JP4306421B2 - ポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、ハードディスクドライブ(HDD)用ゴム部品の成形材料などとして好適に用いられるポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物に関する。
フッ素ゴムの架橋物は、種々の好ましい性質を有するものの、その加硫成形時には金型成形性に劣り、また成形後にはゴム同士の粘着が大きいという欠点を有している。このため、金型面にシリコーン系、フッ素系などの外部離型剤を塗布したり、あるいは未加硫ゴムコンパウンド中に内添離型剤を含有せしめるなどの方法が一般にとられており、特に最近では生産性の点から外部離型剤を用いない加硫成形方法が望まれている。
また、フッ素ゴムは、ニーダ、バンバリーミキサなどを用いた混練時に温度が上がると、混練機内部の生地が粘着するという問題があり、このような場合には外部離型剤塗布では効果がなく、未加硫ゴムコンパウンド中に内添離型剤を含有せしめるなどの方法が一般にとられている。内添離型剤を用いた場合には、金型離型性、混練時の非粘着性改善は当然のことであり、これら以外にも常態物性や耐圧縮永久歪特性、さらにはフッ素ゴムが本来有する耐熱性、耐薬品性、耐油性などが損われることのない内添離型剤が求められている。
こうした条件を比較的満足させるものとして、テトラフルオロエチレンの低分子量重合体を用いることが提案されているが、この場合には金型離型性や混練時の非粘着性を十分確保する迄に添加量を多くすると、硬さが上昇し、配合の自由度が制約されるなどの問題があり、未だ満足されるレベルにはない。
特公昭56−40168号公報 特開昭58−23846号公報 特開昭59−41350号公報
さらに、近年は生産性の点から、短時間で加硫させることが強く望まれている。そこで、架橋促進剤、受酸剤などを添加して、加硫速度を速くすることが一般的に行われているが、圧縮成形の場合には、生地が型に十分に流れないまま加硫したり、加硫不足で発泡したりするという問題がみられるばかりではなく、室温での生地の長期間保管により、加硫が進んだ状態となるといった問題を生ずる。また、成形温度を上げて加硫速度を速くする方法では、温度が高いためゴム粘度が下がり、成形時のガス量が増えて成形後発泡し易くなり、特にJIS A硬さが60以下の場合には発泡が多くなる。
フッ素ゴム架橋物のJIS A硬さが60をこえると、低面圧でシールするHDDトップカバー用ガスケットではシール性が不十分となる。JIS A硬さが60以下にするには、一般的には液状物を添加することが行われるが、フッ素ゴムの場合には液状物を添加すると、フッ素ゴムが本来有する耐熱性、耐油性、耐圧縮永久歪特性、アウトガス性などが損われることになる。架橋密度を低くすると、こうした問題をもたらさずに硬さを下げることができるが、架橋密度を低くするためには、架橋剤や受酸剤の量を少くする必要があり、加硫速度を速くすることができなくなる。
従来のポリオール架橋系フッ素ゴムでは、架橋させるために酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの受酸剤を多く添加する必要があり、受酸剤を多く添加すると硬さが上昇し、低面圧でシールするHDDトップカバー用ガスケットとしては不向きである。また、受酸剤のマグネシウム、カルシウムなどの金属イオンがHDDを汚染する可能性があり、そのためなるべく受酸剤の量を少くして、金属イオン汚染を少くすることも望まれている。
本発明の目的は、常態物性や耐圧縮永久歪特性、さらにはフッ素ゴムが本来有する好ましい諸性質を実質的に損うことなく、生地の保管安定性の改善、混練時の生地の粘着防止、短時間加硫、加硫成形時における金型離型性の改善、金属イオンによる汚染防止、架橋密度の向上による架橋物の粘着性低減などを同時に可能とするポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム100重量部当り、一般式F(CF2)2nF(ここで、nは5〜30の整数である)で表わされるパーフルオロアルカン、一般式F(CF2)mH(ここで、mは10〜30の整数である)で表わされる1H-パーフルオロアルカンまたはこれらの混合物0.5〜10重量部および塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレート0.5〜2重量部を含有してなり、ムーニースコーチタイムt 5 (125℃)が60分以上でありかつ190〜210℃の温度で2分以内に圧縮成形可能な、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物によって達成され、ポリオール架橋剤と共に第4級ホスホニウム塩架橋促進剤をさらに含有せしめることが好ましい。
本発明に係るポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物は、常態物性や耐圧縮永久歪特性、さらにはフッ素ゴムが本来有する好ましい諸性質を実質的に損うことなく、生地の保管安定性の改善、混練時の生地の粘着防止、短時間加硫、加硫成形時における金型離型性の改善、金属イオンによる汚染防止、架橋密度の向上による架橋物の粘着性低減などを同時に可能とする。さらに具体的には、例えばムーニースコーチタイムt5(125℃)が60分以上でかつ190〜210℃の温度で2分以内に圧縮成形が可能であり、またJIS A硬さが60以下のフッ素ゴム架橋物を与えることができる。
