JP4306264B2 - アナタース型酸化チタン、組成物及び製造方法 - Google Patents

アナタース型酸化チタン、組成物及び製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナタース型酸化チタン、組成物及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナタース型酸化チタンは、触媒、光触媒、光電変換材料等の各種担体として使用されている。このような用途に使用される場合、比表面積の大きい粒子の方が活性サイトや吸着サイトの数が多くなるために、触媒としてより高い活性が得られることから、高比表面積であることが要求される。
【0003】
アナタース型酸化チタンが四塩化チタン又は硫酸チタニルを加水分解して得られる水酸化チタンを200〜500℃で焼成することによって得られるものであることは従来から知られている。
【0004】
また、チタンの酸性水溶液を加熱加水分解する工程、焼成して微粒子二酸化チタンにする工程及び該二酸化チタンの粒子表面にケイ素及び/又はアルミニウムの水和酸化物を沈着する工程を含む微粒子二酸化チタン組成物の製造方法も開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
従来の焼成法では、触媒としての高活性を得るために、高比表面積のアナタース型酸化チタンを得ようとすると、粒子成長を抑制することを目的として、比較的低温で焼成したり、他の元素を添加したりすることが行われていた。
【0006】
しかしながら、このような方法によって得られたアナタース型酸化チタンは、粒子同士の凝集は避けられない。このため、例えば、得られたアナタース型酸化チタンを気相反応の各種担体として充填して使用する場合には、気体の流通性に劣り、結果として、触媒性能等が低下してしまう。
【0007】
更に、このような方法によって得られたアナタース型酸化チタンは、結晶化度が低下してしまうため、例えば、光触媒用途では、光触媒活性が低下してしまうという問題点もある。
【0008】
このため、充填した際に、気体の流通性が高く、光が容易に粒子内部に侵入することができるような形状、例えば、粒子中に孔部を有する等のような特異形状を有し、かつ、高比表面積を有するアナタース型酸化チタンの開発が望まれていた。
【0009】
また、従来の焼成法により得られる超微粒子状態での凝集度合いを緩和する方法として、水溶液中で粒子を生成させる方法の検討が数多くなされているが、このような要求を満たす酸化チタン粒子は得られていなかった。
【0010】
【特許文献1】
特公昭61−49250号公報(第1頁)
【特許文献2】
特公昭62−40292号公報(第1頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、超微粒子の状態においても凝集度が緩和され、高比表面積を有するリング状又はリングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタン、それを配合してなる組成物、及び、その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リング状又はリングの一部を成す形状であることを特徴とするアナタース型酸化チタンである。
上記アナタース型酸化チタンは、リングの外径が10〜80nmであり、かつ、リングの内径が3〜40nmであることが好ましい。
【0013】
上記アナタース型酸化チタンは、比表面積が40〜170m/gであることが好ましい。
上記アナタース型酸化チタンは、(101)面の積分幅が0.6以下であることが好ましい。
【0014】
本発明は、上記アナタース型酸化チタンを配合してなることを特徴とする組成物である。
本発明はまた、メタチタン酸をアルカリで中和し、更に、濾過及び水洗する工程(1)、並びに、上記工程(1)で調製されたメタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を水熱反応させる工程(2)からなることを特徴とするアナタース型酸化チタンの製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明のアナタース型酸化チタンは、リング状又はリングの一部を成す形状である。即ち、上記アナタース型酸化チタンは、環状をなすもの、又は、環状の一部をなすものである。
【0016】
上記リング状のアナタース型酸化チタンの形状の例を図1に示した。以下、図1を用いて、リング状のアナタース型酸化チタンを説明する。
