームにより得られた画像データが二値化処理、マスク処理を施された後、半周分だけ記憶されることになる。尚、バッファメモリα、β内の画像データは、生体の同一の部位についての画像データである。
【0091】
更に、コントローラ22は、360°回転する度にバッファメモリα、βと加算回路15とへ読み出し制御信号を出力する。このため、360°回転する度に、加算回路15は、バッファメモリα、βからの画像データを読み出し、図16に示すような穿刺針2と背景画像とが加算された画像データに加工し、その加算した画像データを表示回路19へ出力する。表示回路19では、入力された画像データをアナログのテレビ信号に変換してモニタ12へ出力する。
【0092】
このように、超音波振動子4a,4bを配設し、一方の超音波振動子4aには音響レンズ3を設け、他方の超音波振動子4bには音響レンズを設けず、この両超音波振動子4a,4bから前方へ交互にセクタ走査を行うようにしたので、モニタ12に表示される超音波画像上では、穿刺針2以外の部分を音響レンズ3を設けた超音波振動子4aにより、分解能の高い超音波画像で診断することができる。又、穿刺針2の部分には、音響レンズ3を設けていない超音波振動子4bにより、事実上、走査面を「厚く」することで、穿刺針2が曲がっても超音波画像上に描出し、穿刺針2の位置の確認が容易にできる。
【0093】
すなわち、180°反対向きに設けられた、超音波ビーム形状の異なる2つの超音波振動子4a,4bにより、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得するメカニカル走査型超音波プローブと、生体内の注目組織へ穿刺する穿刺針2と、超音波振動子4を任意に選択するスイッチC,Dと、一方の超音波振動子4aからのエコーデータより画像データを構築する送受信回路11、信号処理回路13と、他方の超音波振動子4bからのエコーデータより穿刺針2のみの画像データを構築する送受信回路11、信号処理回路13、二値化回路20、マスク回路21と、画像データと穿刺針2のみの画像データとを加算して合成する加算回路15とを設けたので、超音波ガイド下穿刺を行う際の、穿刺針2の視認性を、画像の分解能を犠牲にすることなく、又回路規模を大きくすることなく、向上させることができる。
【0094】
又、スレショールド調整回路23を設け、二値化回路20における二値化処理のしきい値としてスレショールドデータを、入力制御回路17を経由した入力部18からの指令により値を変更できるよう構成したので、穿刺針2の描出を良好な状態にコントロールすることができる。
【0095】
更に、二値化回路20、マスク回路21を設け、穿刺針2のみの画像データを抽出するよう構成したので、この二値化回路20、マスク回路21、若しくは加算回路15において、穿刺針2のみの画像データを、背景画像とは色相、階調やその他の彩度を異ならせる等の方法で、超音波画像上における穿刺針2の視認性をより向上させることができる。
【0096】
尚、本実施の形態では、メカニカル走査型超音波プローブの先端1に180°反対向きに設けられた2つの超音波振動子4a,4bを設け、一方を音響レンズ3を設けた超音波振動子4aとし、他方を音響レンズを設けていない超音波振動子4bとしたが、超音波ビーム形状が異なっていて、穿刺針2のみの画像データを得る際にはビーム幅が広く、それ以外の画像データを得る際にはビーム幅が狭い超音波ビームを用いれば、本願の第2の目的は達せられる訳であるから、音響レンズ3の曲率が走査面を厚くするような方向(いわゆるスライス方向)で異なる2つの超音波振動子4a,4bを設けた構成にしても良い。
【0097】
又、本実施の形態では、2つの超音波振動子4a,4bを設けたが、3つ以上の超音波振動子を設けても良い。
【0098】
更に、本実施の形態では、穿刺針2のみの画像データを抽出して、穿刺針2の視認性を向上させたが、図4に示すような画像処理回路14、穿刺経路データ生成回路16、スイッチA,Bを付加して、注目組織の視認性を向上させたり、穿刺のガイドとさせたりしても良い。
【0099】
このようにすることで超音波ガイド下穿刺を行う際の穿刺針2の視認性を画像の分解能を犠牲にすることなく、又回路規模を大きくすることなく、向上させることができるだけでなく、同時に、注目組織の視認性を向上させることができ、より簡単かつ安全に穿刺を行うことができる。
【0100】
又、図17〜図20に、本実施の形態の変形例を示す。ここで、図17は体腔内へ挿入する超音波プローブの挿入側先端の概略図、図18は超音波診断装置の全体構成を示す説明図、図19は治療用ビーム経路データの説明図、図20は解析データと治療用ビーム経路データと背景画像とが加算された画像データの説明図である。
【0101】
図17に示すように、本変形例による超音波プローブの挿入側先端1には、図1、図2に示す構成に加えて、表面に音響レンズ3aを設けた治療用超音波振動子4cが設けられている。この治療用超音波振動子4cの向きは走査面に対して常に固定されている。
【0102】