ポリオール架橋可能なフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロアクリル酸エステル、アクリル酸パーフルオロアルキル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などの単独重合体、相互共重合体またはこれらとプロピレンとの共重合体が挙げられ、好ましくはフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロペン-テトラフルオロエチレン3元共重合体、テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体などが用いられ、一般には市販されているフッ素ゴムをそのまま使用することができる。
そのポリオール系架橋剤としては、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスノールA〕、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン〔ビスフェノールAF〕、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン〔ビスフェノールS〕、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン〔ビスフェノールF〕、ビスフェノールA-ビス(ジフェニルホスフェート)、4,4′-ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタンなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールAFなどが用いられる。これらはまた、アルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩の形であってもよい。これらのポリオール系架橋剤は、一般にフッ素ゴム100重量部当り約0.5〜10重量部、好ましくは約0.5〜6重量部の割合で用いられる。
架橋促進剤としては、第4級ホスホニウム塩またはそれと活性水素含有芳香族化合物との等モル分子化合物などが用いられ、好ましくは第4級ホスホニウム塩が用いられる。第4級ホスホニウム塩としては、
(R1R2R3R4P)+X-
R1〜R4:炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アルキ ルアリール基、アラルキル基またはポリオキシアルキレン基であり、ある いはこれらの内2〜3個がNまたはPと共に複素環構造を形成することもでき る。
X-:Cl-、Br-、I-、HSO4 -、H2PO4 -、RCOO-、ROSO2 -、CO3 --等のアニオ ン
具体的には、テトラフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムジメチルホスフェートなどが用いられる。これらの第4級ホスホニウム塩は、フッ素ゴム100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
これらのポリオール架橋剤および架橋促進剤が配合されるフッ素ゴムには、それの100重量部当り0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部のパーフルオロアルカン類および0.5〜2重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部の塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートが添加される。
一般式F(CF2)2nFで表わされるパーフルオロアルカンは、一般式F(CF2)nIで表わされるパーフルオロアルキルヨージドをカップリングすることによって製造され、具体的には例えばパーフルオロデカン、パーフルオロドデカン、パーフルオロヘキサデカン、パーフルオロオクタデカン、パーフルオロエイコサン、パーフルオロテトラコサン、パーフルオロオクタコサン、パーフルオロトリアコンタン、パーフルオロテトラコンタン、パーフルオロペンタコンタン、パーフルオロヘキサコンタンなどが挙げられ、これらは単独であるいは混合物として用いられる。上記一般式において、nは5〜30と規定され、これ以下のn値のものを用いると圧縮成形直後のガス量が多くなって成形物に発泡を生じ、一方これ以上のn値のものを用いると離型性が乏しくなる。
また、一般式F(CF2)mHで表わされる1H-パーフルオロアルカンは、パーフルオロアルキルハライドを亜鉛と反応させることによって製造され、具体的には例えば1H-パーフルオロデカン、1H-パーフルオロドデカン、1H-パーフルオロヘキサデカン、1H-パーフルオロオクタデカン、1H-パーフルオロエイコサン、1H-パーフルオロテトラコサン、1H-パーフルオロオクタコサン、1H-パーフルオロトリアコンタンなどが挙げられ、これらは単独であるいは混合物として用いられる。上記一般式において、mは10〜30と規定され、これ以下のm値のものを用いると圧縮成形直後のガス量が多くなって、成形面に発泡を生じるようになり、一方これ以上のm値のものを用いると離型性に乏しくなる。
