JP4304575B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガス流路が形成される燃料電池用セパレータを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、例えば水素ガス(燃料ガス)と空気に含まれる酸素(酸化剤ガス)を電気化学的に反応させることにより発電を行う発電素子である。燃料電池は、発電により生成される生成物が水であることから環境を汚染することがない発電素子として近年注目されており、例えば自動車を駆動するための駆動電源として使用する試みが行われている。
【0003】
さらに、上述の自動車駆動用の駆動電源に止まらず、例えばノート型パソコン、携帯電話及びPDAなどの携帯型電子機器の駆動電源としての燃料電池の開発も活発に行われている。このような燃料電池においては、所要の電力を安定して出力できるとともに、携帯可能なサイズ及び重量とされることが重要となり、このような要求に対応するべく各種技術開発が盛んに行われている。
【0004】
燃料電池は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、代表的なものに、電解質に固体高分子電解質を用いた燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、低コスト化が可能で、小型化、軽量化も容易であり、電池性能の点でも高い出力密度を有することから、例えば上記の用途に有望である。
【0005】
ところで、上述の如き燃料電池では、発電を行う際に固体高分子電解質膜にプロトンを伝導させることが必要となり、固体高分子電解質膜が適度に吸湿していることが重要となる。固体高分子電解質膜の吸湿量が低下すると、電気抵抗が大きくなって、出力電圧や出力電力の低下を招く。
【0006】
一方で、発電を行う際には電気化学的な反応によって水が生成されることになるが、セパレータに形成された燃料ガス流路内にこの水が凝縮して蓄積された場合、水によって燃料ガス流路が閉塞され、燃料ガスの円滑な流通の妨げになるという不具合が生ずる。また、電極の発電面を水が覆って反応を抑制し、発電を安定して継続することが困難になる虞れがある。
【0007】
このような生成水を排出する技術としては、例えば特許文献1に記載される技術等が知られている。特許文献1記載の技術では、燃料ガス流路の下方に設けた貯留部に生成水を導いて貯留するとともに、貯留部の水位を検出して上限水位を越えたときに生成水を貯留部から排出するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−313403号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、貯留部を別途設けたり、貯留部内の水位を検出する検出手段や、検出結果に応じて貯留部から水を排出する手段等が必要であり、装置構成が複雑なものとなる。装置構成の複雑化は、装置の小型化においても妨げになる。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、燃料ガス流路内での生成水の蓄積が原因で出力効率等が低下した際に、速やかにこれを解消することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。さらには、装置構成を複雑化することなく、安定した発電を行うことが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明の燃料電池は、イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、上記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、上記セパレータは、燃料ガスの供給孔及び排出孔を有するとともに、上記供給孔と引き込み口を介して接続され上記排出孔と吐き出し口を介して接続される燃料ガス流路を有し、上記燃料ガス流路は、上記供給孔からの引き込み口の流路抵抗より上記排出孔への吐き出し口の流路抵抗の方が小さくされ、上記燃料ガス流路に水が凝縮した際に、上記排出孔側を大気開放し上記燃料ガス流路の供給孔側と排出孔側との間に圧力差を生じさせることにより凝縮した水を当該燃料ガス流路から排出することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の燃料電池では、燃料ガス流路において、供給孔からの引き込み口の流路抵抗より上記排出孔への吐き出し口の流路抵抗の方が小さく設定されているので、燃料ガス流路に水が凝縮した場合に、供給側と排出側との間に圧力差を生じさせことができる。