JP4303436B2 - 放射線検診スケジュール生成システムおよび放射線検診システム - Google Patents

放射線検診スケジュール生成システムおよび放射線検診システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性核種(以下、「核種」と記載する)を含む薬剤を用いた放射線検診における放射線検診スケジュール生成システムおよび放射線検診システムならびに被曝放射線量予測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、癌検診の一つとして、SPECT[Single Photon Emission Computed Tomography](単光子放出型CT)やPET[Positron Emission Tomography](陽電子放出型CT)を利用した放射線検診が知られている。放射線検診は、放射線を放出する薬剤を注射等で体内に投与し、この薬剤(放射線)が体内において集まったところを体外から検出し、癌細胞の有無や位置の特定を行う検診である。この放射線検診の原理や方法については、「月刊新医療」第28巻3号(2001年3月 株式会社エム・イー振興協会発行)の83〜91頁等に掲載されている。
【0003】
放射線検診で使用する薬剤の原料は、原子炉や加速器で製造される放射性同位元素(RI[Radio Isotope])からなる核種であり、例えば、99Mo、131I、18F、11C等がある。ちなみに、99Moは、原子量が99のモリブデン(元素名)であり、その他の核種も原子量と元素記号の組み合わせで記述してある。特に、PETを利用した放射線検診では、18Fや11C等の陽電子放出型の核種が原料として用いられる。これら核種は、半減期が非常に短く、18Fの場合には半減期が110分であり、11Cの場合には半減期が20分である。そのため、核種を製造してから短時間で核種の量が減少するので、放射線検診に用いる核種の量を確保するためには検診で必要な量より多い量の核種を製造する必要があり、薬剤(核種)を製造してからその薬剤を用いて検診を行うまでの時間をできるだけ短くしなければならない。
【0004】
このような核種を含む放射性化合物の製造方法の一例として、特開昭60−185730号公報に短寿命核種を用いた放射性化合物を合成する方法が開示されている。この合成方法は、目的とする放射性化合物の中間体を予め一定量毎に反応容器に密封用意しておき、合成時に該反応容器を放射性化合物合成装置に装着し、反応合成させることを特徴としている。
【0005】
図21を参照して、従来における薬剤(核種)を製造してからその薬剤を用いて検診を行うまでの放射線検診システム101について説明する。放射線検診システム101は、主に、薬剤製造サイト102および検診サイト104A,・・・から構成されており、必要に応じて薬剤製造サイト102で製造した薬剤を検診サイト104A,・・・に配送する配送サイト(図示せず)も有している。薬剤製造サイト102は、投与する核種を含む薬剤を製造する施設であり、核種を製造するための装置や薬剤を合成するための装置等を備えている。検診サイト104A,・・・は、被検診者に対して薬剤を投与して放射線検診を行う施設であり、被検診者の体内の放射線の分布を測定する設備等を備えている。薬剤製造サイト102では、検診サイト104Aからの注文に応じて薬剤を製造し、製造した薬剤を検診サイト104Aに輸送手段(配送サイト)により配送する。そして、検診サイト104Aでは、配送された薬剤を用いて放射線検診を実施する。薬剤製造サイト102では、図21に示すように、検診サイト104Aの他にも、複数の検診サイト104B、・・・、検診サイト104Xからの各注文に応じて薬剤を製造している。ちなみに、注文毎に検診の日時や薬剤(核種)の使用量等が異なっており、薬剤製造サイト102では注文毎に核種の製造時間や薬剤の合成時間および薬剤の製造量を調整する必要がある。また、薬剤製造サイト102は、検診サイト104A等と同じ敷地内に設置される場合もある。
【0006】
このような核種を含む薬剤の製造から検診に至る放射線検診システムの一例として、特開2001−172204号公報に半減期の短い核種を有効に検診に利用するための検査用薬剤製造販売方法および製造販売装置ならびに検査用薬剤の供給方法および供給システムが開示されている。この発明では、病院施設や検査施設等の発注側からの陽電子放出薬剤に関する使用日時、使用場所、使用量、対象核種の少なくとも4つの情報を添えた注文を供給側が受け付け、この核種の生成開始時刻、輸送時間、薬剤合成開始時刻および薬剤の輸送時間を含むプロセス時間を核種の半減期に基づいて算出し、このプロセス時間に基づいて薬剤の合成および薬剤の供給経路を含む薬剤の供給についての時間スケジュールを作成して、薬剤を製造、販売、供給している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、核種を含む薬剤を製造する場合には核種を製造する装置や薬剤を合成する装置は非常に高価であり、これらの装置を一つの薬剤製造サイトに多数設置するのはコスト的に困難なので、一つの薬剤製造サイトにおける薬剤の製造能力には限界がある。そのため、前記した例では、放射線検診システム101において複数の検診サイト104A,・・・から注文内容が各々異なる注文を行った場合や特開2001−172204号公報に開示されているシステムにおいて多数の発注側から使用日時や使用量等が各々異なる注文を行った場合、薬剤製造サイト102や供給側では、薬剤の製造能力によりその各注文に対応できなかったり、あるいは製造装置や合成装置の稼動効率が低下する場合がある。したがって、検診サイトにおけるスケジュールだけに基づいて放射線検診システムにおける薬剤製造等の各スケジュールを生成すると、各サイトの装置や従事者等が効率的に稼動するスケジュールが生成できなくなり、放射線検診システム全体の効率が低下する。また、放射線検診システムでは放射線を発生する薬剤を取り扱うことから、放射線検診システムにおける従事者の被曝放射線量を考慮して放射線検診システムの各スケジュールを生成することも重要となる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、放射線検診システム全体を高効率に稼動できるスケジュールを生成する放射線検診スケジュール生成システムおよび放射線検診システムならびに被曝放射線量予測システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明は、放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから陽電子放出型CTを含む検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う、前記陽電子放出型CTを利用した放射線検診システムにおけるスケジュールを作成する放射線検診スケジュール生成システムであって、被検診者一人当たりに投与される放射性薬剤の製造から当該放射性薬剤を投与された被検診者を検診する一台の前記検診装置の稼働までの所定期間のスケジュールをジョブの情報として、管理対象の前記検診サイトの前記検診装置ごとに、その稼働予定に基づいて、前記検診サイトからの放射性薬剤の注文前に、あらかじめ生成して第1記憶手段に記憶するジョブ生成手段と、対象の検診サイトで検診を受ける被検診者の検診予約要求、および、前記被検診者の検診の希望日時の情報を、放射性薬剤の注文として受け付けたに、前記ジョブ生成手段によって前記ジョブの情報を前記第1記憶手段から読み出し、前記検診予約要求を送った前記検診サイトに設置された稼働可能な前記検診装置の稼働予定日時の情報の中から前記希望日時と一致する日時または当該希望日時に近い日時を選択して、当該日時の前記ジョブの情報をオーダの情報として生成して、前記被検診者の検診予約を管理する予約管理手段と、複数の前記検診サイトからの所定期間ごとの放射性薬剤の注文後に、前記予約管理手段によって生成された個々の前記オーダの情報に従って、前記薬剤製造サイトにおける放射性薬剤の製造から前記検診サイトにおける検診までの所定期間ごとの一連のスケジュール生成するスケジュール生成手段とを備えるようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る放射線検診スケジュール生成システムおよび放射線検診システムならびに被曝放射線量予測システムの実施の形態を説明する。
【0011】
本発明に係る放射線検診スケジュール生成システムは、放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから陽電子放出型CTを含む検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う、前記陽電子放出型CTを利用した放射線検診システムにおけるスケジュールを作成する放射線検診スケジュール生成システムであって、被検診者一人当たりに投与される放射性薬剤の製造から当該放射性薬剤を投与された被検診者を検診する一台の前記検診装置の稼働までの所定期間のスケジュールをジョブの情報として、管理対象の前記検診サイトの前記検診装置ごとに、その稼働予定に基づいて、前記検診サイトからの放射性薬剤の注文前に、あらかじめ生成して第1記憶手段に記憶するジョブ生成手段と、対象の検診サイトで検診を受ける被検診者の検診予約要求、および、前記被検診者の検診の希望日時の情報を、放射性薬剤の注文として受け付けたに、前記ジョブ生成手段によって前記ジョブの情報を前記第1記憶手段から読み出し、前記検診予約要求を送った前記検診サイトに設置された稼働可能な前記検診装置の稼働予定日時の情報の中から前記希望日時と一致する日時または当該希望日時に近い日時を選択して、当該日時の前記ジョブの情報をオーダの情報として生成して、前記被検診者の検診予約を管理する予約管理手段と、複数の前記検診サイトからの所定期間ごとの放射性薬剤の注文後に、前記予約管理手段によって生成された個々の前記オーダの情報に従って、前記薬剤製造サイトにおける放射性薬剤の製造から前記検診サイトにおける検診までの所定期間ごとの一連のスケジュール生成するスケジュール生成手段とを備えるようにした。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、放射性薬剤の製造から検診までのオペレーションからなるジョブの情報および各サイトの資源(装置や従事者)の情報に基づいて各サイトのスケジュールを生成するので、検診サイトや薬剤製造サイトの稼動効率が向上し、放射線検診システム全体の稼動効率が向上する。
【0012】
さらに、この放射線検診スケジュール生成システムは、放射線検診システムにおいて薬剤製造サイトで製造した放射性薬剤を配送サイトに備えられる配送装置により検診サイトに供給している場合には、第2記憶手段は配送サイトの資源の情報も記憶し、スケジュール生成手段は配送サイトの資源の情報にも基づいて各サイトにおけるスケジュールを生成する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、配送サイトの稼動効率も向上する。
【0013】
また、この放射線検診スケジュール生成システムは、前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、各サイトに備えられる装置の稼動予定の情報を記憶する第3記憶手段と、各装置の稼動予定の情報に基づいてジョブの情報を生成するジョブ生成手段とを備えている。さらに、このジョブ生成手段は、配送サイトに備えられる装置の稼動実績の情報から薬剤製造サイトから検診サイトまでの配送時間の情報を抽出するとともに抽出した配送時間の情報を曜日別かつ時間別に分類し、分類した配送時間の情報を参照してジョブの情報を生成する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、各サイトの装置の稼動予定の情報により放射線検診システム全体におけるジョブの情報を簡単に生成することができ、さらに、配送日時別の配送時間に応じてジョブの情報を生成するのでジョブの情報がスケジュールを生成するための信頼性の高い情報となる。
【0014】
また、この放射線検診スケジュール生成システムは、前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、スケジュール生成手段で生成した各スケジュールを各サイトに通信回線を介して送信する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、各スケジュールを通信回線に介して各サイトに迅速に提供することができる。さらに、この放射線検診スケジュール生成システムは、前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、スケジュール生成手段は、スケジュール作成対象の検診のうち予め設定した日時になった検診に対してスケジュールを生成したり、日時決定手段において決定した日時が利用者に確認された検診に対してスケジュールを生成する。そして、利用者が日時を確認するために、放射線検診スケジュール生成システムでは、利用者に対して、被検診者の検診の希望日時の情報および日時決定手段において決定した日時を表示する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、予め設定した日時にスケジュールを生成することによって被検診者のキャンセルに対応できたり、利用者が確認後にスケジュールを生成することによって生成したスケジュールが無駄になるようなことはない。
【0015】
さらに、この放射線検診スケジュール生成システムは、前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、スケジュール生成手段で生成した各スケジュールを各サイトに提供する対価からなる課金情報を記憶する第4記憶手段を備えており、スケジュール生成手段は生成した各スケジュールを各サイトに提供する毎に課金情報を更新し、課金情報に基づいて各サイトに課金する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、各サイトに対して生成したスケジュールの対価を請求でき、各サイトから受け取った代金によりシステムを運営することができる。
【0016】
さらに、この放射線検診スケジュール生成システムは、前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、各サイトに備えられる装置の稼動実績の情報を記憶する第5記憶手段を備えており、スケジュール生成手段は生成したスケジュールにおける各装置の稼動時間と各装置の稼動実績の情報における稼動時間とが予め設定した時間幅以上相違した場合には各サイトにおけるスケジュールを再生成する。この放射線検診スケジュール生成システムによれば、各装置の稼動実績に応じてスケジュールを再生成することによって、各サイトでのスケジュールに対する遅延に迅速に対応することができる。
【0017】
本発明に係る放射線検診システムは、放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う放射線検診システムであって、前記したいずれかの放射線検診スケジュール生成システムを有しており、各サイトに、スケジュール生成手段で生成した各スケジュールに従って各サイトにおけるオペレーションを管理する管理手段を備えており、特に、放射線検診スケジュール生成システムが稼動実績の情報に基づいて各サイトにおけるスケジュールを再生成するシステムの場合には各サイトに備えられる装置の稼動実績の情報を放射性検診スケジュール生成システムに提供する提供手段も備えている。この放射線検診システムによれば、放射線検診スケジュール生成システムで生成した各スケジュールに基づいて各サイトでオペレーションが実行されることによって、放射線検診システム全体の稼動効率が向上する。なお、放射性検診スケジュール生成システムの管理運営は、放射線検診システムのいずれかのサイトで行われてもよいし、あるいは専門の事業者によって行われてもよい。したがって、この管理運営するサイトや事業者によって、各サイトに対するスケジュールの課金の仕方が変ってくる。
【0018】
本発明に係る被曝放射線量予測システムは、放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う放射線検診システムに携わる従事者の被曝放射線量を予測する被曝放射線量予測システムであって、従事者の作業を予め設定した被検診者一人に対するタスク単位で管理し、従事者毎の過去の所定期間において被曝した実績被曝放射線量および従事者毎の過去の所定期間におけるタスクの種類毎の実績処理数を管理する被曝放射線量管理手段と、被曝放射線量管理手段で管理する情報に基づいてタスクの種類毎にタスクを一回処理することにより従事者が被曝するタスク毎予測被曝放射線量を求める予測被曝放射線量推定手段とを備えており、予測被曝放射線量推定手段で求めたタスク毎予測被曝放射線量と将来の所定期間において各従事者が処理するタスクの種類毎の予定処理数とに基づいて将来の所定期間における各従事者の予測被曝放射線量を算出する。この被曝放射線量予測システムによれば、将来の所定期間における各従事者の被曝放射線量を予測することができ、各従事者の被曝放射線量を被曝の限度を超えないように管理することができる。
【0019】
さらに、この被曝放射線量予測システムは、前記被曝放射線量予測システムにおいて、予測被曝放射線量推定手段は、従事者毎の過去の所定期間において被曝した実績被曝放射線量を目的変数とするとともに従事者毎の過去の所定期間におけるタスクの種類毎の実績処理数を説明変数とし、重回帰分析により各説明変数に対する偏回帰係数を求めることにより、タスク毎予測被曝放射線量を求める。この被曝放射線量予測システムによれば、タスク毎予測被曝放射線量を簡単かつ正確に求めることができる。
【0020】
そして、この被曝放射線量予測システムのうち少なくとも予測被曝放射線量推定手段が前記いずれかの放射線検診スケジュール生成システムに備えられ、放射線検診スケジュール生成システムにおいて、各従業者の被曝放射線量が予め設定された限度被曝放射線量を超えないようにスケジュールを生成するために、被曝放射線量予測システムにおいて算出した各従事者の予測被曝放射線量を利用する。この被曝放射線量予測システムによれば、各従事者の被曝放射線量を被曝の限度を超えないように各タスクでのスケジュールを生成することができる。
【0021】
なお、サイトは、放射線検診システムに含まれる薬剤製造事業、配送事業、検診事業等の事業者に運営される事業体であり、各事業体には事業を運営するための施設、装置や従事者等が含まれる。また、ジョブの情報は、各サイトの主要資源(放射線検診システムで特に重要な資源)毎のオペレーション(処理や作業)を一つの検診に対して時系列に配置しかつ実行可能なものがジョブであり、放射線検診システムにおける将来行う検診に対して割付可能なジョブのことである。また、サイトの資源の情報は、サイトの装置や従事者等が資源であり、各資源の個数(台数)または人数、能力、稼動予定または勤務予定等の情報である。また、装置の稼動予定の情報は、各サイトの主要資源の稼動できる予定日時を示した情報である。また、利用者は、被検診者の検診の希望日時の情報を放射性検診スケジュール生成システムに提供したり、決定した日時を確認する者であり、検診サイトの従事者や被検診者等である。また、装置の稼動実績の情報は、各サイトに備えられる装置毎の各(検診)ジョブにおける稼動開始時刻、終了時刻等の情報であり、必要に応じて各装置で取り扱う薬剤(核種)の種類や量等の情報である。また、予め設定した時間幅は、各核種の半減期に基づく時間幅であり、この時間幅を越えてスケジュールが実行されると検診に必要な核種の量が不足する時間幅である。また、課金情報は、各タスクに提供したスケジュールの対価の情報であり、放射性検診スケジュール生成システムの管理運営者によって課金の仕方が変る。また、放射線検診システムに携わる従事者は、各タスクで従事している者であり、特に、放射線を被曝する可能性のある者である。ちなみに、装置は、各サイトで使用されるものを広く含んでおり、例えば、配送サイトでの配送用車両、検診サイトでの薬剤注入器やベッド等も含む。
