JP4305391B2 - シリンダボアの油溝加工方法 - Google Patents

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本発明は、シリンダブロックのシリンダのボアに油溝を加工する方法に関する。
エンジンのシリンダブロックにはピストンを摺動可能に内挿する複数のシリンダが設けられる。シリンダのボア(ここでは、シリンダの内周面をボアとする)には、例えば、特許文献1に示されるように、摩擦損失の低減、燃費の低減、耐焼き付き性の向上を図るための処理が施される。
シリンダのボアには、ピストンリングが押圧された状態でピストンが摺動するため、耐摩耗性が必要とされる。このため、ボアの表面は研削加工(ホーニング加工)による、摩擦損失低減のための処理が施される。
また、シリンダのボアの表面において、潤滑油を保持させるための油溝を形成し、油消費量の低減による燃費の削減や、耐焼き付き性の向上を図るための処理が施される。
シリンダのボアに油溝を加工する方法として、プラトーホーニングや、レーザーホーニングが知られている。
プラトーホーニングは、例えば、特許文献2に示されるように、まず、粗い砥石を用いての研削加工でシリンダのボアの表面に深い溝を形成し、続いて、細かい砥石を用いての研削加工でボアの表面を円滑に仕上げることによって、適宜深さの油溝を形成する方法である。
レーザーホーニングは、一般的に、まず、シリンダのボアの表面に深い溝をレーザー加工にて形成し、続いて、研削加工してボアの表面を円滑に仕上げ加工することによって、適宜深さの油溝を形成する方法である。但し、レーザーホーニングは、装置自体が非常に高価であり、設備コスト高となるために、一般にはプラトーホーニングが多く採用される。
また、特許文献3では、シリンダのボアの表面がピストンの上死点側から下死点側に向かって粗くなるように加工し、ピストンが下死点に向かって移動するに従ってピストンリングが接触するボアに保持される潤滑油の量が増大するようにして、ピストンリングがシリンダボアを円滑に摺動しながらピストンが下死点に達するようにしている。
特開平7−54707号公報 特開平11−236851号公報 特開平8−200145号公報
上記特許文献3に記載の技術では、シリンダのボアの表面粗さをピストンの摺動方向に変化するように加工する場合、段階的に表面粗さを変化させるために、砥石を加工物に押し付ける強さを変化させながら、回転運動と往復運動を同時に行わせて表面を研削する。
しかし、シリンダのボアに対する砥石の押し付け圧力を変化させる場合、表面粗さが変化する繋ぎ目部に段差が生じたり、ボアの形状精度(内径寸法のばらつき、円筒度)が悪化したりするという不具合が発生しやすい。
シリンダのボアの形状精度が悪化すると、燃焼ガスのシール性能を維持するためにピストンリングの張力を強める必要があり、ピストンリングとボア間の摩擦が増大し、燃費・エンジン出力性能の悪化を招くこととなる。
そこで、本発明では、シリンダのボアの形状精度を維持しながら、ボアの任意の部分に油溝を簡単に形成することができる、油溝の加工方法を提案する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、シリンダのボアに旋削加工を施して、ボア半径が仕上げ研削加工代を残した粗寸法となるまで加工する過程と、ボアの油溝形成部分に旋削加工を施して、仕上げ研削加工代よりも深い切込を形成する過程と、ボアの全面に仕上げ研削加工を施して、仕上げ研削加工代だけ研削する過程とを実し、前記旋削加工を施して切込を形成する過程では、前記旋削加工による切込量を変化させ、前記研削加工を施して研削する過程では、ボアの全表面を略一定の押し付け圧力にて研削を行うことで、形成される油溝の深さを変化させる、シリンダボアの油溝加工方法である。
請求項2においては、前記旋削加工に用いる旋削工具にてボアに形成されたある位置の切込と、そこから一回転加工を進めた位置に形成される切込とが干渉しないように旋削条件を決定するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、仕上げの過程でボアの全表面を同一条件(略一定の砥石の押し付け圧力)で研ぎ上げるので、ボアを粗寸法で加工したときの良好な形状精度(円筒度、内径寸法精度など)を維持・向上させることが可能となる。また、ボアの任意の位置に任意の切込量の切込を形成することができるので、ボアの良好な形状精度を維持しながら、シリンダピストン摺動方向に表面性状を変化させたボアを形成することが可能となる。さらに、レーザーホーニングと比較して加工のための設備を安価に構成することができるので、シリンダのボアの形状精度を維持しながら、ボアの任意の部分に油溝を簡単且つ安価に形成することができる。
また、より効果的に耐焼き付き性の向上を図ることも可能となる。
請求項2においては、旋削加工にて切込を形成することによって、仕上げ研削加工代を減少させないので、仕上げ加工後でボアを粗寸法としたときの良好な形状精度を維持・向上させながら、ボアの表面に油溝を形成することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係る油溝加工方法を示す流れ図、図2は粗寸法としたシリンダボアの様子を示す断面図、図3は切込を形成した後のシリンダボアの様子を示す断面図、図4は切込旋削加工の加工条件を説明する断面図、図5は仕上げ研削加工後のシリンダボ
アの様子を示す断面図である。
本発明のシリンダボアの油溝加工方法では、シリンダのボアの表面に油溝を形成するために、粗加工法として旋削加工(ボーリング加工)を採用し、仕上げ加工法として研削加工(ホーニング加工)採用することを特徴としている。
次に、図1に示す流れ図を用いて、シリンダのボアの表面に油溝を加工する方法について説明する。