例えば、排気側を大気開放すれば、瞬間的に燃料ガス流路内に圧力差が生じ、この圧力差によって燃料ガス流路から凝縮した水が排出される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池用セパレータ及び燃料電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、燃料電池の発電部分を分解して示すものである。通常、燃料電池はスタック構造を有し、このスタック構造は、固体高分子電解質膜からなる電解質膜1と、この電解質膜を挟持するように電解質膜の両面に配設される二つの電極2,3(燃料極と酸化剤極)と、セル間の隔壁となるセパレータ4とを積層することにより構成される。
【0016】
ここで、電解質膜1には、高エネルギー密度化、低コスト化、軽量化等の要求を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。また、電極2,3には、例えば発電反応を促進するための触媒が担持された電極が用いられる。
【0017】
上記電解質膜1は、電極2,3により挟み込まれ、これら電解質膜1と電極2,3とからなる接合体を2枚のセパレータ4で挟み込むことにより発電セル(単位素子)が構成される。
【0018】
これら電極2,3のうち燃料極には、燃料である水素が供給され、供給された水素が水素イオンと電子とに解離され、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、酸化剤極にそれぞれ移動する。酸化剤極には、酸化剤である酸素(空気)が供給され、供給された空気中の酸素と上記水素イオン及び電子が反応して水が生成する。
【0019】
セパレータ4は、基本的には各セル間の隔壁としての機能を有するものであるが、その他、集電体としての機能、燃料ガスの流路、空気の流路としての機能も有する。したがって、これらのガスを透過しない緻密な材料により形成されている。
【0020】
上記セパレータ4の上記電極2,3と接する面には、それぞれ燃料である水素を流すための燃料ガス流路、及び空気を流すための空気流路が形成されている。図2及び図3に、それぞれセパレータ4の電極2あるいは電極3と接する面の平面形状を示す。
【0021】
図2は、セパレータ4に形成された燃料ガス流路5を示すものである。この燃料ガス流路5は、いわゆるミアンダ状に蛇行形成される溝部からなり、この燃料ガス流路5に水素ガスを供給することで、各発電セルの燃料極のほぼ全面に水素ガスが供給されることになる。
【0022】
各セパレータ4には、水素ガスの入口となる燃料供給孔6及び燃料極で水素が消費された後の燃料排ガスの出口となる燃料排出孔7がセパレータ4を厚さ方向に貫通する形で形成されており、上記燃料ガス流路5の一方の端部は引き込み口8を介して燃料供給孔6と接続され、他方の端部は吐き出し口9を介して燃料排出孔7と接続されている。上記燃料供給孔6と燃料排出孔7は、複数のセパレータ4を重ね合わせたときに互いに連通し、それぞれ燃料供給路、燃料排出路を構成する。
【0023】
一方、図3は、セパレータ4に形成された空気流路10を示すものである。空気流路10は、セパレータ4の酸化剤極(空気極)と接する面に多数のリブ11を所定の間隔で形成することにより、これらリブ11間の溝部として形成されている。したがって、空気流路10は、平行する複数本の流路からなり、セパレータ4の一方の長辺側からこれら流路に空気が送り込まれ、セパレータ4の反対側の長辺側から排出される。なお、各空気流路10の空気入口側の端部においては、各リブ11の幅が次第に狭くなるように形成されるとともに、溝の底面が先端に向かって次第に深くなるような傾斜面として形成されており、その結果、各空気流路10は、空気入口側の開口幅が拡大され、効率的に空気を取り込むようになっている。
【0024】
以上の構成を有するセパレータ4において、例えば燃料ガス流路5に水が凝縮し、これが蓄積されると、燃料ガスの安定供給が難しくなり、また燃料極の発電面を水が覆って反応を抑制し、発電を安定して継続することが困難になる虞れもある。そこで、本実施形態では、上記燃料供給孔6からの引き込み口8の流路抵抗より上記燃料排出孔7への吐き出し口9の流路抵抗の方が小さくなるように形成されている。
【0025】
