JP4305695B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法 - Google Patents
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Description
【従来の技術】
従来プリント配線板の製造分野において、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物およびそれに支持体と保護フィルムを用いて得られる感光性エレメントが広く用いられている。
プリント配線板は、感光性フィルムを銅基板上にラミネートして、パターン露光した後、硬化部分を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施して、パターンを形成させた後、硬化部分を基板上から剥離除去する方法によって製造されている。
感光性フィルムは、従来多層プリント配線板の内装および外装板加工用に用いられていたが、近年では半導体パッケージ用途としても用いられている。このためパッケージ用感光性フィルムでは、これまでに無い高解像度・高密着性が求められるようになってきた。
【0002】
また、一方では、作業性の向上という点から、高感度、低めっき浴汚染性の感光性樹脂組成物が望まれており、これらの特性は、使用される光重合開始剤の種類及び量に依存する傾向がある。
高感度の光重合開始剤は、ドイツ特許第2,027,467号明細書、ヨーロッパ特許公開第11,786号明細書、ヨーロッパ特許公開第220号明細書、ヨーロッパ特許公開第589号明細書、特開平6−69631号公報等に記載されているが、これらはめっき浴汚染性を有するという欠点がある。
【0003】
この他に、めっき浴汚染性の少ない、光重合開始剤である2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体と、水素供与性化合物を組み合わせ高感度にした感光性樹脂組成物が、米国特許第3,479,185号明細書に記載されているが、要求される感度に調整した場合、2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体の使用量を増量すると、レジストの線幅が太るという欠点があり、水素供与性化合物の使用量を増量すると、銅との密着性及び保存安定性が劣るという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性及び柔軟性が優れ、また、アルカリ現像性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さらに光感度が特に優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらにアルカリ現像性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
請求項4記載の発明は、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れる感光性エレメントを提供するものである。請求項5記載の発明は、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れるレジストパターンの製造法を提供するものである。請求項6記載の発明は、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れるプリント配線板の製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及び(D)スルホニウム・ホウ素塩化合物を含有してなる感光性樹脂組成物に関する。また、本発明は、さらに(E)分子内にアミノ基を有するクマリン系化合物又はベンゾフェノン系化合物を含有する前記感光性樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明は(A)バインダーポリマーの酸価が30〜200mgKOH/gであり、重量平均分子量20,000〜300,000である前記感光性樹脂組成物に関する。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を、支持体上に塗布、乾燥し、支持体上に感光性樹脂組成物層を形成し、必要により支持体の反対面に保護フィルムを形成してなる感光性エレメントに関する。
【0008】
また、本発明は、前記感光性エレメントを、場合によって保護フィルムを剥がしながら、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法に関する。
また、本発明は、前記レジストパターンの製造法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
【0010】
本発明では、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマーを用いる。バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され、その(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明における(A)成分のバインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
【0012】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(III)
【化1】
(式中、R16は水素原子又はメチル基を示し、R17は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
【0013】
上記一般式(III)中のR17で示される炭素数1〜12のアルキル基としては 、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(III)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明における(A)成分であるバインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させる。例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。また、本発明における(A)成分のバインダーポリマーがカルボキシル基を有する場合、その酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜100mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が、30mgKOH/g未満では、現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると、光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、本発明における(A)成分であるバインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。
【0015】
上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、0.1〜30重量%含むことが好ましく、1〜28重量%含むことがより好ましく、1.5〜27重量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると、剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0016】
また、本発明における(A)成分のバインダーポリマーの重量平均分子量は、20,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、20,000未満では、耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を越えると、現像時間が長くなる傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算したものである。
【0017】
本発明における(B)重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′− (メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0018】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が拳げられる。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。
【0020】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−11等が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ (メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−13等が挙げられる。
【0021】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0022】
本発明における(C)2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体としては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス (2,3−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,5−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,5−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス (2,3,6−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,6−テトラクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5−テトラクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5,6−テトラクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3ージフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス (2,6−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,5−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,6−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4−トリブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,5−トリブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,6−トリブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5−トリブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス (2,3,4,6−テトラブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5−テトラブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,4,5,6−テトラブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2′−ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。
