JP4306542B2 - レーザ点火装置 - Google Patents

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本発明は、車両のエンジンにおいてエンジンの燃焼室での着火をレーザによって行うレーザ点火装置に関する。
従来より、車両のエンジンの点火装置として、レーザを用いた点火装置が提案されている。このようなレーザを用いた点火装置においては、エンジンの燃焼室内の任意の位置に任意のタイミングでレーザを照射し集光させて着火することができるものとして注目されている。
上記のようなレーザ点火装置として、レーザ光の焦点位置、すなわち着火位置を揺動させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このレーザ点火装置では、レーザのレーザ光がレンズにて集光されるようになっており、このレンズとレンズの焦点位置である着火位置との間にプリズムを配置し、このプリズムを回転させることで、ピストン上面の着火位置を揺動させている。
一方、レーザ光の焦点位置をレーザの光軸方向に移動できるレーザ点火装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このレーザ点火装置は、エンジンのシリンダ側面に、気筒ごとに設置されている。そして、このレーザ点火装置は、集光レンズを備えた可変焦点ユニットを有しており、この可変焦点ユニットに備えられた集光レンズの焦点を光軸方向に移動させることで、着火位置を光軸方向に移動させている。
特開平7−217521号公報 特開平5−33755号公報
しかしながら、着火位置を揺動するレーザ点火装置においては、プリズムを回転させて着火位置を揺動させているものの、レンズの焦点となっているピストン上面が溶融してしまうのを避けるためにレンズの焦点位置をずらしているにすぎない。したがって、レーザの焦点位置、すなわち着火位置を任意に変更するものではない。
また、シリンダの側面に設置されるレーザ点火装置においては、レーザ光の焦点位置を変更できるものの、その焦点位置はレーザ光の光軸上に限定されている。
本発明は、上記点に鑑み、車両のエンジンの燃焼室内において、点火位置を任意に変更できるレーザ点火装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、筒形状のケース(10、12)と、ケースに収納されると共に、レーザ光を発するレーザユニット(20)と、レーザ光の光軸上に配置され、レーザ光を透過または遮断する電子シャッタ(30)と、レーザユニットから照射されるレーザ光を集光する集光レンズ(60)と、中空円筒形状であって、レーザ光の光軸に垂直な面に対して集光レンズを所望の角度で傾けて固定する台座(50)と、レーザ光の光軸を中心に台座を回転させる台座駆動手段(40)と、を有することを特徴としている。
このように、集光レンズを傾けた状態でレーザ光の光軸を中心に回転させる。これにより、レーザ光の焦点位置を任意に移動させることができる。また、電子シャッタにてレーザ光を通過させたときのみ、レーザ光の焦点にて着火するようにすることができる。
さらに、レーザ光の焦点が集光レンズの傾きによって円を描くように移動する。したがって、所定の径を有する円の周上を移動するレーザ光の焦点を着火源とすることができる。これにより、エンジンの燃焼室内における着火点の点数を増やすことができ、着火後の燃焼を促進させることができる。
請求項2に記載の発明では、集光レンズは、集光レンズの回転によってレーザ光の焦点が描く円の直径が少なくとも3.5mm以上となるように、台座に傾けられて固定されていることを特徴としている。
このように、レーザ光の焦点が描く円の直径が少なくとも3.5mm以上となるように集光レンズを傾けて固定する。これにより、着火の時点でレーザ光の焦点が描く円、すなわち火炎核のサイズをあらかじめ3.5mm以上とすることができ、着火後直ちに燃焼を開始することができる。したがって、着火後の燃焼を安定させることができ、熱効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明では、筒形状のケース(10、12)と、ケースに収納されると共に、レーザ光を発するレーザユニット(20)と、レーザ光の光軸上に配置され、レーザ光を透過または遮断する電子シャッタ(30)と、レーザユニットから照射されるレーザ光を集光する集光レンズ(60)と、集光レンズの外縁部に複数設置されると共に集光レンズを固定し、印加される電圧に応じて伸縮する圧電素子(70)と、を有することを特徴としている。