すなわち、図2に示すように、燃料ガス流路5の一方の端部は引き込み口8を介して燃料供給孔6と接続され、他方の端部は吐き出し口9を介して燃料排出孔7と接続されているが、特に上記引き込み口8の流路抵抗の方が吐き出し口9の流路抵抗よりも小さくなるように設計されている。具体的には、図2に示すように、引き込み口8の溝幅wが燃料ガス流路5の溝幅wに比べて狭くされており、また、図4(a)に示すように、引き込み口8の溝深さdが燃料ガス流路5の溝深さdよりも浅く形成されている。したがって、引き込み口8の流路断面積は、燃料ガス流路5の流路断面積よりも小である。
【0026】
吐き出し口9は、図2に示すように、先の引き込み口8と同様、その溝幅wが燃料ガス流路5の溝幅wに比べて狭くされている。ただし、図4(b)に示すように、吐き出し口9の溝深さdは燃料ガス流路5の溝深さdよりも大であり、燃料ガス流路5よりも深く形成されている。したがって、吐き出し口9の流路断面積は、引き込み口8の流路断面積よりも大である。
【0027】
このように、吐き出し口9の流路断面積を引き込み口8の流路断面積よりも大とし、上記燃料供給孔6からの引き込み口8の流路抵抗より上記燃料排出孔7への吐き出し口9の流路抵抗の方が小さくなるように設計することで、燃料ガス流路5に水が凝縮した場合に、供給側と排出側との間に圧力差を生じさせことができ、この圧力差によって燃料ガス流路5から凝縮した水を速やかに排出することができる。以下、水を排出する機構について説明する。
【0028】
図5は、入口側、出口側に流路抵抗の差をつけない場合の流路内圧力の変化の様子を模式的に示すものである。例えば、2枚のセパレータを重ねた場合を例にして説明すると、各セパレータの燃料ガス流路5a,5bには、燃料ガス供給孔が連通された燃料供給路12から引き込み口8a,8bを介してそれぞれ燃料ガスが供給される。燃料ガス流路5a,5bを流通することで燃料極における電池反応によって水素が消費されるが、水素消費後の燃料排ガスは、吐き出し口9a,9bから排気路13へと送られ、パージバルブ14を介して燃料電池スタックの外部に放出される。
【0029】
このような構成の燃料ガス供給系において、定常状態では、図5(a)に示すように、各流路内の圧力は全て供給される燃料ガス圧Pとなっている。ここで、一方の燃料ガス流路5aに生成水15が凝縮し蓄積したとする。このような状態でパージバルブ14を開いて大気圧Pに開放すると、引き込み口8a,8bと他の流路とで流路抵抗に差がなく、引き込み口8a,8bの流路抵抗が十分小さいので、図5(b)に示すように、全ての流路内部が直ちに大気圧Pになってしまう。したがって、生成水15の燃料ガス供給側(図中、生成水15の右側)と燃料ガス排出側(図中、生成水15の左側)で圧力差が生ずることはなく、生成水15を排出することはできない。
【0030】
一方、図6は、引き込み口8a,8bの流路断面積を吐き出し口9a,9bの流路断面積よりも小とし、燃料ガス流路5a,5bの燃料ガス入口側の流路抵抗を大きく、燃料ガス出口側の流路抵抗を小さくした場合の流路内圧力の変化の様子を模式的に示すものである。
【0031】
定常状態では、図6(a)に示すように、各流路内の圧力は全て供給される燃料ガス圧Pとなっており、これは図5の場合と同様である。しかしながら、一方の燃料ガス流路5aに生成水15が凝縮し蓄積したときにパージバルブ14を開いて大気圧Pに開放すると、生成水15がつまっていない燃料ガス流路5aは直ちに大気圧Pになるが、生成水15がつまっている燃料ガス流路5bは、入口側の引き込み口8a,8bの流路抵抗が大きいため、若干の時間差をもって圧力が変化する。すなわち、パージバルブ14を開いて大気圧Pに開放した直後に、図6(b)に示すように、短い時間ではあるが、生成水15の燃料ガス供給側(図中、生成水15の右側)と燃料ガス排出側(図中、生成水15の左側)で圧力差が生ずる。この圧力差によって、燃料ガス流路5b内の生成水15が速やかに排出される。
【0032】
以上のように、引き込み口8a,8bの流路断面積を吐き出し口9a,9bの流路断面積よりも小とし、燃料ガス流路5a,5bの燃料ガス入口側の流路抵抗を大きくすることによって、排気側を大気開放したときに瞬間的に燃料ガス流路内に圧力差を生じさせ、この圧力差によって燃料ガス流路から凝縮した生成水を排出することができる。この燃料ガス流路5a,5bの燃料ガス入口側の流路抵抗を大きくするための手法としては、上記のように引き込み口8a,8bの溝幅を狭くしたり溝深さを浅くすることによって流路断面積を小さくする方法の他、例えば引き込み口8a,8b以外の部分に流路抵抗を小さくする表面処理を施す等の方法を採用することができる。表面処理としては、サンドブラストやショットピーニング等の機械的な加工による粗面化処理や、エッチング等の化学的な加工による粗面化処理等を挙げることができる。さらには、上記表面処理として突起の形成又は溝加工が行われていてもよい。
