JP4305978B2 - 回転電機の固定子及び回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ等の回転電機の固定子の構造及び該固定子を備えた回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ACサーボモータ等の回転電機の固定子は、従来一体型であった。このため、固定子にコイルを巻き線するためには、スロット内にノズルを入れて巻かなければならず、ノズル挿入スペースをとる必要があったことから、コイルの占積率が低いという問題があった。
【0003】
近年、モータの小型化及び高性能化の要求から、分割された極歯から固定子を構成する技術が開発されている。この固定子においては、極歯ごとにコイルを集中して巻くことによって、これまでの巻き線よりもスロット内の巻線占積率を向上させることができ、理論限界値である占積率70%とすることが可能である。
【0004】
例えば、特開平6−105487号、特開平7−7875号においては、この種のモータの固定子が開示されている。
特開平6−105487号に記載された固定子は、図5に示すような構成を有してなるものである。
図5において、1は回転電機の固定子であり、極歯単位で周方向に分割された複数の積層鉄心2からなる環状の積層鉄心部3にコイルが巻かれているものである。個々の積層鉄心2は、極歯部2aと、この極歯部2aの一端に中間部を接続する形で連続する外周部2bとを備え、全体として略T字状を構成している。この積層鉄心2は、出力軸に直交する平面における断面形状と同一形状の略T字状鉄板を積層してなるものである。
これら複数の積層鉄心2は、円筒状に配置されて、次のように固定されている。すなわち、(1)分割面の外周端部4において軸方向に互いに溶接する、(2)各分割面間を接着する、(3)環状構造体に挿入し押圧する、という方法がとられている。
【0005】
また、特開平7−7875号に記載された固定子は、積層と同時に電磁鋼板間をレーザ溶接して、分割鉄心を構成している。さらに、分割鉄心を円筒状に並べ、分割面外周端部を溶接している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法においては、下記に示す問題点を有する。
すなわち、
(1)溶接する場合、すべての分割面の外周端部を軸方向に溶接しなければならず、溶接工数が多く、時間を要する
(2)軸方向に溶接する場合、溶接部分の抵抗が減少し、溶接部を介して電流が流れやすくなり、磁束漏れによる渦電流によってモータの効率が劣ることとなる
(3)分割面を接着、あるいは環状構造体で押圧することは、渦電流の発生は抑えられるが、溶接と比較すると固定子の剛性が劣る
という問題がある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明においては、渦電流の発生を抑えるとともに、剛性に優れ、かつ製造コストの低減を実現する回転電機の固定子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の回転電機の固定子は、回転子の軸線まわりに配設される環状の積層鉄心部を備えてなり、前記積層鉄心部が極歯単位ごとに周方向に分割された複数の積層鉄心からなる回転電機の固定子において、前記積層鉄心部の前記軸線方向の端部に設けられ、該軸線方向に延出され前記積層鉄心部の外周面に嵌合された側壁部を有し、少なくとも該側壁部で前記積層鉄心と溶接固定されていることで該積層鉄心部を環状に拘束する環状部材を備えることを特徴とする。
【0009】
この回転電機の固定子においては、積層鉄心部の軸方向端部に接合された環状部材によって、積層鉄心の径方向への保持がなされている。したがって、分割面だけの溶接や接着と比較して保持力が高く、剛性に優れた固定子が得られる。
さらに、分割面外周端部の軸方向の溶接を行わないことから、接合作業が容易であるとともに、磁束漏れによる渦電流の発生が抑えられる。
【0011】
また、この回転電機の固定子においては、分割面外周端部の軸方向の溶接を行わないことから、溶接作業が容易であるとともに、磁束漏れによる渦電流の発生が抑えられる。
【0012】
請求項2記載の回転電機の固定子は、請求項1記載の回転電機の固定子において、前記環状部材と互いに隣接する二つの前記積層鉄心とが一点で溶接される点溶接部を有することを特徴とする。
【0021】
この回転電機の固定子においては、各積層鉄心が、該積層鉄心の当接面において独立に環状部材に接合される。
【0022】
請求項8記載の回転電機の固定子は、請求項6記載の回転電機の固定子において、前記環状部材は、前記積層鉄心部との当接面全面が接着されていることを特徴とする。
【0024】
請求項3記載の回転電機の固定子は、請求項1または請求項2に記載の回転電機の固定子において、前記隣接する積層鉄心の分割面は互いに接着されていることを特徴とする。
【0025】
この回転電機の固定子においては、環状部材の接合に加えて、さらに分割面を接着することにより、更に剛性が向上する。また、この固定子においても、分割面外周端部の溶接を行う必要がないので、接合作業が容易であるとともに、磁束漏れによる渦電流の発生が抑えられる。
また、請求項4記載の回転電機は、請求項1から3いずれかに記載の回転電機の固定子において、前記環状部材は、前記軸線方向に延出され、前記積層鉄心部の外周面に嵌合された側壁部を有することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。従来と同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
図1において、1はモータ(回転電機)の固定子で、極歯単位で周方向に分割された複数の積層鉄心2からなる環状の積層鉄心部3を有している。個々の積層鉄心2は、図2(a)に示すように、極歯部2aと、この極歯部2aの一端に中間部を接続する形で連続する外周部2bとを備え、全体として略T字状に構成されている。この積層鉄心2は、出力軸に直交する平面における断面形状と同一形状の略T字状鉄板を積層してなるものである。
図2(b)に示すように、各極積層鉄心2の極歯部2aには、コイルボビン5を介して巻線6が巻線機により高密度に整列状に巻回され、コイル7を形成している。
【0027】
