JP4303999B2 - 内部にカラーパターンを有するガラスを製造する方法及びガラス体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内部にカラーパターンを有するガラスを製造する方法及びガラス体に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明感のある着色ガラスは、従来から熱還元法や光還元法を用いて金属微粒子をガラスに分散させることにより作製されている。
【0003】
熱還元法では、Au+,Ag+,Cu+等の金属イオンおよびSn2+,Sb3+等の多価原子価イオンを含有するガラスを原料とし、ガラスの溶融温度よりもはるかに低い温度で該原料の熱処理を行う。これにより、Au+,Ag+,Cu+等の金属イオンが還元されて金属微粒子が生成し、金属微粒子分散ガラスすなわち透明感のある着色を有するガラスが生じる。
【0004】
光還元法では、Au+,Ag+,Cu+等の金属イオンと共にCe3+のような光増感剤(又は光化学的還元剤)を添加したガラスを原料とし、溶融したガラスに紫外線、X線等を照射・露光する、あるいは紫外線、X線等を露光後加熱する。これにより、紫外線等を照射した部分に金属微粒子が生成し、金属微粒子分散ガラスとなる。
【0005】
また、最近では、Ceイオンとともにその他の金属イオンを含有させたガラスの内部にパルスレーザ光を集光照射する方法が提案されている(特許文献1参照)。これにより、レーザ光を集光照射した部分のみが金属微粒子化し、その部分が着色したガラスが得られる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−60271号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で提案されたガラスの製造方法では、ガラスに単色の着色しか行えない。このため、このような方法で製造されたガラスを使用して作製された装飾品や置物等は、色彩デザイン上限られたものとなる。
【0008】
一のガラスの任意の場所を様々な色に着色することが可能であって、しかもそのカラーパターンを所望の形状とすることが可能となれば、装飾品や置物等のように工業的に生産される物品に限らず、オブジェのような美術品に至るまで、任意のガラスデザインを施すことが可能となり、デザインの可能性を広げるものとなる。
また、装飾品等のようにデザインが重視されるもの以外にも、光学系多色フィルタのような産業用製品を製造することも可能となる。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、ガラス内部を様々な色に着色することが可能であって、しかもそのカラーパターンを所望の形状とすることができるガラスの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る内部にマルチカラーパターンを有するガラスの製造方法は、Auイオンを含有するガラスの内部に所定の波長のパルスレーザ光を集光照射し、該パルスレーザ光の出力を変化させつつ集光点を移動させた後、該ガラスを加熱することで、前記集光点の移動経路に存在するAuイオンを前記出力に応じた大きさのAu結晶の微粒子とし、該Au結晶の微粒子の大きさに対応したマルチカラーパターンを形成することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る内部にマルチカラーパターンを有したガラスは、ガラスの内部に大きさの異なる多数のAu結晶の微粒子を含有せしめ、該Au結晶の微粒子の大きさに対応した色を呈することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るガラスの製造方法では、まず、ガラス(母ガラス)にAuイオンを含有させる。母ガラスとしては、通常はケイ酸塩ガラスを使用するが、その他の組成のガラスも使用することができる。ただし、母ガラスの組成は、レーザ光集光照射前にAu微粒子がマトリックス中に析出せず、レーザ光集光照射又は集光照射後の熱処理によって集光照射部分だけにAu微粒子が選択的に析出するものでなければならない。