【0033】
上述の構成を有するセパレータは、種々の構成の燃料電池に用いることができる。以下、この種のセパレータが用いられる燃料電池の構成例について説明する。
【0034】
図7に示すように、燃料電池20は、筐体30と、当該燃料電池20を動作させるのに必要な各種回路が形成された制御基板40と、上述のセパレータ4を用いて構成される発電部50と、この発電部50を冷却するための冷却ファン61と、発電部50に対して空気を供給する上述した空気供給部に相当する2つの空気供給ファン62,63と、燃料ガス流路5に滞留した水を排出するための水素パージバルブ64と、水素ガスの圧力制御を行うレギュレータ65と、水素ガスを発電部50に供給するための手動バルブ66とを備える。さらには、図示しないが、必要に応じて、外部から取りこまれる空気や当該燃料電池20の内部から排出される空気の温度・湿度・圧力等を検知するセンサや、発電部50自体の温度を検知するセンサ等を備える。
【0035】
また、この燃料電池20には、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ70が取り付けられる。燃料電池20は、この水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。すなわち、この水素吸蔵カートリッジ70は、上述した水素ガスを供給する水素供給部に相当するものである。
【0036】
筐体30は、図7及び図8に示すように、略直方体状の外形を呈し、燃料電池20に搭載される各種部材を覆うように、内部が空洞とされるとともに、底面が開放されて構成される。また、筐体30は、その上面における一の側面側が、かかる一の側面に向かった傾斜面とされる。
【0037】
また、筐体30には、3つの排気口31,32,33と、2つの吸気口34,35とが形成される。
【0038】
排気口31,32,33は、図8(a)に示すように、筐体30の一の側面において互いに隣接するように形成される。これら排気口31,32,33からは、それぞれ、発電部50を冷却するために燃料電池20の内部に送風された空気と発電部50による発電反応後の空気とが排出される。
【0039】
具体的には、排気口31は、筐体30の一の側面にスリット状の開口部として形成され、かかる一の側面の上下方向に複数の開口部が配列形成されるとともに、かかる一の側面の上下方向において開口部の長手方向の長さが次第に短くなるように形成され、全体形状が略々円形を呈するようにされている。この排気口31は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池20から排出されるための空気の出口として設けられる。
【0040】
また、排気口32,33は、それぞれ、排気口31と同様に、筐体30の一の側面にスリット状の開口部として形成され、かかる一の側面の上下方向に複数の開口部が配列形成されるとともに、かかる一の側面の上下方向において開口部の長手方向の長さが次第に短くなるように形成され、全体形状が略々円形を呈するようにされている。これら排気口32,33は、それぞれ、発電部50による発電を行う際に、この発電部50に供給された空気が排出されるための出口として設けられる。
【0041】
一方、吸気口34,35は、図8(b)に示すように、筐体30における排気口31,32,33が形成された一の側面と対面する他の側面において互いに隣接するように形成される。これら吸気口34,35からは、それぞれ、発電部50を冷却するための空気と発電部50による発電反応に供される酸素を含む空気とが、燃料電池20の内部に取り込まれる。具体的には、吸気口34は、筐体30の側面に略矩形状に開口するように形成され、複数の開口が当該側面の上下方向に配列形成される。この吸気口34は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池20に取り込まれるための空気の取り込み口として設けられる。また、吸気口35は、吸気口34と同様に、筐体30の他の側面に略矩形状に開口し、かかる一の側面の上下方向に複数形成される。この吸気口35は、発電部50による発電を行う際に、この発電部50に供給される空気が取り込まれるための取り込み口として設けられる。
【0042】
さらに、筐体30には、図7、図8(c)及び図8(d)に示すように、一の端面に、燃料電池20と外部との間で各種信号を送受信するための配線を当該燃料電池20の内部に挿入するための接続孔36,37が形成されるとともに、他の端面に、所要の接続孔38が形成される。
【0043】