【0023】
これらのイミダゾール二量体は、そのアリール基がさらにハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14アリール基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、アリル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は複素環を含む基等で置換されていてもよい。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。これらの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0024】
本発明におけるスルホニウム・ホウ素塩化合物としては、例えば、光感度の見地から一般式(I)又は一般式(II)で表されるスルホニウム・ホウ素塩化合物が好ましく挙げられる。
【0025】
【化2】
【0026】
上記一般式(I)及び一般式(II)で表されるスルホニウム・ホウ素塩化合物のR1〜R15は、各々独立にハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基を示す。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。光感度の見地から、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基又はフェナシル基であることが好ましい。また、一般式(II)中の芳香環は、上記置換基などで置換されていてもよい。
【0027】
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン等が挙げられる。
上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基 、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、これらの構造異性体等が挙げられる。
上記炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0028】
上記炭素数6〜14のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられ、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アリル基、炭素数1〜20のアルキル基等で置換されていてもよい。
上記炭素数1〜10のアルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基等が挙げられる。
上記炭素数2〜20のジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0029】
上記炭素数1〜10のアルキルメルカプト基としては、例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
上記アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられる。
【0030】
上記アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
上記複素環を含む基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、インドリル基、キノリル基等が挙げられる。
【0031】
前記一般式(I)で表されるスルホニウム・ホウ素塩化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウムメチルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムエチルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムプロピルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムブチルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムブチルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムヘキシルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムベンジルトリフェニルボレート、トリフェニルスルホニウムテトラフェニルボレート、ジメチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)スルホニウムブチルトリフェニルボレート、ジメチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)スルホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
【0032】
前記一般式(II)で表されるスルホニウム・ホウ素塩化合物としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(メチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(エチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(プロピルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(ブチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(ヘキシルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(ペンチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(ベンジルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(テトラフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(メチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィドビス(エチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(プロピルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジフェニルスルフィノ)−フェニル]スルフィド ビス(ブチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(ヘキシルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(ペンチルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(ベンジルトリフェニルボレート)、ビス[4−(ジ(4−フルオロフェニル)スルフィノ−フェニル]スルフィド ビス(テトラフェニルボレート)等が挙げられる。
【0033】
本発明に必要に応じて用いられる(E)クマリン系化合物としては、光感度の見地から分子内にアミノ基を有することが好ましく、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ [c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等が挙げられる。
【0034】
本発明に必要に応じて用いられる(E)ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、N,N−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0035】
本発明における(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部とすることが好ましく、40〜60重量部とすることがより好ましい。この配合量が、40重量部未満では、光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合、塗膜性に劣る傾向があり、80重量部を超えると、感度が不充分となる傾向がある。
【0036】
本発明における(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部とすることが好ましく、40〜60重量部とすることがより好ましい。この配合量が、20重量部未満では、感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
【0037】
本発明における(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.1〜10.0重量部とすることが好ましく、0.5〜6.0重量部とすることがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満では感度が不十分となり、密着性が低下する傾向があり、10.0重量部を超えるとレジストパターンの線幅が太くなる傾向がある。
【0038】
本発明における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、それぞれ0.05〜2.0重量部とすることが好ましく、0.1〜1.0重量部とすることがより好ましい。この配合量が0.05重量部未満では本発明の効果が得られない傾向があり、2.0重量部を超えると、解像度が悪化し、さらに現像時間が長くなる傾向がある。
【0039】
本発明におけるクマリン系化合物又はベンゾフェノン系化合物の配合量は、 (A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部とすることが好ましく、0.1〜0.5重量部にすることがより好ましい。この配合量が、0.05重量部未満では、感度が不充分となる傾向があり、1重量部を超えると、解像度が悪化する傾向がある。
【0040】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0041】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0042】