これらのパーフルオロアルカン類を0.5重量部以下の割合で用いると、本発明の目的とする混練時の生地の粘着防止や加硫成形時の金型離型性の改善効果は得られず、一方10重量部よりも多い割合で用いると、成形直後に発泡し、得られる加硫成形体の加硫特性も損われるようになる。
本発明の他方の必須成分である塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートは、一般式
MgxAl2(OH)yCO3・mH20
x:4〜6の整数またはこれらの混合物の平均値
y:12〜18の整数またはこれらの混合物の平均値
で表わされ、例えば次のようなものが一般に用いられる。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H20
Mg4.3Al2(OH)12.6CO3・3.5H20
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H20
Mg4Al2(OH)13.5CO3・3.5H20
これらの化合物は、MgCl2とAlCl3との混合物水溶液中にNaOH水溶液およびNa2CO3水溶液を攪拌しながら添加して、pHを10前後にして白色沈殿物を取出し、乾燥して白色粉体としたものが用いられる。各金属原料としては、水可溶性塩類以外に水酸化物、酸化物、炭酸塩を用いてもよい。また、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートと同様な市販品を用いることもできる。
塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートを0.5重量部以下の割合で用いると、ムーニースコーチタイムt5(125℃)は60分以上となるが、190〜210℃での圧縮成形に際し2分以内で成形できる状態、すなわちスコーチタイムを長くししかも加硫時間を短くすることができない。0.5重量部以下で2分以内に圧縮成形するには、2価金属の酸化物または水酸化物である受酸剤の添加量を多くすることによって可能であるが、架橋フッ素ゴムに粘着が発生したり、金属イオンによる汚染の問題が発生するのを避けることができない。一方、2重量部以上の割合で用いると、ムーニースコーチタイムt5(125℃)が60分以上とはならず、生地の安定保管期間が短くなり、また200℃以上の温度で成形した際成形後に発泡がみられ、さらに硬度が高くなってシール性も悪化する。
フッ素ゴムにパーフルオロアルカン類またはハイドロタルサイト類縁化合物をそれぞれ配合することが先に提案されているが、パーフルオロアルカン類配合の場合には、JIS A硬さが60以下の加硫物にあっては成形後の離型性が悪く、加硫速度も遅いため生産性の点から好ましくない。また、ハイドロタルサイト類縁化合物配合の場合には、成形後の成形性が悪く、加硫速度が速くて生地安定性が短く、やはり生産安定性の点からみて好ましくない。結局、これらいずれの方法にあっても、ムーニースコーチタイムt5(125℃)が60分以上でありかつ190〜210℃での圧縮成形が2分以下で成形可能であり、JIS A硬さが60以下のフッ素ゴム架橋物を得ることができないばかりではなく、受酸剤として2価金属の水酸化物または酸化物を用いているため、金属イオンによる汚染が避けられない。
特開平7−224200号公報 特開平7−82449号公報
以上の各成分を必須成分とするフッ素ゴム組成物中には、カーボンブラック、カーボン繊維、シリカなどの補強剤、ワックスなどの加工助剤、受酸剤、老化防止剤、熱可塑性樹脂などゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加される。ただし、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの受酸剤の添加量が多いと、金属イオンによる汚染が問題となり、また生地保管安定性が短くなるので、受酸剤の合計量は5重量部以下が好ましい。
ゴム組成物の調製は、インターミックス、ニーダ、バンバリーミキサなどの密閉型混練機またはオープンロールなどを用いて混練することによって行われ、混練物のムーニースコーチタイムt5(125℃)は60分以上の値を示している。それの加硫成形は、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用い、一般には約140〜230℃で1〜30分間程度プレス加硫し、必要に応じて行われる二次加硫は約150〜300℃、好ましくは約200〜250℃で24時間以内オーブン加硫として行われる。その際、190〜210℃で圧縮成形したとき、2分以内での成形を可能とする。そして、得られるフッ素ゴム架橋物は、JIS A硬さが60以下、好ましくは40〜56の値を示している。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
フッ素ゴム(デュポン・ダウ・エラストマー製品バイトンA-200) 100重量部
FEFカーボンブラック(東海カーボン製品シーストGSO) 2 〃
塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネート 1.5 〃
ハイドレート(協和化学製品DHT-4A)
