JP4304931B2 - 移送樋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
パチンコ島台間にパチンコ玉を移送するために架設された移送樋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ島台間にパチンコ玉を移送するために架設された移送樋において、移送樋の底面部に設けられる底板は、移送樋長手方向の端部から着脱が可能なものであったため、着脱は、先ず移送樋の基体の上面を覆う状態に設けられる取り外し式の蓋板を取り外した上で、次に移送樋長手方向の端部から底板を出し入れする方法でしか行うことができず、実際の着脱作業はパチンコ島台間に架設された移送樋を取り外して行わなければならなかった。つまり、移送樋がパチンコ島台間に架設された状態での着脱は事実上不可能なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、底板を清掃する場合に、底板を着脱して清掃を行おうとすると必然的に移送樋をパチンコ島台から取り外す煩雑な作業が必要になる。このため、通常の清掃は底板の着脱は省略して移送樋をパチンコ島台から取り外さずに行われていた。しかし、前記移送樋は高所に設けられているため、移送樋をパチンコ島台間に架設したままで清掃作業を行うことは、危険であるとともに容易ではなく、結果的に行き届いた清掃を行うのは困難な状態であった。また、底板を交換する場合、先ずパチンコ島台から移送樋へのパチンコ玉の流入を遮断し、次に既に移送樋内に流入したため滞留しているパチンコ玉を排除し、続いて移送樋をパチンコ島台から取り外して安全で容易に作業することが可能な場所へ移動し、最後に前記の方法で底板を交換し改めて元の位置に取り付けて調整しなければならず、非常に手間のかかる作業であった。また、蓋板が取り外し式蓋板であるため、底板の清掃作業や底板の交換作業または移送樋内の点検等を行う場合は必ず、蓋板を着脱する作業、取り外した蓋板の移動作業、及び取り付け位置の復元作業等を行わねばならず、非常に手間のかかる作業であった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、パチンコ島台間に架設された移送樋全体を着脱することなく、底板の清掃作業や底板の交換作業等を容易に行うことが可能な移送樋を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明においては、パチンコ島台間にパチンコ玉を移送するために架設された移送樋において、該移送樋は、少なくとも底面部と両側面部で構成され且つ前記パチンコ島台間に架設される基体と、該基体の底面部に敷設されて上面をパチンコ玉が転動する底板と、前記基体の上面を覆う状態と上面を覆わない状態とに開閉自在に設けられる蓋板と、前記基体の側面部を覆う状態と側面部を覆わない状態とに開閉自在に設けられる扉板と、から構成され、前記扉板により覆われる前記基体の側面部には、パチンコ玉の直径寸法より小さく且つ前記底板の厚み寸法より大きい寸法の間隙が形成され、前記底板は、パチンコ島台間に架設された状態の前記基体に対して前記間隙から挿脱することにより着脱自在に装着され、前記扉板は、一端が前記蓋板の一側端部に回動自在に軸支され、他端の自由端が前記基体の前記間隙を含む側面部を覆うと共に前記底板の挿入側と反対側の一端部と当接した状態で前記基体の底面部側に係止手段によって係止されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、底板が汚れた場合に、パチンコ島台間に基体を架設したままで底板のみを取り外して低所へ移動して清掃することができ、結果的には安全に且つ行き届いた清掃を容易に行うことができる。また、底板が損傷又は破壊等で交換が必要な場合においても、パチンコ島台間に基体を架設したままで底板のみを取り替えることができ、底板の交換を安全で容易にすることができる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性並びに安全性の向上を図ることができる。
【0005】