このように、集光レンズを複数の圧電素子にて固定し、それぞれの圧電素子に電圧を印加する。これにより、集光レンズの焦点位置を任意に移動させることができる。さらに、すべての圧電素子を伸縮させることで、集光レンズの焦点位置をレーザ光の光軸方向に移動させることもできる。したがって、エンジンの燃焼室内においてレーザ光の焦点を三次元的に移動させることができる。
また、電子シャッタにてレーザ光を透過させたときに、レーザ光の焦点にて着火することとなる。したがって、電子シャッタによるレーザ光の透過と、圧電素子による集光レンズの傾きとの組み合わせにより、多点着火を行うことができる。このように多点着火を実施できると、着火による火炎伝搬速度を向上でき、燃焼速度を早めることができる。
請求項4に記載の発明では、レーザ光の光軸上において、電子シャッタと集光レンズとの間には、焦点距離調整ユニット(80)が配置されており、この焦点距離調整ユニットは、集光レンズの焦点距離を調整する焦点距離調整レンズ(81)と、焦点距離調整レンズをレーザ光の光軸方向に駆動する焦点距離調整レンズ駆動手段(82)とを備えて構成され、焦点距離調整レンズ駆動手段にて焦点距離調整レンズが駆動されると、集光レンズの焦点距離が光軸方向に移動するようになっていることを特徴としている。
このように、電子シャッタと集光レンズとの間に焦点距離調整ユニットを設置する。そして、この焦点距離調整ユニットによって、集光レンズの光軸方向の焦点位置を移動させることができる。この場合、焦点距離調整レンズによってより大きく焦点位置を光軸方向に移動させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。図2は、図1に示されるレーザ点火装置をエンジンのシリンダヘッドに設置した様子を示した図である。
図1に示されるように、レーザ点火装置は、ケース10と、レーザユニット20と、電子シャッタ30と、超音波モータ40と、台座50と、集光レンズ60と、を備えて構成されている。なお、図1において超音波モータ40、台座50、集光レンズ60は、概略断面図となっている。
ケース10は、筒形状のハウジングであり、冷却媒体11と、ガラス窓12とを備えている。冷却媒体11は、後述するレーザユニット20から発せられる熱を吸引するものであり、例えばペルチエ素子で構成される。また、ガラス窓12は、ケース10からレーザ光が照射される窓であり、ケース10の一端側に配置され、ケース10と一体とされている。
このようなケース10においては、図2に示されるように、エンジン100のシリンダヘッド110の上面に開けられた孔111にケース10の一端側(ガラス窓12側)が挿入されて一体とされる。
レーザユニット20は、レーザ光を発するものである。このレーザユニット20は、半導体レーザ21と、YAG結晶22と、配線23と、電極24とを備えて構成されている。
半導体レーザ21は、周知のレーザ光源である。YAG結晶22は、周知のイットリウム(Y)・アルミニウム(Al)・ガーネット(G)結晶である。配線23および電極24は、半導体レーザ21に電源を供給するためのものであり、電極24から供給される電源は、配線23を介して半導体レーザ21に供給される。電極24は、ケース10の他端側の外部に配置される。
このようなレーザユニット20は、YAG結晶22の中に混入したネオジウム(Nd)を発光体とする固体レーザとして構成される。本実施形態では、レーザユニット20のレーザパワーが数十mJであり、レーザの基本波長が1064nmとなっている。
電子シャッタ30は、レーザユニット20から発せられるレーザ光を透過または遮断するためのものであり、例えば2枚の偏光板にて構成されている。すなわち、レーザ光の光軸を中心に2枚の偏光板のうちの一方の偏光板をずらすことで、電子シャッタ30の透過率を変える。これにより、任意のタイミングにてケース10からレーザ光を照射する。この電子シャッタ30には、図示しないエンジンECUから信号が入力されるようになっており、エンジンECUにて電子シャッタ30の開閉タイミングが制御される。