【0022】
本実施の形態では、放射線検診システムにおける各サイトにスケジュールを提供する専門の事業者によるスケジューリングサービス提供サイトに放射線検診スケジュール生成システムが構築され、スケジューリングサービス提供サイト、薬剤製造サイト、配送サイトおよび多数の検診サイトから放射線検診システムが構成されている。本実施の形態に係る放射線検診システムは、3つの実施の形態がある。第1の実施の形態に係る放射線検診システムは、放射線検診スケジュール生成システムにおいて各タスクのスケジュールを生成する基本的な構成のシステムである。第2の実施の形態に係る放射線検診システムは、第1の実施の形態に係る放射線検診システムに加えて、放射線検診スケジュール生成システムにおいて各タスクから稼動予定の情報や稼動実績の情報を定期的に取り入れる構成のシステムである。第3の実施の形態に係る放射線検診システムは、第2の実施の形態に係る放射線検診システムに加えて、放射線検診スケジュール生成システムにおいて従事者の被曝放射線量を予測してスケジュールを生成する構成のシステムである。
【0023】
まず、図6を参照して、本実施の形態で使用する用語について説明しておく。図6は、ジョブJの構成の一例である。
【0024】
本実施の形態における資源とは、放射線検診システムにて作成する検診詳細スケジュール、製造詳細スケジュール、配送詳細スケジュールのスケジューリングの対象となる全ての装置やそれに携わる従事者である。これらの資源のうち、放射線検診システムにおいて重要なものを主要資源と呼ぶ。
【0025】
放射線検診システムにおいて薬剤の製造から放射線検診までの全てを含むプロセスにおいて、主要資源毎の処理や作業のまとまりをオペレーションと呼ぶことにする。また、一人の被検診者(一つの検診)に着目したオペレーションの系列であって、各種の制約条件を考慮した上で実行可能なものをジョブと呼ぶ。
【0026】
ジョブは、それを構成するオペレーションと、各オペレーションの開始時刻、終了時刻、開始時刻における薬剤の種類や量等の情報で構成する。そして、具体的な被検診者(すなわち、被検診者に対する検診)が決定されているジョブをオーダと呼ぶ。
【0027】
本実施の形態に係る詳細スケジュールは、オーダに基づいて全ての資源についての各種の制約条件を考慮した上で実行可能となるようにタスクを割り付けた結果であり、タスクの実行に必要な各種の資源についての開始時刻や終了時刻の情報等で構成する。ここで、タスクは、各オペレーションを分割して詳細化した作業の単位である。オペレーションが一つのタスクで構成される場合もある。
【0028】
本実施の形態では、薬剤製造サイトにおける核種製造装置、薬剤合成装置、配送サイトにおける配送用車両、検診サイトにおける薬剤注入器、ベッド、撮像装置等の放射線検診に関係する装置と、これらの装置のオペレータ、配送者および検診の実行に関係する医師、看護婦、技師が資源である。特に、これらの資源のうち、放射線検診システムのプロセスにおいて重要であるか、あるいはその装置の購入に関し高額の設備投資を必要とする核種製造装置、薬剤合成装置、配送用車両、撮像装置が主要資源である。
【0029】
図6には、ジョブの一例としてジョブJを示している。ジョブJは、放射線検診システムの主要なプロセスとして、核種製造装置を使用して核種を製造するオペレーションM1、薬剤合成装置を使用して薬剤を合成するオペレーションM2、配送用車両を使用して薬剤を薬剤製造サイトから検診サイトに配送するオペレーションD1および撮像装置を使用して撮像するオペレーションC1の4つのオペレーションで構成される。この図6では、TAが時間軸であり、オペレーションM1は、午前4時に核種の製造を開始し、1時間後の午前5時に終了することを示している。同様に、オペレーションM2,D1,C1についても、それぞれの開始時刻および終了時刻が設定されている。これらは、それぞれのオペレーションにおいて実際に対応する装置における所要時間に基づき、その時間軸上における時間を決定する。このように各オペレーションは、それぞれの開始時刻と終了時刻のデータを持ち、さらに薬剤に関する種類や量に関するデータを含む情報を持っている。
【0030】
また、各オペレーションの情報は、そのオペレーションについて開始時刻を変更し得る範囲の情報、すなわち、最早開始時刻と最遅開始時刻のデータが付与される場合がある。図6の両端に矢印を伴った実線(開始時刻変更可能範囲)TWは、オペレーションC1に対して開始時刻を変更し得る範囲を示している。この場合、オペレーションC1は、午前7時から午前8時10分の間で開始時刻を変更できることを示している。
【0031】
なお、図6におけるオペレーションC1の場合、この開始時刻変更可能範囲TWの大きさは、一人の被検診者に対する放射線検診で使用する薬剤の量、核種製造装置および薬剤合成装置で一人分として製造し得る薬剤の量および薬剤に含まれる核種の減衰量の関係により決定することができる。オペレーションC1の最早開始時刻は、その前のオペレーションD1の終了時刻により決定され、オペレーションD1の終了時刻に等しい。最遅開始時刻は、薬剤に含まれる核種の減衰を考慮し、薬剤の半減期Thから、以下の手順により決定される。
【0032】
まず、オペレーションM1にて被検診者一人分として製造し得る核種の最大量NM1maxを製造した場合に、最早開始時刻の時点での薬剤の量NC1Tを、核種の半減期Thと薬剤合成装置における収率Sを考慮し、次の核種の崩壊に関する関係式(1)に基づき算出する。
【0033】
【数1】
Figure 0004303436
【0034】
次に、最早開始時刻から、薬剤の量が検診に必要な薬剤の量NC1と等しくなる時間Tmaxを次の関係式(2)から求める。
【0035】
【数2】
Figure 0004303436
【0036】
この関係式(2)から時間Tmaxを求め、それを最早開始時刻に加えることにより、最遅開始時刻を求めることができる。
【0037】
後で説明するスケジュールを生成する処理においては、前記の開始時刻を変更し得る範囲内において、実際に適用する開始時刻が決定される。オペレーションC1に対して決定される開始時刻が、前記の最遅開始時刻よりも早い場合は、オペレーションM1において、被検診者一人分として製造すべき核種の製造量NM1は、前記の製造し得る核種の最大量NM1maxよりも少ない量で済むはずである。つまり、核種の製造後、投与までの時間が短くなるため、これによる核種の減衰量が少なくなり、製造すべき核種の量NM1は核種の最大量NM1maxより少なくて済む訳である。製造コストや原料コストを低減化するという観点からは、製造する核種の量NM1を最適な量(出来るだけ少ない量)とするほうが良い。
【0038】
前記の最適な核種の量NM1を決定する手順を以下に説明する。オペレーションC1の決定された開始時刻と最早開始時刻の差を求めTとする。次に、以下の核種の減衰に関する式(3)を解いた式(4)により最適な核種の量NM1を求める。
【0039】
【数3】
Figure 0004303436
【0040】
このようにして求めた核種の量NM1をオペレーションM1での核種の製造量とすることにより、無駄のない核種の製造が可能となる。
【0041】
それでは、第1の実施の形態について説明する。
図1を参照して、第1の実施の形態に係る放射線検診システム1Aの構成を説明する。図1は、第1の実施の形態に係る放射線検診システム1Aの全体構成図である。
【0042】
放射線検診システム1Aは、放射線薬剤(以下、「薬剤」と記載する)Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までを行うシステムであり、このシステムを効率的に稼動させるために薬剤Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までの詳細なスケジュールを生成するシステムである。そのために、放射線検診システム1Aは、薬剤製造サイト2A、配送サイト3A,多数の検診サイト4Aおよびスケジューリングサービス提供サイト5Aから構成される。特に、スケジューリングサービス提供サイト5Aには、放射線検診スケジュール生成システム6Aが構築される。
【0043】
放射線検診システム1Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aと薬剤製造サイト2A、配送サイト3Aおよび多数の検診サイト4Aとの間が公衆電話回線、インターネットあるいは専用回線等の通信回線により接続されており、この通信回線を介して情報を送受信している。そして、放射線検診システム1Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aにおいて各サイトの装置や従事者に対するスケジュールを生成し、このスケジュールに基づいて薬剤製造サイト2Aで薬剤Mを製造し、配送サイト3Aが製造した薬剤Mを検診サイト4Aまで配送し、検診サイト4Aで配送された薬剤Mを用いて被検診者に対して放射線検診を行っている。
【0044】
図1を参照して、薬剤製造サイト2Aについて説明する。
薬剤製造サイト2Aは、薬剤製造メーカであり、独立した事業者によって運営されている。薬剤製造サイト2Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aからの製造詳細スケジュールSMに従って薬剤Mを製造している。また、薬剤製造サイト2Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aにおいて製造詳細スケジュールSMを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Aに資源(薬剤製造装置、従事者)の情報(装置の稼動予定の情報を含む)を提供している。なお、薬剤製造サイト2Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aと製造スケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Aから提供された製造詳細スケジュールSMに対して対価を支払う。
【0045】
図2を参照して、薬剤製造サイト2(2A)での薬剤製造プロセスについて説明する。ここでは、18Fの核種を含む薬剤(FDG:フルオロデグルコース)Mを製造する場合について説明する。なお、この薬剤製造プロセスは、第2および第3の実施の形態に係る薬剤製造サイト2B,2Cでも共通する(図14、図16参照)。図2は、薬剤製造サイト2の構成図である。
【0046】
薬剤製造サイト2では、核種製造装置2aで18Fの原料となる核種(RI原料)NMを処理して18F核種Nを製造する。次に、薬剤製造サイト2では、薬剤合成装置2bで18F核種Nを合成して薬剤Mを製造する。核種製造装置2aは、サイクロトロン等の粒子発生装置で、加速した陽子をRI原料NMである18Oに入射し、18O(p,n)18F核反応にて18F核種Nを生成する。薬剤合成装置2bは、18F核種Nを用いて、薬剤であるFDGを合成処理する。核種製造装置2aおよび薬剤合成装置2bは、装置のオペレータ(従事者)(図示せず)によって装置が操作され、必要な原料等が供給される。なお、核種製造装置2aおよび薬剤合成装置2b等は、薬剤製造サイト2で使用される装置であり、図1等では合わせて薬剤製造装置と示している。
なお、本実施の形態では、核種製造装置2aや薬剤合成装置2bおよび装置のオペレータが特許請求の範囲に記載する資源の一つに相当する。
【0047】
また、薬剤製造サイト2Aは、スケジューリング提供サイト5Aの放射線検診スケジュール生成システム6Aから製造詳細スケジュールSMを受信し、この製造詳細スケジュールSMに従って核種製造装置2a、薬剤合成装置2bやオペレータを管理するために、スケジュール管理装置2dおよび詳細スケジュール記憶装置2eを備えている。
なお、第1の実施の形態では、スケジュール管理装置2dが特許請求の範囲に記載する管理手段の一つに相当する。
【0048】
スケジュール管理装置2dおよび詳細スケジュール記憶装置2eは、薬剤製造サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と記載する)(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Aと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザ[World Wide Web]を備えている。通信制御装置は、モデム、DSU[Digital Service Unit]等から構成されている。
【0049】
スケジュール管理装置2dについて説明する。
スケジュール管理装置2dは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、核種製造装置2aおよび薬剤合成装置2bと通信ケーブルにより接続している。スケジュール管理装置2dでは、前記した通信制御装置で放射線検診スケジュール生成システム6Aから製造詳細スケジュールSMを受信すると、製造詳細スケジュールSMを詳細スケジュール記憶装置2eに格納する。そして、スケジュール管理装置2dでは、製造詳細スケジュールSMに従って、核種製造装置2aで製造する核種の種類や量、装置の稼動開始時刻、稼動終了時刻等を管理するとともに、薬剤合成装置2bで合成する薬剤Mの種類や量、装置の稼動開始時刻、稼動終了時刻等を管理する。また、スケジュール管理装置2dでは、製造詳細スケジュールSMに従って、どのオペレータ(従事者)を、どのタスクに、何時〜何時まで従事させるのか等のオペレータの勤務内容を管理する。
【0050】
さらに、スケジュール管理装置2dでは、放射線検診スケジュール生成システム6Aで製造詳細スケジュールSMを生成するために、資源の情報を放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。資源の情報としては、核種製造装置2aについての台数、製造できる核種の種類、製造能力、稼動予定等、薬剤合成装置2bについての台数、合成できる薬剤Mの種類、製造能力、稼動予定等および各オペレータの勤務予定である。稼動予定は、各装置の稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻およびメンテナンス等で稼動できない日時等である。勤務予定は、各オペレータの勤務する日、各勤務日において勤務できる開始時刻と終了時刻および有給等で勤務できない日等である。
【0051】
詳細スケジュール記憶装置2eについて説明する。
詳細スケジュール記憶装置2eは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。詳細スケジュール記憶装置2eには、スケジュール管理装置2dによって製造詳細スケジュールSMが格納される。
【0052】
図1を参照して、配送サイト3Aについて説明する。
配送サイト3Aは、運送会社であり、独立した事業者によって運営されている。配送サイト3Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aからの配送詳細スケジュールSDに従って薬剤Mを配送している。また、配送サイト3Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aにおいて配送詳細スケジュールSDを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Aに資源(配送用車両、従事者)の情報(装置の稼動予定の情報を含む)を提供している。なお、配送サイト3Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aと配送スケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Aから提供された配送詳細スケジュールSDに対して対価を支払う。
【0053】
配送サイト3Aでは、複数の配送用車両3aを所有しており、配送用車両3aにより薬剤製造サイト2Aから検診サイト4Aに薬剤Mを配送する。各配送用車両3aには一人あるいは二人の配送者(従事者)(図示せず)が割り当てられ、配送者によって配送用車両3aの運転や薬剤Mの持ち運びが行われる。なお、配送サイト3Aでは、薬剤製造サイト2Aと検診サイト4Aの位置関係により、配送用車両3a以外にも航空機や鉄道を利用する場合がある。また、配送サイト3Aでは、薬剤製造サイト2Aと検診サイト4Aとが近距離の場合には、配送者が徒歩で配送する。なお、配送用車両3aが、配送サイト3Aで使用される配送装置である。
なお、本実施の形態では、配送用車両3aおよび配送者が特許請求の範囲に記載する資源の一つに相当する。
【0054】
また、配送サイト3Aは、スケジューリング提供サイト5Aの放射線検診スケジュール生成システム6Aから配送詳細スケジュールSDを受信し、この配送詳細スケジュールSDに従って配送用車両3aおよび配送者を管理するために、スケジュール管理装置3dおよび詳細スケジュール記憶装置3eを備えている。
なお、第1の実施の形態では、スケジュール管理装置3dが特許請求の範囲に記載する管理手段の一つに相当する。
【0055】
スケジュール管理装置3dおよび詳細スケジュール記憶装置3eは、配送サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Aと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0056】
スケジュール管理装置3dについて説明する。
スケジュール管理装置3dは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、配送用車両3aと移動電話回線を介して通信可能である。スケジュール管理装置3dでは、前記した通信制御装置で放射線検診スケジュール生成システム6Aから配送詳細スケジュールSDを受信すると、配送詳細スケジュールSDを詳細スケジュール記憶装置3eに格納する。そして、スケジュール管理装置3dでは、配送詳細スケジュールSDに従って、配送用車両3aで配送する薬剤Mの種類と量、配送する薬剤製造サイト2A(必要に応じて所在地や地図)と検診サイト4A(必要に応じて所在地や地図)、薬剤製造サイト2Aからの薬剤Mの受取時間、検診サイト4Aへの薬剤Mの受渡時間等を管理する。また、スケジュール管理装置3dでは、配送詳細スケジュールSDに従って、どの配送者(従事者)を、どのタスクに、何時〜何時まで従事させるのか等の配送者の勤務内容を管理する。
【0057】
さらに、スケジュール管理装置3dでは、放射線検診スケジュール生成システム6Aで配送詳細スケジュールSDを生成するために、資源の情報を放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。資源の情報としては、配送用車両3aについての台数、稼動予定等および各オペレータの勤務予定である。稼動予定は、各配送用車両3aの稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻および車検や整備等で稼動できない日時等である。勤務予定は、各配送者の勤務する日、各勤務日において勤務できる開始時刻と終了時刻および有給等で勤務できない日等である。
【0058】
詳細スケジュール記憶装置3eについて説明する。
詳細スケジュール記憶装置3eは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。詳細スケジュール記憶装置3eには、スケジュール管理装置3dによって配送詳細スケジュールSDが格納される。
【0059】
図1を参照して、検診サイト4Aについて説明する。
検診サイト4Aは、検診施設(例えば、病院)であり、独立した事業者によって運営されている。検診サイト4Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aからの検診詳細スケジュールSCに従って放射線検診を行っている。また、検診サイト4Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aにおいて検診詳細スケジュールSCを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Aに資源(検診装置、従事者)の情報(装置の稼動予定の情報を含む)を提供している。なお、検診サイト4Aでは、スケジューリングサービス提供サイト5Aと検診スケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Aから提供された検診詳細スケジュールSCに対して対価を支払う。