図1に示したように、上記リング状のアナタース型酸化チタンは、粒子1中に孔部2を有するものである。
【0017】
上記リング状のアナタース型酸化チタンとしては、粒子1中に孔部2を有するものであれば特に限定されず、粒子1中のどの位置に孔部2が存在する粒子であってもよい。上記リング状のアナタース型酸化チタンの粒子1の形状(粒子の外周の形状)としては特に限定されず、例えば、円形、楕円形等を挙げることができ、また、孔部2の形状としては特に限定されず、例えば、円形、楕円形等を挙げることができる。例えば、図1における(A)に示したような円形状の粒子1の中央部に円形状の孔部2を有するもの、(B)に示したような円形状の粒子1中に楕円形状の孔部2を有するもの、(C)に示したような楕円形状の粒子1中に円形状の孔部2を有するもの、(D)に示したような楕円形状の粒子1中に楕円形状の孔部2を有するものを挙げることができ、また、(E)に示したような形状の粒子1中に孔部2を有するものも挙げることができる。
【0018】
上記リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンの形状の例を図2に示した。以下、図2を用いて、リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンを説明する。
図2に示したように、上記リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンは、上記リング形状のアナタース型酸化チタンの粒子の一部に該当するものであり、上記リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンは、リング状粒子の一部3中に孔部の一部4を有するものである。
【0019】
上記リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンとしては、リング状のアナタース型酸化チタン粒子の一部3中に孔部の一部4を有するものであれば特に限定されないが、例えば、上記リングの一部をなす形状のアナタース型酸化チタンを充填させたものに対して、気体を流通させた場合に、通常の200〜500℃の焼成により得られる酸化チタンを充填させた場合に比較して、流通性が高められる程度の形状を有するものである。これにより、形状に由来する効果、例えば、触媒性能の向上等が発現する。
【0020】
上記リング状のアナタース型酸化チタン粒子の一部3の形状(粒子のリング状の外周の形状)としては特に限定されず、例えば、円形、楕円形等の一部を挙げることができ、また、孔部の一部4の形状としては特に限定されず、例えば、円形、楕円形等の一部を挙げることができる。例えば、図2における(F−1)、(F−2)に示したような円形状の粒子の一部3に円形状の孔部の一部4を有するもの、(G−1)、(G−2)に示したような円形状の粒子の一部3に楕円形の孔部の一部4を有するもの、(H)に示したような楕円形状の粒子の一部3に円形状の孔部の一部4を有するもの、(I)に示したような楕円形状の粒子の一部3に楕円形状の孔部の一部4を有するものを挙げることができ、また、(J)に示したような形状の粒子の一部3に孔部の一部4を有するものも挙げることができる。
【0021】
上記リングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタンとしては、リングを形成する部分のうち50%以上の部分を有するものであることが好ましい。例えば、図2における(F−1)、(G−1)、(H)、(I)、(J)で示したものを挙げることができる。これにより、粒子の形状に由来する効果の向上を図ることができる。例えば、充填した場合、気体の流通性が向上するため、触媒性能を向上させることができ、また、光を照射する場合、光路が多くなるため、光が酸化チタン内部まで容易に侵入することができるため、色素増感型太陽電池に対して好適に使用することもできる。50%未満であると、形状に由来する効果の向上が見られないおそれがある。より好ましくは、60%以上であり、更に好ましくは、70%以上である。
【0022】
上記アナタース型酸化チタンは、リングの外径が、下限10nm、上限80nmであるものが好ましい。上記リングの外径は、アナタース型酸化チタン粒子における外径の長径である。上記リングの外径が上記範囲のものである場合には、触媒、光触媒、光電変換材料等の各種担体、色素増感型太陽電池に対して好適に使用することができる。10nm未満であると、リング状粒子の孔部が小さくなるため、形状に由来する効果が見られず、各種担体、色素増感型太陽電池として使用した場合に性能の向上が見られないおそれがある。80nmを超えると、粒径が大きいため、比表面積が小さくなり、各種担体として性能が低下するおそれがある。