超音波モータ40は、レーザ光の光軸を中心として台座50を回転させるものであり、中空円筒状の図示しないステータ(弾性体)とロータ(移動体)とを備えて構成されている。このような超音波モータ40に対して、ステータに定在波を発生させる交流電圧と定在波とは周期が1/4だけずれたもう一つの定在波を発生させる交流電圧とを印加して、ステータに超音波振動を発生させ、2つの超音波振動波が重ね合わされた進行波によりロータを回転させる。このような超音波モータ40の回転制御は、図示しないエンジンECUにてなされるようになっている。なお、超音波モータ40は、本発明の台座駆動手段に相当する。
台座50は、集光レンズ60を固定するものであり、超音波モータ40のロータと接着固定されている。したがって、超音波モータ40を回転させると、台座50は集光レンズ60と共にレーザ光の光軸を中心に回転する。
集光レンズ60は、レーザユニット20から発せられるレーザ光を集光して、図2に示されるエンジン100の燃焼室120内に照射するものである。ここで、燃焼室120とは、エンジン100のシリンダ130の壁面131、吸気用バルブ141、排気用バルブ142、ピストン150、そして本装置のケース10のガラス窓12にて閉塞された空間を指す。また、本実施形態では、集光レンズ60の焦点の径は数十μmとなっている。
この集光レンズ60は、レーザ光の光軸に垂直な面に対して所望の角度で傾けられて固定されている。また、集光レンズ60の焦点は、本装置がエンジン100のシリンダヘッド110に設置された際、シリンダ130においてピストン150が最上位点に位置する時における燃焼室120の空間のほぼ中心位置に合うようにあらかじめ調整される。
なお、集光レンズ60の焦点距離は、本装置が搭載されるエンジン100によって異なり、それぞれのエンジン100に対して設定されるものである。以上が、本実施形態に係るレーザ点火装置の構成である。
続いて、本実施形態に係るレーザ点火装置の作動について説明する。まず、図2に示されるように、エンジン100のシリンダヘッド110にケース10が設置された状態において、レーザユニット20の電極24に電源が供給される。
すると、レーザユニット20の半導体レーザ21が稼働され、半導体レーザ21からレーザ光が発せられる。レーザ光は電子シャッタ30、超音波モータ40、台座50を介して集光レンズ60に照射される。
そして、エンジンECUにて電子シャッタ30の開閉タイミングおよび超音波モータ40の回転角度が制御されることで、エンジン100の燃焼室120の着火が行われる。上述のように、集光レンズ60は台座50に所定角度傾けられて固定されている。したがって、電子シャッタ30が開けられると共に超音波モータ40が稼働して台座50が回転すると、レーザ光の焦点は図1に示されるように、所定の直径を有する円を描くように燃焼室120にて走査されることとなる。このように、傾けられた集光レンズ60を回転させることで、焦点位置を周上に移動させることにより着火点数を増やしている。
ここで、燃焼室120にて着火および燃焼が起こり、ピストン150がシリンダ130内を往復運動する際、吸気用バルブ141、排気用バルブ142が閉じた状態で、ピストン150が最上位点に到達したときを着火タイミングとする。このような着火タイミングにおいて着火点を多点とする方法は、以下の2つがある。
1つは、着火タイミングの際に電子シャッタ30を開放し続けることで、レーザ光の焦点が燃焼室120内に描く円の円上のすべての点を着火点とする方法である。もう1つは、着火タイミングの際に電子シャッタ30を複数回開閉することで、レーザ光の焦点が燃焼室120内に描く円の円上の任意の数点を着火点とする方法である。このような方法によって、着火タイミングにおける着火点数を多点としている。
上記のようにして、着火点を多点とすることで、着火後の火炎を確実に成長させる。本実施形態では、レーザ光の焦点位置が描く円の直径を3.5mm以上としている。このことについて、図3を参照して説明する。なお、以下では、レーザ光の焦点位置が描く円を火炎核と呼ぶ。
発明者らは、スパークプラグの中心電極と接地電極との間の火花ギャップを火炎核のサイズ(直径)とみなして着火シミュレーションを行った。なお、着火シミュレーションは、細径接地プラグを用いるとして、A/F(空気と燃料との比)が22、圧力が0.5MPa、酸素濃度が18%、プラグ電極温度が200℃、混合気初期温度が300℃であることを条件としてなされた。