【0060】
図3を参照して、検診サイト4(4A)での検診プロセスについて説明する。なお、この検診プロセスは、第2および第3の実施の形態に係る検診サイ4B,4Cでも共通する(図14、図16参照)。図3は、検診サイト4の構成図である。
【0061】
検診サイト4では、薬剤Mを薬剤注入器4aにより被検診者MCに対して投与(血管内に注射)する。次に、検診サイト4では、被検診者MCの体内に薬剤Mが拡散し、癌等に吸収されるまでベッド4bにて安静状態で被検診者MCを待機させる。続いて、検診サイト4では、PET用の撮像装置4cを用いて、被検診者MCの体内における放射線の計測を行う。そして、検診サイト4Aでは、被検診者MCの体内の放射能の減衰を待つため、ベッド4bにて被検診者MCを待機させる。また、このときPET用の撮像装置4cにて計測したデータは、データベース4fに一旦保存しておく。そして、このデータをデータ処理装置4gによって処理し、被検診者MCの体内における放射線の分布を算出する。この結果を医師DCが分析し、癌の有無等を判断し、面談により被検診者MCに説明する。薬剤注入器4aによる投与、撮像装置4cの操作や被検診者の対応等は、医師、看護婦、専門の技師等(従事者)によって行われる。なお、薬剤注入器4a、ベッド4b、撮像装置4c等は、検診サイト4Aで使用される装置であり、図1等では合わせて検診装置と示している。
なお、本実施の形態では、薬剤注入器4a、ベッド4b、撮像装置4cおよび医師、看護婦、専門の技師が特許請求の範囲に記載する資源の一つに相当する。
【0062】
また、検診サイト4Aは、スケジューリング提供サイト5Aの放射線検診スケジュール生成システム6Aから検診詳細スケジュールSCを受信し、この検診詳細スケジュールSCに従って薬剤注入器4a、ベッド4b、撮像装置4cおよび医師、看護婦、専門の技師を管理するために、スケジュール管理装置4d、詳細スケジュール記憶装置4eおよび検診情報入出力装置4hを備えている。
なお、第1の実施の形態では、スケジュール管理装置4dが特許請求の範囲に記載する管理手段の一つに相当する。
【0063】
スケジュール管理装置4d、詳細スケジュール記憶装置4eおよび検診情報入出力装置4hは、検診サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Aと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザ[World Wide Web]を備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0064】
スケジュール管理装置4dについて説明する。
スケジュール管理装置4dは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、撮像装置4cと通信ケーブルにより接続している。スケジュール管理装置4dでは、前記した通信制御装置で放射線検診スケジュール生成システム6Aから検診詳細スケジュールSCを受信すると、検診詳細スケジュールSCを詳細スケジュール記憶装置4eに格納する。そして、スケジュール管理装置4dでは、検診詳細スケジュールSCに従って、薬剤注入器4aで投与する薬剤Mの種類や量、投与する時刻、投与する被検診者の名前や被検診者ID等を管理するとともに、ベッド4bを使用する開始時刻、被検診者の待機時間、使用する被検診者の名前や被検診者ID等を管理するとともに、撮像装置4cを使用する開始時刻と終了時刻、被検診者の名前や被検診者ID等を管理する。また、スケジュール管理装置4dでは、検診詳細スケジュールSCに従って、どの医師、看護婦、技師(従事者)を、どのタスクに、何時〜何時まで従事させるのか等の医師、看護婦、技師の勤務内容を管理する。
【0065】
さらに、スケジュール管理装置4dでは、放射線検診スケジュール生成システム6Aで検診詳細スケジュールSCを生成するために、資源の情報を放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。資源の情報としては、薬剤注入器4aについての個数等、ベッド4bの台数等、撮像装置4cについての台数、稼動予定等および各医師、看護婦、技師の勤務予定である。稼動予定は、各装置の稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻およびメンテナンス等で稼動できない日時等である。勤務予定は、各医師、看護婦、技師の勤務する日、各勤務日において勤務できる開始時刻と終了時刻および有給等で勤務できない日等である。
【0066】
詳細スケジュール記憶装置4eについて説明する。
詳細スケジュール記憶装置4eは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。詳細スケジュール記憶装置4eには、スケジュール管理装置4dによって検診詳細スケジュールSCおよび検診情報入出力装置4hによって関連付けした検診予約要求QRと予約結果RRが格納される。
【0067】
図4および図5を参照して、検診情報入出力装置4hについて説明する。図4は、検診予約画面4iの一例である。図5は、検診予約結果画面4kの一例である。
検診情報入出力装置4hは、制御部としてはパソコンの主制御装置に構成され、パソコンの入出力装置(図示せず)がその主な役割を果たす。入出力装置は、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ等から構成されている。
【0068】
ある被検診者が検診の予約を行うと、検診情報入出力装置4hでは、オペレータの指令に応じてディスプレイに検診予約画面4iを表示する(図4参照)。すると、オペレータは、被検診者の希望に応じて、検診予約画面4iに対して検診サイト、検診種別、放射線検診システム1Aにおいて各被検診者を識別するためのコード(記号)である被検診者IDおよび検診希望日と時刻を入力する。図4に示す例では、検診予約画面4iに、検診サイトとしてA検診サイト、検診種別としてFDG−PET、被検診者IDとしてP01、検診希望日時として2001年6月14日午前8時と入力している。オペレータによって検診予約画面4iに入力後に送信ボタン4jが押されると、検診情報入出力装置4hでは、検診予約画面4iに入力された情報を検診予約要求QRとして放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。
なお、本実施の形態では、検診情報入出装置4hを操作するオペレータが特許請求の範囲に記載する利用者に相当する。
【0069】
放射線検診スケジュール生成システム6Aからの検診の予約の結果(予約結果RR)を受信すると、検診情報入出力装置4hでは、ディスプレイにその予約結果RRを書き込んだ検診予約結果画面4kを表示する。すると、オペレータは、検診予約結果画面4kの検診サイト、検診種別、被検診者IDおよび検診希望日と時刻を確認し、さらに放射線検診スケジュール生成システム6Aで決定した予約結果として検診の開始日と時刻および使用撮像装置を確認する。図5に示す例では、図4に示す検診の予約要求に対し、2001年6月14日午前8時にA検診サイトの撮像装置1を使用して検診を行うことが可能であることを示している。これは、同時に、この日時にFDGの薬剤Mを供給できることを意味している。ちなみに、決定した検診開始日時が検診希望日時と異なる場合、オペレータは被検診者に連絡を取り、決定した検診開始日時で良いか確認し、良くない場合には被検診者から検診希望日時を再度聴く。
【0070】
そして、オペレータは、検診予約結果画面4kに表示された予約結果に同意する場合には検診予約結果画面4kの登録ボタン4lをマウスを操作してクリックし、検診希望日時を変更する場合には変更ボタン4mをマウスを操作してクリックし、被検診者と連絡が取れない等によって現時点で判断できない場合には終了ボタン4nをマウスを操作してクリックする。すると、検診情報入出力装置4hでは、このクリックされたボタンの情報を放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。また、登録ボタン4lがクリックされた場合、検診情報入出力装置4hでは、検診予約要求QRと予約結果RRを関連付けして詳細スケジュール記憶装置4eに格納する。変更ボタン4mがクリックされた場合、検診情報入出力装置4hでは、再度、検診予約画面4iを表示する。終了ボタン4lがクリックされた場合、検診情報入出力装置4hでは、検診予約結果画面4kを消去する。
【0071】
図1を参照して、スケジューリングサービス提供サイト5Aについて説明する。
スケジューリングサービス提供サイト5Aは、スケジューリングサービス会社であり、独立した事業者によって運営されている。スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、薬剤製造サイト2A、配送サイト3Aおよび検診サイト4Aからの資源の情報(主要資源の稼動予定の情報を含む)と検診サイト4Aからの検診予約の要求に基づいて製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCを生成し、各詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2A,3A,4Aに送信している。そのため、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、検診サイト4Aで行う放射線検診の予約管理も行っている。このような処理を行うために、スケジューリングサービス提供サイト5Aには、放射線検診スケジュール生成システム6Aが構築されている。なお、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、各サイト2A,3A,4Aと各スケジュール供給契約を結んでおり、各サイト2A,3A,4Aからの詳細スケジュールSM、SD,SCに対して支払われる代金によって事業を運営している。
【0072】
放射線検診スケジュール生成システム6Aについて説明する。
放射線検診スケジュール生成システム6Aは、予約管理装置6a、詳細スケジュール生成装置6b、ジョブ記憶装置6c、オーダ記憶装置6d、資源情報記憶装置6e、詳細スケジュール記憶装置6fおよび課金情報記憶装置6gを備えている。
なお、第1の実施の形態では、予約管理装置6aが特許請求の範囲に記載する日時決定手段に相当し、詳細スケジュール生成装置6bが特許請求の範囲に記載するスケジュール生成手段に相当し、ジョブ記憶装置6cが特許請求の範囲に記載する第1記憶手段に相当し、資源情報記憶装置6eが特許請求の範囲に記載する第2記憶手段に相当し、課金情報記憶装置6gが特許請求の範囲に記載する第4記憶手段に相当する。
【0073】
放射線検診スケジュール生成システム6Aは、放射線検診スケジュール生成ソフトウエアによってサーバコンピュータ(以下、「サーバ」と記載する)(図示せず)に構成される。また、このサーバは、各サイト2A,3A,4Aと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWサーバプログラムを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0074】
予約管理装置6aについて説明する。
予約管理装置6aは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。予約管理装置6aは、検診サイト4Aから検診予約要求QRが送信されると、ジョブ記憶装置6cに格納されているジョブスケジュールSJを読み出し、ジョブスケジュールSJから検診予約要求QRの検査サイトや検診希望日時に適合するジョブを抽出する(図4、図7参照)。この抽出では、まず、図7に示すように、ジョブJ1,・・・には撮像装置別にオペレーションC1,・・・が設定されているので(図7では、オペレーションC1,C2,C3は、異なる撮像装置によるオペレーションである)、該当する検診サイト4Aの撮像装置のオペレーションのジョブを抽出する。さらに、抽出したジョブの中から、開始時刻変更可能範囲TWに検診希望日時が入るジョブを抽出する。例えば、図7のジョブスケジュールSJにおいて検診予約要求QRに適合する検査サイト4Aで使用される撮像装置によるオペレーションがC1とC2の場合、まず、ジョブJ1,J2,J4,J5を抽出し、検診希望日時が午前8時の場合、ジョブJ1またはジョブJ2を抽出する。なお、ジョブスケジュールSJは、資源情報記憶装置6eに記憶されている各サイト2A,3A,4Aの各主要装置の稼動予定の情報に基づいて予め作成しているジョブJ1,・・・を、将来の一定期間(例えば、一ヶ月)分、日時順に配列したものである。ジョブスケジュールSJについては、後で詳細に説明する。
【0075】
検診予約要求QRを満たすジョブJを抽出できた場合、予約管理装置6aは、決定した検診開始日時および撮像装置の情報を含む予約結果RRを検診サイト4Aに送信する(図5参照)。そして、予約管理装置6aでは、検診サイト4Aから検診予約結果画面4kでのボタン4l,4m,4nのクリックされた情報を待つ(図5参照)。登録ボタン4lの情報の場合、予約管理装置6aは、そのジョブJをジョブスケジュールSJから削除し、さらに、そのジョブJをオーダとして設定し、オーダ記憶装置6dにそのオーダおよび検診予約要求QRと予約結果RRを関連付けして格納する(図11参照)。
【0076】
検診予約要求QRを満たすジョブJを抽出できなかった場合、予約管理装置6aは、検診予約要求QRの検診希望日時に最も近いジョブJをジョブスケジュールSJから抽出する。そして、予約管理装置6aは、その抽出したジョブJの検診開始日時および撮像装置の情報を含む予約結果RRを検診サイト4Aに送信する(図5参照)。そして、予約管理装置6aでは、検診サイト4Aから検診予約結果画面4kでのボタン4l,4m,4nのクリックされた情報を待つ(図5参照)。登録ボタン4lの情報の場合、予約管理装置6aは、そのジョブJをジョブスケジュールSJから削除し、さらに、そのジョブJをオーダとして設定し、オーダ記憶装置6dにそのオーダおよび検診予約要求QRと予約結果RRを関連付けして格納する(図11参照)。変更ボタン4mの情報の場合、予約管理装置6aは、検診予約要求QRの再送信を待つ。終了ボタン4nの情報の場合、予約管理装置6aは、処理を終了する。
【0077】
詳細スケジュール生成装置6bについて説明する。
詳細スケジュール生成装置6bは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。詳細スケジュール生成装置6bでは、オーダ記憶装置6dに格納されているオーダスケジュールSO(図12参照)と資源記憶装置6eに格納されている各サイト2A,3A,4Aの資源の情報に基づいて各サイト2A,3A,4Aにおける詳細スケジュールSM,SD,SCを生成する。この際、詳細スケジュール生成装置6bでは、詳細スケジュールSM,SD,SCのオペレーションにおいて詳細化が必要なオペレーションについてタスク展開スケジュールを生成する。詳細化が必要なオペレーションは、複数のタスクに分割する必要があるオペレーションであり、検診サイト4Aでのオペレーションのように撮像装置4c以外にも薬剤注入器4aやベッド4b等および医師、看護婦や技師等の多くの資源が関係するオペレーションである。そして、詳細スケジュール生成装置6bは、この詳細スケジュールSM.SD,SCおよびタスク展開スケジュールを詳細スケジュール記憶装置6fに格納するとともに、詳細スケジュールSM.SD,SCを各サイト2A,3A,4Aに送信する。さらに、詳細スケジュール生成装置6bは、詳細スケジュールSM.SD,SCを送信する毎に、課金情報記憶装置6gに格納されている課金の情報を更新し、この課金の情報を再格納する。なお、オーダスケジュールSOは、予約管理装置6aで設定され、オーダ記憶装置6dに格納されたオーダOを、将来の一定期間(例えば、数日)分時系列で配列したものである。
【0078】
図7を参照して、ジョブ記憶装置6cについて説明する。図7は、割付可能なジョブJ1,・・・からなるジョブスケジュールSJの一例である。
ジョブ記憶装置6cは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。ジョブ記憶装置6cは、各サイト2A,3A,4Aにおいて実際に実行可能で、将来の一定期間(例えば、一ヶ月)にわたるジョブJ1,・・・を時系列で配列したジョブスケジュールSJとして格納している。このジョブスケジュールSJのジョブJ1,・・・は、予約された検診を割り付けることができるジョブなので、特に、割付可能なジョブと呼ぶ。各ジョブJ1,・・・は、各サイト2A,3A,4Aの各主要装置(核種製造装置2a、薬剤合成装置2b、配送用車両3a、撮像装置4c)の稼動予定の情報に基づいて予め作成したものである。
なお、本実施の形態では、ジョブスケジュールSJが特許請求の範囲に記載するジョブの情報に相当する。
【0079】
図7のジョブスケジュールSJの例には、ジョブJ1〜J6の6個のジョブが示されている。これらの6個のジョブJ1〜J6のうち、C1とC2のオペレーションは、例えば、A検診サイト4Aの2台の撮像装置4c,4cを各々使用するオペレーションであり、C3のオペレーションは、B検診サイト4Aの一台の撮像装置4cを使用するオペレーションである。つまり、ジョブJ1、ジョブJ2、ジョブJ4およびジョブJ5の4つのジョブは、A検診サイト4Aでのジョブであり、ジョブJ3およびジョブJ6の2つのジョブは、B検診サイト4Aでのジョブである。また、図7のジョブスケジュールSJにおいて、同一の時間帯において同一の名前で示したオペレーション(バッチオペレーションと呼ぶ)、例えば、ジョブJ1〜J6のM1は、同一の装置(薬剤製造サイト2Aの核種製造装置2a)を用いて処理することを意味している。というのは、核種Nの製造や薬剤Mの合成に関するオペレーションは(図2参照)、一台の装置で一度に複数の被検診者に投与できる量の薬剤Mを処理するバッチ処理が可能である。バッチオペレーションは、このような、同一の装置で複数のジョブを同時に処理するオペレーションである。
【0080】
また、図7において、ジョブJ1,J2のバッチオペレーションD1とジョブJ3のオペレーションD2とは、共に薬剤Mを配送するオペレーションであるが、ジョブJ1,J2では薬剤製造サイト2AからA検診サイト4Aに対して薬剤M,Mを配送し、ジョブJ3では薬剤製造サイト2AからB検診サイト4Aに対して薬剤Mを配送する点が異なる。配送先が異なるということから、各オペレーションD1,D2で使用する主要資源(配送用車両3a)は別々のものを使用し、また各配送時間も異なっている。本実施の形態においては、ジョブ記憶装置6cに格納しているジョブJ1,・・・の作成にあたっては、薬剤製造サイト2Aと各検診サイト4A,・・・間の距離や、各配送のオペレーションD1,D2を実行する時間帯における道路交通事情等を考慮した上で、オペレーションD1,D2の時間を設定している。
【0081】
なお、図7に示したジョブスケジュールSJでは薬剤製造サイト2Aから各検診サイト4A,・・・へは別々の配送用車両3a,・・・を使用して配送するスケジュールが示されているが、一台の配送用車両3aを使用して各検診サイト4A,・・・を順次巡回して配送するスケジュールとすることも可能である。この場合、配送の途中で経由する各検診サイト4A,・・・における配送の次のオペレーションである撮像のオペレーション(例えば、C1)の開始時刻(最早開始時刻)は配送用車両3aの到着予定時刻とすれば良い。
【0082】
オーダ記憶装置6dについて説明する。