また、側面部に設けられた間隙に対して底板は挿入が可能であるがパチンコ玉は通過が不可能であるので、底板の着脱時において移送樋内に滞留しているパチンコ玉が間隙を通過して移送樋外へ流出するおそれはない。したがって、底板の清掃又は交換を行う場合でも予め移送樋内のパチンコ玉を除去することなく作業を行うことができ、底板の清掃又は交換を迅速に行うことができる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性並びに安全性の向上を図ることができる。
【0006】
【0007】
【0008】
また、前記扉板は、一端が前記蓋板の一側端部に回動自在に軸支され、他端の自由端が前記基体の底面部側に前記係止手段によって係止されるように構成され、扉板が係止手段によって係止されるため、移送樋内をパチンコ玉が転動する場合に発生する振動により起きる蓋板のばたつきを防止することができる。その結果、蓋板のばたつきを直接の原因として発生する騒音を防止することができる。
【0009】
更に、請求項に記載の発明のように、前記基体の底面部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出して形成され、前記扉板が回動自在に軸支される前記蓋板の一側端部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出した前記基体の底面部とほぼ同じ位置まで突出して形成されているように構成してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ島台1の内部を示す側面図である。
【0011】
図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機2を背向列設するようになっている。
【0012】
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置3が立設されている。本実施形態に係る玉揚送装置3は、帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の導入樋3aから導入したパチンコ玉を上部に研磨しながら揚送して上部の排出口3bから次に説明する上部タンク4に排出するものである。
【0013】
玉揚送装置3の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク4,5が設けられ、該上部タンク4,5からは、各パチンコ機2にパチンコ玉を供給するための補給樋6が、パチンコ島台1の長手方向左右端部に向かって傾斜状に設けられている。玉揚送装置3により揚送されたパチンコ玉は、まず上部タンク4(以下、上部主タンク4という)に誘導され、上部主タンク4につながる補給樋6及び上部タンク5(以下、上部従タンク5という)に振り分けられる。上部従タンク5に振り分けられたパチンコ玉は、上部従タンク5につながる補給樋6及び後述する移送樋30に誘導される。上記した左右の補給樋6,上部主タンク4及び上部従タンク5にパチンコ玉が充満し、上部主タンク4がオーバーフロー状態になると、上部主タンク4でオーバーフローしたパチンコ玉は、上部主タンク4及び上部従タンク5の下方に設置される分岐箱7に誘導され、また、移送樋30を介して他のパチンコ島台1から上部従タンク5に送られてくるパチンコ玉も同様に分岐箱7に誘導される。分岐箱7に誘導されたパチンコ玉は、まず、玉揚送装置3の図示右側方に沿って形成される右オーバーフローダクト8に優先的に誘導され、右オーバーフローダクト8からパチンコ島台1の下部にある貯留タンク16に誘導され、貯留されることとなる。貯留タンク16がパチンコ玉によって充満し、右オーバーフローダクト8もパチンコ玉で充満されると、分岐箱7からのパチンコ玉は、玉揚送装置3の図示左側方に沿って形成される左オーバーフローダクト9に誘導され、左オーバーフローダクト9からパチンコ島台1の下部にある補助タンク10に誘導され貯留されることとなる。
【0014】
一方、上記した補給樋6には、各パチンコ機2にパチンコ玉を誘導する分配シュート11が各パチンコ機2に対応して設けられている。分配シュート11によって取り込まれたパチンコ玉は、分配シュート11の下方に位置する計数補給装置12により玉数が計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。また、補給樋6の下流端まで流下してきたパチンコ玉を後述するアウト玉回収樋13a,13bに誘導することができるように構成されており、これによりパチンコ玉はパチンコ島台1内を循環している。