制御基板40には、燃料電池20を構成する各種部材を制御するための制御回路を含む各種回路が形成される。制御基板40は、発電部50の上側に設けられる。なお、この制御回路40に形成される制御回路の詳細については、特に図示しないが、例えば、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63の駆動を制御する制御回路、水素パージバルブ64の開閉動作を制御する制御回路、発電部50から出力される電圧を昇圧するDC/DC(Direct Current to Direct Current)コンバータといった電圧変換回路、後述するセンサによって検知された温度や湿度等の各種環境条件を取得することによって各種部材の駆動に関する指示を与える制御回路等が実装される。なお、ここでは、この制御基板40が、燃料電池20の内部に設けられるものとして説明するが、この制御基板40は、燃料電池20の外部に設けてもよく、例えば、燃料電池20から駆動用の電力が提供される各種電子機器が備えるようにしてもよい。
【0044】
発電部50は、図7及び図9に示すように、略直方体状の外形を呈し、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63に臨む側面56に対向する側面の一部が上下方向に沿って矩形状に切り欠かれた形状とされる。
【0045】
具体的には、発電部50は、図9に示すように、例えば9枚のセパレータ4の間にそれぞれ発電体としての接合体51が挟み込まれて構成され、これにより、発電を行う単位素子が8個直列に接続されたスタック構造を有する。
【0046】
単位素子は、図10に示すように、上述した2つのセパレータ4と、これら2つのセパレータ4の間に挟持される接合体51とから構成される。なお、同図においては、直列に接続される2つの単位素子を示している。
【0047】
セパレータ4には、燃料ガス流路5及び空気流路10が形成された面外に放熱フィン52が突設される。セパレータ4においては、後述するように、冷却ファン61の作用により、この放熱フィン52を介して放熱が行われる。また、セパレータ4には、裏面側に複数の空気流路10が設けられる。セパレータ4においては、後述するように、空気供給ファン62,63の作用によってこの空気流路10に空気が供給されることにより、発電部50の内部における空気の流動が実現される。
【0048】
接合体51は、吸湿した際にイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜53と、この固体高分子電解質膜53を両面から挟み込む電極54とによって形成される。固体高分子電解質膜53としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。また、電極54としては、発電反応を促進するための触媒が担持された電極を用いることができる。
【0049】
また、接合体51の周縁付近には、発電部50としてスタック構造を形成した際に、燃料ガスが供給孔6及び排出孔7から漏れないようにセパレータ4と接合体51との間を封止する封止部材85が配置される。この封止部材55は、セパレータ4の周縁部と接合体51の周縁部とを十分に絶縁することができる材質から構成される。また、封止部材55としては、発電部50の放熱性を高めるために高い熱伝導性を有する材質を用いることが好ましく、例えば商品名コサーム(太陽金網社製)といった十分な熱伝導性及び電気的絶縁性を有する材質が好適である。
【0050】
このような単位素子は、例えば1素子で約0.6Vの電圧を出力することができるものであり、図10に示した発電部50は、単位素子が8個直列に接続されていることから、全体で4.8Vの電圧を出力することが可能である。また、発電部50は、約2Aの電流を流すことが可能である。これにより、発電部50から出力される電力は、理論的には9.6Wとなるが、発電反応における発熱等により、実際には、理想的な出力電力の約7割である約6.7W程度である。ただし、発電部50は、接合体51に含まれる水分量を適切に調整したり、当該発電部50への水素ガスの円滑な供給を実現したりすることにより、さらに出力電力を高めることができる。なお、発電部50を形成する単位素子は、必ずしも8個である必要はなく、各種電子機器を駆動するために必要な出力電力に合わせて所要の数だけ設置すればよい。
【0051】
発電部50は、このような単位素子が複数直列に接続されることによってスタック構造とされる。したがって、発電部50の側面56には、図9に示したように、各セパレータ4に形成された複数の空気流路10における排出口が臨み、反対側の側面には、図示しないが、複数の排出口のそれぞれに対応するように、複数の空気流路10における上述した供給口が臨むように、当該発電部50が構成される。