【0012】
上記母ガラスに、塩化金酸の水溶液、塩化金の塩酸溶液、塩化金酸塩等を添加することによりAuイオンを含有させる。ここで、i)Auイオンが全ガラス原料に対して0.001重量%未満では、レーザ光照射又は照射後の熱処理によってAuイオンがAu微粒子として析出しないか、又はレーザ照射条件によって色を制御できない場合があること、ii)1重量%を超える量では、レーザ光照射前のガラスの溶融段階あるいは溶融状態から冷却してガラス化する段階でAuイオンがAu微粒子として析出する場合があること、および熱処理時に集光点以外の照射領域やレーザ光非照射領域まで着色してしまう場合があることから、Auイオンは全原料重量に対して0.001〜1%の範囲で含有させるのが望ましい。
【0013】
Auイオンの還元が促進されるように、母ガラスに光化学的還元剤として作用するCeO2を添加し、更に熱的還元剤として作用するSb203、SnO2を添加してもよい。CeO2を添加すれば、より小さなパワーのレーザ光照射でAu微粒子が析出するようになり、Sb203、SnO2を添加すれば、より短時間の熱処理で着色するようになる。ただし、これらの還元剤を過剰に添加すると、集光点以外の照射部分やレーザ光非照射部分にまでAu微粒子を析出させることとなるため避けなければならない。
【0014】
以上のガラス原料を使用して作製されたガラス内部の所定の部位にレーザ光を集光照射し、該ガラスを加熱すると、レーザ光が照射された部位にのみAu微粒子が析出し、Au微粒子分散ガラスとなる。ここで、ガラス内部とは、ガラスの内部だけでなくガラス表面も含む。
【0015】
レーザ光の照射は、所定の波長のパルスレーザ光を出射するレーザを光源として使用する。この際、出射波長が250nmに達しないパルスレーザ光では、光照射された部分以外でAuイオンの還元反応が生じ易く、集光点以外の箇所においてもAu微粒子が析出する場合があり、一方、1.6μmを超える出射波長では、集光部分においても金属イオンの還元反応が起こらず、Au微粒子が析出しなくなる場合があるため、250nm〜1.6μmの波長領域のレーザ光を照射するのが好ましい。
【0016】
光源から出射されたレーザ光がレンズ等の集光装置によりガラス内部に集光照射されると、集光点にAu微粒子が析出する。このため、集光点を連続的に移動させると、集光点の軌跡パターンにAu微粒子が析出する。また、集光点を面又は立体領域を埋めるように連続して移動させると、Au微粒子が面又は立体領域を埋めるように析出する。ここで、面とは平面だけでなく曲面も含み、立体領域とは立方体等の単純形状だけでなく、複雑な各種立体形状も含む。
【0017】
金属微粒子による着色は、金属微粒子による光の吸収と散乱に基づいており、ガラスの色調は析出した金属微粒子の粒径、濃度により変化する。ここで、本発明に係るガラスの製造方法では、パルスレーザ光をガラスの内部に集光照射することにより照射領域に結晶核を生成させた後、該ガラスを加熱することにより結晶を成長させる。このため、パルスレーザ光のパワーによって結晶核生成量を変化させることが可能であって、それによって析出するAu微粒子(結晶)の粒径を制御することができる。
【0018】
例えば、照射するパルスレーザ光のパワーが低く結晶核生成量が少ない場合には、結晶核とならずに残留しているAuイオン量が多いため、加熱時の結晶成長が促進され、一つ一つのAu微粒子の粒径は大きくなる。その結果、Au微粒子はより長波長の光を吸収するようになる。
一方、パルスレーザ光のパワーが高く核生成量が多い場合には、ガラス中にドープされたほとんどすべてのAuが核生成に使用されるため、加熱時の結晶成長は抑制される。その結果一つ一つのAu微粒子の粒径は小さくなり、Au微粒子はより短波長の光を吸収するようになる。
ここで、パルスレーザ光のピークパワーは、1パルス当りの出力エネルギ(J)をパルス幅(秒)で割った値であるワット(W)で表され、ピークパワー密度はそれを照射スポットの断面積で除したW/cm2で表される。