【0015】
一方、パチンコ機2から排出される使用済みのパチンコ玉(アウト玉)は、計数機能を有するアウト玉回収ボックス(図示しない)で回収された後、下方に排出される。アウト玉回収ボックスから排出されたパチンコ玉は、パチンコ島台1の両端部からそのほぼ中央に立設される玉揚送装置3の下部に向けて下り傾斜状に設けられるアウト玉回収樋13a,13b上に落下せしめられる。
【0016】
なお、アウト玉回収樋13a,13bは、各パチンコ機2に対応して設けられた計数返却装置18で計数されたパチンコ玉(景品玉)及びパチンコ機2から排出される使用済みのパチンコ玉(アウト玉)をまとめて回収するものであり、パチンコ島台1の幅方向中央の位置に長手方向に沿って敷設される誘導レールにより構成されるものである。図示の場合、玉揚送装置3を挟んで右側の第1アウト玉回収樋13aの下流端は、中継タンク14に接続され、玉揚送装置3を挟んで左側の第2アウト玉回収樋13bは、前記補助タンク10に接続されている。なお補助タンク10は、連結樋15を介して貯留タンク16に接続されている。
【0017】
ところで、遊技場には通常、これまで説明してきた構造を持つ複数のパチンコ島台1が図2に示すように所定の間隔を保って並列に設置されている。これらのパチンコ島台1,1間には、相互にパチンコ玉を移送するための移送樋30が所定の傾斜角度で架設されており、各パチンコ島台1が保有するパチンコ玉の数のバランスは、この移送樋30を介したパチンコ島台1,1間におけるパチンコ玉の相互授受により図られている。
【0018】
そこで、移送樋30の詳細な構造について図2乃至図5を参照して説明する。図2は、遊技場に設置された複数のパチンコ島台1と移送樋30との関係を示す概略図であり、図3は、移送樋30の部分斜視図であり、図4は、移送樋30の扉板46及び蓋板43を開放した状態を示す部分斜視図であり、図5は、移送樋 30に装着された底板38が取り外される状態を示す断面図である。
【0019】
移送樋30は、隣接したパチンコ島台1,1間において一定の傾斜角度で設置され、その両端部は取付ブラケット17でそれぞれの取付対象となるパチンコ島台1の前記上部従タンク5に固着されている。
【0020】
移送樋30は、少なくとも底面部31と両側面部で構成され且つパチンコ島台1,1間に架設される基体37と、該基体37の底面部31に敷設されて上面をパチンコ玉が転動する底板38と、から構成されている。図示の実施形態の場合は、基体37として、底面部31と両側面部としての固定側面部31aと可動側面部36で構成されている。以下、本実施形態に係る移送樋30の概略構成について説明する。
【0021】
先ず、底面部31の一側端部には、該底面部31と一体的に構成される固定側面部31aが立設され、該固定側面部31aの上側端部には蓋板43が回動自在に軸支され、蓋板43の前記軸支側と反対側の端部のやや内側の位置には可動側面部36が下方向に立設されている。すなわち、本実施形態においては、蓋板43は、基体37の上面を覆う状態と上面を覆わない状態とに開閉自在に軸支するように設けられている。また、蓋板43の前記軸支側端部とは反対側端部には扉板46が回動自在に軸支され、前記扉板46には後述する底板38と係止するための扉板側係止用磁石49が埋設されている。したがって、本実施形態において、蓋板43は、基体37の上面を覆う状態において、底板38に対して蓋板43を係止する係止手段としての扉板側係止用磁石49を備えている。一方、底板38は、L字型の断面形状をもつほぼ平板で形成され、本実施形態におけるその構成は、挿入側の端面としての底板傾斜端面40が下面から上面に向けて昇り傾斜するように傾斜状に形成されており、挿入側の反対端面には底板38を着脱する際に用いるための取手手段としての底板取手部41が設けられていて、基体37に装着する場合、底面部31を被覆し且つ固定側面部31aに突き当たる位置で装着されるものである。なお、前記固定側面部31aの下部には固定側面部突片33が突設されている。
【0022】