オーダ記憶装置6dは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。オーダ記憶装置6dは、ジョブ記憶装置6cに格納されているジョブスケジュールSJの割付可能なジョブJ1,・・・のうち(図7参照)、予約管理装置6aで設定したオーダOR1,・・・(確定したジョブ)を、オーダスケジュールSOとして将来の一定期間(例えば、数日)分時系列で配列して格納している(図12参照)。なお、オーダOR1,・・・には検診予約要求QRと予約結果RRも関連付けられて格納されている。
【0083】
資源情報記憶装置6eについて説明する。
資源情報記憶装置6eは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。資源情報記憶装置6eは、各タスク2A,3A,4Aから送信された資源の情報および後で説明するオペレーションを構成するタスクの情報を格納している。
【0084】
図8および図9を参照して、詳細スケジュール記憶装置6fについて説明する。図8は、検診サイト4Aでの詳細スケジュールSCの一例である。図9は、検診サイト4Aでのタスク展開スケジュールSTの一例である。
詳細スケジュール記憶装置6fは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。詳細スケジュール記憶装置6fは、各サイト2A,3A,4Aの詳細スケジュールSM,SD,SCおよび必要に応じて詳細スケジュールSM,SD,SCのタスク展開スケジュールSTを格納している。詳細スケジュールSM,SD,SCは、各サイト2A,3A,4Aの資源毎に、処理するオーダOR1,・・・を時間軸上に配置したものであり、各オーダOR1,・・・におけるオペレーション(タスク)に割り付けられた資源の開始時刻、終了時刻等の情報で構成する(図12参照)。つまり、オーダOR1,・・・の各オペレーションに、各薬剤製造装置2a,2bの稼動予定、配送用車両3aの稼動予定および各検診装置4a,4b,4cの稼動予定ならびに各サイト2A,3A,4Aの従事者の勤務予定に基づいて、各薬剤製造装置2a,2b、配送用車両3aおよび各検診装置4a,4b,4cならびに各サイト2A,3A,4Aの従事者を割り当てていく。図8に示すA検診サイト4Aの詳細スケジュールSCの例では、例えば、薬剤注入器4aは、午前7時から7時10分の間はオーダOR2に割り当てられ、午前8時から8時10分の間はオーダOR1に割り当てられ、午前9時から9時10分の間はオーダOR5に割り当てられ、午前10時から10時10分の間はオーダOR4に割り当てられている。
なお、本実施の形態では、製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCが特許請求の範囲に記載するスケジュールに相当する。
【0085】
また、詳細スケジュールSM,SD,SCは、タスクに基づいて生成している。前記したように、タスクは、各オペレーションを分割して詳細化したものであり、詳細スケジュールSM,SD,SCを作成する上で資源の制約等を判定するために作成する中間的なデータである。タスク展開スケジュールは、タスクを時間軸上に配置したものであり、タスクの開始時刻、終了時刻およびタスクに割り付けられた資源の開始時刻、終了時刻等の情報で構成する。図9には、図6のオペレーションC1をタスクに展開したタスク展開スケジュールSTを示している。このタスク展開スケジュールSTでは、オペレーションC1がタスクT1、タスクT2、タスクT3の3つのタスクで構成されることを示している。タスクT1は、被検診者に薬剤Mを注入する作業であり、資源として薬剤注入器、ベッド1および従事者1(医師)と従事者2(看護婦)を必要とする。タスクT2は、被検診者の体内の放射線を撮像する作業であり、撮像装置1、従事者3(技師)と従事者2(看護婦)を必要とする。タスクT3は、被検診者の撮像を終えた後に、体内の放射能の減衰を待つ作業であり、ベッド1および従事者1(医師)と従事者2(看護婦)を必要とする。さらに、例えば、タスクT1では、薬剤注入器および従事者1は午前8時から8時10分の間で必要であり、従事者2は午前8時から8時20分の間で必要であり、ベッド1は午前8時10分から午前9時の間で必要である。なお、各オペレーションを構成するタスクは、オペレーションの種類が同じであれば、それを構成するタスクも同一である。また、これらのタスク内における必要資源は、タスク毎に同一である。
【0086】
課金情報記憶装置6gについて説明する。
課金情報記憶装置6gは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。課金情報記憶装置6gは、各サイト2A,3A,4Aに対する課金の情報を格納している。課金の情報は、各サイト2A,3A,4Aに詳細スケジュールSM,SD,SCを提供するサービスに対する対価に関する情報である。この課金は、詳細スケジュールSM,SD,SCを一回(一日分)送信する毎の単価を定め、これに基づいて代金を算出する。課金情報記憶装置6gは、これらの代金を計算するために、詳細スケジュールSM,SD,SCを送信した回数のデータを保持している。スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、課金情報記憶装置6gに格納している課金の情報に基づいて一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に各サイト2A,3A,4Aに代金を請求し、各サイト2A,3A,4Aから代金を徴収する。
【0087】
次に、図1乃至図9を参照して、放射線検診システム1Aでの処理の流れを図10のフローチャートに沿って説明する。図10は、放射線検診システム1Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
検診サイト4Aでは、被検診者によって検診の予約が行われると、検診予約要求QRを放射線検診スケジュール生成システム6Aに送信する。放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、常時、検診予約要求QRを受信待ちしており、検診予約要求QRを受信したかどうかを判定する(S1)。そして、検診予約要求QRを受信しなかった場合、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、ステップS3の処理に移行する。
【0089】
一方、検診予約要求QRを受信した場合、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、ジョブ記憶装置6cに格納されているジョブスケジュールSJから、検診予約要求QRの条件を全て満たすか、あるいは検診希望時刻にできるだけ近いジョブJを抽出するとともに、検診開始日時(薬剤Mの供給が可能な日時)および撮像装置4cを決定し、その予約結果RRを生成する(S2)。そして、その予約結果RRを検診予約要求QRを送信した検診サイト4Aに送信する。このとき、この予約結果RRが検診サイト4Aで承認された場合(つまり、検診予約結果画面4kの登録ボタン4lがクリックされた情報が送信された場合)、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、抽出したジョブJの検診の開始時間を設定してオーダを生成し、このオーダをオーダ記憶装置6dに格納する(S2)。
【0090】
そして、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、詳細スケジュールSM,SD,SCを生成する時刻であるかどうかを判定する(S3)。スケジューリング対象の検診(オーダ)を実行する3日前の午後11時をこの時刻とする。このように、オーダが設定されたら直ちに詳細スケジュールSM,SD,SCを生成するのでなく、そのオーダの検診の3日前に生成するのは、被検診者のキャンセル等に対応するためであり、キャンセル等によって生成した詳細スケジュールSM,SD,SCが無駄になるのを防ぐためである。そして、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、その生成時刻と判定した場合にはステップS4の処理に移行し、生成時刻でない場合にはステップS1の処理に戻る。
【0091】
生成時刻になると、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、オーダ記憶装置6dに格納されているオーダスケジュールSO(図12参照)と資源情報記憶装置6eに格納されている各サイト2A、3A,4Aの資源の情報に基づいて各サイト2A,3A,4Aの詳細スケジュールSM,SD,SCを生成し(S4)、詳細スケジュール記憶装置6fに格納する。
【0092】
続いて、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、生成した詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2A,3A,4Aに送信する(S5)。さらに、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、各サイト2A,3A,4Aに送信した詳細スケジュール2A,3A,4Aの送信回数の情報(課金の情報)を更新し、この送信回数を課金情報記憶装置6gに格納する(S5)。なお、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、各タスク2A、3A,4Aの送信回数に基づいて各タスク2A,3A,4Aに提供した詳細スケジュールSM,SD,SCに対するサービス代金を算出する。そして、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、各タスク2A,3A,4Aに対して請求し、そのサービス代金を徴収する。
【0093】
薬剤製造サイト2Aでは、製造詳細スケジュールSMを受信すると、詳細スケジュール記憶装置2eに格納する。そして、薬剤製造サイト2Aでは、製造詳細スケジュールSMに従って、薬剤製造装置2a,2bを決められた時刻に稼動し、決められた量と種類の薬剤Mを製造する(S6)。
【0094】
配送サイト3Aでは、配送詳細スケジュールSDを受信すると、詳細スケジュール記憶装置3eに格納する。そして、配送サイト3Aでは、配送詳細スケジュールSDに従って、決められた時刻に決められた量と種類の薬剤Mを薬剤製造サイト2Aで受け取り、配送用車両3aで決められ検診サイト4Aに決められた時刻までに配送する(S7)。
【0095】
検診サイト4Aでは、検診詳細スケジュールSCを受信すると、詳細スケジュール記憶装置4eに格納する。そして、検診サイト4Aでは、検診詳細スケジュールSCに従って、検診予約を行っている被検診者に対して、決められた時刻に決められた量と種類の薬剤Mを用いて、決められた検診装置4a,4b,4cを使用して検診を行う(S8)。
【0096】
この放射線検診システム1Aによれば、各サイト2A,3A,4Aの主要資源の稼動予定に基づいて作成したジョブスケジュールSJに基づいて検診予約を受け付け、決定したオーダスケジュールSOと各サイト2A,3A,4Aの資源の情報とに基づいて詳細スケジュールSM,SD,SCを生成しているので、各サイト2A,3A,4Aにおいて各装置を効率的に稼動できるとともに従事者を効率的に配置できる。そのため、この放射線検診システム1Aでは、システム全体が非常に効率的に稼動し、少ない設備投資で多くの検診を行うことができる。
【0097】
次に、図1乃至図9を参照して、放射線検診スケジュール生成システム6Aでの検診サイト4A(検診情報入出力装置4h)との検診の予約処理を図11のフローチャートに沿って説明する。ここでは、図10のフローチャートにおけるステップS1で検診予約要求QRを受信後、ステップS2での処理を詳細に説明する。図11は、放射線検診スケジュール生成システム1Aにおける予約管理時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0098】
検診予約要求QRを受信すると、予約管理装置6aでは、検診予約要求QRから検診サイト、検診種別、被検診者IDおよび検診希望日時のデータを読み込む(S11)。
【0099】
続いて、予約管理装置6aでは、検診希望日時のデータに基づき、ジョブ記憶装置6cに格納されているジョブスケジュールSJを読み込む(S12)。例えば、図11の左上に示すジョブスケジュールSJを読み込む。
【0100】
そして、予約管理装置6aでは、読み込んだジョブスケジュールSJを検索し、検診希望時刻および検診サイトに適合するジョブを抽出する(S13)。例えば、要求された検診サイトがA検診サイトで、検診希望日時が2001年6月14日午前8時の場合、図11の左上に示すジョブスケジュールSJから、まず、A検診サイトの撮像装置を使用するオペレーションC1,C2のジョブJ1,J2,J4,J5を抽出し、さらに、2001年6月14日午前8時に検診を開始できるオペレーションC1,C2の開始時刻変更可能範囲TW内となるジョブJ1,J2を抽出する。なお、検診希望時刻が開始時刻変更可能範囲TWの最早開始時刻に可能な限り近くになるようなジョブを抽出する。というのは、薬剤Mを製造してから検診するまでの時間を可能な限り短縮することによって、製造する薬剤M(核種)の量を少なくできるからである。
【0101】
予約管理装置6aでは、ステップS13で検診希望日時および検診サイトに適合するジョブを抽出できたか否かを判定する(S14)。そして、予約管理装置6aでは、抽出できなかった場合にはステップS15の処理に移行し、抽出できた場合にはステップS16の処理に移行する。
【0102】
抽出できなかった場合、予約管理装置6aでは、検診希望日時を前または後に少し(例えば、30分前または30分後に)変更し、ステップS13の処理に移行する(S15)。そして、予約管理装置6aでは、ジョブを抽出できるまで、ステップS13〜ステップS15の処理を繰り返し実行する。
【0103】
抽出できた場合、予約管理装置6aでは、抽出したジョブの撮像に関するオペレーションの検診開始日時として検診希望日時を設定する(S16)。
【0104】
続いて、予約管理装置6aでは、設定したオベレーションの検診開始日時に基づいて製造する薬剤Mおよび核種の量を前記した式(3)および式(4)により算出する(S17)。
【0105】
そして、予約管理装置6aでは、抽出したジョブの撮像に関するオペレーションの検診開始日時とオペレーションで使用する撮像装置のデータを予約結果RRに設定し、検診予約要求QRを送信した検診サイト4Aに送信する(S18)。
【0106】
送信後、予約管理装置6aでは、検診サイト4Aからの応答を待つ。そして、予約管理装置6aでは、検診サイト4Aから応答を受信し、その応答の内容(クリックされたボタンの情報)を読み込む(S19)。
【0107】
続いて、予約管理装置6aでは、応答の内容を判定する(S20)。そして、予約管理装置6aでは、応答の内容が変更ボタンの場合にはステップS11に戻り、登録ボタンの場合にはステップS21に移行し、終了ボタンの場合には処理を終了する。
【0108】
応答の内容が登録ボタンの場合、予約管理装置6aでは、撮像に関するオペレーションの検診開始日時をステップS16で設定した日時に変更したジョブをオーダとし、そのオーダおよび検診予約要求QRと予約結果RRの情報をオーダ記憶装置6dに格納する(S21)。さらに、予約管理装置6aでは、抽出したジョブをジョブスケジュールSJから削除し、このジョブスケジュールSJをジョブ記憶装置6cに再格納する。これにより、同一のジョブが複数回割り付けられるのを防止する。図11の例では、左上図のジョブスケジュールSJからジョブJ1が抽出され、左中図においてこのジョブJ1の検診開始日時が午前8時に変更されてオーダOR1として設定され、左下図のジョブスケジュールSJではジョブJ1が削除されている。
【0109】
次に、図1乃至図9を参照して、放射線検診スケジュール生成システム6Aでのサイト2A,3A.4A毎の詳細スケジュールSM,SD,SCを生成する処理を図12のフローチャートに沿って説明する。ここでは、図10のフローチャートにおけるステップS3での詳細スケジュール生成時刻後のステップS4での処理を詳細に説明する。図11は、放射線検診スケジュール生成システム6Aにおける詳細スケジュール生成時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、詳細スケジュールSM,SD,SCを生成するサイト(対象サイト)2A,3A,4Aに関連するオペレーションをオーダ記憶装置6dから読み込む(S31)。つまり、オーダ記憶装置6dに格納しているオーダスケジュールSOの情報から、詳細スケジュールSM,SD,SCの生成対象日(3日後)の各オーダOR1,・・・を抽出し、さらに抽出したオーダOR1,・・・を構成するオペレーションのうち、対象サイト2A,3A,4Aに関するものを各々抽出する。図12の左上図のオーダスケジュールSOでは、検診サイト4Aを対象サイトとした場合におけるオーダOR1,OR2,OR4,OR5から抽出する詳細化対象のオペレーションC1,C2の例を示している。
【0111】
続いて、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、資源情報記憶装置6eに格納しているオペレーションを構成するタスクの情報に基づいて、ステップS31で抽出した各オペレーションをタスクに展開する(S32)。つまり、タスク展開スケジュールSTを生成する。図12の左中図のタスク展開スケジュールSTでは、オーダスケジュールSOに示した検診サイト(対象サイト)4AのオペレーションC1,C2をタスクT1,T2,T3に展開した例を示している。
【0112】
そして、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、資源情報記憶装置6eに格納している対象サイト2A,3A,4Aの資源の情報に基づいて各タスクに対して資源の割り付けを行う(S33)。
【0113】
さらに、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、各タスクに割り付けた資源の情報を資源毎に整理し、資源毎の処理するタスク(オーダ)に対して時系列の情報を生成する(S34)。つまり、詳細スケジュール2A,3A,4Aを生成する。なお、図13の左下図のA検診サイトの詳細スケジュールSCには、生成された資源毎の処理タスクを時間軸上に、オーダOR1,OR2,OR4,OR5別に展開した例を示している。なお、オーダを構成するオペレーションのうちタスク展開スケジュールを生成しないオペレーションについては、そのオペレーションから詳細スケジュールを直接生成する。薬剤製造サイト2Aや配送サイト3Aでは、一つのオペレーションに対して装置2a,2bや配送用車両3aによる一つのタスクとなるので、タスク展開スケジュールを生成しない場合がある。
【0114】
そして、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、ステップS34で生成した資源毎の処理タスクの時間軸上での展開結果(つまり、詳細スケジュールSM,SD,SC)を評価し、その実行の可否を判定する(S35)。本実施の形態においては、ある資源において、同一の時刻に複数のタスクを処理する詳細スケジュールSM,SD,SCが生成された場合に、実行不可能なスケジュールであると判定する。
【0115】
放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、ステップS35での実行可否の評価結果に応じて、実行不可能の場合にはステップS37に移行し、実行可能の場合にはステップS38に移行する(S36)。
【0116】
実行不可能な場合、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、実行不可能な詳細スケジュールSM,SD,SCに対して、タスクへの資源の割り付けの変更を行う(S37)。この変更は、予め定めた変更ルールに従って処理する。本実施の形態においては、実行可能な詳細スケジュールSM,SD,SCが生成されるまで、ステップS34からステップS37の処理を繰り返す。
【0117】