本発明の感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、金属面、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金の表面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
【0043】
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、200μmを超える場合では本発明の効果が小さく、また感度が不十分となり、レジスト底部の光硬化性が悪化する傾向がある。液状レジストに保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルム等が用いられるが、感光性樹脂組成物層からの剥離性の見地から、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0044】
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得られる。透明性の見地からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
上記塗布は、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ、スレーコータ等の公知の方法で行うことができる。
また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分程度で行うことができる。
また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下とすることが好ましい。
【0045】
また、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましく、1〜30μmとすることがより好ましい。この厚みが1μm未満の場合、機械的強度が低下し、塗工時に重合体フィルムが破れるなどの問題が発生する傾向があり、30μmを超えると解像度が低下し、価格が高くなる傾向がある。
これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持フィルムとして、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。
保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましい。
【0046】
このようにして得られる感光性樹脂組成物層と重合体フィルムとの2層からなる本発明の感光性エレメントは、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層してロール状に巻きとって貯蔵される。
【0047】
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法などが挙げられ、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
感光性樹脂組成物層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、1〜10kgf/cm2とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、感光性樹脂組成物層を前記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
【0048】
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま、活性光線を照射してもよく、また、不透明の場合には、当然除去する必要がある。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0049】
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造する。
ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
【0050】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0051】
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2ーアミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。
現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
【0052】
上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。
また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
【0053】
単独で用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。
現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0054】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0055】
現像後に行われる金属面のエッチングには塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液を用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが望ましい。
【0056】
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。
上記めっき法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどがある。
次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレイ方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0058】
実施例1〜5及び比較例1〜2
表1及び表2に示す材料を配合し、溶液を得た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
次いで、得られた溶液に表3に示す(C)成分及び(D)成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0062】
【表3】
【0063】
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥器で、10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は、30μmであった。
【0064】
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に、前記感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)590を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて60mJ/cm2露光した。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。
【0065】
さらに、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価し、その結果を表4に示した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。
また、現像時間は上記露光量で露光した際に、未露光部のレジストを除去することができる最も短い時間である。
【0066】
現像後のパターンを観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。現像後に剥離せずに残った浮島パターンのライン幅(μm)を測定し、密着性として、結果を表4に示した。この密着性の数字が小さいほど、細いラインでも銅張り積層板から剥離せずに銅張り積層板に密着していることを示し、密着性が高いことを示す。
【0067】
【表4】
【0068】
比較例に示されたように、オニウムボレート1又はオニウムボレート2を用いないときは、感度、解像度、細線密着の低下を招く。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の感光性樹脂組成物は、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性及び柔軟性が優れ、また、アルカリ現像性が優れる。請求項2記載の感光性樹脂組成物は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さらに光感度が特に優れる。請求項3記載の感光性樹脂組成物は、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらにアルカリ現像性が優れる。
【0070】
請求項4記載の感光性エレメントは、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れる。請求項5記載のレジストパターンの製造法は、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れる。請求項6記載のプリント配線板の製造法は、光感度、解像度、細線密着性、低めっき浴汚染性、耐薬品性、柔軟性、機械強度及び作業性が優れる。
Claims (6)
- (A)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及び(D)スルホニウム・ホウ素塩化合物を含有してなる感光性樹脂組成物。
- さらに(E)分子内にアミノ基を有するクマリン系化合物又はベンゾフェノン系化合物を含有する請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- (A)バインダーポリマーの酸価が30〜200mgKOH/gであり、重量平均分子量20,000〜300,000である請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1、2又は3記載の感光性樹脂組成物を、支持体上に塗布、乾燥し、支持体上に感光性樹脂組成物層を形成し、必要により支持体の反対面に保護フィルムを形成してなる感光性エレメント。
- 請求項4記載の感光性エレメントを、場合によって保護フィルムを剥がしながら、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法。
- 請求項5記載のレジストパターンの製造法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法。
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