以上で本実施形態に係る移送樋30の概略構成について説明してきたが、以下、移送樋30の構成として基体37、蓋板43、扉板46、底板38について順次より詳細に説明する。
【0023】
前述したように本実施形態における基体37は、図3乃至図5に示すように底面部31と両側面部としての固定側面部31aと可動側面部36で構成されている。固定側面部31aは、下部に固定側面部突片33が突設され、上部に蓋板43を軸支し底面部31と一体的に構成される。固定側面部31aに前記固定側面部突片33を突設することにより形成される固定側面部底板嵌入溝34は、底板38が装着される際に底板傾斜端面40が嵌入できる寸法に設けられている。一方、固定側面部31aの上部には蓋板43を軸支するために複数の固定側面部軸受突片35が凹凸状に設けられ、後述する複数の蓋板軸受突片45と嵌め合わせた上で蓋板回転軸44を貫設して蝶番状に構成することで蓋板43を軸支している。
【0024】
一方、可動側面部36は、蓋板43の軸支側の端部のやや内側の位置に下方向に立設され、底面部31との間に所定の間隙51が形成されるように設けられている。つまり、本実施形態における前記間隙51は、基体37の一方の側面部としての可動側面部36の下方にパチンコ玉の直径寸法より少なく且つ底板38の厚み寸法より大きい寸法の底板挿脱用間隙51である。また、可動側面部36の突設位置は、図3に示すように扉板46により蓋板43が係止された状態において、可動側面部36と扉板46とが密着する位置である。
【0025】
また、前述したように蓋板43の他端部においては扉板46を回動自在に軸支している。つまり、蓋板43の前記両端部には、図3及び図4に示すように複数の蓋板軸受突片45が凹凸状に設けられ、一端部の蓋板軸受突片45は後述する複数の扉板軸受突片48と嵌め合わせた上で扉板回転軸47を貫設して蝶番状に構成することで扉板46を軸支している。また、扉板46において扉板軸受突片48を設けた端部とは反対側の端部には、図4(A)に示すように複数の扉板側係止用磁石49が埋設されている。なお、扉板46には、その中央に扉板46及び蓋板43の開閉の際、扉板46を把持しやすくするためにほぼT溝状の扉板展開用取手溝50が形成されている。
【0026】
次に、底板38の構成について詳述する。図5(C)に示すように底板38は、底板平面部39の一端部に底板38の挿入を容易にするための前記底板傾斜端面40が形成され、他端部に底板38の挿脱を容易にするための前記底板取手部41が形成されている。前記底板取手部41の蓋板46と密着する側面には、図4(A)に示されるように係止手段としての底板側係止用磁石42が埋設されている。図5には、底板38が基体37から底板挿脱用間隙51を抜けて取り外される状態を(A)(B)(C)の順序で示しているが、取り付ける場合は前記順序を逆に遡れば良い。したがって、底板38は、前記基体37に対して前記底板挿脱用間隙51から挿脱することにより前記基体37に着脱自在に装着できるものである。
【0027】
以上詳述してきた構成を持つ本実施形態の作用について説明すると、移送樋30において、隣接したパチンコ島台1,1間に架設された状態でパチンコ玉を移送するに伴い、底板38の上を転動するパチンコ玉によって底板38若しくは基体37が汚れたり損傷又は破壊した場合、底板38若しくは基体37の清掃や底板38の交換が必要になる。底板38は、パチンコ島台1,1間に架設したままの基体37に着脱自在に装着できるように構成されており、具体的には、基体37の可動側面部36と底板部31との間に設けられた底板挿脱用間隙51から挿脱することが可能になっているので、底板38が汚れた場合に、扉板46を図3に示す状態から図4(A)に示す状態に開き底板38を取り外して低所へ移動して清掃することができ、結果的には安全に且つ行き届いた清掃を容易に行うことができる。また、底板38が損傷又は破壊等した場合に、パチンコ島台1,1間に移送樋30を架設したままで底板38の交換を安全で容易にすることができる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性並びに安全性の向上を図ることができる。さらに、底板38は、底板傾斜端面40がパチンコ玉の滞留した移送樋30内へ挿入しやすい形状であり、他端部に底板取手部41が設けられているため、一層容易に着脱できる。これに加えて、前記底板挿脱用間隙51をパチンコ玉は通過することができないため、底板38の清掃や交換が、移送樋30の底板38以外をパチンコ島台1から取り外すことなく、またパチンコ玉の移送樋30への流入を遮断することや、移送樋30内に滞留したパチンコ玉を排除することなく行える。したがって、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0028】