実行可能な場合、放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、生成した詳細スケジュール2A,3A,4Aを詳細スケジュール記憶装置6fに格納する(S38)。放射線検診スケジュール生成システム6Aでは、以上のステップS31からステップS38の処理を、スケジュールの生成対象である全てのサイト2A,3A,4Aに対して行うことにより詳細スケジュールSM,SD,SCを生成する。
【0118】
次に、図1乃至図9を参照して、放射線検診システム1Aにおける各サイト2A,3A,4A,5A間の情報(データ)、薬剤Mおよびお金の流れを図13のフローに沿って説明する。図13は、放射線検診システム1Aにおける各サイト2A,3A,4A,5A間の情報(データ)、薬剤Mおよびお金の流れを示すフロー図である。
【0119】
まず、検診サイト4Aが、スケジューリングサービス提供サイト5Aに対して検診の予約要求を行う(M1)。この検診予約要求QRにより、検診サイト4Aにて被検診者の検査の実施を希望する日時の情報をスケジューリングサービス提供サイト5Aに提供する。
【0120】
スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、検診予約要求QRにより検診サイト4Aにて実際に検診が可能な日時を決定し、この結果を予約結果RRとして検診サイト4Aに送信する(M2)。
【0121】
検診サイト4Aでは、この予約結果RRに基づいて実際に予約を行うかどうかの判断を行い、その結果をスケジューリングサービス提供サイト5Aに送信する(M3)。スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、この検診予約の確認に基づいて、実際に予約する場合には予約をオーダとして登録する。以上のM1乃至M3は、検診サイト4Aとスケジューリングサービス提供サイト5Aとが、予約を行うたびに繰り返す。
【0122】
次に、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、予め定められた時刻になると、登録されたオーダに基づき各サイト2A,3A,4Aで使用する詳細スケジュールSM,SD,SCを生成する(M4)。そして、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、生成した詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2A,3A,4Aに各々送信する(M5,M6,M7)。このとき、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、サイト2A,3A,4A毎に詳細スケジュールSM,SD,SCを送信した回数を記録する。
【0123】
薬剤製造サイト2Aでは、製造詳細スケジュールSMに従って薬剤Mを製造する(M8)。薬剤製造サイト2Aでは、これを配送サイト3Aに対して発送する(M9)。なお、薬剤製造サイト2Aが発送するのではなく、配送サイト3Aが薬剤製造サイト2Aまで受け取りに行ってもよい。
【0124】
続いて、配送サイト3Aでは、配送詳細スケジュールSDに従って薬剤Mを検診サイト4Aに配送する(M10)。
【0125】
そして、検診サイト4Aでは、検診詳細スケジュールM11に基づいて被検診者に対して放射線検診を実行する(M11)。
【0126】
また、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、検診詳細スケジュールSMを送信した回数に基づいて検診スケジュール供給契約に係わる代金を算出し、これを検診サイト4Aに対し請求する(M12)。検診サイト4Aでは、この請求に対する代金をスケジューリングサービス提供サイト5Aに対して支払う(M13)。
【0127】
同様に、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、配送詳細スケジュールSDを送信した回数に基づいて配送スケジュール供給契約に係わる代金を算出し、これを配送サイト3Aに対し請求する(M14)。配送サイト3Aでは、この請求に対する代金をスケジューリングサービス提供サイト5Aに対して支払う(M15)。
【0128】
さらに、スケジューリングサービス提供サイト5Aでは、製造詳細スケジュールSCを送信した回数に基づいて製造スケジュール供給契約に係わる代金を算出し、これを薬剤製造サイト2Aに対し請求する(M16)。薬剤製造サイト2Aでは、この請求に対する代金をスケジューリングサービス提供サイト5Aに対して支払う(M17)。
【0129】
この第1の実施の形態に係る放射線検診システム1Aによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Aにおいてジョブ記憶装置6cに薬剤Mの製造に関する装置の稼動予定に基づくジョブスケジュールSJを保持しているので、このジョブスケジュールSJに基づいて各検診サイト4Aからの検診予約要求QRに対して検診を行う日時や製造する薬剤Mや核種の量を決定することが可能である。このジョブスケジュールSJは薬剤製造サイト2A、配送サイト3A、検診サイト4Aの各主要装置の稼動効率を考慮した上で予め作成しているので、放射線検診に係わる各装置を総合的な観点から稼働率に運用することができる詳細スケジュールSM、SD,SCを生成することができる。
【0130】
つまり、各検診サイトが独自に要求する日時に指定された種類の薬剤Mを指定された量供給する従来の放射線検診システムにおいては、各検診サイトからの要求によっては薬剤製造サイトや配送サイトの各装置の能力を上回ったりあるいは稼働率が悪化するといった不都合が発生する恐れがあり、これを事前に察知するのが困難であった。しかし、放射線検診システム1Aでは、システムを構成する全てのサイト2A、3A,4Aの資源の情報を考慮しているので、このような不都合を事前に回避することが可能である。したがって、放射線検診システム1Aによれば、各サイト2A,3A,4Aの装置を効率的に運用でき、高額な設備投資を必要とする薬剤製造装置2a,2bや撮像装置4cの台数を必要最低限とした上で、より多くの被検診者の検診を実行できる。したがって、放射線検診システム1Aでは、各サイト2A,3A,4Aにおける装置に対して少ない設備投資で、多くの被検診者の検診を実現することができ、より多くの収益をあげることが可能である。
【0131】
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態に係る放射線検診システム1Bは、第1の実施の形態に係る放射線検診システム1Aを基本としており、いくつかの機能が更に加わる(図1、図14参照)。その機能としては、各サイト2B,3B,4Bから装置の稼動予定の情報を一定周期でオンラインにて収集し、この稼動予定の情報に基づいて短周期でジョブスケジュールSJを作成する機能、および各サイト2B,3B,4Bから装置の稼動実績のデータを所定周期でオンラインにて収集し、この稼動実績のデータに基づいて詳細スケジュールSM,SD,SCを再生成する機能である(図14参照)。第2の実施の形態では、これら機能によって、より柔軟な詳細スケジュールSM,SD,SCを作成する。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0132】
図14を参照して、第2の実施の形態に係る放射線検診システム1Bの構成を説明する。図14は、第2の実施の形態に係る放射線検診システム1Bの全体構成図である。
【0133】
放射線検診システム1Bは、薬剤Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までを行うシステムであり、このシステムを効率的に稼動させるために薬剤Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までの詳細なスケジュールを生成するシステムである。そのために、放射線検診システム1Bは、薬剤製造サイト2B、配送サイト3B,多数の検診サイト4Bおよびスケジューリングサービス提供サイト5Bから構成される。特に、スケジューリングサービス提供サイト5Bには、放射線検診スケジュール生成システム6Bが構築される。
【0134】
放射線検診システム1Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bと薬剤製造サイト2B、配送サイト3Bおよび多数の検診サイト4Bとの間が公衆電話回線、インターネットあるいは専用回線等の通信回線により接続されており、この通信回線を介して情報を送受信している。そして、放射線検診システム1Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて各サイトの装置や従事者に対するスケジュールを生成し、このスケジュールに基づいて薬剤製造サイト2Bで薬剤Mを製造し、配送サイト3Bが製造した薬剤Mを検診サイト4Bまで配送し、検診サイト4Bで配送された薬剤Mを用いて被検診者に対して放射線検診を行っている。
【0135】
図14を参照して、薬剤製造サイト2Bについて説明する。
薬剤製造サイト2Bは、薬剤製造メーカであり、独立した事業者によって運営されている。薬剤製造サイト2Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bからの製造詳細スケジュールSMに従って薬剤Mを製造している。また、薬剤製造サイト2Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて製造詳細スケジュールSMを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Bに資源(薬剤製造装置、従事者)の情報および一定周期毎に主要資源(核種製造装置、薬剤合成装置)の稼動予定の情報(以下、「薬剤製造装置稼動予定PM」と記載する)ならびに所定周期毎に薬剤製造装置2a,2bの稼動実績のデータ(以下、「稼動実績データDM」と記載する)を提供している。
なお、本実施の形態では、薬剤製造装置稼動予定PMが特許請求の範囲に記載する稼動予定の情報の一つに相当し、稼動実績データDMが特許請求の範囲に記載する稼動実績の情報の一つに相当する。
【0136】
なお、薬剤製造サイト2Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bと薬剤代金回収サービス付き製造スケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Bから提供された製造詳細スケジュールSMに従って製造した薬剤Mに係わる代金が支払われる。この代金は、スケジューリングサービス提供サイト5Bから提供された製造詳細スケジュールSMに対しての対価が差し引かれている。また、この代金は、予め定める製造詳細スケジュールSMの一回送信毎の単価および薬剤Mの種類別の製造単価に基づき算出される。ただし、薬剤製造サイト2Bが製造詳細スケジュールSMに従って薬剤Mの製造ができなかった場合には、その遅延の度合いに応じて予め定めるペナルティ(罰金)を薬剤製造サイト2Bがスケジューリングサービス提供サイト5Bに対して支払う。
【0137】
薬剤製造サイト2Bは、スケジューリング提供サイト5Bの放射線検診スケジュール生成システム6Bからの製造詳細スケジュールSMに従って核種製造装置2a、薬剤合成装置2bやオペレータ(従事者)を管理するためおよび薬剤製造装置稼動予定PMと稼動実績データDMをスケジューリング提供サイト5Bに送信するために、スケジュール管理装置2o、詳細スケジュール記憶装置2eおよび装置稼動予定記憶装置2pを備えている。
なお、第2の実施の形態では、スケジュール管理装置2oが特許請求の範囲に記載する管理手段および提供手段の一つに相当する。
【0138】
スケジュール管理装置2o、詳細スケジュール記憶装置2eおよび装置稼動予定記憶装置2pは、薬剤製造サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Bと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0139】
スケジュール管理装置2oについて説明する。
スケジュール管理装置2oは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、核種製造装置2aおよび薬剤合成装置2bと通信ケーブルにより接続している。スケジュール管理装置2oは、第1の実施の形態に係るスケジュール管理装置2dの機能に加えて(図1参照)、以下の機能を備えている。スケジュール管理装置2oは、一定期間分(例えば、一週間分)の各薬剤製造装置2a,2bの稼動予定(すなわち、薬剤製造装置稼動予定PM)を作成し、装置稼動予定記憶装置2pに格納する。そして、スケジュール管理装置2oは、一定周期毎(例えば、毎週土曜日の午後11時毎)に薬剤製造装置稼動予定PMを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動予定は、各装置2a,2bの稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻およびメンテナンス等で稼動できない日時等である。また、スケジュール管理装置2oは、製造詳細スケジュールSMの各タスクにおいて実際にそのタスクを実行したときの各薬剤製造装置2a,2の開始時刻と終了時刻および稼動状況の情報からなる稼動実績(すなわち、稼動実績データDM)を作成し、所定周期毎(例えば、製造詳細スケジュールSMの各オペレーションあるいは各タスクの終了毎)に稼動実績データDMを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動状況とは、各薬剤製造装置2a,2bが予定通り運転しているかあるいは故障等により予定外の停止を行っているか等の情報である。
【0140】
装置稼動予定記憶装置2pについて説明する。
装置稼動予定記憶装置2pは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。装置稼動予定記憶装置2pには、スケジュール管理装置2oによって薬剤製造装置稼動予定PMが格納される。
【0141】
図14を参照して、配送サイト3Bについて説明する。
配送サイト3Bは、運送会社であり、独立した事業者によって運営されている。配送サイト3Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bからの配送詳細スケジュールSDに従って薬剤Mを配送している。また、配送サイト3Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて配送詳細スケジュールSDを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Bに資源(配送用車両、従事者)の情報および一定周期毎に主要資源(配送用車両)の稼動予定の情報(以下、「配送装置稼動予定PD」と記載する)ならびに所定周期毎に配送用車両3aの稼動実績のデータ(以下、「稼動実績データDD」と記載する)を提供している。
なお、本実施の形態では、配送装置稼動予定PDが特許請求の範囲に記載する稼動予定の情報の一つに相当し、稼動実績データDDが特許請求の範囲に記載する稼動実績の情報の一つに相当する。
【0142】
なお、配送サイト3Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bと配送代金回収サービス付き配送スケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Bから提供された配送詳細スケジュールSDに従って行った配送に係わる代金が支払われる。この代金は、スケジューリングサービス提供サイト5Bから提供された配送詳細スケジュールSDに対しての対価が差し引かれている。また、この代金は、予め定める配送詳細スケジュールSDの一回送信毎の単価および配送距離別の配送単価に基づき算出される。ただし、配送サイト3Bが配送スケジュールSDに従って配送ができなかった場合には、その遅延の度合いに応じて予め定めるペナルティ(罰金)を配送サイト3Bがスケジューリングサービス提供サイト5Bに対して支払う。
【0143】
配送サイト3Bは、スケジューリング提供サイト5Bの放射線検診スケジュール生成システム6Bからの配送スケジュールSDに従って配送用車両3aや配送者を管理するためおよび配送装置稼動予定PDと稼動実績データDDをスケジューリング提供サイト5Bに送信するために、スケジュール管理装置3o、詳細スケジュール記憶装置3eおよび装置稼動予定記憶装置3pを備えている。
なお、第2の実施の形態では、スケジュール管理装置3oが特許請求の範囲に記載する管理手段および提供手段の一つに相当する。
【0144】
スケジュール管理装置3o、詳細スケジュール記憶装置3eおよび装置稼動予定記憶装置3pは、配送サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Bと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0145】
スケジュール管理装置3oについて説明する。
スケジュール管理装置3oは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、配送用車両3aと移動電話回線を介して通信可能である。スケジュール管理装置3oは、第1の実施の形態に係るスケジュール管理装置3dの機能に加えて(図1参照)、以下の機能を備えている。スケジュール管理装置3oは、一定期間分(例えば、一週間分)の各配送用車両3aの稼動予定(すなわち、配送装置稼動予定PD)を作成し、装置稼動予定記憶装置3pに格納する。そして、スケジュール管理装置3oは、一定周期毎(例えば、毎週土曜日の午後11時毎)に配送装置稼動予定PDを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動予定は、各配送用車両3aの稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻および車検や整備等で稼動できない日時等である。また、スケジュール管理装置3oは、配送スケジュールSDの各タスクにおいて実際にそのタスクを実行したときの各配送用車両3aの開始時刻と終了時刻および稼動状況の情報からなる稼動実績(すなわち、稼動実績データDD)を作成し、所定周期毎(例えば、配送詳細スケジュールSDの各オペレーションあるいは各タスクの終了毎)に稼動実績データDDを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動状況とは、各配送用車両3aが予定通り配送しているかあるいは渋滞等により予定外の時間を要しているか等の情報である。
【0146】
装置稼動予定記憶装置3pについて説明する。
装置稼動予定記憶装置3pは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。装置稼動予定記憶装置3pには、スケジュール管理装置3oによって配送装置稼動予定PDが格納される。
【0147】
図14を参照して、検診サイト4Bについて説明する。
検診サイト4Bは、検診施設(例えば、病院)であり、独立した事業者によって運営されている。検診サイト4Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bからの検診詳細スケジュールSCに従って放射線検診を行っている。また、検診サイト4Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて検診詳細スケジュールSCを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Bに資源(検診装置、従事者)の情報および一定周期毎に主要資源(撮像装置)の稼動予定の情報(以下、「検診装置稼動予定PC」と記載する)ならびに所定周期毎に各検診装置4a,4b,4cの稼動実績のデータ(以下、「稼動実績データDC」と記載する)を提供している。
なお、本実施の形態では、検診装置稼動予定PCが特許請求の範囲に記載する稼動予定の情報の一つに相当し、稼動実績データDCが特許請求の範囲に記載する稼動実績の情報の一つに相当する。