図18に示すように、本変形例による超音波診断装置では、図4に示す超音波診断装置に加え、出力が大きく腫瘍等の注目組織を焼灼することができる治療用超音波振動子4c、治療用超音波振動子4cを電気的に駆動する治療用送信回路24が設けられており、入力制御回路17からの治療用送信制御信号に応答して、治療用の収束超音波ビームを出力するように設定されている。
【0103】
又、図4に示す穿刺経路データ生成回路16に代えて、治療用ビーム経路データ生成回路25が設けられている。
その他の構成は、図4に示す超音波診断装置と同一であるため説明を省略する。又、スイッチA,Bが同時に開いている場合の作用も、図4に示す超音波診断装置と同一であるため説明を省略する。
【0104】
以下においては、スイッチA,Bが同時に閉じている場合について説明する。
先ず、操作者が超音波による焼灼治療を始める前に入力部18から焼灼のガイドを出力させるよう入力すると、入力制御回路17からスイッチA,Bに対してスイッチを閉じる制御信号が出力され、両スイッチA,Bが連動して同時に閉じる。
【0105】
治療用ビーム経路データ生成回路25は、治療用超音波ビームの経路について、画像データに重畳、表示すべき位置を計算し、図19に示す治療用ビーム経路データを加算回路15へ出力する。尚、同図においては、治療用ビームの中心軸での出力に比べ、およそ6dB(約半値)分だけ出力が落ちたところを、2本の曲線(治療用ビーム)として表示している。
【0106】
そして、画像処理回路14で処理された解析データ、及び治療用ビーム経路データ生成回路25で生成された治療用ビーム経路データが、スイッチA,Bを経由して加算回路15へ出力される。
【0107】
加算回路15では、画像処理回路14から出力された解析データ(図6参照)と、治療用ビーム経路データ生成回路25から出力された治療用ビーム経路データ(図19参照)とを色相を変えて、信号処理回路13から出力された画像データに加算し、解析結果と治療用ビーム経路とが、それぞれの背景画像とは異なる色相で示された画像データに加工されて表示回路19へ出力する。表示回路19では、入力された画像データをアナログのテレビ信号に変換してモニタ12へ出力し、表示させる。
【0108】
操作者は、モニタ12に表示された画像により、注目組織と治療用ビーム経路とを確認した後、入力部18を介して入力制御回路17に対して治療用ビームを出力させるよう指令すると、入力制御回路17から治療用送信制御信号が治療用送信回路24へ出力される。
【0109】
治療用送信回路24は、治療用送信制御信号を受けて、治療用超音波振動子4cに対して高電圧パルスを印加し、出力の大きい治療用超音波を励起する。励起した治療用超音波は音響レンズ3を経由することにより、生体内で収束し、収束した範囲で組織を焼灼する。その他の作用は、図4に示す超音波診断装置と同一であるため説明を省略する。
【0110】
このように、本変形例では、体腔内に超音波を送受波し、エコーデータを取得する超音波プローブと、エコーデータより画像データを構築する送受信回路11、信号処理回路13と、生体内の注目組織を焼灼して治療する治療用超音波振動子4c、治療用送信回路24と、生体の組織性状を反映した画像データ上のエコーパターンを処理し、超音波画像上に表現された注目組織を、注目組織の色相若しくは階調を変化させることで強調する画像処理回路14とを設け、治療のガイドとしたので、超音波ガイド下治療を行う際の、注目組織の視認性を向上させることができる。
【0111】
又、本変形例では、画像処理回路14の他に、治療用ビームの経路を超音波画像上に表示する治療用ビーム経路データ生成回路25を設け、注目組織の強調と、治療用ビーム経路の表示とを同時に行うことで治療のガイドとしたので、操作者は治療用ビーム経路と強調された注目組織とが交わっていることを確認することで、より安全に焼灼治療を行うことができる。
【0112】
尚、本変形例では、治療手段として、超音波を利用して焼灼する超音波振動子4cと治療用送信回路24とを用いたが、レーザーを利用して焼灼するレーザー素子等、大出力の治療用ビームを出力するその他の素子で構成しても良い。
【0113】
[付記]
以上説明したように、本実施の形態によれば以下のような構成を得ることができる。
【0114】
<付記項1>
生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する超音波プローブと、
該エコーデータより画像データを構築する構築手段と、
生体内の注目組織に処置を行う処置手段と、
を設けた超音波診断装置において、
該生体の組織性状により該超音波画像上に表現された該注目組織を強調するガイド手段を設け、
該処置のガイドとしたこと、
を特徴とする超音波診断装置。
付記項1記載の構成によれば、超音波プローブは、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する。構築手段は、エコーデータより画像データを構築する。
【0115】
処置手段は、生体内の注目組織に処置を行う。ガイド手段は、生体に組織性状により超音波画像上に表現された注目組織を強調する。
【0116】