図3は、着火後の時間に対する火炎核のサイズをグラフで表した図である。図3において、横軸は着火後の時間[ms]、縦軸は火炎核のサイズ[mm]を示している。図3に示されるように、火花ギャップが0.8、1.1、2.0mmである場合、着火後2ms程度においては、火炎核のサイズがほぼ一定になっている。すなわち、火炎核の成長が遅いことを示している。一方、火花ギャップが3.2mmである場合、着火後すみやかに火炎核のサイズが大きくなっている。すなわち、火花ギャップが3.2mm以上であれば、着火後、火炎核が確実に成長する。
このように、火花ギャップが大きい、すなわちレーザ光の焦点位置が描く円の直径が大きいほど、燃焼室120において確実に着火することができる。したがって、本装置においてレーザ光の焦点位置が描く円の直径を少なくとも3.5mm以上とすることで、上記結果と同様に、着火後すみやかに火炎核を成長させることができると言える。
なお、火炎核のサイズの上限は、シリンダ130の内壁面131以下とする。つまり、この火炎核のサイズの上限は、本装置が設置されるエンジン100によって異なり、それぞれのエンジン100によって設定される。
以上説明したように、本実施形態では、集光レンズ60を所定角度傾けて台座50に固定している。このように、集光レンズ60を傾けた状態でレーザ光の光軸を中心に回転させる。これにより、レーザ光の焦点位置を任意に移動させることができる。
さらに、レーザ光の焦点を集光レンズ60の傾きによって円を描くように移動させている。これにより、エンジン100の燃焼室120内における着火点数を増やすことができ、着火後の燃焼速度、熱効率を向上させることができる。
また、レーザ光の焦点が描く円の直径が少なくとも3.5mm以上となるように集光レンズ60を傾けて台座50に固定している。これにより、着火の時点でレーザ光の焦点が描く円、すなわち火炎核のサイズを大きくすることができ、着火後直ちに燃焼を開始するようにすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、集光レンズ60がピエゾスタックに固定されていることが、第1実施形態と異なる。本実施形態では、このピエゾスタックが、集光レンズ60の焦点位置を移動可能にしている。
図4は、本実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。図4に示されるように、本実施形態に係るレーザ点火装置には、ピエゾスタック70が備えられている。
ピエゾスタック70は、電圧が印加されると変形する周知のピエゾ素子(圧電素子)である。本実施形態では、このピエゾスタック70は、中空円筒状のピエゾ素子にて構成され、さらに、このピエゾ素子はレーザ光の光軸を中心として周方向に三分割された状態になっている。そして、集光レンズ60は、上記三分割されたピエゾスタック70に両面が挟まれた状態で保持される。
各ピエゾ素子はそれぞれ絶縁された状態になっており、各ピエゾ素子にそれぞれ配線が接続されている。つまり、各ピエゾ素子は、印加される電圧に応じて独立して伸縮可能になっている。このようなピエゾスタック70においては、集光レンズ60を保持するピエゾ素子に加えて、レーザ光の光軸方向に伸縮可能な複数のピエゾ素子も設けられている。
上記ピエゾスタック70を備えたレーザ点火装置では、エンジンECUによって三分割された各ピエゾ素子に電圧が印加される。すなわち、ピエゾスタック70の各ピエゾ素子に印加される電圧によって、集光レンズ60の傾きが任意に変更される。
具体的には、各ピエゾ素子に対してそれぞれ所望の電圧を印加する。すなわち、各ピエゾ素子に印加する電圧の値を変えて、各ピエゾ素子の伸縮量を変えることにより、集光レンズ60の傾きを変える。これにより、第1実施形態と同様に、集光レンズ60の焦点位置を周方向に回転させることができる。さらに、燃焼室120内の任意の位置に集光レンズ60の焦点位置を移動させることもできる。また、各ピエゾ素子に電圧を印加して、各ピエゾ素子を光軸方向に伸縮させると、図4に示されるように、集光レンズ60の焦点位置を光軸方向に移動させることができる。