【0148】
なお、検診サイト4Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bと遅延保証付きスケジュール供給契約を結んでおり、スケジューリングサービス提供サイト5Bから提供された検診詳細スケジュールSCおよび配送された薬剤Mの代金を支払う。この代金は、予め定める検診詳細スケジュールSCの一回送信毎の単価および薬剤Mの種類別の単価に基づき算出される。ただし、薬剤が必要時間に必要量配送されなかった場合には、これらの代金の割引を行う。なお、契約した検診サイト4A内のスケジュールの遅延が原因で、薬剤Mの配送に関する不都合が生じた場合には、割引の対象とはしない。また、検診サイト4Bが配送スケジュールSCに従って検診ができなかった場合には、その遅延の度合いに応じて予め定めるペナルティ(罰金)を検診サイト4Bがスケジューリングサービス提供サイト4Bに対して支払う。
【0149】
検診サイト4Bは、スケジューリング提供サイト5Bの放射線検診スケジュール生成システム6Bからの検診スケジュールSCに従って検診装置4a,4b,4cや従事者(医師、看護婦、技師)を管理するためおよび検診装置稼動予定PCと稼動実績データDCをスケジューリング提供サイト5Bに送信するために、スケジュール管理装置4o、詳細スケジュール記憶装置4e、検診情報入出力装置4hおよび装置稼動予定記憶装置4pを備えている。
なお、第2の実施の形態では、スケジュール管理装置4oが特許請求の範囲に記載する管理手段および提供手段の一つに相当する。
【0150】
スケジュール管理装置4o、詳細スケジュール記憶装置4e、検診情報入出力装置4hおよび装置稼動予定記憶装置4pは、検診サイト用スケジュール管理ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Bと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0151】
スケジュール管理装置4oについて説明する。
スケジュール管理装置4oは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成され、撮像装置4cと通信ケーブルにより接続している。スケジュール管理装置4oは、第1の実施の形態に係るスケジュール管理装置4dの機能に加えて(図1参照)、以下の機能を備えている。スケジュール管理装置4oは、一定期間分(例えば、一週間分)の各撮像装置4cの稼動予定(すなわち、検診装置稼動予定PC)を作成し、装置稼動予定記憶装置4pに格納する。そして、スケジュール管理装置4oは、一定周期毎(例えば、毎週土曜日の午後11時毎)に検診装置稼動予定PCを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動予定は、各撮像装置4cの稼動できる日、各稼動日において稼動できる開始時刻と終了時刻およびメンテナンス等で稼動できない日時等である。また、スケジュール管理装置4oは、検診スケジュールSCの各タスクにおいて実際にそのタスクを実行したときの各検診装置4a,4b,4cの開始時刻と終了時刻および稼動状況の情報からなる稼動実績(すなわち、稼動実績データDC)を作成し、所定周期毎(例えば、検診詳細スケジュールSCの各オペレーションあるいは各タスクの終了毎)に稼動実績データDCを放射線検診スケジュール生成システム6Bに送信する。稼動状況とは、各検診装置4a,4b,4cが予定通り稼動しているかあるいは故障等により予定外の停止を行っているか等の情報である。
【0152】
装置稼動予定記憶装置4pについて説明する。
装置稼動予定記憶装置4pは、パソコンの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。装置稼動予定記憶装置4pには、スケジュール管理装置4oによって検診装置稼動予定PCが格納される。
【0153】
図14を参照して、スケジューリングサービス提供サイト5Bについて説明する。
スケジューリングサービス提供サイト5Bは、スケジューリングサービス会社であり、独立した事業者によって運営されている。スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、薬剤製造サイト2B、配送サイト3Bおよび検診サイト4Bからの稼動予定情報PM,PD,PCと検診サイト4Bからの検診予約の要求に基づいて製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCを生成し、各詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2B,3B,4Bに送信している。そのため、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、検診サイト4Bで行う放射線検診の予約管理も行っている。さらに、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、薬剤製造サイト2B、配送サイト3Bおよび検診サイト4Bからの稼動実績データDM,DD,DCと詳細スケジュールSM,SD,SCとに基づいてスケジュールに遅れが発生している場合には製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCを再生成し、各詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2B,3B,4Bに再送信している。このような処理を行うために、スケジューリングサービス提供サイト5Bには、放射線検診スケジュール生成システム6Bが構築されている。なお、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、各サイト2B,3B,4Bと各スケジュール供給契約を結んでおり、各サイト2B,3B,4Bからの詳細スケジュールSM、SD,SCに対して支払われる代金および薬剤Mの代金管理によって事業を運営している。薬剤Mの代金管理では、検診サイト4Bから配送した薬剤Mの代金を徴収し、薬剤製造サイト3Bに薬剤Mの製造代金を支払うとともに配送サイト3Bに配送代金を支払い、(徴収した薬剤Mの代金−(支払った製造代金+配送代金))がスケジューリングサービス提供サイト5Bの管理代金となる。
【0154】
放射線検診スケジュール生成システム6Bについて説明する。放射線検診スケジュール生成システム6Bは、ジョブ生成装置6h、予約管理装置6a、詳細スケジュール生成装置6i、稼動予定記憶装置6j、ジョブ記憶装置6c、オーダ記憶装置6d、資源情報記憶装置6e、詳細スケジュール記憶装置6f、課金情報記憶装置6g、稼動実績記憶装置6kおよび配送時間記憶装置6lを備えている。なお、第2の実施の形態では、ジョブ生成装置6hが特許請求の範囲に記載するジョブ生成手段に相当し詳細スケジュール生成装置6iが特許請求の範囲に記載するスケジュール生成手段に相当し、稼動予定記憶装置6jが特許請求の範囲に記載する第3記憶手段に相当し、ジョブ記憶装置6cが特許請求の範囲に記載する第1記憶手段に相当し、資源情報記憶装置6eが特許請求の範囲に記載する第2記憶手段に相当し、課金情報記憶装置6gが特許請求の範囲に記載する第4記憶手段に相当し、稼動実績記憶装置6kが特許請求の範囲に記載する第5記憶手段に相当する。
【0155】
放射線検診スケジュール生成システム6Bは、放射線検診スケジュール生成ソフトウエアによってサーバ(図示せず)に構成される。また、このサーバは、各サイト2B,3B,4Bと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWサーバプログラムを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0156】
ジョブ生成装置6hについて説明する。
ジョブ生成装置6hは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。ジョブ生成装置6hは、各サイト2B,3B,4Bから受信した薬剤製造装置稼動予定PM、配送装置稼動予定PDおよび検診装置稼動予定PCを稼動予定記憶装置6jに格納する。また、ジョブ生成装置6hは、稼動予定記憶装置6jに格納されている薬剤製造装置稼動予定PM、配送装置稼動予定PDおよび検診装置稼動予定PCと配送時間記憶装置6lに格納されている配送時間の情報に基づいて、第1の実施の形態で説明した割付可能なジョブJ1,・・・を生成し、一定期間分(例えば、一週間分)のジョブスケジュールSJを作成する(図7参照)。そして、ジョブ生成装置6hは、このジョブスケジュールSJをジョブ記憶装置6cに格納する。配送時間の情報は、薬剤製造サイト2Bと各検診サイト4A間における配送用車両3aによる配送に要した時間の最大値、最小値、平均値を、各曜日の時間帯毎に整理した情報である。つまり、各曜日や時間帯によって渋滞状況等が異なるので、各曜日や時間帯に応じて配送用車両3aのオペレーションの時間を変えることによって、交通状況に応じた精度の高いジョブJ1,・・・を生成することができる。
【0157】
詳細スケジュール生成装置6iについて説明する。
詳細スケジュール生成装置6iは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。詳細スケジュール生成装置6iは、第1の実施の形態に係る詳細スケジュール生成装置6bの機能に加えて(図1参照)、以下の機能を備えている。詳細スケジュール生成装置6iは、各サイト2B,3B,4Bから受信した稼動実績データDM,DD,DCを稼動実績記憶装置6kに格納する。そして、詳細スケジュール生成装置6iは、各サイト2B,3B,4Bから稼動実績データDM,DD,DCが送信される毎に、詳細スケジュールSM,SD,SCの各タスクでの各資源のスケジュール上の稼動開始時刻および終了時刻と各サイト2B,3B、4Bの各資源(主要資源だけでもよい)の実際の稼動開始時刻および終了時刻とを比較し、いずれかのサイト2B,3B、4Bでの各オペレーション(各タスク)において遅延判定時間以上遅延した場合にはこれまでの稼動実績を加味して詳細スケジュールSM,SD,SCを再生成する。このとき、詳細スケジュール生成装置6iは、遅延の原因となったサイト2A,3A,4Aとその遅延時間の情報を課金情報記憶装置6gに格納する。さらに、詳細スケジュール生成装置6iは、生成した詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2A,3A,4Aに再送信する。遅延判定時間は、薬剤Mの核種の半減期に基づいて設定された時間であり、スケジュールにこれ以上遅延が発生した場合には薬剤Mの核種の量が放射線検診できない量に減少してしまう時間である(例えば、各核種の半減期の2分の1の時間)。
【0158】
また、詳細スケジュール生成装置6iは、配送サイト3Bから稼動実績データDDが送信される毎に、稼動実績データDDから薬剤製造サイト2Aと検診サイト4A間の配送に要した時間を算出し、この結果を配送時間記憶装置6lに格納する。さらに、詳細スケジュール生成装置6iは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、配送時間記憶装置6lから過去の一定期間分の薬剤製造サイト2Aと検診サイト4A間の配送に要した時間を読み出し、薬剤製造サイト2Bと各検診サイト4A間における配送用車両3aによる配送に要した時間の最大値、最小値、平均値を算出し、各曜日の時間帯毎に整理する。そして、詳細スケジュール生成装置6iは、この情報を配送時間の情報として配送時間記憶装置6lに格納する。
【0159】
さらに、詳細スケジュール生成装置6iは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、課金情報記憶装置6gから過去の一定期間分の各サイト2B,3B,4Bの遅延回数と遅延時間の情報を読み出す。そして、詳細スケジュール生成装置6iは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、製造詳細スケジュールSMに従って製造した薬剤Mの製造代金、製造詳細スケジュールSMを提供した対価および遅延回数や遅延時間による罰金等を算出し、薬剤製造サイト2Bに対して支払う代金を算出し、課金の情報として課金情報記憶装置6gに格納する。また、詳細スケジュール生成装置6iは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、配送詳細スケジュールSDに従って配送した配送代金、配送詳細スケジュールSDを提供した対価および遅延回数や遅延時間による罰金等を算出し、配送サイト3Bに対して支払う代金を算出し、課金の情報として課金情報記憶装置6gに格納する。また、詳細スケジュール生成装置6iは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、検診詳細スケジュールSCに従って配送された薬剤Mの代金、検診詳細スケジュールSCを提供した対価および薬剤Mの配送の遅延回数や遅延時間による割引や放射線検診における遅延回数や遅延時間による罰金等を算出し、検診サイト4Bに対して請求する代金を算出し、課金の情報として課金情報記憶装置6gに格納する。
【0160】
ジョブ記憶装置6jについて説明する。
ジョブ記憶装置6jは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。ジョブ記憶装置6jは、各サイト2B,3B,4Bから送信された稼動予定PM,PD,PCを格納している。
【0161】
稼動実績記憶装置6kについて説明する。
稼動実績記憶装置6kは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。稼動予定記憶装置6kは、各サイト2B,3B,4Bから送信された稼動実績データDN,DD,DCを格納している。
【0162】
配送時間記憶装置6lについて説明する。
配送時間記憶装置6lは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。配送時間記憶装置6lは、詳細スケジュール生成装置6iで生成した配送時間の情報を格納している。
【0163】
次に、図14を参照して、放射線検診システム1Bにおける各サイト2B,3B,4B,5B間の情報(データ)、薬剤Mおよびお金の流れを図15のフローに沿って説明する。図15は、放射線検診システム1Bにおける各サイト2B,3B,4B,5B間の情報(データ)、薬剤Mおよびお金の流れを示すフロー図である。なお、図15中のM1乃至M11の流れについては、第1の実施の形態に係る図13に示すM1乃至M11と同様の流れなので、その説明を省略する。
【0164】
まず、薬剤製造サイト2Bが、主要資源(核種製造装置2aおよび薬剤合成装置2b)の薬剤製造装置稼動予定PMをスケジューリングサービス提供サイト5Bに対して送信する(M21)。また、配送サイト3Bが、主要資源(配送用車両3a)の配送装置稼動予定PDをスケジューリングサービス提供サイト5Bに送信する(M22)。また、検診サイト4Bが、主要資源(撮像装置4c)の検診装置稼動予定PCをスケジューリングサービス提供サイト5Bに送信する(M23)。すると、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、これらの稼動予定PM,PD,PCに基づいて、ジョブスケジュールSJを生成する(図7参照)。
【0165】
薬剤製造サイト2Bでは、薬剤Mを製造するオペレーションあるいはタスクが終了する毎に、稼動実績データDMをスケジューリングサービス提供サイト5Bに送信する(M24)。また、配送サイト3Bでは、薬剤Mを配送するオペレーションあるいはタスクが終了する毎に、稼動実績データDDをスケジューリングサービス提供サイト5Bに送信する(M25)。また、配送サイト3Bでは、薬剤Mを使用して放射線検診を行うオペレーションあるいはタスクが終了する毎に、稼動実績データDCをスケジューリングサービス提供サイト5Bに送信する(M26)。
【0166】
スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、各サイト2B,3B,4Bから稼動実績データDM,DD,DCが送信される毎に、稼動実績データDM,DD,DCに基づきスケジュールの管理を行い、いずれかのサイト2B,3B,4Bにおいて遅延等の不都合が生じた場合にはそれまでの稼動実績に応じて詳細スケジュールSM,SD,SCの再生成する(M27)。また、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、遅延の原因となったサイト2B,3B,4Bとその遅延時間の情報および稼動実績の情報に基づいて各サイト2B,3B,4Bとの代金の清算する際のデータ(薬剤Mの種類や量等)を保存する。
【0167】
そして、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、再作成した詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2B,3B,4Bに再送信する(M28,M29,M30)。
【0168】
スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、検診詳細スケジュールSCを送信した回数、配送した薬剤Mの量および薬剤Mの配送の遅延回数や遅延時間や放射線検診における遅延回数や遅延時間等により、遅延保証付き検診スケジュール供給契約に基づいて検診サイト4Bに請求する代金を算出する。そして、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、算出した代金を検診サイト4Bに請求する(M31)。検診サイト4Bでは、スケジューリングサービス提供サイト5Bに、この代金請求に対する代金支払いを行う(M32)。
【0169】
また、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、配送詳細スケジュールSDを送信した回数、配送した薬剤Mの量と回数および薬剤Mの配送における遅延回数や遅延時間等により、配送代金回収サービス付き配送スケジュール供給契約に基づいて配送サイト3Bに支払う代金を算出する。そして、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、算出した代金を配送サイト3Bに支払う(M33)。
【0170】
また、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、一定期間毎(例えば、一ヶ月毎)に、製造詳細スケジュールSMを送信した回数、製造した薬剤Mの種類と量および薬剤Mの製造における遅延回数や遅延時間等により、薬剤代金回収サービス付き配送スケジュール供給契約に基づいて薬剤製造サイト2Bに支払う代金を算出する。そして、スケジューリングサービス提供サイト5Bでは、算出した代金を薬剤製造サイト2Bに支払う(M34)。
【0171】
第2の実施の形態に係る放射線検診システム1Bによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて一定周期毎に送信される稼動予定PM,PD,PCに基づいて実行可能なジョブJ1,・・・(ジョブスケジュールSJ)を生成しているので、各サイト2B,3B,4Bにおける各装置の保守や点検等のスケジュールを考慮して、より柔軟な詳細スケジューリングSM,SD,SCを生成することができる。また、放射線検診システム1Bによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて各曜日の時間帯毎の配送時間の情報を生成し、その情報に基づいて実行可能なジョブJ1,・・・(ジョブスケジュールSJ)を生成しているので、交通渋滞等の事情を考慮した上で実行可能なジョブJ1,・・・(ジョブスケジュールSJ)を生成できる。また、放射線検診システム1Bによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて稼動実績データDM,DD,DCをより予定した詳細スケジュールSM,SD,SCに対して遅延が生じた場合には再度詳細スケジュールSM,SD,SCを生成するので、スケジュールの遅延による検診の混乱を抑えることができる。例えば、検診サイト4Bの撮像装置4cの故障により、予定したスケジュールによる検診が不可能になった場合に、不必要となった薬剤Mに関し、薬剤製造サイト2Bでの製造や配送サイト3Bによる配送を事前に中止することが可能となる。つまり、無駄な薬剤Mの製造や配送を事前に中止することができる。