酸化マグネシウム(同社製品キョワマグ150) 3 〃
ビスフェノールAF 2 〃
トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド 0.53 〃
パーフルオロアルカンA 3 〃
〔F(CF2)24F 80重量%とF(CF2)12H 20重量%の混合物〕
以上の各成分を、ニーダおよびオープンロールで混練し、180℃、10分間の圧縮成形を行った後、230℃、5時間のオーブンでの熱処理を行った。
得られた成形物について、次の各項目の測定を行った。
ムーニースコーチタイム:JIS K6300-1に準じ、東洋精機製ムーニー粘度計角形溝の ダイおよびLロータを用い、1分間予熱した後、125℃での 最低粘度より5M上昇した時間t5を測定
混練直後の生地と気温25℃、湿度70%に管理した密閉容器 中に15日間放置した生地についてそれぞれ測定が行われた
加硫速度:JIS K6300-2に準じ、東洋精機製ロータレスレオメーターを用い、180℃と 210℃の加硫速度を測定
加硫曲線から、最低トルクMLと最高トルクMHの差ME(MH-ML)を求め、ME
50%加硫時間tc(50)を加硫速度の指標とした
硬さ:JIS K6253に準じ、厚さ2mmのゴムシートについてタイプAデュロメーターで測 定
引張強さ、伸び:JIS K6251に準じ、厚さ2mmのゴムシートについて測定
圧縮永久歪:JIS K6262に準じ、175℃、72時間、25%圧縮の条件下で測定
成形性評価:厚さ0.5mm、直径100mmの円板状シートを、180℃-10分間、210℃-1分間
、210℃-2分間の条件下でそれぞれ圧縮成形し、得られた各シートにつ いて発泡の有無を目視で確認し、発泡なしを○、発泡ありを×と判定
架橋フッ素ゴムの粘着力、離型性の評価:クロムメッキした鋼板(60×25mm)の間に 未加硫のゴム生地を挟み、180℃で10分間 架橋成形したものについて、JIS K6850に 準じ、引張せん断試験を行ない、鋼板とゴ ムとの粘着力によって離型性を評価
シール性評価:カバーに一体成形されたガスケットを実機リーク試験機に装着した状 態で、試験機内部から5kPaの正圧を30秒間かけ続け、15秒後にリーク するかどうかを調べ、リークなしを○、リークありを×と判定
ガスケット材料の耐圧縮永久歪特性が劣る場合やガスケット形状に発 泡等の欠陥がある場合、ゴム硬度が高く、締付けボルトから離れた個 所はリークする
アウトガス性評価:ガスケットを100℃、16時間熱抽出して、そのときのアウトガス 量を測定し、アウトガス量が10μg/g未満を○、10μg/g以上を ×と判定
金属イオン汚染評価:ガスケット(線径1.5mm、直径55mm)2個を超純水100ml中に室温 下で10分間浸せきし、ゴムに添加した受酸剤から超純水中に溶 出する金属イオン量(マグネシウムイオン、カルシウムイオン) 量をイオンクロマトグラフで測定し、金属イオンによる汚染程 度を評価
実施例2
実施例1において、パーフルオロアルカンA量が1重量部に変更された。
実施例3
実施例1において、パーフルオロアルカンA量が5重量部に変更された。
実施例4
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレート量が0.5重量部に変更された。
以上の各実施例で得られた結果は、次の表1に示される。
表1
実施例
測定・評価項目
ムーニースコーチタイムt5
混練直後 (分) 155 153 160 200
15日間放置後 (分) 144 143 152 188
加硫速度tc(50)
180℃ 3.2 2.9 3.4 5.0
210℃ 1.4 1.3 1.5 2.0
加硫物性
硬さ (JIS A) 54 55 53 53
引張強さ (MPa) 8.7 8.9 8.5 7.5
伸び (%) 370 360 400 450
圧縮永久歪
175℃、72時間 (%) 12 10 13 17
成形性評価
180℃、10分間 ○ ○ ○ ○
210℃、1分間 ○ ○ ○ ×
210℃、2分間 ○ ○ ○ ○
粘着力、離型性評価
粘着力 (kg/cm2) 0.5 1.0 0.3 1.5
シール性評価
リークの有無 ○ ○ ○ ○
アウトガス性評価
10μg/g基準 ○ ○ ○ ○
金属イオン汚染評価
Mgイオン(μg/製品1個) 0.04 0.04 0.04 0.02
Caイオン(μg/製品1個) 0 0 0 0
比較例1
実施例1において、パーフルオロアルカンAが用いられなかった。
比較例2
実施例1において、パーフルオロアルカンA量が15重量部に変更された。
比較例3
実施例1において、パーフルオロアルカンAの代りに、同量のパーフルオロアルカンB〔F(CF2)6F 80重量%とF(CF2)6H 20重量%との混合物〕が用いられた。
比較例4
実施例1において、パーフルオロアルカンAの代りに、同量のパーフルオロアルカンC〔F(CF2)100F 80重量%とF(CF2)50H 20重量%との混合物〕が用いられた。
比較例5
実施例1において、パーフルオロアルカンAの代りに、同量のテトラフルオロエチレン低分子量重合体(ダイキン製品ルブロンL5F)が用いられた。
比較例6
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレート量が6重量部に変更された。
比較例7