つまり、本実施形態に係る集光レンズ60は、上記ピエゾスタック70によって、その焦点位置を三次元的に移動させることができるのである。したがって、エンジン100の燃焼室120において、着火したい位置に集光レンズ60の焦点を移動させ、その焦点位置にて着火することができることとなる。
なお、レーザ光は、上記第1実施形態と同様に、エンジンECUによって電子シャッタ30が開閉されることで本装置から照射されることとなる。
以上のように、本実施形態では、ピエゾスタック70によって集光レンズ60を固定している。このように、集光レンズ60を複数のピエゾ素子にて固定し、それぞれのピエゾ素子に電圧を印加する。これにより、集光レンズ60の焦点位置を任意に移動させることができる。
さらに、レーザ光の光軸方向にピエゾ素子を伸縮させることにより、集光レンズ60の焦点位置をレーザ光の光軸方向に移動させることができる。したがって、エンジン100の燃焼室120内においてレーザ光の焦点を三次元的に移動させることができる。
また、電子シャッタ30にてレーザ光を透過させたときに、レーザ光の焦点にて着火することとなる。したがって、電子シャッタ30によるレーザ光の透過と、ピエゾ素子による集光レンズの傾きとを組み合わせることにより、多点着火を行うことができる。このように多点着火を実施できると、着火による火炎伝搬速度を向上でき、燃焼速度を早めることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、電子シャッタ30とピエゾスタック70との間に、焦点距離調整ユニットが備えられていることが、第2実施形態と異なる。本実施形態では、この焦点距離調整ユニットが、レーザ光の焦点位置を移動可能にしている。
図5は、本実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。図5に示されるように、本実施形態に係るレーザ点火装置には、ケース10中の電子シャッタ30とピエゾスタック70との間に焦点距離調整ユニット80が備えられている。
焦点距離調整ユニット80は、焦点距離調整レンズ81と、リアルソレノイドコイル82とを備えて構成されている。焦点距離調整レンズ81は、表面と表面に対向する面とが凹面鏡で構成されており、レンズの外縁部には図示しない導電部材が備えられている。そして、ケース10内での位置が変更されることで集光レンズ60の光軸方向の焦点位置を変える。
また、リアルソレノイドコイル82は、レーザ光の光軸に対して平行に配置された周知のコイルであり、印加される電圧の向きによって発生する磁力によって上記焦点距離調整レンズ81を光軸に平行に移動させる。なお、リアルソレノイドコイル82は、本発明の焦点距離調整レンズ駆動手段に相当する。
このような焦点距離調整ユニット80には、焦点距離調整レンズ81がレーザ光の光軸方向に移動できるように、図示しないガイドが備えられている。そして、リアルソレノイドコイル81に電流を流して磁界を発生させると、焦点距離調整レンズ81の導電部材に電流が流れ、焦点距離調整レンズ81がリアルソレノイドコイル82上をガイドに沿って光軸方向に移動する。
したがって、焦点距離調整レンズ81をピエゾスタック70側に移動させると、集光レンズ60の焦点位置はピストン150側に移動する。逆に、焦点距離調整レンズ81を電子シャッタ30側に移動させると、集光レンズ60の焦点位置はガラス窓12側に移動する。
本実施形態では、集光レンズ60の焦点位置を光軸方向に移動させるために、上記焦点距離調整ユニット80を用いる。そして、集光レンズ60の焦点位置を光軸に垂直な面方向に移動させるためにピエゾスタック70を用いる。こうして、焦点距離調整ユニット80およびピエゾスタック70を組み合わせることによっても、集光レンズ60の焦点位置を燃焼室120内にて三次元的に移動させることができる。
なお、レーザ光を照射するタイミングは、上記第1および第2実施形態と同様である。
以上のように、本実施形態では、焦点距離調整ユニット80にて集光レンズ60の焦点位置を光軸方向に移動させている。これにより、焦点距離調整レンズ81によって集光レンズ60の焦点位置をより大きく移動させることができる。
(他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、レーザ点火装置はシリンダヘッド110に設置されるが、レーザ点火装置が設置される場所はシリンダヘッド110に限るものではない。すなわち、エンジン100のシリンダ130に配置しても構わない。