【0172】
また、放射線検診システム1Bによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいて各検診サイト4Bから一括して代金の請求および徴収を行い、薬剤サイト2Bと配送サイト3Bに対して支払いを行うので、薬剤サイト2Bや配送サイト3Bが複数の検診サイト4Aに対し代金の授受に関する煩雑な処理や作業を行う必要がない。また、放射線検診システム1Bによれば、スケジューリングサービス提供サイト5Bにおいてスケジュールの遅延による不都合で生じる損害に対しての割引きやスケジュールの遅延に対する罰金を加味して代金を算出しているので、検診サイト4Bにおける遅延に対する不利益を解消することができるとともに、遅延の原因となった各サイト2B,3B,4Bにペナルティを課すことができる。
【0173】
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態に係る放射線検診システム1Cは、第2の実施の形態に係る放射線検診システム1Bを基本としており、一つの機能が更に加わる(図14、図16参照)。その機能としては、検診サイト4Cにおける従事者に関する過去の被曝放射線量の実績値に基づいてタスク毎の予想被曝放射線量の推定値を算出し、この推定値を用いてタスクの処理により従事者が新たに被曝する放射線量を予測し、この予測結果を検診詳細スケジュールSCに反映する機能である(図16参照)。第3の実施の形態では、この機能によって、より柔軟な詳細スケジュールSM,SD,SCを作成する。なお、第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第3の実施の形態では、検診サイト4Cの従事者に対しての被曝放射線量を予測して検診詳細スケジュールSCに反映する構成としているが、勿論、薬剤製造サイト2Cや配送サイト3Cの従事者に対しての被曝放射線量を予測して詳細スケジュールSM,SDに反映する構成を加えてもよい。
【0174】
というのは、放射線検診システム1Cにおいては、放射線を発生する薬剤Mを使用することから、薬剤Mを取り扱う従事者に関する被曝放射線量の管理が重要である。従事者に対する被曝放射線量は、被曝による人体に対する影響を防止するために、放射線障害防止法等の法令や各サイト2C,3C,4Cの規則で一定期間における被曝放射線量の最大値(限度)が規定されている。ちなみに、従来、放射線検診に係わる各従事者の被曝放射線量の管理方法としては、各従事者が装着するフイルムバッチ等の被曝放射線量検出手段により一定期間における被曝の実績値を測定し管理する方法が知られている。このような方法では、作業後に測定結果を見るまでは被曝放射線量を知ることができないため、実施した作業の結果として被曝放射線量の限度を超えてしまうという不都合が生じる可能性がある。そこで、第3の実施の形態では、放射線検診に係わる従事者の過去の被曝放射線量の実績値と将来予定された作業(タスク)を考慮し、詳細スケジュールSM,SD,SCを生成することが可能な放射線検診システム1Cを構成している。
【0175】
放射線検診システム1Cは、薬剤Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までを行うシステムであり、このシステムを効率的に稼動させるために薬剤Mの製造からその薬剤Mを用いた放射線検診までの詳細なスケジュールを生成するシステムである。そのために、放射線検診システム1Cは、薬剤製造サイト2C、配送サイト3C,多数の検診サイト4Cおよびスケジューリングサービス提供サイト5Cから構成される。特に、スケジューリングサービス提供サイト5Cには、放射線検診スケジュール生成システム6Cが構築され、その放射線検診スケジュール生成システム6Cに被曝放射線量予測システムの主要部が構築される。
【0176】
放射線検診システム1Cでは、スケジューリングサービス提供サイト5Cと薬剤製造サイト2C、配送サイト3Cおよび多数の検診サイト4Cとの間が公衆電話回線、インターネットあるいは専用回線等の通信回線により接続されており、この通信回線を介して情報を送受信している。そして、放射線検診システム1Cでは、スケジューリングサービス提供サイト5Cにおいて各サイトの装置や従事者に対するスケジュールを生成し、このスケジュールに基づいて薬剤製造サイト2Cで薬剤Mを製造し、配送サイト3Cが製造した薬剤Mを検診サイト4Cまで配送し、検診サイト4Cで配送された薬剤Mを用いて被検診者に対して放射線検診を行っている。
【0177】
なお、薬剤製造サイト2Cについては、第2の実施の形態に係る薬剤製造サイト2Bと同様の構成を有するので(図14参照)、その説明を省略する。また、配送サイト3Cについては、第2の実施の形態に係る配送サイト3Bと同様の構成を有するので(図14参照)、その説明を省略する。
【0178】
図16を参照して、検診サイト4Cについて説明する。
検診サイト4Cは、検診施設(例えば、病院)であり、独立した事業者によって運営されている。検診サイト4Cは、スケジューリングサービス提供サイト5Cからの検診詳細スケジュールSCに従って放射線検診を行っている。また、検診サイト4Cでは、スケジューリングサービス提供サイト5Cにおいて検診詳細スケジュールSCを生成するために、スケジューリングサービス提供サイト5Cに資源(配送用車両、従事者)の情報および一定周期毎に検診装置稼動予定PCならびに所定周期毎に稼動実績データDCを提供している。さらに、検診サイト4Cは、スケジューリングサービス提供サイト5Cにおいて従事者の被曝放射線量を予測するために、スケジューリングサービス提供サイト5Cに一定期間毎に従事者別の一日毎のタスク別の処理オーダ数と一日毎の被曝放射線量からなる情報(以下、「被曝放射線量実績情報DB」と記載する)を提供している。
【0179】
検診サイト4Cは、スケジューリング提供サイト5Cの放射線検診スケジュール生成システム6Cからの検診スケジュールSCに従って検診装置4a,4b,4cや従事者(医師、看護婦、技師)を管理するためおよび検診装置稼動予定PC、稼動実績データDCと被曝放射線量実績情報DBをスケジューリング提供サイト5Cに送信するために、スケジュール管理装置4o、詳細スケジュール記憶装置4e、検診情報入出力装置4h、装置稼動予定記憶装置4pおよび被曝放射線量管理装置4qを備えている。
なお、第3の実施の形態では、被曝放射線量管理装置4qが特許請求の範囲に記載する被曝放射線量管理手段に相当する。
【0180】
スケジュール管理装置4o、詳細スケジュール記憶装置4e、検診情報入出力装置4h、装置稼動予定記憶装置4pおよび被曝放射線量管理装置4qは、検診サイト用スケジュール管理ソフトウエアおよび被曝放射線量管理用ソフトウエアによってパソコン(図示せず)に構成される。また、このパソコンは、放射線検診スケジュール生成システム6Cと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWブラウザを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0181】
被曝放射線量管理装置4qについて説明する。
被曝放射線量管理装置4qは、パソコンの主制御装置(図示せず)に構成されている。被曝放射線量管理装置4qは、各従事者(医師、看護婦、技師)の一日の全てのタスクが終了する毎に、各従事者が放射線量測定装置(図示せず)で測定した被曝放射線量を取り入れるとともに、各従事者の処理した全てのタスクにおけるタスクの種類別のオーダ数を詳細スケジュール記憶装置4eに格納されている検診詳細スケジュールSCから読み込む。そして、被曝放射線量管理装置4qは、従事者別の一日分のタスクの種類別のオーダ数を一覧表にするとともにその一覧表に一日分の被曝放射線量を対応付けして被曝放射線量実績情報DBを作成し、この被曝放射線量実績情報DBを放射線検診スケジュール生成システム6Cに送信する。放射線量測定装置は、個人用の半導体検出器にて構成されており、従事者が一日の全てのタスクを終了したときに、この半導体検出器によって被曝放射線量を測定し、被曝放射線量管理装置4qに出力する。
【0182】
また、被曝放射線量管理装置4qは、被曝放射線量実績情報DBを作成すると、パソコンのディスプレイ(図示せず)に表示する。この表示の一例を図18に示す。図18は、被曝放射線量実績情報画面4rの一例である。被曝放射線量実績情報画面4rには、放射線検診システム1Cに係わる全ての従事者を個別に識別するためのコード(記号)である従事者ID、測定日、タスクの種類毎の処理したオーダ数、被曝放射線量の実績値(測定値)を、従事者毎に一覧表にした画面である。利用者(各従事者または検診サイト4Cのオペレータ)は、この被曝放射線量実績情報画面4rにより実績データを確認し、処理したタスクのオーダ数等のデータに間違いがある場合にはパソコンの入力装置(図示せず)を操作することによってデータを修正する。利用者は、修正を行う場合には被曝放射線量実績情報画面4rのデータの修正後に修正ボタン4sをマウスを操作してクリックし、表示されたデータに間違いがない場合には被曝放射線量実績情報画面4rのOKボタン4tをクリックする。被曝放射線量管理装置4qでは、利用者がOKボタン4tをクリックすると、被曝放射線量実績情報DBを放射線検診スケジュール生成システム6Cに送信する。
【0183】
図16を参照して、スケジューリングサービス提供サイト5Cについて説明する。
スケジューリングサービス提供サイト5Cは、スケジューリングサービス会社であり、独立した事業者によって運営されている。スケジューリングサービス提供サイト5Cでは、薬剤製造サイト2C、配送サイト3Cおよび検診サイト4Cからの稼動予定情報PM,PD,PCと検診サイト4Cからの検診予約の要求に基づいて製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCを生成し、各詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2C,3C,4Cに送信している。そのため、スケジューリングサービス提供サイト5Cでは、検診サイト4Cで行う放射線検診の予約管理も行っている。さらに、スケジューリングサービス提供サイト5Cでは、薬剤製造サイト2C、配送サイト3Cおよび検診サイト4Cからの稼動実績データDM,DD,DCと詳細スケジュールSM,SD,SCとに基づいてスケジュールに遅れが発生している場合には製造詳細スケジュールSM、配送詳細スケジュールSDおよび検診詳細スケジュールSCを再生成し、各詳細スケジュールSM,SD,SCを各サイト2C,3C,4Cに再送信している。また、スケジューリングサービス提供サイト5Cでは、検診詳細スケジュールSCを実行の可否を判定するために、検診サイト4Cからの被曝放射線量実績情報DBに基づいて検診サイト4Cの各タスクの1オーダ毎の被曝放射線量を予測し、検診サイト4Cの各従事者が検診詳細スケジュールSCのタスクを処理した場合の被曝放射線量を推定している。このような処理を行うために、スケジューリングサービス提供サイト5Cには、放射線検診スケジュール生成システム6Cが構築されている。なお、スケジューリングサービス提供サイト5Cでは、各サイト2C,3C,4Cと各スケジュール供給契約を結んでおり、各サイト2C,3C,4Cからの詳細スケジュールSM、SD,SCに対して支払われる代金および薬剤Mの代金管理によって事業を運営している。
【0184】
放射線検診スケジュール生成システム6Cについて説明する。放射線検診スケジュール生成システム6Cは、ジョブ生成装置6h、予約管理装置6a、予想被曝放射線量推定装置6m、詳細スケジュール生成装置6n、稼動予定記憶装置6j、ジョブ記憶装置6c、オーダ記憶装置6d、資源情報記憶装置6e、詳細スケジュール記憶装置6f、課金情報記憶装置6g、稼動実績記憶装置6k、配送時間記憶装置6l、被曝放射線量情報記憶装置6oおよび被曝放射線量限度記憶装置6pを備えている。なお、第3の実施の形態では、ジョブ生成装置6hが特許請求の範囲に記載するジョブ生成手段に相当し予想被曝放射線量推定装置6mが特許請求の範囲に記載する予測被曝放射線量推定手段に相当し、詳細スケジュール生成装置6nが特許請求の範囲に記載するスケジュール生成手段に相当し、稼動予定記憶装置6jが特許請求の範囲に記載する第3記憶手段に相当し、ジョブ記憶装置6cが特許請求の範囲に記載する第1記憶手段に相当し、資源情報記憶装置6eが特許請求の範囲に記載する第2記憶手段に相当し、課金情報記憶装置6gが特許請求の範囲に記載する第4記憶手段に相当し、稼動実績記憶装置6kが特許請求の範囲に記載する第5記憶手段に相当する。また、検診サイト4Cの被曝放射線量管理装置4qおよび放射線検診スケジュール生成システム6Cの予想被曝放射線量推定装置6m、被曝放射線量情報記憶装置6oおよび被曝放射線量限度記憶装置6pによって特許請求の範囲に記載する被曝放射線量予測システムを構成している。
【0185】
放射線検診スケジュール生成システム6Cは、放射線検診スケジュール生成ソフトウエアおよび予想被曝放射線量推定ソフトウエアによってサーバ(図示せず)に構成される。また、このサーバは、各サイト2C,3C,4Cと情報を送受信するために通信制御装置(図示せず)を備えており、特に、インターネットで情報を送受信する場合にはWWWサーバプログラムを備えている。通信制御装置は、モデム、DSU等から構成されている。
【0186】
図17を参照して、予想被曝放射線量推定装置6mについて説明する。図17は、放射線検診スケジュール生成システム6Cにおける予想被曝放射線量推定処理の説明図である。
予想被曝放射線量推定装置6mは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。予想被曝放射線量推定装置6mは、検診サイト4Cから送信された被曝放射線量実績情報DBに基づいてタスクの種類毎の被曝放射線量の予測値を算出し、タスク毎被曝放射線量予測情報IBを生成する。タスク毎被曝放射線量予測情報IBは、各タスクについて、1オーダを処理する毎に、処理を行った従事者が被曝する放射線量予測値および予測誤差からなる。具体的には、予想被曝放射線量推定装置6mでは、被曝放射線量実績情報DBにおける各従事者のタスク毎の処理オーダ数のデータおよび被曝放射線量の実績値から、重回帰分析の手法を用いて、従事者の被曝放射線量に関する重回帰式を作成する。つまり、予想被曝放射線量推定装置6mでは、被曝放射線量の実績値を目的変数Y、タスク毎の処理オーダ数を説明変数X1,X2,・・・Xnとして、次の関係式(5)を作成する。さらに、予想被曝放射線量推定装置6mでは、f(X1,X2,・・・,Xn)としてX1,X2,・・・,Xnの線形一次式の関係を仮定し、次の線形重回帰モデル(6)と生成する。
【0187】
【数4】
Figure 0004303436
【0188】
そして、この線形重回帰モデル(6)に基づいて算出される各偏回帰係数(a1,・・・,an)が、各タスク(タスク1〜タスクn)を一回処理することにより被曝する放射線量の予測値となる。つまり、目的変数Yに被曝放射線量実績情報DBの従事者毎の被曝放射線量の実績値を代入するとともに説明変数Xiに被曝放射線量実績情報DBの各従事者のタスク毎の処理オーダ数を各々代入して線形重回帰モデル(6)を、従事者毎に作成する。さらに、数日分〜数十日分の多数の線形重回帰モデル(6)を作成し、多数の線形重回帰モデル(6)から各偏回帰係数(a1,・・・,an)および定数項(a0)と誤差項(e)を算出する。このとき、各偏回帰係数(a1,・・・,an)の各誤差(予測誤差)も算出する。ちなみに、線形重回帰モデル(6)の数を多くするほど、各偏回帰係数(a1,・・・,an)の精度が向上する。
【0189】
予想被曝放射線量推定装置6mでは、以上の処理によって算出されるa1,a2,・・・,anの値と各予測誤差およびa0とeの値によりタスク毎被曝放射線量予測情報IBを生成する。そして、予想被曝放射線量推定装置6mでは、このタスク毎被曝放射線量予測情報IBをパソコンのディスプレイ(図示せず)に表示する。
【0190】
図19にタスク毎被曝放射線量予測情報IBの表示の一例を示す。図19は、タスク毎被曝放射線量予測情報画面4uの一例である。このタスク毎被曝放射線量予測情報画面4uでは、タスクの種類毎の被曝放射線量の予測値と予測誤差のデータで構成する画面である。利用者(放射線検診スケジュール生成システム6Cのオペレータ)は、タスク毎被曝放射線量予測情報画面4uにおける予測結果が妥当であると判断した場合にはマウス(図示せず)を操作してOKボタン4vをクリックする。すると、予想被曝放射線量推定装置6mでは、この操作に応じて、タスク毎の必要な資源に関する情報としてタスク毎被曝放射線量予測情報IBおよび被曝放射線量実績情報DBを資源情報記憶装置6eに格納するとともに、タスク毎被曝放射線量予測情報IBを被曝放射線量情報記憶装置6oに格納する。ちなみに、資源情報記憶装置6eおよび被曝放射線量情報記憶装置6oにおいて格納されているこれらの情報は、詳細スケジュール生成装置6nが、検診詳細スケジュールSCを生成するときに利用する。
【0191】
詳細スケジュール生成装置6nについて説明する。
詳細スケジュール生成装置6bは、サーバの主制御装置(図示せず)に構成されている。詳細スケジュール生成装置6nは、第2の実施の形態に係る詳細スケジュール生成装置6iの機能に加えて(図14参照)、以下の機能を備えている。詳細スケジュール生成装置6nは、第1の実施の形態で説明したタスク展開スケジュールSTを生成し、さらに詳細スケジュールSM,SD,SCを生成した後(図9、図12参照)、図12に示すステップS35の実行可否の評価において各従事者(検診サイト4C)の被曝放射線量の限度を評価条件とする。そのために、詳細スケジュール生成装置6nでは、詳細スケジュール記憶装置6fに格納されている検診詳細スケジュールSCから一日分の全てのタスクを抽出し、その各タスクの処理に必要な従事者を全て抽出する。そして、詳細スケジュール生成装置6nでは、一日分の各従事者のタスクの種類別の処理予定オーダ数を統計化する。さらに、詳細スケジュール生成装置6nでは、被曝放射線量情報記憶装置6oに格納されているタスク毎被曝放射線量予測情報IBを利用して、線形重回帰モデル(6)により一日分の各従事者の被曝放射線量の予測値を算出する。つまり、タスク毎被曝放射線量予測情報IBから偏回帰係数a1,a2,・・・,anおよび定数項a0と誤差項eを読み出すとともに説明変数Xiを各従事者のタスクの種類別の処理予定オーダ数とし、線形重回帰モデル(6)によって目的変数Y(一日分の各従事者の被曝放射線量の予測値)を算出する。
【0192】
さらに、詳細スケジュール生成装置6nでは、資源情報記憶装置6eに格納されている被曝放射線量実績情報DBによる各従事者の過去の一定期間分(例えば、一ヶ月分)から一日分を差し引いた積算被曝放射線量の実績値に一日分の各従事者の被曝放射線量の予測値を加え、各従事者の一定期間分の積算被曝放射線量の予測値を算出する。そして、詳細スケジュール生成装置6nでは、各従事者に対して、この積算被曝放射線量の予測値と被曝放射線量限度記憶装置6pに格納されている一定期間(例えば、一ヶ月分)における被曝放射線量の限度と比較する。積算被曝放射線量の予測値が限度を超えた場合、詳細スケジュール生成装置6nでは、図12に示すステップS36の判定で実行が不能のスケジュールであると判定し、図12に示すステップS37の処理に移行する。詳細スケジュール生成装置6nでは、ステップS37の処理において、積算被曝放射線量の予測値が限度を超えた従事者に対して、被曝放射線量が少ないあるいは放射線を全く被曝しないタスクを割り当てる。ちなみに、薬剤Mを注入するタスク等が被曝放射線量が多いタスクであり、被検診者を案内するタスク等が被曝放射線量が少ないタスクである。