【0023】
上記アナタース型酸化チタンは、リングの内径が、下限3nm、上限40nmであることが好ましい。上記リングの内径は、粒子における孔部の長径である。上記リングの内径が上記範囲内のリング状粒子である場合には、形状に由来する効果が見られ、例えば、アナタース型酸化チタンに対して気体を流通させた場合、流通性を向上させることができる。40nmを超えると、粒子の形状の安定性が低いおそれがあり、3nm未満であると、粒子における孔部、孔部の一部の部分が小さいため、各種担体として使用する場合の性能等の向上が期待できないおそれがある。
【0024】
上記リングの外径及び内径は、電子顕微鏡によって得られる電子顕微鏡写真での実測値である。即ち、上記リングの外径は、電子顕微鏡写真に写るリング状粒子の外径(長径)の実測値であり、写真中の大多数の粒子の外径である。また、上記リングの内径は、電子顕微鏡写真に写るリング状粒子の孔部の径(長径)の実測値であり、写真中の大多数の粒子の内径である。
【0025】
上記アナタース型酸化チタンは、比表面積が、下限40m/g、上限170m/gであることが好ましい。
上記アナタース型酸化チタンは、(101)面の積分幅が、0.6以下であることが好ましい。
【0026】
本発明のアナタース型酸化チタンの製造方法は、メタチタン酸をアルカリで中和し、更に、濾過及び水洗する工程(1)、並びに、上記工程(1)で調製されたメタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を水熱反応させる工程(2)からなるものである。このような方法によって、上記リング状又はリングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタンを製造することができる。
【0027】
上記メタチタン酸は、例えば、硫酸法酸化チタン製造過程で得られる硫酸チタニル硫酸酸性水溶液を、熱加水分解させて得られるものである。
上記工程(1)は、メタチタン酸をアルカリで中和し、更に、濾過、水洗する工程である。上記メタチタン酸は、アナタース型結晶構造を持つ平均粒径70Å程度の微結晶の集合体である。上記アルカリでの中和、濾過及び水洗は、従来公知の方法により行うことができる。
【0028】
上記アルカリとしては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア水、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物を挙げることができる。なかでも、不純物残存が少ない点で、アンモニア水が好ましい。
【0029】
上記工程(2)は、上記工程(1)で調製されたメタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を水熱反応させる工程(2)である。
上記工程(2)は、例えば、メタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を、120〜300℃で、1〜24時間で水熱反応させることによって行うことができる。より好ましくは、140〜220℃で、1〜20時間である。
【0030】
上記水熱反応させる方法としては特に限定されず、例えば、オートクレーブを使用して行うことができる。
上記水熱反応において、処理温度が120℃未満であったり、処理時間が1時間未満であったりすると、得られる粒子がリング状又はリングの一部を成す形状のものが得られなかったり、得られる粒子の結晶化度が低いおそれがある。処理温度が300℃を超えたり、処理時間が24時間を超えたりすると、リング状の粒子が得られなかったり、比表面積の比較的小さい粒子が得られるおそれがある。上記工程(2)で得られた粒子は、常法により、濾過、水洗、乾燥、粉砕されることによって、上記アナタース型酸化チタンを得ることができる。
【0031】
上記工程(1)及び工程(2)を行うことによって得られたアナタース型酸化チタン粒子は、水に懸濁した状態で粒子を成長させるために、粒子の独立性が非常に高い。更に、乾燥工程についても水分を低減させる程度の低温であるために、粒子の凝集を抑制することができる。従って、上記製造方法によって得られるアナタース型酸化チタンは、従来の焼成法により得られた粒状の超微細酸化チタン粒子に比べ、粒子の焼結等による凝集度合いを低下させたものである。