また、本実施形態の移送樋30において、パチンコ玉の直径寸法より小さく且つ前記底板38の厚み寸法より大きい寸法の間隙としての底板挿脱用間隙51を前記底面部31との間に形成する前記基体37の一方の側面部としての可動側面部36は、前記蓋板43に立設されることを特徴とする。このように構成することにより、図4(B)に示すように先ず、扉板46と底板38の係止状態を解除し、基体37に添設された蓋板43を蓋板回転軸44を中心に回動させることで蓋板43、扉板46、及び可動側面部36が展開されて、移送樋30は上方向のみならず一側方向にも開放される。したがって、移送樋30内の清掃若しくは点検等の作業を行う際に、上方向のみ開放された状態と比較して、作業の障害は少ないため、より作業性の向上を図ることができる。また、蓋板43は基体37に添設され、扉板46は蓋板43に軸支され、可動側面部36は蓋板43に突設されているので、蓋板43を元の位置に取り付ける際に、煩雑な位置決め作業が不要となる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0029】
さらに、本実施形態の移送樋30は、前記蓋板43を係止する手段として、扉板46に埋設された複数の扉板側係止用磁石49と底板38に埋設された複数の底板側係止用磁石42を設けることにより、パチンコ玉が移送樋30内を転動する際に発生する蓋板43のばたつきを防止し、さらに前記ばたつきを直接の原因として発生する騒音を防止することができる。これにより、パチンコ玉移送中における静粛性の向上並びにメンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0030】
上記した図3乃至図5に示す具体的な実施形態(第1実施形態)の場合、移送樋30をパチンコ島台1,1間に架設したまま取り外すことなく且つ移送樋30内に滞留したパチンコ玉を排除することや移送樋30へのパチンコ玉の流入を遮断することなく、底板38の清掃乃至交換が容易にでき、且つ蓋板43の着脱が容易なために移送樋30内の点検も容易にできる例を示したが、以下に示す実施形態のように、移送樋30をパチンコ島台1,1間に架設したままで取り外すことなく、底板の清掃乃至交換を目的として底板が容易に着脱できるものであっても良い。
【0031】
以下に具体的な実施形態(第2実施形態乃至第4実施形態)を、図6を参照して説明する。先ず、図6(A)は、移送樋69の基体60に底板61が装着された状態を示す断面図である(第2実施形態)。前記第一実施形態では、蓋板43及び基体37を構成する可動側面部36が開閉する例を示したが、第2実施形態では、基体60は、底面部、両側面部及び蓋板が角筒状に一体的に形成されている点においてのみ第一実施形態とは異なる。詳述すると、基体60の一側側面部下方に底板61が挿脱可能且つ基体60内部に滞留するパチンコ玉が流出不可能な寸法の底板挿入用間隙62が設けられ、底板61の挿入側端面は、底板61の下面から上面に向かって昇りの底板傾斜端面61aが形成され、挿入側端面の反対側の端面には、底板61を基体60に対して出し入れする場合、底板61を図示の矢印の方向に引っ張ったり押し込んだりする際に有効な底板取手部61bが形成されている。このため、底板61の交換乃至清掃を行う場合に、底板61の着脱が容易であるために、移送樋69がパチンコ島台1間に架設されたままでも交換乃至清掃を容易に行うことができ、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0032】