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートが用いられなかった。
比較例8
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートが用いられず、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド量が2重量部に変更された。
比較例9
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートおよびパーフルオロアルカンAが用いられなかった。
比較例10
実施例1において、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレート量が3重量部に変更され、パーフルオロアルカンAが用いられなかった。
以上の各比較例で得られた結果は、次の表2〜3に示される。
表2
比較例
測定・評価項目
ムーニースコーチタイムt5
混練直後 (分) 150 170 153 160 150
15日間放置後 (分) 142 161 142 155 142
加硫速度tc(50)
180℃ 2.8 3.5 3.0 3.2 3.1
210℃ 1.2 1.6 1.3 1.4 1.5
加硫物性
硬さ (JIS A) 55 51 54 56 56
引張強さ (MPa) 9.2 4.5 8.6 8.0 9.0
伸び (%) 350 300 360 330 300
圧縮永久歪
175℃、72時間 (%) 10 18 12 15 15
成形性評価
180℃、10分間 ○ × ○ ○ ○
210℃、1分間 ○ × × ○ ○
210℃、2分間 ○ × × ○ ○
粘着力、離型性評価
粘着力 (kg/cm2) 10 0.3 0.4 8 7
シール性評価
リークの有無 ○ ○ ○ ○ ○
アウトガス性評価
10μg/g基準 ○ × × ○ ○
金属イオン汚染評価
Mgイオン(μg/製品1個) 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04
Caイオン(μg/製品1個) 0 0 0 0 0

表3
比較例
測定・評価項目 10
ムーニースコーチタイムt5
混練直後 (分) 10 >200 7 53 12
15日間放置後 (分) 3 >200 2 20 6
加硫速度tc(50)
180℃ 1.0 >10 5.5 4.5 1.2
210℃ 0.7 5.0 2.5 1.2 0.9
加硫物性
硬さ (JIS A) 58 53 52 62 57
引張強さ (MPa) 10.0 7.0 7.0 8.7 9.5
伸び (%) 250 550 500 280 290
圧縮永久歪
175℃、72時間 (%) 10 18 25 8 13
成形性評価
180℃、10分間 ○ × ○ ○ ○
210℃、1分間 × × × ○ ×
210℃、2分間 × × ○ ○ ○
粘着力、離型性評価
粘着力 (kg/cm2) 0.4 3.0 0.4 2.0 3.0
シール性評価
リークの有無 × × ○ × ×
アウトガス性評価
10μg/g基準 ○ ○ × ○ ○
金属イオン汚染評価
Mgイオン(μg/製品1個) 0.15 0.04 0.04 0.15 0.10
Caイオン(μg/製品1個) 0 0 0 2.2 0
本発明に係るポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物は、ハードディスクドライブ用ゴム部品、例えばハードディスクドライブのトップカバーなどの加硫成形材料として用いられる以外にも、Oリング、パッキン、Vパッキン、オイルシール、ガスケット、角リング、Dリング、ダイアフラム、各種バルブなどの液体または気体漏洩防止用の各種ゴム部品や防振ゴム、ベルト、ゴム引布、ワイパなどの各種ゴム部品の加硫成形材料として有効に用いられる。

Claims (4)

  1. ポリオール架橋可能なフッ素ゴム100重量部当り、一般式F(CF2)2nF(ここで、nは5〜30の整数である)で表わされるパーフルオロアルカン、一般式F(CF2)mH(ここで、mは10〜30の整数である)で表わされる1H-パーフルオロアルカンまたはこれらの混合物0.5〜10重量部および塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレート0.5〜2重量部を含有してなり、ムーニースコーチタイムt 5 (125℃)が60分以上でありかつ190〜210℃の温度で2分以内に圧縮成形可能な、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物。
  2. ポリオール架橋剤と共に第4級ホスホニウム塩架橋促進剤をさらに含有せしめた請求項1記載のポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物。
  3. JIS A硬さが60以下のフッ素ゴム架橋物を与える請求項1または2記載のポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物。
  4. ハードディスクドライブ用ゴム部品の加硫成形材料として用いられる請求項1、2または3記載のポリオール架橋可能なフッ素ゴム組成物。
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