<付記項2>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記処置手段が、生体内の注目組織へ穿刺する穿刺針であること、
を特徴とする。
付記項2記載の構成によれば、穿刺針は、生体内の注目組織へ穿刺する。
【0117】
<付記項3>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記処置手段が、治療用ビームを出力して該出力内の注目組織を治療する治療手段であること、
を特徴とする。
付記項3記載の構成によれば、治療手段は、治療用ビームを出力して生体内の注目組織を治療する。
【0118】
<付記項4>
付記項3記載の超音波診断装置であって、
前記治療手段が超音波を利用した焼灼手段であること、
を特徴とする。
付記項4記載の構成によれば、焼灼手段は超音波を利用して生体内の注目組織を治療する。
【0119】
<付記項5>
付記項3記載の超音波診断装置であって、
前記治療手段がレーザーを利用した焼灼手段であること、
を特徴とする。
付記項5記載の構成によれば、焼灼手段はレーザーを利用して生体内の注目組織を治療する。
【0120】
<付記項6>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記ガイド手段の他に、前記処置手段が処置する経路を該超音波画像上に表示する第2のガイド手段を設け、該注目組織の強調と、該経路の表示とを同時に行うことで該処置のガイドとしたこと、
を特徴とする。
付記項6記載の構成によれば、第2のガイド手段は、処置手段が処置する経路を超音波画像上に表示し、注目組織の強調と、経路の表示とを同時に行うことで処置のガイドとする。
【0121】
<付記項7>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記ガイド手段が生体の組織性状を反映した該超音波画像上のエコーパターンをテクスチャー解析することにより、該注目組織を強調すること、
を特徴とする。
付記項7記載の構成によれば、ガイド手段は、生体の組織性状を反映した超音波画像上のエコーパターンをテクスチャー解析することにより、注目組織を強調する。
【0122】
<付記項8>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記ガイド手段が注目組織の色相若しくは階調を変化させることで、該注目組織を強調すること、
を特徴とする。
付記項8記載の構成によれば、ガイド手段は、注目組織の色相若しくは階調を変化させることで、注目組織を強調する。
【0123】
<付記項9>
付記項1記載の超音波診断装置であって、
前記超音波プローブが生体の体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブであること、
を特徴とする。
付記項9記載の構成によれば、筒状の超音波プローブは、生体の体腔内へ挿入され、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する。
【0124】
<付記項10>
先端に角度を違えて設けられた超音波ビーム形状の異なる複数の超音波振動子により、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得するメカニカル走査型超音波プローブと、
該生体内の注目組織へ穿刺する穿刺針と、
前記超音波振動子を任意に選択する選択スイッチと、
前記複数の超音波振動子のうち、一つの超音波振動子からのエコーデータより画像データを構築する構築手段と、
前記一つの超音波振動子を除いた、残りの超音波振動子のうち、一つの超音波振動子からのエコーデータより穿刺針のみの画像データを構築する穿刺針画像データ構築手段と、
該画像データと該穿刺針のみの画像データとを合成する合成手段と、
を設けたことを特徴とする。
付記項10記載の構成によれば、メカニカル走査超音波プローブは、先端に角度を違えて設けられた超音波ビーム形状の異なる複数の超音波振動子により、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する。穿刺針は、生体内の注目組織へ穿刺する。選択スイッチは、超音波振動子を任意に選択する。構築手段は、複数の超音波振動子のうち、一つの超音波振動子からのエコーデータより画像データを構築する。穿刺針画像データ構築手段は、残りの超音波振動子のうち、一つの超音波振動子からのエコーデータより穿刺針のみの画像データを構築する。
【0125】
合成手段は、画像データと穿刺針のみの画像データとを合成する。
【0126】
<付記項11>
付記項10記載の超音波診断装置であって、
前記複数の超音波振動子が、180°反対向きに設けられた2つの超音波振動子であること、
を特徴とする。
付記項11記載の構成によれば、メカニカル走査型超音波プローブは、180°反対向きに設けられた超音波ビーム形状の異なる2つの超音波振動子により、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する。