【0052】
そして、発電部50には、図7に示したように、側面56に沿って、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63が互いに隣接するように設けられる。また、発電部50には、端面に沿って、水素パージバルブ64、レギュレータ65及び手動バルブ66が互いに隣接するように設けられる。
【0053】
冷却ファン61は、筐体30に形成された排気口31と発電部50における放熱フィン52との間に側面56に沿って設けられ、発電部50を冷却する。具体的には、冷却ファン61は、図11に示すように、筐体30に形成された吸気口34から取り込まれた空気を排気口31まで送風し、燃料電池50の外部に排出する。
【0054】
このように、燃料電池20においては、放熱フィン52を通過するように冷却ファン61によって空気を流動させることにより、放熱フィン52を介して発電部50の放熱を行うことができる。
【0055】
なお、冷却ファン61を設ける位置としては、放熱フィン52の近傍に限ることはなく、発電部50の冷却を目的として燃料電池20の内部全体に空気を流動させるような位置に設けるようにしてもよい。また、燃料電池20においては、冷却ファン61を逆回転させることにより、空気を逆向きに送風するようにしてもよい。
【0056】
空気供給ファン62,63は、それぞれ、筐体30に形成された排気口32,33と発電部50における空気流路10の排出口に臨む領域との間に側面56に沿って設けられ、発電部50に対して空気を供給する。具体的には、空気供給ファン62,63は、それぞれ、図11に示すように、筐体30に形成された吸気口35から取り込まれた空気を発電部50を介して排気口32,33まで流動させ、燃料電池20の外部に排出する。
【0057】
このように、燃料電池20においては、発電部50を通過するように空気供給ファン62,63のそれぞれによって空気を送り込むことにより、発電部50を構成するセパレータ4に形成された空気流路10に空気を供給することができる。
【0058】
なお、燃料電池20においては、冷却ファン61と同様に、空気供給ファン62,63のそれぞれを逆回転させることにより、空気を逆向きに流動させるようにしてもよい。また、これら空気供給ファン62,63のそれぞれによって形成される空気の流れは、冷却ファン61によって形成される空気の流れとは独立させることができる。したがって、燃料電池20においては、冷却ファン61と空気供給ファン62,63とを独立して駆動することにより、発電部50の冷却と発電部50に対する空気の供給及び排出とを独立して行うことが可能となる。特に、燃料電池20においては、発電部50の温度や発電部50に残留する水分量を測定し、これに応じて、空気供給ファン62,63と冷却ファン61とを独立して駆動することにより、例えばドライアップのような発電の際の不具合を生じさせることなく安定した発電を行うことが可能となる。
【0059】
水素パージバルブ64は、セパレータ4に形成された燃料ガス流路5を大気開放することによって水素濃度が低下したり不純物濃度が上昇した燃料排ガスを排出し、さらには燃料ガス流路5内に滞留した水を排出する。すなわち、燃料電池20においては、水素パージバルブ64を開くことによって燃料ガス流路5が大気開放されると、先に述べたように、燃料ガス流路5に滞留した水に対する供給路側の水素ガスの圧力と大気開放された排出側の圧力との間に圧力差が生じ、かかる圧力差によって燃料ガス流路5に滞留した水が排出される。
【0060】
このように、燃料電池20においては、水素ガスを供給する路側と水素パージバルブ64によって大気開放される水の排出側との間で圧力差を生じさせることにより、発電部50がスタック構造を有する場合であっても、滞留した水の影響によって水素ガスが流れにくくなっている燃料ガス流路5から水を排出することが可能となり、燃料ガス流路5に水素ガスを円滑に流すことができる。
【0061】
なお、燃料電池20においては、水素パージバルブ64として、例えば電磁力を用いた駆動方式によって駆動するものを用いてもよく、当該水素パージバルブ64を駆動させるための電力を発電部50から供給するようにしてもよい。
【0062】
レギュレータ65は、水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスの圧力制御を行うものであり、水素ガスの圧力を所定の圧力になるように調整し、発電部50に供給する。例えば、レギュレータ65は、水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスの圧力が例えば0.8MPa〜1.0MPa程度である場合には、この水素ガスの圧力を例えば0.05MPa〜0.10MPa程度の圧力に減圧し、発電部50に供給する。