次に、第3実施形態として図6(B)を参照して説明する。この第3実施形態の基本的な構造は概ね前記第2実施形態をベースとしており、異なる点はゴミ剥離屈曲片73が設けられている点にある。よって、底板71乃至基体70の構造及び機能についての詳細は省略する。図に示すようにゴミ剥離屈曲片73は、基体70の上面から水平方向に延設される基体張り出し部74の一側端部から下方向に垂設される基体垂下部75の先端に付設され、且つその先端部が底板71の上面に接するように設けられている。このことにより、基体70から底板71を取り外すときに、底板71の上面に接したゴミ剥離屈曲片73の先端部が、底板71の上面に付着したゴミを剥離し、剥離したゴミは底板71が完全に取り外されたときに、基体70の本体とゴミ剥離屈曲片73の間隙から下方向へ落下して排除される。したがって、底板71の清掃を行う場合に、移送樋79をパチンコ島台1から取り外すことなく、また移送樋79内に滞留したパチンコ玉を排除することなく、さらに底板71を基体70から取り外すことで同時に清掃が行われるので、清掃作業がより容易になる。この結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。なお、ゴミ剥離手段としてのゴミ剥離屈曲片73を示したが、前記ゴミ剥離屈曲片73は前記基体70と着脱自在に設けられるものであっても良い。このように構成することで、ゴミ剥離屈曲片73が磨耗若しくは破損等した場合、ゴミ剥離屈曲片73のみを交換することで復旧が可能となる。この結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0033】
次に、第4実施形態として図6(C)を参照して説明する。第4実施形態の基体80は上方向に開口したほぼコの字型の断面形状を形成し、両側面部の外壁側下部には底板82の底板係止部83と係止する基体係止部81が形成され、一側面部の上部には蓋板回転軸86が貫設され、他側面部の上部には係止手段としての基体側係止用磁石88が埋設され蓋板85を係止している。この蓋板85は前述のように蓋板回転軸86により軸支されており、基体80の上部を被覆した状態から蓋板回転軸86を中心に上方向へ回動自在に設置されている。なお、前記基体側係止用磁石88に対応する位置には蓋板側係止用磁石87が埋設されている。
【0034】
一方、基体80の底面部には、底板82に立設する複数の底板玉支持用フィン84が貫通するスリットが複数穿設されている。この底板82の底板玉支持用フィン84の高さ寸法は、底板82が図示の状態で取り付けられたときに、パチンコ玉が基体80の底面部の上面から浮き上がる状態で支持される大きさに設定され、且つフィンとフィンのピッチ寸法は同じくパチンコ玉を基体80の底面部の上面から浮き上がる状態で支持できる大きさに設定されている。そして底板82は、底板係止手段としての前記底板係止部83で底板係止手段としての基体係止部81と係止され底板82は基体80に装着される。この底板係止手段を設けたため、底板上面を球が転動しても底板が移動することなく、底板82を基体80と一体化することができ、底板82が振動することで発生する騒音を防止することができる。尚、他の実施形態にも同様に底板係止手段を設けても良い。
【0035】
したがって、上記第4実施形態の場合、底板係止部83を基体係止部81からはずし基体80から底板82を下方向に向かって取り外すことで、移送樋89の基体80をパチンコ島台1,1間に架設したまま取り外すことなく且つ基体80内に滞留したパチンコ玉を排除することなく、底板82の清掃乃至交換をすることができる。さらに、基体80内部を清掃する場合には、底板82も取り外して行えば、基体80の底面部に穿設されるスリットからゴミ等を落下させることができ、行き届いた清掃を容易に行うことができる。また、移送樋89内の点検等を行う場合、蓋板85開放すれば移送樋89の基体80をパチンコ島台1,1間に架設したまま取り外すことなく容易に行うことができる。更に、蓋板85を係止する場合も、当然元の位置に復帰するので煩雑な位置決め作業をすること無く所定の位置に取り付けることができる。この結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性の向上を図ることができる。
【0036】