【0019】
上記メカニズムから、パルスレーザ光の出力を変化させつつ集光点を移動させて所定の軌跡パターンを形成させると、軌跡パターンが様々な色に着色した、内部にカラーパターンを有するガラスとなる。このパルスレーザ光の出力変化が連続的であれば、カラーパターンは連続的に変化し、出力変化が段階的であれば、カラーパターンも段階的に変化する。ここで、1×108W/cm2未満のピークパワー密度では、集光部分でAuイオンの還元反応が起こらずAu微粒子が析出しない場合があり、1×1018W/cm2を超えるピークパワー密度では、集光点以外の部分でもAuイオンが還元反応し、集光点以外でAu微粒子が析出する場合があるため、ピークパワー密度の範囲は1×108〜1×1018W/cm2とするのが好ましい。この範囲の低ピークパワー密度では青紫色の着色が得られ、ピークパワー密度を高くするのに従って、紫色、赤紫色、赤色、橙色、黄色の着色が得られることとなる。なお、ガラス組成が異なると、一定のピークパワー密度でのレーザ照射により得られる着色は異なるものとなる。
【0020】
パルスレーザ光をガラス内部に集光照射した後、Au微粒子の結晶成長を促進させるため加熱処理を行う。ここで、450℃未満で加熱すると、結晶成長が促進されないため着色が得られない(か着色が可視域に入らない)場合があり、一方、650℃を超える温度で加熱すると、集光点以外の照射部分やレーザ光非照射部分にまでAu微粒子が析出し、ガラスが着色する場合があるため、450〜650℃の範囲で加熱を行うのが望ましい。なお、加熱時間は3分〜3時間程度であって、ガラス組成によって適宜定められる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に掛かる内部にカラーパターンを有するガラスを製造する方法及びガラス体によれば、内部に任意の形状の複数の色を呈するマルチカラーパターンを形成することができる。これにより、装飾品や置物等のように工業的に生産される物品に限らず、オブジェのような美術品に至るまで任意のガラスデザインを施すことが可能となる。また、光学系多色フィルタのような産業用製品を製造することも可能である。
【0022】
【実施例】
(実施例1)
70SiO2・20Na20・10CaO・0.5Au(重量%)の組成を有するガラスを作製するため、SiO221.00g、Na2CO310.25g、CaCO35.35g、および塩化金酸塩(AuHCl4・4H2O)0.31gを混合し、これらのガラス原料を白金ルツボに投入した。これらを1550℃の大気雰囲気中で3時間撹拌しながら加熱溶解した後、溶解したガラス原料を型に流し込んで厚み7mmの板に成形し冷却した。
【0023】
以上で得られたガラス板を切断・研磨して厚み5mmの試料10とし、試料10の内部にパルスレーザ光を照射した。
【0024】
試料10に対するパルスレーザ光の照射は、図1のようにして行った。すなわち、パルスレーザ光11をレンズ12で集光し、試料10内部の特定の部位に集光点13が位置するように調整後、集光点13が線状の軌跡を描くようにガラス試料10を平行に移動させながら、試料10内部にパルスレーザ光11を照射した。パルスレーザ光11としては、Ti-サファイアレーザから発振されたパルス幅150fs、繰返し周期1kHz、波長750nmの光を使用し、3×1010,8×1012,1×1016W/cm2の3条件のピークパワー密度で段階的に照射を行った。
レーザ光11を照射した後、ガラス試料10を電気炉に入れ、600℃で10分間加熱した。
【0025】
その結果、図2に示されるように、ピークパワー密度3×1010W/cm2で照射された青紫色領域、8×1012W/cm2の赤色領域、1×1016W/cm2の黄色領域から成る、線状のカラーパターン14を有するガラスが得られた。
【0026】
(実施例2)