【0063】
手動バルブ66は、水素ガスを発電部50に供給するために設けられるものであり、発電部50によって発電を行う際に、水素吸蔵カートリッジ70から発電部50に水素ガスを供給するための流路を開放する。
【0064】
このような各部を備える燃料電池20においては、冷却ファン61、空気供給ファン62,63、水素パージバルブ64、レギュレータ65及び手動バルブ66を配置するための領域を発電部50の周囲に確保することにより、当該燃料電池20を駆動するための各種部材をコンパクトに筐体30の内部に収納することが可能となり、これにより、当該燃料電池20の大幅な小型化を実現することが可能となる。
【0065】
したがって、以上の構成を有する燃料電池20は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機又は携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった携帯型の各種電子機器をはじめとする任意の電子機器を駆動するための電力を供給する電源として極めて好適に用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の燃料電池によれば、燃料ガス流路内での生成水の滞留等が原因で出力効率等が低下した際に、速やかにこれを排出して解消することが可能であり、かかる燃料電池を用いることで、装置構成を複雑化することなく、安定した発電を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池の発電部分を分解して示す概略斜視図である。
【図2】燃料電池用セパレータの燃料ガス流路形成面の概略平面図である。
【図3】燃料電池用セパレータの空気流路形成面の概略平面図である。
【図4】燃料電池用セパレータの一部を拡大して示す断面図であり、(a)は引き込み口近傍を示し、(b)は吐き出し口近傍を示す。
【図5】燃料ガス流路の入口側、出口側に流路抵抗の差をつけない場合の流路内圧力の変化の様子を示す模式図であり、(a)は定常状態、(b)は大気開放状態を示す。
【図6】燃料ガス入口側の流路抵抗を大きく、燃料ガス出口側の流路抵抗を小さくした場合の流路内圧力の変化の様子を示す模式図であり、(a)は定常状態、(b)は大気開放状態を示す。
【図7】燃料電池の構造例を示す分解斜視図である。
【図8】燃料電池を構成する筐体の構造を示す図であり、(a)は一側面の側面図、(b)は反対側の側面を示す側面図、(c)は端面図、(d)は他方の端面を示す端面図である。
【図9】燃料電池を構成する発電部の概略構成を示す斜視図である。
【図10】燃料電池を構成する発電部の一部を示す分解斜視図である。
【図11】燃料電池の構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電解質膜
2,3 電極
4 セパレータ
5 燃料ガス流路
6 燃料供給孔
7 燃料排出孔
8 引き込み口
9 吐き出し口
10 空気流路
11 リブ
12 燃料供給路
13 排気路
14 水素パージバルブ
15 生成水

Claims (2)

  1. イオン伝導性を有するイオン伝導体と当該イオン伝導体を挟んで対峙する電極とを備える接合体と、上記接合体を挟装するセパレータとを有するとともに、これら接合体とセパレータとが積層されたスタック構造を有し、
    上記セパレータは、燃料ガスの供給孔及び排出孔を有するとともに、上記供給孔と引き込み口を介して接続され上記排出孔と吐き出し口を介して接続される燃料ガス流路を有し、
    上記燃料ガス流路は、上記供給孔からの引き込み口の流路抵抗より上記排出孔への吐き出し口の流路抵抗の方が小さくされ、
    上記燃料ガス流路に水が凝縮した際に、上記排出孔側を大気開放し上記燃料ガス流路の供給孔側と排出孔側との間に圧力差を生じさせることにより凝縮した水を当該燃料ガス流路から排出する、燃料電池。
  2. 隣接する各セパレータ間において上記供給孔が互いに接続されて各セパレータに燃料ガスを供給するための供給路が形成されるとともに、
    隣接する各セパレータ間において上記排出孔が互いに接続されて各セパレータから燃料排ガスを排出するための排出路が形成されている、請求項記載の燃料電池。
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