【0193】
また、詳細スケジュール生成装置6nでは、各従事者に対して、被曝放射線量に関する情報を、パソコンのディスプレイ(図示せず)に表示する。この表示の一例を図20に示す。図20は、被曝放射線量予測情報画面4wの一例である。被曝放射線量予測情報画面4wには、従事者(従者者ID)毎に、検診詳細スケジュールSCのタスクを処理する対象日、その対象日のタスクの種類毎の処理予定オーダ数、そのタスクの種類毎の処理予定オーダ数を全て処理した場合の被曝放射線量の予測値、一定期間分(例えば、一ヶ月分)の積算被曝放射線量の予測値を示す画面である。また、被曝放射線量予測情報画面4wでは、積算放射線量の予測値が被曝放射線量の限度を超えた場合、積算放射線量の予測値を強調表示4yする。利用者は、この被曝放射線量予測情報画面4wにより被曝放射線量の予測情報を確認する。詳細スケジュール生成装置4nは、利用者が被曝放射線量予測情報画面4wのOKボタン4xをマウスを操作してクリックすることにより確認した場合には、次の処理に移行する。
【0194】
被曝放射線量情報記憶装置6oについて説明する。
被曝放射線量情報記憶装置6oは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。被曝放射線量情報記憶装置6oは、予想被曝放射線量推定装置6mで生成したタスク毎被曝放射線量予測情報IBを格納している。
【0195】
被曝放射線量限度記憶装置6pについて説明する。
被曝放射線量限度記憶装置6pは、サーバの記憶装置(ハードディスク等)に構成される。被曝放射線量限度記憶装置6pは、放射線障害防止法等の法令あるいは検診サイト4Aの規則等で定められた従事者に対する一定期間(例えば、一ヶ月)内における被曝放射線量の限度のデータを格納している。本実施の形態では、この限度のデータとしてDlim μSv/月を単位とした値を使用する。
【0196】
なお、資源情報記憶装置6eは、第1の実施の形態で説明した資源の情報の他に、タスク毎の必要な資源に関する情報としてタスク毎被曝放射線量予測情報IBおよび被曝放射線量実績情報DBを格納している。
【0197】
第3の実施の形態に係る放射線検診システム1Cによれば、生成した詳細スケジュールSM,SD,SCを実行した場合の各従事者の被曝放射線量の予測値を算出しているので、この結果に基づいて一定期間の各従事者の積算被曝放射線量の予測値が限度値以下となる詳細スケジュールSM,SD,SCを生成できる。そのため、放射線検診システム1Cによれば、従事者が多くの放射線を被曝することによりタスクに従事できなくなるような不都合を未然に防止することができ、従事者が過度に被曝することを防止できる。ちなみに、第3の実施の形態では、検診サイト4Cの各従事者に対してのみ被曝放射線量に関する処理を行う構成について説明したが、薬剤製造サイト2Cおよび配送サイト3Cの各従事者に対しても同様に適用することができる。
【0198】
また、放射線検診システム1Cでは、スケジューリングサービス提供サイト5Cにおて、過去の各従事者の被曝放射線量の実績データに基づいてタスク毎の被曝放射線量の予測値を求めることによって、従事者毎の被曝放射線量の予測値の算出を可能としている。さらに、放射線検診システム1Cでは、過去の各従事者の被曝放射線量の実績データと各従事者が処理したタスクのデータに基づいて重回帰モデルを利用することにより、タスク毎の被曝放射線量の予測値を簡単かつ高精度に算出することができる。
【0199】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態ではスケジューリングサービス提供サイトは独立した事業者によって運営される構成としたが、薬剤製造サイト、配送サイトあるいは検診サイト等のいずれかのサイトで運営し、この運営するサイトで放射線検診スケジュール生成システムを構築してもよい。
また、本実施の形態では薬剤製造サイト、配送サイト、検診サイトおよびスケジューリングサービス提供サイトをそれぞれ独立した事業者が運営する構成としたが、これらのうち複数のサイトを同じ事業者が運営するようにしてもよい。このように複数のサイトを同じ事業者により運営する場合には、製造スケジュール供給契約等の契約やこれに伴う代金の請求や支払いの処理は省略することが可能である。
また、本実施の形態では薬剤製造サイトと検診サイトを別々の事業体としたが、検診サイトの中で薬剤を製造する事業体もある。
また、本実施の形態では詳細スケジュールを送信した回数に基づいて詳細スケジュールの提供サービスに関する代金の請求を行う構成としたが、送信回数に関係なく一定期間単位(例えば、月単位)等で請求を行う構成としてもよい。
【0200】
また、第2の実施の形態では各サイトから稼動実績データが送信される毎に詳細スケジュールを再生成する構成としたが、一つのオーダが終了する毎等に詳細スケジュールを再生成する構成としてもよい。
また、第3の実施の形態では被曝放射線量管理装置を検診サイトに設け、検診サイトの従事者に対し被曝放射線量を予測する構成としたが、さらに、被曝放射線量管理装置を薬剤製造サイトや配送サイトに設け、薬剤製造サイトや配送サイトの従事者に対し被曝放射線量を予測する構成としてもよい。
また、第3の実施の形態では被曝放射線量管理装置を検診サイトに設ける構成としたが、放射線検診スケジュール生成システムにおいて検診サイトから被曝放射線量に関する情報を収集し、放射線検診スケジュール生成システムに被曝放射線量管理装置を設ける構成としてもよい。
また、第3の実施の形態では被曝放射線量限度記憶装置に保持する被曝放射線量の限度の値として一ヶ月間の積算被曝放射線量に対する値を用いたが、一年間あるいは一週間の積算被曝放射線量に対する値を用いてもよい。ちなみに、この積算期間が長すぎると、従事者が積算対象期間の前半で多くの放射線を被曝し、限度を超えた場合に以降のタスクの割り付けが長期にわたり不可能になる可能性がある。また、積算期間が短すぎると、限度の値も期間に応じて小さくなるため、詳細スケジュールの生成における従事者の割り付け方法が複雑になる可能性がある。したがって、この限度の値は、これらの特性を考慮した上で設定する必要がある。
【0201】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線検診スケジュール生成システムで生成したスケジュールによって各サイトの資源を効率的に稼動でき、放射線検診システム全体を高効率に稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る放射線検診システムの全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係る薬剤製造サイトの構成図である。
【図3】本実施の形態に係る検診サイトの構成図である。
【図4】本実施の形態に係る検診予約画面の一例である。
【図5】本実施の形態に係る検診予約結果画面の一例である。
【図6】本実施の形態に係るジョブの構成の一例である。
【図7】本実施の形態に係る割付可能なジョブからなるジョブスケジュールの一例である。
【図8】本実施の形態に係る検診サイトでの詳細スケジュールの一例である。
【図9】本実施の形態に係る検診サイトでのタスク展開スケジュールの一例である。
【図10】図1の放射線検診システムにおける動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】図1の放射線検診スケジュール生成システムにおける予約管理時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図1の放射線検診スケジュール生成システムにおける詳細スケジュール生成時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図1の放射線検診システムにおける各サイト間の情報(データ)、薬剤およびお金の流れを示すフロー図である。
【図14】第2の実施の形態に係る放射線検診システムの全体構成図である。
【図15】図14の放射線検診システムにおける各サイト間の情報(データ)、薬剤およびお金の流れを示すフロー図である。
【図16】第3の実施の形態に係る放射線検診システムの全体構成図である。
【図17】図16の放射線検診スケジュール生成システムにおける予想被曝放射線量推定処理の説明図である。
【図18】第3の実施の形態に係る被曝放射線量実績情報画面の一例である。
【図19】第3の実施の形態に係るタスク毎被曝放射線量予測情報画面の一例である。
【図20】第3の実施の形態に係る被曝放射線量予測情報画面の一例である。
【図21】従来の放射線検診システムの全体構成図ある。
【符号の説明】
1A,1B,1C・・・放射線検診システム
2,2A,2B,2C・・・薬剤製造サイト
2a・・・核種製造装置(薬剤製造装置)(資源、主要資源)
2b・・・薬剤合成装置(薬剤製造装置)(資源、主要資源)
2d・・・スケジュール管理装置(管理手段)
2o・・・スケジュール管理装置(管理手段、提供手段)
3A,3B,3C・・・配送サイト
3a・・・配送用車両(配送装置)(資源、主要資源)
3d・・・スケジュール管理装置(管理手段)
3o・・・スケジュール管理装置(管理手段、提供手段)
4,4A,4B,4C・・・検診サイト
4a・・・薬剤注入器(検診装置)(資源)
4b・・・ベッド(検診装置)(資源)
4c・・・撮像装置(検診装置)(資源、主要資源)
4d・・・スケジュール管理装置(管理手段)
4o・・・スケジュール管理装置(管理手段、提供手段)
4q・・・被曝放射線量管理装置(被曝放射線量管理手段、被曝放射線量予測システム)
5A,5B,5C・・・スケジューリングサービス提供サイト
6A,6B,6C・・・放射線検診スケジュール生成システム
6a・・・予約管理装置(日時決定手段)
6b,6i,6n・・・詳細スケジュール生成装置(スケジュール生成手段)
6c・・・ジョブ記憶装置(第1記憶手段)
6d・・・オーダ記憶装置
6e・・・資源情報記憶装置(第2記憶手段)
6f・・・詳細スケジュール記憶装置
6g・・・課金情報記憶装置(第4記憶手段)
6h・・・ジョブ生成装置(ジョブ生成手段)
6j・・・稼動予定記憶装置(第3記憶手段)
6k・・・稼動実績記憶装置(第5記憶手段)
6l・・・配送時間記憶装置
6m・・・予測被曝放射線量推定装置(予測被曝放射線量推定手段、被曝放射線量予測システム)
6o・・・被曝放射線量情報記憶装置(被曝放射線量予測システム)
6p・・・被曝放射線量限度記憶装置(被曝放射線量予測システム)
J,J1,J2,J3,J4,J5,J6・・・ジョブ
M・・・放射性薬剤
OR,OR1,OR2,OR3,OR4,OR5,OR6・・・オーダ
IB・・・タスク毎被曝放射線量予測情報
DB・・・被曝放射線量実績情報
DC,DD,DM・・・稼動実績データ(稼動実績の情報)
PC・・・検診装置稼動予定(稼動予定の情報)
PD・・・配送装置稼動予定(稼動予定の情報)
PM・・・薬剤製造装置稼動予定(稼動予定の情報)
SC・・・検診詳細スケジュール(スケジュール)
SD・・・配送詳細スケジュール(スケジュール)
SM・・・製造詳細スケジュール(スケジュール)
SJ・・・ジョブスケジュール(ジョブの情報)
SO・・・オーダスケジュール
ST・・・タスク展開スケジュール

Claims (14)

  1. 放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから陽電子放出型CTを含む検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う、前記陽電子放出型CTを利用した放射線検診システムにおけるスケジュールを作成する放射線検診スケジュール生成システムであって、
    被検診者一人当たりに投与される放射性薬剤の製造から当該放射性薬剤を投与された被検診者を検診する一台の前記検診装置の稼働までになされるオペレーションの情報であって後に被検者の検診の希望日時を基に被検者の検診に割り付けられるジョブと、当該ジョブを含んでなるジョブスケジュールとを、管理対象の前記検診サイトの前記検診装置ごとに、その稼働予定に基づいて、所定期間分を、前記検診サイトからの放射性薬剤の注文前に、あらかじめ生成して、当該生成したジョブスケジュールをジョブ記憶手段に記憶するジョブ生成手段と、
    対象の検診サイトで検診を受ける被検診者の検診の希望日時の情報を含む検診予約要求、前記被検診者の放射性薬剤の注文として受け付けた後に、前記ジョブ生成手段によって生成された前記ジョブスケジュールを前記ジョブ記憶手段から読み出し、前記読み出したジョブスケジュール各ジョブの中から前記希望日時と一致する日時または当該希望日時に近い日時のジョブを抽出して前記検診予約要求に割り付けることで前記抽出したジョブからオーダを生成し、当該生成したオーダを、各オーダを格納してなるオーダ記憶手段のオーダスケジュールに記憶して前記被検診者の検診予約を管理する予約管理手段と、
    前記オーダ記憶手段のオーダスケジュールに含まれる各オーダについて、被検診者のキャンセル等に対応するために予め設定された検診前の期日になったか否かを判断して、前記期日になった場合は、当該期日になった個々の前記オーダの内容に従って、前記薬剤製造サイトにおける放射性薬剤の製造から前記検診サイトにおける検診までの一連の詳細スケジュールを生成するスケジュール生成手段と
    を備えることを特徴とする放射検診スケジュール生成システム。
  2. 前記ジョブ生成手段は、
    前記薬剤製造サイトと前記検診サイトとの少なくとも一方の資源に関する情報を記憶した資源情報記憶手段から当該資源に関する情報を取得し、当該資源に関する情報に応じて前記ジョブスケジュールを生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検診スケジュール生成システム。
  3. 前記放射線検診システムでは、前記薬剤製造サイトで製造した放射性薬剤を配送サイトに備えられる配送装置により前記検診サイトに供給し、
    前記資源情報記憶手段は、前記配送サイトの資源の情報も記憶し、
    前記スケジュール生成手段は、前記配送サイトの資源の情報にも基づいて、前記各サイトにおける詳細スケジュールを生成すること
    を特徴とする請求項2に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  4. 前記ジョブ生成手段は、前記配送サイトに備えられる装置の稼動実績の情報から前記薬剤製造サイトから前記検診サイトまでの配送時間の情報を抽出するとともに前記抽出した配送時間の情報を曜日別かつ時間別に分類し、前記分類した配送時間の情報を参照して前記ジョブスケジュールを生成すること
    を特徴とする請求項3に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  5. 前記スケジュール生成手段で生成した各詳細スケジュールを、前記各サイトに通信回線を介して送信すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  6. 前記スケジュール生成手段は、前記予約管理手段において決定した日時が利用者に確認された検診に対して、詳細スケジュールを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  7. 前記利用者に対して、前記被検診者の検診の希望日時の情報および前記予約管理決定手段において選択された日時を表示することを特徴とする請求項6に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  8. 前記スケジュール生成手段で生成した各詳細スケジュールを各サイトに提供する対価からなる課金情報を記憶する課金情報記憶手段を備え、
    前記スケジュール生成手段は、前記生成した各詳細スケジュールを各サイトに提供する毎に前記課金情報を更新し、前記課金情報に基づいて各サイトに課金することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  9. 前記スケジュール生成手段は、前記各サイトに備えられる装置の稼動実績の情報を記憶する稼動実績記憶手段から当該稼働実績の情報を取得し、前記生成した詳細スケジュールにおける各装置の稼動時間と前記各装置の稼動実績の情報における稼動時間とが予め設定した時間幅以上相違した場合、前記各サイトにおける詳細スケジュールを再生成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の放射検診スケジュール生成システム。
  10. 放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う放射線検診システムであって、
    前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載する放射検診スケジュール生成システムを有し、
    前記各サイトに、前記スケジュール生成手段で生成した各詳細スケジュールに従って各サイトにおけるオペレーションを管理する管理手段を備えることを特徴とする放射線検診システム。
  11. 放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う放射線検診システムであって、
    前記請求項9に記載する放射検診スケジュール生成システムを有し、前記各サイトに、前記各サイトに備えられる装置の稼動実績の情報を前記放射性検診スケジュール生成システムに提供する提供手段と、
    前記スケジュール生成手段で生成した各詳細スケジュールまたは再生成した各詳細スケジュールに従って各サイトにおけるオペレーションを管理する管理手段と、
    を備えることを特徴とする放射線検診システム。
  12. 放射性薬剤の製造装置を備える薬剤製造サイトから検診装置を備える検診サイトに放射性薬剤を供給し、検診サイトにおいて放射性薬剤を使用して被検診者に検診を行う放射線検診システムに携わる従事者の作業を予め設定した被検診者一人に対するタスク単位で管理し、前記従事者毎の過去の所定期間において被曝した実績被曝放射線量および前記従事者毎の過去の所定期間におけるタスクの種類毎の実績処理数を管理する被曝放射線量管理手段と、
    前記被曝放射線量管理手段で管理する情報に基づいて、タスクの種類毎にタスクを一回処理することにより従事者が被曝するタスク毎予測被曝放射線量を求める予測被曝放射線量推定手段と、
    を備え、
    前記予測被曝放射線量推定手段で求めたタスク毎予測被曝放射線量と将来の所定期間において各従事者が処理するタスクの種類毎の予定処理数とに基づいて、前記将来の所定期間における各従事者の予測被曝放射線量を算出し、
    前記スケジュール生成手段が、算出した予測被爆放射線量に応じて、放射線を取り扱う前記従事者の詳細スケジュールを生成することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の放射線検診システム。
  13. 前記予測被曝放射線量推定手段は、前記従事者毎の過去の所定期間において被曝した実績被曝放射線量を目的変数とするとともに前記従事者毎の過去の所定期間におけるタスクの種類毎の実績処理数を説明変数とし、重回帰分析により各説明変数に対する偏回帰係数を求めることにより、前記タスク毎予測被曝放射線量を求めることを特徴とする請求項12に記載の放射線検診システム。
  14. 前記請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の放射線検診スケジュール生成システムに、
    少なくとも前記被曝放射線量予測システムの予測被曝放射線量推定手段が備えられ、
    前記放射線検診スケジュール生成システムにおいて、各従業者の被曝放射線量が予め設定された限度被曝放射線量を超えないようにスケジュールを生成するために、前記被曝放射線量予測システムにおいて算出した各従事者の予測被曝放射線量を利用することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の放射線検診システム。
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