70SiO2・15Na20・10CaO・5Al203・0.1Au・0.005CeO2(重量%)のガラス組成になるように、SiO221.00g、Na2CO37.69g、CaCO35.35g、Al2031.50g、CeO20.0015g、および塩化金酸塩(AuHCl4・4H2O)0.063gを混合し、これらのガラス原料を白金ルツボに投入した。これらを1550℃大気雰囲気中で3時間撹拌しながら加熱溶解した後、型に流し込み、厚み7mmの板に成形し冷却した。
【0027】
以上で得られたガラス板を切断・研磨して厚み5mmの試料20とし、試料20の内部に実施例1と同様の方法で、集光点13が線状の軌跡を描くようにガラス試料20を平行に移動させながら、試料20内部にパルスレーザ光11を照射した。
パルスレーザ光11としては、Ti-サファイアレーザから発振されたパルス幅200fs、繰返し周期1kHz、波長800nmの光を使用し、5×1011,3×1014,1×1017W/cm2の3条件のピークパワー密度で段階的に照射を行った。
レーザ光11を照射した後、ガラス試料20を電気炉に入れ、550℃で20分間熱処理を行った。
【0028】
その結果、実施例1と同様、ピークパワー密度5×1011W/cm2で照射された青紫色領域、3×1014W/cm2の赤紫色領域、1×1017W/cm2の黄色領域から成る、線状のカラーパターンを有するガラスが得られた。
【0029】
(実施例3)
75SiO2・15Na20・10CaO・0.05Au・0.003Sb203・0.003SnO(重量%)のガラス組成になるように、SiO222.50g、Na2CO37.69g、CaCO35.35g、Sb2030.0009g、SnO0.0009g、および塩化金酸塩(AuHCl4・4H2O)0.031gを混合し、これらのガラス原料を白金ルツボに投入した。1550℃大気雰囲気中で3時間撹拌しながら加熱溶解した後、型に流し込み、厚み7mmの板に成形し冷却した。
【0030】
以上で得られたガラス板を切断・研磨して厚み5mmの試料30とし、試料30の内部に実施例1と同様の方法で、集光点13が線状の軌跡を描くようにガラス試料30を平行に移動させながら、試料30内部にパルスレーザ光11を照射した。
パルスレーザ光11としては、Ti-サファイアレーザから発振されたパルス幅800fs、繰り返し周期1kHz、波長630nmの光を使用し、1×1012,5×1015,5×1017W/cm2の3条件のピークパワー密度で段階的に照射を行った。
照射後のガラス試料30を電気炉に入れ、500℃で60分間熱処理を行った。
【0031】
その結果、実施例1および実施例2と同様、ピークパワー密度1×1012W/cm2で照射された青紫色領域、5×1015W/cm2の橙色領域、5×1017W/cm2の黄色領域から成る、線状のカラーパターンを有するガラスが得られた。
【0032】
(比較例1)
70SiO2・20Na20・10CaO・0.0005Au・0.003CeO2(重量%)のガラス組成になるように、SiO221.00g、Na2CO310.25g、CaCO35.35g、CeO20.0009g、および塩化金酸塩(AuHCl4・4H2O)0.0003gを混合し、これらのガラス原料を白金ルツボに投入した。1550℃大気雰囲気中で3時間撹拌しながら加熱溶解した後、型に流し込み、厚み7mmの板に成形し冷却した。
【0033】
以上で得られたガラス板を切断・研磨して厚み5mmの試料40とし、試料40の内部に実施例1と同様の方法で、集光点13が線状の軌跡を描くようにガラス試料40を平行に移動させながら、試料40内部にパルスレーザ光11を照射した。
パルスレーザ光11としては、Ti-サファイアレーザから発振されたパルス幅1.50fs、繰返し周期1kHz、波長750nmの光を使用し、3×1010,5×1014,5×1017W/cm2の3条件のピークパワー密度で段階的に照射を行った。
照射後のガラス試料40を電気炉に入れ、600℃で10分間熱処理を行った。
【0034】
その結果、試料40は、ピークパワー密度5×1014W/cm2および5×1017W/cm2で照射した領域のいずれも赤紫色に着色し、ピークパワー密度3×1010W/cm2で照射した領域は全く着色しなかった。このように、0.001重量%以下のAuイオンしか含有しないガラスでは、ピークパワー密度の変化によりパルスレーザ光照射領域の色を制御できないか又はガラスが着色しない(Au微粒子が析出しない)ことが確認された。