【0032】
本発明のアナタース型酸化チタンは、リング状又はリングの一部を成す形状のものであるため、触媒、光触媒、光電変換材料等の各種担体として使用される場合において好適に用いられるものである。
【0033】
即ち、本発明のアナタース型酸化チタンは、孔部を有するもの又は孔部の一部を有するものであるため、例えば、光触媒として使用される場合には、従来の焼成によって得られる酸化チタンに比べて、光活性が高くなる。このため、上記アナタース型酸化チタンは、光触媒として使用した場合、触媒性能に優れたものである。
【0034】
また、本発明のアナタース型酸化チタンは、孔部を有するもの又は孔部の一部を有するものであり、粒子同士が形成する空間容積が多いため、上記アナタース型酸化チタン中に気体を流通させた場合、気体の流通性が従来のものよりも良くなる。このため、例えば、上記アナタース型酸化チタンを触媒等の担体として使用する場合、担体に対して、気体を流通させると、気体の流通性が高くなり、その結果、酸化チタン粒子内部まで容易に気体が侵入できるため、酸化チタン粒子への吸着性能が高くなり、触媒機能も向上させることができる。
【0035】
また、本発明のアナタース型酸化チタンは、孔部を有するもの又は孔部の一部を有するものであるため、色素増感型太陽電池の多孔質酸化チタン薄膜材料として、非常に優れている。すなわち、現在開発が進められている色素ルテニウム・ピリジン錯体は1nm以上の比較的大きなサイズであるが、本発明のアナタース型酸化チタンは、自らの一次粒子内の孔部サイズが当該色素を取り込むのに丁度あてはまり、これまで多孔質にするために検討されているポリエチレングリコールの熱分解による気孔の径(数十〜数百nm)からなる薄膜よりも光電変換効率が高くなるためによる。
【0036】
更に、本発明のアナタース型酸化チタンは、従来のように水酸化チタンを200〜500℃で焼成することによって得られる同等の粒径を有する粒子と比較して、凝集が少ないものであり、性能及び取り扱いの点で、非常に有効なものである。
【0037】
本発明の組成物は、上記アナタース型酸化チタンを配合してなるものである。上記アナタース型酸化チタンは、凝集度合いが低く、高比表面積及び高結晶化度を有する超微粒子である。従って、上記アナタース型酸化チタンを、例えば、塗料中の顔料、光触媒塗料中の成分等として好適に用いることができる。また、上記組成物は、上記アナタース型酸化チタンの他に、これ以外の酸化チタン粒子、例えば、従来の焼成法により得られる酸化チタン粒子を配合するものであってもよい。このようなアナタース型酸化チタンを配合してなる組成物も本発明の1つである。
【0038】
本発明のアナタース型酸化チタンは、リング状又はリングの一部を成す形状のものであり、例えば、メタチタン酸をアルカリで中和し、更に、濾過及び水洗する工程(1)、並びに、上記工程(1)で調製されたメタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を水熱反応させる工程(2)を行うことによって得られるものである。例えば、このような方法によって得られるアナタース型酸化チタンは、超微粒子の状態においても、凝集度を緩和され、高比表面積及び高結晶化度を有するものであるため、触媒、光触媒、光電変換材料等の各種担体、色素増感型太陽電池に好適に用いることができるものである。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
【0040】
実施例1
硫酸チタニルを熱加水分解させて得たメタチタン酸をアンモニア水で中和し、濾過、水洗した。得られたメタチタン酸ケーキを水に懸濁し、酸化チタン(TiO)としての濃度が100g/lとなるように調整した。この懸濁液をオートクレーブ中で、150℃で12時間処理した。処理後の液を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、酸化チタン粉末を得た。得られた酸化チタン粉末のBET比表面積は86m/gであった。得られた酸化チタン粉末の電子顕微鏡写真を図3に示した。図3の電子顕微鏡写真に示す通り、リング状又はリングの一部を成す形状を呈した粒子からなっていた。また、X線回折測定の結果、アナタース型であることが確認され、(101)面の積分幅は0.47であった。電子顕微鏡写真から、酸化チタン粒子の外径(粒子の長径)は40〜60nmであり、内径(孔部の長径)は5〜17nmであった。