組立時には、図1に示すように、上記積層鉄心2を円筒形状に組み合わされるように配置し、積層鉄心部3の軸線方向の両端部において環状部材10を接合させる。
環状部材10は、積層鉄心2と溶接により接合されている。詳細には、図3(a)に示すように、固定子1の外周面において、環状部材10と、互いに隣接する二つの積層鉄心2とが一点で接合されるように、各溶接部11aにおいて点溶接されている。
【0028】
上記のように構成された固定子1においては、分割面外周端部をすべて溶接する必要がなく、簡単に短時間で溶接することが可能であり、溶接が容易である。したがって、モータの生産効率が向上し、製造コストの低減が可能である。
また、軸方向の溶接部がないため、渦電流の発生を抑えることができ、モータの効率がよい。
さらに、積層鉄心2は、環状部材10によって径方向の保持がなされており、分割面だけでの溶接や接着以上に保持力を高めることができ、十分な剛性を得ることが可能である。
【0029】
なお、本発明にかかる回転電機の固定子は、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下の実施形態をも含むものである。
(1)環状部材10の溶接位置は、図3(b)で示すように、固定子1の外周面であって、環状部材10と一つの積層鉄心2とがそれぞれ積層鉄心2の分割面以外で接合されるように、溶接部11bにおいて溶接されていることとしてもよい。また、図3(c)で示すように、固定子1の外周面であって、環状部材10と各積層鉄心2との当接面の外周端部が接合されるように、円周方向の溶接部11cにおいて溶接することとしてもよい。
これらの場合であっても、先述の実施形態と同様、十分な剛性を得ることが可能であるとともに、磁束漏れによる渦電流の発生を抑えることができる。また、接合作業が容易であるので、製造コストの低減が可能である。
【0030】
(2)また、接合方法として、環状部材10と積層鉄心2とを接着することとしてもよい。この場合、図3(d)で示すように、環状部材10と積層鉄心2の当接面を、各積層鉄心2ごとに独立して接着部11dにおいて接着し、あるいは、図3(e)に示すように、環状部材10と積層鉄心部3の当接面全面を接着部11eにおいて接着することとしてもよい。
この場合であっても、先述の実施形態と同様に、環状部材10によって積層鉄心2の径方向の保持がなされているので、分割面を接着するよりも剛性に優れた固定子とすることができる。また、溶接を行わないことから、磁束漏れによる渦電流の発生を抑えることができ、かつ、接合作業が容易であり、製造コストの低減が可能である。
【0031】
(3)図3(f)に示すように、上記溶接、あるいは接着の場合において、さらに、各積層鉄心2の分割面を接着部11fにおいて互いに接着することとしてもよい。これにより、さらに剛性の高い固定子とすることができる。なお、この場合、分割面の接着面積は、接触面全面でなく、部分的に接着することとしてもよい。
【0032】
(4)環状部材10は、図4に示すように、積層鉄心2に接合した場合において、出力軸方向に延出する側壁部10aが設けられていることとしてもよい。この場合においても、環状部材10と積層鉄心2の接合方法として、上記(1)〜(3)で示した各接合方法を用いることができるのは言うまでもない。
この場合、環状部材10の積層鉄心2の保持力をさらに向上させることができ、より剛性に優れた固定子とすることが可能である。
【0033】
(5)なお、本実施形態においては、円筒状に配置した積層鉄心2の両端部に環状部材10を接合するとしたが、固定子1の軸方向の長さが十分短い場合には、両端部に接合しなくとも十分な剛性が得られることから、一端部にのみ環状部材10を接合することとしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る回転電機の固定子においては、分割面外周端部をすべて溶接する必要がなく、簡単に短時間で溶接することが可能である。したがって、回転電機の生産効率が向上し、製造コストの低減が可能である。
また、軸方向に溶接部がないため、磁束漏れによる渦電流の発生を抑えることが可能である。
さらに、積層鉄心は、環状部材によって径方向の保持がなされており、分割面だけでの溶接や接着以上に保持力を高めることが可能であり、剛性に優れた固定子とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態として示したモータの固定子の斜視図であり、一端側の環状部材を接合する前の状態である。
【図2】 同固定子に用いられる積層鉄心の斜視図であり、(a)はコイルを巻く前の状態、(b)はコイルを巻いた状態である。
【図3】 同固定子における環状部材の接合状態を示す斜視図であり、(a)は本実施形態として示した環状部材の溶接位置、(b)から(f)は、他の実施形態として示した環状部材の接合位置を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る他の実施形態として示した環状部材の形状を示すための断面図である。
【図5】 従来のモータの固定子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 モータ(回転電機)の固定子
2 積層鉄心
3 積層鉄心部
10 環状部材
Claims (4)
- 回転子の軸線まわりに配設される環状の積層鉄心部を備えてなり、前記積層鉄心部が極歯単位ごとに周方向に分割された複数の積層鉄心からなる回転電機の固定子において、
前記積層鉄心部の前記軸線方向の端部に設けられ、該軸線方向に延出され前記積層鉄心部の外周面に嵌合された側壁部を有し、少なくとも該側壁部で前記積層鉄心と溶接固定されていることで該積層鉄心部を環状に拘束する環状部材を備えることを特徴とする回転電機の固定子。 - 請求項1記載の回転電機の固定子において、
前記環状部材と互いに隣接する二つの前記積層鉄心とが一点で溶接される点溶接部を有することを特徴とする回転電機の固定子。 - 請求項1または請求項2に記載の回転電機の固定子において、
隣接する前記積層鉄心の分割面は互いに接着されていることを特徴とする回転電機の固定子。 - 請求項1から3いずれかに記載の固定子を用いることを特徴とする回転電機。
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