【0035】
(比較例2)
70SiO2・20Na20・10CaO・1.2Au(重量%)のガラス組成になるように、SiO221.00g、Na2CO310.25g、CaCO35.35g、および塩化金酸塩(AuHCl4・4H2O)0.75gを混合し、これらのガラス原料を白金ルツボに投入した。1550℃大気雰囲気中で3時間撹拌しながら加熱溶解した後、型に流し込み、厚み7mmの板に成形し冷却した。
【0036】
以上で得られたガラス板を切断・研磨して厚み5mmの試料50とし、試料50の内部に実施例1と同様の方法で、集光点13が線状の軌跡を描くようにガラス試料50を平行に移動させながら、試料50内部にパルスレーザ光11を照射した。
パルスレーザ光11としては、Ti-サファイアレーザから発振されたパルス幅150fs、繰返し周期1kHz、波長800nmの光を使用し、5×108,3×1014,5×1017W/cm2の3条件のピークパワー密度で段階的に照射を行った。
照射後のガラス試料50を電気炉に入れ、550℃で20分間熱処理を行った。
【0037】
その結果、試料50は、ピークパワー密度5×108W/cm2で照射した領域が青紫色、3×1014W/cm2の領域が赤紫色、5×1017W/cm2の領域が黄色に着色したが、非照射領域も着色した。このようにAuイオンを1.2重量%含有するガラスの場合、レーザ光11を集光照射した部分以外の領域も着色することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガラス内部にパルスレーザ光を集光照射した図。
【図2】 パルスレーザ光が集光照射された領域のみが着色したガラスの図。
【符号の説明】
10…試料
11…パルスレーザ光
12…レンズ
13…集光点
14…カラーパターン
Claims (9)
- Auイオンを含有するガラスの内部に所定の波長のパルスレーザ光を集光照射し、該パルスレーザ光の出力を変化させつつ集光点を移動させた後、該ガラスを加熱することで、前記集光点の移動経路に存在するAuイオンを前記出力に応じた大きさのAu結晶の微粒子となし、該Au結晶の微粒子の大きさに対応した複数の色を呈するマルチカラーパターンを形成することを特徴とする、内部にカラーパターンを有するガラスを製造する方法。
- 前記Auイオンをガラス原料に0.001〜1重量%含有させることを特徴とする、請求項1に記載の内部にカラーパターンを有するガラスの製造方法。
- 集光照射するパルスレーザ光の波長が250nm〜1.6μmであることを特徴とする、請求項1に記載の内部にカラーパターンを有するガラスの製造方法。
- 集光照射するパルスレーザ光のピークパワー密度が1×108〜1×1018W/cm2であることを特徴とする、請求項1に記載の内部にカラーパターンを有するガラスの製造方法。
- 前記ガラスの加熱温度が450〜650℃であることを特徴とする、請求項1に記載の内部にカラーパターンを有するガラスの製造方法。
- パルスレーザ光の集光点を面又は立体領域を埋めるように連続して移動させることにより、前記ガラス内部に任意の形状のカラーパターンを形成させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の内部にカラーパターンを有するガラスの製造方法。
- ガラスの内部に大きさの異なる多数のAu結晶の微粒子を含有せしめ、該Au結晶の微粒子の大きさに対応した複数の色を呈するマルチカラーパターンを有したガラス体。
- Auを0.001〜1重量%含有する、請求項7に記載のマルチカラーパターンを有したガラス体。
- ガラス内部に面又は立体領域を埋めるように連続して任意の形状のカラーパターンを形成したことを特徴とする、請求項7または8に記載のマルチカラーパターンを有したガラス体。
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