【0127】
<付記項12>
付記項10記載の超音波診断装置であって、
前記合成手段が該画像データと該穿刺針のみの画像データとを加算して合成すること、
を特徴とする。
付記項12記載の構成によれば、合成手段は、画像データと穿刺針のみの画像データとを加算して合成する。
【0128】
<付記項13>
付記項10記載の超音波診断装置であって、
前記穿刺針画像データ生成手段が、前記超音波振動子からのデータを二値化する二値化手段を設けたこと、
を特徴とする。
付記項13記載の構成によれば、二値化手段は、超音波振動子からのデータを二値化する。
【0129】
<付記項14>
付記項10記載の超音波診断装置であって、
前記穿刺針画像データ生成手段が、前記超音波振動子からのデータのうち、穿刺針以外の部分をマスクするマスク手段を設けたこと、
を特徴とする。
付記項14記載の構成によれば、マスク手段は、超音波振動子からのデータのうち、穿刺針以外の部分をマスクする。
【0130】
<付記項15>
付記項10記載の超音波診断装置であって、
前記メカニカル走査型超音波プローブが生体の体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブであること、
を特徴とする。
付記項15記載の構成によれば、筒状のメカニカル走査型超音波プローブは、生体の体腔内へ挿入され、生体に超音波を送受波し、エコーデータを取得する。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、観察対照に超音波を送受波して得られたエコーデータより超音波画像データを生成し、この超音波画像データの中の注目組織を認識して強調するための解析データを取得し、この解析データを超音波画像データに合成して、処置手段で処置を施す際のガイド手段としたので、超音波ガイド下治療、超音波ガイド下穿刺等の処置を行う際の注目組織の視認性が向上する。
【0132】
又、この場合、処置手段で処置を施す経路データを生成し、この経路データを、解析データと超音波画像データとに合成して表示させることで、超音波ガイド下穿刺を行う際の穿刺針等の処置手段の視認性を、画像の分解能を犠牲にすることなく、向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブの挿入側先端の概略図
【図2】超音波プローブ内部の機構を示す説明図
【図3】音響レンズを設けた場合と音響レンズが設けられていない場合の超音波ビームの指向性の違いを示す説明図
【図4】超音波診断装置の全体構成を示す説明図
【図5】画像処理ルーチンを示すフローチャート
【図6】各判別窓に色を割り当てる状態を示す画像データの説明図
【図7】悪性度を反映した解析データの説明図
【図8】穿刺経路データの説明図
【図9】解析データと穿刺経路データとが背景画像に加算された画像データの説明図
【図10】変形例を示す図6相当の説明図
【図11】他の変形例を示す説明図
【図12】体腔内へ挿入する筒状の超音波プローブの挿入側先端の概略図
【図13】超音波プローブ内部の機構を示す説明図
【図14】超音波診断装置の全体構成を示す説明図
【図15】二値化処理後の画像データの説明図
【図16】穿刺針が背景画像に加算された画像データの説明図
【図17】体腔内へ挿入する超音波プローブの挿入側先端の概略図
【図18】超音波診断装置の全体構成を示す説明図
【図19】治療用ビーム経路データの説明図
【図20】解析データと治療用ビーム経路データと背景画像とが加算された画像データの説明図
【符号の説明】
2 穿刺針(処置手段)
12 モニタ(表示手段)
13 信号処理回路
14 画像処理回路(解析手段)
15 加算回路(合成手段)
16 穿刺経路データ生成回路(処置経路データ生成手段)
25 治療用ビーム経路データ生成回路(処置経路データ生成手段)
Claims (2)
- 観察対象の組織に超音波を送受波して得られたエコーデータより超音波画像データを生成する信号処理手段と、
前記観察対象の組織に処置を施す処置手段と、
前記信号処理手段により得られた超音波画像データの中の注目組織を認識して、強調するための解析データを得る解析手段と、
前記処置手段の進行方向を示す経路データを生成する処置経路データ生成手段と、
前記処置手段で処置を施す際のガイド手段とするために前記解析データと前記経路データとを互いに異なる色相若しくは階調で前記超音波画像データに合成させる合成手段と、
前記合成手段により合成されたデータを画像として表示するための表示手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記処置手段が前記注目組織に穿刺する穿刺針であり、
前記穿刺針を画像処理する画像処理手段を有し、
前記合成手段は画像処理した前記穿刺針を前記経路データと異なる色相若しくは階調で表示する
ことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
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