【0041】
実施例2
実施例1において、オートクレーブ中での処理を250℃で4時間行った以外は同一の操作をして、酸化チタン粉末を得た。得られた酸化チタン粉末のBET比表面積は61m/gであった。得られた酸化チタン粉末の電子顕微鏡写真を図4に示した。図4の電子顕微鏡写真に示す通り、リング状又はリングの一部を成す形状を呈した粒子からなっていた。また、X線回折測定の結果、アナタース型であることが確認され、(101)面の積分幅は0.40であった。電子顕微鏡写真から、酸化チタン粒子の外径(粒子の長径)は65〜80nmであり、内径(孔部の長径)は15〜30nmであった。
【0042】
比較例1
硫酸チタニルを熱加水分解させて得たメタチタン酸をアンモニア水で中和し、濾過、水洗、乾燥した後、電気炉で500℃の温度で焼成した。得られた粒子を粉砕し酸化チタン粉末を得た。この酸化チタン粉末のBET比表面積は90m/gであった。得られた酸化チタン粉末の電子顕微鏡写真を図5に示した。粒子形状は、図5の電子顕微鏡写真に示す通り、実施例1で得られた酸化チタン粉末とは異なる形状をしていた。また、X線回折測定の結果、アナタース型であり、(101)面の積分幅は0.60であった。
【0043】
実施例1、2及び比較例1により得られた酸化チタン粉末を、各々2gとり作成した、断面積2cm×高さ1cmに圧縮成型したペレットを透過する空気量を測定した。結果を表1に示した。この結果は、本発明により得られた実施例1、2の酸化チタン粉末と、比較例1の酸化チタン粉末は、ほぼ同一の比表面積でありながら、実施例1、2で得られたリング状酸化チタンは空気を流通させやすく、自ら多孔質構造を形成していることを示すものである。なお、空気透過量は空気圧1atmの条件下で測定した。
【0044】
実施例1及び比較例1で得られた酸化チタン粉末は、比表面積がほぼ同様であった。しかしながら、実施例1、2及び比較例1で得られたものの積分幅から実施例で得られたものの結晶性が高いことがわかった。これにより、実施例で得られた酸化チタン粉末は、触媒、光触媒、光電変換材料等の各種担体として好適に用いることができるものであることが明らかとなった。
【0045】
【表1】
Figure 0004306264
【0046】
【発明の効果】
本発明のアナタース型酸化チタンは、上述した横成よりなるので、従来の焼成法による酸化チタンでは凝集が著しい超微粒子の状態においても、凝集度を緩和でき、かつ、高比表面積及び高結晶化度を有するものである。従って、触媒用途をはじめとする幅広い分野に適応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リング状アナタース型酸化チタンの形状の例の概略図。
【図2】 リングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタンの形状の例の概略図。
【図3】 実施例1で得られた酸化チタン粒子の電子顕微鏡写真。
【図4】 実施例2で得られた酸化チタン粒子の電子顕微鏡写真。
【図5】 比較例1で得られた酸化チタン粒子の電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1 リング状のアナタース型酸化チタンの粒子
2 リング状のアナタース型酸化チタンの粒子の孔部
3 リングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタンの粒子
4 リングの一部を成す形状のアナタース型酸化チタンの粒子の孔部

Claims (6)

  1. リング状又はリングの一部を成す形状であることを特徴とするアナタース型酸化チタン。
  2. リングの外径は、10〜80nmであり、かつ、
    リングの内径は、3〜40nmである請求項1記載のアナタース型酸化チタン。
  3. 比表面積は、40〜170m/gである請求項1又は2記載のアナタース型酸化チタン。
  4. (101)面の積分幅は、0.6以下である請求項1、2又は3記載のアナタース型酸化チタン。
  5. 請求項1、2、3又は4記載のアナタース型酸化チタンを配合してなることを特徴とする組成物。
  6. メタチタン酸をアルカリで中和し、更に、濾過及び水洗する工程(1)、並びに、前記工程(1)で調製されたメタチタン酸ケーキを水に懸濁させて得られた液を水熱反応させる工程(2)からなることを特徴とするアナタース型酸化チタンの製造方法。
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