なお、上記した実施形態においては、移送樋の基体の側面部若しくは底面部に底板の挿入を可能にする機能(例えば間隙やスリット)を設けることで、底板を着脱する例を示したが、パチンコ島台間に架設された移送樋を取り外すことなく底板を着脱できるものであれば、どのようなものであっても良い。たとえば、上記の実施形態において底板の着脱の際に必要な間隙乃至スリットは、滞留した移送樋内のパチンコ玉の流出が不可能な条件であっても事前に移送樋内のパチンコ玉を排除する必要のない例を示したが、移送樋がパチンコ島台間に架設した状態のままで底板の着脱が可能でさえあるならば、たとえ移送樋内に滞留したパチンコ玉を事前に排除しなければならないような形態であっても良い。
【0037】
また、上記した実施形態においては、蓋板43の係止手段として底板側係止用磁石42及び扉板側係止用磁石49を使用する例を示したが、騒音の原因となるところの移送樋内をパチンコ玉が転動するときに発生する振動による蓋板のばたつきを防止できれば、どのようなものであっても良い。たとえば、蓋板と該蓋板を係止する対象となる部材(例えば、基体)とにそれぞれ爪と爪受片で構成された係止手段を設けたような形態であっても良い。
【0038】
また、上記した実施形態においては、基体から底板を容易に取り外すことができるために、底板が汚れたり損傷または破壊等した場合に底板を清掃または交換することで対処する例を示したが、底板の清掃作業が軽減され若しくは底板の交換サイクルが延びることで一定期間における交換回数が減少させるために、たとえば、底板上面に汚れが付着しにくい防汚シート等を貼着するような形態であっても良い。また、底板上面に予め複数の防汚シート等を積層させて貼着しておいても良い。このように構成することにより、毎回防汚シート等を貼着する必要がなく、底板の清掃作業を防汚シート等を剥がすだけで簡便に且つ手早く完了することができ、より一層作業性の向上を図ることができる。
【0039】
また、上記した実施形態においては、底板の端面に底板着脱用の取手部を設けた例を示したが、底板の移送樋内部への着脱が容易にできるならば、どのようなものであっても良い。たとえば、底板に孔を穿設し、前記孔に嵌合する部位を備えた治具を使用して底板を着脱するような形態であっても良く、または、底板に別部材の取手金具を設置したような形態のものでも良い。
【0040】
また、上記した実施形態においては、底板は単体で設定された例を示したが、パチンコ島台間に架設された移送樋を取り外すことなく底板を着脱できるものであれば、どのようなものであっても良い。たとえば、底板が複数に分割されたような形態のものでも良い。このようにすれば、底板の着脱をさらに容易にすることができるとともに、汚れやすい位置にある底板と汚れにくい位置にある底板とを入れ替えたりすることが可能となり、底板の寿命を延ばすことも可能となる。また、一部の底板のみを着脱するようにしても良い。
【0041】
また、上記した実施形態においては、底板は単体で移送樋の底面部をほぼ被覆して幅方向に関して全体に及ぶ例を示したが、結果として、底板が移送樋の底面部を幅方向に関して全体に及ぶ程度に被覆するものであれば、どのようなものであっても良い。たとえば、移送樋の幅方向中心部まで被覆可能な底板を移送樋の両側面からそれぞれ着脱可能な形態にしても良い。
【0042】
また、上記した実施形態においては、蓋板が蓋板回転軸を中心に回動する例を示したが、蓋板が基体に対して移動自在であれば,どのようなものであっても良い。たとえば、蓋板が基体に対してスライドするような構造の形態にしても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、底板が汚れた場合に、パチンコ島台間に基体を架設したままで底板のみを取り外して低所へ移動して清掃することができ、結果的には安全に且つ行き届いた清掃を容易に行うことができる。また、底板が損傷又は破壊等で交換が必要な場合に、パチンコ島台間に基体を架設したままで底板のみを取り替えることができ、底板の交換を安全で容易にすることができるようになる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性並びに安全性の向上を図ることができる。
【0044】