集光レンズ60をレーザ光の光軸を中心にして回転させる際、第1実施形態では超音波モータ40を採用しているが、他の方法のよって集光レンズ60を回転させても構わない。例えば、集光レンズ60にベルトやギアを設け、モータで間接的に駆動しても良い。
第3実施形態では、リアルソレノイドコイル82を用いて焦点距離調整レンズ81を移動させていたが、リアルソレノイドコイル82に限らず、例えばピエゾスタック70を用いて焦点距離調整レンズ81を移動させるようにしても構わない。
また、第3実施形態において、ピエゾスタック70を第1実施形態の超音波モータ40および台座50に置き換えても良い。
上記第1〜第3実施形態において、集光レンズ60を複眼レンズとしてもよい。例えば3つのレンズを含んだ複眼レンズを集光レンズ60とした場合、集光レンズ60に入射したレーザ光は3カ所に照射されることとなる。これにより、着火点数を3カ所にすることができる。このような複眼レンズである集光レンズ60を回転させると、より多くの着火点を生成できるので、着火後の火炎伝達速度の向上、熱効率向上、ノッキングの回避が得られる。
本発明の第1実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。 図1に示すレーザ点火装置をエンジンのシリンダヘッドに設置した様子を示した図である。 着火試験によって着火後の火炎核のサイズをグラフで表した図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。 本発明の第3実施形態に係るレーザ点火装置の概略図である。
符号の説明
10…ケース、11…冷却媒体、12…ガラス窓、20…レーザユニット、
21…YAG結晶、22…半導体レーザ、23…配線、24…電極、
30…電子シャッタ、40…超音波モータ、50…台座、60…集光レンズ、
70…ピエゾスタック、80…焦点距離調整ユニット、81…焦点距離調整レンズ、
82…リアルソレノイドコイル。

Claims (4)

  1. 筒形状のケース(10、12)と、
    前記ケースに収納されると共に、レーザ光を発するレーザユニット(20)と、
    前記レーザ光の光軸上に配置され、前記レーザ光を透過または遮断する電子シャッタ(30)と、
    前記レーザユニットから照射されるレーザ光を集光する集光レンズ(60)と、
    中空円筒形状であって、前記レーザ光の光軸に垂直な面に対して前記集光レンズを所望の角度で傾けて固定する台座(50)と、
    前記レーザ光の光軸を中心に前記台座を回転させる台座駆動手段(40)と、を有することを特徴とするレーザ点火装置。
  2. 前記集光レンズは、前記集光レンズの回転によって前記レーザ光の焦点が描く円の直径が少なくとも3.5mm以上となるように、前記台座に傾けられて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ点火装置。
  3. 筒形状のケース(10、12)と、
    前記ケースに収納されると共に、レーザ光を発するレーザユニット(20)と、
    前記レーザ光の光軸上に配置され、前記レーザ光を透過または遮断する電子シャッタ(30)と、
    前記レーザユニットから照射されるレーザ光を集光する集光レンズ(60)と、
    前記集光レンズの外縁部に複数設置されると共に前記集光レンズを固定し、印加される電圧に応じて伸縮する圧電素子(70)と、を有することを特徴とするレーザ点火装置。
  4. 前記レーザ光の光軸上において、前記電子シャッタと前記集光レンズとの間には、焦点距離調整ユニット(80)が配置されており、
    この焦点距離調整ユニットは、前記集光レンズの焦点距離を調整する焦点距離調整レンズ(81)と、前記焦点距離調整レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動する焦点距離調整レンズ駆動手段(82)とを備えて構成され、
    前記焦点距離調整レンズ駆動手段にて前記焦点距離調整レンズが駆動されると、前記集光レンズの焦点距離が前記光軸方向に移動するようになっていることを特徴とする請求項3に記載のレーザ点火装置。
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