まず、図2に示す如く、シリンダ9のボア10の直径寸法が粗寸法φとなるまで、旋削加工(ボーリング加工)にて加工する(S11)。
すなわち、この過程では、シリンダ9のボア10が、仕上げ寸法から仕上げ研削加工代Kを残した粗寸法φとなるまで、旋削加工される。ボア10の粗寸法φは、シリンダピストン(図示せず)に合わせて決定される。この旋削加工にて、ボア10の形状(寸法や円筒度)や表面粗さがある程度整えられ、旋削加工を経て粗寸法φにまで加工されたボア10の表面はやや粗い状態となっている。
続いて、シリンダ9のボア10の表面に旋削加工(ボーリング加工)にて切込14を形成する(S12)。
ボア10には、図3に示す如く、切込14・14・・・が形成される。旋削工具20にてボア10の表面に施される切込量Dは仕上げ研削加工代Kよりも深く、ボア10の最終仕上げ面よりも深い切込14・14・・・が形成されることとなる。
旋削加工による切込14・14・・・は、ボア10のうち、油溝が設けられる部分(「粗面部11」とする)にのみ形成される。粗面部11は、シリンダ9のボア10のうち、潤滑油保持性を向上させるために油溝が必要となる部分等に設けられる。この粗面部11に対し、シリンダ9のボア10の他の部分は、表面粗さが細かく滑らかである「滑面部12」とする。
旋削加工にて切込14・14・・・を形成する際の加工条件は、図4に示す、旋削工具20の刃先角度θと、旋削工具20の1回転当たりの送り量Hと、旋削工具20による切込量Dとが、[(旋削工具1回転当たりの送り量H)≧2×(切込量D)×tan(刃先角度θ/2)]、の関係を満たすように設定される。
上述の如く旋削加工の加工条件を決定することで、旋削工具20により旋削されたある位置の切込14と、そこから一回転程度加工を進めた位置に形成される切込14とが干渉しない位置関係となる。
すなわち、旋削加工に用いる旋削工具20にてボア10の表面に形成される切込14・14同士が重複しないように加工条件が設定されるのである。
このように、旋削加工にて切込14・14・・・を形成することによって、ボア10の仕上げ研削加工代Kを減少させないので、仕上げ研削加工ではボア10を粗寸法φとしたときの良好な形状が維持・向上される。
最後に、シリンダ9のボア10の表面を、仕上げ研削加工(ホーニング加工)する(S13)。
この過程では、シリンダ9のボア10の最終仕上げ処理が行われ、ボア10の全表面に対して研削加工が施される。この研削加工では、略同一の圧でボア10の表面に砥石が押し当てられて、仕上げ研削加工代Kだけボア10の表面が研削される。
この際、ボア10において、仕上げ研削加工代Kが削られても、旋削加工にて形成した切込14・14・・・は仕上げ研削加工代Kよりも深いために、ボア10の表面に油溝15・15・・・として残る。従って、仕上げ研削加工されたボア10は、図5に示す如く、粗面部11には油溝15・15・・・が形成され、滑面部12は凹凸の無い滑らかな形状となる。
上記の油溝形成方法では、旋削加工にて、ボア10の所望の位置に切込14を形成することができ、同一のシリンダ9においてボア10の所望の位置に粗面部11と滑面部12とを形成することができる。
そして、上記の油溝形成方法では、仕上げ研削加工において、ボア10の全表面を略同一条件(略一定の砥石の押し付け圧力)で研ぎ上げるので、ボア10が粗寸法φとされたときのボア10の形状精度(円筒度、内径寸法精度など)を、維持・向上させることが可能となる。
また、旋削工具20による切込量Dを変化させることで同一のシリンダ9のボア10において油溝15・15・・・の深さを変化させることができるので、負荷荷重が低く潤滑油が供給されやすいシリンダピストンの下死点近傍よりも、負荷荷重が大きい上死点近傍の表面粗さを粗くして、より効果的にメタル接触の回避を図り、潤滑油の保持性を向上させることで、より効果的に耐焼き付き性の向上を図ることも可能となり得る。このように、ボア10の良好な形状精度を維持しながら、シリンダピストン摺動方向に表面性状を何種類にも自由に変化させたボア10を形成することが可能となる。
さらに、上記の油溝形成方法では、レーザーホーニングと比較して加工のための設備を安価に構成することができるので、シリンダ9のボア10の形状精度を維持しながら、ボア10の任意の部分に油溝15を簡単且つ安価に形成することができる。
本発明の実施例に係る油溝加工方法を示す流れ図。 粗寸法としたシリンダボアの様子を示す断面図。 切込を形成した後のシリンダボアの様子を示す断面図。 切込旋削加工の加工条件を説明する断面図。 仕上げ研削加工後のシリンダボアの様子を示す断面図。
10 ボア
11 粗面部
12 滑面部
14 切込
15 油溝
20 旋削工具

Claims (2)

  1. シリンダのボアに旋削加工を施して、ボア半径が仕上げ研削加工代を残した粗寸法となるまで加工する過程と、
    ボアの油溝形成部分に旋削加工を施して、仕上げ研削加工代よりも深い切込を形成する過程と、
    ボアの全面に仕上げ研削加工を施して、仕上げ研削加工代だけ研削する過程とを実し、
    前記旋削加工を施して切込を形成する過程では、前記旋削加工による切込量を変化させ、前記研削加工を施して研削する過程では、ボアの全表面を略一定の押し付け圧力にて研削を行うことで、形成される油溝の深さを変化させる、
    ことを特徴とするシリンダボアの油溝加工方法。
  2. 前記旋削加工に用いる旋削工具にてボアに形成されたある位置の切込と、そこから一回転加工を進めた位置に形成される切込とが干渉しないように旋削条件を決定する、
    請求項1に記載のシリンダボアの油溝加工方法。
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