また、側面部に設けられた間隙に対して底板は挿入が可能であるがパチンコ玉は通過が不可能であるので、底板の着脱時において移送樋内に滞留しているパチンコ玉が間隙を通過して移送樋外へ流出するおそれはない。したがって、底板の清掃又は交換を行う場合でも予め移送樋内のパチンコ玉を除去することなく作業を行うことができ、底板の清掃又は交換を迅速に行うことができる。その結果、メンテナンスにおけるコストの低減及び作業性並びに安全性の向上を図ることができる。
【0045】
【0046】
【0047】
また、前記扉板は、一端が前記蓋板の一側端部に回動自在に軸支され、他端の自由端が前記基体の底面部側に前記係止手段によって係止されるように構成され、扉板が係止手段によって係止されるため、移送樋内をパチンコ玉が転動する場合に発生する振動により起きる蓋板のばたつきを防止することができる。その結果、蓋板のばたつきを直接の原因として発生する騒音を防止することができる。
【0048】
また、請求項の発明においては、前記基体の底面部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出して形成され、前記扉板が回動自在に軸支される前記蓋板の一側端部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出した前記基体の底面部とほぼ同じ位置まで突出して形成されている構成としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態におけるパチンコ島台の内部を示す側面部である。
【図2】 遊技場に設置された複数のパチンコ島台と移送樋との関係を示す概略図である。
【図3】 実施形態における、移送樋の部分斜視図である。
【図4】 実施形態における、移送樋の扉板及び蓋板を開放した状態を示す部分斜視図である。
【図5】 実施形態において、移送樋に装着された底板が取り外される状態を示す断面図である。
【図6】 他の実施形態における移送樋に装着された底板の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ島台
30 移送樋
31 底面部
31a 固定側面部(側面部)
36 可動側面部(側面部)
37 基体
38 底板
40 底板傾斜端面(底板の挿入側の端面)
41 底板取手部(取手手段)
42 底板側係止用磁石(係止手段)
43 蓋板
46 扉板
49 扉板側係止用磁石(係止手段)
51 底板挿脱用間隙(間隙)
60 基体
61 底板
61a 底板傾斜端面
61b 底板取手部
62 底板挿脱用間隙
69 移送樋
70 基体
71 底板
71a 底板傾斜端面
71b 底板取手部
72 底板挿脱用間隙
79 移送樋
80 基体
82 底板
85 蓋板
89 移送樋

Claims (2)

  1. パチンコ島台間にパチンコ玉を移送するために架設された移送樋において、
    該移送樋は、少なくとも底面部と両側面部で構成され且つ前記パチンコ島台間に架設される基体と、該基体の底面部に敷設されて上面をパチンコ玉が転動する底板と、前記基体の上面を覆う状態と上面を覆わない状態とに開閉自在に設けられる蓋板と、前記基体の側面部を覆う状態と側面部を覆わない状態とに開閉自在に設けられる扉板と、から構成され、
    前記扉板により覆われる前記基体の側面部には、パチンコ玉の直径寸法より小さく且つ前記底板の厚み寸法より大きい寸法の間隙が形成され、
    前記底板は、パチンコ島台間に架設された状態の前記基体に対して前記間隙から挿脱することにより着脱自在に装着され、
    前記扉板は、一端が前記蓋板の一側端部に回動自在に軸支され、他端の自由端が前記基体の前記間隙を含む側面部を覆うと共に前記底板の挿入側と反対側の一端部と当接した状態で前記基体の底面部側に係止手段によって係止されていることを特徴とする移送樋。
  2. 前記基体の底面部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出して形成され、前記扉板が回動自在に軸支される前記蓋板の一側端部は、前記間隙が形成される前記基体の側面部よりも外側に突出した前記基体の底面部とほぼ同じ位置まで突出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の移送樋。
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